JP6733253B2 - 樹脂製シリンダヘッドカバー - Google Patents
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Description
このように構成すれば、第1間隔を隔てて隣接するリブ間に複数の穴部が配置されるようにフランジ部を成形することができるので、相対的に大きい第1間隔を隔てて隣接するリブ間においても、フランジ部が反るのを確実に抑制することができる。
このように構成すれば、シール部材を保持する溝部の直上(上方)での樹脂材料内のガラス繊維の配向が乱されるようにフランジ部を成形することができるので、溝部の反り(変形)を効果的に抑制することができる。また、シリンダヘッドへの締結時にシール部材から受ける反力によって樹脂製シリンダヘッドカバーが反るのも抑制することができる。したがって、樹脂製シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに締結した際のシール性(気密性)を適切に確保することができる。
すなわち、上記第1および第2の局面による樹脂製シリンダヘッドカバーにおいて、穴部は、側面におけるエンジンルーム側に開口するとともにシリンダヘッド側に向かって延びている。
また、上記第1および第2の局面による樹脂製シリンダヘッドカバーにおいて、フランジ部における穴部が設けられた側面の厚みは、フランジ部における穴部が設けられていない側面の厚みよりも大きい。
また、上記第1および第2の局面による樹脂製シリンダヘッドカバーにおいて、樹脂製シリンダヘッドカバーは、シリンダヘッドとの対向面から上面部における内底面までのフランジ部の高さが、フランジ部の厚みの3倍以下であるような浅底形状を有している。
また、上記第1および第2の局面による樹脂製シリンダヘッドカバーにおいて、穴部は、平面視で、円形状、長円形状、または、多角形形状の少なくともいずれかの断面形状を有している。
また、上記第1および第2の局面による樹脂製シリンダヘッドカバーにおいて、穴部は、平面視で、アレイ状または格子状となってフランジ部の側面に複数設けられている。
まず、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態によるエンジン90に取り付けられるシリンダヘッドカバー20の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による車両(自動車)100は、図1に示すように、前方側にエンジンルーム101(破線でその領域を示す)を備える。また、エンジンルーム101には、エンジン90が搭載されている。エンジン90は、ピストンの4行程(クランク軸1の2回転)で吸入・圧縮・膨張(燃焼)・排気の1サイクルの作用を完了する内燃機関である。また、エンジン90は、気筒内をピストン(図示せず)が往復動可能なシリンダブロック11と、シリンダブロック11の上部に締結されるシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下部に締結されるクランクケース13とを含むアルミニウム合金製のエンジン本体10を備える。また、エンジン本体10の前方側(X1側)の側端部には、タイミングチェーン(図示せず)およびその周辺を覆う樹脂製のタイミングチェーンカバー14が取り付けられている。
シリンダヘッドカバー20は、図2に示すように、エンジンルーム101(図1参照)側に配置される上面部21と、上面部21の周縁部21aから下方(矢印Z2方向)に延びるように接続されているフランジ部22とを備える。また、シリンダヘッドカバー20は、ガラス繊維強化ポリアミド(ガラス繊維と無機物フィラーとにより強化されたポリアミド)からなり、加熱溶融させたこの樹脂材料を金型内に射出注入し、冷却・固化させることによって樹脂成形品として製造される。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
次に、図4および図8を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、側面222bにおける穴部23の配置構成を上記第1実施形態(図4参照)と異ならせた例について示す。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
第2実施形態では、複数の穴部23を平面視で上下2段に配列するように構成する。これにより、樹脂材料の射出成形時のガラス繊維の配向を乱すための穴部23をフランジ部222の側面222bに広範囲に亘って設けることができる。この際、フランジ部222の近傍領域では、金型内を縦横に延びる隔壁部分224となる細い流路(空洞部分)にガラス繊維強化ポリアミドが流動されてこの樹脂材料に含まれるガラス繊維の配向をより確実に乱すことができる。この結果、シリンダヘッドカバー220に反りが生じるのを広範囲に亘って抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図9を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、個々の穴部323を正六角形形状に形成した例について示す。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
第3実施形態では、個々の穴部323を平面視で正六角形形状に形成するとともに上下2段に配列するように構成する。これにより、樹脂材料の射出成形時のガラス繊維の配向を乱すための穴部323をフランジ部322の側面322bに広範囲に亘って設けることができる。したがって、シリンダヘッドカバー320に反りが生じるのを広範囲に亘って抑制することができる。第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
次に、図10を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、個々の穴部423を正三角形形状に形成した例について示す。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
第4実施形態では、個々の穴部423を平面視で正六角形形状に形成するとともに上下2段に配列するように構成する。これにより、樹脂材料の射出成形時のガラス繊維の配向を乱すための穴部423をフランジ部422の側面322bに広範囲に亘って設けることができる。したがって、シリンダヘッドカバー420に反りが生じるのを広範囲に亘って抑制することができる。第4実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
次に、図6および図11を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、フランジ部22の長手方向(X軸方向)の中央領域Qに対応する側面22bの部分にも底部523aを有する穴部523を設けた例について示す。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
第5実施形態では、シリンダヘッドカバー520における長手方向の端部領域のみならず中央領域Qに対応する側面22bの部分にも底部523aを有する穴部523を複数個設ける。これにより、浅底型のシリンダヘッドカバー520の長手方向の端部領域のみならず中央領域Qにおいてもフランジ部22がZ軸方向に反るのがより抑制されるので、シリンダヘッドカバー520全体としての射出成形後(冷却・固化後)の反りを効果的に抑制することができる。特に、ボス部22hの配置間隔が長い区間の側面22bに穴部523を設けることは反りの抑制にとって非常に有用である。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
12 シリンダヘッド
14 タイミングチェーンカバー
20、220、320、420、520 シリンダヘッドカバー(樹脂製シリンダヘッドカバー)
21 上面部
21a 周縁部
21b 内底面
22、222、322、422 フランジ部
22a 対向面
22b、222b、322b、422b 側面
22e 溝部
23、323、423、523 穴部
23a、323a、423a、523a 底部
24、27、224、324、424 隔壁部分
25 リブ
60 シール部材
90 エンジン
100 車両
101 エンジンルーム
H 高さ
L1 間隔(第1間隔)
L2 間隔(第2間隔)
t1、t2、t3 厚み
Claims (5)
- エンジンルーム側に配置される上面部と、
前記上面部の周縁部に接続されているとともにシリンダヘッドに取り付けられるフランジ部と、
前記上面部と前記フランジ部とを接続する複数のリブと、を備え、
前記フランジ部は、底部を有する穴部が設けられた側面を含み、
前記穴部は、前記フランジ部の側面に所定の間隔を隔てて複数形成されており、
前記フランジ部は、互いに隣接する前記穴部同士を隔てる隔壁部分をさらに含み、
前記フランジ部の側面において、各々の前記穴部は、前記隔壁部分が前記リブの形成位置に重ならないように配置されている、樹脂製シリンダヘッドカバー。 - 前記複数のリブは、前記上面部と前記フランジ部とを接続するとともに前記フランジ部の延びる方向に沿って第1間隔を隔てて設けられており、
前記穴部は、前記フランジ部の側面において、前記第1間隔よりも小さい第2間隔を隔てて複数形成されている、請求項1に記載の樹脂製シリンダヘッドカバー。 - エンジンルーム側に配置される上面部と、
前記上面部の周縁部に接続されているとともにシリンダヘッドに取り付けられるフランジ部と、
前記上面部と前記フランジ部とを接続するとともに前記フランジ部の延びる方向に沿って第1間隔を隔てて設けられた複数のリブと、を備え、
前記フランジ部は、底部を有する穴部が設けられた側面を含み、
前記穴部は、前記フランジ部の側面において、前記第1間隔よりも小さい第2間隔を隔てて複数形成されている、樹脂製シリンダヘッドカバー。 - 前記フランジ部は、互いに隣接する前記穴部同士を隔てる隔壁部分をさらに含む、請求項3に記載の樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 前記フランジ部は、前記シリンダヘッドとの間に配置されるシール部材を保持する溝部をさらに含み、
前記穴部は、前記溝部の上方を跨ぐように延びている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂製シリンダヘッドカバー。
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JP2016061543A JP6733253B2 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 樹脂製シリンダヘッドカバー |
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