JPH064033B2 - 蛋白質の分別法 - Google Patents
蛋白質の分別法Info
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- JPH064033B2 JPH064033B2 JP14794386A JP14794386A JPH064033B2 JP H064033 B2 JPH064033 B2 JP H064033B2 JP 14794386 A JP14794386 A JP 14794386A JP 14794386 A JP14794386 A JP 14794386A JP H064033 B2 JPH064033 B2 JP H064033B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,食品工業,検査試薬,医薬品などの分野に広
く用いられている酵素などの蛋白質を得るための,細胞
破砕液からの蛋白質の分別法に関するものである。
く用いられている酵素などの蛋白質を得るための,細胞
破砕液からの蛋白質の分別法に関するものである。
(従来の技術) 動植物の細胞,特に微生物から酵素などの蛋白質を単
離,精製するには,先ず微生物の細胞を破砕した後,破
砕液中に共存する細胞破砕片及び核酸を除去する必要が
ある。
離,精製するには,先ず微生物の細胞を破砕した後,破
砕液中に共存する細胞破砕片及び核酸を除去する必要が
ある。
例えば,細胞破砕液中の細胞片を除去する方法として
は,遠心分離機による分別法が一般的である。また,細
胞破砕液中の核酸を除去する方法としては,例えば,生
化学実験講座5巻200〜201頁に記載されている次のよう
な方法がよく知られている。
は,遠心分離機による分別法が一般的である。また,細
胞破砕液中の核酸を除去する方法としては,例えば,生
化学実験講座5巻200〜201頁に記載されている次のよう
な方法がよく知られている。
第1:核酸をプロタミン硫酸あるいはストレプトマイシ
ンを添加することにより沈澱させる方法。
ンを添加することにより沈澱させる方法。
第2:核酸分解酵素で核酸を分解する方法。
第3:デキストラン−ポリエチレングリコールを用い液
々分離を行う方法。
々分離を行う方法。
さらにポリエチレングリコール等の高分子化合物と相形
成性無機塩を用いる方法も知られている(特公昭60−
25116号公報,昭57−39796号公報参照。)。
成性無機塩を用いる方法も知られている(特公昭60−
25116号公報,昭57−39796号公報参照。)。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の従来法のうち,遠心分離機による分別法では,大
きな遠心力を必要とするため,極めて高価で高性能の遠
心分離機が必要であり,それでも極めて微小に破砕され
た細胞片を完全に除去することは難しい。
きな遠心力を必要とするため,極めて高価で高性能の遠
心分離機が必要であり,それでも極めて微小に破砕され
た細胞片を完全に除去することは難しい。
また,第1〜第2の方法は試薬が高価なため,酵素を工
業的に精製し,単離する場合には適用が困難であり,ま
た第3の方法は液々抽出法であるため,酵素区分と核酸
区分を効率よく抽出分離するためには,向流分配器など
の特殊な設備を必要とするなどの不便がある(アルバー
トソン著,加藤好雄訳 水性二層分配法(1972)参
照。)。しかも第1〜第3方法による核酸除去方法で
は,その処理にあたって,まず,細胞破砕液中の細胞片
を除去することが必要であるため,細胞片を除去した
後,再度核酸を除去するという工程的に無駄があった。
業的に精製し,単離する場合には適用が困難であり,ま
た第3の方法は液々抽出法であるため,酵素区分と核酸
区分を効率よく抽出分離するためには,向流分配器など
の特殊な設備を必要とするなどの不便がある(アルバー
トソン著,加藤好雄訳 水性二層分配法(1972)参
照。)。しかも第1〜第3方法による核酸除去方法で
は,その処理にあたって,まず,細胞破砕液中の細胞片
を除去することが必要であるため,細胞片を除去した
後,再度核酸を除去するという工程的に無駄があった。
さらにポリエチレングリコール等の高分子化合物と相形
成性無機塩を使用する方法では,得られた蛋白質を更に
精製する場合,使用したポリエチレングリコール等の高
分子化合物を除去する工程や,無機塩を除去する,いわ
ゆる脱塩工程が必要になってくる。こうした工程のため
に,特別の装置が必要であり,しかも収率の低下が生じ
る等の問題点がある。
成性無機塩を使用する方法では,得られた蛋白質を更に
精製する場合,使用したポリエチレングリコール等の高
分子化合物を除去する工程や,無機塩を除去する,いわ
ゆる脱塩工程が必要になってくる。こうした工程のため
に,特別の装置が必要であり,しかも収率の低下が生じ
る等の問題点がある。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは,このような問題点を解決するため鋭意研
究の結果,細胞破砕液からの蛋白質の分別にカチオン系
高分子凝集剤が利用できることを見い出し,本発明に到
達した。
究の結果,細胞破砕液からの蛋白質の分別にカチオン系
高分子凝集剤が利用できることを見い出し,本発明に到
達した。
すなわち,本発明はカチオン系高分子凝集剤を蛋白質,
細胞破砕片及び核酸を含有する細胞破砕液に添加して細
胞破砕片及び核酸を沈澱させ,次いで沈澱させた細胞破
砕片及び核酸を分離して蛋白質を含有する溶液を得るこ
とを特徴とする細胞破砕液からの蛋白質の分別法を要旨
とするものである。
細胞破砕片及び核酸を含有する細胞破砕液に添加して細
胞破砕片及び核酸を沈澱させ,次いで沈澱させた細胞破
砕片及び核酸を分離して蛋白質を含有する溶液を得るこ
とを特徴とする細胞破砕液からの蛋白質の分別法を要旨
とするものである。
本発明で細胞破砕液中の細胞破砕片及び核酸と蛋白質と
を分別するには,まず,細胞破砕液を得ることが必要で
ある。そのためには,例えば,微生物を緩衝液または水
に懸濁したのち,マントンゴーリン,ダイノミル,フレ
ンチプレス,超音波処理等により細胞を破砕して得るこ
とができる。
を分別するには,まず,細胞破砕液を得ることが必要で
ある。そのためには,例えば,微生物を緩衝液または水
に懸濁したのち,マントンゴーリン,ダイノミル,フレ
ンチプレス,超音波処理等により細胞を破砕して得るこ
とができる。
本発明に用いられる微生物としては,例えば,バクテリ
ア,酵母,糸状菌,放線菌などがあげられ,これらの具
体例として,バチルス・ステアロサ−モフイルス,バチ
ルス・ズブチリス,バチルス・セレウス・バチルス・ブ
レビス,バチルス・サーキユランス,バチルス・コアギ
ユランス,バチルス・リケニホーミス,バチルス・メガ
テリウム,バチルス・ポリミキサなどのバチルス属の細
菌,エシエリシア・コリ,エシエリシア・アデカルボキ
シラタ,エシエリシア・アネロジーネス,エシエリシア
・アニンドリツカなどの大腸菌群類の細菌,シユードモ
ナス・アエルギノーザ,シユードモナス・アセリス,シ
ユードモナス・アシドボランス,シユードモナス・プチ
ダ,シユードモナス・フルオレツセンス,シユードモナ
ス・マルトフイリアなどのシユードモナス属の細菌,ラ
クトバチルス・カゼイ,ストレプトコツカス・ラクチ
ス,ラクトバチルス・アシドフイルス,ラクトバチルス
・ブレビス,ラクトバチルス・ブルガリカスなどの乳酸
菌,アセトバクター・アセチ,アセトバクター・オキシ
ダンス,アセトバクター・ランセンス,アセトバクター
ロゼウム,アセトバクター・キシリニウムなどの酢酸
菌,サツカロミセス・セレビシエ,サツカロミセス・カ
ールスベルゲンシス,ビヒア・フアーメンタス,ピヒア
・メンブランアエフアシエンス,ハンゼヌラ・アノマー
ラ,ハンゼヌラ・サチユラナス,チゾサツカロミセス・
ポンベ,チゾサツカロミセス・オクトスポラス,エンド
ミコプシス・フイブリガーなどの酵母,ムコール・ラセ
モサス,ムコール・ジヤバニカス,リゾプス・ジヤポニ
カス,リゾプス・ジヤパニカス,アスパラギラス・ニガ
ーなどの糸状菌,ストレプトマイセス・グリセウス,ス
トレプトマイセス・アルバン,ストレプトマイセス・バ
ルガー,ノカルデイア・オパカ,アクチノプラネス・ウ
タヘンシス,アクチノプラネス・ミリウリエンシスなど
の放線菌などがあげられる。
ア,酵母,糸状菌,放線菌などがあげられ,これらの具
体例として,バチルス・ステアロサ−モフイルス,バチ
ルス・ズブチリス,バチルス・セレウス・バチルス・ブ
レビス,バチルス・サーキユランス,バチルス・コアギ
ユランス,バチルス・リケニホーミス,バチルス・メガ
テリウム,バチルス・ポリミキサなどのバチルス属の細
菌,エシエリシア・コリ,エシエリシア・アデカルボキ
シラタ,エシエリシア・アネロジーネス,エシエリシア
・アニンドリツカなどの大腸菌群類の細菌,シユードモ
ナス・アエルギノーザ,シユードモナス・アセリス,シ
ユードモナス・アシドボランス,シユードモナス・プチ
ダ,シユードモナス・フルオレツセンス,シユードモナ
ス・マルトフイリアなどのシユードモナス属の細菌,ラ
クトバチルス・カゼイ,ストレプトコツカス・ラクチ
ス,ラクトバチルス・アシドフイルス,ラクトバチルス
・ブレビス,ラクトバチルス・ブルガリカスなどの乳酸
菌,アセトバクター・アセチ,アセトバクター・オキシ
ダンス,アセトバクター・ランセンス,アセトバクター
ロゼウム,アセトバクター・キシリニウムなどの酢酸
菌,サツカロミセス・セレビシエ,サツカロミセス・カ
ールスベルゲンシス,ビヒア・フアーメンタス,ピヒア
・メンブランアエフアシエンス,ハンゼヌラ・アノマー
ラ,ハンゼヌラ・サチユラナス,チゾサツカロミセス・
ポンベ,チゾサツカロミセス・オクトスポラス,エンド
ミコプシス・フイブリガーなどの酵母,ムコール・ラセ
モサス,ムコール・ジヤバニカス,リゾプス・ジヤポニ
カス,リゾプス・ジヤパニカス,アスパラギラス・ニガ
ーなどの糸状菌,ストレプトマイセス・グリセウス,ス
トレプトマイセス・アルバン,ストレプトマイセス・バ
ルガー,ノカルデイア・オパカ,アクチノプラネス・ウ
タヘンシス,アクチノプラネス・ミリウリエンシスなど
の放線菌などがあげられる。
次に上記細胞破砕液(細胞抽出液)にカチオン系高分子
凝集剤を添加して,細胞破砕片及び核酸を沈澱させる。
凝集剤を添加して,細胞破砕片及び核酸を沈澱させる。
本発明に用いられるカチオン系高分子凝集剤としては,
例えばポリアミノアルキルメタアクリレート類,ポリア
ムノアルキルメタアクリレートとアクリルアミドの共重
合物類,ポリアクリルアミドのマンニツヒ変性物類,ポ
リジメチルジアリルアンモニウム塩類,ポリビニルイミ
ダゾリン類,ポリアクリルアミド類,アミン系重縮合物
類などがあげられる。このようなカチオン系高分子凝集
剤はすでに多くの商品が市販されている。その主なもの
としては,例えば,サンポリ−K−601,K−602
(主成分ポリアミン,三共化成),クリフロツクLC−
599(主成分ポリアミン及びポリアミド,栗田工
業),ハイモロツクM−166,M−566,M−96
6,(主成分アクリルアミド変性物,協立有機工業),
ユニフロツカ−UF−301,UF−304,UF−3
05,(主成分ポリアクリルアミド,ユニチカ),UF
−330,UF−340,(主成分アミノメタアクリル
酸エステル,ユニチカ),UF−505(主成分ジシア
ンアミン,ユニチカ),リユーフロツクC−110(主
成分ポリアミン,大日本インキ化学),ピユリフロツク
C−31(主成分ポリアミン,ダウケミカル)が知られ
ている。これ等の高分子凝集剤は単独もしくは二種以上
を併用して使用できる。
例えばポリアミノアルキルメタアクリレート類,ポリア
ムノアルキルメタアクリレートとアクリルアミドの共重
合物類,ポリアクリルアミドのマンニツヒ変性物類,ポ
リジメチルジアリルアンモニウム塩類,ポリビニルイミ
ダゾリン類,ポリアクリルアミド類,アミン系重縮合物
類などがあげられる。このようなカチオン系高分子凝集
剤はすでに多くの商品が市販されている。その主なもの
としては,例えば,サンポリ−K−601,K−602
(主成分ポリアミン,三共化成),クリフロツクLC−
599(主成分ポリアミン及びポリアミド,栗田工
業),ハイモロツクM−166,M−566,M−96
6,(主成分アクリルアミド変性物,協立有機工業),
ユニフロツカ−UF−301,UF−304,UF−3
05,(主成分ポリアクリルアミド,ユニチカ),UF
−330,UF−340,(主成分アミノメタアクリル
酸エステル,ユニチカ),UF−505(主成分ジシア
ンアミン,ユニチカ),リユーフロツクC−110(主
成分ポリアミン,大日本インキ化学),ピユリフロツク
C−31(主成分ポリアミン,ダウケミカル)が知られ
ている。これ等の高分子凝集剤は単独もしくは二種以上
を併用して使用できる。
その際の高分子凝集剤の添加量としては,凝集剤の種類
によって異なるが,破砕した微生物の乾燥重量100重
量部に対し1〜40重量部,特に2〜20重量部,さら
に4〜8重量部が好ましい。このカチオン系高分子凝集
剤を予め水に溶解した後,細胞破砕液に添加して10分
から24時間,好ましくは30分から10時間,最適に
は1時間から5時間撹拌すればよい。そのとき温度とし
ては,0℃〜60℃,特に0℃〜50℃,さらに0℃〜
40℃が好ましい。また,pHの調整が必要な場合には,
適宜10〜200mMになるように緩衝液を加えることも
できるし,蛋白質の安定化のために,グルコースを細胞
破砕液100重量部に対し,1〜50重量部添加しても
よい。
によって異なるが,破砕した微生物の乾燥重量100重
量部に対し1〜40重量部,特に2〜20重量部,さら
に4〜8重量部が好ましい。このカチオン系高分子凝集
剤を予め水に溶解した後,細胞破砕液に添加して10分
から24時間,好ましくは30分から10時間,最適に
は1時間から5時間撹拌すればよい。そのとき温度とし
ては,0℃〜60℃,特に0℃〜50℃,さらに0℃〜
40℃が好ましい。また,pHの調整が必要な場合には,
適宜10〜200mMになるように緩衝液を加えることも
できるし,蛋白質の安定化のために,グルコースを細胞
破砕液100重量部に対し,1〜50重量部添加しても
よい。
次いで,沈澱させた細胞破砕片及び核酸を分離する。そ
のためには,例えば,静置するか,遠心分離するか,あ
るいは濾過するかして行えばよい。
のためには,例えば,静置するか,遠心分離するか,あ
るいは濾過するかして行えばよい。
このようにして得られた沈澱には,細胞中の核酸が80
%以上含まれ,上澄,すなわち,液層には蛋白質が70
%以上含まれている。上澄液にはほとんど細胞破砕片を
含まず,上澄液の濁度は660nm(ナノメーター,光路
長1cm)の吸光度変化で,0.020OD(オーデイー)以
下である。
%以上含まれ,上澄,すなわち,液層には蛋白質が70
%以上含まれている。上澄液にはほとんど細胞破砕片を
含まず,上澄液の濁度は660nm(ナノメーター,光路
長1cm)の吸光度変化で,0.020OD(オーデイー)以
下である。
液層からさらに蛋白質を分別し,精製する場合には,そ
のまま常法に従ってクロマトグラフイーに供することが
可能である。
のまま常法に従ってクロマトグラフイーに供することが
可能である。
(作用) 本発明によると,細胞及び核酸などのアニオン荷電物質
が,カチオン系高分子凝集剤の吸着による架橋作用及び
架橋による凝集作用等によって,フロツクを形成し,容
易に沈澱させることができる。
が,カチオン系高分子凝集剤の吸着による架橋作用及び
架橋による凝集作用等によって,フロツクを形成し,容
易に沈澱させることができる。
(実施例) 次に,本発明を比較例と実施例によって具体的に説明す
る。
る。
実施例,比較例1 バチルス・ステアロサーモフイルスの湿菌体1kgを20
mMリン酸緩衝液5に懸濁し,4℃でダイノミルに流速
/hrで通液した。こうして細胞破砕液(細胞抽出液)
6を得た。
mMリン酸緩衝液5に懸濁し,4℃でダイノミルに流速
/hrで通液した。こうして細胞破砕液(細胞抽出液)
6を得た。
この細胞抽出液に対し,35gのユニフロツカーUF−
304(主成分ポリアクリルアミド,ユニチカ)高分子
凝集剤を1の20mMリン酸緩衝液に溶解した後,細胞
破砕液に添加して40℃で1時間撹拌した。引きつづ
き,8000回転/分で遠心分離し,沈澱600gと上
澄5.9を得た。
304(主成分ポリアクリルアミド,ユニチカ)高分子
凝集剤を1の20mMリン酸緩衝液に溶解した後,細胞
破砕液に添加して40℃で1時間撹拌した。引きつづ
き,8000回転/分で遠心分離し,沈澱600gと上
澄5.9を得た。
次に得られた沈澱と上澄の一部を取り,核酸,すなわち
リボ核酸(以下RNAという。)及びデオキシリボ核酸
(以下DNAという。)含有量,及び蛋白質を測定し
た。その結果を,もとの細胞抽出液中のそれぞれの含有
量を比較し,回収率を求めた。その結果を表1に示す。
リボ核酸(以下RNAという。)及びデオキシリボ核酸
(以下DNAという。)含有量,及び蛋白質を測定し
た。その結果を,もとの細胞抽出液中のそれぞれの含有
量を比較し,回収率を求めた。その結果を表1に示す。
なお,RNAの測定は生化学実験講座,2巻(1)12頁
記載のオルシノール法により,DNAの測定は生化学実
験講座,2巻(1),13頁記載のジフエニルアミン法に
よって,又蛋白質含有量は,生化学実験講座,1巻,4
8頁に記載のビユレツト法によつてそれぞれ測定した。
記載のオルシノール法により,DNAの測定は生化学実
験講座,2巻(1),13頁記載のジフエニルアミン法に
よって,又蛋白質含有量は,生化学実験講座,1巻,4
8頁に記載のビユレツト法によつてそれぞれ測定した。
表1より核酸(RNA+DNA)は沈澱に88%除去さ
れ,タンパクは72%上澄に回収されていることが明ら
かである。
れ,タンパクは72%上澄に回収されていることが明ら
かである。
次に細胞破砕からイオン交換カラムに直接供することが
できる粗酵素液を得るまでのそれぞれの工程における酵
素回収率酵素活性を求めた。
できる粗酵素液を得るまでのそれぞれの工程における酵
素回収率酵素活性を求めた。
その結果を表2に示す。
なお,比較のため,ポリエチレングリコールと相形成性
無機塩による処理方法を実施した。
無機塩による処理方法を実施した。
すなわち,バチルス・ステアロサーモフイルスの湿菌体
1kgを0.1Mリン酸緩衝液2に懸濁し,4℃でダイノ
ミルで,2/hrの流速で処理して破砕した後2.4に
30W/W%ポリエチレングリコール6000を0.9,2
Mリン酸二カリウム0.45と食塩0.18kgとを加えて24
℃で1時間撹拌した後,8000回転/分で遠心分離した。
得られた上澄2.5に硫酸アンモニウム200gを徐々
に加え,0℃で1時間撹拌したのち,5000回転/分で遠
心分離して,上層(ポリエチレングリコールの大部分を
含む)と下層(酵素の大部分を含む)に分離させた。得
られた下層の粗酵素液は1.9であった。
1kgを0.1Mリン酸緩衝液2に懸濁し,4℃でダイノ
ミルで,2/hrの流速で処理して破砕した後2.4に
30W/W%ポリエチレングリコール6000を0.9,2
Mリン酸二カリウム0.45と食塩0.18kgとを加えて24
℃で1時間撹拌した後,8000回転/分で遠心分離した。
得られた上澄2.5に硫酸アンモニウム200gを徐々
に加え,0℃で1時間撹拌したのち,5000回転/分で遠
心分離して,上層(ポリエチレングリコールの大部分を
含む)と下層(酵素の大部分を含む)に分離させた。得
られた下層の粗酵素液は1.9であった。
この酵素含有画分1.9を,セフアデツクスG25(フ
アルマシヤ社)のゲルロカカラムを利用して脱塩を行っ
た。このようにして,イオン交換カラムに直接供するこ
とができる粗酵素液3.2を得た。
アルマシヤ社)のゲルロカカラムを利用して脱塩を行っ
た。このようにして,イオン交換カラムに直接供するこ
とができる粗酵素液3.2を得た。
以上のようにして,細胞破砕からイオン交換カラムに直
接供することができる粗酵素液を得るまでのそれぞれの
工程における酵素回収率を求めた。
接供することができる粗酵素液を得るまでのそれぞれの
工程における酵素回収率を求めた。
その結果を表3に示す。
表2と表3より,より少ない工程で,しかも,酵素を高
収率で回収できることが明らかである。
収率で回収できることが明らかである。
実施例2,比較例2 実施例1と同様に細胞破砕して得られた細胞抽出液6
を二分し,二分した一方については実施例1で示した方
法によってユニフロツカーUF−304(主成分ポリア
クリルアミド,ユニチカ)高分子凝集剤を添加して撹拌
した後,8,000回転/分で遠心分離して沈澱と上澄を得
た。
を二分し,二分した一方については実施例1で示した方
法によってユニフロツカーUF−304(主成分ポリア
クリルアミド,ユニチカ)高分子凝集剤を添加して撹拌
した後,8,000回転/分で遠心分離して沈澱と上澄を得
た。
二分したもう一方については,細胞抽出液をそのまま8,
000回転/分で遠心分離して同様に沈澱と上澄を得た。
000回転/分で遠心分離して同様に沈澱と上澄を得た。
次に得られた上澄の濁度を分光光度計を用い,光路長1
cmのガラスセル中に入れたサンプルの660nm(ナノメー
ター)の吸光度(OD)を測定して求めた。
cmのガラスセル中に入れたサンプルの660nm(ナノメー
ター)の吸光度(OD)を測定して求めた。
その結果を表4に示す。
表4から,細胞破砕液に高分子凝集剤を添加すると,良
好に細胞破片が沈澱として除去され,凝集剤未処理液に
比べてきわめて清澄な上澄が得られることが明らかであ
る。
好に細胞破片が沈澱として除去され,凝集剤未処理液に
比べてきわめて清澄な上澄が得られることが明らかであ
る。
実施例4 エシエリシア・コリの湿菌体10gを25mMのリン酸緩
衝の50mlに懸濁し,超音波破砕機により破砕した。
こうして細胞破砕液60mlを得た。
衝の50mlに懸濁し,超音波破砕機により破砕した。
こうして細胞破砕液60mlを得た。
この細胞破砕液に対し,0.5gのユニフロツカ−UF−
340(主成分,アミノメタアクリル酸エステル,ユニ
チカ)高分子凝集剤を10mlの25mMリン酸緩衝液に
溶解した後,細胞破砕液に添加して4℃で1時間撹拌し
た。引続き10,000回転/分で遠心分離し,沈澱12gと
上澄60mlを得た。これを実施例1と同様にRNA,
DNA,蛋白質を各分画で測定した。
340(主成分,アミノメタアクリル酸エステル,ユニ
チカ)高分子凝集剤を10mlの25mMリン酸緩衝液に
溶解した後,細胞破砕液に添加して4℃で1時間撹拌し
た。引続き10,000回転/分で遠心分離し,沈澱12gと
上澄60mlを得た。これを実施例1と同様にRNA,
DNA,蛋白質を各分画で測定した。
その結果を表5に示す。
実施例5,比較例3 実施例4と同様に細胞破砕して得られた細胞抽出液60
mlを二分し,二分した方については実施例4で示した
方法にってユニフロツカ−UF330(主成分アミノメ
タアクリル酸エステル,ユニチカ)高分子凝集剤を添加
して撹拌した後,10,000回転/分で遠心分離して沈澱と
上澄を得た。
mlを二分し,二分した方については実施例4で示した
方法にってユニフロツカ−UF330(主成分アミノメ
タアクリル酸エステル,ユニチカ)高分子凝集剤を添加
して撹拌した後,10,000回転/分で遠心分離して沈澱と
上澄を得た。
二分したもう一方については細胞破砕液をそのまま10,0
00回転/分で遠心分離して同様に沈澱と上澄を得た。
00回転/分で遠心分離して同様に沈澱と上澄を得た。
次に得られた上澄の濁度を実施例2で示した方法によっ
て観察し,測定した。
て観察し,測定した。
その結果を表6に示す。
(発明の効果) 本発明によれば,例えば,微生物中の蛋白質,特に酵素
を単離し,精製する際の障害となる細胞破砕片及び核酸
を容易に,しかも効率的に除去できるとともに蛋白質を
高回収率で回収することができる。また,操作は極めて
簡便であり,従来法に比べて大量処理に適用し易い点で
工業的な生体成分の単離,精製の前処理法として,その
効果ははかり知れないものがある。
を単離し,精製する際の障害となる細胞破砕片及び核酸
を容易に,しかも効率的に除去できるとともに蛋白質を
高回収率で回収することができる。また,操作は極めて
簡便であり,従来法に比べて大量処理に適用し易い点で
工業的な生体成分の単離,精製の前処理法として,その
効果ははかり知れないものがある。
Claims (1)
- 【請求項1】カチオン系高分子凝集剤を蛋白質,細胞破
砕片及び核酸を含有する細胞破砕液に添加して細胞破砕
片及び核酸を沈澱させ,次いで沈澱させた細胞破砕片及
び核酸を分離して蛋白質を含有する溶液を得ることを特
徴とする細胞破砕液からの蛋白質の分別法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14794386A JPH064033B2 (ja) | 1986-06-23 | 1986-06-23 | 蛋白質の分別法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14794386A JPH064033B2 (ja) | 1986-06-23 | 1986-06-23 | 蛋白質の分別法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS633798A JPS633798A (ja) | 1988-01-08 |
JPH064033B2 true JPH064033B2 (ja) | 1994-01-19 |
Family
ID=15441571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14794386A Expired - Fee Related JPH064033B2 (ja) | 1986-06-23 | 1986-06-23 | 蛋白質の分別法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH064033B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5582988A (en) * | 1994-09-15 | 1996-12-10 | Johnson & Johnson Clinical Diagnostics, Inc. | Methods for capture and selective release of nucleic acids using weakly basic polymer and amplification of same |
JP5132983B2 (ja) * | 2007-05-10 | 2013-01-30 | 三菱レイヨン株式会社 | 生細胞を含有しないタンパク質含有溶液の製造方法 |
JP5172201B2 (ja) * | 2007-05-10 | 2013-03-27 | 三菱レイヨン株式会社 | タンパク質含有溶液の製造方法 |
EP4065594A1 (en) * | 2019-11-27 | 2022-10-05 | 3M Innovative Properties Company | Method for biomaterial purification and kits thereof |
-
1986
- 1986-06-23 JP JP14794386A patent/JPH064033B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS633798A (ja) | 1988-01-08 |
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