JP2015147373A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機能性インクが基板に良好に定着した、密着性に優れた積層体及びその製造方法を提供する。【解決手段】基板と、基板上に形成されたコート剤硬化層と、混合領域と、機能性インク硬化層と、を含む積層体であって、前記機能性インク硬化層は、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから群から選ばれる1以上の機能性インクを用いて、前記コート剤硬化層上に積層され、前記混合領域は、コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間にあり、2nm〜2μmの厚みである積層体。【選択図】なし
Description
本発明は、電子回路を基板上に形成するプリンテッドエレクトロニクス等に用いられる積層体及びその製造方法に関する。
プリンテッドエレクトロニクス(以下、PEという)に用いられるインクは、所用の機能を発揮し、印刷精度が高いため、電子回路形成に用いられる。
PEの基板として一般に用いられるガラス、樹脂フィルムシート等に印刷又は塗布した場合、基板の表面エネルギーと機能性インクの表面エネルギーが大きく異なるため、インクの定着が困難である。また、インクの硬化膜と基板との表面エネルギーの差が大きいことから、紙を基板として用いた場合と比較して、硬化膜の密着性が著しく低下する。
密着性を高めるため、例えば、プラスチックフィルムを支持体とし、この上にインク受理層を設けたインクジェット記録媒体を用い、これに印刷を施すことが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、プラスチックフィルムの表面は、インク受理剤との密着性が悪く、プラスチックフィルムの表面に表面処理が必要となるため、コスト面や生産性に問題があった。
また、支持体として2層以上の積層構造を有する熱可塑性樹脂フィルムに直接インク受理剤を塗工してなるインクジェット受像シートが知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、シートの表面は高密度ポリエチレンであるため、インク受理剤を塗布した際にハジキが生じ、印刷をきれいに仕上げることが困難になることがあり、また、経時変化によって印刷部分が剥離する問題があった。
本発明の目的は、機能性インクが基板に良好に定着した、密着性に優れた積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、機能性インクと基板の剥離の原因をつきとめ、特定のコート材を中間層として使用することにより、剥離の問題を解消することを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、以下の積層体等が提供される。
1.基板と、基板上に形成されたコート剤硬化層と、混合領域と、機能性インク硬化層と、を含む積層体であって、
前記機能性インク硬化層は、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから群から選ばれる1以上の機能性インクを用いて、前記コート剤硬化層上に積層され、
前記混合領域は、コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間にあり、2nm〜2μmの厚みである積層体。
2.前記コート剤硬化層が多孔質膜である1記載の積層体。
3.前記コート剤硬化層が膨潤型樹脂からなる1又は2記載の積層体。
4.前記コート剤硬化層が、オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、高分子紫外線吸収剤、硬化触媒、及びブロック化イソシアネートシラン化合物を、少なくとも含む1〜3のいずれか記載の積層体。
5.前記金属インクの金属が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルからなる群から選ばれる1以上である1〜4のいずれか記載の積層体。
6.前記金属イオンインクの金属イオンが、1価の金属イオン、2価の金属イオン又は3価の金属イオンである1〜4のいずれか記載の積層体。
7.前記金属錯体インクの金属錯体が、有機顔料配位子と金属イオンからなる1〜4のいずれか記載の積層体。
8.前記金属酸化物半導体インクの金属酸化物半導体がインジウム錫酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸化物及びインジウムガリウム酸化物からなる群から選ばれる1以上である1〜4のいずれか記載の積層体。
9.前記基板が樹脂フィルム及びガラス基板である1〜8のいずれか記載の積層体。
10.基板上に、コート剤硬化層を形成し、
前記コート剤硬化層上に、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから選ばれる1以上の機能性インクを用いて成膜し、硬化処理することで、混合領域及び機能性インク硬化層を形成する積層体の製造方法。
11.前記硬化処理が、70〜200℃で5〜30分間の加熱処理を含む10記載の積層体の製造方法。
12.前記機能性インクを用いて湿式にて成膜する10又は11記載の積層体の製造方法。
13.前記硬化処理が、前記加熱処理後、さらに、活性エネルギー線による硬化を含む11又は12記載の積層体の製造方法。
14.前記硬化処理が、前記加熱処理後、さらに、キセノンパルス光による硬化を含む11又は12記載の積層体の製造方法。
15.前記加熱処理後の機能性インク硬化層中の残留溶剤が5%以下である11〜14のいずれか記載の積層体の製造方法。
16.前記コート剤硬化層の形成後、前記機能性インク硬化層の形成前、湿式にて超撥水性樹脂をパターン化して付着する10〜15のいずれか記載の積層体の製造方法。
17.前記機能性インク硬化層が、表面張力20mN/m〜70mN/mの機能性インクを用いて形成される10〜16のいずれか記載の積層体の製造方法。
18.前記機能性インクをスクリーン印刷、インクジェット、凹版印刷、凸版印刷、又はオフセット印刷にて成膜する10〜17のいずれか記載の積層体の製造方法。
19.前記機能性インクを用いて成膜する前に、前記コート剤硬化層がパターニングされる10〜18のいずれか記載の積層体の製造方法。
20.1〜9のいずれか記載の積層体を含むプリンテッドエレクトロニクス。
21.タッチパネル額縁配線、タッチパネル透明電極、タッチパネル基板、タッチセンサー基板、フレキシブルプリント配線板又はリジッド基板である20記載のプリンテッドエレクトロニクス。
1.基板と、基板上に形成されたコート剤硬化層と、混合領域と、機能性インク硬化層と、を含む積層体であって、
前記機能性インク硬化層は、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから群から選ばれる1以上の機能性インクを用いて、前記コート剤硬化層上に積層され、
前記混合領域は、コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間にあり、2nm〜2μmの厚みである積層体。
2.前記コート剤硬化層が多孔質膜である1記載の積層体。
3.前記コート剤硬化層が膨潤型樹脂からなる1又は2記載の積層体。
4.前記コート剤硬化層が、オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、高分子紫外線吸収剤、硬化触媒、及びブロック化イソシアネートシラン化合物を、少なくとも含む1〜3のいずれか記載の積層体。
5.前記金属インクの金属が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルからなる群から選ばれる1以上である1〜4のいずれか記載の積層体。
6.前記金属イオンインクの金属イオンが、1価の金属イオン、2価の金属イオン又は3価の金属イオンである1〜4のいずれか記載の積層体。
7.前記金属錯体インクの金属錯体が、有機顔料配位子と金属イオンからなる1〜4のいずれか記載の積層体。
8.前記金属酸化物半導体インクの金属酸化物半導体がインジウム錫酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸化物及びインジウムガリウム酸化物からなる群から選ばれる1以上である1〜4のいずれか記載の積層体。
9.前記基板が樹脂フィルム及びガラス基板である1〜8のいずれか記載の積層体。
10.基板上に、コート剤硬化層を形成し、
前記コート剤硬化層上に、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから選ばれる1以上の機能性インクを用いて成膜し、硬化処理することで、混合領域及び機能性インク硬化層を形成する積層体の製造方法。
11.前記硬化処理が、70〜200℃で5〜30分間の加熱処理を含む10記載の積層体の製造方法。
12.前記機能性インクを用いて湿式にて成膜する10又は11記載の積層体の製造方法。
13.前記硬化処理が、前記加熱処理後、さらに、活性エネルギー線による硬化を含む11又は12記載の積層体の製造方法。
14.前記硬化処理が、前記加熱処理後、さらに、キセノンパルス光による硬化を含む11又は12記載の積層体の製造方法。
15.前記加熱処理後の機能性インク硬化層中の残留溶剤が5%以下である11〜14のいずれか記載の積層体の製造方法。
16.前記コート剤硬化層の形成後、前記機能性インク硬化層の形成前、湿式にて超撥水性樹脂をパターン化して付着する10〜15のいずれか記載の積層体の製造方法。
17.前記機能性インク硬化層が、表面張力20mN/m〜70mN/mの機能性インクを用いて形成される10〜16のいずれか記載の積層体の製造方法。
18.前記機能性インクをスクリーン印刷、インクジェット、凹版印刷、凸版印刷、又はオフセット印刷にて成膜する10〜17のいずれか記載の積層体の製造方法。
19.前記機能性インクを用いて成膜する前に、前記コート剤硬化層がパターニングされる10〜18のいずれか記載の積層体の製造方法。
20.1〜9のいずれか記載の積層体を含むプリンテッドエレクトロニクス。
21.タッチパネル額縁配線、タッチパネル透明電極、タッチパネル基板、タッチセンサー基板、フレキシブルプリント配線板又はリジッド基板である20記載のプリンテッドエレクトロニクス。
本発明によれば、機能性インクが基板に良好に定着した、密着性に優れた積層体及びその製造方法が提供できる。
本発明の積層体は、基板と、基板上に形成されたコート剤硬化層と、混合領域と、機能性インク硬化層と、を含む。
機能性インク硬化層は、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから群から選ばれる1以上の機能性インクを用いて、前記コート剤硬化層上に積層され、また、前記混合領域は、コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間にあり、2nm〜2μmの厚みである。
機能性インク硬化層は、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから群から選ばれる1以上の機能性インクを用いて、前記コート剤硬化層上に積層され、また、前記混合領域は、コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間にあり、2nm〜2μmの厚みである。
コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間には、コート剤硬化層の成分と機能性インク硬化層の成分が入り組んだ混合領域が形成される。
また、混合領域は、機能性インク硬化物中の樹脂、分散剤、溶剤を含んでもよい。
また、混合領域は、機能性インク硬化物中の樹脂、分散剤、溶剤を含んでもよい。
混合領域により、基材、コート剤硬化膜、機能性インク硬化膜の密着性が強固となる。
混合領域は、コート剤硬化層を形成するコーティング組成物に含まれる粒子が、硬化層となったときに、表面に凹凸を形成し、表面積が大きくなることで、機能性インク硬化層との密着強度を向上させる。
混合領域は、コート剤硬化層を形成するコーティング組成物に含まれる粒子が、硬化層となったときに、表面に凹凸を形成し、表面積が大きくなることで、機能性インク硬化層との密着強度を向上させる。
この混合領域は、2nm〜2μmであり、好ましくは5nm〜1.5μmであり、より好ましくは10nm〜1μmである。
混合領域が2nm未満である場合には、密着力向上には寄与せず、混合領域が2μmを超える場合には、機能性インク硬化膜の機能発現を阻害する可能性がある。
混合領域が2nm未満である場合には、密着力向上には寄与せず、混合領域が2μmを超える場合には、機能性インク硬化膜の機能発現を阻害する可能性がある。
基板としては、樹脂フィルム、ガラス基板等が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、シンジオタクチックポリスチレンフィルム及びポリフェニレンサルファイドフィルム等が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、シンジオタクチックポリスチレンフィルム及びポリフェニレンサルファイドフィルム等が挙げられる。
機能性インク硬化層の機能性インクは、付与させたい機能に基づき選択できる。例えば、銅ナノ粒子の機能性インクを用いて、銅被膜を形成することができる。また、銀ナノ粒子の機能性インクを用いて銀被膜、銀ナノワイヤの機能性インクを用いて透明導電膜及び導電膜、銅ナノワイヤの機能性インクを用いて透明導電膜及び導電膜、銅−ニッケルナノワイヤの機能性インクを用いて透明導電膜及び導電膜、カーボンナノチューブの機能性インクを用いて導電膜、水酸化銅や銅フタロシアニン等の機能性インクを用いて金属イオン化合物被膜、ZnOやSnO2、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウムガリウム酸化物(IGO)、酸化銅、酸化銀等の機能性インクを用いて酸化物半導体被膜、酸化シリコン等の機能性インクを用いて無機絶縁膜、ポリシルセスオキサン等の機能性インクを用いて有機無機複合絶縁膜、ポリイミド、ポリスチレン等の機能性インクを用いて有機絶縁体膜を形成することができる。
コート剤硬化膜は機能性インクの溶剤及び機能性物質を吸収、担持する機能及び膨潤する機能に基づき選択できる。溶剤及び機能性物質を吸収、担持する材料は例えば、多孔質材料や担持体材料が挙げられる。
多孔質材料は、多孔質膜を形成し、細孔の大きさによって3種類に分類され2nm以下はミクロポーラス材料、2〜50nmはメソポーラス材料、50nm以上はマクロポーラス材料である。ミクロポーラス材料は例えば、活性炭やゼオライト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、多孔質ウレタンフォーム、多孔質ポリエチレン、多孔質酢酸ビニル等が挙げられる。メソポーラス材料は例えば、シリカオリゴマー、中空シリカ、MCM、FSM、金属酸化物ナノ粒子が挙げられる。マクロポーラス材料は例えば、軽石等が挙げられる。
機能性インクの溶剤により膨潤する材料は、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アクリル酸系ポリマー、親水性ポリマー等の膨潤型樹脂が挙げられる。
コート剤硬化膜の構造は、立体的網目構造や多孔質ハニカム構造、連続多孔質構造、多孔質3次元スポンジ構造であることが好ましい。上記のような構造をとれば、毛細管現象等の原理により機能性インクの溶剤吸収が速やかに行われる。
コート剤硬化膜は、例えば、下記成分(1)〜(7)を含むコーティング組成物を使用することにより作製できる。
(1)オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物
(2)アミノシラン化合物
(3)エポキシシラン化合物
(4)高分子紫外線吸収剤
(5)硬化触媒
(6)ブロック化イソシアネートシラン化合物
(7)溶剤
(1)オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物
(2)アミノシラン化合物
(3)エポキシシラン化合物
(4)高分子紫外線吸収剤
(5)硬化触媒
(6)ブロック化イソシアネートシラン化合物
(7)溶剤
(1)オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物
オルガノアルコキシシラン化合物は、アルコキシ基を含むシラン化合物であり、アミノ基、エポキシ基、及びイソシアネート基を含まない化合物である。好ましくは2官能アルコキシシラン、3官能アルコキシシランである。
ポリオルガノアルコキシシラン化合物とは、アルコキシシラン化合物の一部が縮合し、分子内にシロキサン結合(Si−O結合)を形成した部分縮合物である。
尚、これらの化合物は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
オルガノアルコキシシラン化合物は、アルコキシ基を含むシラン化合物であり、アミノ基、エポキシ基、及びイソシアネート基を含まない化合物である。好ましくは2官能アルコキシシラン、3官能アルコキシシランである。
ポリオルガノアルコキシシラン化合物とは、アルコキシシラン化合物の一部が縮合し、分子内にシロキサン結合(Si−O結合)を形成した部分縮合物である。
尚、これらの化合物は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
2官能アルコキシシラン、又は3官能アルコキシシランとしては、以下の式(1)で表される化合物が好ましい。
(R1)mSi(OR2)4−m (1)
(式中、R1は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜10のアルキル基;フッ素化アルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。R2は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基、又はエーテル基を有するアルキル基である。mは1又は2である。)
(R1)mSi(OR2)4−m (1)
(式中、R1は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜10のアルキル基;フッ素化アルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である。R2は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基、又はエーテル基を有するアルキル基である。mは1又は2である。)
3官能アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシシラン、メチル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、ヘキシルトリブトキシシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリプロポキシシラン、デシルトリブトキシシラン、置換基にフッ素原子を導入したトリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素化アルキル(トリアルコキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。また2種類のアルコキシ基を有するメチルジメトキシ(エトキシ)シラン、エチルジエトキシ(メトキシ)シラン等も挙げられる。
2官能アルコキシシランとして、具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビス(2−メトキシエトキシ)ジメチルシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
2官能アルコキシシランとして、具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビス(2−メトキシエトキシ)ジメチルシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
ポリオルガノアルコキシシラン化合物は、以下の式(1’)でされる化合物が好ましい。
(R1)kSilOl−1(OR2)2l+2−k (1’)
(R1)kSilOl−1(OR2)2l+2−k (1’)
R1及びR2は、上記と同様である。
lは2〜15のいずれかの整数であり、kはl〜2lで表されるいずれかの整数である。
尚、ポリオルガノアルコキシシラン化合物は、異なる複数のlをもつ化合物からなる混合物もよい。
lは2〜15のいずれかの整数であり、kはl〜2lで表されるいずれかの整数である。
尚、ポリオルガノアルコキシシラン化合物は、異なる複数のlをもつ化合物からなる混合物もよい。
ポリオルガノアルコキシシラン化合物としては、例えば3官能アルコキシシランであるメチルトリメトキシシラン又はフェニルトリメトキシシランが部分縮合してできたポリメチルメトキシシロキサン(メチルメトキシシロキサンと表記する場合もある。例えば、MTMS−A(多摩化学工業株式会社製)が挙げられる。)又はポリフェニルメトキシシロキサン、2官能アルコキシシランであるジエチルジエトキシシランが部分縮合してできたポリジエチルエトキシシロキサン等が挙げられる。
ポリオリガノアルコキシシラン化合物の具体例としては、MTMS−A、コルコート株式会社製のSS−101、東レ・ダウコーニング株式会社製のAZ−6101、SR2402及びAY42−163等が挙げられる。
ポリオリガノアルコキシシラン化合物の具体例としては、MTMS−A、コルコート株式会社製のSS−101、東レ・ダウコーニング株式会社製のAZ−6101、SR2402及びAY42−163等が挙げられる。
ポリオリガノアルコキシシラン化合物は、好ましくは分子量200〜6000である。分子量1000〜5000がより好ましく、分子量2000〜4000がさらに好ましい。
(2)アミノシラン化合物
アミノシラン化合物は、アミノ基含有シラン化合物であって、好ましくはアルコキシ基を含む。また、エポキシ基及びイソシアネート基は含まないアルコキシシラン化合物である。
アミノシラン化合物は、アミノ基含有シラン化合物であって、好ましくはアルコキシ基を含む。また、エポキシ基及びイソシアネート基は含まないアルコキシシラン化合物である。
アミノシラン化合物としては、以下の式(2)で表される化合物が好ましい。
(R11)nSi(OR2)4−n (2)
(式中、R11は同じでも異なってもよく炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、アミノ基(−NH2基)、アミノアルキル基(−(CH2)x−NH2)、アルキルアミノ基(−NHR基)からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R11の少なくとも1つは、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基のいずれかで置換された炭素数1〜3のアルキル基である。上記アミノアルキル基におけるxは、1〜3の整数であり、上記アルキルアミノ基におけるRは炭素数1〜3のアルキル基である。R2及びnは上記と同様である。)
(R11)nSi(OR2)4−n (2)
(式中、R11は同じでも異なってもよく炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、アミノ基(−NH2基)、アミノアルキル基(−(CH2)x−NH2)、アルキルアミノ基(−NHR基)からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R11の少なくとも1つは、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基のいずれかで置換された炭素数1〜3のアルキル基である。上記アミノアルキル基におけるxは、1〜3の整数であり、上記アルキルアミノ基におけるRは炭素数1〜3のアルキル基である。R2及びnは上記と同様である。)
アミノシラン化合物の具体例としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N―(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、アミノシラン化合物としては、例えば、信越シリコーン株式会社製の「KBP−90」等が挙げられる。
また、アミノシラン化合物としては、例えば、信越シリコーン株式会社製の「KBP−90」等が挙げられる。
(3)エポキシシラン化合物
エポキシシラン化合物は、エポキシ基を含むシラン化合物であって、好ましくは、アルコキシ基を含む。また、アミノ基及びイソシアネート基は含まない。
エポキシシラン化合物は、エポキシ基を含むシラン化合物であって、好ましくは、アルコキシ基を含む。また、アミノ基及びイソシアネート基は含まない。
エポキシシラン化合物としては、以下の式(3)で表される化合物が好ましい。
(R21)nSi(OR2)4−n (3)
(式中、R21は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基であり、R21の少なくとも1つは、グリシドキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基である。R2及びnは上記と同様である。)
(R21)nSi(OR2)4−n (3)
(式中、R21は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基;ビニル基;フェニル基;又はメタクリロキシ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基であり、R21の少なくとも1つは、グリシドキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基である。R2及びnは上記と同様である。)
エポキシシラン化合物の具体例としては、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(4)高分子紫外線吸収剤
高分子紫外線吸収剤は、紫外線吸収機能を有する骨格を分子内に有する高分子化合物である。
紫外線吸収機能を有する骨格を含むと、耐候性に優れる。
高分子紫外線吸収剤は、紫外線吸収機能を有する骨格を分子内に有する高分子化合物である。
紫外線吸収機能を有する骨格を含むと、耐候性に優れる。
高分子紫外線吸収剤としては、例えば、紫外線吸収剤として作用する骨格(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系)を側鎖に有するアクリル系単量体と他のエチレン系不飽和化合物(アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体、スチレン、酢酸ビニル等)と共重合させたものが例示される。従来の紫外線吸収剤が一般に分子量200〜700の低分子であるのに対し、高分子紫外線吸収剤粒子の重量平均分子量は通常1万を超える。プラスチックとの相溶性や耐熱性等、従来からある低分子型紫外線吸収剤の欠点が改良され、長期にわたって耐候性能を付与できるものである。
使用形態は粉末状、又は酢酸エチル等の有機溶剤に分散させた分散系や、水中に分散したエマルジョン系等が挙げられる、
使用形態は粉末状、又は酢酸エチル等の有機溶剤に分散させた分散系や、水中に分散したエマルジョン系等が挙げられる、
紫外線吸収剤として作用する骨格を側鎖に有するアクリル系単量体として、例えば、下記式(8)で表わされるベンゾトリアゾール系化合物、及び式(9)で表わされるベンゾフェノン系化合物を挙げることができる。
[式中、Xは水素原子又は塩素原子、R10は水素原子、メチル基、又は炭素数4〜8の第3級アルキル基、R11は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基、R12は水素原子又はメチル基を示し、pは0又は1を示す。]
[式中、R13は水素原子又はメチル基、R14は置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基、R15は水素原子又は水酸基、R16は水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。]
上記式(8)で表されるベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(8−(メタ)アクリロキシオクチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
上記式(9)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(4−(メタ)アクリロキシブトキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−1−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
高分子紫外線吸収剤全体に対し、紫外線吸収剤として作用する骨格を側鎖に有するアクリル系単量体単位の含有量は、得られる硬化膜の紫外線吸収能、その他物性及び経済性のバランス等の観点から、通常5〜70質量%であり、好ましくは10〜60質量%である。
高分子紫外線吸収剤は、粒子であることが好ましい。製造性、コーティング液中における分散性、コーティング液の塗工性及び硬化膜の透明性等の観点から、平均粒径が1〜200nmの範囲にあるものが好ましく、1〜100nmの範囲にあるものがより好ましい。尚、この高分子紫外線吸収剤の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定することができる。
高分子紫外線吸収剤は、分散媒体に分散させた形態で用いることが好ましく、分散媒体としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール等の低級アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類(エチレングリコールのモノアルキルエーテル、ROCH2CH2OH(Rは、炭素数1〜3のアルキル基である))であるものが挙げられる。このような分散媒体を用いることにより、高分子紫外線吸収剤の分散性が向上し、沈降を防ぐことができる。さらに好ましくは分散媒体が水のものである。分散媒体が水の場合、Si−O結合を有するマトリックスの形成の際に必要な、シラン化合物の加水分解、縮合反応にも使用できるので好都合である。
高分子紫外線吸収剤の具体例としては、一方社油脂工業株式会社製のコーティング用高分子紫外線吸収剤ULS−700、ULS−1700、ULS−383MA、ULS−1383MA、ULS−383MG、ULS−385MG、ULS−1383MG、ULS−1385MG、ULS−635MH、ULS−933LP、ULS−935LH、ULS−1935LH、HC−935UE、XL−504、XL−524、XL−547、XL−729、XL−730等、及び株式会社ニッコー化学研究所製の高分子紫外線吸収樹脂塗料NCI−905−20EM及びNCI−905−20EMA(スチレンモノマーとベ
ンゾトリアゾール系モノマーの共重合体でできた高分子紫外線吸収剤)が挙げられる。
ンゾトリアゾール系モノマーの共重合体でできた高分子紫外線吸収剤)が挙げられる。
高分子紫外線吸収剤は、1種単独でもよく、2種以上でもよい。
高分子紫外線吸収剤の製造方法に特に制限はなく、従来公知の方法、例えば、乳化重合法や微細懸濁重合法等を採用することができる。
乳化重合法は、単量体として紫外線吸収性アクリル系単量体、及びこのものと共重合させるエチレン性不飽和単量体からなる混合物を、水性分散媒体、アニオン性又はノニオン性界面活性剤からなる乳化剤及び水溶性重合開始剤を用いて、微細な液滴に乳化させて上記単量体混合物を包む界面活性剤ミセル層内で重合を進め、高分子紫外線吸収剤の分散液を得る方法である。
一方、微細懸濁重合液は、まず、水性媒体中に、前記単量体混合物、油溶性重合開始剤、乳化剤及び必要に応じその他添加剤を加えてプレミックスし、ホモジナイザにより均質化処理して、油滴の粒径調節を行う。次いで均質化処理した液を重合器に送り、重合反応を行い、高分子紫外線吸収剤の分散液を得る方法である。
上記いずれかの方法も、重合温度は30〜80℃である。
乳化重合法は、単量体として紫外線吸収性アクリル系単量体、及びこのものと共重合させるエチレン性不飽和単量体からなる混合物を、水性分散媒体、アニオン性又はノニオン性界面活性剤からなる乳化剤及び水溶性重合開始剤を用いて、微細な液滴に乳化させて上記単量体混合物を包む界面活性剤ミセル層内で重合を進め、高分子紫外線吸収剤の分散液を得る方法である。
一方、微細懸濁重合液は、まず、水性媒体中に、前記単量体混合物、油溶性重合開始剤、乳化剤及び必要に応じその他添加剤を加えてプレミックスし、ホモジナイザにより均質化処理して、油滴の粒径調節を行う。次いで均質化処理した液を重合器に送り、重合反応を行い、高分子紫外線吸収剤の分散液を得る方法である。
上記いずれかの方法も、重合温度は30〜80℃である。
乳化重合に用いる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物、これらの開始剤又はクメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシドに、酸性亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸等の還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等の水溶性アゾ化合物等を挙げることができる。
一方、微細懸濁重合に用いる油溶性重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキシド類、ケトンパーオキシド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類等の油溶性有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
一方、微細懸濁重合に用いる油溶性重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキシド類、ケトンパーオキシド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類等の油溶性有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
(5)硬化触媒
硬化触媒は、成分(1)〜(3)及び(6)のシラン化合物の加水分解及び縮合(硬化)させる触媒であり、その例として、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、グルタミン酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
硬化触媒は、成分(1)〜(3)及び(6)のシラン化合物の加水分解及び縮合(硬化)させる触媒であり、その例として、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、グルタミン酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
また、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、n−ヘキシルアミン、ジメチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、酢酸エタノールアミン、ギ酸ジメチルアニリン、安息香酸テトラエチルアンモニウム塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ベンゾイルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウムアセテート、オクチル酸スズ等の有機金属塩、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソ
プロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、SnCl4、TiCl4、ZnCl4等のルイス酸等が挙げられる。
プロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、SnCl4、TiCl4、ZnCl4等のルイス酸等が挙げられる。
これら硬化触媒のうち、高分子紫外線吸収剤の配合量を増量しても高分散化でき、得られる膜の透明性を向上できることから、有機酸が好ましく使用できる。特に有機カルボン酸、なかでも酢酸が好ましく使用できる。
尚、硬化触媒は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
尚、硬化触媒は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
(6)ブロック化イソシアネートシラン化合物
ブロック化イソシアネートシラン化合物は、ブロック化イソシアネート基を含むシラン化合物であって、アミノ基及びエポキシ基は含まない。好ましくは、アルコキシ基を含む。
ブロック化イソシアネートシラン化合物は、ブロック化イソシアネート基を含むシラン化合物であって、アミノ基及びエポキシ基は含まない。好ましくは、アルコキシ基を含む。
イソシアネート基をオキシム等のブロック剤で保護して不活性としておき、加熱により脱ブロック化してイソシアネート基が活性化(再生)されるイソシアネートシラン化合物である。
ブロック化イソシアネートシラン化合物は、下記式(5)で表される化合物が好ましい。
R31 nSi(OR2)4−n ・・・(5)
[式中、R31は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基;又はブロック化イソシアネート基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基であり、R31の少なくとも1つは、ブロック化イソシアネート基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基である。R2、nは、上記と同様である。]
ブロック化イソシアネートシラン化合物の具体例としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン等の化合物におけるイソシアネート基を、ブロック化剤で保護したものが挙げられる。好ましくは、3−ブロック化イソシアネートプロピルトリエトキシシランである。
R31 nSi(OR2)4−n ・・・(5)
[式中、R31は、同じでも異なってもよい、炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基;又はブロック化イソシアネート基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基であり、R31の少なくとも1つは、ブロック化イソシアネート基で置換された炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基である。R2、nは、上記と同様である。]
ブロック化イソシアネートシラン化合物の具体例としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン等の化合物におけるイソシアネート基を、ブロック化剤で保護したものが挙げられる。好ましくは、3−ブロック化イソシアネートプロピルトリエトキシシランである。
イソシアネート基のブロック化剤としては、アセトオキシム、2−ブタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシム化合物、ε−カプロラクラム等のラクタム類、モノアルキルフェノール(クレゾール、ノニルフェノール等)等のアルキルフェノール類、3,5−キシレノール、ジ−t−ブチルフェノール等のジアルキルフェノール類、トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジエステル、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル等の活性メチレン化合物類、メタノール、エタノール、n−ブタノール等のア
ルコール類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の水酸基含有エーテル類、乳酸エチル、乳酸アミル等の水酸基含有エステル類、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、アセトアニリド、アクリルアマイド、タイマー酸アマイド等の酸アミド類、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール類、1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール類、コハク酸イミド、フタル酸イミド等の酸イミド類等を使用できる。またブロック化剤解離温度を制御する為、ジブチル錫ジラウレート等の触媒を併用してもよい。
ルコール類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の水酸基含有エーテル類、乳酸エチル、乳酸アミル等の水酸基含有エステル類、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、アセトアニリド、アクリルアマイド、タイマー酸アマイド等の酸アミド類、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール類、1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール類、コハク酸イミド、フタル酸イミド等の酸イミド類等を使用できる。またブロック化剤解離温度を制御する為、ジブチル錫ジラウレート等の触媒を併用してもよい。
イソシアネートシラン化合物に対するブロック化剤の配合モル比は、通常、0.9〜1.1であり、好ましくは0.95〜1.05である。
(7)溶剤
コーティング組成物は、上記成分が溶剤に混合された状態で使用することが好ましい。
溶剤は、上記各成分を均一に混合し分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水の他、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を挙げることができる。これら有機溶剤のうち、アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等を挙げることができる。
コーティング組成物は、上記成分が溶剤に混合された状態で使用することが好ましい。
溶剤は、上記各成分を均一に混合し分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水の他、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を挙げることができる。これら有機溶剤のうち、アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等を挙げることができる。
その他の溶媒の具体例としては、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、ジクロロエタン、トルエン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等が挙げられる。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
各成分(1)〜(7)の配合量は、適宜設定できるが、例えば、以下の通りである。
オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物は、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.01〜80重量%が好ましく、0.1〜75重量%がより好ましく、10〜40重量%がさらに好ましく、15〜20重量%が特に好ましい。
オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物が80重量%を超えて混合される場合は、密着性が低下するおそれがある。一方、10重量%未満の場合は、耐擦傷性や造膜性が低下(ひび割れ等)の恐れがある。
オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物が80重量%を超えて混合される場合は、密着性が低下するおそれがある。一方、10重量%未満の場合は、耐擦傷性や造膜性が低下(ひび割れ等)の恐れがある。
アミノシラン化合物は、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜60重量%が好ましく、1〜40重量%がより好ましく、3〜30重量%がさらに好ましい。
エポキシシラン化合物、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜60重量%が好ましく、0.3〜50重量%がより好ましく、1〜30重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。
高分子紫外線吸収剤、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜50重量%が好ましく、0.3〜50重量%がより好ましく、0.3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
硬化触媒、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.001〜70重量%が好ましく、0.1〜50重量%がより好ましく、0.1〜40重量%がさらに好ましく、1〜30重量%が特に好ましい。
イソシアネートシラン化合物、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜60重量%が好ましく、0.1〜50重量%がより好ましく、1〜40重量%が好ましい。
エポキシシラン化合物、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜60重量%が好ましく、0.3〜50重量%がより好ましく、1〜30重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。
高分子紫外線吸収剤、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜50重量%が好ましく、0.3〜50重量%がより好ましく、0.3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
硬化触媒、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.001〜70重量%が好ましく、0.1〜50重量%がより好ましく、0.1〜40重量%がさらに好ましく、1〜30重量%が特に好ましい。
イソシアネートシラン化合物、成分(1)〜(6)の合計に対して、0.1〜60重量%が好ましく、0.1〜50重量%がより好ましく、1〜40重量%が好ましい。
成分(3)と成分(6)の配合モル比としては特に制限はないが、好ましくは1:1〜1:5であり、より好ましくは1:2〜1:4である。成分(3)と成分(6)との配合モル比が上記範囲にあれば、得られる硬化膜の耐久性がより向上する。
溶剤は、成分(1)〜(6)の合計、又は成分(1)〜(6)及び後述する耐候性付与剤の合計を100重量部としたとき、5〜1000重量部が好ましく、20〜800重量部がより好ましい。
コーティング液は、その他成分として、必要に応じ、公知の各種添加成分を含有させることができる。その他成分としては、コロイダルシリカ、酸化セリウム分散液、分散安定剤、レベリング剤、可とう性付与剤、さらには潤滑性付与剤、酸化防止剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、消泡剤(発泡防止剤)、光安定化剤、耐候性付与剤、着色剤、微粒子の分散剤(沈降防止剤)や微粒子表面活性の改質剤等が挙げられる。
コロイダルシリカとは、コロイドシリカ、コロイド珪酸をいう。水中では、水和によって表面にSi−OH基を有する酸化ケイ素のコロイド懸濁液をいい、珪酸ナトリウムの水溶液に塩酸を加えると生成する。最近は、新しい調製法が次々に開発され、非水溶液中に分散したものや、気相法で作った微粉末状のものがあり、粒子径も数nmから数μmのものまで多彩である。平均粒径としては1〜200nmのものが好ましい。粒子の組成は不定で、シロキサン結合(−Si−O−、−Si−O−Si−)を形成して、高分子化しているものもある。粒子表面は多孔性で、水中では一般的に負に帯電している。尚、上記平均粒径はレーザー回折散乱法により測定することができる。
市販品としては、扶桑化学工業株式会社製「超高純度コロイダルシリカ」クォートロンPLシリーズ(品名:PL−1、PL−3、PL−7)、同社製「高純度オルガノゾル」や、日産化学工業株式会社製「コロイダルシリカ(品名:スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスO、スノーテックスO−40、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックスS、スノーテックス20L、スノーテックスOL等)」や「オルガノシリカゾル(品名:メタノールシリカゾル、MA−STMS、MA−ST−L、IPA−ST、IPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA
−ST−ZL、IPA−ST−UP、EG−ST、NPC−ST−30、MEK−ST、MEK−ST−MS、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST、DMAC−ST、PGM−ST等)」が挙げられる。
−ST−ZL、IPA−ST−UP、EG−ST、NPC−ST−30、MEK−ST、MEK−ST−MS、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST、DMAC−ST、PGM−ST等)」が挙げられる。
コロイダルシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化セリウム分散液は、表面電荷を持つ酸化セリウムゾルをシラン化合物と反応させ表面改質(前処理)させた分散液であり、凝集・析出・ゲル化することなく、コーティング液に添加することができる。
前処理とは、酸化セリウムのOH基とシラン化合物のシラノール基が反応し、共有結合を形成することで酸化セリウムの表面状態を変えることをいう。シラン処理酸化セリウムは、アニオン性粒子が分散したゾル(例えばコロイダルシリカ等)と混合させても凝集や析出物を生じることがなく、さらにこのシラン処理酸化セリウムは水及びアルコールの両方に分散することができる。
また、シラン処理層に一部有機置換基をもつような構造とすることで、硬化膜製造時に、成分(1)〜(3)、(6)及びコロイダルシリカのシラノール基と好適にシロキサン結合を形成させると同時に、硬化膜の柔軟性をより向上させることができる。
また、シラン処理層に一部有機置換基をもつような構造とすることで、硬化膜製造時に、成分(1)〜(3)、(6)及びコロイダルシリカのシラノール基と好適にシロキサン結合を形成させると同時に、硬化膜の柔軟性をより向上させることができる。
使用する酸化セリウムは、特に限定されないが、粒子状で平均粒径が1〜200nmのものが好ましく、透明性の観点から1〜100nmのものがより好ましい。また、分散性向上の点から、コーティング液に酸化セリウムを添加するに際しては、水やアルコール等の分散媒に分散させてから添加するのが好ましい。
シラン化合物としては、成分(1)〜(3)及び(6)で挙げられたものと同様のものが挙げられる。硬化膜製造時に、成分(1)〜(3)、(6)及びコロイダルシリカのシラノール基とシロキサン結合を形成させるため、成分(1)で挙げられたものが好ましい。
シラン化合物は、単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。
シラン化合物は、単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。
シラン化合物は、反応性の異なる2以上のシラン化合物を組み合わせることが好ましい。例えば、酸化セリウム粒子表層のOH基は反応性が高いため、第一に反応性の高いテトラアルコキシシラン又はその加水分解縮合物で酸化セリウム表層を処理し、第二にオルガノアルコキシシラン又はその加水分解縮合物を反応させて処理することができる。これにより、酸化セリウムのみの凝集又はゲル化を促進するおそれのない酸化セリウム分散液が得られる。
表面処理の構造は、完全な2層構造でも、シラン化合物及びその縮合体が混在した構造であってもよい。
酸化セリウム分散液の「分散」とは、分散相(固体)が分散媒(液体)に浮遊懸濁した状態のことをいう。また、「ゾル」とは、液体を分散媒とし固体を分散粒子とするコロイドで、コロイド溶液といわれることもある。また、上記酸化セリウム微粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱法により、測定することができる。
分散媒としては、上述の溶剤と同じものが挙げられる。水又はアルコールが好ましい。特にアルコールは、前述した成分(1)〜(3)及び(6)に記載のシラン化合物から生成するアルコールと、成分(7)に記載のアルコールが好ましく、特にメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の低級アルコールに、好ましく分散する。尚、分散媒としての水やアルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シラン化合物は、その加水分解縮合物もすべて含むため、分散液の状態での正確な固形分濃度を求めることができないことから、原料となる酸化セリウムの量及びアルコキシシラン等の完全縮合体の量の総量を仕込み量の総量で割り、百分率で表したものを、酸化セリウム分散液の計算上の固形分濃度とする。
固形分濃度に対して、シラン化合物の割合は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2〜40質量%である。50質量%を超えるとシラン化合物そのものが反応して凝集・ゲル化する恐れがある。
酸化セリウム分散液の製造方法において、使用される原料の酸化セリウム微粒子の製造方法は特に制限されるものではないが、粉体のままではシラン化合物との反応が困難なため、分散液として用いるのが適当である。分散させるための安定化剤は、シラン化合物の加水分解反応を促進する観点から、酸性の分散安定剤を用いた酸安定型のカチオン系酸化セリウムゾルが好適に利用でき、平均粒子径は1〜200nmのものが望ましく、透明性付与の観点からより好ましくは1〜100nmである。
添加する酸性の分散安定剤としては、塩酸、硝酸、過塩素酸等の無機酸や、酢酸、蟻酸、乳酸等の有機カルボン酸が挙げられる。
これらは、単独あるいは併用して用いてもよい。この中で、有機カルボン酸は金属に対する配位効果があるため、酸化セリウムとシラン化合物をより反応させる観点から、分散安定剤は無機酸が好ましく、塩酸がより好ましい。
酸化セリウム分散液の市販品としては、多木化学株式会社製の「ニードラールH−15」等が挙げられる。
これらは、単独あるいは併用して用いてもよい。この中で、有機カルボン酸は金属に対する配位効果があるため、酸化セリウムとシラン化合物をより反応させる観点から、分散安定剤は無機酸が好ましく、塩酸がより好ましい。
酸化セリウム分散液の市販品としては、多木化学株式会社製の「ニードラールH−15」等が挙げられる。
酸化セリウム分散液の具体的な製造方法としては、下記の方法を採用することができる。
カチオン性酸化セリウムゾルと分散媒からなる第一の混合液を調製し、次に一種以上のシラン化合物を混合することで第二の液を調製する。室温での熟成後、さらに室温又は加熱撹拌させることで酸化セリウム分散液とする。分散媒は、酸化セリウム分散液を調製後、さらに加えることで希釈してもよく、また他の分散媒を加えて分散媒置換してもよい。
カチオン性酸化セリウムゾルと分散媒からなる第一の混合液を調製し、次に一種以上のシラン化合物を混合することで第二の液を調製する。室温での熟成後、さらに室温又は加熱撹拌させることで酸化セリウム分散液とする。分散媒は、酸化セリウム分散液を調製後、さらに加えることで希釈してもよく、また他の分散媒を加えて分散媒置換してもよい。
さらに、オルガノアルコキシシランを併用した場合は、より好ましくは下記の方法を採用することができる。
カチオン性酸化セリウムゾルと分散媒からなる第一の混合液を調製し、次にテトラアルコキシシランを混合することで第二の液を調製する。室温での熟成後、オルガノアルコキシシランを混合し、第三の混合液を調製する。さらに室温又は加熱撹拌させることで酸化セリウム分散液とする。分散媒は、酸化セリウム分散液を調製後、さらに加えることで希釈してもよく、また他の分散媒を加えて分散媒置換してもよい。
カチオン性酸化セリウムゾルと分散媒からなる第一の混合液を調製し、次にテトラアルコキシシランを混合することで第二の液を調製する。室温での熟成後、オルガノアルコキシシランを混合し、第三の混合液を調製する。さらに室温又は加熱撹拌させることで酸化セリウム分散液とする。分散媒は、酸化セリウム分散液を調製後、さらに加えることで希釈してもよく、また他の分散媒を加えて分散媒置換してもよい。
シラン処理後の酸化セリウムゾルは、製造後1週間室温放置しても容器の底部に凝集沈降物が目視で認められないことが好ましい。コーティング液に添加するまでのゾル静置期間については特に制限はない。
酸化セリウム分散液は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化セリウム分散液は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分散安定剤
コーティング液は、分散安定剤を含有することが好ましい。
この分散安定剤は、成分(1)〜(3)及び(6)の反応物や高分子紫外線吸収剤、コロイダルシリカ、及び酸化セリウム分散液をコーティング液中で安定に分散させ、凝集沈降やゲル化を抑制するための添加剤である。コーティング液において、高分子紫外線吸収剤、コロイダルシリカ、及び酸化セリウム分散液の微粒子は凝集沈降やゲル化を起こすことなく分散した状態を保つのが好ましく、例えば、安定に浮遊懸濁したコロイド状態であることが好ましい。
コーティング液は、分散安定剤を含有することが好ましい。
この分散安定剤は、成分(1)〜(3)及び(6)の反応物や高分子紫外線吸収剤、コロイダルシリカ、及び酸化セリウム分散液をコーティング液中で安定に分散させ、凝集沈降やゲル化を抑制するための添加剤である。コーティング液において、高分子紫外線吸収剤、コロイダルシリカ、及び酸化セリウム分散液の微粒子は凝集沈降やゲル化を起こすことなく分散した状態を保つのが好ましく、例えば、安定に浮遊懸濁したコロイド状態であることが好ましい。
コーティング液は、熱硬化時における縮合反応を利用するため、コーティング前には金属アルコキシドはOH体に止めておくことが望ましい。従って、加水分解反応が促進され縮合反応が抑制される酸性条件を維持することが望ましい。さらに、カルボン酸自身は酸としての効果だけではなく、金属に対する配位効果もありアルコキシドの安定化に有効な添加剤にもなることから、分散安定剤として有機酸、なかでも有機カルボン酸が好ましく利用できる。例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等が挙げられる。また、コーティング液は熱硬化により硬化膜を形成するため、熱硬化時に硬化膜内に残留しない程度の沸点を持つものが好ましく、より好ましくは酢酸が利用できる。
分散安定剤として、前記分散安定剤を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分散安定剤として、前記分散安定剤を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コーティング液には、得られる硬化膜の平滑性、並びにコートの際のフロー性を向上させるために、レベリング剤を添加することができ、それらの添加剤として、シリコーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、並びに、フッ素系とアクリル系が複合化されたレベリング剤等が挙げられる。全て、塗膜表面に働き、表面張力を低下させる。各々特徴があり、目的に応じて使用することができる。表面張力の低下能力は、シリコーン系とフッ素系が強いが、アクリル系とビニル系はリコートを行う場合、濡れ不良が生じにくく有利である。
シリコーン系レベリング剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンとポリジメチルシロキサンの共重合体等を用いることができる。シリコーン系レベリング剤の市販品としては、東レ・ダウコーニング株式会社製FZ−2118、FZ−77、FZ−2161等、信越化学工業株式会社製KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452、TSF4453、TSF4460等、ビックケミー・ジャパン株
式会社製BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−348、BYK−377、BYK−378、BYK−UV3500、BYK−3510、BYK−3570等のポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル)等を挙げることができる。
式会社製BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−348、BYK−377、BYK−378、BYK−UV3500、BYK−3510、BYK−3570等のポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル)等を挙げることができる。
また、150℃以上の耐熱性が必要な場合は、ポリエステル変性やベンゼン環を有するアラルキル変性シリコーンオイルが適している。ポリエステル変性シリコーンオイルの市販品としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−310、BYK−315、BYK−370等、ベンゼン環を有するアラルキル変性シリコーンオイルの市販品としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−322、BYK−323等が挙げられる。
フッ素系レベリング剤としては、ポリオキシアルキレンとフルオロカーボンとの共重合体等を用いることができる。
フッ素系レベリング剤の市販品としては、DIC株式会社製のMEGAFACシリーズ、住友スリーエム株式会社製のFCシリーズ等を挙げられる。
アクリル系レベリング剤の市販品としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK358N、BYK−361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392等、フッ素を導入したBYK−340等が挙げられる。
フッ素系レベリング剤の市販品としては、DIC株式会社製のMEGAFACシリーズ、住友スリーエム株式会社製のFCシリーズ等を挙げられる。
アクリル系レベリング剤の市販品としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK358N、BYK−361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392等、フッ素を導入したBYK−340等が挙げられる。
このようなレベリング剤を配合することにより、硬化膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均一に塗布することができる。レベリング剤の使用量は、コーティング液全量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.02〜5質量%である。
レベリング剤を配合する方法としては、コーティング液を調製する際に配合してもよいし、硬化膜を形成する直前にコーティング液に配合してもよく、さらにはコーティング液の調製と硬化膜の形成直前の両方の段階で配合してもよい。
レベリング剤を配合する方法としては、コーティング液を調製する際に配合してもよいし、硬化膜を形成する直前にコーティング液に配合してもよく、さらにはコーティング液の調製と硬化膜の形成直前の両方の段階で配合してもよい。
コーティング液には、得られる硬化膜の柔軟性を向上させるために、応力緩和剤として可とう性付与剤を含有させることができる。
可とう性付与剤としては、例えば、シリコーン樹脂等を用いることができる。
シリコーン樹脂の市販品としては、Wacker社製Resin MKシリーズ、例えば、Belsil PMS MK(CH3SiO3/2の繰り返し単位(単位T)を含むポリマーであって、1質量%までの(CH3)2SiO2/2単位(単位D)をも含むもの)や、信越化学工業株式会社製KR−242A(98質量%の単位Tと2質量%のジメチル単位Dを含みSi−OH末端基を含むもの)、KR−251(88質量%の単位Tと12質量%のジメチル単位Dを含みSi−OH末端基を含むもの)、KR−220L(式CH3SiO3/2の単位Tからなり、Si−OH(シラノール)末端基を含むもの)等が挙げられる。
可とう性付与剤としては、例えば、シリコーン樹脂等を用いることができる。
シリコーン樹脂の市販品としては、Wacker社製Resin MKシリーズ、例えば、Belsil PMS MK(CH3SiO3/2の繰り返し単位(単位T)を含むポリマーであって、1質量%までの(CH3)2SiO2/2単位(単位D)をも含むもの)や、信越化学工業株式会社製KR−242A(98質量%の単位Tと2質量%のジメチル単位Dを含みSi−OH末端基を含むもの)、KR−251(88質量%の単位Tと12質量%のジメチル単位Dを含みSi−OH末端基を含むもの)、KR−220L(式CH3SiO3/2の単位Tからなり、Si−OH(シラノール)末端基を含むもの)等が挙げられる。
耐候性付与剤とは、紫外線吸収性及び/又は酸化防止性化合物等である。
耐候性付与剤として、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン系化合物、及びポリフェノール化合物等が挙げられる。
コーティング液が、耐候性付与剤を含むことで、コート剤硬化膜を作製後に紫外線による劣化や空気中に晒されることによる劣化を抑制できる。
耐候性付与剤の含有量は、成分(1)〜(6)の合計100重量部に対して、通常、1〜60重量部、好ましくは3〜50重量部である。
耐候性付与剤として、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン系化合物、及びポリフェノール化合物等が挙げられる。
コーティング液が、耐候性付与剤を含むことで、コート剤硬化膜を作製後に紫外線による劣化や空気中に晒されることによる劣化を抑制できる。
耐候性付与剤の含有量は、成分(1)〜(6)の合計100重量部に対して、通常、1〜60重量部、好ましくは3〜50重量部である。
酸化セリウム分散液の含有量は、成分(1)〜(6)の合計100重量部に対して、通常、0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部である。分散安定剤の含有量は、成分(1)〜(6)の合計100重量部に対して、通常、1〜60重量部、好ましくは3〜50重量部である。
コーティング液の調製方法
コーティング液は、成分(1)及び成分(3)の加水分解縮合物と、成分(4)〜(5)及び(7)(必要に応じて、酸化セリウム分散液、分散安定剤を加える)とを接触させて得られた反応生成物に、成分(6)を加えて反応させた後、さらに成分(2)を加えて反応させてなるものが好ましい。また、成分(1)、(3)〜(5)及び(7)を含む混合物を加熱することにより得られた反応生成物に、成分(6)を加え反応させた後、さらに成分(2)を加えて反応させてなるものがさらに好ましい。
具体的には、下記の操作を行ってコーティング液を調製することが望ましい。
まず、少なくとも成分(1)、(3)〜(4)及び(7)(必要に応じて、酸化セリウム分散液を加える)を含む第一の混合液を作製し、次に成分(5)(必要に応じて、分散安定剤を加える)を混合して第二の混合液、さらに引き続き成分(6)を混合し第三の混合液を作製する。最後に成分(2)を混合してコーティング液を調製することが好ましい。
コーティング液は、成分(1)及び成分(3)の加水分解縮合物と、成分(4)〜(5)及び(7)(必要に応じて、酸化セリウム分散液、分散安定剤を加える)とを接触させて得られた反応生成物に、成分(6)を加えて反応させた後、さらに成分(2)を加えて反応させてなるものが好ましい。また、成分(1)、(3)〜(5)及び(7)を含む混合物を加熱することにより得られた反応生成物に、成分(6)を加え反応させた後、さらに成分(2)を加えて反応させてなるものがさらに好ましい。
具体的には、下記の操作を行ってコーティング液を調製することが望ましい。
まず、少なくとも成分(1)、(3)〜(4)及び(7)(必要に応じて、酸化セリウム分散液を加える)を含む第一の混合液を作製し、次に成分(5)(必要に応じて、分散安定剤を加える)を混合して第二の混合液、さらに引き続き成分(6)を混合し第三の混合液を作製する。最後に成分(2)を混合してコーティング液を調製することが好ましい。
このように、各成分を分離して調製すると、コーティング液の液保存安定性(ゲル化しない等)が向上するため好ましい。
特に、成分(4)及び(5)の添加量増により液中の水の量が増加した際に、この効果がより発揮される。例えば、成分(1)、(3)〜(4)及び(7)(必要に応じて、酸化セリウム分散液を加える)を混合した後、成分(5)(必要に応じて、分散安定剤も加える)を加える。次に、成分(6)を混合し、最後に成分(2)を混合する。尚、成分(7)は、コーティング液を調製後、さらに加えることによりコーティング液を希釈することができる。
特に、成分(4)及び(5)の添加量増により液中の水の量が増加した際に、この効果がより発揮される。例えば、成分(1)、(3)〜(4)及び(7)(必要に応じて、酸化セリウム分散液を加える)を混合した後、成分(5)(必要に応じて、分散安定剤も加える)を加える。次に、成分(6)を混合し、最後に成分(2)を混合する。尚、成分(7)は、コーティング液を調製後、さらに加えることによりコーティング液を希釈することができる。
コーティング液のような混合材料の液保存安定性は、液pHに影響し易いことが知られている(例えば、「ゾルーゲル法のナノテクノロジーへの応用/監修:作花済夫」シーエムシー出版)。コーティング液の調製においては、成分(5)として酸性成分が、成分(2)として塩基性成分が混合されるため、混合順序によって液pHが変化する。
液pH値、例えば、校正用pH標準液で補正したポータブルpHメーター(ハンナ社製:商品名 チェッカー1)で評価した液pH値としては、上記の第一の混合液及び第二の混合液はpH≦6、第三の混合液及び最終の混合液はpH≦7とすることが好ましい。特に、第三の混合液、即ち成分(2)の混合時に液pHが8を越えると、液安定性が低下する恐れがある。コーティング液の調製開始時から調製終了時まで、液は酸性状態に保つことが好ましい。即ち、このような条件が維持されるような手順で、コーティング液を調製することが好ましい。
液pH値、例えば、校正用pH標準液で補正したポータブルpHメーター(ハンナ社製:商品名 チェッカー1)で評価した液pH値としては、上記の第一の混合液及び第二の混合液はpH≦6、第三の混合液及び最終の混合液はpH≦7とすることが好ましい。特に、第三の混合液、即ち成分(2)の混合時に液pHが8を越えると、液安定性が低下する恐れがある。コーティング液の調製開始時から調製終了時まで、液は酸性状態に保つことが好ましい。即ち、このような条件が維持されるような手順で、コーティング液を調製することが好ましい。
また、上記の第一の混合液、第二の混合液、及び第三の混合液は、各成分の混合後、加熱処理することが好ましい。温度は、好ましくは30℃〜130℃、より好ましくは、50℃〜90℃であり、加熱処理時間は、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは、1時間〜8時間である。混合、加熱手段については、均一に混合、加熱できる手段であれば特に制限はない。このように加熱することで、液内の、成分(1)〜(3)及び(6)の縮合反応が進み、耐煮沸性やその他耐久性が向上する。成分(1)〜(3)及び(6)の反応は、溶液Si−NMRで解析可能であり、それにより適した構造に設計できる。30℃未満や30分未満では反応が極端に遅い場合が多く、また130℃超や24時間超の場合には、成分(1)〜(3)及び(6)の反応が進みすぎ、液がゲル化したり高粘性化し、塗布できなくなる恐れがある。
成分(2)を混合した後の最終液(コーティング液)も、加熱処理することが好ましい。室温での混合の場合、攪拌効率の影響を受けやすく、これに起因して成分(2)の分散度が低い場合は、硬化膜の透明性(全光線透過率低下、ヘイズ上昇)が低下する恐れがある。温度は、好ましくは30℃〜130℃、より好ましくは50℃〜90℃であり、時間は、好ましくは5分〜10時間、より好ましくは15分〜6時間である。混合、加熱手段については、均一に混合、加熱できる手段であれば特に制限はない。30℃未満や5分未満では加熱処理の効果が乏しい場合が多く、また130℃超や10時間超だと、液がゲル化したり高粘性化し、塗布できなくなる恐れがある。
後記する実施例では、1週間静置後得られたコーティング液を用いて製造した硬化膜の評価結果を記載しているが、硬化膜製造までの液静置期間に特に制限はない。
後記する実施例では、1週間静置後得られたコーティング液を用いて製造した硬化膜の評価結果を記載しているが、硬化膜製造までの液静置期間に特に制限はない。
酸化セリウム分散液は、酸性安定型のため、他の分散液と混合する際、混合時の凝集、析出、ゲル化を防ぐため酸性同士のゾルにおいて混合させる方がより好ましい。例えば、塩基性安定型アニオン性微粒子のゾルと酸化セリウム分散液を直接混合させると、安定に分散できるpHの領域から外れてしまうことにより分散を維持できない可能性がある。
機能性インクとしては、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクが挙げられる。
金属インクは電気的特性によって限定されるものではないが、例えば金、銀、銅を含む貴金属インク、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムを含む白金族インク、クロム、モリブデン、タングステンを含むクロム族インク、鉄、コバルトを含む鉄族インク、アルミニウム、ガリウム、インジウムを含むアルミニウム族インク、チタン、ジルコニウム、錫、ハフニウム、鉛を含む錫族インクが挙げられる。
電気的特性によれば、金、銀、銅等の金属インクが好ましい。金属の粒径についても限定されるものではないが、焼結温度の観点から、例えば100μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは100nm以下である。下限値は特に限定されないが、通常、5nm以上である。
金属インクは、銅ナノ粒子インク、銀ナノ粒子インク、銀ペースト、銅ペースト等を用いて、製造することができる。
金属イオンインクの金属イオンは、1価の金属イオン、2価の金属イオン又は3価の金属イオンが挙げられる。
金属イオンの金属は、金属インクに含まれる金属と同じものが挙げられる。
金属イオンの金属は、金属インクに含まれる金属と同じものが挙げられる。
導電性高分子インクは電気的特性によって限定されるものではないが、π共役ポリマーがドーパントによってドープされているπ共役ポリマー複合体を含むインクが挙げられ、例えばポリエチレンジオキシチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェニレンビニレン等を含むインクが挙げられる。
具体的には置換又は無置換のポリアニリンがドーパントによってドープされているポリアニリン複合体、置換又は無置換のポリピロールがドーパントによってドープされているポリピロール複合体、並びに置換又は無置換のポリチオフェンがドーパントによってドープされているポリチオフェン複合体を含むインクが挙げられ、電気的特性や安定性の観点から言えば、置換又は無置換のポリアニリンがドーパントによってドープされているポリアニリン複合体、又は置換又は無置換のポリチオフェンがドーパントによってドープされているポリチオフェン複合体を含むインクが好ましい。
さらに、電気的特性の向上のためにポリアニリンを含むインクであれば、m−クレゾールや4−メトキシフェノール等のフェノール性化合物を導電性向上剤として添加しても良く、ポリエチレンジオキシチオフェンを含むインクの場合は、エチレングリコールやジメチルスルホキシドを導電性向上剤として添加してもよい。
カーボンインクは電気的特性によって限定されるものではないが、例えば単層カーボンナノチューブ、金属型単層カーボンナノチューブ、半導体型単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、ケッチェンブラック、カーボンブラック、カーボンナノコイル等を含むインクが挙げられる。
電気的特性によれば単層カーボンナノチューブ、金属型単層カーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイトを含むインクが好ましい。
カーボンインクは、粒子径や長さは特に限定されない。
入手性から鑑みるとケッチェンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、金属型単層カーボンナノチューブ、半導体型単層カーボンナノチューブを含むインクが好ましい。
カーボンインクは、粒子径や長さは特に限定されない。
入手性から鑑みるとケッチェンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、金属型単層カーボンナノチューブ、半導体型単層カーボンナノチューブを含むインクが好ましい。
カーボンナノチューブは、どのような方法により合成したものであってもよいが、具体的には、例えば、レーザーアブレーション法、電気的アーク放電法、化学気相成長(CVD)法等により合成することができる。
金属錯体インクは性状によって限定されるものではないが、金属イオンと配位子からなるものが好ましい。
金属イオンは、上記と同様の金属イオンが挙げられる。
金属イオンは、上記と同様の金属イオンが挙げられる。
配位子としては、ハロゲンイオン、ニトロシルイオン、水酸化物イオン、シアン化物イオン、硝酸イオン、ピリジン、トリフェニルホスフィン、ビピリジン、チオシアナートイオン、エチレンジアミン、水、アンミン、グリシナトイオン、アセチルアセトナトイオン、エチレンジアミンテトラアセタト、オキソニウムイオン、クラウンエーテル等が挙げられる。
また、配位子として、有機顔料配位子でもよく、例えばフタロシアニン、ポルフィリン系色素、アゾ染料、カロチノイド、フラボノイド等が挙げられる。
金属イオンと配位子はどのような組合せでも良く限定されるものではない。
また、配位子として、有機顔料配位子でもよく、例えばフタロシアニン、ポルフィリン系色素、アゾ染料、カロチノイド、フラボノイド等が挙げられる。
金属イオンと配位子はどのような組合せでも良く限定されるものではない。
金属酸化物半導体インクは電気的特性によって限定されるものではないが、例えばITO、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛錫酸化物(ZTO)、インジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)、ZnO、IGZO、IGO、SnO2、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムセリウム酸化物(ICO)、アルミニウム錫酸化物(ATO)、フッ素酸ドープ錫酸化物(FTO)、酸化銅(CuO、Cu2O)、酸化銀等が挙げられる。またそれらの薄膜に電気特性・光学特性・機械的特性を付与した酸化物を添加した系等が挙げられる。
これらの材料は、電気光学素子用、光電変換素子用、液晶用、タッチパネル用等に用いる場合、好ましくはインク硬化膜表面抵抗値が10Ω/□以上5000Ω/□以下であり、より好ましくは100Ω/□以上2000Ω/□以下である。また、金属酸化物半導体インク硬化膜の厚さは、例えば5nm以上が好ましく、より好ましくは10〜300nmである。
絶縁体インクの材料としては、電気絶縁性を有し薄膜として形成できるものであれば特に限定されず、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料、高分子、有機低分子等の有機化合物であって、被膜を形成した場合、室温での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に、被膜の比誘電率が高いため、無機酸化物が好ましい。
金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物,チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたもの等が挙げられ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。
また、窒化ケイ素(Si3N4、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の金属窒化物も好適に用いることができる。
また、窒化ケイ素(Si3N4、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の金属窒化物も好適に用いることができる。
また、絶縁体インクは、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよく、この前駆物質の溶液を、例えば基板に被覆し、これを熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層が形成することができる。
アルコキシド金属における金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素が挙げられ、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。
また、アルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるものが挙げられる。
有機化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光硬化性アクリレート等の光ラジカル重合系又は光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリシロキサン、ポリウレタン、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、及びシアノエチルプルラン等が挙げられる。特に、光硬化性アクリレートが好ましい。
有機化合物としては、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、レゾール樹脂、ポリキシリレン、エポキシ樹脂、プルラン等の高い誘電率を持つ高分子材料が挙げられる。
また、有機化合物は、サイトップ(登録商標)のようなフッ素樹脂であってもよい。
また、有機化合物は、サイトップ(登録商標)のようなフッ素樹脂であってもよい。
絶縁体インクとして、無機材料又は有機化合物を複数用いて形成した、混合絶縁層であってもよく、積層絶縁層であってもよい。この場合、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料を混合したり、積層することによりデバイスの性能を制御することもできる。
機能性インクには水や有機溶剤等の溶媒、分散媒が含まれる。使用する状況により選択されるものであるが、溶媒や分散媒としては、水や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、リモネン、シトロネロール等のテルペン系溶媒、イソホロン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の環状ケトン系溶媒、ジアセトンアルコール等のケトン基水酸基含有溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の酢酸グリコールエーテル系溶媒、テトラリン、テトラデカン等の炭化水素系溶媒等の高沸点溶媒からメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサン、アセトン等の低沸点溶媒が挙げられる。
主溶媒、主分散媒は好ましくは、沸点100℃以上の溶媒であり、より好ましくは沸点130℃〜300℃の溶媒、さらに好ましくは沸点150℃〜260℃の溶媒である。ここでの主溶媒、主分散媒とは、溶媒、分散媒の中で最も割合の高いものである。
これらの高沸点溶媒、分散媒は単独であってもよく、高沸点溶媒、分散媒での混合や、低沸点溶媒、分散媒との混合であってもよい。高沸点溶媒、分散媒同士の混合であれば制限はないが、低沸点溶媒、分散媒との混合の場合は以下の割合が好ましい。
低沸点溶剤、分散媒が、全溶媒、分散媒中の0.01〜30.00重量%、より好ましくは0.05〜20.00重量%、さらに好ましくは0.1〜10.0重量%である。
低沸点溶媒、分散媒の割合が、30重量%を超える場合には、印刷、塗布工程時にすぐに乾燥してしまい、工程中に被膜を形成してしまったり、機能性インク組成が変化してしまったりするおそれがある。
低沸点溶剤、分散媒が、全溶媒、分散媒中の0.01〜30.00重量%、より好ましくは0.05〜20.00重量%、さらに好ましくは0.1〜10.0重量%である。
低沸点溶媒、分散媒の割合が、30重量%を超える場合には、印刷、塗布工程時にすぐに乾燥してしまい、工程中に被膜を形成してしまったり、機能性インク組成が変化してしまったりするおそれがある。
溶媒等の粘度に特に制限はないが、好ましくは0.05mPa・s〜1500mPa・s、より好ましくは0.1mPa・s〜150mPa・s、さらに好ましくは0.4mPa・s〜100mPa・sである。
溶媒等は単独であっても、2種類以上の溶媒等の組み合わせて、上記粘度で使用してもよい。
溶媒等は単独であっても、2種類以上の溶媒等の組み合わせて、上記粘度で使用してもよい。
溶媒等は、機能性インク全量に対して、1〜99質量%が好ましく、5〜95質量%がより好ましく、10〜90質量%がさらに好ましい。1%より少ない場合は、印刷又は塗布できなくなるおそれがあり、一方、99%を超える場合には、塗膜形成が均一にされないおそれがある。
機能性インクの表面張力は、20〜70mN/mが好ましく、25〜50mN/mがより好ましく、28〜45mN/mがさらに好ましい。
溶媒、分散媒は単独でも、2種類以上の溶媒、分散媒の組合せでもばよい。
上記範囲であれば、均一性の高い機能性インクを基材上へ均一に印刷、塗布することが可能である。表面張力が20mN/m未満の場合は、インクジェット法にて液体を吐出する際に、機能性インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するために飛行曲りが生じやすくなり、70mN/mを越えた場合は、ノズル先端での形状が安定しないため吐出量、吐出制御が困難になる。
尚、表面張力は、懸滴法で測定した値が好ましい。
溶媒、分散媒は単独でも、2種類以上の溶媒、分散媒の組合せでもばよい。
上記範囲であれば、均一性の高い機能性インクを基材上へ均一に印刷、塗布することが可能である。表面張力が20mN/m未満の場合は、インクジェット法にて液体を吐出する際に、機能性インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するために飛行曲りが生じやすくなり、70mN/mを越えた場合は、ノズル先端での形状が安定しないため吐出量、吐出制御が困難になる。
尚、表面張力は、懸滴法で測定した値が好ましい。
機能性インクは、分散剤を含んでもよい。
分散剤としては、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、ジスルフィド基含有化合物、アミド基含有化合物、ホスフィン基含有化合物、スルホン酸基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、両親媒性化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
分散剤としては、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、ジスルフィド基含有化合物、アミド基含有化合物、ホスフィン基含有化合物、スルホン酸基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、両親媒性化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子類としては、例えば保護コロイド性のあるポリマーでゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプルピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸のアルキルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
高分子類は、GPC法により測定した重量平均分子量(Mw)が、3,000以上300,000以下であることが好ましく、5,000以上100,000以下であることがより好ましい。
高分子類は、GPC法により測定した重量平均分子量(Mw)が、3,000以上300,000以下であることが好ましく、5,000以上100,000以下であることがより好ましい。
両親媒性化合物としては、各種一官能性又は多官能性界面活性剤(アニオン性、カチオン性、ノニオン性等が挙げられる)等であり、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールモノラウレート、アルキルアンモニウム及びその塩等が挙げられる。これらの中でも特に、アルキルアンモニウム塩は、前述の配位子の供給源としても用いることができるため、好ましく用いることができる。
アルキルアンモニウム及びアルキルアンモニウム塩としては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムアイオダイド、デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジステアリルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジステアリルアンモニウムブロミド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムアイオダイド、ジラウリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジパルミチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロリド、ジメチルジパルミチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、メチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムブロミド、メチルトリエチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジエチルアンモニウムブロミド、ジメチルジエチルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウムアイオダイド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムブロミド、エチルトリメチルアンモニウムクロリド、エチルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ヘキサデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルジメチルアミン、ドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ステアリルジメチルアミン、ステアリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルジメチルアンモニウムブロミド、ステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルアンモニウムアイオダイド、デシルジメチルアミン、デシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルアンモニウムブロミド、デシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルアンモニウムアイオダイド等が挙げられる。
金属や導電性高分子が酸素や硫化水素等(空気中から機能性インクに溶け込むこともある)によって腐食されることを防ぐために、機能性インクは、腐食防止剤を含むことが好ましい。
腐食防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えばチオール類、アゾール類等が挙げられ、具体的には、ベンゾチアゾール、トリトリアゾール、トリアゾール、1−(4−tert−ブチルベンジル)−1H−ベンゾトリアゾール、2−アミノピリミジン、5,6−ジメチルベンジミダゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンジミダゾール、アルキルジチオチアジアゾール(アルキルは炭素数6〜24の飽和炭化水素)、アルキルチオール(アルキルは炭素数6〜24の飽和炭化水素)等が挙げられる。
また、その他には、還元剤も酸素等による酸化の犠牲剤として機能することがあり、腐食防止剤として用いることができる。
また、その他には、還元剤も酸素等による酸化の犠牲剤として機能することがあり、腐食防止剤として用いることができる。
腐食防止剤を含有させることで、防錆効果を発揮させることができ、導電性部材の経時による導電性低下を抑制することができる。
腐食防止剤は、機能性インク中に、適した溶媒で溶解した状態、又は粉末で添加することもできるが、機能性インクを用いて機能性インク硬化膜を作製後に、これを腐食防止剤浴に浸すことで、腐食防止機能を付与することもできる。
腐食防止剤は、機能性インク中に、適した溶媒で溶解した状態、又は粉末で添加することもできるが、機能性インクを用いて機能性インク硬化膜を作製後に、これを腐食防止剤浴に浸すことで、腐食防止機能を付与することもできる。
機能性インクは、pH緩衝剤を含んでもよい。
pH緩衝剤としては、目的pHの範囲内におけるpHの変化を抑制できれば特に制限はないが、タウリン、アスパラギン酸、ヒドロキシプロリン、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、α―アミノ酪酸、β―アミノ酪酸、バリン、システイン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、β―アラニン、アンモニア、オルチニン、リシン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン等のアミノ基含有化合物、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、酢酸等のカルボン酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、炭酸等及びそれらの塩が挙げられる。
pH緩衝剤は、単独でもよく、2以上を組み合わせて使用することも可能である。尚、pH緩衝剤種によっては機能として分散剤としても働く場合があり、同様に好ましく用いることができる。
反応中のpHの変動を抑制するためにpH緩衝剤を用いることが好ましいが、pHを監視しながら塩基性薬品によってpHを目的範囲内に保ちさえすれば、特にpH緩衝剤を用いなくともよい。
pH緩衝剤としては、目的pHの範囲内におけるpHの変化を抑制できれば特に制限はないが、タウリン、アスパラギン酸、ヒドロキシプロリン、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、α―アミノ酪酸、β―アミノ酪酸、バリン、システイン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、β―アラニン、アンモニア、オルチニン、リシン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン等のアミノ基含有化合物、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、酢酸等のカルボン酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、炭酸等及びそれらの塩が挙げられる。
pH緩衝剤は、単独でもよく、2以上を組み合わせて使用することも可能である。尚、pH緩衝剤種によっては機能として分散剤としても働く場合があり、同様に好ましく用いることができる。
反応中のpHの変動を抑制するためにpH緩衝剤を用いることが好ましいが、pHを監視しながら塩基性薬品によってpHを目的範囲内に保ちさえすれば、特にpH緩衝剤を用いなくともよい。
本発明の積層体の製造方法では、基板上に、コート剤硬化層を形成し、コート剤硬化層上に、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから選ばれる1以上の機能性インクを用いて成膜し、硬化処理することで、機能性インク硬化層を形成することで、積層体を得ることができる。
コート剤硬化層は、上記のコーティング液を用いて形成されるが、パターニングを行ってもよい。
機能性インク膜は、機能性インクを用いて、コート剤硬化膜上に好ましくは湿式法で形成される。湿式法は塗布法、印刷法が挙げられる。
塗布法、印刷法としては特に限定されるものではないが、塗布法はディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法が挙げられ、印刷法は、グラビア印刷、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、タンポ印刷、ポリマーグラビア印刷、凹版印刷、凸版印刷及びオフセット印刷等が挙げられる。
機能性インクの塗布、印刷形状について、面状、ドット状、ライン状であっても問題はなく特に限定されない。機能性インクをコート剤硬化膜が形成された基板に塗布、印刷する量としては、所望する電気的特性、半導体特性、絶縁特性等に応じて適宜調整すればよいが、通常乾燥後の機能性インク硬化膜の膜厚が0.005μm〜5000μmの範囲、好ましくは0.01μm〜2000μm、さらに好ましくは0.05μm〜1000μmの範囲となるよう塗布、印刷する。
本発明の製造方法において、機能性インク膜の成膜後、硬化処理を行う。硬化処理により、機能性インク硬化層を形成することができる。
硬化処理は、40〜300℃で1〜60分間の加熱処理が好ましい。
加熱処理温度は、50〜250℃がより好ましく、70〜200℃がさらに好ましく、70〜120℃が特に好ましく、80〜110℃が最も好ましい。
加熱処理時間は、5〜30分間がより好ましい。また、3〜15分間又は4〜12分間でもよい。
加熱処理が、上記範囲内であることにより、基材に変形が生じることなく、機能性インクの機能を最大限に発現させることができる。
加熱処理温度は、50〜250℃がより好ましく、70〜200℃がさらに好ましく、70〜120℃が特に好ましく、80〜110℃が最も好ましい。
加熱処理時間は、5〜30分間がより好ましい。また、3〜15分間又は4〜12分間でもよい。
加熱処理が、上記範囲内であることにより、基材に変形が生じることなく、機能性インクの機能を最大限に発現させることができる。
加熱処理後の機能性インク硬化層中の残留溶剤が、5%以下であることが好ましい。より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
残留溶剤が5%よりも多い場合には、焼成時にボイドが発生したり突沸を伴い膜の飛散やズレが生じ、電気特性に支障が生じるおそれがある。
残留溶剤が5%よりも多い場合には、焼成時にボイドが発生したり突沸を伴い膜の飛散やズレが生じ、電気特性に支障が生じるおそれがある。
機能性インク膜は、加熱処理後、光焼成を行うことが好ましい。また、光焼成に代えて、再加熱処理を行うことができる。
再加熱処理は、機能性インクの塗膜形成後の加熱処理を行った後、行うことができる。再加熱処理は、加熱処理よりも高い温度で行うことが好ましい。再加熱処理温度は、120〜180℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。再加熱処理時間は、3〜15分間が好ましく、4〜12分間がより好ましい。再加熱処理が、上記範囲内であることにより、基材に変形が生じることなく、機能性インクの機能を最大限に発現させることができる。
再加熱処理は、機能性インクの塗膜形成後の加熱処理を行った後、行うことができる。再加熱処理は、加熱処理よりも高い温度で行うことが好ましい。再加熱処理温度は、120〜180℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。再加熱処理時間は、3〜15分間が好ましく、4〜12分間がより好ましい。再加熱処理が、上記範囲内であることにより、基材に変形が生じることなく、機能性インクの機能を最大限に発現させることができる。
光焼成は、活性エネルギー線の照射により行うことが好ましい。
活性エネルギー線を照射することにより、例えば、酸化銅インクの場合、機能性インク中の酸化銅粒子を銅に還元し、さらに焼結させて金属銅膜とすることができる。活性エネルギー線による焼結は、加熱による焼結と異なり、室温にてインク組成物成が付与された部分に対して活性エネルギー線を短時間照射することで焼結が可能となり、電気的特性が金属バルク並でかつ長時間の加熱による基材の劣化を防ぐことができる。
銅ナノ粒子、銅ペースト、銅ナノワイヤ、銅−ニッケルナノワイヤ、銀ナノ粒子、銀ペースト、銀ナノワイヤのインクも同様である。
活性エネルギー線を照射することにより、例えば、酸化銅インクの場合、機能性インク中の酸化銅粒子を銅に還元し、さらに焼結させて金属銅膜とすることができる。活性エネルギー線による焼結は、加熱による焼結と異なり、室温にてインク組成物成が付与された部分に対して活性エネルギー線を短時間照射することで焼結が可能となり、電気的特性が金属バルク並でかつ長時間の加熱による基材の劣化を防ぐことができる。
銅ナノ粒子、銅ペースト、銅ナノワイヤ、銅−ニッケルナノワイヤ、銀ナノ粒子、銀ペースト、銀ナノワイヤのインクも同様である。
活性エネルギー線照射の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線等がある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用できる。
中でもキセノンランプを使用することがより好ましい。
活性エネルギー線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線等がある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用できる。
中でもキセノンランプを使用することがより好ましい。
活性エネルギー線の具体例としては、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯等の高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光等が好適に挙げられる。
活性エネルギー線照射は、フラッシュランプによる照射が好ましく、フラッシュランプによるパルス光照射であることがより好ましく、キセノンパルス光照射であることがさらに好ましい。
高エネルギーのパルス光の照射は、インク組成物を付与した部分の表面を、極めて短い時間で集中して加熱することができるため、基材への熱の影響を極めて小さくすることができる。上記理由により、従来配線形成できないような樹脂フィルム基材を用いて金属インクを焼結することができる。金属イオンインクや酸化物半導体インクも同様である。
機能性インクの機能成分もしくは混合する分散剤に光が反応し、金属焼結を促進するものが存在するとより好ましい。また、キセノンランプが発する光波長を吸収するフタロシアニン等の色素が含まれている場合、さらに好ましい。
機能性インクの機能成分もしくは混合する分散剤に光が反応し、金属焼結を促進するものが存在するとより好ましい。また、キセノンランプが発する光波長を吸収するフタロシアニン等の色素が含まれている場合、さらに好ましい。
パルス光の照射エネルギーとして、好ましくは0.1J/cm2〜2000J/cm2であり、より好ましくは0.5J/cm2〜1800J/cm2、さらに好ましくは1.0J/cm2〜1600J/cm2である。
2000J/cm2より大きなエネルギーを与えた場合は、機能性インク硬化膜が焼切れたり、飛散したりするおそれがある。一方、0.1J/cm2より小さなエネルギーを与えた場合は、機能性インク硬化膜の金属化が起きないおそれがある。
2000J/cm2より大きなエネルギーを与えた場合は、機能性インク硬化膜が焼切れたり、飛散したりするおそれがある。一方、0.1J/cm2より小さなエネルギーを与えた場合は、機能性インク硬化膜の金属化が起きないおそれがある。
照射量は、一般的な紫外線照度計を用いて測定することができる。一般的な紫外線照度計は、例えば300〜400nmに検出ピークを有する照度計を用いることができる。
また、パルス幅としては、1μ秒〜100m秒が好ましく、より好ましくは5μ秒〜80m秒、さらに好ましくは10μ秒〜60m秒である。
パルス幅が1μ秒よりも狭い場合は、機能性インク硬化膜の金属化が起きないおそれがあり、100m秒よりも広い場合は、機能性インク硬化膜が飛散したり、膜ずれが生じたりするおそれがある。
パルスの回数は、好ましくは1回であり、照射エネルギー、パルス幅によっては多数回でもよい。基板と光源の距離についても特に制限されるものではないが、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。また、光照射面積については特に制限されるものではない。
パルス幅が1μ秒よりも狭い場合は、機能性インク硬化膜の金属化が起きないおそれがあり、100m秒よりも広い場合は、機能性インク硬化膜が飛散したり、膜ずれが生じたりするおそれがある。
パルスの回数は、好ましくは1回であり、照射エネルギー、パルス幅によっては多数回でもよい。基板と光源の距離についても特に制限されるものではないが、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。また、光照射面積については特に制限されるものではない。
照射装置としてはXenon社、ウシオ電機社製、Novacentrix社製のものが挙げられる。
機能性インク硬化膜は用途によっていずれの性能でも良く、特に限定されるものではないが、金属膜や導電性高分子膜、カーボン膜の電気特性は、電気抵抗率で好ましくは1×10−6Ω・cm〜1×108Ω・cm、より好ましくは1.2×10−6Ω・cm〜1×106Ω・cm、さらに好ましくは1.4×10−6Ω・cm〜1×104Ω・cmである。
半導体硬化膜についての電気特性は硬化膜表面抵抗値が10Ω/□以上5000Ω/□以下であり、より好ましくは100Ω/□以上2000Ω/□以下である。
半導体硬化膜についての電気特性は硬化膜表面抵抗値が10Ω/□以上5000Ω/□以下であり、より好ましくは100Ω/□以上2000Ω/□以下である。
絶縁体硬化膜については、電気抵抗率が10Ω・cm以上が好ましい。
金属錯体硬化膜については未処理の状態での電気特性は限定されるものではないが、電気特性のための処理をした後は、電気抵抗率で好ましくは1×10−6Ω・cm〜1×108Ω・cm、より好ましくは1.2×10−6Ω・cm〜1×106Ω・cm、さらに好ましくは1.4×10−6Ω・cm〜1×104Ω・cmである。
金属錯体硬化膜については未処理の状態での電気特性は限定されるものではないが、電気特性のための処理をした後は、電気抵抗率で好ましくは1×10−6Ω・cm〜1×108Ω・cm、より好ましくは1.2×10−6Ω・cm〜1×106Ω・cm、さらに好ましくは1.4×10−6Ω・cm〜1×104Ω・cmである。
コート剤硬化層の形成後、機能性インク硬化層の形成前、湿式にて超撥水性樹脂をパターン化した膜を付着してもよい。
超撥水性樹脂としては、フッ素樹脂等が挙げられる。超撥水性樹脂の膜を成膜することにより、後の機能性インク塗布時に、超撥水性樹脂が存在しない部分にのみ、機能性インクを塗布することができる。つまり、超撥水性樹脂のパターンを反映するように、反転したパターンの機能性インク膜を形成できる。
超撥水性樹脂としては、フッ素樹脂等が挙げられる。超撥水性樹脂の膜を成膜することにより、後の機能性インク塗布時に、超撥水性樹脂が存在しない部分にのみ、機能性インクを塗布することができる。つまり、超撥水性樹脂のパターンを反映するように、反転したパターンの機能性インク膜を形成できる。
積層体の用途は限定されるものではないが、プリンテッドエレクトロニクスに用いられることが好ましい。例えばディスプレイ、タッチパネル額縁配線、タッチパネル透明電極、タッチパネル基板、タッチセンサー基板、医療用バイオセンサー等の各種センサー、RFID、携帯電話アンテナ、NFC等の近距離無線通信用アンテナ、非接触給電用回路、印刷コイル、スピーカー、フレキシブルプリント配線板、リジッド基板、各種電子回路、パーソナルコンピュータ、太陽電池セル基板、電磁波シールドフィルム、電磁波吸収フィルム、電磁波シールド転写フィルム、電磁波吸収転写フィルム、電線、電磁波シールドケーブル、電磁波吸収ケーブル、転写用金属箔つきフィルム、自動車用摺動部品、食器乾燥機や洗濯機に搭載されたモーターの軸部のシール材、上下水道に使用されるバルブの摺動部用シール材、発熱体や発熱シート等が挙げられる。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれら例によって何ら限定されるものではない。尚、特に言及しない限り各例における諸特性は、下記の要領に従って求めた。
(1)各種機能性インクの表面張力測定
表面張力の測定は、表面張力計DropMaster DM700(協和界面科学株式会社製)を用いて行った。
表面張力の測定は、表面張力計DropMaster DM700(協和界面科学株式会社製)を用いて行った。
残留溶剤の測定方法
残留溶剤の測定は、加熱硬化後、光焼成前の印刷部分を2cm×2cmで、基材から切出し、密閉できるサンプル瓶に保管し、ガスクロマトグラフィーGC−2014(島津製作所社製)により定量した。
尚、コート剤硬化膜と機能性インク硬化膜の使用溶剤が同一の場合には、機能性インク硬化膜を酸性水溶液で溶解させ、溶解液をガスクロマトグラフィーで測定する方法を採用し、コート剤硬化膜と機能性インク硬化膜の使用溶剤が異なる場合は、積層体のまま測定し、成分比で算出すればよい。
残留溶剤の測定は、加熱硬化後、光焼成前の印刷部分を2cm×2cmで、基材から切出し、密閉できるサンプル瓶に保管し、ガスクロマトグラフィーGC−2014(島津製作所社製)により定量した。
尚、コート剤硬化膜と機能性インク硬化膜の使用溶剤が同一の場合には、機能性インク硬化膜を酸性水溶液で溶解させ、溶解液をガスクロマトグラフィーで測定する方法を採用し、コート剤硬化膜と機能性インク硬化膜の使用溶剤が異なる場合は、積層体のまま測定し、成分比で算出すればよい。
(2)印刷適性評価
コート剤硬化膜に対して安定した機能性インクの印刷が行われたか否かを目視にて評価した。
○:印刷がかすれたり、印字できない部分等が無く、良好に印刷された。
×:印刷がかすれたり、印字できない部分等が有り、印刷不良があった。
コート剤硬化膜に対して安定した機能性インクの印刷が行われたか否かを目視にて評価した。
○:印刷がかすれたり、印字できない部分等が無く、良好に印刷された。
×:印刷がかすれたり、印字できない部分等が有り、印刷不良があった。
(3)密着性評価
機能性インクを印刷した積層体に接着剤を塗布し、延伸樹脂フィルムをラミネートした。得られた印刷物を15mm幅となるよう短冊状に試験片を切り出し、この試験片を23℃、50%RHの恒温室において引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で90°剥離を行い、剥離した荷重を求め、層間強度を測定した。得られた層間強度の値から、下記の基準によって密着性を評価した。
○:層間強度が200/15mmg以上。
×:層間強度が200/15mmg未満。
機能性インクを印刷した積層体に接着剤を塗布し、延伸樹脂フィルムをラミネートした。得られた印刷物を15mm幅となるよう短冊状に試験片を切り出し、この試験片を23℃、50%RHの恒温室において引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で90°剥離を行い、剥離した荷重を求め、層間強度を測定した。得られた層間強度の値から、下記の基準によって密着性を評価した。
○:層間強度が200/15mmg以上。
×:層間強度が200/15mmg未満。
(4)混合領域の評価
機能性インク硬化膜とコート剤硬化膜の混合領域の評価は断面TEMを用いて断面観察を行い、3点測長した平均値を混合領域の厚みとした。用いた装置はJEM−2200FS(JEOL社製)で、断面出しはミクロトーム法を用いて行った。
機能性インク硬化膜とコート剤硬化膜の混合領域の評価は断面TEMを用いて断面観察を行い、3点測長した平均値を混合領域の厚みとした。用いた装置はJEM−2200FS(JEOL社製)で、断面出しはミクロトーム法を用いて行った。
(5)電気特性評価
印刷後の機能性インク硬化膜の表面を、測定する抵抗値に応じて、ロレスタGP(三菱化学アナリテック製)又はハイレスタUP(三菱化学アナリテック製)で4端子法により測定した。
印刷後の機能性インク硬化膜の表面を、測定する抵抗値に応じて、ロレスタGP(三菱化学アナリテック製)又はハイレスタUP(三菱化学アナリテック製)で4端子法により測定した。
製造例1(コート剤の製造)
容積50mlのサンプル管に、有機高分子微粒子ULS−1385MG(一方社油脂製)0.80gを仕込み、500rpmで撹拌しながら、1−メトキシ−2−プロパノール4.25g、水0.50g、酢酸0.50g、Mシリケート51(多摩化学工業社製)0.40g、MTMS−A(多摩化学工業社製)1.10g、ジメトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン0.55g、20質量%p−トルエンスルホン酸メタノール液0.05gの順に、それぞれ1分間かけて滴下した。引き続き、室温、500rpmで60分撹拌後、一日静置し、これをA液とした。
容積20mlのサンプル管に、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン1.10g及び2−ブタノンオキシム0.35gを仕込み、室温、500rpmで10分撹拌後、一日静置し、これをC液とした。イソシアネート基がブロック化されたことについては、13C−NMRでイソシアネート基のシグナルが消失することにより確認した。3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランと2−ブタノンオキシムの配合量の合計をブロック化イソシアナトシラン化合物の量とした。
冷却管を取り付けた200ml三口フラスコに、A液と撹拌子を入れ、500rpmで撹拌しながら、B液としてIPA−ST−L(日産化学社製)6.50gを5分間かけて滴下し、室温で60分間撹拌した。続いて、窒素気流下、600rpm、80℃で3時間加熱した。引き続き、C液を加え、同条件にて80℃で4時間撹拌後、室温で一晩静置した。
さらに、これにD液として3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.40gを2分間かけて滴下した。室温で10分撹拌後、さらに窒素気流下、700rpm、80℃で3時間加熱した。引き続き1週間静置し、コート剤を得た。
容積50mlのサンプル管に、有機高分子微粒子ULS−1385MG(一方社油脂製)0.80gを仕込み、500rpmで撹拌しながら、1−メトキシ−2−プロパノール4.25g、水0.50g、酢酸0.50g、Mシリケート51(多摩化学工業社製)0.40g、MTMS−A(多摩化学工業社製)1.10g、ジメトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン0.55g、20質量%p−トルエンスルホン酸メタノール液0.05gの順に、それぞれ1分間かけて滴下した。引き続き、室温、500rpmで60分撹拌後、一日静置し、これをA液とした。
容積20mlのサンプル管に、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン1.10g及び2−ブタノンオキシム0.35gを仕込み、室温、500rpmで10分撹拌後、一日静置し、これをC液とした。イソシアネート基がブロック化されたことについては、13C−NMRでイソシアネート基のシグナルが消失することにより確認した。3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランと2−ブタノンオキシムの配合量の合計をブロック化イソシアナトシラン化合物の量とした。
冷却管を取り付けた200ml三口フラスコに、A液と撹拌子を入れ、500rpmで撹拌しながら、B液としてIPA−ST−L(日産化学社製)6.50gを5分間かけて滴下し、室温で60分間撹拌した。続いて、窒素気流下、600rpm、80℃で3時間加熱した。引き続き、C液を加え、同条件にて80℃で4時間撹拌後、室温で一晩静置した。
さらに、これにD液として3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.40gを2分間かけて滴下した。室温で10分撹拌後、さらに窒素気流下、700rpm、80℃で3時間加熱した。引き続き1週間静置し、コート剤を得た。
製造例2(コート剤硬化層の作製)
基材として、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製、商品名:コスモシャインA4300)を用いた。製造例1で得られたコート剤を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、硬化膜が3μmになるように、バーコーターにて塗布し、130℃、2時間で熱硬化させることにより、コート基板を作製した。実施例30及び比較例1以外については全て上述のコート基板を用いて検討を行った。
基材として、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製、商品名:コスモシャインA4300)を用いた。製造例1で得られたコート剤を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、硬化膜が3μmになるように、バーコーターにて塗布し、130℃、2時間で熱硬化させることにより、コート基板を作製した。実施例30及び比較例1以外については全て上述のコート基板を用いて検討を行った。
実施例1
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液(Sigma−Aldrich社製 固形分濃度5重量%)を、製造例2で得られたコート基板上に、スピンコーターを用いて、硬化膜が500nmになるように塗布した。印刷適正は問題なかった。塗布後、100℃5分間加熱硬化し、2800V、2000μ秒、キセノンパルス光源Sinteron2000(Xenon社製)と基板の距離2.5mmにて1回光焼成を行い、機能性インク硬化層をコート剤硬化層上に形成することで積層体を製造した。
銀被膜の電気特性は8×10−4Ω/□であった。
また、表面張力、残留溶剤、混合領域、及び密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液(Sigma−Aldrich社製 固形分濃度5重量%)を、製造例2で得られたコート基板上に、スピンコーターを用いて、硬化膜が500nmになるように塗布した。印刷適正は問題なかった。塗布後、100℃5分間加熱硬化し、2800V、2000μ秒、キセノンパルス光源Sinteron2000(Xenon社製)と基板の距離2.5mmにて1回光焼成を行い、機能性インク硬化層をコート剤硬化層上に形成することで積層体を製造した。
銀被膜の電気特性は8×10−4Ω/□であった。
また、表面張力、残留溶剤、混合領域、及び密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
光焼成に代えて、150℃30分間加熱焼結した以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銀被膜の電気特性は1×10−3Ω/□であった。
光焼成に代えて、150℃30分間加熱焼結した以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銀被膜の電気特性は1×10−3Ω/□であった。
実施例3
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、銅ナノ粒子(Sigma−Aldrich社製)のエチレングリコール5重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、銅ナノ粒子(Sigma−Aldrich社製)のエチレングリコール5重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
実施例4
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、銅ナノ粒子のエチレングリコール5重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は2×10−3Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、銅ナノ粒子のエチレングリコール5重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は2×10−3Ω/□であった。
実施例5
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、パラジウムナノ粒子(Sigma−Aldrich社製)のエチレングリコール5重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。パラジウム被膜の電気特性は9×10−3Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、パラジウムナノ粒子(Sigma−Aldrich社製)のエチレングリコール5重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。パラジウム被膜の電気特性は9×10−3Ω/□であった。
実施例6
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、パラジウムナノ粒子のエチレングリコール5重量%分散液を調整し用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。パラジウム被膜の電気特性は3×10−2Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、パラジウムナノ粒子のエチレングリコール5重量%分散液を調整し用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。パラジウム被膜の電気特性は3×10−2Ω/□であった。
実施例7
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ポリアニリン5重量%溶液100重量部に対しm−クレゾールを40重量部添加し室温で30分間撹拌したポリアニリン溶液(出光興産製)を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ポリアニリン被膜の電気特性は3×104Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ポリアニリン5重量%溶液100重量部に対しm−クレゾールを40重量部添加し室温で30分間撹拌したポリアニリン溶液(出光興産製)を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ポリアニリン被膜の電気特性は3×104Ω/□であった。
実施例8
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ポリエチレンジオキシチオフェン2%溶液100重量部に対しエチレングリコールを10重量部添加し室温で30分間撹拌したポリエチレンジオキシチオフェンインク(PEDOT,出光興産製)を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ポリエチレンジオキシチオフェン被膜の電気特性は3×103Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ポリエチレンジオキシチオフェン2%溶液100重量部に対しエチレングリコールを10重量部添加し室温で30分間撹拌したポリエチレンジオキシチオフェンインク(PEDOT,出光興産製)を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ポリエチレンジオキシチオフェン被膜の電気特性は3×103Ω/□であった。
実施例9
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、SWCNT(シングルウォールカーボンナノチューブ、KHケミカル社製)の水2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。SWCNT被膜の電気特性は3×102Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、SWCNT(シングルウォールカーボンナノチューブ、KHケミカル社製)の水2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。SWCNT被膜の電気特性は3×102Ω/□であった。
実施例10
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、MWCNT(マルチウォールカーボンナノチューブ、KHケミカル社製)の水2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。MWCNT被膜の電気特性は3×104Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、MWCNT(マルチウォールカーボンナノチューブ、KHケミカル社製)の水2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。MWCNT被膜の電気特性は3×104Ω/□であった。
実施例11
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、インジウム亜鉛酸化物粒子(出光興産製)のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。インジウム亜鉛酸化物被膜の電気特性は2×102Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、インジウム亜鉛酸化物粒子(出光興産製)のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。インジウム亜鉛酸化物被膜の電気特性は2×102Ω/□であった。
実施例12
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、インジウム亜鉛酸化物粒子のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。インジウム亜鉛酸化物被膜の電気特性は4×104Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、インジウム亜鉛酸化物粒子のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。インジウム亜鉛酸化物被膜の電気特性は4×104Ω/□であった。
実施例13
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ITO粒子(三菱マテリアル電子化成社製)のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ITO被膜の電気特性は2×102Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ITO粒子(三菱マテリアル電子化成社製)のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ITO被膜の電気特性は2×102Ω/□であった。
実施例14
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ITO粒子のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ITO被膜の電気特性は1×104Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ITO粒子のエチレングリコール1重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。ITO被膜の電気特性は1×104Ω/□であった。
実施例15
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、IJ(インクジェット)用銅ナノインクCI−002(Intrinsiq社製)用いた以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は5×10−5Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、IJ(インクジェット)用銅ナノインクCI−002(Intrinsiq社製)用いた以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は5×10−5Ω/□であった。
実施例16
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、銅ナノ粒子の3−メトキシ−3−メチルブタノールと、分散剤DISPERBYK(登録商標)−111(ビックケミー社製)を使用して調製した2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は3×10−5Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、銅ナノ粒子の3−メトキシ−3−メチルブタノールと、分散剤DISPERBYK(登録商標)−111(ビックケミー社製)を使用して調製した2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は3×10−5Ω/□であった。
実施例17
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Cu2O(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Cu2O被膜の電気特性は5×10−4Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Cu2O(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Cu2O被膜の電気特性は5×10−4Ω/□であった。
実施例18
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Cu2Oのエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Cu2O被膜の電気特性は測定不能であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Cu2Oのエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Cu2O被膜の電気特性は測定不能であった。
実施例19
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、CuO(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。CuO被膜の電気特性は3×10−3Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、CuO(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。CuO被膜の電気特性は3×10−3Ω/□であった。
実施例20
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、CuOのエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。CuO被膜の電気特性は測定不能であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、CuOのエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。CuO被膜の電気特性は測定不能であった。
実施例21
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Al2O3(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Al2O3被膜の電気特性は6×10−2Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Al2O3(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Al2O3被膜の電気特性は6×10−2Ω/□であった。
実施例22
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Al2O3のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Al2O3被膜の電気特性は測定不能であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、Al2O3のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。Al2O3被膜の電気特性は測定不能であった。
実施例23
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、フタロシアニン銅(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。フタロシアニン銅被膜の電気特性は6×10−3Ω/□であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、フタロシアニン銅(和光純薬製)のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。フタロシアニン銅被膜の電気特性は6×10−3Ω/□であった。
実施例24
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、フタロシアニン銅のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。フタロシアニン銅被膜の電気特性は測定不能であった。
銀ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、フタロシアニン銅のエチレングリコール2重量%分散液を用いたこと以外は実施例2と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。フタロシアニン銅被膜の電気特性は測定不能であった。
実施例25
コート剤硬化層上に、超撥水性樹脂であるフロロサーフ(フロロテクノロジ―社製)をIJ印刷にてパターニングし、80℃15分間硬化し、その上に、銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液を塗布したこと以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。超撥水性樹脂上にはインク塗布はできず、コート剤硬化膜が露出している部分のみにインク塗布ができた。印刷適性は問題ないものであった。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
コート剤硬化層上に、超撥水性樹脂であるフロロサーフ(フロロテクノロジ―社製)をIJ印刷にてパターニングし、80℃15分間硬化し、その上に、銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液を塗布したこと以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。超撥水性樹脂上にはインク塗布はできず、コート剤硬化膜が露出している部分のみにインク塗布ができた。印刷適性は問題ないものであった。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
実施例26
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにスクリーン印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにスクリーン印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
実施例27
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにIJ印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにIJ印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
実施例28
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにフレキソ印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにフレキソ印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
実施例29
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにオフセット印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液の塗布をスピンコーターの代わりにオフセット印刷を用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
実施例30
製造例2において、コート剤を、塗布に代えて、IJ印刷にてパターニングしたものを、コート基板として用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。コート剤硬化膜が積層されている部分のみにインクが塗布された。印刷適性は問題ないものであった。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
製造例2において、コート剤を、塗布に代えて、IJ印刷にてパターニングしたものを、コート基板として用いた以外は実施例3と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。コート剤硬化膜が積層されている部分のみにインクが塗布された。印刷適性は問題ないものであった。銅被膜の電気特性は9×10−4Ω/□であった。
比較例1
コート剤硬化層のない基板(ポリエチレンテレフタレート基材)上に銅ナノ粒子のエチレングリコール5重量%分散液をスピンコートにて塗布し、100℃5分間加熱硬化後、評価した。結果を表1に示す。ここで、インクは基板に弾かれ、印刷適正は×であった。従って、混合領域、密着性、電気特性等の評価は不可能であった。
コート剤硬化層のない基板(ポリエチレンテレフタレート基材)上に銅ナノ粒子のエチレングリコール5重量%分散液をスピンコートにて塗布し、100℃5分間加熱硬化後、評価した。結果を表1に示す。ここで、インクは基板に弾かれ、印刷適正は×であった。従って、混合領域、密着性、電気特性等の評価は不可能であった。
比較例2
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ヘキサンを用いた銅ナノインク5重量%分散液をIJ法にて印刷した以外は実施例4と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。表面張力が18mN/mと非常に低いことから、IJ法にて液体を吐出する際に機能性インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため、飛行曲りが生じ均一に印刷できなかった。従って、混合領域、密着性、電気特性等の評価は不可能であった。
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、ヘキサンを用いた銅ナノインク5重量%分散液をIJ法にて印刷した以外は実施例4と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。表面張力が18mN/mと非常に低いことから、IJ法にて液体を吐出する際に機能性インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため、飛行曲りが生じ均一に印刷できなかった。従って、混合領域、密着性、電気特性等の評価は不可能であった。
比較例3
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、水を用いた銅ナノインク5重量%分散液をIJ法にて印刷した以外は実施例4と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。表面張力が74mN/mと非常に高いことから、IJ法にて液体を吐出する際にノズル先端での形状が安定せず、吐出制御が困難であり、印刷不可能であった。従って、混合領域、密着性、電気特性等の評価は不可能であった。
銅ナノ粒子のエチレングリコール分散液に代えて、水を用いた銅ナノインク5重量%分散液をIJ法にて印刷した以外は実施例4と同様に、積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。表面張力が74mN/mと非常に高いことから、IJ法にて液体を吐出する際にノズル先端での形状が安定せず、吐出制御が困難であり、印刷不可能であった。従って、混合領域、密着性、電気特性等の評価は不可能であった。
本発明の積層体は、タッチパネル、タッチセンサー、プリント配線板等のプリンテッドエレクトロニクスに利用できる。
Claims (21)
- 基板と、基板上に形成されたコート剤硬化層と、混合領域と、機能性インク硬化層と、を含む積層体であって、
前記機能性インク硬化層は、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから群から選ばれる1以上の機能性インクを用いて、前記コート剤硬化層上に積層され、
前記混合領域は、コート剤硬化層と機能性インク硬化層の間にあり、2nm〜2μmの厚みである積層体。 - 前記コート剤硬化層が多孔質膜である請求項1記載の積層体。
- 前記コート剤硬化層が膨潤型樹脂からなる請求項1又は2記載の積層体。
- 前記コート剤硬化層が、オルガノアルコキシシラン化合物又はポリオルガノアルコキシシラン化合物、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、高分子紫外線吸収剤、硬化触媒、及びブロック化イソシアネートシラン化合物を、少なくとも含む請求項1〜3のいずれか記載の積層体。
- 前記金属インクの金属が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルからなる群から選ばれる1以上である請求項1〜4のいずれか記載の積層体。
- 前記金属イオンインクの金属イオンが、1価の金属イオン、2価の金属イオン又は3価の金属イオンである請求項1〜4のいずれか記載の積層体。
- 前記金属錯体インクの金属錯体が、有機顔料配位子と金属イオンからなる請求項1〜4のいずれか記載の積層体。
- 前記金属酸化物半導体インクの金属酸化物半導体がインジウム錫酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸化物及びインジウムガリウム酸化物からなる群から選ばれる1以上である請求項1〜4のいずれか記載の積層体。
- 前記基板が樹脂フィルム及びガラス基板である請求項1〜8のいずれか記載の積層体。
- 基板上に、コート剤硬化層を形成し、
前記コート剤硬化層上に、金属インク、金属イオンインク、導電性高分子インク、カーボンインク、金属錯体インク、金属酸化物半導体インク及び絶縁体インクから選ばれる1以上の機能性インクを用いて成膜し、硬化処理することで、混合領域及び機能性インク硬化層を形成する積層体の製造方法。 - 前記硬化処理が、70〜200℃で5〜30分間の加熱処理を含む請求項10記載の積層体の製造方法。
- 前記機能性インクを用いて湿式にて成膜する請求項10又は11記載の積層体の製造方法。
- 前記硬化処理が、前記加熱処理後、さらに、活性エネルギー線による硬化を含む請求項11又は12記載の積層体の製造方法。
- 前記硬化処理が、前記加熱処理後、さらに、キセノンパルス光による硬化を含む請求項11又は12記載の積層体の製造方法。
- 前記加熱処理後の機能性インク硬化層中の残留溶剤が5%以下である請求項11〜14のいずれか記載の積層体の製造方法。
- 前記コート剤硬化層の形成後、前記機能性インク硬化層の形成前、湿式にて超撥水性樹脂をパターン化して付着する請求項10〜15のいずれか記載の積層体の製造方法。
- 前記機能性インク硬化層が、表面張力20mN/m〜70mN/mの機能性インクを用いて形成される請求項10〜16のいずれか記載の積層体の製造方法。
- 前記機能性インクをスクリーン印刷、インクジェット、凹版印刷、凸版印刷、又はオフセット印刷にて成膜する請求項10〜17のいずれか記載の積層体の製造方法。
- 前記機能性インクを用いて成膜する前に、前記コート剤硬化層がパターニングされる請求項10〜18のいずれか記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか記載の積層体を含むプリンテッドエレクトロニクス。
- タッチパネル額縁配線、タッチパネル透明電極、タッチパネル基板、タッチセンサー基板、フレキシブルプリント配線板又はリジッド基板である請求項20記載のプリンテッドエレクトロニクス。
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