JP6731141B2 - 吊り荷のスキュー振れ止め制御装置 - Google Patents
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Description
図5において、50はスキューシリンダ、51は連結機構、52〜55は巻き上げロープであり、これらの巻き上げロープ52〜55は、図示されていないトロリー上の滑車を介して吊り荷を支持している。
このため、振れ止め制御を目的としてシリンダ50に所定の速度指令を与えたとしても、シリンダ50の動作速度や位置を指令通りに制御できない場合が生じる。
このような場合、スキュー振れ角が大きくても位置指令通りにシリンダが動作できる程度に制御ゲインを低く設定すれば、上述した問題は回避することが可能になるが、制御ゲインを低くする分、スキュー振れ止めに要する時間が長くなるという問題がある。
前記スキュー角を検出するスキュー角検出手段と、
前記スキューシリンダの実際の位置を検出するシリンダ実際位置検出手段と、
前記スキュー角検出手段により検出したスキュー角に基づいてシリンダ位置指令の振幅を演算する手段と、
前記スキューシリンダの速度相当値と、前記吊り荷のスキュー振動周期と、前記シリンダ位置指令の振幅と、からなる関数の逆三角関数を求めることにより、前記シリンダ位置指令とシリンダ実際位置との間に生じる位相差を予測演算し、位相差予測値として出力する位相差演算手段と、
前記位相差予測値と、前記スキュー角と、所定の制御ゲインとが入力され、前記シリンダ位置指令と前記シリンダ実際位置との位相差が存在しない場合に出力するべき理想位置指令に対して、前記位相差予測値だけ位相が進んだシリンダ位置指令を生成するスキュー制御手段と、
前記スキュー制御手段により生成されたシリンダ位置指令と前記シリンダ実際位置との差に基づいて、所定の速度以下で前記シリンダを駆動することにより前記スキューシリンダの位置を制御するシリンダ位置制御手段と、を備えたものである。
前記スキュー制御手段は、前記シリンダ実際位置の位相遅れがない条件で設計したスキュー角を入力として前記シリンダ位置制御手段に与えるシリンダ位置指令を演算する比例微分制御手段を備え、
前記比例微分制御手段における比例ゲイン及び微分ゲインを、前記位相差予測値だけ出力信号の位相が進むように設定するものである。
前記比例微分制御手段は、スキュー角速度(dψ/dt)に対して目的とするシリンダ位置がK(dψ/dt)なる形で表される場合に、以下の数式によりシリンダ位置指令uを演算するものである。
u=(Kcosα)(dψ/dt)−(Ksinα)ωψ
(ただし、K:制御ゲインとしての比例ゲイン、α:位相差予測値、ψ:スキュー角、ω:スキュー振動角周波数)
このため、従来よりも高い制御ゲインを維持しつつ、シリンダ速度が不十分な場合であっても振れ止め制御に必要なシリンダ動作が可能となり、その結果として、安定的かつ速やかに吊り荷のスキュー振れ止めを実現することができる。
図1において、位相差演算手段10は、シリンダ速度Vと、スキュー振動周期Tと、シリンダ位置指令の振幅Aとに基づいて、位相差αを演算する。ここで、シリンダ速度Vはシリンダ速度検出値またはシリンダ速度指令を使用することができ、スキュー振動周期Tは、角度センサ等を用いて検出可能である。
位置指令の振幅Aは、角度センサ等により検出した吊り荷のスキュー角ψの振幅を振幅演算手段11により求め、この振幅演算手段11の出力と所定の制御ゲインKとを乗算手段12により乗算して求められる。
[数式1]
α=cos−1(VT/4A)
従って、この位相差αをなくすためには、図2に示すように、位相遅れが存在しない場合に出力するべき適切なシリンダ位置指令u’(位相進み演算前のシリンダ位置指令であり、これを理想位置指令という)に対して、位相差演算手段10により演算した位相差(位相差予測値)αだけ位相を進ませたシリンダ位置指令uを生成し、このシリンダ位置指令uに従ってシリンダを動作させれば、シリンダ実際位置bは理想位置指令u’と位相が一致することになる。
図3によれば、スキュー振動周期Tの1/4の期間すなわち(T/4)におけるシリンダ実際位置bの変位は、シリンダ速度Vをシリンダ実際位置bの傾きと考えれば、VT/4である。シリンダ位置指令uの振幅AをAにより除算して1に正規化すると、上記の変位は(VT/4)/Aとなる。この変位はcosαに相当するので、cosα=VT/4Aとなり、これを変形すれば数式1が得られる。
このスキュー制御手段13は、前述したように、位相遅れが存在しない場合に出力するべき理想位置指令u’に対して、予測演算された位相差αだけ位相を進ませたシリンダ位置指令uを生成し、シリンダ位置制御手段14に出力する。なお、シリンダ位置制御手段14は、図5に示したシリンダ50を駆動するための電気回路または油圧回路、空圧回路等を含み、シリンダ50は、図5に示したような連結機構51及び巻き上げロープ等を駆動して吊り荷を鉛直軸回りに旋回させ、スキュー角を制御するものである。
[数式2]
u=(Kcosα)(dψ/dt)−(Ksinα)(ωψ)
図4(a),(b)を比較すると、本実施形態では、従来技術よりも速やかにスキュー振れ止めを実現できることがわかる。
11:振幅演算手段
12:乗算手段
13:スキュー制御手段
14:シリンダ位置制御手段
50:スキューシリンダ
51:連結機構
52〜55:巻き上げロープ
Claims (3)
- 吊り荷を支持するロープの長さをスキューシリンダの動作によって調整することにより前記吊り荷を鉛直軸回りに旋回させ、前記吊り荷のスキュー角を制御してスキュー振れを減衰させるようにしたスキュー振れ止め制御装置において、
前記スキュー角を検出するスキュー角検出手段と、
前記スキューシリンダの実際の位置を検出するシリンダ実際位置検出手段と、
前記スキュー角検出手段により検出したスキュー角に基づいてシリンダ位置指令の振幅を演算する手段と、
前記スキューシリンダの速度相当値と、前記吊り荷のスキュー振動周期と、前記シリンダ位置指令の振幅と、からなる関数の逆三角関数を求めることにより、前記シリンダ位置指令とシリンダ実際位置との間に生じる位相差を予測演算し、位相差予測値として出力する位相差演算手段と、
前記位相差予測値と、前記スキュー角と、所定の制御ゲインとが入力され、前記シリンダ位置指令と前記シリンダ実際位置との位相差が存在しない場合に出力するべき理想位置指令に対して、前記位相差予測値だけ位相が進んだシリンダ位置指令を生成するスキュー制御手段と、
前記スキュー制御手段により生成されたシリンダ位置指令と前記シリンダ実際位置との差に基づいて、所定の速度以下で前記シリンダを駆動することにより前記スキューシリンダの位置を制御するシリンダ位置制御手段と、
を備えたことを特徴とする、吊り荷のスキュー振れ止め制御装置。 - 請求項1に記載したスキュー振れ止め制御装置において、
前記スキュー制御手段は、前記シリンダ実際位置の位相遅れがない条件で設計したスキュー角を入力として前記シリンダ位置制御手段に与えるシリンダ位置指令を演算する比例微分制御手段を備え、
当該比例微分制御手段における比例ゲイン及び微分ゲインを、前記位相差予測値だけ出力信号の位相が進むように設定することを特徴とする、吊り荷のスキュー振れ止め制御装置。 - 請求項2に記載したスキュー振れ止め制御装置において、
前記比例微分制御手段は、スキュー角速度(dψ/dt)に対して目的とするシリンダ位置がK(dψ/dt)なる形で表される場合に、以下の数式によりシリンダ位置指令uを演算することを特徴とする、吊り荷のスキュー振れ止め制御装置。
u=(Kcosα)(dψ/dt)−(Ksinα)ωψ
(ただし、K:制御ゲインとしての比例ゲイン、α:位相差予測値、ψ:スキュー角、ω:スキュー振動角周波数)
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