JP4857606B2 - 光学活性シクロプロパンカルボン酸の製造方法 - Google Patents

光学活性シクロプロパンカルボン酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学活性シクロプロパンカルボン酸の製造法に関する。
一般式 化1
Figure 0004857606
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表す。]
で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸は、殺虫効力を有するいわゆる合成ピレスロイドと総称されるエステルの酸成分の中間体である。
当該シクロプロパンカルボン酸にはそのC1位及びC3位に不斉炭素が存在し、4種の異性体が存在する。このような各異性体により酸成分を構成するピレスロイドの殺虫効力は対象害虫、製剤形の種類等によって異なる。
一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の製法については、酵素法として微生物が有する、シクロプロパンカルボン酸のラセミエステル不斉加水分解能力を利用する方法(例えば、特許文献1参照)が提案され、さらに高活性変異微生物が有する当該能力を利用する方法(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照)、さらには遺伝子組換え体微生物が有する当該能力を利用する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。これらの方法はシクロプロパンカルボン酸ラセミエステル加水分解における異性体選択性が高く(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を得る有用な方法である。
特開昭59−210892号公報 Agric. Biol.Chem. 1991 55(11)2865−70 特開平4−234991号公報 特開平5−56787号公報
しかしながら、上記の加水分解反応においては生成するシクロプロパンカルボン酸により反応系中のpHが低下する。このpH低下により加水分解速度が低下し、反応効率が低下する。上記の既存の方法においてはpH緩衝液の使用や反応中に水酸化ナトリウム溶液を徐々に添加することにより、当該pH低下を防ぐ方法が用いられているが、その生産性は必ずしも充分満足できるものとは言い難かった。
本発明者らは、このような状況の下、酵素法として微生物が有する酵素の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸ラセミエステル不斉加水分解能力を利用する工業的に有利な一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の製造方法等について鋭意検討を重ねた結果、反応系中にアンモニアを添加して、当該酵素若しくは当該酵素を産生する微生物等を一般式 化2シクロプロパンカルボン酸エステルに作用させることにより、反応系中での(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の生成濃度が増加し、容積効率が改善され、生産性が大幅に向上しうることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の製造方法であり、一般式 化2
Figure 0004857606
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表し、RはC1〜C4アルキル基を表す。]
で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルに、当該エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物を作用させる反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加し、当該反応系中に(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程を有することを特徴とする方法(以下、本発明製造方法と記すこともある。);
2.一般式 化3
Figure 0004857606
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表す。]
で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の取得方法であり、一般式 化4
Figure 0004857606
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表し、RはC1〜C4アルキル基を表す。]
で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルに、当該エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物を作用させる反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加し、当該反応系中に(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程、及び、前記反応系中に生成した(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸と前記反応系中に残存する未反応の前記シクロプロパンカルボン酸エステルとを分離し、当該反応系中から(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を回収する工程を有することを特徴とする方法(以下、本発明取得方法と記すこともある。);
3.アンモニウム塩が、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム又はギ酸アンモニウムであることを特徴とする前項1又は2記載の方法;
4.アンモニアがアンモニアガス又はアンモニア水溶液であることを特徴とする前項1又は2記載の方法;
5.反応系中に(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程において、pH調節剤としての水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を反応中に添加する工程を同時に行うことを特徴とする前項1〜4のいずれかの前項記載の方法;
6.一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物が、前記能力を人為的に付与されてなる組み換え体微生物又はその死菌化細胞であることを特徴とする前項1〜5のいずれかの前項記載の方法;
7.組み換え体微生物が、一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するプラスミドが導入されてなる組み換え体微生物であることを特徴とする前項1〜5のいずれかの前項記載の方法;
8.組み換え体微生物が、大腸菌であることを特徴とする前項6又は7記載の方法;
9.一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素が、下記のアミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素であることを特徴とする前項1〜8のいずれかの前項記載の方法
<アミノ酸配列群>
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
(c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
(d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
(e)アルスロバクター属に属する微生物由来の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列;
10.一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素が、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する酵素であることを特徴とする前項1〜8のいずれかの前項記載の方法;
11.一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素が、配列番号2で示される塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有する酵素であることを特徴とする前項1〜8のいずれかの前項記載の方法;
等を提供するものである。
本発明により、優れた殺虫効力を有するいわゆる合成ピレスロイドと総称されるエステルの酸成分の中間体として有用な一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の生産性を大幅に向上させることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明製造方法は、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステル(以下、本エステルと記すこともある。)に、本エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸(以下、本カルボン酸と記すこともある)を生成させる能力を有する酵素(以下、本酵素と記すこともある。)若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物(以下、総じて本生物的触媒と記すこともある。)を作用させる反応系に、アンモニウム塩又はアンモニアを添加し、当該反応系中に(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程を有することを特徴とする光学活性シクロプロパンカルボン酸の製造法に関する。
一般式 化1及び化2におけるR1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルのいずれかから選ばれるものでよく、R1及びR2が、同一又は異なり、水素、メチル又はクロルが好適である。
一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルにおけるR3は、C1〜C4アルキル基から選ばれるものでよく、メチル又はエチルが好適である。
反応系に添加するアンモニウム塩としては、アンモニウムを含む塩であればいかなるものでもよいが、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。また、反応系に添加するアンモニアとしては、例えば、アンモニアガス、アンモニア水溶液(アンモニア濃度:1〜50%、好ましくは5〜35%)等が挙げられる。これらのアンモニウム塩又はアンモニアを添加する場合における反応系中の濃度は、0.1〜20%の範囲であればよいが、好ましくは0.2〜10%である。
反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加するには、反応前に予め反応系に添加してもよく、また反応中に反応系に添加してもよい。好ましくは、前者が挙げられる。尚、後者の場合には、反応中のpH調節剤としても機能することになる。
反応中のpH調節剤としては、通常、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液等の金属塩水酸化物の水溶液を挙げることができる。反応系中のpH調節におけるpHは、反応が進行する範囲内で適宜変化させることができるが、例えば、pH4〜11を挙げることができる。好ましくはpH7〜10が挙げられる。
反応は、水の存在下で行われる。水は緩衝液の形態であってもよく、この場合に用いられる緩衝剤としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属塩が挙げられる。
尚、緩衝液を溶媒として用いる場合には、その量は当該シクロプロパンカルボン酸エステル1重量部に対して、通常、1〜300重量倍、好ましくは2〜100重量倍である。
反応に際しては、本シクロプロパンカルボン酸エステルを反応系内に連続又は逐次加えてもよい。尚、当該反応中は、本シクロプロパンカルボン酸エステルと本生物的触媒とがよく混合するように、攪拌又は振とう等の操作を用いることがよい。
反応温度としては、本酵素若しくは当該酵素を産生する微生物、又はそれらの処理物に含まれた本酵素の安定性、反応速度等の点から20〜70℃程度を挙げることができる。好ましくは、約30〜60℃が挙げられる。
反応は、水の他に有機溶媒の共存下に行うこともできる。この場合に用いられる有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、デカン等の炭化水素類、t−ブタノール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に使用する有機溶媒の量としては、本シクロプロパンカルボン酸エステルに対して、通常、100重量倍以下を挙げることができる。好ましくは70重量倍以下が挙げられる。
反応の進行は、例えば、反応液中の原料化合物の存在量を液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等により追跡することにより決定することができる。反応時間の範囲としては、通常、5分間〜10日間、好ましくは30分間〜4日間の範囲を挙げることができる。
反応終了後は、触媒として酵素や微生物等を使用して化合物を製造する方法において通常用いられる化合物の分割方法及び回収方法(例えば、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィ−、分別蒸留等)により目的物を採取すればよい。
例えば、まず反応液をヘキサン、ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、エ−テル、トルエン等の有機溶媒で未反応のエステルを抽出することにより、当該エステルを分割・回収する。必要に応じて抽出操作で用いられた有機層を乾燥した後、濃縮物として当該化合物を回収することができる。次いで水層をろ過した後、塩酸、硫酸等の無機酸又は酢酸等の有機酸を加えてpHを酸性とし、ヘキサン、ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、エ−テル、トルエン等の有機溶媒で目的とするシクロプロパンカルボン酸を抽出することにより、当該カルボン酸を分割・回収する。さらに分割・回収されたカルボン酸は、必要に応じて抽出操作で用いられた有機層を乾燥した後、濃縮物として当該化合物を回収することができる。回収された化合物は、さらに必要に応じて、カラムクロマトグラフィー等により高度に精製することもできる。尚、上記の分割・回収工程の一部として、上記抽出操作の前に、例えば、上記反応液を濾過又は遠心分離等の処理により不溶物を除去する操作を実施してもよい。
因みに、未反応のエステルは、ラセミ化等の処理を施した後、本発明取得方法における原料として再利用することができ、また、目的により、これを加水分解等の処理を施した後、ピレスロイドエステルに導くこともできる。
本発明で用いられる酵素は、本エステルを不斉加水分解して(その結果として(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸とそのジアステレオマーのエステルとに分割することにより)、本カルボン酸を生成させる能力を有する酵素である。このような酵素は、本酵素を産生する微生物等から通常の生化学的な手法や遺伝子工学的な手法等を利用して調製することができる。例えば、本酵素を産生する微生物が組み換え体微生物である場合には、当該微生物としては、本エステルを不斉加水分解して(その結果として本カルボン酸とそのジアステレオマーのエステルとに分割することにより)、本カルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するプラスミドが導入されてなる形質転換体(以下、本形質転換体と記すこともある。)等を挙げることができる。また、本酵素を産生する微生物が非形質転換体(即ち、前記能力が人為的に付与されていないにも係わらず、予め当該能力を有する微生物)である場合には、当該非形質転換体としては、市販の微生物又は土壌等から前記能力を指標にしてスクリーニングすることにより単離された微生物等が挙げられる。このような微生物の例としては、アルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物等を挙げることができる。
このような微生物の具体的な例としては、例えば、アルスロバクタ−(Arthrobacter)SC−6−98−28株(FERM BP−3658;特開平4−234991号公報に記載されるFERM P−11851号に基づき国際寄託へ移管された微生物)等を挙げることができる。また当該微生物が産生する本酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子が導入されてなる形質転換体(例えば、特開平5−56787号公報参照)も挙げられる。
本酵素を産生する微生物が非形質転換体(即ち、前記能力が人為的に付与されていないにも係わらず、予め当該能力を有する微生物)である場合において、本酵素を当該微生物に産生させるには、通常、滅菌された液体培地(pH:約6〜8の範囲)に当該微生物を接種し、約20〜40℃で約1〜8日間、好気条件下で培養するとよい。勿論、培養中に培地を加えるような流加培養法を用いてもよい。尚、詳細な培養方法は、後述する「本形質転換体の培養」に関する説明において記載された方法に準じた方法であればよい。
本エステルを不斉加水分解して(その結果として本カルボン酸とそのジアステレオマーのエステルとに分割することにより)、本カルボン酸を生成させる能力の具体的な例としては、例えば、下記のアミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有するエステラーゼが有する能力を挙げることができる。
<アミノ酸配列群>
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示される)シクロプロパンカルボン酸エステル(即ち、本エステル)を不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
(c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
(d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパン−カルボン酸エステル(即ち、本エステル)を不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
(e)アルスロバクター属に属する微生物由来の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステル(即ち、本エステル)を不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
前記組み換え体微生物を作製する際に用いられる、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素(即ち、本酵素)のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、本酵素遺伝子と記すこともある。)は、(1)天然に存在する遺伝子の中からクローニングされたものであってもよいし、(2)天然に存在する遺伝子であっても、このクローニングされた遺伝子の塩基配列において、その一部の塩基の欠失、置換又は付加が人為的に導入されてなる遺伝子(即ち、天然に存在する遺伝子を変異処理(部分変異導入法、突然変異処理等)を行ったものであってもよいし、(3)人為的に合成されたものであってもよい。
ここで、前記(b)にある「アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」や前記(d)にある「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列」には、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する酵素が細胞内で受けるプロセシング、該酵素が由来する生物の種差、個体差、組織間の差異等により天然に生じる変異や、人為的なアミノ酸の変異等が含まれる。
前記(b)にある「(アミノ酸が)欠失、置換若しくは付加(された)」(以下、総じてアミノ酸の改変と記すこともある。)を人為的に行う場合の手法としては、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するポリヌクレオチドに対して慣用の部位特異的変異導入を施し、その後このポリヌクレオチドを常法により発現させる手法が挙げられる。ここで部位特異的変異導入法としては、例えば、アンバー変異を利用する方法(ギャップド・デュプレックス法、Nucleic Acids Res.,12,9441-9456(1984))、変異導入用プライマーを用いたPCRによる方法等が挙げられる。
前記で改変されるアミノ酸の数については、少なくとも1残基、具体的には1若しくは数個、又はそれ以上である。かかる改変の数は、本エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する本カルボン酸を生成させる能力を見出すことのできる範囲であればよい。
また前記欠失、置換若しくは付加のうち、特にアミノ酸の置換に係る改変が好ましい。当該置換は、疎水性、電荷、pK、立体構造上における特徴等の類似した性質を有するアミノ酸への置換がより好ましい。このような置換としては、例えば、(1)グリシン、アラニン;(2)バリン、イソロイシン、ロイシン;(3)アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;(4)セリン、スレオニン;(5)リジン、アルギニン;(6)フェニルアラニン、チロシンのグループ内での置換が挙げられる。
本発明において「(アミノ酸が)欠失、置換若しくは付加(された)」には、例えば、2つの蛋白質間のアミノ酸配列に関する高い配列同一性(具体的には、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配列同一性)が存在している必要がある。また「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」には2つのDNA間の塩基配列に関する配列同一性(具体的には、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配列同一性)が存在している必要がある。
ここで「配列同一性」とは、2つのDNA又は2つの蛋白質間の配列の同一性及び相同性をいう。前記「配列同一性」は、比較対象の配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの配列を比較することにより決定される。ここで、比較対象のDNA又は蛋白質は、2つの配列の最適なアラインメントにおいて、付加又は欠失(例えばギャップ等)を有していてもよい。このような配列同一性に関しては、例えば、Vector NTIを用いて、ClustalWアルゴリズム(Nucleic Acid Res.,22(22):4673-4680(1994)を利用してラインメントを作成することにより算出することができる。尚、配列同一性は、配列解析ソフト、具体的にはVector NTI、GENETYX-MACや公共のデータベースで提供される解析ツールを用いて測定される。前記公共データベースは、例えば、ホームページアドレスhttp://www.ddbj.nig.ac.jpにおいて、一般的に利用可能である。
前記(d)にある「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」に関して、ここで使用されるハイブリダイゼーションは、例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)に記載される方法や、「クローニングとシークエンス」(渡辺格監修、杉浦昌弘編集、1989年、農村文化社発行)に記載されているサザンハイブリダイゼーション法等の通常の方法に準じて行うことができる。また「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、6×SSC(900mM NaCl、90mM クエン酸三ナトリウムを含む溶液。尚ここでは、NaCl175.3g、クエン酸三ナトリウム88.2gを含む溶液を水800mlで溶解し、10N NaOHでpHを調製した後、全量を1000 mlとした溶液を20×SSCとする。)中で65℃にてハイブリッドを形成させた後、2×SSCで50℃にて洗浄するような条件(Molecular Biology, John Wiley & Sons, N. Y. (1989), 6.3.1-6.3.6)等を挙げることができる。洗浄ステップにおける塩濃度は、例えば、2×SSCで50℃の条件(低ストリンジェンシーな条件)から0.1×SSCで65℃までの条件(高ストリンジェンシーな条件)から選択することができる。洗浄ステップにおける温度は、例えば、室温(低ストリンジェンシーな条件)から65℃(高ストリンジェンシーな条件)から選択することができる。また、塩濃度と温度の両方を変えることもできる。
本酵素遺伝子は、例えば、下記のような調製方法に準じて調製すればよい。
アルスロバクター属に属する微生物等から通常の遺伝子工学的手法に準じて染色体DNAを調製し、調製された染色体DNAを鋳型として、かつ適切なプライマーを用いてPCRを行うことにより、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチド、配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチド、配列番号2で示される塩基配列を有するポリヌクレオチド等を増幅して本酵素遺伝子を調製する。
ここでアルスロバクター属に属する微生物由来の染色体DNAを鋳型として、かつ配列番号3で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号4で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーに用いてPCRを行う場合には、配列番号2で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドを増幅して本酵素遺伝子を調製することになる。
当該PCRの条件としては、例えば、4種類のdNTPを各々20μM、2種類のオリゴヌクレオチドプライマーを各々15pmol、Taqpolymeraseを1.3U及び鋳型となるcDNAライブラリーを混合した反応液を97℃(2分間)に加熱した後、97℃(0.25分間)−50℃−(0.5分間)−72℃(1.5分間)のサイクルを10回、次いで97℃(0.25分間)−55℃(0.5分間)−72℃(2.5分間)のサイクルを20回行い、さらに72℃で7分間保持する条件が挙げられる。
尚、当該PCRに用いるプライマーの5’末端側には、制限酵素認識配列等を付加していてもよい。
上記のようにして増幅されたDNAを、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338-X等に記載されている方法に準じてベクターにクローニングして組換ベクターを得ることができる。用いられるベクターとしては、具体的には、例えば、pUC119(宝酒造社製)、pTV118N(宝酒造社製)、pBluescriptII (東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99A(Pharmacia社製)、pKK223-3(Pharmacia社製)等が挙げられる。このようにしてベクターに組み込んだ形態で本酵素遺伝子を調製すれば、後の遺伝子工学的手法における使用において便利である。
本形質転換体を調製する方法としては、例えば、本酵素遺伝子及び宿主細胞で機能可能なプロモーターが機能可能な形で接続されてなるDNAのような、本酵素遺伝子が宿主細胞中で発現できるような組換プラスミド(例えば、プロモーター、ターミネーター等の発現制御に関わる領域を本酵素遺伝子に連結して組換プラスミドを構築したり、ラクトースオペロンのような複数のシストロンを含むオペロンとして発現させるような組換プラスミド)を作製し、これを宿主細胞に導入することにより作製する方法等が挙げられる。さらに、本酵素遺伝子を宿主細胞の染色体中に導入する方法も利用することができる。
上記の組換プラスミドとしては、例えば、宿主細胞中で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖できるものであって、宿主細胞からの単離・精製が容易であり、宿主細胞中で機能可能なプロモーターを有し、検出可能なマーカーを持つ発現ベクターに、本酵素をコードする遺伝子が機能可能な形で導入されたものを好ましく挙げることができる。尚、発現ベクターとしては、各種のものが市販されている。
ここで、「機能可能な形で」とは、上記の組換プラスミドを宿主細胞に導入することにより宿主細胞を形質転換させた際に、本酵素遺伝子が、プロモーターの制御下に発現するようにプロモーターと結合された状態にあることを意味する。プロモーターとしては、大腸菌のラクトースオペロンのプロモーター、大腸菌のトリプトファンオペロンのプロモーター、又は、tacプロモーター若しくはtrcプロモーター等の大腸菌内で機能可能な合成プロモーター等を挙げることができる。またコリネバクテリウム・シュードジフテリティカム、ペニシリウム・シトリナム、バシラス・メガテリウムにおいて本酵素遺伝子の発現を制御しているプロモーターを利用してもよい。
また発現ベクターとしては、選択マーカー遺伝子(例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等の抗生物質耐性付与遺伝子等)を含むベクターを用いると、当該ベクターが導入された形質転換体を当該選択マーカー遺伝子の表現型等を指標にして容易に選択することができる。
さらなる高発現を導くことが必要な場合には、本酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子の上流にリボゾーム結合領域を連結してもよい。用いられるリボゾーム結合領域としては、Guarente L.ら(Cell 20, p543)や谷口ら(Genetics of Industrial Microorganisms, p202, 講談社)による報告に記載されたものを挙げることができる。
宿主細胞としては、原核生物(例えば、Escherichia属、Bacillus属、Corynebacterium属、Staphylococcus属、Streptomyces属)若しくは真核生物(例えば、Saccharomyces属、Kluyveromyces属、Aspergillus属)である微生物細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞等を挙げることができる。例えば、本形質転換体の大量調製が容易になるという観点では、大腸菌等を好ましく挙げることができる。
本酵素が宿主細胞中で発現できるようなプラスミドを宿主細胞に導入する方法としては、用いられる宿主細胞に応じて通常使われる導入方法であればよく、例えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc. ISBNO-471-50338-X等に記載される塩化カルシウム法や、「Methods in Electroporation:Gene Pulser /E.coli Pulser System」 Bio-Rad Laboratories, (1993)等に記載されるエレクトロポレーション法等を挙げることができる。
宿主細胞において本酵素遺伝子が宿主細胞中で発現できるようなプラスミドが導入された形質転換体を選抜するには、前記の如く、例えば、ベクターに含まれる選択マーカー遺伝子の表現型を指標にして選抜すればよい。
プラスミドが導入された宿主細胞(即ち、形質転換体)が本酵素遺伝子を保有していることは、例えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press等に記載される通常の方法に準じて、制限酵素部位の確認、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、ウエスタンハイブリダイゼーション等を行うことにより、確認することができる。
本形質転換体の培養は、微生物培養、昆虫細胞若しくは哺乳動物細胞の培養に使用される通常の方法によって行うことができる。例えば大腸菌の場合、適当な炭素源、窒素源及びビタミン等の微量栄養物を適宜含む培地中で培養を行う。培養方法としては、固体培養、試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメンター(Jar Fermenter)培養、タンク培養等の液体培養のいずれの方法でもよく、好ましくは、通気撹拌培養法等の液体培養を挙げることができる。
培養温度は、本形質転換体が生育可能な範囲で適宜変更できるが、通常約10〜50℃、好ましくは約20〜40℃である。
培地のpHは約6〜8の範囲が好ましい。
培養時間は、培養条件によって異なるが通常約1日〜約5日が好ましい。
本形質転換体を培養するための培地としては、例えば、微生物等の宿主細胞の培養に通常使用される炭素源や窒素源、有機塩や無機塩等を適宜含む各種の培地を用いることができる。
炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロール等の糖アルコール、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動物油、植物油及び糖蜜が挙げられる。これらの炭素源の培地への添加量は培養液に対して通常0.1〜30%(w/v)程度である。
窒素源としては、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、アミノ酸類、硝酸ナトリウム等の無機酸のアンモニウム塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩及び尿素が挙げられる。これらのうち有機酸のアンモニウム塩、天然有機窒素源、アミノ酸類等は多くの場合には炭素源としても使用することができる。これらの窒素源の培地への添加量は培養液に対して通常0.1〜30%(w/v)程度である。
有機塩や無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びリン酸塩を挙げることができる。具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素一カリウム及びリン酸水素二カリウムが挙げられる。これらの有機塩及び/又は無機塩の培地への添加量は培養液に対して通常0.0001〜5%(w/v)程度である。
さらに、tacプロモーター、trcプロモーター及びlacプロモーター等のアロラクトースで誘導されるタイプのプロモーターと、本酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子とが機能可能な形で接続されてなるDNAが導入されてなる形質転換体の場合には、本酵素の生産を誘導するための誘導剤として、例えば、isopropyl thio-β-D-galactoside(IPTG)を培地中に少量加えることもできる。
このような形質転換体である前記組み換え微生物の取得は、例えば、前記の培養により得られた培養物を遠心分離等により形質転換体を沈殿物として回収すればよい。必要に応じて、回収前に当該形質転換体を、例えば、100mMリン酸1カリウム−リン酸2カリウムバッファー(pH6.5)等の緩衝液等を用いて洗浄してもよい。
本酵素を前記の培養により得られた培養物から精製することができる。その方法としては、通常一般の酵素の精製において使用される方法を適用することができ、具体的には例えば、次のような方法を挙げることができる。
まず、微生物の培養物から遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処理、ガラスビーズ処理、ダイノミル処理、フレンチプレス処理等の物理的破砕方法又はリゾチーム等の菌体溶菌酵素処理等によって破砕する。得られた破砕液から遠心分離、メンブレンフィルターろ過等により不溶物を除去して無細胞抽出液を調製し、これを陽イオン交換クラマトグラフィー、陰イオン交換クラマトグラフィー、疎水クラマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー等の分離精製方法を適宜用いて分画することによって本酵素を精製することができる。例えば、カルボキシルメチル(CM)基、DEAE基、フェニル基、又はブチル基等が導入されたセルロース、デキストラン又はアガロース等の樹脂担体が挙げられる。市販の担体充填済みカラムを用いることができ、例えば、Hiload 16/10 Q Sepharose HP、Phenyl-Sepahrose HP(商品名、いずれもアマシャム ファルマシア バイオテク社製)、TSK−gel G3000SW(商品名、東ソー社製)等が挙げられる。
本発明製造方法では、本エステルを不斉加水分解して(その結果として本カルボン酸とそのジアステレオマーのエステルとに分割することにより、)本カルボン酸を生成させる能力を有する触媒として、本エステルを不斉加水分解して(その結果として本カルボン酸とそのジアステレオマーのエステルとに分割することにより、)本カルボン酸を生成させる能力を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物が使用される。中でも、本エステルを不斉加水分解して(その結果として本カルボン酸とそのジアステレオマーのエステルとに分割することにより)、本カルボン酸を生成させる能力が人為的に付与されてなる形質転換体又はその死菌化細胞が好ましく使用される。
これら触媒を反応に用いる形態には、例えば、(1)培養液をそのまま用いる形態、(2)培養液の遠心分離等により菌体を集め、集められた菌体を緩衝液若しくは水で洗浄することにより得られた湿菌体を用いる形態、等の培養により得られた微生物の菌体をそのまま用いる形態が含まれる。
当該触媒として、酵素又は当該酵素を産生する微生物の処理物を使用する場合には、例えば、培養液の遠心分離等により菌体を集め、集められた菌体を緩衝液若しくは水で洗浄することにより得られた湿菌体を、(1)有機溶媒(アセトン、エタノール等)処理することにより得られたものを用いる形態、(2)凍結乾燥処理することにより得られたものを用いる形態、(3)アルカリ処理することにより得られたものを用いる形態、(4)菌体を物理的に又は酵素的に破砕することにより得られたものを用いる形態、さらには、(5)これらのものを公知の方法により固定化処理することにより得られたものを用いる形態も含まれる。
本形質転換体からその死菌化細胞を下記の方法により調製することもできる。
死菌化処理方法としては、例えば、物理的殺菌法(加熱、乾燥、冷凍、光線、超音波、濾過、通電)、化学薬品を用いる殺菌法(アルカリ、酸、ハロゲン、酸化剤、硫黄、ホウ素、砒素、金属、アルコール、フェノール、アミン、サルファイド、エーテル、アルデヒド、ケトン、シアン及び抗生物質)等を挙げることができる。尚、これらの殺菌法のうちできるだけ本酵素の酵素活性を失活させず、かつ反応系への残留、汚染等の影響が少ない処理方法を各種の反応条件に応じて適宜選択することがよい。
このようにして調製された形質転換体又はその死菌化細胞は、例えば、粗酵素液、凍結乾燥細胞、有機溶媒処理細胞、乾燥細胞等の形態、又は、固定化された形態(固定化物)で利用してもよい。
固定化物を得る方法としては、例えば、担体結合法(シリカゲルやセラミック等の無機担体、セルロース、イオン交換樹脂等に本形質転換体又はその死菌化細胞を吸着させる方法)及び包括法(ポリアクリルアミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アルギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造中に本形質転換体又はその死菌化細胞を閉じ込める方法)が挙げられる。
以下、製造例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1〜4 (反応前に予め反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加する系)
2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸エチルエステル(1R体/1S体=50/50、トランス体/シス体=90/10)200gに水785g及び表1に示されたアンモニウム塩(塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウムの何れか)又はアンモニア(アンモニア水溶液)を加えた。当該混合液を攪拌しながらpH調節剤として少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、当該混合液中のpHを9.5〜10とした後、当該混合液に後述の参考例1で製造されたエステラーゼ粗酵素液15gを加えることにより、酵素反応を開始させた。反応中、反応系中にpH調節剤として水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加することにより、当該系中のpHを9.5〜10に調節した。24時間後、得られた反応液0.5gを取り出し、これに少量の希塩酸を加えることにより酸性とした後、酢酸エチル抽出した。当該抽出操作により得られた抽出物に内部標準物質(桂皮酸メチル)を加えたものを試料として、ガスクロマトグラフィ−(カラム:Stabil WAX 0.53φ 30m 0.25ミクロン RESTEK製)を用いて生成した2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸の反応系中の濃度を測定して、加水分解率を算出した。結果を表1に示した。
残りの反応液にn−ヘプタン100gを加え、これを攪拌した後、分液により当該未反応シクロプロパンカルボン酸エチルエステルをn−ヘプタン層に抽出し、これをろ過し、濃縮することにより、当該未反応シクロプロパンカルボン酸エチルエステルを回収した。一方、水層も回収し、これをろ過した。当該ろ液に希硫酸を加えることにより酸性とした後、n−ヘプタン(150g)抽出した。当該抽出操作により得られた抽出液からn−ヘプタンを濃縮留去することにより、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸を残渣として得た。そして、当該シクロプロパンカルボン酸の含量をガスクロマトグラフィ−で測定した。さらに当該シクロプロパンカルボン酸の立体異性体比を液体クロマトグラフィ−(カラム:Sumichiral OA−2200 5ミクロン 4mmφ 250mm×2本(株)住化分析センター製)で分析した。結果を表1に示した。
実施例5 (反応中に反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加する系)
反応前に予め反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、反応中に反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加すること、並びに、反応系中にpH調節剤として水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加しないこと以外には実施例1と同様な方法により、反応を行った。24時間後、得られた反応液0.5gを取り出し、これに少量の希塩酸を加えることにより酸性とした後、酢酸エチル抽出した。当該抽出操作により得られた抽出物に内部標準物質(桂皮酸メチル)を加えたものを試料として、ガスクロマトグラフィ−(カラム:Stabil WAX 0.53φ 30m 0.25ミクロン RESTEK製)を用いて生成した2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸の反応系中の濃度を測定したところ4.96%であり、さらに加水分解率を算出したところ32.9%であった。
残りの反応液にn−ヘプタン100gを加え、これを攪拌した後、分液により当該未反応シクロプロパンカルボン酸エチルエステルをn−ヘプタン層に抽出し、これをろ過し、濃縮することにより、当該未反応シクロプロパンカルボン酸エチルエステル127gを回収した。一方、水層も回収し、これをろ過した。当該ろ液に希硫酸を加えることにより酸性とした後、n−ヘプタン(150g)抽出した。当該抽出操作により得られた抽出液からn−ヘプタンを濃縮留去することにより、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸を残渣として53.5g得た。そして、当該シクロプロパンカルボン酸の含量をガスクロマトグラフィ−で測定したところ99.5%であった。さらに当該シクロプロパンカルボン酸の立体異性体比を液体クロマトグラフィ−で分析したところ、1R−トランス体/1S−トランス体/1R−シス体/1S−シス体=100/0/0/0であった。結果を表1に示した。
比較例1 (反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しない系)
反応前に予め反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、反応中に反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、並びに、反応系中にpH調節剤として水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加すること以外には実施例1と同様な方法により、反応を行った。結果を表1に示した。
Figure 0004857606
実施例6
2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパン−1−カルボン酸メチルエステル(1R体/1S体=50/50、トランス体/シス体=98/2)200gに水785gを加えた。当該混合液を攪拌しながら少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、当該混合液中のpHを9.5〜10とした後、当該混合液に後述の参考例1で製造されたエステラーゼ粗酵素液15gを加えることにより、酵素反応を開始させる。反応中、反応系中にpH調節剤としてアンモニア水溶液を徐々に添加することにより当該系中のpHを9.5〜10に調節する。24時間後、得られた反応液0.5gを取り出し、これに少量の希塩酸を加えることにより酸性とした後、酢酸エチル抽出する。当該抽出操作により得られた抽出物に内部標準物質(桂皮酸メチル)を加えたものを試料として、ガスクロマトグラフィ−(カラム:HR20−M 0.53φ 30m 1ミクロン ULBON製)を用いて生成した2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパン−1−カルボン酸の反応系中の濃度を測定して、加水分解率を算出する。
残りの反応液にトルエン100gを加え、これを攪拌した後、分液により当該未反応シクロプロパンカルボン酸メチルエステルをトルエン層に抽出し、これをろ過し、濃縮することにより、当該未反応シクロプロパンカルボン酸メチルエステルを回収する。一方、水層も回収し、これをろ過する。当該ろ液に希硫酸を加えることにより酸性とした後、トルエン(150g)抽出する。当該抽出操作により得られた抽出液からトルエンを濃縮留去することにより、2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパン−1−カルボン酸を残渣として得る。そして、当該シクロプロパンカルボン酸の含量をガスクロマトグラフィ−で測定する。さらに当該シクロプロパンカルボン酸の立体異性体比を液体クロマトグラフィ−(カラム:CHIRALCEL OD 4.6φ×250mm ダイセル化学製)で分析する。
比較例2
反応前に予め反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、反応中に反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、並びに、反応系中にpH調節剤として水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加すること以外には実施例6と同様な方法により、反応を行う。
実施例7
2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸メチルエステル(1R体/1S体=50/50、トランス体/シス体=98/2)100gに水392gを加えた。当該混合液を攪拌しながらpH調節剤として少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、当該混合液中のpHを9.5〜10とした後、当該混合液に後述の参考例1で製造されたエステラーゼ粗酵素液8gを加えることにより、酵素反応を開始する。反応中にアンモニア水溶液を添加することにより、当該系中のpHを9.5〜10に調節する。24時間後、得られた反応液0.5gを取り出し、これに少量の希塩酸を加えることにより酸性とした後、酢酸エチル抽出する。当該抽出操作により得られた抽出物に内部標準物質(桂皮酸メチル)を加えたものを試料として、ガスクロマトグラフィ−(カラム:HR20−M 0.53φ 30m 1ミクロン ULBON製)を用いて生成した2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸の反応系中の濃度を測定して、加水分解率を算出する。
残りの反応液にトルエン100gを加え、これを攪拌した後、分液により当該未反応シクロプロパン酸メチルエステルをトルエン層に抽出し、これをろ過し、濃縮することにより、当該未反応シクロプロパン酸メチルエステルを回収した。一方、水層も回収し、これをろ過した。当該ろ液に希硫酸を加えることにより酸性とした後、トルエン(150g)抽出した。当該抽出操作により得られた抽出液からトルエンを濃縮留去することにより、2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパン−1−カルボン酸25.1gを残渣として得る。そして、当該シクロプロパンカルボン酸の含量をガスクロマトグラフィ−で測定する。さらに当該シクロプロパンカルボン酸の立体異性体比を液体クロマトグラフィ−(カラム:CHIRALCEL OD 4.6φ×250mm ダイセル化学製)で分析する。
比較例3
反応前に予め反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、反応中に反応系にアンモニウム塩又はアンモニアを添加しないこと、並びに、反応系中にpH調節剤として水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加すること以外には実施例7と同様な方法により、反応を行う。
次に、実施例1〜5で使用された死菌化細胞を含むエステラーゼ粗酵素液の調製について、参考例を示した。
参考例1 (死菌化細胞を含むエステラーゼ粗酵素液の調製方法)
実施例1で使用された粗酵素液は、特開平5−56787号公報記載の方法に準じて調製された。
即ち、まず特開平5−56787号公報記載のアルスロバクターSC−6−98−28株由来のエステラーゼ遺伝子を含むプラスミドpAGE−1を、制限酵素Nsp(7524)V及びHindIIIで消化することにより、エステラーゼ遺伝子の翻訳領域を含むDNA断片を切り出した。切り出されたDNA断片と、特開平5−56787号公報記載のように、エステラーゼ遺伝子の開始コドン、その近傍のDNA配列を変換するために合成したDNA断片及びlacプロモーターが挿入された発現ベクターpUC118(宝酒造株式会社)の制限酵素BamHI−HindIII消化物とをライゲーションした。このようにして、lacプロモーターの下流にアルスロバクターSC−6−98−28株由来のエステラーゼ遺伝子を有する大腸菌用発現プラスミドを調製し、これをエシェリキア コリ(Escherichia coli)JM105株に導入した。
500ml三角フラスコに入れて滅菌された100mlの液体培地(調製法:水1Lにグリセロ−ル5g、酵母エキス6g、リン酸1カリウム9g及びリン酸2カリウム4gを溶解し、pH7.0とする。)に、アンピシリンを50μg/mlになるように加えた。これに、上記で調製されたアルスロバクタ−SC−6−98−28株由来のエステラ−ゼ遺伝子が導入された組み換え体大腸菌(斜面培養物)1白金耳を接種し、30℃で24時間回転振とう培養した。次に3L容の小型培養槽(丸菱バイオエンジ社製、MDL型)に入れて滅菌された1500mlの液体培地(調製法:水1Lにグリセロ−ル15g、酵母エキス25g、リン酸1カリウム0.4g、硫酸マグネシウム2g及び硫酸第一鉄0.1gを溶解し、pH7.0とする。)に、上記のようにして得られた15mlの培養液を接種し、30℃で通気攪拌培養した。培養途中、対数増殖期中期(培養開始10〜15時間後)にIPTG(イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド)を終濃度1mMとなるように液体培地に添加した後、滅菌された上記の液体培地を培養槽内に流加しながら40時間培養することにより、培養液を得た。得られた培養液に28%アンモニア水300gを加えてpH9.6となるように調整しながら28℃で24時間攪拌することにより、死菌化細胞を含むエステラーゼ粗酵素液を得た。
本発明により、優れた殺虫効力を有するいわゆる合成ピレスロイドと総称されるエステルの酸成分の中間体として有用な一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の生産性を大幅に向上させることが可能となる。
配列番号3
PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌクレオチド
配列番号4
PCRのために設計されたプライマーであるオリゴヌクレオチド

Claims (18)

  1. 一般式 化1
    Figure 0004857606
    [式中、R1およびR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表す。]
    で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の製造方法であり、一般式 化2
    Figure 0004857606
    [式中、R1およびR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表し、RはC1〜C4アルキル基を表す。]
    で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルと、当該エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する下記アミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物とを含む反応系に対して、アンモニウム塩又はアンモニアを添加する工程、及び、反応中、当該反応系中に含まれる前記シクロプロパンカルボン酸エステルと前記酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物とが混合するように、攪拌又は振とうすることにより、(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程を有し、且つ、前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加は、反応前に予め前記反応系に添加するか、それとも反応中に前記反応系に添加するかのいずれかの操作であることを特徴とする方法。
    <アミノ酸配列群>
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
    (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
    (d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (e)アルスロバクター属に属する微生物由来の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
  2. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、前記反応系の最終濃度が0.1〜20%となるようなアンモニウム塩又はアンモニアの添加であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、前記反応系の最終濃度が0.2〜10%となるようなアンモニウム塩又はアンモニアの添加であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、前記反応系の最終濃度が1.3〜2.4%となるようなアンモニウム塩又はアンモニアの添加であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、反応中に前記反応系に添加する操作である請求項1記載の方法。
  6. 一般式 化3
    Figure 0004857606
    [式中、R1およびR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表す。]
    で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸の取得方法であり、一般式 化4
    Figure 0004857606
    [式中、R1およびR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基又はC1〜C4ハロゲン化アルキルを表し、RはC1〜C4アルキル基を表す。]
    で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルと、当該エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する下記アミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物とを含む反応系に対して、アンモニウム塩又はアンモニアを添加する工程、及び、反応中、当該反応系中に含まれる前記シクロプロパンカルボン酸エステルと前記酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物とが混合するように、攪拌又は振とうすることにより、(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程、及び、前記反応系中に生成した(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸と前記反応系中に残存する未反応の前記シクロプロパンカルボン酸エステルとを分離し、当該反応系中から(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を回収する工程を有し、且つ、前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加は、反応前に予め前記反応系に添加するか、それとも反応中に前記反応系に添加するかのいずれかの操作であることを特徴とする方法。
    <アミノ酸配列群>
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
    (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
    (d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (e)アルスロバクター属に属する微生物由来の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
  7. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、前記反応系の最終濃度が0.1〜20%となるようなアンモニウム塩又はアンモニアの添加であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、前記反応系の最終濃度が0.2〜10%となるようなアンモニウム塩又はアンモニアの添加であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  9. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、前記反応系の最終濃度が1.3〜2.4%となるようなアンモニウム塩又はアンモニアの添加であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  10. 前記反応系に対するアンモニウム塩又はアンモニアの添加が、反応中に前記反応系に添加する操作である請求項記載の方法。
  11. アンモニウム塩が、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム又はギ酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの請求項記載の方法。
  12. アンモニアがアンモニアガス又はアンモニア水溶液であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの請求項記載の方法。
  13. 反応系中に(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる工程において、pH調節剤としての水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を反応中に添加する工程を同時に行うことを特徴とする請求項1〜12のいずれかの請求項記載の方法。
  14. 一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する下記アミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素若しくは当該酵素を産生する微生物又はそれらの処理物が、前記能力を人為的に付与されてなる下記アミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素を産生する組み換え体微生物又はその死菌化細胞であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかの請求項記載の方法。
    <アミノ酸配列群>
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
    (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
    (d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (e)アルスロバクター属に属する微生物由来の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
  15. 組み換え体微生物が、一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するプラスミドが導入されてなる組み換え体微生物であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 組み換え体微生物が、大腸菌であることを特徴とする請求項14又は15記載の方法。
  17. 一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する下記アミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する酵素であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかの請求項記載の方法。
    <アミノ酸配列群>
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
    (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
    (d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (e)アルスロバクター属に属する微生物由来の、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
  18. 一般式 化2若しくは一般式 化4で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解しかつ一般式 化1若しくは一般式 化3で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する下記アミノ酸配列群の中から選ばれるアミノ酸配列を有する酵素が、配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかの請求項記載の方法。
    <アミノ酸配列群>
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列
    (b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列であって、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
    (c)配列番号2で示される塩基配列によりコードするアミノ酸配列
    (d)配列番号2で示される塩基配列に対し相補性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドの塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有し、かつ、一般式 化2で示されるシクロプロパンカルボン酸エステルを不斉加水分解して、当該エステルに対応する一般式 化1で示される(1R)−トランス−シクロプロパンカルボン酸を生成させる能力を有する酵素のアミノ酸配列
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