JP6731290B2 - 粉末殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末殺菌洗浄剤組成物に関する。
食品製造及び調理施設、医療施設、介護施設で衛生管理対策にて苦慮しているものの一つとして、芽胞形成菌の対応があげられる。なぜなら芽胞形成菌は、栄養や温度などで、生育に不利な環境に置かれると芽胞を作り、その芽胞が耐熱性や耐薬品性が高く、通常使用される殺菌剤の主成分であるカチオン界面活性剤では、不活化することは困難であるからである。医療の現場では、医療器具などを確実に殺菌するために、最も強い消毒薬であるグルタラールや液体の過酢酸製剤が用いられているが、グルタラールは毒性が強く、液体の過酢酸製剤には酢酸が含まれており、その酢酸の強烈な刺激臭があるために、食品製造や調理施設、リネン洗浄工場など、医療従事者以外の現場では、これらの使用は敬遠されるという問題があった。
近年では、刺激臭が少なく、取り扱いが容易な粉体の過酢酸製剤の開発がなされており、例えば、特許第4879387号では、過炭酸塩とテトラアセチルエチレンジアミンを配合し、使用時に希釈することで、過酢酸を発生する粉末過酢酸製剤が開示されている。
しかしながら上記特許は、過炭酸塩とテトラアセチルエチレンジアミンとの組み合わせで懸念される蓄熱性(自己発熱性)については、考慮されていない。過炭酸塩は、炭酸塩に、過酸化水素が2:3のモル比で付加しており、熱によって過酸化水素が分解すると、水と酸素が発生し、その水と過炭酸塩が接触することにより、過炭酸塩中の過酸化水素の分解が促進される。その過程で分解熱が発生することにより、さらに分解が促進されるので、その結果、過炭酸塩配合組成物の温度が急激に上昇し、組成物中に可燃物がある場合は、火災の危険性が懸念される。このような理由により、テトラアセチルエチレンジアミンを配合しない場合でも蓄熱性試験を行うことは必須であるが、テトラアセチルエチレンジアミンを配合する場合は、テトラアセチルエチレンジアミンと過炭酸塩の接触による加水分解が加わるために、殊更自己発熱性に留意する必要がある。
過炭酸塩と漂白活性化剤を配合し、自己発熱性の抑制を考慮した組成物としては、特公平8−919があり、熱処理していない過炭酸ナトリウムと漂白活性化剤、そして、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属セスキ炭酸塩又はアルカリ金属オルトリン酸二水素を含んだ漂白剤組成物が開示されている。
しかしながら、この公報の組成物には、界面活性剤を含んでおらず、洗浄組成物を別に必要とするものである。界面活性剤を配合しないことは、自己発熱性の危険性は低くなるが、洗浄性に乏しく、また、漂白組成物と洗浄剤を別々に使用することは、使用者にとって煩わしいものであり、洗浄と殺菌を同時に行うことが可能な殺菌洗浄剤が求められていた。
特許第4879387号公報 特公平8−919号公報
発明を解決しようとする課題
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、対象物に付着する菌の殺菌性に優れ、芽胞形成菌に対しても短時間で殺菌が可能であり、皮脂、油汚れ、蛋白質汚れに対する洗浄効果も高く、粉末殺菌洗浄剤組成物自体の発火の危険性が低く、さらに高温保存においても有機過酸発生能の安定性が良好である粉末殺菌洗浄剤組成物の提供をその目的とする。
課題を解決するための手段
上記の目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、(A)界面活性剤を5質量%以下、(B)過炭酸ナトリウム及び/又は過ホウ酸ナトリウムを3〜重量%、(C)テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及び/又はデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)を3.3〜13.6質量%含み、上記(B)と(C)の配合割合である(C)/(B)が、質量基準で1.1〜1.7に設定された粉末状の組成物であって、上記組成物の0.10質量%希釈水溶液の25℃におけるpHが9.6以下であり、且つ、pH8.0を終点としたときの組成物のアルカリ度が、KOH換算で、6%以下であることを特徴とする粉末殺菌洗浄剤組成物を完成するに至った。
発明の効果
本発明によれば、界面活性剤(A)を特定量含み、過炭酸ナトリウム及び/又は過ホウ酸ナトリウム(B)を配合し、有機過酸発生源として、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及び/又はデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)(C)を必須成分とし、しかも成分(B)と成分(C)の比率を特定し、粉末殺菌洗浄剤組成物(以下、単に「殺菌洗浄剤組成物」という」)の希釈水溶(以下、単に「希釈液」という)のpH及び組成物のアルカリ度を特定することによって、殺菌性に優れ、また、自己発熱性が低いので、安全に取り扱うことができ、さらに食器や衣類についた油性の汚れやたんぱく質汚れに対して優れた洗浄力を発揮する効果が得られる。
また、本発明は、その中でも、上記(A)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤である場合は、特に洗浄力が優れる。
さらに、殺菌洗浄剤組成物を60以上80℃未満の温度にて、0.05〜1.0質量%になるように水で希釈し、希釈液と対象物を5〜20分の間で接触させた場合、顕著に芽胞形成菌に対する殺菌効果が得られる。
また、殺菌洗浄剤組成物を希釈する際の温度が35℃以上60℃未満の場合においては、過酸化水素水を殺菌洗浄剤組成物の希釈液に添加することで、芽胞形成菌に対して、高い殺菌効果が得られる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられる(A)成分の界面活性剤は、皮脂や油汚れに対する洗浄効果を上げるために必要であり、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤から1種だけ配合しても良いし、1種以上組み合わせて配合しても良い。好ましくは、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤である。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、α−オレフィンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸エスエル塩、アルカンスルホン酸塩等があげられる。なかでもアルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシブチレンアルキルエーテル、アルキルアミンエトキシレート、アルキルアミンアルコキシレート、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、多価アルコールのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物、アルキルグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド等があげられる。なかでもポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、アルキルアミンエトキシレート、アルキルアミンアルコキシレートが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド、塩化ベンゼトニウム等があげられる。なかでもジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ポリヘキサメチレンビグアナイドが好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等があげられる。なかでもアルキルアミンオキシドが好ましい。
界面活性剤の含有量は、5質量%以下が好ましく、さらに好ましいのは、0.1〜4質量%である。界面活性剤を含まない方が、有効酸素の安定性が良いが、洗浄性能の点を考慮すれば、0.1%質量%以上含有していた方が好ましい。また、界面活性剤をできるだけ多く配合した方が、洗浄性能は向上するが、5質量%未満の方が、過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウムの酸化剤中の有効酸素の安定性を維持する点で好ましい。
本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられる(B)成分の過炭酸ナトリウム及び/又は過ホウ酸ナトリウムと、(C)成分であるテトラアセチルエチレンジアミン及び/又はデカノイルオキシ安息香酸は、過酢酸及び/又は有機過酸を発生させるために必須である。そして、(B)成分と(C)成分の配合比率を(C)/(B)=1.1〜1.7にすることが好ましい。1.1を超えたほうが、短時間で殺菌効果を得ることができるので好ましく、1.7以下である方が、費用対効果の面で好ましい。
(B)成分の過炭酸ナトリウム及び/又は過ホウ酸ナトリウムについては、3質量%以上である方が、殺菌効果と共に洗浄効果の点で好ましい。また、(C)成分としてテトラアセチルエチレンジアミン及び/又はデカノイルオキシ安息香酸を含むので、上記(B)成分の過炭酸ナトリウム及び/又は過ホウ酸ナトリウム配合の上限は、組成物の蓄熱安定性を考慮し、質量%以下である方が好ましい。
(C)成分のテトラアセチルエチレンジアミン及び/又はデカノイルオキシ安息香酸については、3.3質量%以上である方が、十分な過酢酸及び/又は有機過酸を発生することができ、殺菌効果の点で好ましい。また、費用対効果の点で、13.6質量%以下である方が好ましい。
また、本発明の殺菌洗浄剤組成物の希釈液のpHが9.6以下であり、且つ、pH8.0を終点としたときの組成物のアルカリ度が、KOH換算で、6%以下であることが好ましい。特許文献1のように、過炭酸ナトリウムとテトラアセチルエチレンジアミンとを配合した組成物の希釈液のpHを9以下に抑えることを特徴とした発明がなされているが、たとえpH緩衝剤等によって希釈液のpHを9以下に抑えても、組成物のアルカリ度が高ければ、芽胞形成菌に対する殺菌効果が低下することを見出した。すなわち、0.5mol/Lの塩酸を使った中和滴定において、pH8.0を終点としたときの組成物のアルカリ度が、KOH換算で、6%以下である必要がある。その機構の解明は明らかになっていないが、組成物のアルカリ度が6%を超えると、発生した過酢酸の内、希釈液中のアルカリ剤によって、過酢酸塩に変化する割合が高くなり、過酢酸の割合が低下することによるものと推測する。また、デカノイルオキシ安息香酸から発生する有機過酸に関しても同様であると推測する。このようなメカニズムを考慮し、殺菌性の観点から、組成物のアルカリ度が、KOH換算で、5.0%以下であることがより好ましい。また、組成物の希釈液のpHが、9以下であることが好ましい。pHは低い方が、殺菌効力の面では有利であるが、洗浄性を考慮すると、希釈液のpHが、6〜9であることがより好ましい。なお、上記pHの値は、後述する実施例における測定方法に従って測定される値である。
上記の(B)成分と(C)成分の配合条件を満たし、それ以外の成分が中性であれば、特段pH調整剤は必要ないが、組成物のアルカリ度が上記の条件を満たす範囲内で、炭酸水素ナトリウムのような低アルカリ域でpH緩衝性を示す成分や、希釈時に緩衝液となるように、クエン酸塩とクエン酸とを組み合わせて配合してもよい。(B)成分の有効酸素安定性を考慮し、炭酸水素ナトリウムを配合することが好ましい。
大腸菌や黄色ブドウ球菌などの芽胞を作らない細菌に対する組成物の殺菌性は、20℃の常温でも効果があるが、芽胞形成菌に対しては、殺菌洗浄剤組成物を高温で溶解し、過酢酸を充分に発生させてから用いた方が効果的である。すなわち、芽胞形成菌を殺菌する目的で上記の殺菌洗浄剤組成物を使用する場合は、組成物を60以上80℃未満の温度にて、0.05〜1.0質量%になるよう水で希釈し、希釈液と対象物を5〜20分の間で接触させる方法が好ましい。60℃以上の方が、テトラアセチルエチレンジアミンやデカノイルオキシ安息香酸の有機過酸源と過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウムの酸化剤との溶解によって発生する有機過酸の量が十分に得られるため、5〜20分間の短時間においても優れた殺菌効果を発揮するので好ましい。また、温度が高いほうが殺菌効果は上がるが、80℃未満の方が、エネルギーコストの面で好ましい。
上記温度帯であれば、5〜20分という短時間で、且つ、組成物の希釈濃度が、0.05〜1.0質量%という低濃度にて殺菌が可能である。より好ましくは、組成物の希釈濃度が、0.1〜0.5質量%である。驚くべきことに、組成物を60以上80℃未満の温度帯で希釈すれば、その後希釈液の温度が低下し、対象物と希釈液を接触させる殺菌工程時の温度が20℃の常温でも芽胞形成菌に対する殺菌効果が得られる。
さらに、組成物の希釈時の温度が35℃以上60℃未満の場合は、過酸化水素水を組成物の希釈液に添加することで、芽胞形成菌に対する殺菌性を向上させることができる。過酸化水素水の添加量は任意であるが、0.05〜0.3質量%の範囲で添加すれば、低い温度においても、組成物を60℃以上で希釈した場合と同等の芽胞形成菌に対する殺菌性が得られるので、加温に消費するエネルギーの削減に貢献できる。
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、洗浄や殺菌を目的とするもので、対象物に制限はないが、厨房内にある食器、調理器具、食器洗浄機の内部、衣服やタオル、シーツなどの衣料、洗濯槽、食品工場・食品加工工場等の調理用機器、施設の床、飲料用のガラス瓶等の容器や金属表面に好ましく用いることができ、鉗子や剪刀などの医療器具などを洗浄、殺菌するのにも好適である。
上記の殺菌洗浄剤組成物を浸漬工程によって対象物の洗浄や殺菌を行うことが可能であり、また、洗浄からすすぎまでを自動で行う自動食器洗浄機、洗濯機、医療器具用洗浄機に使用することも好ましい。
浸漬の場合は、一度60℃以上80℃未満にて組成物を希釈すれば、その後希釈液の温度が低下しても、芽胞菌に対する殺菌効果は充分に発揮する。洗浄機又は洗濯機に使用する場合は、洗浄機又は洗濯機内のヒーターにより、希釈液が60℃以上80℃未満に加温された状態で洗浄又は殺菌工程が行われるが、ヒーターの加熱に消費するエネルギーを削減するために、35℃以上60℃未満までの加温に抑えたいときは、過酸化水素水を別途添加することで、60℃以上と同等の芽胞形成菌に対する殺菌性が得られる。
本発明の殺菌洗浄剤組成物を希釈する際に用いられる水としては、例えば、水道水、軟水、イオン交換水、純水、精製水があげられ、好ましくは、軟水、イオン交換水、純水である。これらも、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、本発明の殺菌洗浄剤組成物には、他の任意成分として、酵素、高分子電解質重合体、溶剤、染料、香料、金属腐食抑制剤、殺菌剤、消臭剤、帯電防止剤、消泡剤等を用いることができる。
つぎに、本発明の実施例について比較例とともに詳細に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〜参考例1,2、比較例1〜8〕
後記の表1及び表2に示す組成の殺菌洗浄剤組成物を調製し、pH、アルカリニティ、芽胞形成菌に対する殺菌力、一般細菌に対する殺菌力、洗浄性1:食材汚れに対する洗浄性、洗浄性2:モデル皮脂汚れに対する洗浄性、貯蔵安定性1:有機過酸発生量安定性、貯蔵安定性2:蓄熱性について下記の方法で試験を行って評価した。その結果を表1及び表2に示す。なお、表中の各成分の詳細は、以下の通りであり、表中の組成を示す数値は、各成分の有効含有量(質量%、純分換算)で示している。
〔pH〕
・測定方法
pHメーター(pH METER F−12、堀場製作所社製)を用いて、JIS Z−8802:1984にしたがって、各種殺菌洗浄剤組成物のイオン交換水により調製された0.10質量%希釈液の25℃におけるpH値を測定した。
・判定基準
◎:9.6以下。
×:9.6を超える。
〔アルカリニティ〕
・測定方法
各種殺菌洗浄剤組成物を0.5質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、0.5mol/L塩酸液を用いて、自動滴定装置(COM−980win、平沼産業社製)にてアルカリにティーを測定した。測定後、pH8におけるアルカリニティをKOH換算にて算出した。
・判定基準
◎:6%以下
×:6%を超える
〔芽胞形成菌に対する殺菌力〕
・供試菌株
枯草菌芽胞が、10CFU/mlに調整された枯草菌芽胞液(栄研化学株式会社製)を試験に供した。
・試験方法
各種殺菌洗浄剤組成物を1質量%の濃度になるよう60℃の滅菌蒸留水にて希釈し、10分間攪拌して殺菌洗浄剤組成物を溶解させた。上記の方法で溶解させた希釈液を滅菌蒸留水で0.1質量%になるようにさらに希釈し、液温25℃に調整した。その殺菌剤希釈液9.9mLを滅菌した試験管に採取し、そこに上記枯草菌芽胞液0.1mLを加え混合して薬剤と菌を接触させた。10分後、接触液1mLを取り出し、9mLの5質量%チオ硫酸ナトリウム溶液に加え不活化し、その1mLを9mLのリン酸緩衝液に加え、同様の操作を行い段階的に希釈した。その後SCD−LP培地で混釈培養し、37℃で48時間培養後に生存菌数を測定した。接触菌数と生存菌数により菌数のLogReductionを算出し、以下の判定基準で評価した。
LogReduction = −Log(生存菌数/接触菌数)
・判定基準
◎:LogReductionが4以上
○:LogReductionが3以上4未満
×:LogReductionが3未満
〔一般細菌に対する殺菌力〕
・供試菌株
一般細菌の代表として、大腸菌、黄色ブドウ球菌を選定し、下記の通り、菌液を調整した。
▲1▼大腸菌(ATCC11229株)を10CFU/mlに調整したものを試験に供した。
▲2▼黄色ブドウ球菌(ATCC6538株)を10CFU/mlに調整したものを試験に供した。
・試験方法
上記殺芽胞試験の枯草菌芽胞液を大腸菌液、黄色ブドウ球菌液に代えて、同様の試験を行い、同じ判定基準にて評価した。
〔洗浄性1:食材汚れに対する洗浄性〕
・テストピースの調整
▲1▼油汚れ
清浄なスライドガラス(76mm×26mm)に、油脂汚れ(牛脂:大豆油=1:1)を0.1g/枚相当量を塗布し、常温にて24時間乾燥させた。
▲2▼タンパク質汚れ
清浄なスライドガラス(76mm×26mm)に卵黄を0.4g/枚相当量を塗布し、常温にて5時間乾燥させた。
・操作方法
各種殺菌洗浄剤組成物を水道水で0.3質量%に希釈した洗浄剤希釈液(30℃に加温)に、上記テストピースを5分間浸漬し、攪拌洗浄をおこなった。このときの洗浄前後におけるテストピースの質量変化を測定し、以下の式にて洗浄率を算出して、各汚れの洗浄性を以下の評価基準で判定した。
洗浄率(%)=((洗浄前のテストピースの質量−洗浄後のテストピースの質量)/(洗浄前のテストピースの質量−清浄なスライドガラスの質量))×100
・評価基準
◎:洗浄率90〜100%、
○:洗浄率70〜90%
×:洗浄率70%未満、
〔洗浄性2:モデル皮脂汚れに対する洗浄性〕
・試験方法
0.3質量%に調整された各種殺菌洗浄剤組成物の水溶液をかき混ぜ式洗浄力試験機(型式:TM4ターゴトメーター、大栄科学精器製作所社製)に用意し、被洗浄物(湿式人工汚染布、洗濯科学協会)を投入して、30℃における洗浄力を、下記の判定基準に従い評価した。洗浄力は被洗浄物を式差計(型式:TC−1800MKII、東京電色社製)で測定し、下記の式から算出する。
洗浄力(%)=(Rw−Rs)/(R0−Rs)×100
R0:白色布の反射率,
Rs:洗浄前の湿式人工汚染布の反射率
Rw:洗浄後の湿式人工汚染布の反射率
・運転条件
洗剤濃度 :0.3%
洗浄温度 :30℃
洗浄時間 :10分間
すすぎ温度 :30℃
すすぎ時間 :3分間×2回
水道水の硬度:(CaCOとして)約50ppm
被洗浄物 :縦5cm×横5cmの湿式人工汚染布(洗濯科学協会製)を用いた。
・評価基準
◎:60%以上の汚れ除去
○:40%以上60%未満の汚れ除去
×:40%未満の汚れ除去
〔貯蔵安定性1:有機過酸発生量安定性〕
・試験方法
各種殺菌洗浄剤組成物を、200ml容量のポリエチレン容器に200gを入れて密封し、40℃で4週間間貯蔵した後、各種殺菌洗浄剤組成物の過酢酸若しくは有機過酸の濃度を測定し、保存前との比較を以下の評価基準で判定した。
・評価基準
◎:低下率が35%未満、
×:低下率が35%以上、
〔貯蔵安定性2:蓄熱性〕
・試験方法
各種殺菌洗浄剤組成物を、500ml容量のデュワー瓶に400ml入れて密閉し、50℃で3日間配置した時の供試洗浄剤組成物の最高温度を測定し、以下の評価基準で判定した。
・評価基準
◎:55℃未満
○:60℃未満、
×:60以上、
なお、後記の表1及び表2において、用いた成分とその有効純分(%)の詳細は、下記のとおりであり、表中の数値は、各成分の有効純分を示したものである。
〔(A)成分〕
非イオン界面活性剤1:
ポリオキジエチレン(P=8)ポリオキシプロピレン(q=6)直鎖アルキル(C=12,13)エーテル
商品名:ペポールAS−054C(東邦化学工業社製)
非イオン界面活性剤2:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
商品名:ソフタノール90(日本触媒社製)
アニオン界面活性剤:
ラウリル硫酸ナトリウム
商品名:モノゲンY−500T(第一工業製薬社製)
〔(B)成分〕
過炭酸ナトリウム1:
過炭酸ナトリウム、ポリヒドロキシアクリル酸ナトリウムコーティング
商品名:PC−PHAS(保土ヶ谷化学社製)
過炭酸ナトリウム2:
過炭酸ナトリウム
商品名:PC−A(保土ヶ谷化学社製)
過ホウ酸ナトリウム:
商品名:ペルボン(菱江化学社製)
〔(C)成分〕
TAED:
テトラアセチルエチレンジアミン(有効純分:86%)
商品名:Peractive AN(アゼリスジャパン社製)
DOBA:
デカノイルオキシ安息香酸
商品名:Peractive DOBA(アゼリスジャパン社製)
重炭酸ナトリウム:
商品名:重炭酸ナトリウム(トクヤマ社製)
炭酸ナトリウム:
商品名:ソーダ灰(ライト)(トクヤマ社製)
硫酸ナトリウム:
商品名:中性無水芒硝(日本化学社製)
Figure 0006731290
Figure 0006731290
〔溶解温度60℃未満の時の芽胞形成菌に対する殺菌力〕
殺菌洗浄剤組成物を1質量%の濃度になるよう希釈する際の温度が40℃であり、殺菌洗浄剤組成物と過酸化水素水とを下記の条件にて混合してから菌液と接触させる以外は、供試菌株、試験方法ともに、前述の芽胞形成菌に対する殺菌力の試験と同様に行った。
殺菌洗浄剤組成物としては、実施例の組成物を使用した。結果を下記の表に示す。
Figure 0006731290
殺菌洗浄剤組成物を1質量%の濃度になるよう希釈する際の温度が35℃若しくは40℃であり、殺菌洗浄剤組成物と過酸化水素水とを下記の条件にて混合し、菌液と混合液を接触させるときの温度は、殺菌洗浄剤組成物の希釈時と同じ温度とし、それ以外は、供試菌株、試験方法ともに、前述の芽胞形成菌に対する殺菌力の試験と同様に行った。
結果を下記の表に示す。
Figure 0006731290
このように、本殺菌洗浄剤組成物は、殺菌効果が高く、芽胞形成菌であっても短時間の殺菌が可能であるだけでなく、皮脂、油汚れ、蛋白質汚れに対する洗浄効果も高い。殺菌洗浄剤組成物自体の発火の危険性が低く、さらに高温保存においても有機過酸発生能の安定性が良好である。特に、殺菌洗浄剤組成物を60℃以上80℃未満にて希釈すれば、芽胞形成菌に対して優れた殺菌効果が得られ、さらに殺菌洗浄剤組成物の希釈時の温度が、35℃以上60℃未満である場合は、過酸化水素水を別途添加することで、芽胞形成菌に対して高温希釈時と同等の高い殺菌効果が得られることがわかる。
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、食器や調理器具、衣類やリネン、医療器具などに対する殺菌洗浄に適している。

Claims (4)

  1. (A)界面活性剤を5質量%以下、(B)過炭酸ナトリウム及び/又は過ホウ酸ナトリウムを3〜質量%、(C)テトラアセチルエチレンジアミン及び/又はデカノイルオキシ安息香酸を3.3〜13.6質量%含み、上記(B)と(C)の配合割合である(C)/(B)が、質量基準で1.1〜1.7に設定された粉末状の組成物であって、上記組成物の0.10質量%希釈水溶液の25℃におけるpHが9.6以下であり、且つ、pH8.0を終点としたときの組成物のアルカリ度が、KOH換算で、6%以下であることを特徴とする粉末殺菌洗浄剤組成物。
  2. (A)界面活性剤が、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の粉末殺菌洗浄剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の粉末殺菌洗浄剤組成物を60℃以上80℃未満の温度にて、0.05〜1.0質量%の希釈水溶液とし、上記希釈水溶液と人間以外の対象物を5〜20分の間で接触させて行う殺芽胞形成菌の方法。
  4. 請求項1又は2に記載の粉末殺菌洗浄剤組成物を35℃以上60℃未満の温度にて、0.05〜1.0質量%の希釈水溶液とした液に、過酸化水素水を別途添加して混合液とし、上記混合液と人間以外の対象物を5〜20分の間で接触させて行う殺芽胞形成菌の方法。
JP2016124955A 2015-06-16 2016-06-07 粉末殺菌洗浄剤組成物 Active JP6731290B2 (ja)

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