JP5132983B2 - 生細胞を含有しないタンパク質含有溶液の製造方法 - Google Patents
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Description
J. Food Prot. 70(4), 1007-1010, 2007
細胞を破砕する工程
両性界面活性剤を添加する工程
細胞破砕片を除去する工程
細胞を破砕する工程
両性界面活性剤を添加する工程
細胞破砕片を除去する工程
工程(A)において、細胞とは、その生死を問わず、外界を隔離する膜構造に囲まれ、内部に自己再生能を備えた遺伝情報とその発現機構を持つ(あるいは持っていた)生命体を言う。本発明における細胞の具体的な例としては、微生物細胞、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等が挙げられる。微生物の具体的な例としては、例えば、細菌、酵母、糸状菌、放線菌等が挙げられ、これらの具体例として、バチルス・ステアロサ−モフイルス、バチルス・ズブチリス、バチルス・セレウス・バチルス・ブレビス、バチルス・サーキユランス、バチルス・コアギユランス、バチルス・リケニホーミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ポリミキサ等のバチルス属の細菌、エシエリシア・コリ、エシエリシア・アデカルボキシラタ、エシエリシア・アネロジーネス、エシエリシア・アニンドリツカ等の大腸菌群類の細菌、シユードモナス・アエルギノーザ、シユードモナス・アセリス、シユードモナス・アシドボランス、シユードモナス・プチダ、シユードモナス・フルオレツセンス、シユードモナス・マルトフイリア等のシユードモナス属の細菌、ラクトバチルス・カゼイ、ストレプトコツカス・ラクチス、ラクトバチルス・アシドフイルス、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ブルガリカス等の乳酸菌、アセトバクター・アセチ、アセトバクター・オキシダンス、アセトバクター・ランセンス、アセトバクターロゼウム、アセトバクター・キシリニウム等の酢酸菌、サツカロミセス・セレビシエ、サツカロミセス・カールスベルゲンシス、ビヒア・フアーメンタス、ピヒア・メンブランアエフアシエンス、ハンゼヌラ・アノマーラ、ハンゼヌラ・サチユラナス、チゾサツカロミセス・ポンベ、チゾサツカロミセス・オクトスポラス、エンドミコプシス・フイブリガー等の酵母、ムコール・ラセモサス、ムコール・ジヤバニカス、リゾプス・ジヤポニカス、リゾプス・ジヤパニカス、アスパラギラス・ニガー等の糸状菌、ストレプトマイセス・グリセウス、ストレプトマイセス・アルバン、ストレプトマイセス・バルガー、ノカルデイア・オパカ、アクチノプラネス・ウタヘンシス、アクチノプラネス・ミリウリエンシス等の放線菌、ロドコッカス・ロドクロウス、ロドコッカス・グロベルルス、ロドコッカス・ルテウス、ロドコッカス ・エリスロポリス、ロドコッカス ・エクイ等のロドコッカス属細菌等が挙げられる。さらに、大腸菌(エシエリシア・コリ)のより具体的な例としては、例えば、K12株やB株等の野生株、あるいはそれら野生株由来の派生株であるC600株、W3110株、JM109株、XL1-Blue株、BL21(DE3)株等が挙げられる。また、ロドコッカス属細菌のより具体的な例としては、例えば、ロドコッカス・ロドクロウスATCC999株、ATCC12674株、ATCC17895株、ATCC15998株、ATCC33275株、ATCC184、ATCC4001株、ATCC4273株、ATCC4276株、ATCC9356株、ATCC12483株、ATCC14341株、ATCC14347株、ATCC14350株、ATCC15905株、ATCC15998株、ATCC17041株、ATCC19149株、ATCC19150株、ATCC21243株、 ATCC29670株、ATCC29672株、ATCC29675株、ATCC33258株、ATCC13808株、ATCC17043株、ATCC19067株、ATCC21999株、ATCC21291株、ATCC21785株、ATCC21924株、 IFO14894株、IFO3338株、NCIMB11215株、NCIMB11216株、JCM3202株、ロドコッカス・ロドクロウスJ1株(FERM BP-1478)、ロドコッカス ・グロベルルスIFO14531株、ロドコッカス ・ルテウスJCM6162株、JCM6164株、ロドコッカス ・エリスロポリスIFO12538株、IFO12320株、ロドコッカス ・エクイIFO3730株、JCM1313株等が挙げられる。これらの微生物は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)や、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門(NBRC)独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター微生物材料開発室等の分譲機関からそれぞれ入手可能である。なお、本発明において、細胞が微生物である場合には、細胞を「菌」または「菌体」と称することがある。
Accession No. AAK92100(アースロバクター属(Arthrobacter sp.)AD2株由来のHheAAD2のアミノ酸配列)
Accession No. BAA14362(コリネバクテリウム属(Corynebacterium sp.)N-1074株由来のHheBのアミノ酸配列)
Accession No. AAK73175(マイコバクテリウム属(Mycobacterium sp.)GP1株由来のHheBGP1のアミノ酸配列)
Accession No. AAK92099(アグロバクテリウム ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter) AD1株由来のHheCのアミノ酸配列)
Accession No. AAD34609(アグロバクテリウム チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) 由来のHalBのアミノ酸配列)
本発明で例示するハロヒドリンエポキシダーゼには、上記野生型ハロヒドリンエポキシダーゼに加え、野生型ハロヒドリンエポキシダーゼのアミノ酸配列において1以上のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入または他のアミノ酸残基への置換が生じたハロヒドリンエポキシダーゼ(以下、ハロヒドリンエポキシダーゼ変異体と称することがある)をも含む。特に、ハロヒドリンエポキシダーゼ変異体のうち、酵素としての性能が向上したもの(改良型ハロヒドリンエポキシダーゼ)は、本発明の方法により製造される好適なタンパク質の一例である。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、塩素、臭素が特に好ましい。具体的には1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(以下、「DCP」と称することがある)、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,3−ジヨード−2−プロパノール等が挙げられ、好ましくは、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノールである。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、塩素、臭素が特に好ましい。具体的にはエピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン(以下、「ECH」と称することがある)、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられ、特に好ましくはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンである。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、塩素、臭素が特に好ましい。具体的には4−フルオロ−3−ヒドロキシブチロニトリル、4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(以下、「CHBN」と称することがある)、4−ブロモ−3−ヒドロキシブチロニトリル、4−ヨード−3−ヒドロキシブチロニトリル等が挙げられ、好ましくは、4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル、4−ブロモ−3−ヒドロキシブチロニトリルである。
ここで[R]と[S]は資料中の鏡像異性体のそれぞれの濃度を示す。また、「立体選択性」とは、ハロヒドリンエポキシダーゼが、基質から生成物を生成する際に、いずれか一方の鏡像異性体が生成する反応を優先的に触媒する性質を言うものとする。
本変換反応は、1,3−ジハロ−2−プロパノールを上述のようにして製造されたハロヒドリンエポキシダーゼ含有溶液またはそれに含まれるハロヒドリンエポキシダーゼと接触させることにより行う。基質である1,3−ジハロ−2−プロパノールは、式(1)に示す化合物である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、塩素、臭素が特に好ましい。具体的には1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,3−ジヨード−2−プロパノール等が挙げられ、好ましくは、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノールである。
本変換反応は、1,3−ジハロ−2−プロパノールを上述のようにして製造されたハロヒドリンエポキシダーゼ含有溶液またはそれに含まれるハロヒドリンエポキシダーゼと接触させることにより行う。
本変換反応は、エピハロヒドリンを上述のようにして製造されたハロヒドリンエポキシダーゼ含有溶液またはそれに含まれるハロヒドリンエポキシダーゼと接触させることにより行う。
コリネバクテリウム属(Corynebacterium sp.)N-1074株由来のハロヒドリンエポキシダーゼHheB(Biosci. Biotechnol. Biochem. 58 (8), 1451 (1994))であって、2番目の開始コドンから翻訳されるHheB(2nd)のアミノ酸配列(配列番号1)において、
(1) N末端から2番目のアラニン残基がリジン(A2Kと称す)に、199番目のアスパラギン酸残基がヒスチジン(D199Hと称す)にそれぞれ置換された改良型ハロヒドリンエポキシダーゼ(以下、HheB(2nd)-D199Hと呼ぶことがあり、そのアミノ酸配列は配列番号2で示される)を発現する発現プラスミドpSTK002-D199H、
(2) N末端から2番目のアラニン残基がリジンに、133番目のスレオニン残基アラニン(T133Aと称す)に、199番目のアスパラギン酸残基がヒスチジンにそれぞれ置換された改良型ハロヒドリンエポキシダーゼ(以下、HheB(2nd)-T133A+D199Hと呼ぶことがあり、そのアミノ酸配列は配列番号3で示される)を発現する発現プラスミドpSTK002-T133A+D199H、
(3) N末端から2番目のアラニン残基がリジンに、133番目のスレオニン残基アラニンに、136番目のフェニルアラニン残基がセリン(F136Sと称す)に、199番目のアスパラギン酸残基がヒスチジンにそれぞれ置換された改良型ハロヒドリンエポキシダーゼ(以下、HheB(2nd)-T133A+F136S+D199Hと呼ぶことがあり、そのアミノ酸配列は配列番号4で示される)を発現する発現プラスミドpSTK002-T133A+F136S+D199H、
をそれぞれ以下のように作製した。発現ベクターとしてpKK233-2(Centraalbureau voor Schimmelcultures (CBS)、オランダ;http://www.cbs.knaw.nl/)を、宿主として大腸菌W3110株を用いた。
DH-09:GATCATGAAAAACGGAAGACTGGCAGGCAAGCG(配列番号5:33ヌクレオチドからなり、その配列中に制限酵素BspHI認識部位(TCATGA)およびハロヒドリンエポキシダーゼ遺伝子hheB(2nd)の翻訳開始コドン以降を有し、2番目のアミノ酸に対応するコドンはAAAでリジンをコードする)
DH-07:CGCCTGCAGGCTACAACGACGACGAGCGCCTG (配列番号6:32ヌクレオチドからなり、その配列中に制限酵素Sse8387I兼PstI認識部位(CCTGCAGG)およびハロヒドリンエポキシダーゼ遺伝子hheB(2nd)終止コドン下流領域を有する)
また、鋳型として用いたpST111は、特公平5−317066公報に記載されており、pST111を含む組換えベクターによる大腸菌形質転換体JM109/pST111は、受託番号「FERM P-12065」として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに平成3年3月1日付けで寄託されている。
熱サイクル処理を行ったのPCR反応液をGFX PCR DNA band and GelBand Purification kit(GEヘルスケアバイオサイエンス)により精製した後、制限酵素BspHIとPstIで、二重消化を行った。消化産物をアガロースゲル電気泳動で分離後、ハロヒドリンエポキシダーゼ遺伝子全長を含むバンド(約0.8kb)をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)で精製した。一方、pKK233-2(Centraalbureau voor Schimmelcultures (CBS)、オランダ;http://www.cbs.knaw.nl/)の誘導体であり、WO2006/041226号に記載の方法により調製することができる発現ベクターpKK233-2(+Sse)を、制限酵素NcoIとPstIで消化後、フェノール抽出・クロロホルム抽出・エタノール沈殿(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)))により精製した。これを、上述のハロヒドリンエポキシダーゼ遺伝子全長を含むPCR増幅産物と混合した後、該混合液にSolution I(DNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ)を添加してライゲーション混合物を作った。この混合物を12時間、16℃でインキュベートすることでPCR増幅産物と発現ベクターpKK233-2(+Sse)を結合した。
・MDH-10:CGCGAGCAGCGCGTGCTCTCGGGCAGTCG(配列番号8:29ヌクレオチドからなり、MDH-09の相補配列を有するアンチセンスプライマー)
・MDH-05:CGCTGGCCTACAGCGCGGCGCGTTTCGCT(配列番号9:29ヌクレオチドからなり、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるハロヒドリンエポキシダーゼHheB(2nd)の133番目のスレオニン残基をコードするコドン(ACG)がアラニンをコードするコドン(GCG)に変更されているセンスプライマー)
・MDH-06:AGCGAAACGCGCCGCGCTGTAGGCCAGCG(配列番号10:29ヌクレオチドからなり、MDH-06の相補配列を有するアンチセンスプライマー)
・MDH-28:CGCTGGCCTACAGCGCGGCGCGTTCCGCT(配列番号11:29ヌクレオチドからなり、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるハロヒドリンエポキシダーゼHheB(2nd)の133番目のスレオニン残基をコードするコドン(ACG)がアラニンをコードするコドン(GCG)に、136番目のフェニルアラニン残基をコードするコドン(TTC)がセリンをコードするコドン(TCC)にぞれぞれ変更されているセンスプライマー)
・MDH-29:AGCGGAACGCGCCGCGCTGTAGGCCAGCG(配列番号12:29ヌクレオチドからなり、MDH-28の相補配列を有するアンチセンスプライマー)
部位特異的変異導入はQuickChange Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社)によって行った。反応液組成(全量50ul)は表3のとおりとした。
実施例1で得られた大腸菌形質転換体W3110/pSTK002-T133A+D199HおよびW3110/pSTK002-T133A+F136S+D199Hの培養を以下のように行った。
実施例2で得られたW3110/pSTK002-T133A+F136S+D199H由来細胞破砕液1mlを6系列準備し、各系列に、水0.1ml(対照とする)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン(10%溶液)0.1ml、カチオン系凝集剤K-403B(10%溶液)0.1ml、カチオン系凝集剤K-408(10%溶液)0.1ml、カチオン系凝集剤K-409(10%溶液)0.1mlおよびカチオン系凝集剤K-415(10%溶液)0.1mlをそれぞれ添加した。K-403B、K-408、K-409およびK-415はカチオン系高分子凝集剤であり、ダイヤニトリックス(日本)より入手した。懸濁後、室温で20分間静置した後、4,500rpmでの1分間の遠心分離を行った。得られた上清について、それぞれ吸光度および脱クロル活性を測定し、活性については各系列の液活性相対値を算出した(水を添加した系列の液活性値を100%とした)。吸光度の測定は、試料を適宜希釈し、波長630nmで測定した。脱クロル活性の測定は、以下のように測定した。
水を添加した系列の遠心上清の吸光度は5以上であり、細胞破砕片が十分に沈殿除去されていないことが認められた。カチオン系高分子凝集剤K-403B、K-408、K-409およびK-415を添加した系列の遠心上清の吸光度は0.01〜0.02であり、細胞破砕片が沈殿除去されていることが確認されたが、その活性は大きく低下しており、該凝集剤の添加によって、ハロヒドリンエポキシダーゼが失活しているか、または細胞破砕片と共に沈殿しているものと考えられた。一方、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを添加した系列は、活性を保持したまま、細胞破砕片が十分に沈殿除去されている(吸光度0.01)ことが確認された。
実施例2で得られたW3110/pSTK002-T133A+F136S+D199H由来細胞破砕液30mlを4系列準備し、各系列にそれぞれ、水3ml、7.4%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液3ml(終濃度0.67%となる)、8.4%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液3ml(終濃度0.76%となる)および10%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液3ml(終濃度0.91%となる)を添加した。それぞれ約10分間撹拌した後、3gのラジオライトクリアフロー(昭和化学工業(株)、日本)を加え、さらに約5分間撹拌した。予め1gのラジオライトクリアフローをプリコートしておいたろ過面積約12cm2のNo.5Aろ紙(アドバンテック(株)、日本)および加圧ろ過器(アドバンテック(株)、日本)を用い、圧力0.2MPaで加圧ろ過を行い、20分後に得られたろ液量および該ろ液のハロヒドリンエポキシダーゼ活性(脱クロル活性)を測定した。結果を表6に示す。
実施例2で得られたW3110/pSTK002-T133A+F136S+D199H由来細胞破砕液より470ml(系列1)および467ml(系列2)の2系列を準備し、各系列にそれぞれ、10%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液を47.4mlおよび46.5ml添加した(それぞれ終濃度0.91%となる)。それぞれ約10分間撹拌した後、系列1には47.0gのセライトHyflo Super Cel(ワールドミネラルズ社、米国)を、系列2には46.7gのラジオライトスペシャルフロー(昭和化学工業(株)、日本)を加え、さらに約5分間撹拌した。予め9gのろ過助剤(系列1はセライトHyflo Super Cel、系列2はラジオライトスペシャルフロー)をプリコートしておいたろ過面積約163cm2のNo.5Aろ紙(アドバンテック(株)、日本)および加圧ろ過器(アドバンテック(株)、日本)を用い、圧力0.2MPaで加圧ろ過を行った。得られた系列1および系列2の両ろ液、および対象として実施例2の細胞破砕液について、ハロヒドリンエポキシダーゼ活性(脱クロル活性)、乾燥残分濃度、糖濃度およびタンパク質濃度を測定した。乾燥残分濃度は、各試料を120℃で恒量となるまで乾燥し、残分の質量を測定して求めた。糖濃度は、フェノール硫酸法の原理により、水で100倍希釈した試料溶液0.5mlに5w/w%フェノール溶液を0.5ml加えた後、濃硫酸2.5mlを添加・混和し、室温で1時間静置、冷却後、波長490nmの吸光度を測定することにより求めた(既知濃度のグルコース溶液を用いて得られる検量線から試料の糖濃度を算出)。タンパク質濃度はバイオラッド・プロテインアッセイ(Bio-Rad社、米国)を用い、添付のプロトコールに従って求めた。結果を表7に示す。
実施例2で得られたW3110/pSTK002-T133A+D199H由来細胞破砕液より1845mlを採り、10%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液を185ml添加した(終濃度0.91%となる)。約30分間撹拌した後、185gのセライトHyflo Super Cel(ワールドミネラルズ社、米国)を加え、さらに約15分間撹拌した。予め9gのろ過助剤(系列1はセライトHyflo Super Cel、系列2はラジオライトスペシャルフロー)をプリコートしておいたろ過面積約163cm2のNo.5Aろ紙(アドバンテック(株)、日本)および加圧ろ過器(アドバンテック(株)、日本)を用い、圧力0.2MPaで加圧ろ過を行い、1623mlのろ液(=「ろ液」)を得た。続いて、水186gをろ過ケークが残っている加圧ろ過器に入れ、再度圧力0.2MPaで加圧ろ過を行い、173mlの洗浄液(=「水洗浄液1」)を得た。さらに、水186gをろ過ケークが残っている加圧ろ過器に入れ、再度圧力0.2MPaで加圧ろ過を行い、163mlの洗浄液(=「水洗浄液2」)を得た。ろ液、水洗浄液1および水洗浄液2のうち微量を採取しておき、残りのろ液、水洗浄液1および水洗浄液2を混合して混合ろ液1937mlを得た。細胞破砕液、ろ液、水洗浄液1、水洗浄液2および混合ろ液について、ハロヒドリンエポキシダーゼ活性(脱クロル活性)を測定し、液活性値および総活性値(液活性値と液量の積で表される)を求めた。結果を表8に示す。
実施例2で得られたW3110/pSTK002-T133A+F136S+D199H細胞破砕液(=「細胞破砕液」とする)および実施例5で得られた該細胞破砕液由来の系列1のろ液(=「ろ液」とする)を、シアン化カリウム(KCN)存在下、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(DCP)と接触させることにより、4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリル(CHBN)を以下のように製造した。
反応液中のDCP、ECHおよびCHBN濃度分析は、逆相系HPLCにより行った。逆相系HPLC分析条件を表10に示す。
反応終了液100μlを、上表記載の移動層400μlにより希釈混合した後、上表記載の分析条件により分析を行った。予め、濃度既知のDCP、ECHおよびCHBN溶液を用いて検量線を作成し、該検量線を用いて反応液中のDCP、ECHおよびCHBN濃度を求めた。
生成CHBNの光学純度分析は、CHBNをエステル化後、順相系HPLCにより行った。順相系HPLC分析条件を表11に示す。
反応終了液約400μlに等量のジイソプロピルエーテル(以下、IPEと称することがある)を加えて抽出を行った。IPE層を分取し、少量の無水硫酸ナトリウムを加えて撹拌した。IPE層を100μl分取し、10μlの(R)−α−メトキシ―α―(トリフルオロメチル)フェニルアセチルクロライド(以下、(R)−MTPAと称することがある)および40μlのピリジンを添加した。室温で一晩反応させた後、IPEを添加して約400μlとした。1規定の塩酸を400μl加えて抽出を2回行った後、分取したIPE層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を400μl加えて抽出を2回行った。分取したIPE層に少量の無水硫酸ナトリウムを加えて撹拌した後、アスピレーターによりIPE層を揮発させた。残存物を上表記載の移動層により懸濁した後、上表記載の分析条件により分析を行った。(R)−CHBN−(R)−MTPAエステルおよび(S)-CHBN−(R)−MTPAエステルのエリア面積比から各濃度を算出し、CHBNの光学純度を算出した。
実施例2の方法により、大腸菌W3110株のジャーファーメンター培養を行った。得られた培養液を12,000rpm(141,000G)で10分間遠心分離を行い、上清を除いて湿菌体を得た。除いた上清と等量の水を該湿菌体に加え、均一になるよう再懸濁して菌体懸濁液(OD630=約150)を得た。得られた菌体懸濁液を約10℃に冷却した後、高圧ホモジナイザーPA2K(NiroSoavi社、イタリア)を用いて約100MPaで破砕処理を行った。再び約10℃まで冷却した後、再度約100MPaで破砕処理を行い、菌体破砕液(細胞破砕液)を得た。該細胞破砕液の一部を採り、終濃度0.91w/v%となるよう塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを添加して、常温で30分間撹拌を行ったものを「細胞破砕液(両性界面活性剤添加)」とした。得られた細胞破砕液および細胞破砕液(両性界面活性剤添加)について、Multisizer3(ベックマン・コールター、米国)を用い、以下の条件により、電気抵抗法により粒度分布を測定した。
分散剤:0.1%ヘキサメタリン酸ナトリウム
超音波:3分
試料は、ISOTONII(ベックマン・コールター、米国)で、Multisizer3の適正濃度となるように定量希釈して測定を行った。結果を表13に示す。
実施例2で得られたW3110/pSTK002-T133A+F136S+D199Hの培養液および細胞破砕液(100MPaで2回破砕した後のもの)、実施例5の系列1において該細胞破砕液に塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを終濃度0.91%となるよう添加したもの(以下、「細胞破砕液(両性界面活性剤添加)」という)およびそのろ液(以下、「ろ液」という)について、各溶液中の生菌濃度(生細胞濃度)を調べた。生菌濃度の測定は、次のように行った。各溶液を表14に記載の希釈倍率で希釈した後、100μlをLB Amp寒天培地(アンピシリン 100mg/L 、1.5%寒天を含有するLB培地)に塗布し、37℃で一晩培養した。生育したコロニー数を計測し、希釈倍率を乗じて、もとの各溶液の生菌濃度を算出した。さらに、培養液生菌濃度を基準(0%)として、各溶液(細胞破砕液、細胞破砕液(両性界面活性剤添加)およびろ液)の死滅率を算出した。死滅率の算出は以下のように行った。
結果を表14に示す。
100MPaの高圧破砕によって大部分の生細胞が死滅するが、なお48700000CFU/mlの生細胞が残存しており、死滅率としては99.7%であった(細胞破砕液)。該細胞破砕液に両性界面活性剤添加を添加すると、上記実験条件下で際行くコロニーは観察されず、少なくとも生菌濃度1000CFU/ml以下、死滅率として99.999995%以上となることが確認され(細胞破砕液(両性界面活性剤添加))、ろ液と同等の結果であった。すなわち、両性界面活性剤を細胞破砕液に添加することにより、目的タンパク質の沈殿や機能消失を引き起こさずに細胞破砕液中に残存する生細胞を効率的に不活化し、さらに、遠心分離やろ過等の手段によって細胞破砕液から細胞破砕片を効率的に除去して生細胞を含有しないタンパク質含有溶液を得られることが確認された。
配列番号5〜12:合成DNA
Claims (1)
- 以下(A)〜(D)の工程を含む、生細胞を含有しないハロヒドリンエポキシダーゼ含有溶液の製造方法。
(A)細胞を培養する工程
(B)細胞を破砕する工程
(C)アルキルジアミノエチルグリシンまたはその塩を添加する工程
(D)細胞破砕片を除去する工程
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