JP6733146B2 - 梁端部の製造方法、柱梁接合方法、及び、柱梁接合構造 - Google Patents

梁端部の製造方法、柱梁接合方法、及び、柱梁接合構造 Download PDF

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Description

本発明は、梁端部の製造方法、柱梁接合方法、及び、柱梁接合構造に関する。
鉄骨柱と鉄骨梁との接合構造において、ブラケットを設けず鉄骨柱と鉄骨梁をダイレクトに接合するノンブラケット工法では、一般的に、現場において鉄骨柱と鉄骨梁とを溶接(現場溶接)している(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−208434号公報
現場での鉄骨柱と鉄骨梁との溶接作業は熟練した溶接技能者を必要とするとともに、作業工程が天候に左右されやすい(雨、風の影響を受けやすい)。そこで、鉄骨梁の梁端部に断面T字形の接合用部材(以下、スプリットティ部材ともいう)を設けておき、現場で鉄骨柱に接合用部材をボルト接合することにより鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する工法も提案されている。なお、鉄骨柱と鉄骨梁との接合部(梁端仕口部)は地震などの外力により大きな応力が発生して破断しやすいため、接合用部材には、鉄骨柱側に向かって拡幅する拡幅部(水平ハンチ)を設けることが望ましい。しかしながら、上述したような接合用部材を製作するにはコストかかり、また、製作の精度の確保が難しく、これにより鉄骨梁の変形性能が低下するおそれがあった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コストの低減及び梁の変形性能の向上を図りつつ、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することにある。
かかる目的を達成するため、本発明の梁端部の製造方法は、フランジと、前記フランジに直交接続されたウェブと、を備え、鉄骨柱に接合される鉄骨梁の梁端部の製造方法であって、前記鉄骨柱の鉛直面にボルト接合される第1板部と、前記第1板部に直交する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備えた第2板部と、を有する接合用部材を、H形鋼又はT形鋼から切り出し、前記第2板部が前記フランジと同一面を形成するように、前記接合用部材を前記梁端部の前記フランジ及び前記ウェブに接合することを特徴とする。
このような梁端部の製造方法によれば、断面T字形で拡幅部を備えた接合用部材を低コストで高精度に製作することができる。また、この接合用部材を鉄骨梁の梁端部に設けることにより、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することができる。よって、コストの低減及び鉄骨梁の変形性能の向上を図りつつ、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することができる。
上記目的を達成するための主たる発明は、
フランジと、前記フランジに直交接続されたウェブと、を備え、鉄骨柱に接合される鉄骨梁の梁端部の製造方法であって、
前記鉄骨柱の鉛直面にボルト接合される第1板部と、前記第1板部に直交する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備えた第2板部と、を有する接合用部材を、H形鋼又はT形鋼から切り出し、
前記第2板部が前記フランジと同一面を形成するように、前記接合用部材を前記梁端部の前記フランジ及び前記ウェブに接合する梁端部の製造方法であり、
前記フランジの長手方向の端面と、前記第2板部の前記第1板部とは反対側の端面とを溶接し、
前記第2板部の上下方向の内側の面と、前記ウェブの上下方向の外側の端面とを溶接することを特徴とする。
このような梁端部の製造方法によれば、断面T字形で拡幅部を備えた接合用部材を低コストで高精度に製作することができる。また、この接合用部材を鉄骨梁の梁端部に設けることにより、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することができる。よって、コストの低減及び鉄骨梁の変形性能の向上を図りつつ、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することができる。
かかる柱梁接合方法であって、前記鉄骨柱は角形鋼管柱であり、前記ボルト接合には、前記鉄骨柱の外側のみから施工可能なワンサイドボルトを用いることが望ましい。
このような柱梁接合方法によれば、閉断面の角形鋼管柱に対しても、鉄骨梁を簡易にボルト接合することができる。
また、かかる目的を達成するため、本発明の柱梁接合方法は、
フランジと、前記フランジに直交接続されたウェブと、を備える鉄骨梁の梁端部に、第1板部と、第1板部に直交する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備える第2板部とを有し、溶接部位が無い鋼製の接合用部材を、前記第2板部が前記フランジと同一面を形成するように設ける工程と、
前記第1板部を鉄骨柱の鉛直面にボルト接合する工程と、
有する柱梁接合方法であって、
前記フランジの長手方向の端面と、前記第2板部の前記第1板部とは反対側の端面とを溶接し、
前記第2板部の上下方向の内側の面と、前記ウェブの上下方向の外側の端面とを溶接する
ことを特徴とする。
また、かかる目的を達成するため、本発明の柱梁接合構造は、
鉄骨柱と、当該鉄骨柱に接合される鉄骨梁とを備えた柱梁接合構造であって、
前記鉄骨梁は、
フランジと、
前記フランジに直交接続されたウェブと、
梁端部に設けられた鋼製の接合用部材であって、
前記鉄骨柱の鉛直面にボルト接合される第1板部と、
第1板部に直交するとともに前記フランジと同一面を形成する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備える第2板部と、
を有し、溶接部位が無い接合用部材と、
備える柱梁接合構造であって、
前記フランジの長手方向の端面と、前記第2板部の前記第1板部とは反対側の端面とが溶接され、
前記第2板部の上下方向の内側の面と、前記ウェブの上下方向の外側の端面とが溶接されている
ことを特徴とする。
このような柱梁接合構造によれば、コストの低減及び梁の変形性能の向上を図りつつ、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することができる。
かかる柱梁接合構造であって、前記第1板部の幅は、前記フランジの幅よりも大きく、前記第1板部は、当該第1板部の幅方向の端部において前記鉄骨柱とボルト接合されていることが望ましい。
このような柱梁接合構造によれば、接合部の剛性を高めることができる。
かかる柱梁接合構造であって、前記鉄骨柱は、内部に前記同一面と同一の水平面を形成する水平補強材を備え、前記鉄骨梁の曲げモーメントにより生じる前記フランジの圧縮引張力は、前記鉄骨柱の鉛直面から前記水平補強材に伝達されてもよい。
このような柱梁接合構造によれば、接合部の剛性を高めることができる。
かかる柱梁接合構造であって、前記鉄骨柱は、前記鉄骨梁との接合部位に、他の部位よりも厚さの大きい増厚補強材を備えており、前記第1板部と前記鉄骨柱の前記増厚補強材とがボルト接合されてもよい。
このような柱梁接合構造によれば、ボルト孔を設けることによる鉄骨柱の断面欠損部分の耐力低下を抑制することができる。
かかる柱梁接合構造であって、前記鉄骨柱は角形鋼管であり、前記ボルト接合に使用されるボルトは、前記鉄骨柱の外側のみから施工可能なワンサイドボルトであることが望ましい。
このような柱梁接合構造によれば、角形鋼管に対しても簡易にボルト接合することができる。
本発明によれば、コストの低減及び梁の変形性能の向上を図りつつ、鉄骨柱と鉄骨梁とを簡易に接合することができる。
図1Aは、第1実施形態の柱梁接合構造の概略側面図である。また、図1Bは、図1AのA−A´矢視図であり、図1Cは、図1AのB−B´矢視図である。 第1実施形態における柱梁接合方法を示すフロー図である。 比較例のスプリットティ部材30´の製作方法の概略説明図である。 第1実施形態のスプリットティ部材30の製作方法の概略説明図である。 ボルト40(ワンサイドボルト)による接合方法を示す説明図である。 第2実施形態の柱梁接合構造の概略側面図である。
===第1実施形態===
<<柱梁接合構造について>>
図1Aは、第1実施形態の柱梁接合構造の概略側面図である。また、図1Bは、図1AのA−A´矢視図であり、図1Cは、図1AのB−B´矢視図である。
本実施形態の柱梁接合構造は、上下方向(鉛直方向)に延びる鉄骨柱10と水平方向に延びる鉄骨梁20を備えて構成されている。すなわち、図1Aに示すように、長手方向が鉛直方向に沿った鉄骨柱10に、長手方向が水平方向に沿った鉄骨梁20が接合されている。また、本実施形態では、鉄骨梁20の長手方向の端の所定範囲(図中Sで示す範囲)のことを梁端部と呼ぶ。
鉄骨柱10は、図1A〜図1Cに示すように、内ダイアフラム12(水平補強材に相当)を備えた角形鋼管柱であり、本実施形態における柱梁接合形式は、所謂、柱貫通型の接合形式(内ダイアフラム形式)である。また、鉄骨柱10には、図のボルト40に対応する位置に、ボルト孔(図5のボルト孔10a)が貫通して設けられている。
内ダイアフラム12は、鉄骨柱10の仕口の剛性を高める鋼板であり、鉄骨柱10において、鉄骨梁20(より具体的には、後述するフランジ22)との接合位置の内側に設けられている。また、内ダイアフラム12は、鉄骨梁20のフランジ22(及び、スプリットティ部材30のティーウェブ32)と同一面(水平面)を形成している。
鉄骨梁20は、H形鋼であり、図1Aに示すように、上下一対のフランジ22と、ウェブ24とを備えている。また、鉄骨梁20は、梁端部Sにスプリットティ部材30(接合用部材に相当)を備えている。
フランジ22は、鉄骨梁20の上縁と下縁にそれぞれ水平に配置された板状部材である。
ウェブ24は、上下一対のフランジ22を鉛直方向に結ぶ板状部材である。
ところで、現場において鉄骨柱10と鉄骨梁20とを溶接する場合、溶接(現場溶接)の作業は熟練した溶接技能者を必要とするとともに、作業工程が天候に左右されやすい。これに対し、本実施形態では、鉄骨梁20の梁端部Sにスプリットティ部材30を設けており。このスプリットティ部材30を鉄骨柱10にボルト接合している。このように、本実施形態では、鉄骨柱10と鉄骨梁20とを接合する際に、溶接を行わなくてもよい(ボルト締めだけでよい)ので、現場における鉄骨柱10と鉄骨梁20との接合の作業が容易になり、コストを低減できる。
スプリットティ部材30は、鉄骨梁20を鉄骨柱10に接合するための鋼製部材であり、図1Aに示すように、断面T字形の部材である。また、スプリットティ部材30は、鉄骨梁20の上下一対のフランジ22に対応して、上下一対設けられている。
スプリットティ部材30は、ティーフランジ31(第1板部に相当)とティーウェブ32(第2板部に相当)とを有している。
ティーフランジ31は、鉄骨柱10の鉛直面にボルト接合される板状の部位である。ティーフランジ31には、鉄骨柱10のボルト孔10aと対応するボルト孔31aが形成されている(図5参照)。なお、ボルト孔31aは、ティーウェブ32を挟む上下の位置において、梁幅方向に沿って複数形成されている。そして、各ボルト孔31aには、それぞれボルト40が螺合することになる。
ティーウェブ32は、ティーフランジ31と直交する板状の部位である。ティーウェブ32は、フランジ22と同一面を形成するように、梁端部Sのフランジ22及びウェブ24に溶接(接合)されている。より具体的には、梁端部Sにおいて、フランジ22の長手方向の端面と、ティーウェブ32のティーフランジ31とは反対側の端面とが溶接されている。これにより、フランジ22とティーウェブ32とで同一面が形成されている。また、一対のティーウェブ32の内側の面と、ウェブ24の上下方向の外側の端面とがそれぞれ溶接されている。以上の構成により、鉄骨梁20の曲げモーメントにより生じるフランジ22の圧縮引張力は、上記同一面でティーウェブ32に直線的に伝達され、ティーフランジ31を介して鉄骨柱10の鉛直面に伝達される。さらに、その圧縮引張力は、鉄骨柱10の鉛直面から内ダイアフラム12に伝達される。
また、ティーウェブ32は、図1Bに示すように、ティーフランジ31側(すなわち鉄骨柱10側)に向かって拡幅する拡幅部32aを有している。本実施形態の拡幅部32aは、ティーフランジ31側(鉄骨柱10側)に向かうにつれて、最初は曲線的に幅が大きくなり、その後、直線的に幅が大きくなる形状(円弧形状と直線形状の複合形状)である。ただし、これには限らず、例えば円弧形状のみでもよい。このような拡幅部32aを設けていることにより、地震力などの外力が入力された場合、歪の集中を緩和することができ、スプリットティ部材30(換言すると鉄骨梁20)の変形性能の向上を図ることができる。また、鉄骨柱10と鉄骨梁20との接合部の応力を低減させ、鉄骨柱10と鉄骨梁20との接合部が破断することを防止できる。なお、拡幅部32aの端(ティーフランジ31側の端)とティーフランジ31との間の領域では、ティーウェブ32の幅は一定(拡幅部32aの最大幅)になっている。
このように、本実施形態では、ティーウェブ32が拡幅部32aを備えているため、鉄骨柱10に接合されるティーフランジ31の梁幅方向の幅は、鉄骨梁20のフランジ22の幅よりも大きくなっている(図1B参照)。そして、このティーフランジ31の両端部の位置においてもボルト40にて鉄骨柱10と接合している。これにより接合部の剛性をより高めることができる。
本実施形態のスプリットティ部材30は、ティーフランジ31とティーウェブ32が溶接されることなく一体的に形成されている。また、拡幅部32aも溶接されることなくティーウェブ32に設けられている。すなわち、本実施形態のスプリットティ部材30には溶接された部位(溶接部位)が無い。これにより、コストを低減させることができ、製作精度を高めることができる。スプリットティ部材30の製造方法については後述する。
ボルト40は、鉄骨梁20に設けられたスプリットティ部材30のティーフランジ31を鉄骨柱10に摩擦接合させるための高力ボルトである。本実施形態の鉄骨柱10は、閉断面の角形鋼管柱であるため、通常の高力ボルトとナットを用いて、鉄骨柱10の外側と内側とからボルト接合することは困難である。そこで、本実施形態では、スプリットティ部材30(ティーフランジ31)を鉄骨柱10に接合するためのボルト40として、片側(外側)のみから施工可能なワンサイドボルトを用いている。(図5参照)。ボルト40を用いた施工方法(接合方法)については後述する。
<<柱梁接合方法について>>
図2は、第1実施形態における柱梁接合方法を示すフロー図である。
まず、既存のH形鋼からスプリットティ部材30を切り出す(S10)。こうして、所望の形状のスプリットティ部材30を製作する。
図3は、比較例のスプリットティ部材30´の製作方法の概略説明図である。図4は、第1実施形態のスプリットティ部材30の製作方法の概略説明図である。
図3の比較例では、鋼製の板部材3と板部材5を溶接することによりスプリットティ部材30´を製作している。しかし、この比較例の場合、図に示すように、溶接による変形が発生するおそれがあり、製作精度の確保が難しい。また、溶接が必要であるためコストがかかるという問題がある。
これに対し、本実施形態では、図4に示すように、既存のH形鋼1からスプリットティ部材30を切り出している。なお、H形鋼1は、圧延ロール成型されたH形鋼であり、3枚の板部材が溶接されて形成されたものではない。このため、スプリットティ部材30(ティーフランジ31及びティーウェブ32)には溶接部位が無い。また、H形鋼1からティーウェブ32を切り出すため、拡幅部32aを容易に形成できる。このように、本実施形態では、スプリットティ部材30を既存のH形鋼1から切り出すことによって製作している。これにより、比較例よりも低コスト化を図ることができ、また、製作精度を確保しやすい。また、仮に、拡幅部32aをティーウェブ32の幅方向の両側に溶接して設けた場合、変形時に溶接部の端部から破断しやすい。これにより、前述した拡幅部32aによる効果(歪の集中の緩和、変形性能の向上、柱梁接合部の破断防止)を得ることができなくなるおそれがある。これに対し、本実施形態のスプリットティ部材30には、溶接部位が無いので、拡幅部32aによる効果を確実に発揮させることができる。
なお、切り出したスプリットティ部材30のティーフランジ31には、ボルト接合のためのボルト孔(図5のボルト孔31a)を鉄骨柱10のボルト孔10aと対応する位置に形成しておく。本実施形態では、ティーフランジ31の幅方向の端部(フランジ22の幅よりも広い範囲)までボルト孔31aを形成している。
次に、切り出したスプリットティ部材30を鉄骨梁20の梁端部Sに接合する(S20)。より具体的には、鉄骨梁20の梁端部Sにおいて、ティーウェブ32がフランジ22と連続した同一面を形成するように、ティーウェブ32をフランジ22の長手方向の端面、及び、ウェブ24の端面(上側端面又は下側端面)にそれぞれ溶接する。このようにして、鉄骨梁20の梁端部Sに、上下一対のスプリットティ部材30を接合する。なお、ステップS20までの作業は工場にて行う。
そして、現場において、鉄骨柱10の鉛直面に鉄骨梁20のスプリットティ部材30のティーフランジ31を当接させて、鉄骨柱10とティーフランジ31とをボルト40によりボルト接合する。前述したように、本実施形態では、ボルト40として、片側(外側)から施工可能なワンサイドボルトを用いている。
図5A〜図5Dは、ボルト40(ワンサイドボルト)による接合方法の一例を示す説明図である。本実施形態位のボルト40は、ピン41に、バルブスリープ42、クリップスリープ43、シャーワッシャー44、ベアリングワッシャー45、ナット46が挿通された構成になっている。なお、ボルト40はこの構成には限らず、他の構成のワンサイドボルトであってもよい。
まず、図5Aに示すように、鉄骨柱10の外側の鉛直面にスプリットティ部材30(ティーフランジ31)を当接させ、その外側からボルト40を各ボルト孔(ティーフランジ31のボルト孔31a、及び、鉄骨柱10のボルト孔10a)に挿入する。そして、専用シャーレンチ50を用いてボルト40を外側から締め付ける。これにより、図5Bに示すように、バルブスリープ42が変形してボルト頭42aが形成される。
締め付けが進むとバルブ頭42aが鉄骨柱10の内面に当たり、さらに締め付け力が増すと、図5Cに示すようにクリップスリープ43によってシャーワッシャー44がせん断破断されて軸力導入が始まる。
そして、図5Dに示すように、所定の軸力がでたところで、ピン41のピンテールが破断され締結が完了する。
このように、ボルト40(ワンサイドボルト)を用いることにより、片側(外側)からのボルト接合が簡単・確実に施工できる。
以上、説明したように、本実施形態の柱梁接合構造は、鉄骨柱10と、鉄骨柱10に接合される鉄骨梁20とを備えている。また、鉄骨梁20は、上下一対にフランジ22と、上下一対のフランジ22に直交接続されたウェブ24と、梁端部Sに設けられた断面T字形のスプリットティ部材30を備えている。スプリットティ部材30は、鉄骨柱10の鉛直面にボルト接合されるティーフランジ31と、ティーフランジ31に直交し、ティーフランジ31に向かって拡幅する拡幅部32aを備えたティーウェブ32と、を有している。本実施形態では、このスプリットティ部材30を既存のH形鋼1から切り出して製作している。これにより、スプリットティ部材30には溶接部位が無く、また、スプリットティ部材30を低コストで高精度に製作することができる。そして、スプリットティ部材30のティーウェブ32がフランジ22と同一面を形成するように、スプリットティ部材30を梁端部Sのフランジ22及びウェブ24に溶接(接合)しているので、鉄骨梁20の変形性能の向上を図ることができる。さらに、鉄骨梁20のスプリットティ部材30を鉄骨柱10にボルト接合することで、鉄骨柱10と鉄骨梁20とを溶接することなく簡易に接合することができる。
===第2実施形態===
図6は、第2実施形態の柱梁接合構造の概略側面図である。なお、第2実施形態(図6)において、第1実施形態(図1)と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態の鉄骨柱10´は、ダイアフラムが設けられていないノンダイアフラムの鉄骨柱であり、柱部材110と増厚補強部材120とを備えている。
柱部材110は、第1実施形態の鉄骨柱10と同形状の角形鋼管である。
増厚補強部材120は、柱部材110よりも厚さの大きい部材であり、鉄骨梁20との接合部の位置において、上下の柱部材110間に挟まれるように、柱部材110の長手方向(上下方向)の端部に溶接されている。この増厚補強部材120を設けていることにより、ダイアフラムが無くても、十分な強度を得ることができ、また、ボルト40を通すためのボルト孔(不図示)を複数設けることによる鉄骨柱10´の断面欠損部分の耐力低下を抑制できる。なお、増厚補強部材120は角形鋼管であってもよいし、あるいは、4つの厚い板状部材を溶接して形成したものであってもよい。
また、増厚補強部材120には、ガセットプレート130が設けられている。ガセットプレート130は2つの部材(ここでは、鉄骨柱10´の増厚補強部材120と、鉄骨梁20のウェブ24)を連結するための鋼板である。ガセットプレート130は、増厚補強部材120の外面に溶接されている。そして、ガセットプレート130と鉄骨梁20(ウェブ24)は、ボルト140とナット(不図示)によってボルト接合されている。これにより、せん断力の伝達力を向上させることができる。
また、第2実施形態の鉄骨梁20´は、図に示すように、H形鋼(フランジ22と、ウェブ24)が梁継手26により長手方向に連結されて構成されている。このように梁継手26で連結するようにすると、例えば、隣接する鉄骨柱10´の間の距離に施工誤差がある場合に、その誤差を吸収しやすくなる。また、工場において、鉄骨梁20´の梁端部にスプリットティ部材30を溶接しやすい。
この第2実施形態の場合においても、第1実施形態と同様にスプリットティ部材30を製作し、鉄骨梁20´の梁端部に設けることにより第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第2実施形態の柱梁接合構造では、ガセットプレート130を設けていたが、ガセットプレート130は無くてもよい。また、第2実施形態では、鉄骨梁20´としてH形鋼を梁継手26で連結していたが、梁継手26を設けずに一つのH形鋼で鉄骨梁を構成してもよい。
また、第1実施形態の柱梁接合構造にガセットプレート130を設けてもよい。また、第1実施形態の鉄骨梁20として、H形鋼を梁継手26で連結した構成にしてもよい。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
前述の実施形態では、スプリットティ部材30をH形鋼1から切り出して製作していたが、これには限らず、他の鋼材(直交部分のある鋼材)から切り出してもよい。例えばT形鋼から切り出してもよい。
また、前述の実施形態では、鉄骨柱10は角形鋼管であったが、これには限らない。例えばH形鋼でもよい。この場合、ボルト40としてワンサイドボルトを用いなくてもよく、通常の高力ボルトとナットを用いて鉄骨梁20(スプリットティ部材30のティーフランジ31)とボルト接合するようにしてもよい。
1 H形鋼
3 板部材
5 板部材
10 鉄骨柱
10a ボルト孔
10´ 鉄骨柱
12 内ダイアフラム(水平補強材)
20 鉄骨梁
20´ 鉄骨梁
22 フランジ
24 ウェブ
30 スプリットティ部材(接合用部材)
31 ティーフランジ(第1板部)
31a ボルト孔
32 ティーウェブ(第2板部)
32a 拡幅部
40 ボルト(ワンサイドボルト)
41 ピン
42 バルブスリープ
43 クリップスリープ
44 シャーワッシャー
45 ベアリングワッシャー
46 ナット
110 柱部材
120 増厚補強部材
130 ガセットプレート
140 ボルト

Claims (9)

  1. フランジと、前記フランジに直交接続されたウェブと、を備え、鉄骨柱に接合される鉄骨梁の梁端部の製造方法であって、
    前記鉄骨柱の鉛直面にボルト接合される第1板部と、前記第1板部に直交する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備えた第2板部と、を有する接合用部材を、H形鋼又はT形鋼から切り出し、
    前記第2板部が前記フランジと同一面を形成するように、前記接合用部材を前記梁端部の前記フランジ及び前記ウェブに接合する梁端部の製造方法であり、
    前記フランジの長手方向の端面と、前記第2板部の前記第1板部とは反対側の端面とを溶接し、
    前記第2板部の上下方向の内側の面と、前記ウェブの上下方向の外側の端面とを溶接する
    ことを特徴とする梁端部の製造方法。
  2. 請求項1により製造された前記鉄骨梁の前記接合用部材の前記第1板部を、前記鉄骨柱の前記鉛直面に当接させて、前記第1板部と前記鉄骨柱とをボルト接合する
    ことを特徴とする柱梁接合方法。
  3. 請求項2に記載の柱梁接合方法であって、
    前記鉄骨柱は角形鋼管柱であり、前記ボルト接合には、前記鉄骨柱の外側のみから施工可能なワンサイドボルトを用いる
    ことを特徴とする柱梁接合方法。
  4. フランジと、前記フランジに直交接続されたウェブと、を備える鉄骨梁の梁端部に、第1板部と、第1板部に直交する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備える第2板部とを有し、溶接部位が無い鋼製の接合用部材を、前記第2板部が前記フランジと同一面を形成するように設ける工程と、
    前記第1板部を鉄骨柱の鉛直面にボルト接合する工程と、
    有する柱梁接合方法であって、
    前記フランジの長手方向の端面と、前記第2板部の前記第1板部とは反対側の端面とを溶接し、
    前記第2板部の上下方向の内側の面と、前記ウェブの上下方向の外側の端面とを溶接する
    ことを特徴とする柱梁接合方法。
  5. 鉄骨柱と、当該鉄骨柱に接合される鉄骨梁とを備えた柱梁接合構造であって、
    前記鉄骨梁は、
    フランジと、
    前記フランジに直交接続されたウェブと、
    梁端部に設けられた鋼製の接合用部材であって、
    前記鉄骨柱の鉛直面にボルト接合される第1板部と、
    第1板部に直交するとともに前記フランジと同一面を形成する第2板部であって、前記第1板部に向かって拡幅する拡幅部を備える第2板部と、
    を有し、溶接部位が無い接合用部材と、
    備える柱梁接合構造であって、
    前記フランジの長手方向の端面と、前記第2板部の前記第1板部とは反対側の端面とが溶接され、
    前記第2板部の上下方向の内側の面と、前記ウェブの上下方向の外側の端面とが溶接されている
    ことを特徴とする柱梁接合構造。
  6. 請求項5に記載の柱梁接合構造であって、
    前記第1板部の幅は、前記フランジの幅よりも大きく、
    前記第1板部は、当該第1板部の幅方向の端部において前記鉄骨柱とボルト接合されている
    ことを特徴とする柱梁接合構造。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の柱梁接合構造であって、
    前記鉄骨柱は、内部に前記同一面と同一の水平面を形成する水平補強材を備え、
    前記鉄骨梁の曲げモーメントにより生じる前記フランジの圧縮引張力は、前記鉄骨柱の鉛直面から前記水平補強材に伝達される
    ことを特徴とする柱梁接合構造。
  8. 請求項5又は請求項6に記載の柱梁接合構造であって、
    前記鉄骨柱は、前記鉄骨梁との接合部位に、他の部位よりも厚さの大きい増厚補強材を備えており、
    前記第1板部と前記鉄骨柱の前記増厚補強材とがボルト接合される
    ことを特徴とする柱梁接合構造。
  9. 請求項5乃至請求項8の何れかに記載の柱梁接合構造であって、
    前記鉄骨柱は角形鋼管であり、
    前記ボルト接合に使用されるボルトは、前記鉄骨柱の外側のみから施工可能なワンサイドボルトである
    ことを特徴とする柱梁接合構造。
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