JP2020090332A - クレーンおよびクレーン制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
荷振れを抑制しつつ、クレーンを停止する制御方法として、例えば、特許文献1の技術が開示されている。
ここで、本発明は、吊荷を水平方向に移動可能なクレーン全般に有効であり、トロリにより吊荷を横行および走行させるクレーン(例えば、天井クレーン)はもちろん、横行又は走行のみを行うクレーン(例えば、アンローダ)においても適用できる技術である。つまり、本明細書において、「クレーン」という用語は、吊荷を水平方向に移動可能なすべての種類のクレーンを含む。
図1から図4を用いて、本発明における実施例1のクレーンを説明する。なお、各図において、同一機器(装置)には同一符号を付し、後の図の説明では既出の機器の説明は省略する場合がある。
P(s)=−s/(s^2+wr^2)
ここで、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:吊荷の振子周期、g:重力加速度、L:ロープの回転中心から吊荷の重心までの距離)である。なお、ロープの回転中心から吊荷の重心までの距離Lは、この実施例ではロープ長さL0に、フック位置からとワイヤーにより吊り下げられている吊荷の重心までの距離△Lを加算して求める。距離△Lは、予めメモリ102に記憶しておく。
第1速度パターンが時間tに関する関数v1(t)で与えられると、第1速度パターンを入力したときに発生する荷振れx1(t)は、v1(t)をラプラス変換してV1(s)を求め、X1(s)=P(s)*V1(s)を逆ラプラス変換することにより求めることができ、次式のように与えられる。
x1(t)=A1*sin(wr*t+θ1)
x2(t)=A2*sin(wr*t+θ2)
x1(t)をx2(t)で打消すためには、x1(t)とx2(t)の位相を一致させ、振幅を打消し合うようにすればよいので、
θ1=θ2、A1=−A2
を満たすようにすればよい。T1、Vdminはガーダ・トロリの性能により決められるパラメータなので、停止時にはVmax、wr、T1、VdminからT2、Vdmaxを計算すればよい。
なお、T1はできるだけ小さく、Vdminはできるだけ0近傍にすると、制動距離の短縮効果が大きくなる。
A1=2*Vmax*sin(T1*wr/2)/(T1*wr^2)
θ1=−T1*wr/2
A2=−8*Vdmax*sin(T2*wr/4)^2/(T2*wr^2)
θ2=π/2−(T1+T2/2)*wr
T2=π/wr−T1
Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*Vmax
次に、本発明の実施例2のクレーンを説明する。なお、上述の実施例との共通点についての重複説明は省略する。図5に本発明における実施例2のクレーンの構成を示す。図5において、図1および図2と同一機器には同一符号を付し説明を省略する。
X(s)=P(s)*VT(s)
x0(t)=A0*sin(wr*t+θ0)
ここで、
A0=sqrt(a^2+(b/wr)^2)
θ0=atan(a/(b/wr))
である。
x01(t)=A01*sin(wr*t+θ01)
A01=sqrt(2*Vmax^2+A0^2*T1^2*wr^4−2*Vmax^2*cos(T1*wr)−2*A0*T1*wr^2*Vmax*sin(θ0)+2*A0*T1*wr^2*Vmax*sin(θ0+T1*wr))/(T1*wr^2)
θ01=atan((−Vmax+Vmax*cos(T1*wr)+A0*T1*wr^2*sin(θ0))/(A0*T1*wr^2*cos(θ0)+Vmax*sin(T1*wr)))
である。
T2=π/wr−2*T1−2*θ01/wr
Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*A01
とすればよい。
図6〜図9から分かるように、停止動作開始時の荷振れの位相が違っていても、減速により生じた荷振れが三角波速度指令により打消され、トロリが停止して以降の荷振れが抑制できている。
次に、本発明の実施例3のクレーンを説明する。なお、上述の実施例との共通点についての重複説明は省略する。この実施例3におけるクレーンの機器構成は、上記した図2又は図5に示す構成と同様であるが、実施例3では速度パターンにおける第2速度パターンに用いる波形が三角波でなく、正弦半波を用いている点で異なる。
A2=−2*π*T2*cos(T2*wr/2)/(π^2−T2^2*wr^2)*Vdmax
θ2=π/2−(T1+T2/2)*wr
したがって、この場合は、
T2=π/wr−T1
Vdmax=(π^2−T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/2))*Vmax
とすれば、停止後の荷振れを抑制することができる。
T2=π/wr−2*T1−2*θ01/wr
Vdmax=(π^2−T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/2))*A01
とすればよい。
次に、本発明の実施例4のクレーンを説明する。なお、上述の実施例との共通内容についての重複説明を省略する。
Claims (17)
- ロープの巻上巻下げにより吊荷を上下方向に移動させる巻上機と、該巻上機を有しており該吊荷を水平方向に移動させる水平移動装置と、該水平移動装置を制御するための速度指令を生成する速度指令生成部と、前記速度指令に従い前記水平移動装置の速度を制御するクレーン制御部とを有するクレーンであって、
前記速度指令生成部は、停止動作開始信号による減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すような加減速を行う第2速度パターンとを生成し、
前記クレーン制御部は、前記減速開始時から前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を制御し、前記第1の減速終了速度に減速した時点からは前記第2速度パターンにより前記水平移動装置を制御するクレーン。 - 請求項1記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンの駆動時間T2を、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記第1速度パターンの駆動時間T1に基づいて求め、
前記第2速度パターンにおける最大速度Vdmaxを前記前記第2速度パターンの駆動時間T2と、前記距離Lと、前記減速開始時の速度Vmaxに基づいて求めることを特徴とするクレーン。 - 請求項2記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは三角波であって、
前記三角波の時間幅T2と最高速度Vdmaxは、
T2=π/wr−T1、
Vdmax=(T2*wr^2)/(8*(sin(T2*wr/4))^2)*Vmax、
により演算することを特徴とするクレーン。
ここで、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:前記第1速度パターンの減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、である。 - 請求項2記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは三角波であって、
前記三角波の最高速度Vdmaxと時間幅T2は、
T2=π/wr−2*T1−2*θ01/wr
Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*A01
の演算により求められることを特徴とするクレーン。
ここで、
A0=sqrt(a^2+(b/wr)^2)、
θ0=atan(a/(b/wr))、
A01=sqrt(2*Vmax^2+A0^2*T1^2*wr^4−2*Vmax^2*cos(T1*wr)−2*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0)+2*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0+T1*wr))/(T1*wr^2)、
θ01=atan((−Vmax+Vmax*cos(T1*wr)+A0*T1*wr^2*sin(θ0))/(A0*T1*wr^2*cos(θ0)+Vmax*sin(T1*wr)))
であり、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:急減速の減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、a:停止動作開始時の荷振れ量、b:停止動作開始時の荷振れ速度、である。 - 請求項2記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは正弦半波であって、
前記正弦半波の時間幅T2と最高速度Vdmaxは、
T2=π/wr−T1、
Vdmax=(π^2−T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/2))*Vmax、
により演算されることを特徴とするクレーン。
ここで、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:前記第1速度パターンの減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、である。 - 請求項2記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは正弦半波であって、
前記正弦半波の時間幅T2と最高速度Vdmaxは、
T2=π/wr−2*T1−2*θ01/wr
Vdmax=(π^2−T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/2))*A01
により演算することを特徴とするクレーン。
ここで、
A0=sqrt(a^2+(b/wr)^2)、
θ0=atan(a/(b/wr))、
A01=sqrt(2*Vmax^2+A0^2*T1^2*wr^4−2*Vmax^2*cos(T1*wr)−2*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0)+2*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0+T1*wr))/(T1*wr^2)、
θ01=atan((−Vmax+Vmax*cos(T1*wr)+A0*T1*wr^2*sin(θ0))/(A0*T1*wr^2*cos(θ0)+Vmax*sin(T1*wr)))
であり、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:前記第1速度パターンの減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、a:停止動作開始時の荷振れ量、b:停止動作開始時の荷振れ速度、である。 - 請求項1記載のクレーンにおいて、
前記吊荷の荷振れ量および荷振れ速度を取得する荷振れ取得装置を有し、前記速度指令生成部は該荷振れ量および該荷振れ速度を前記速度指令の生成に利用することを特徴とするクレーン。 - 請求項7記載のクレーンにおいて、
前記荷振れ取得装置は、前記吊荷の前記荷振れ量を計測する荷振れ量検出器と、前記荷振れ量から前記荷振れ速度を演算する荷振れ速度演算装置とで構成することを特徴とするクレーン。 - 請求項7記載のクレーンにおいて、
前記荷振れ取得装置は、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離と前記クレーンの前記速度指令から前記荷振れ量および前記荷振れ速度を推定する荷振れ推定装置であることを特徴とするクレーン。 - 請求項1記載のクレーンにおいて、
前記吊荷および前記クレーンの周辺の障害物を検出する障害物検出器と、
該障害物検出器の検出信号から前記障害物と前記吊荷および前記クレーンとが衝突する危険の有無を判定し、該衝突の危険がある場合に前記速度指令生成部に前記停止動作開始信号を出力する衝突判定装置と、を設けたクレーン。 - ロープの巻上巻下げにより吊荷を上下方向に移動させる巻上機と、該巻上機を有しており該吊荷を水平方向に移動させる水平移動装置と、該水平移動装置を制御するための速度指令を生成する速度指令生成部と、前記速度指令に従い前記水平移動装置の速度を制御するクレーン制御部とを有するクレーンの制御方法であって、
停止動作開始信号による減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すような加減速を行う第2速度パターンとを生成し、
前記減速開始時から前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を制御し、前記第1の減速終了速度に減速した時点からは前記第2速度パターンにより前記水平移動装置を制御するクレーン制御方法。 - 請求項11記載のクレーン制御方法において、
前記第2速度パターンの駆動時間T2を、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記第1速度パターンの駆動時間T1に基づいて求め、
前記第2速度パターンにおける最大速度Vdmaxを前記前記第2速度パターンの駆動時間T2と、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記減速開始時の速度Vmaxに基づいて求めたことを特徴とするクレーン制御方法。 - 請求項12記載のクレーン制御方法において、
前記第1速度パターンは減速度一定の減速であり、前記第2速度パターンは三角波または正弦半波であるクレーン制御方法。 - 請求項11記載のクレーン制御方法において、
前記吊荷の荷振れ量および荷振れ速度を取得し、該荷振れ量および該荷振れ速度を前記速度指令の生成に利用することを特徴とするクレーン制御方法。 - 請求項14記載のクレーン制御方法において、
前記荷振れ量を検出し、前記荷振れ速度は前記荷振れ量を微分演算して求めるクレーン制御方法。 - 請求項14記載のクレーン制御方法において、
前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離と前記クレーンの前記速度指令から前記荷振れ量および前記荷振れ速度を推定演算して求めるクレーン制御方法。 - 請求項11記載のクレーン制御方法において、
前記吊荷および前記クレーンの周辺の障害物を検出し、該検出した障害物検出信号から前記障害物と前記吊荷および前記クレーンとが衝突する危険の有無を判定し、該衝突の危険が有ると判定した場合に前記停止動作開始信号を出力するクレーン制御方法。
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