JPH07184680A - ペリプラズムタンパク質の回収法 - Google Patents

ペリプラズムタンパク質の回収法

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JPH07184680A
JPH07184680A JP33551593A JP33551593A JPH07184680A JP H07184680 A JPH07184680 A JP H07184680A JP 33551593 A JP33551593 A JP 33551593A JP 33551593 A JP33551593 A JP 33551593A JP H07184680 A JPH07184680 A JP H07184680A
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gram
protein
periplasmic
negative bacteria
microbes
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JP33551593A
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English (en)
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Keita Nishida
圭太 西田
Tatsuo Azuma
辰雄 東
Hidekazu Muranaka
英一 村中
Hitoshi Tarukawa
仁 樽川
Kumiko Sakamaki
久美子 酒巻
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 浸透圧ショック法により大腸菌などのグラム
陰性菌からペリプラズムタンパク質を回収するに際し、
高分子凝集剤を該グラム陰性菌の懸濁液に添加すること
を特徴とする。 【効果】 この方法によれば、高速の遠心分離及び/又
は菌体の凍結融解といった煩雑な操作、又は機械的菌体
破砕というような精製を困難とする操作を行なうことな
く、グラム陰性菌からペリプラズムタンパク質を収率よ
く回収することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラム陰性菌を用いた
有用タンパク質の製造におけるタンパク質の回収法に関
する。
【0002】
【従来の技術】大腸菌などのグラム陰性菌の表層には、
内膜および外膜の二層の生体膜があり、それらの間には
ペリプラズムと呼ばれる間隙が存在する。このペリプラ
ズム間隙には種々のタンパク質が存在することが知ら
れ、それらは総称してペリプラズムタンパク質と呼ばれ
ることがある。
【0003】ペリプラズム間隙は内膜と外膜に仕切られ
ているため、ここに存在するタンパク質はタンパク質分
解酵素による影響を回避できるため一般的に安定であ
る。しかも、該タンパク質を何らかの方法により回収す
れば、細胞質内タンパク質の混入が抑えられるため、細
胞質内タンパク質の精製に比べ、精製を容易にすること
が可能となる。そのため、天然のペリプラズムタンパク
質をそのまま、又は遺伝子組み換え技術により有用タン
パク質をこのペリプラズム間隙に分泌させ、それを回
収、精製することにより目的とする有用タンパク質を効
率的に得ようとする試みが行なわれている。例えば、特
開昭61-92575号公報では、大腸菌のペリプラズム間隙へ
のヒト成長ホルモンの分泌生産及びその回収について、
また、特開昭61−135599号公報では、大腸菌のペリプラ
ズム間隙へのインターフェロン−αの分泌生産について
開示されている。
【0004】グラム陰性菌のペリプラズム間隙に存在す
るタンパク質を回収するに際し、従来よりよく用いられ
ている方法の一つに、浸透圧ショック法がある(J.Bio
l.Chem.,241,3055(1966) )。この方法は概略以下の通
りである。すなわち、まず培養した菌体を遠心分離によ
って集め、これを緩衝化されたスクロース−エチレンジ
アミン四酢酸(以下、EDTAという。)溶液に分散さ
せる。この操作により、外膜は部分的に破壊され、菌体
は浸透圧的に不安定になる。次に、遠心分離することに
より菌体と上清(外膜の破片などを含む液)とに分離す
る。更に得られた菌体を冷水に分散することにより、外
膜は完全に破壊される。更にこれを遠心することにより
外膜の残さと外膜を失った菌体とを沈降させ、上清とし
てペリプラズムタンパク質を含有するペリプラズム画分
を回収し、以降通常のカラムクロマトグラフィーなどに
より目的とする有用タンパク質を得る。
【0005】しかし、この方法では、以下に示すような
いくつかの問題点がある。すなわち、高速の遠心分離
による菌体分離操作が最低3回は必要であり、操作が煩
雑である。遠心分離の処理量の問題から、大量処理を
行なう場合には菌体の凍結融解が必要であり、遠心分離
では大量処理には向かない。分離した菌体は比較的固
いペースト状となるため、これを再び溶液中に分散する
際に、ホモジナイザーなどの装置を用いた強力な撹拌が
必要となり、その結果、菌体の一部が破砕されてしま
い、これがペリプラズムタンパク質への細胞質内タンパ
ク質の混入を招き、後の精製を困難にする。強力な撹
拌を用いるため、菌体と外膜液とを分離する際に、必要
以上に外膜を破壊してしまい、ペリプラズム液に回収さ
れるべきタンパク質を外膜液中にロスすること、などで
ある。
【0006】つまり、遠心分離操作を含む浸透圧ショッ
ク法によるペリプラズムタンパク質の回収には上記の問
題があり、工業的な有用タンパク質の生産にとって必ず
しも満足できるものではなかった。従って、これらの問
題点を克服する技術の開発が要望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大量
処理することが可能でしかも簡便であり、かつ、後の精
製が容易なグラム陰性菌からのペリプラズムタンパク質
の効率的な回収方法を提供することにある。更に詳しく
は、本発明の目的は、高速の遠心分離及び/又は菌体の
凍結融解などの操作を行なうことなく、また、菌体を溶
液に分散するための強力な撹拌操作を必要とせずに、し
かも大量処理をも可能とするペリプラズムタンパク質の
回収法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を行なった結果、浸透圧シ
ョック法を用いてグラム陰性菌からペリプラズムタンパ
ク質を回収するに際して、菌体懸濁液に高分子凝集剤を
添加した場合には菌体の沈降性が非常によく、自然沈
降、低速の遠心分離あるいはフィルター濾過を用いるこ
とにより菌体を集めることができ、容易に該懸濁液から
分離することが可能である。また、集められた菌体は、
ペーストを形成することがないため、穏和な攪拌により
菌体を分散させることができ、以降の精製が大変容易に
なり、結果的に目的タンパク質の収率が向上することを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、グラム陰性菌から浸
透圧ショック法によりペリプラズムタンパク質を回収す
るに際し、高分子凝集剤を該グラム陰性菌の懸濁液に添
加することを特徴とするペリプラズムタンパク質の回収
法である。
【0010】本発明において、高分子凝集剤の作用はお
おむね次のように考えられる。すなわち、高分子凝集剤
が、菌体の表面電荷を中和するように作用し、菌体を吸
着する。一つの高分子鎖はいくつかの菌体を吸着し、高
分子鎖どうしが結合して架橋することにより、凝集が起
こると考えられる。
【0011】本発明の方法で用いられる高分子凝集剤と
しては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性のものが
挙げられるが、これらはいずれを用いてもよく、更に
は、二種以上を併用することも可能である。しかしなが
ら、菌体は溶液中で負に荷電することが多いことから、
特にカチオン性高分子凝集剤を用いることが好ましい。
【0012】また、高分子凝集剤の添加量は、凝集剤の
種類によって多少の差があるが、菌体懸濁液に対し、通
常、 0.002〜0.03重量%、好ましくは 0.005〜0.02重量
%の範囲である。高分子凝集剤の添加量が 0.002重量%
未満では、菌体の沈降が遅く実用的でない場合が多い。
また、0.03重量%を越えて使用した場合には、高分子凝
集剤が逆に分散剤として作用してしまい、凝集を起こさ
せることができなくなることもあるので好ましくない。
更に、高分子凝集剤の形態は溶液状であるものがよく、
より好ましくは水溶液として用いる。
【0013】本発明の方法で使用可能なグラム陰性菌と
しては、ハロバクテリウム属細菌、シュードモナス属細
菌、アセトバクター属細菌、アゾトバクター属細菌、カ
ウロバクター属細菌などが挙げられるが、扱いやすさの
点から特に大腸菌が好ましい。また、本発明におけるグ
ラム陰性菌は、天然のものでも、遺伝子組み換え手法に
より異種あるいは同種タンパク質の遺伝子が組み込まれ
たものでも使用可能である。
【0014】本発明において、ペリプラズムタンパク質
とは、本来天然の菌体のペリプラズム中に存在するもの
のほか、遺伝子操作によりペリプラズム間隙中に分泌生
産されるようになったタンパク質を指し、例えば、アル
カリ性フォスファターゼ、ヌクレオチダーゼ、あるいは
アスパラギナーゼなどの各種酵素、成長ホルモン、イン
シュリン、コロニー刺激因子、インターロイキン、細胞
成長因子あるいはインターフェロンなどが挙げられ、こ
れらに限られずペリプラズム中に存在するものであれば
広い範囲のタンパク質が適応可能である。
【0015】以下、本発明におけるグラム陰性菌からタ
ンパク質を回収する方法を具体的に説明する。本発明の
方法では、まずグラム陰性菌を通常の方法で培養した
後、培養液を菌体の懸濁液とする。この懸濁液に高分子
凝集剤の所定量を添加し、撹拌する。このとき、高分子
凝集剤は菌体を吸着、架橋し、菌体の凝集物を形成する
ため沈降しやすくなる。この懸濁液を静置することによ
り菌体は自然沈降することが多い。必要な静置時間は菌
体の種類により異なるが、通常は5〜30分程度である。
懸濁液のpHについては、高分子凝集剤の種類により異
なるが、凝集剤が凝集作用を有し、かつ目的とするペリ
プラズムタンパク質の活性に影響を与えない範囲であれ
ばよい。
【0016】次いで、この懸濁液の上清を抜き取ること
により、沈降した菌体を分離し、分離して得た菌体を、
通常の浸透圧ショック法と同様に、緩衝化されたスクロ
ース−EDTA溶液に分散する。この操作により菌体の
外膜の部分的破壊がおこる。本発明の方法では、分離し
た菌体がペーストを形成しないため、通常の浸透圧ショ
ック法のようにホモジナイザーなどの菌体破砕を目的と
した装置を用いる必要はなく、マグネティック・スター
ラー、スリーワンモーターなどを用いる穏和な撹拌で行
なうことが十分可能である。
【0017】その後、分散した液を静置することにより
菌体を自然沈降させ、上清(外膜液)との分離を行な
い、菌体を得る。この場合における必要な静置時間につ
いても菌体の種類により異なるが、通常は5〜30分程度
である。更に通常の浸透圧ショック法に準じ、上記操作
で得られた菌体を冷水に分散することによって外膜がほ
ぼ完全に破壊される。次いで、上記溶液を静置すること
により外膜の残さと外膜を失った菌体を自然沈降させ、
上清として存在するペリプラズム画分を回収する。この
ときの分散方法についても通常の浸透圧ショック法のよ
うにホモジナイザーなどの菌体破砕を目的とした装置を
用いる必要はなく、マグネティック・スターラー、スリ
ーワンモーターなどを用いた穏和な撹拌で十分である。
以上のようにして回収したペリプラズム画分は、カラム
クロマトグラフィーなどの手法を用いて精製することに
より純品のペリプラズムタンパク質とすることが可能で
ある。
【0018】また、上記した方法とは別に、本発明では
以下に示す方法でも実施可能である。すなわち、上記方
法において、菌体懸濁液、菌体のスクロース−EDTA
溶液分散液、菌体の冷水分散液から菌体を分離する際
に、低速の遠心分離機を用いることもできる。ほかの操
作については、上記方法と変更はない。この場合に用い
る低速の遠心分離の操作条件としては、通常 200〜4000
×Gで5〜20分、好ましくは 700〜2500×Gで10〜15分
の範囲である。
【0019】更に、上記した方法の他に、以下に示す方
法によっても本発明は実施可能である。すなわち、上記
方法において菌体懸濁液、菌体のスクロース−EDTA
溶液分散液、菌体の冷水分散液から菌体を分離する際
に、フィルター濾過を用いる方法である。その他の操作
については、上記方法と変更はない。この際に用いるこ
とのできるフィルターとしては、平膜型、管状型、スパ
イラル型などがあり、いずれを用いてもよい。また、フ
ィルターの材質としては、セルロース系、ポリスルフォ
ン、ポリフッ化エチレン系、ナイロンなどが挙げられる
が、目的とするタンパク質が吸着しないものであればい
ずれを用いてもよい。
【0020】ところで、高分子凝集剤の凝集作用を利用
した技術分野では、排水処理における水の清澄化がある
が、この分野においては、排水中の不純物を沈澱として
除去することのみを目的としているため、排水のpH、
塩濃度、温度などの条件は高分子凝集剤が凝集作用を有
する範囲で用いればよいことが多い。一方、本発明の方
法においては菌体を沈澱として回収し、そこから目的と
するタンパク質を回収するため、高分子凝集剤が凝集作
用を有する条件に加えて、タンパク質の活性を損なわな
い条件を設定する必要がある。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、本発明の方法はこれらの範囲に何ら限定さ
れるものではない。
【0022】実施例1 大腸菌N4830(ファルマシア社製)を2×LB(L
B:ルリアブロス)培地で培養した。ここで得た培養液
2.5lit にポリアクリルアミド系カチオン性凝集剤アコ
フロックC−483H(商品名;三井サイアナミッド
(株)社製) 0.1%(w/v)水溶液を 200ml添加し、
250rpm で5分間撹拌後、5分間静置することにより菌
体を沈降させた。このときの懸濁液のpHは 8.4であっ
た。次いで上清を 2.4 lit抜き取り、残った菌体に全量
が1lit になるように20%(w/v)スクロース−30mM
トリス塩酸バッファー(pH 7.1)を加え、50rpm で3
分間撹拌の後、10分間静置することにより菌体を沈降さ
せ、上清を 650ml抜き取った。次に、1mMのEDTAを
含む20%(w/v)スクロース−30mMトリス塩酸バッフ
ァーを全量が1lit となるように加え、50rpm で3分撹
拌後、10分間静置することにより菌体を沈降させた。上
清を 700ml抜き取り(外膜液)、冷水を全量が600mlに
なるように加え、50rpm で10分間の4℃の条件下での撹
拌後、20分間静置し、上清としてペリプラズム液を得
た。表1に1gの大腸菌から得られた総目的タンパク質
量、ペリプラズム液中の目的タンパク質量及びペリプラ
ズム液への回収率を示した。なお、タンパク質の定量に
は、ELISA(Enzyme Linked ImmunoSolvent Assay
)を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 実施例1に使用したものと同じ培養液 200mlにポリアク
リルアミド系カチオン性凝集剤アコフロックC−483
H(商品名;三井サイアナミッド(株)社製)0.1%
(w/v)水溶液を20ml添加し、250rpmで5分間撹拌
後、10分間静置することにより菌体を沈降させた。この
ときの上清を 150ml抜き取り、残った菌体に全量が 150
mlとなるように20%(w/v)スクロース−30mMトリス
塩酸バッファー(pH 7.1)を加える。 50rpmで5分間
撹拌の後、15分間静置することにより菌体を沈降させ、
上清を60ml抜き取った。次に、1mMのEDTAを含む20
%(w/v)スクロース−30mMトリス塩酸バッファーを
全量が 150mlとなるように加え、50rpm で10分間撹拌
後、1500×Gで10分間遠心を行なうことにより菌体を沈
降させた。上清を 130ml抜き取り(外膜液)、冷水を全
量が40mlになるように加え、50rpm で30分の4℃の条件
下での撹拌、その後の1500×Gで10分間の遠心の後、上
清としてペリプラズム液を得た。表2に1gの大腸菌か
ら得られた総目的タンパク質量、ペリプラズム液中の目
的タンパク量及びペリプラズム液への回収率を示した。
なお、タンパク質の定量には、ELISA(Enzyme Lin
ked ImmunoSolvent Assay )を用いた。
【0025】
【表2】
【0026】実施例3 実施例1に使用したものと同じ培養液 200mlにポリアク
リルアミド系カチオン性凝集剤アコフロックC−483
H(商品名;三井サイアナミッド(株)社製)0.1%
(w/v)水溶液を20ml添加し、数分間撹拌の後、撹拌
を止め菌体を沈降させる。3分後、上清をおよそ 200ml
抜き取り、20%(w/v)スクロース−30mMトリス塩酸
バッファーを全量が 100mlになるように加える。3分間
撹拌後、菌体を沈降させ上清約80mlを抜き取り、1mMの
EDTAを含む20%(w/v)スクロース−30mMトリス
塩酸バッファー(pH 7.1)を全量が 100mlになるよう
に加えた。3分間撹拌の後、5分間静置することにより
菌体を沈降させ上清(外膜液)75mlを抜き取る。全量が
50mlになるように冷水を加え、4℃の条件下にて10分撹
拌の後、1500×Gの遠心分離を10分行ない、遠心上清を
ペリプラズム液として得た。大腸菌1g当たりのペリプ
ラズム液及び外膜液中の目的タンパク量、ペリプラズム
液への目的タンパク質の回収率を表3に示した。なお、
タンパク質の定量には、ELISA(Enzyme Linked Im
munoSolvent Assay )を用いた。
【0027】比較例1 実施例1に使用したものと同じ培養液 200mlを遠心分離
機を用いて 10000×Gで20分間遠心分離し、約4gの菌
体のペーストを得た。次いでここで得た菌体に対して5
倍量の1mMのEDTAを含む20%(w/v)スクロース
−30mMトリス塩酸バッファー(pH 7.1)を加え、ホモ
ジナイザーを用いて10分間懸濁した。これを 25000×G
で10分間遠心し、得られた菌体に対して5倍量の冷水に
ホモジナイザーを用いて菌体を懸濁した。これを 25000
×Gで20分間遠心し、遠心上清をペリプラズム液として
得た。大腸菌1g当たりのペリプラズム液及び外膜液中
の目的タンパク量、ペリプラズム液への目的タンパク質
の回収率を表3に示した。タンパク質の定量には、EL
ISA(Enzyme Linked ImmunoSolvent Assay )を用い
た。なお、このときの培養液中の大腸菌は、静置しても
沈降しなかった。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】以上、示したように、本発明において
は、高分子凝集剤を用いて菌体を沈降させ、そこから有
用なタンパク質を共存タンパク量が少ない状態で、かつ
収率よく得ることが可能である。したがって、本発明に
よれば、高速の遠心分離及び/又は菌体の凍結融解とい
った煩雑な操作、更に機械的菌体破砕といった精製を困
難にする操作なしにペリプラズムタンパク質を収率よく
回収できるため、工業的なスケールのペリプラズムタン
パクの回収も対応可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽川 仁 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 酒巻 久美子 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラム陰性菌から浸透圧ショック法によ
    りペリプラズムタンパク質を回収するに際し、高分子凝
    集剤を該グラム陰性菌の懸濁液に添加することを特徴と
    するペリプラズムタンパク質の回収法。
  2. 【請求項2】 自然沈降によりグラム陰性菌を分離する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回収法。
  3. 【請求項3】 高分子凝集剤がカチオン性高分子凝集剤
    である請求項1又は2に記載の回収法。
  4. 【請求項4】 グラム陰性菌が大腸菌である請求項1,
    2,又は3に記載の回収法。
JP33551593A 1993-12-28 1993-12-28 ペリプラズムタンパク質の回収法 Pending JPH07184680A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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