JP3434453B2 - 殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents

殺菌洗浄剤組成物

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JP3434453B2 JP19131598A JP19131598A JP3434453B2 JP 3434453 B2 JP3434453 B2 JP 3434453B2 JP 19131598 A JP19131598 A JP 19131598A JP 19131598 A JP19131598 A JP 19131598A JP 3434453 B2 JP3434453 B2 JP 3434453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は殺菌洗浄剤組成物に
関するものであり、更に詳しくは、喫茶店、レストラ
ン、ホテル、居酒屋、学校給食施設、社員食堂、セント
ラルキッチン、スーパーのバックヤードまたは食品加工
場等の食品関連業界における食器、調理器具、調理設
備、調理施設若しくは食品加工機械の殺菌・除菌・洗浄
等に使用され、これらの用途に好適な殺菌洗浄剤組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ベンザルコニウムや塩化ジア
ルキルジメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム
塩やポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などのビグ
アニジン系カチオン殺菌剤は、抗菌スペクトルが広く、
低濃度で速効的な殺菌効力を有することから、食品関連
業界において殺菌剤または除菌剤として広く使用されて
きた。そして近年、食品関連業界ではこのようなカチオ
ン殺菌剤、界面活性剤、洗浄ビルダーなどを組み合わ
せ、殺菌作用とともに洗浄作用を有する殺菌洗浄剤が用
いられるようになってきており、例えば以下のような組
成物が提案されている。
【0003】すなわち、特開平1−104003号公報
には、クロルヘキシジン塩、芳香族アルコール、表面活
性剤10重量%又はそれ以下、及び不活性の希釈剤また
はキャリアからなる殺菌性組成物が、特開平4−492
06号公報にはグルコン酸クロルヘキシジン、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミ
ド、アルキルジメチルアミンオキサイド、マクロゴール
さらにはポリオキシエチレンラノリンを含む皮膚殺菌用
消毒剤が、特公昭52−38046号公報には、クロル
ヘキシジンの塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンブロックポリマーを不活性の希釈剤もしくは担体と
一緒に含む清浄組成物が、特開平7−109204号公
報には、カチオン系殺菌剤(第四級アンモニウム塩)、
該殺菌剤の0.5倍モルの金属キレート剤、特定のアニ
オン界面活性剤を含有する殺菌消毒洗浄剤組成物が、特
開昭56−159298号公報には、アニオン界面活性
剤、特殊アミド、還元剤、蛋白質変成剤及び水からなる
液体洗浄剤組成物で、ポリアミノエチルグリシン系の殺
菌剤とベンズイソチアゾリン系の殺菌剤とを一定比率で
併用する抗菌剤組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、グアニド化合物等のカチオン殺菌剤をアニオン界面
活性剤と併用した場合には、これらが錯体を形成するこ
とによりカチオン殺菌剤の殺菌作用を著しく低下させる
とともに沈殿を生じてしまい、アニオン界面活性剤の洗
浄作用をも著しく低下させてしまうことが知られてい
る。このような活性低下を防止する方法としては、カチ
オン殺菌剤を高分子非イオン界面活性剤やpH感応型ポ
リマーでコートする方法、カチオン殺菌剤を過剰に添加
する方法などが採用されている。ところが、前者のポリ
マーによるコート法ではカチオン殺菌剤の活性低下が充
分防止できず、一方後者のカチオン殺菌剤を過剰に用い
る方法は経済的な面で好ましくない。
【0005】これに対し特開平8−199189号公報
には、(a) カチオン性界面活性剤と(b) ポリオキシアル
キレン基を有するアニオン性界面活性剤、(c)金属イオ
ン封鎖剤、(d) 水溶性溶剤を含有し(a) /(b) =3/7
〜7/3(モル比)である浴室用洗浄剤組成物が開示さ
れているが、これはあくまで金属石鹸スカムを分解し可
溶化する性能を有する組成物であり、食品関連業界など
で問題となる微生物の殺菌作用や油脂の汚れに対する洗
浄作用を目的とする殺菌洗浄組成物において有効に機能
するものではない。
【0006】すなわち、殺菌成分としての第四級アンモ
ニウム塩などのカチオン性界面活性剤は、水系に取り込
みやすい汚れの除去や、殺菌除菌効果のみを目的とした
組成物においては好適に機能するものの、殺菌除菌効果
とともに油脂汚れの洗浄をも目的とする組成物において
は、その機能は充分とはいえない。これは、第四級アン
モニウム塩と油脂汚れとが水に不溶性もしくは難溶性の
W/O型エマルジョンを形成するためと考えられる。こ
のため、従来、上記のW/O型エマルジョンを水系に可
溶化する方法として、W/O/W型エマルジョンを形成
するような界面活性剤やグリコールエーテル系の水溶性
溶剤を用いる方法、苛性アルカリやアルカリビルダーを
用いる方法、あるいはそれらを併用する方法がとられて
きたが、これらの方法はいずれも経済性、作業上の安全
性または環境安全性の面から好ましいものではない。
【0007】従って、本発明の目的は、抗菌スペクトル
が広く、充分な殺菌作用を有し、しかも、特に油脂汚れ
などに対する洗浄作用が良好な殺菌洗浄剤組成物を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
状に鑑み鋭意研究した結果、ビグアニジン系カチオン殺
菌剤、アニオン界面活性剤に、更に非イオン界面活性剤
を配合してなる組成物が、特に油脂に対する優れた洗浄
作用を有しながら、微生物等に対し優れた殺菌作用を有
することを見出した。更に、本発明者らは、上記組成物
がHLB15以上の特定の非イオン界面活性剤を含有す
ることにより、また、必要に応じて、両性イオン界面活
性剤及び/または水溶性溶剤を添加することにより、洗
浄作用および殺菌作用が相乗的に向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の構成は以下のとおりで
ある。 (1)ビグアニジン系カチオン殺菌剤、アニオン界面活
性剤およびHLB15以上のポリオキシアルキレンアル
キルエーテル類を少なくとも含有する非イオン界面活性
剤を配合してなる殺菌洗浄剤組成物、 (2)非イオン界面活性剤が、更に、HLB14以下の
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類を含むことを
特徴とする上記(1)に記載の殺菌洗浄剤組成物。(3) 更に両性イオン界面活性剤を配合することを特徴
とする上記(1)または(2)に記載の殺菌洗浄剤組成
物、(4) 両性イオン界面活性剤が、アルキルジアミノエチ
ルグリシン、アルキルポリアミノエチルグリシンなどの
グリシン型両性イオン界面活性剤から選ばれる少なくと
も1種類であることを特徴とする上記(3)に記載の殺
菌洗浄剤組成物、(5) 更に、水溶性溶剤を配合することを特徴とする上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成
物、(6) ビグアニジン系カチオン殺菌剤が、ポリヘキサメ
チレンビグアニジン塩酸塩およびグルコン酸クロルヘキ
シジンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の殺菌洗浄剤
組成物、 (7)食器、調理器具あるいは食品加工機の殺菌洗浄ま
たは発泡殺菌洗浄に用いる上記(1)〜(6)のいずれ
かに記載の殺菌洗浄剤組成物、 (8)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の殺菌洗浄
剤組成物を天然又は合成の可撓性の繊維質吸収材に含浸
させてなる殺菌除菌洗浄材である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を説明す
る。本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられるビグアニジ
ン系カチオン殺菌剤としては、例えば、ポリヘキサメチ
レンビグアニジン塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン
等のグアニド化合物が挙げられ、これらは単独で用いて
も、または2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。上記殺菌剤は、殺菌洗浄剤組成物中0.1〜30重
量%配合される。上記配合量が0.1重量%未満では、
目的とする殺菌効果が得られず、また、30重量%を超
えて配合した場合には、経済性、他成分との配合バラン
ス、作業性、製品の貯蔵安定性の点から好ましくない。
さらに好ましくは、配合系の安定性の点から上記配合量
は1〜15重量%である。
【0011】本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられるア
ニオン界面活性剤としては、通常当業界で用いられるア
ニオン界面活性剤がいずれも使用でき、例えば、ヤシ
脂肪酸ナトリウム,ラウリン酸ナトリウム,ミリスチン
酸ナトリウム,牛脂脂肪酸ナトリウム,ヤシ脂肪酸ト
リエタノールアミン,ラウリン酸トリエタノールアミ
ン,ミリスチン酸トリエタノールアミン,牛脂脂肪酸ト
リエタノールアミン,ヤシ脂肪酸カリウム,ラウリン
酸カリウム,ミリスチン酸カリウム,牛脂脂肪酸カリウ
ムなどの高級脂肪酸塩類;アルカンスルホン酸塩;アル
キル(C12〜13)ベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸塩;α−オレフィンスル
ホン酸塩,ラウリル硫酸エステルナトリウム等のアルキ
ル硫酸エステル塩;ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウ
リル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;ポ
リオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム[以下( )内の数値は、ポリオキシエチレンの付加
モル数を示す]等のポリオキシアルキレンアルキルエー
テル硫酸塩;ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸ア
ミド硫酸ナトリウム等のアミドエーテル硫酸塩;モノド
デシルエーテルリン酸ナトリウムおよびジ−(ポリオキ
シエチレン(6)ヤシ油脂肪酸アミド)−リン酸ナトリ
ウムなどのリン酸エステル塩;ココイルメチルタウリン
ナトリウム;ラウロイルメチルタウリン塩,ラウロイル
イセチオン酸ナトリウム等のアシルイセチオン酸塩;ス
ルホコハク酸ラウリル二ナトリウム,ポリオキシエチレ
ン(1〜4)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム,ポ
リオキシエチレン(5)ラウリン酸モノエタノールアミ
ドスルホコハク酸二ナトリウム等のスルホコハク酸型界
面活性剤;アルキルエーテルカルボン酸塩;N−アシル
グルタミン酸塩;アミドカルボン酸型界面活性剤等が挙
げられる。本発明においては、アニオン界面活性剤とし
て、経済性などの点から、ラウリル硫酸ナトリウム等の
アルキル硫酸塩またはラウリル硫酸エステルナトリウム
等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン
(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩;アルキル(C12〜
13)ベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベン
ゼンスルホン酸塩が好ましい。これらは単独で用いて
も、または2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。上記アニオン界面活性剤は、洗浄作用向上の目的で
配合されるものであり、殺菌洗浄剤組成物中0.1〜3
0重量%配合される。上記配合量が、0.1重量%未満
では、洗浄作用の向上が認められず、また、30重量%
を超えて配合した場合には、他成分との配合バランス、
製品の貯蔵安定性の点から好ましくない。配合安定性の
点から、上記配合量は好ましくは1〜15.0重量%配
合される。
【0012】本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられる非
イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル等で、その分子末端が、水素、炭素
数1〜4のアルキル基,アルキルフェニル基,ベンジル
基などであるポリオキシアルキレンアルキルエーテル
類;蔗糖脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル,ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類;ヤシ油脂肪酸
ジエタノールアミド,ラウリン酸ジエタノールアミド,
ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド,ミリスチ
ン酸ジエタノールアミド,オレイン酸ジエタノールアミ
ド,パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸
アルカノールアミド類;アルキルグルコシド類が挙げら
れる。本発明に用いられる非イオン界面活性剤は、カチ
オン殺菌剤とアニオン界面活性剤により形成される錯体
(コンプレックス)の可溶化および殺菌作用向上ならび
に洗浄作用向上を目的として配合されるものである。本
発明においては上記非イオン界面活性剤のうち、可溶化
作用、経済性の点から、炭素数6〜24の直鎖又は分岐
鎖アルコールにエチレンオキサイド4〜16モルを付加
したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好まし
い。本発明において、可溶化作用の安定性を目的として
配合される非イオン界面活性剤としては、HLBが13
以上のものが好ましく、特にHLBが15以上であるこ
とが好ましい。こうした非イオン界面活性剤としては、
炭素数8〜18の分岐鎖アルコールにエチレンオキサイ
ド5〜14モルを付加したポリオキシエチレンアルキル
エーテルの1種あるいは2種以上の組み合わせが好まし
い。また、殺菌作用向上を目的として配合される非イオ
ン界面活性剤としては、HLBが14以下の少なくとも
1種以上の組み合わせが好ましく、特にHLBが8〜1
2であるものが好ましく使用される。このような非イオ
ン界面活性剤としては、炭素数6〜18の直鎖又は分岐
鎖アルコールにエチレンオキサイド2〜15モルを付加
したポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる
1種又は2種以上の非イオン界面活性剤が用いられる。
上記非イオン界面活性剤は、殺菌洗浄剤組成物中0.1
〜70重量%配合される。上記配合量が0.1重量%未
満であると、目的の効果が得られず、また、70重量%
を超えてると他成分との配合バランスや製品の貯蔵安定
性の点から好ましくない。可溶化安定性および経済性の
点から、上記配合量は、好ましくは3〜60重量%であ
る。
【0013】本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられる両
性イオン界面活性剤は、殺菌作用および洗浄作用の向上
の目的で配合され、例えば、ラウリルベタインなどのア
ルキルベタイン型両性イオン界面活性剤;ラウロイルア
ミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型両性イオン
界面活性剤;2−アルキル−N−カルボキシメチルイミ
ダゾリニウムベタイン,2−アルキル−N−カルボキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両
性イオン界面活性剤;アルキルスルホベタイン型両性イ
オン界面活性剤,ヤシ脂肪酸アミドジメチルヒドロキシ
プロピルスルホベタインなどのアミドスルホベタイン型
両性イオン界面活性剤;N−アルキル−β−アミノプロ
ピオン酸塩またはN−アルキル−β−イミノジプロピオ
ン酸塩等のβ−アラニン型両性イオン界面活性剤;アル
キルジアミノエチルグリシン,アルキルポリアミノエチ
ルグリシン等のグリシン型両性イオン界面活性剤,アル
キルアミンオキシド等の両性イオン界面活性剤などが挙
げられる。本発明においては、上記両性イオン界面活性
剤のうち、殺菌作用の点から、アルキルジアミノエチル
グリシン,アルキルポリアミノエチルグリシン等のグリ
シン型両性イオン界面活性剤が好ましい。これらは単独
で用いても、または2種以上を組み合わせて用いること
もできる。本発明において、上記両性イオン界面活性剤
のうち、発泡作用向上剤として、ラウリルジメチルアミ
ンオキシド,セチルジメチルアミンオキシド,パルミチ
ルジメチルアミンオキシド,ポリオキシエチレンラウリ
ルジメチルアミンオキシドまたはポリオキシエチレンヤ
シ油脂肪酸ジメチルアミンオキシドなどのアルキルアミ
ンオキシド等の両性イオン界面活性剤を用いることがで
きる。このうち、ラウリルジメチルアミンオキシドが好
ましく用いられる。上記両性イオン界面活性剤は、殺菌
洗浄剤組成物中0.1〜20重量%配合される。上記配
合量が0.1重量%未満では目的の効果が得られず、ま
た、20重量%を超えて配合した場合には、経済性、製
品の貯蔵安定性の点で好ましくない。好ましくは、配合
安定性の面から上記配合量は0.5〜10重量%であ
る。
【0014】本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられる水
溶性溶剤としては、例えば、プロピレングリコール,ポ
リエチレングリコール,グリセリン,エチレングリコー
ルモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート,ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリ
コールエーテル等が挙げられ、このうち組成物の保存安
定性や臭気の点からプロピレングリコールまたはポリエ
チレングリコールが好ましい。これらは単独で用いて
も、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発
明に用いられる水溶性溶剤としては、洗浄作用向上性、
配合安定性、経済性の点からプロピレングリコールが最
も好ましい。上記水溶性溶剤は、殺菌洗浄剤組成物中
0.1〜10重量%配合される。上記配合量が0.1重
量%未満では、目的とする効果が得られず、また、10
重量%を超えて配合した場合には、経済性、他成分との
配合バランスの点から好ましくない。上記配合量は洗浄
作用向上性の点から、好ましくは1〜7.0重量%であ
る。
【0015】本発明の殺菌洗浄剤組成物には、配合のバ
ランスとして、適宜、水が用いられる。このような水と
しては、水道水、純水、精製水等がいずれも用いられる
が、、好ましくは純水、精製水が用いられる。水は、殺
菌剤組成物中に、残部配合される。
【0016】本発明の殺菌洗浄剤組成物に用いられる上
記の成分以外の任意成分として用いられるものとして、
例えば、キレート剤、香料、染料、顔料、腐食抑制剤、
エチルアルコール,イソプロピルアルコール,メタノー
ル等の低級アルコール、粘度調整剤、カルボキシメチル
セルロース,ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性
高分子、動植物の天然エキス及びその誘導体、クエン
酸,リンゴ酸,酒石酸などの有機酸、塩化ナトリウムま
たは塩化カリウムなどの無機塩、紫外線吸収剤、酸化防
止剤などが挙げられる。これらは、殺菌洗浄剤組成物の
性能を阻害しない範囲で適宜配合できる。
【0017】本発明の殺菌洗浄剤組成物は、前記成分を
常法に従い、順次混合、加熱、攪拌等することにより、
液状、ペースト状、ゲル状または固形状等の所望の形態
に製造することができる。本発明の殺菌洗浄剤組成物
は、喫茶店、レストラン、ホテル、居酒屋、学校給食施
設、社員食堂、セントラルキッチン、スーパーのバック
ヤード、食品加工場等、また、トイレ、浴室、浴槽、洗
面台、テーブル、椅子等のガラス製・金属製・陶磁器製
等の硬い表面の殺菌・除菌・洗浄分野に使用され、さら
に、鶏舎、牛舎、畜舎等の酪農設備の洗浄に適し、油脂
汚れの洗浄性、作業上の安全性、環境安全性に優れたも
のである。特に食品工場、喫茶店、レストラン、ホテ
ル、居酒屋、学校給食施設、社員食堂、セントラルキッ
チン、スーパーのバックヤードまたは食品加工場等の食
品関連業界における食器、調理器具、調理設備、調理施
設、食品加工機械の殺菌・除菌・洗浄用として適するも
のである。
【0018】本発明においては、この殺菌洗浄剤組成物
を、殺菌・除菌・洗浄の対象となる被洗浄物の状態に応
じて、水道水を用いて5〜500倍に希釈した該洗浄剤
溶液をスポンジ等に含ませて塗布し、食器、調理器具、
調理設備、調理施設、食品加工機械の殺菌・除菌・洗浄
に供することができ、また、モップ、ブラシ等の清掃用
具を用いて厨房内・作業場の床や壁の殺菌・除菌・洗浄
に供することもできる。また、この殺菌洗浄剤組成物を
あらかじめ天然又は合成の繊維質からなる可撓性の吸収
材に吸わせてなるペーパー状、シート状、マット状及び
綿状等のハンドリング性に優れた殺菌除菌洗浄材を用い
て、食品工場、またレストラン、ホテル、学校給食など
の厨房、また喫茶店、居酒屋などの食品を取り扱う環境
の他、セントラルキッチン、スーパーのバックヤード等
の調理台、冷蔵庫、保管庫等の殺菌・除菌・洗浄対象物
の表面を拭き取るように接触させることにより使用する
こともできる。
【0019】このような吸収材としては、麻、綿、セル
ロース、羊毛及び絹等の天然の動植物繊維、またはレー
ヨン、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル、ナイ
ロン及びポリウレタン等の合成繊維・発泡材等からなる
織布、不織布、またはこれらのサンドイッチ状ないしは
積層状のシートやマット材、さらにはパルプ紙、合成紙
またはその積層紙等を挙げることができる。
【0020】さらに、本発明の殺菌洗浄剤組成物は、食
品加工工場、スーパーのバックヤード、多量の調理がな
される給食センター等の床や壁及びまな板、コンベアー
等の調理機械器具類の洗浄においては、泡洗浄機または
器具を用いて洗浄に用いることもできる。
【0021】泡洗浄機または器具としては、「ケルヒャ
ー」(商品名:ケルヒャージャパン株式会社製)、「泡
の守(かみ)」(商品名:株式会社クレオ・テクノサー
ビス社製)等の泡洗浄機、「あわまるくん」(商品名:
スプレーイングシステム社製)等の泡吹き付け洗浄(造
泡)装置、並びにトリガースプレー、フォーマースプレ
ー等の泡を発生させることのできるハンドスプレーが好
適に用いられ、これらを用いることで本発明の組成物の
各性能を更に有効に引き出すことができる。このような
洗浄機は、特に凸凹を有する硬表面、複雑な機構の機械
の洗浄、手の入りにくい狭い場所、ベルトコンベアーの
裏側、広い立面や壁、床の洗浄、パレットの洗浄に好適
である。泡洗浄機は、通常はポンプ、モータからなる本
体、水源につながれる吸水ホース、薬剤を本体ポンプ或
いはノズル部に導入する薬剤吸入ホースおよび加圧され
た洗浄液を吐出するノズルとつながれた高圧ホースから
構成されている。本発明の殺菌洗浄剤組成物は、ノズル
より吐出される水によってアスピレーター式に薬剤吸入
ホースから本体に導入され、水と混合された殺菌洗浄剤
希釈液が、通常、吐出圧力20〜150kg/cm2
吐出水量毎時200〜1200リットルでノズルから吐
出される。このとき、加温装置を有する貯水タンクを設
置してもよいが、泡洗浄機に使用される水の水温は、水
道水温から50℃であり、加温(熱交換装置)装置を兼
ね備えた泡洗浄機では殺菌洗浄剤希釈液を吐出温度20
〜70℃に調整することができる。このとき、本発明の
殺菌洗浄剤組成物は、10〜300倍の濃度に希釈され
た殺菌洗浄剤希釈液となる。殺菌洗浄剤希釈液は被洗浄
物に対してきめ細かな泡を維持したまま接触・保持さ
れ、被洗浄物に付着した汚れや細菌等の殺菌・除菌・洗
浄がなされる。被洗浄物は、適切な時間その状態のまま
放置され、その後再び、殺菌洗浄剤を本体に導入されな
い状態にセットし、水のみを導入した泡洗浄機によって
すすぎが行われる。すすぎに使用される水の温度は水道
水温から140℃である。食品加工工場、スーパーのバ
ックヤードなど多量の調理がなされる給食センター等で
は、床や壁、まな板およびコンベアー等の調理機械器具
類の洗浄においては、このような泡洗浄機または器具を
用いて行うことがある。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、表中、本発明の殺菌洗浄剤組成物の各成分
の配合量は100%純分に換算して示し、残部の水(各
成分に内在する水と外部から加える水の和)を、加えて
100重量%に調整される。
【0023】実施例1〜52、比較例1〜10 第1表に示す配合組成物を順次任意に混合攪拌して液体
の殺菌洗浄剤組成物を調製した。結果を第1表に示し
た。得られた液体殺菌洗浄組成物について殺菌効果を下
記の測定法および評価基準により、測定評価した。結果
を第1表に示す。また、この液体殺菌洗浄剤について洗
浄効果及び泡立ち度合いを下記の測定法および評価基準
により測定評価した。結果を第1表に示す。
【0024】〔殺菌効果の測定法および評価基準〕石炭
酸係数測定法(厚生省編纂衛生検査指針I細菌・血清学
的検査指針(II)4消毒薬検査指針のI)を準用し、殺菌
洗浄剤組成物の10分間作用後の死滅最大希釈倍数を測
定した。なお供試菌には大腸菌( Escherichia coli
IFO-12734)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureu
s IFO-12732 )を用いた。まず殺菌洗浄剤組成物を滅
菌精製水でうすめてその希釈系列を調整し、その10ミ
リリットルを滅菌した作用試験管に分注する。次いで作
用試験管中の殺菌洗浄剤組成物希釈液系列のそれぞれ
に、普通ブイヨン培地(栄研製)中で37℃、18〜2
4時間培養した供試菌液を1ミリリットルずつ接種し速
やかに振り混ぜた溶液(以下作用液と呼ぶ)を20℃で
10分間作用させる。作用時間経過後、滅菌白金耳で作
用液10マイクロリットルを後培養培地(普通ブイヨン
培地、栄研製)に移植し、37℃、48時間培養し、菌
の生死を判定する。菌の生死の判定基準は、後培養培地
の濁りまたは沈殿物が生じた場合を生存とし、透明なま
まの場合を死滅とした。10分間の作用によって死滅さ
せることができる殺菌洗浄剤組成物の最大希釈倍数を評
価の対象とした。評価基準は以下のように行った。殺菌
洗浄剤組成物中の殺菌成分そのものが持つ10分間作用
死滅最大希釈倍数を基準とし、殺菌活性純分当たりの測
定値を比較して、下記基準に従って段階評価した。 5・・・・殺菌活性が20%以上高まっている場合。 4・・・・殺菌活性が20%未満の範囲で高まっている
場合。 3・・・・元来の殺菌活性が維持されている場合。 2・・・・殺菌活性が20%未満の範囲で低下している
場合。 1・・・・殺菌活性が20%以上低下している場合。
【0025】〔洗浄効果の測定法および評価基準〕12
mmφ×105mmのガラス製試験管に0.3重量%に調製
した殺菌洗浄剤溶液1.3ミリリットルと市販のサラダ
油2.7ミリリットルを順に注ぎ、上下に激しく振とう
させた後、遠心分離を行う。遠心分離後にO/Wエマル
ション層すなわち親水性エマルション層の厚さを測定す
る。本試験方法では、O/Wエマルション層の厚さが厚
いものほど洗浄力(乳化力)が良好であることを示し、
下記の評価基準に基づいて、洗浄力(乳化力)の評価を
行う。 ◎ : O/Wエマルション層が5mm以上残存。 ○ : O/Wエマルション層が1mm〜5mm残存。 △ : O/Wエマルション層が0〜1mm残存。 × : 洗浄溶液層とサラダ油が完全に分離。
【0026】〔泡立ち度合い〕100ミリリットル容量
のガラス製比色管に、40℃、50ミリリットルの各殺
菌洗浄剤溶液を調整し栓をして、1分間激しく上下に振
る。このときの泡の高さ・量を市販の台所用中性洗剤を
基準として、下記の評価基準に基づいて、泡立ち度合い
として評価した。 ◎ : 市販洗剤よりも明らかに優れた泡立ち。 ○ : 市販洗剤と同等の泡立ち。 × : 市販洗剤よりも明らかに劣る泡立ち。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】
【0036】*1:ポリヘキサメチレンビグアニジン塩
酸塩
【0037】
【化1】
【0038】*2:非イオン界面活性剤1 ポリオキシエチレン(P=12.8)直鎖アルキル(C
12)エーテル;HLB16 *3:非イオン界面活性剤2 ポリオキシエチレン(P=12)分岐鎖アルキル(C1
2〜14)エーテル;HLB16 *4:非イオン界面活性剤3 ポリオキシエチレン(P=7)直鎖アルキル(C12)
エーテル;HLB14 *5:非イオン界面活性剤4 ポリオキシエチレン(P=7)直鎖アルキル(C12〜
13)エーテル;HLB14 *6:非イオン界面活性剤5 ポリオキシエチレン(P=9)分岐鎖アルキル(C12
〜14)エーテル;HLB13 *7:非イオン界面活性剤6 ポリオキシエチレン(P=7)分岐鎖アルキル(C12
〜14)エーテル;HLB11 *8:非イオン界面活性剤7 ポリオキシエチレン(P=2)直鎖アルキル(C12)
エーテル;HLB8 *9:ポリアルキルポリアミノエチルグリシン:ジオク
チルジアミノエチルグリシン *10:アルキルジアミノエチルグリシン:アルキル
(C12〜14)ジアミノエチルグリシン塩酸塩 *11:ポリエチレングリコール(分子量=200)
【0039】
【発明の効果】本発明は、グアニジン系カチオン殺菌
剤とアニオン界面活性剤により形成される錯体(コンプ
レックス)を特定の非イオン界面活性剤を用いて可溶化
させるものであり、これにより特に油脂に対する優れた
洗浄作用を有しながら、微生物に対し優れた殺菌作用を
有する殺菌洗浄剤組成物が得られる。特に、本発明の殺
菌洗浄剤組成物は油脂汚れの洗浄性、作業上の安全性、
環境安全性に優れ、微生物に対し優れた殺菌作用を有す
るものである。また、本発明の殺菌洗浄剤組成物は、喫
茶店、レストラン、ホテル、居酒屋、学校給食施設、社
員食堂、セントラルキッチン、スーパーのバックヤー
ド、食品加工場等の食品関連業界における食器、調理器
具、調理設備、調理施設、食品加工機械の殺菌・除菌・
洗浄用に効果的に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 10/02 C11D 10/02 (56)参考文献 特開 平7−53995(JP,A) 特開 平10−176193(JP,A) 特開 平10−147793(JP,A) 特開 平6−145008(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 1/00 - 17/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビグアニジン系カチオン殺菌剤、アニオ
    ン界面活性剤およびHLB15以上のポリオキシアルキ
    レンアルキルエーテル類を少なくとも含有する非イオン
    界面活性剤を配合してなる殺菌洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 非イオン界面活性剤が、更に、HLB1
    4以下のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類を含
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌洗浄剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 更に、両性イオン界面活性剤を配合する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌洗浄剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 両性イオン界面活性剤が、アルキルジア
    ミノエチルグリシンおよびアルキルポリアミノエチルグ
    リシンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項記載の殺菌洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 更に、水溶性溶剤を配合することを特徴
    とする請求項1〜のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成
    物。
  6. 【請求項6】 ビグアニジン系カチオン殺菌剤が、ポリ
    ヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩およびグルコン酸ク
    ロルヘキシジンから選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の殺菌洗浄
    剤組成物。
  7. 【請求項7】 食器、調理器具あるいは食品加工機の殺
    菌洗浄または発泡殺菌洗浄に用いる請求項1〜6のいず
    れかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の殺菌
    剤組成物を天然又は合成の可撓性の繊維質吸収材に含
    浸させてなる殺菌除菌洗浄材。
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