JP2019099367A - クレーンの運転制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吊り荷の振れを抑えつつ短時間で搬送可能としたクレーンの運転制御装置を提供する。【解決手段】吊り荷20の移動軌跡を生成する軌跡生成手段51と、移動軌跡に基づいて各速度パターンを生成するトロリー速度パターン生成手段52及びホイスト速度パターン生成手段56と、各速度パターンに従って吊り荷を水平・垂直方向に移動させる各駆動機構61,62とを備え、ホイスト速度パターン生成手段56は、トロリー加減速時の第1制限速度を決定する第1制限速度決定手段53と、トロリー起動前に絶対値が第1制限速度より大きく、定格速度以下である第2制限速度を決定する第2制限速度決定手段54と、各制限速度の間の加減速開始時点の吊り荷20の高さを加減速開始点として決定する加減速開始点決定手段55とを有し、トロリー及びホイストの同時加減速期間が存在しないような速度パターンを生成する。【選択図】図4

Description

本発明は、トロリー及びホイストを有するクレーンにより、吊り荷の振れを抑えながら短時間で目標位置まで搬送するための運転制御装置に関する。
クレーン運転においては、一般に、トロリーの加減速によって吊り荷の振れが発生する。この振れを抑制する方法としては、トロリーの加減速完了時に振れがおさまるように加減速度を制御する第1の方法と、発生した振れを検出してその振れが低減するようにトロリーを制御する第2の方法とに大別される。これらの二つの方法を用いて吊り荷の振れを抑制するとしても、振れの発生自体を抑えるように制御を行うことが望ましい。
第1の制御方法としては、トロリーの加減速期間が吊り荷の振動周期に一致するように加減速度を与える方法が良く知られているが、この方法の適用は、吊り荷の巻上げ・巻下げを行うホイストが停止している場合に限られる。
また、上記以外の第1の制御方法として、ホイストが等速運動している間に、トロリーの加減速完了時の吊り荷の振れ角及びその微分値がゼロになるようにトロリー加減速パターンを与える方法が特許文献1に記載されている。
ここで、図5は、特許文献1におけるクレーンのトロリー、吊り荷等の模式図である。図5において、10はX方向(水平方向)に走行可能なトロリー、20はトロリー10にロープ30を介して吊り下げられた吊り荷であり、ホイストによってY方向(垂直方向)に巻上げ・巻下げが可能である。lはロープ長、θは鉛直線を基準とした吊り荷20の振れ角、Dは粘性摩擦係数、Vはトロリー10の速度(吊り荷20のX方向速度に等しいものとする)を示している。なお、トロリー10をX方向に走行させるトロリー駆動機構、及び、ホイストにより吊り荷20をY方向に昇降させるホイスト駆動機構については図示を省略する。
図6は、特許文献1に記載された搬送試験において、トロリー10に与える各種の加減速パターンa〜cを示し、図7は加減速パターンa〜cにそれぞれ対応するロープの振れ角a’〜c’を示している。これらの図において、a,a’はステップ加速パターンによるもの、同b,b’は正弦波加速パターンによるものであり、同c,c’が特許文献1の数式14に記載された加減速(制振加速)パターンによるものである。
図7のc’から判るように、特許文献1に係る発明の加減速パターンによれば、トロリー10の加減速完了時における吊り荷の振れ角及びその微分値をほぼゼロにすることができる。
特許文献1記載の制御方法では、トロリー10の加減速期間を必ずしも吊り荷20の振動周期に一致させる必要はないが、吊り荷20の振動周期に対して著しく短い時間だけ加減速度を与えようとすると、トロリー10の速度の方向が瞬間的に逆転し、または、著しく大きな加減速度が必要になることがある。このため、現実的には、トロリー10の加減速期間を、吊り荷20の振動周期と同程度かそれ以上に設定して制御を行っている。
特許第3742707号公報(段落[0020]〜[0040]、図1〜図5等)
特許文献1に記載された発明により吊り荷の振れを抑制するには、トロリーの加減速中にホイストを加減速しないこと、すなわち、トロリー及びホイストの同時加減速期間を生じさせないことが必要である。
例えば、図8に示す軌跡に従って、吊り荷を始点Sから終点Eに搬送する場合について考える。
図8において、吊り荷の水平方向位置をX、垂直方向位置(高さ)をYとし、移動軌跡内の各点A,B,C,Dの定義は、Y=Yでトロリー起動、X<X<Xではホイスト停止、Y=Yでトロリー停止とする。また、A,B,C,Dを生成する際の条件として、X(=X),X(=X),Y(=Y)は先に与えられており、Y>YA0,X<XB0,X>XC0,Y>YD0が与えられているとする。更に、等速運動中には、トロリー,ホイスト共にそれぞれの定格速度を与えるものとする。
なお、図8における点A,B,C,Dは、軌跡内側に存在する障害物への吊り荷の衝突を回避するための条件として与えられ、Y>YA0,X<XB0,X>XC0,Y>YD0を満たせば、確実に障害物への衝突を回避できるものとする。
図8において、例えばホイストによる吊り荷の上昇中にトロリーが移動する距離(X−X)は、トロリーの加速期間及びホイストの減速期間にトロリーが移動する距離ΔX11,ΔX12、及び、トロリー,ホイストの等速移動期間にトロリーが移動する距離ΔX13の和である。このように、距離(X−X)の方が(ΔX11+ΔX12)よりも長い場合、特許文献1に記載された技術によれば、トロリー,ホイストの同時加減速期間が生じないように吊り荷20の振れを抑制した運転を実現することができる。また、この際、始点Sの近くではトロリーの移動をできるだけ早く開始する(YをできるだけYA0に近付ける)ことで移動時間の短縮が可能である。
上述したことは、終点Eに近い側でも同様である。つまり、ホイストによる吊り荷の下降中にトロリーが移動する距離(X−X)は、ホイストの加速期間及びトロリーの減速期間にトロリーが移動する距離とトロリー,ホイストの等速移動期間にトロリーが移動する距離との和よりも長い。従って、特許文献1により、トロリー,ホイストの同時加減速期間を生じさせずに吊り荷20の振れを抑制した運転を行うことができる。
上記の場合のトロリー速度V及びホイスト速度Vのパターンは図9のようになり、トロリー,ホイストの同時加減速期間は生じていない。前述したように、トロリー,ホイストの等速移動期間では、それぞれが定格速度にて運転されており、時刻0はホイストの起動時刻、t,t,t,t,tは吊り荷20が点A,B,C,D,Eにそれぞれ到達する時刻を示している。
次に、図10に示すように、ホイストによる吊り荷の上昇中にトロリーが移動する距離(X−X)が、図8よりも短い場合について考える。なお、各点の定義・条件は、図8の場合と同様である。
この場合、トロリー,ホイスト共に定格速度で運転しようとすると、図11に示すごとく、トロリーが定格速度に到達する時刻以前にホイストの減速を開始しなければならず、また、ホイストが定格速度に到達する時刻以前にトロリーの減速を開始しなければならなくなる。つまり、トロリー,ホイストを同時に加減速する時間Δtが発生するため、前述した特許文献1による振れの抑制は実現不可能になる。
これに対しては、図12のように、ホイストの速度を定格速度以下に設定すればトロリー,ホイストの同時加減速状態を回避することができるが、この場合、吊り荷を短時間で搬送するという、もう一つの要求を満たせなくなってしまう。
そこで、本発明の解決課題は、吊り荷の振れを抑えつつ、吊り荷を短時間で目標位置まで搬送可能としたクレーンの運転制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、トロリー及びホイストの動作により吊り荷を始点から終点まで搬送するクレーンの運転制御装置において、
前記吊り荷の移動軌跡を予め生成する軌跡生成手段と、前記移動軌跡に基づいてトロリー速度パターンを生成するトロリー速度パターン生成手段と、前記移動軌跡に基づいてホイスト速度パターンを生成するホイスト速度パターン生成手段と、前記トロリー速度パターンに従って前記トロリーを駆動することにより前記吊り荷を水平方向に移動させるトロリー駆動機構と、前記ホイスト速度パターンに従って前記ホイストを駆動することにより前記吊り荷を垂直方向に移動させるホイスト駆動機構と、を備え、
前記ホイスト速度パターン生成手段は、
前記トロリーの加減速期間の前記ホイストの速度を、前記ホイストの定格速度以下の第1制限速度として決定する第1制限速度決定手段と、
前記トロリーの起動前の期間における前記ホイストの速度を、その絶対値が前記第1制限速度より大きく、かつ、前記ホイストの定格速度以下である第2制限速度として決定する第2制限速度決定手段と、
前記第2制限速度と前記第1制限速度との間の加減速開始時点における前記吊り荷の高さを、加減速開始点として決定する加減速開始点決定手段と、
を有し、
前記トロリー速度パターン生成手段及び前記ホイスト速度パターン生成手段は、前記トロリー及び前記ホイストの同時加減速期間を有しない速度パターンをそれぞれ生成することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載したクレーンの運転制御装置において、前記加減速開始点決定手段は、前記トロリーを起動する高さ、前記ホイストの加減速度、前記第1制限速度及び前記第2制限速度に基づいて、前記加減速開始点を決定することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載したクレーンの運転制御装置において、前記第1制限速度及び前記第2制限速度を、前記始点側と前記終点側とで個別に設定することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載したクレーンの運転制御装置において、前記トロリー速度パターン生成手段は、前記トロリーの加速完了時または減速完了時の前記吊り荷の振れを抑制するように前記トロリー速度パターンを生成することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載したクレーンの運転制御装置において、第1制限速度決定手段及び前記第2制限速度決定手段は、前記ホイストの加減速期間に前記吊り荷の荷重を推定して前記第1制限速度及び前記第2制限速度をそれぞれ決定することを特徴とする。
本発明によれば、吊り荷の所定の移動軌跡に従い、トロリー速度パターンと、第1制限速度,第2制限速度及び加減速開始点等を考慮したホイスト速度パターンと、を生成すると共に、これらの速度パターンではトロリー及びホイストの同時加減速期間を設けないことにより、トロリー加減速時の振れを抑制しながら吊り荷を目標位置まで短時間で搬送することができる。
本発明の実施形態におけるトロリー,ホイストの速度パターンを示す図である。 本発明の実施形態におけるホイストの速度パターンを示す図である。 本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る運転制御装置の主要部を示すブロック図である。 従来技術及び本発明の実施形態におけるトロリー、吊り荷等の模式図である。 従来技術において、加速パターンを変えた場合のトロリーの加速度を示すグラフである。 従来技術において、加速パターンを変えた場合のロープの振れ角を示すグラフである。 吊り荷の移動軌跡の一例を示す図である。 図8の移動軌跡において、従来技術によるトロリー速度、ホイスト速度を示すグラフである。 吊り荷の移動軌跡の他の例を示す図である。 図10の移動軌跡において、従来技術の問題点を説明するためのトロリー速度、ホイスト速度を示すグラフである。 図10の移動軌跡において、従来技術の問題点を説明するためのトロリー速度、ホイスト速度を示すグラフである。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、前述した図10の移動軌跡に沿って吊り荷20を始点Sから終点Eまで搬送する場合を想定し、図1を参照しつつ、トロリー及びホイストに与える速度パターン(速度指令値)について説明する。
図1の上段に示したトロリー10の速度パターンは図12と同様であり、時刻t〜tにおいて、加速期間、定格速度による等速期間、減速期間が存在する。これに対し、図1の下段に示したホイストの速度パターンは、以下に説明するように図12と異なっている。
ホイストの速度パターンにおいて、トロリーの加速期間に対応する期間Tは、第1制限速度Vy1にてホイストが運転される。この第1制限速度Vy1は、図12に示したホイストの定格速度より小さい速度である。
図1において、点Aから点B(時刻tからt)にかけての、トロリー加速期間Tのトロリー移動距離ΔXとホイスト減速期間のトロリー移動距離ΔXとは、数式1のように表される。
[数式1]
ΔX=V/2,
ΔX=V/a
数式1において、aはホイストの加減速度、すなわち速度の傾きである。この数式1から明らかなように、ΔXは図1のトロリー速度Vにおける斜線の三角形の面積に相当し、ΔXは斜線の四角形の面積に相当する。
ホイスト速度Vとして定格速度を与えたときのトロリーの移動距離(ΔX+ΔX)が(X−X)より小さい時は図8,図9のような場合に相当し、トロリー及びホイストの同時加減速期間が発生しない。このため、ホイストを定格速度のまま運転すれば良い。
しかし、移動経路上の(X−X)が短く、ホイスト速度Vとして定格速度を与えたときのトロリーの移動距離(ΔX+ΔX)が(X−X)より大きくなる場合には、トロリー加速期間Tにおけるホイスト速度Vを、数式2を満たすような第1制限速度Vy1に設定する。
[数式2]
(T/2+Vy1/a)=X−X
すなわち、この数式2は、数式1におけるΔXとΔXとの和が(X−X)に等しくなるように第1制限速度Vy1を求めるための数式である。
以上のようにしてホイストの第1制限速度Vy1を決定することにより、トロリー,ホイストの同時加減速期間が生じない範囲で最も大きいホイスト速度、言い換えれば最短時間で吊り荷を巻上げるホイスト速度を与えることができる。
上述した説明は点Aから点B(時刻tからt)にかけてのホイスト速度Vに関するものであるが、点Cから点D(時刻tからt)の期間についても、同様にして第1制限速度Vy1’を決定することができる。
次に、ホイストを第1制限速度Vy1で運転する場合のトロリーの起動点A、言い換えればトロリーを起動する際の吊り荷の高さYを決定する。この起動点Aを決定するには、点Aから点B(時刻tからt)にかけての、トロリー加速期間Tのホイスト移動距離(吊り荷の移動距離)ΔYとホイスト減速期間中のホイスト移動距離(吊り荷の移動距離)ΔYとが必要になり、これらは数式3のように表される。
[数式3]
ΔY=Vy1
ΔY=Vy1/2a
ここで、ΔYは図1のホイスト速度Vにおける斜線の四角形の面積に相当し、ΔYは斜線の三角形の面積に相当する。
数式3により求めたΔY,ΔYと既知のYとを用いれば、Y=Y−ΔY−ΔYによって高さY、すなわち起動点Aを確定することができる。
なお、トロリーの停止点D、言い換えればトロリーを停止する際の吊り荷の高さYについても同様である。
次いで、トロリーの起動時刻t以前のホイスト速度Vの制限値として、第2制限速度Vy2を決定する。この第2制限速度Vy2は、数式4に示すように、(Y−Y)と(Vy0 −Vy1 /2)/aとの大小関係に応じて、定格速度(Vy0とする)に設定できる場合と設定できない場合とに分けて与える。ここで、aは、前述したようにホイストの加減速度(速度の傾き)である。
[数式4]
(Y−Y)≧(Vy0 −Vy1 /2)/aの場合:Vy2=Vy0
(Y−Y)<(Vy0 −Vy1 /2)/aの場合:Vy2=√{a(Y−Y)+Vy1 /2}
ここで、図2は、時刻t以前のホイストの速度パターンを示しており、図2(a)は第2制限速度Vy2を定格速度Vy0に設定できる場合、図2(b)は定格速度Vy0に設定できない場合である。
図2(a),(b)において、斜線部の時間(期間)は(Vy0−Vy1)/a、斜線部の面積は(Vy2 −Vy1 )/2aであり、この面積(Vy2 −Vy1 )/2aは、ホイストによる吊り荷のY方向の移動距離に相当する。
前述した数式4において、(Y−Y)(図10の移動軌跡における始点Sから点Aまでの高さ)を(Vy0 −Vy1 /2)/aと比較するのは、以下の理由による。
すなわち、
[数式5]
(Y−Y)=(Vy0 −Vy1 /2)/a=(Vy0・Vy0/a)−(Vy1・Vy1/2a
が成り立ち、この数式5の右辺の(Vy0・Vy0/a)−(Vy1・Vy1/2a)はホイストを定格速度Vy0で運転した時の吊り荷の高さと、ホイストを第1制限速度Vy1で運転した時の吊り荷の高さとの差である。
従って、(Y−Y)≧(Vy0 −Vy1 /2)/aの場合には、第2制限速度Vy2を定格速度Vy0に等しく設定して第1制限速度Vy1まで減速しても(Y−Y)を超えることはないので、Vy2=Vy0とすれば良い。
また、(Y−Y)<(Vy0 −Vy1 /2)/aの場合には、数式6〜8が成り立つ。
[数式6]
(Y−Y)<(Vy0 −Vy1 /2)
[数式7]
y0 >{a(Y−Y)+Vy1 /2}
[数式8]
y0>±√{a(Y−Y)+Vy1 /2}
つまり、(Y−Y)<(Vy0 −Vy1 /2)/aの場合には、第2制限速度Vy2を、定格速度Vy0より小さい√{a(Y−Y)+Vy1 /2}に設定すれば、この第2制限速度Vy2から第1制限速度Vy1まで減速しても(Y−Y)を超えることはない。
上記のようにして、図2(a),(b)の何れの場合にも、第2制限速度Vy2を適切に設定することができる。
なお、点Dから点E(時刻tからt)の期間についても、上述した方法と同様にして第2制限速度Vy2’を決定することができる。
更に、図10の移動軌跡において吊り荷を始点Sから上昇させる過程では、吊り荷がA点に到達する前に、ホイスト速度Vを第2制限速度Vy2から第1制限速度Vy1に向けて減速を開始する点(加減速開始点A’とする)を決定する必要がある。そのためには、図2(a),(b)の斜線部の面積がわかれば良く、既に決定されたVy1,Vy2、及び既知のYを用いて数式9の演算を行えば、減速開始点A’、すなわち減速開始時の高さV’を求めることができる。これにより、ホイストを減速開始点A’で第2制限速度Vy2から減速度aにて減速していけば、A点で第1制限速度Vy1に達するようになり、図1の下段に示した速度パターンを実現することができる。
[数式9]
’=Y−(Vy2 −Vy1 )/2a
ここで、図3は、上述したホイストの速度パターンを決定する手順をまとめたものである。
すなわち、図1の期間Tによるトロリーの移動(加速)中のホイストの第1制限速度Vy1を決定し(ステップS1)、次に、トロリーの起動点Aを決定する(ステップS2)。更に、トロリーの停止中におけるホイストの第2制限速度Vy2を図2に示したように決定し(ステップS3)、その後に、第2制限速度Vy2から第1制限速度Vy1に減速するための減速開始点A’を決定する(ステップS4)。
次に、図4は、この実施形態に係る運転制御装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図4において、51は軌跡生成手段であり、例えば図10に示すように、障害物を避けながら吊り荷20を始点Sから終点Eまで移動させるための軌跡を生成する。52は、上記の移動軌跡に基づき、図1に示すようにトロリー速度Vを変化させた速度パターンを生成するトロリー速度パターン生成手段である。
次に、ホイスト速度パターン生成手段56は、第1制限速度決定手段53、第2制限速度決定手段54及び加減速開始点決定手段55によって構成されている。
第1制限速度決定手段53は、軌跡生成手段51からの移動軌跡と、トロリー速度パターンにおけるV,T,ΔX,ΔX、トロリーの加減速度a等に基づき、ホイストの第1制限速度Vy1を決定する。第2制限速度決定手段54は、トロリーの起動点Aを決定した後、ホイストの定格速度Vy0、第1制限速度Vy1、加減速度a等に基づき、ホイストの第2制限速度Vy2を決定する。加減速開始点決定手段55は、第1制限速度Vy1、第2制限速度Vy2、トロリー起動時の吊り荷の高さY、ホイストの加減速度a等に基づき、例えば前述した点A’のごとく、ホイストの加減速開始点を決定する。
なお、トロリー駆動機構61は、トロリー速度パターン生成手段52から出力される速度パターンに従ってトロリーを駆動するための電力変換器やモータ等により構成され、ホイスト駆動機構62は、ホイスト速度パターン生成手段56から出力される速度パターンに従ってホイストを駆動するための電力変換器やモータ等により構成される。
また、図4における各手段51〜56は、コンピュータシステムのハードウェア及びソフトウェアを用いた演算処理によって実現されるものである。
以上説明したように、この実施形態によれば、トロリー及びホイストの同時加減速期間を設けることなく、吊り荷20を短時間で移動させることが可能である。また、トロリーの加速または減速終了時に吊り荷20の振れがほぼなくなるように、特許文献1に記載された制振速度パターン等に従ってトロリー10を加減速制御することにより、吊り荷20の振れを抑制することができる。
なお、ホイストの第2制限速度Vy2は、ホイスト起動後の加速中に決定してもよい。この場合、第2制限速度Vy2の初期値を、例えば最大荷重時に運転可能な最大速度を上限値として図3の一連の演算を予め行って求めておく。そして、この初期値を用いてホイストを起動した後に、電力変換器のトルクや速度から荷重を推定し、その荷重にて運転可能な最大速度を上限値として図3の演算を再度行うことにより、第2制限速度Vy2及び加減速開始点を求めれば良い。これにより、荷重が異なる各種の吊り荷に対しても、荷振れを抑えながら最短時間で目標位置まで搬送することができる。
10:トロリー
20:吊り荷
30:ロープ
51:軌跡生成手段
52:トロリー速度パターン生成手段
53:第1制限速度決定手段
54:第2制限速度決定手段
55:加減速開始点決定手段
56:ホイスト速度パターン生成手段
61:トロリー駆動機構
62:ホイスト駆動機構

Claims (5)

  1. トロリー及びホイストの動作により吊り荷を始点から終点まで搬送するクレーンの運転制御装置において、
    前記吊り荷の移動軌跡を予め生成する軌跡生成手段と、前記移動軌跡に基づいてトロリー速度パターンを生成するトロリー速度パターン生成手段と、前記移動軌跡に基づいてホイスト速度パターンを生成するホイスト速度パターン生成手段と、前記トロリー速度パターンに従って前記トロリーを駆動することにより前記吊り荷を水平方向に移動させるトロリー駆動機構と、前記ホイスト速度パターンに従って前記ホイストを駆動することにより前記吊り荷を垂直方向に移動させるホイスト駆動機構と、を備え、
    前記ホイスト速度パターン生成手段は、
    前記トロリーの加減速期間の前記ホイストの速度を、前記ホイストの定格速度以下の第1制限速度として決定する第1制限速度決定手段と、
    前記トロリーの起動前の期間における前記ホイストの速度を、その絶対値が前記第1制限速度より大きく、かつ、前記ホイストの定格速度以下である第2制限速度として決定する第2制限速度決定手段と、
    前記第2制限速度と前記第1制限速度との間の加減速開始時点における前記吊り荷の高さを、加減速開始点として決定する加減速開始点決定手段と、
    を有し、
    前記トロリー速度パターン生成手段及び前記ホイスト速度パターン生成手段は、前記トロリー及び前記ホイストの同時加減速期間を有しない速度パターンをそれぞれ生成することを特徴とするクレーンの運転制御装置。
  2. 請求項1に記載したクレーンの運転制御装置において、
    前記加減速開始点決定手段は、
    前記トロリーを起動する高さ、前記ホイストの加減速度、前記第1制限速度及び前記第2制限速度に基づいて、前記加減速開始点を決定することを特徴としたクレーンの運転制御装置。
  3. 請求項1または2に記載したクレーンの運転制御装置において、
    前記第1制限速度及び前記第2制限速度を、前記始点側と前記終点側とで個別に設定することを特徴としたクレーンの運転制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載したクレーンの運転制御装置において、
    前記トロリー速度パターン生成手段は、前記トロリーの加速完了時または減速完了時の前記吊り荷の振れを抑制するように前記トロリー速度パターンを生成することを特徴としたクレーンの運転制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載したクレーンの運転制御装置において、
    第1制限速度決定手段及び前記第2制限速度決定手段は、前記ホイストの加減速期間に前記吊り荷の荷重を推定して前記第1制限速度及び前記第2制限速度をそれぞれ決定することを特徴としたクレーンの運転制御装置。
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