JP6730463B2 - 変性タウリン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、変性タウリン及びその製造方法に関し、より詳細には、既存のタウリンと分子内の炭素(C)と連接した硫黄(S)の原子間距離が異なる変性タウリンおよびその製造方法に関する。
肥満は、身体エネルギーの摂取と消費のアンバランスに起因する過剰な体脂肪の蓄積により発生する疾患であって、心血管系疾患、糖尿、高血圧、高脂血症、胆石症などの身体疾患だけでなく精神健康にも影響を与えるため、これに対する対策の用意が急務である(Kopelman PG.Obesity as medical problem.Nature404:635−643,2000)。
特に、東洋人の場合、西洋人に比べて体質量指数が少なくても、腹部肥満が多いため、高血圧、糖尿病、高脂血症などの動脈関連疾患による合併症の感受性が高いことから、肥満管理がさらに重要視されている。
現代人の約30〜40%程度が有している肥満は、高血圧、冠状動脈疾患、2型糖尿病及び様々な形態の癌を誘発し得る強い危険要素として知られている。肥満人における疾病発生の危険度は、正常人に比べて高血圧の場合は4倍、糖尿病の場合は大凡10倍も高くなるため、特に肥満と糖尿病は有病メカニズムにおいて非常に密接な関連を有している。
また、肥満、糖尿病とともに血栓性疾患が代謝疾患の深刻な問題として台頭している。したがって、肥満、糖尿病、血栓性疾患などの代謝疾患をより効果的に予防または治療することのできる物質の開発が求められている。
一方、タウリン(taurine)は、食品であるアミノ酸の一種であり、植物には殆ど含有されていないが動物には広く分布されており、脳の交感神経に対して抑制作用を示すため、血圧の安定化及び脳卒中の予防に役立つ。また、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞などを誘発する低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの生成を抑制し、血管内血小板凝集作用だけでなく、各種血管系疾患及び痴呆症などの成人病に効果があると知られている。
しかし、タウリンは、各種疾患に治療能を有する有用な変形体や組成物を製造しにくいため、一般に、タウリンをアミノ酸食品状態の原材料そのままで利用するに留まっている。
そこで、本発明者らは鋭意努力した結果、タウリンと分子内の炭素(C)と連接した硫黄(S)の原子間距離が異なる変性タウリンを開発するに至った。本発明の変性タウリンは代謝疾患予防および治療効果が優れているので、医学分野に広く用いられるものと期待される。
本発明は、前記のような従来の技術上の問題点を解決するためになされたものであって、変性タウリン及びその製造方法を提供することを目的とする。
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、以下の記載から当業界において通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
以下、本願に記載の様々な具体例が図面を参照して記載される。下記説明において、本発明の完全な理解のために、様々な特異的詳細事項、例えば、特異的形態、組成物、及び工程などが記載されている。しかし、特定の具体例は、これら特異的詳細事項の1つ以上なしに、もしくは他の公知の方法及び形態とともに実行できる。他の例において、公知の工程及び製造技術は、本発明を不必要に不明瞭にしないように、特定の詳細事項として記載されない。「一具体例」または「具体例」についての本明細書全体にわたる参照は、具体例と結付されて記載された特別な特徴、形態、組成または特性が、本発明の1つ以上の具体例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な位置で表現された「一具体例において」または「具体例」の状況は、必ずしも本発明の同一の具体例を示しているわけではない。さらに、特別な特徴、形態、組成、または特性は、1つ以上の具体例で何れかの適した方法で組み合わせることができる。
明細書において特に定義されない限り、本明細書で用いられた全ての科学的及び技術的な用語は、本発明が属する技術分野において当業者により通常理解されるものと同一の意味を有する。
本発明の一具体例において、「タウリン(taurine)」とは、食品であるアミノ酸の一種であって、植物には殆ど含有されていないが動物には広く分布されており、脳の交感神経に対して抑制作用を示すため、血圧の安定化及び脳卒中の予防に役立つものである。また、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞などを誘発する低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの生成を抑制し、血管内血小板凝集作用だけでなく、各種血管系疾患及び痴呆症などの成人病に効果があると知られている。しかし、タウリンは、各種疾患に治療能を有する有用な変形体や組成物を製造しにくいため、一般に、タウリンをアミノ酸食品状態である原材料そのままで利用するに留まっている。
本発明の一具体例において、「変性タウリン」とは、既存のタウリンと異なる不規則な粒子の不定型(atypical)構造を示し、これによる異なる物理的性格を有するものである。また、このような物理的な性質の違いにより、代謝性疾患に著しい治療効果を有する。
本発明の変性タウリンは、既存のタウリンと分子内の炭素(C)と連接した硫黄(S)の原子間距離が異なり、ラマンスペクトル、FT−IR、TGA、融点または水溶解度の物性値がタウリンと異なる。また、前記変性タウリンは、食品または薬学的製剤の有効成分として用いられたり、薬学的製剤の合成に用いられるものであって、「タウリン、水(HO)、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を混合することで生成され、「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」から「水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を除去することで製造することができる。
本発明の一具体例において、「極性度」とは、溶媒や極性物質の極性程度を示すものであって、通常、水は9、エタノールは5.2、メタノールは5.1、アセトンは5.1、プロパノールは4、ブタノールは4の値を有する。このような溶媒と混合される極性物質間の極性度の差は、溶媒中に溶解された粒子の物理的性向に影響を与えることができる。
本発明の一具体例において、「肥満」とは、過剰な体脂肪を有する状態のことであり、男性は体脂肪が体重の25%以上である場合、女性は体重の30%以上である場合に肥満と定義する。食べ物で摂取する熱量が、身を動かして消費する熱量より多い際に肥満が生じるため、過食と運動不足などの生活習慣が肥満を引き起こす原因である。これを単純肥満と言う。その反面、内分泌系疾患や視床下部の機能異常、エネルギー代謝異常によっても肥満が発生することがあり、これを症候性肥満として分類する。また、肥満の原因として、遺伝的要因も挙げられる。身長と体重を用いて肥満を測定することができ、キャリパを用いて肌皺の厚さを測定することによっても診断することができる。肥満の程度を数値化した肥満度指数を計算する方法として、理想体重法(Modified Broca’s method)と体質量指数(BMI)がある。理想体重法は、[身長(cm)−100]×0.9を理想体重として計算し、現在体重を百分率で表示する方法である。すなわち、理想体重法において肥満度は、(実測体重−標準体重)/標準体重×100%である。体質量指数は、体重を身長の二乗で除したものである。現在体重が理想体重を20%超える場合、BMIが30以上である場合を肥満と言う。
肥満の人は、外形的に太って見え、息切れや関節痛症が発生することがある。また、糖尿病、高血圧などの症状が伴われることもある。
本発明の一具体例において、「糖尿病」とは、生体内でグルコース代謝と血糖調節ホルモンとの関係に異常が生じて発生する疾病である。糖尿病は、インスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)及び栄養不良関連糖尿病(MRDM)に分類され、韓国の糖尿患者の90%以上を占める2型糖尿病は、高血糖を特徴とする代謝疾患であって、遺伝的、代謝的、環境的な要因による膵臓β細胞のインスリン分泌低下または末梢組織におけるインスリン抵抗性の増加によって発生すると報告されている。これと関連して、肥満によって体脂肪が増加すると、インスリン感受性が低下する症状が現れ、特に腹部脂肪の蓄積はグルコース不耐性(glucose intolerance)に関連すると知られている。そして、2型糖尿病が発生した患者において肥満とインスリン抵抗性は密接な相関関係を有し、肥満が激しいほどインスリン抵抗性も激しくなると知られている。したがって、インスリン抵抗性を減少させることができるインスリン感受性改善剤、例えば、チアゾリジンジオン(Thiazolidinedione)系薬物とビグアニド(Biguanide)を肥満治療剤として開発した事例がある。現在まで公知された代表的な肥満治療剤としては、ゼニカル(XenicalTM、ロシュ社製、スイス)、リダクティル(ReductilTM、アボット社製、米国)、エキソリーゼ(ExoliseTM、アルコファーマ社製、フランス)などがある。しかし、このような薬剤は、脂肪の燃焼及び分解を促進させるよりは、食欲抑制と脂肪吸収抑制のメカニズムによる抗肥満の効能を有しているため、インスリン抵抗性の問題を根源的に解決することができず、肥満とともに糖尿病を完全に治療することができないだけでなく、心臓疾患、呼吸器疾患、神経系疾患などの副作用が報告されている状況である。
本発明の一具体例において、「代謝症候群」とは、慢性的な代謝障害によって発生する糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、冠状または動脈硬化症などの様々な疾患が同時に発生する疾患のことであり、1988年Reaven(Reaven GM,Diabetes,1988,37:1595−1607)によって始めて究明された。代謝症侯群は、インスリン抵抗性と高血圧、異常脂質血症を特徴としており、殆どの場合、過体重や肥満を伴っている。代謝症侯群は、また心血管疾患の危険因子であり、全ての原因による死亡に連関していると報告されている。2型糖尿病患者の場合、1型糖尿病と異なって、代謝症侯群の有病率が高いと報告されており、2型糖尿病患者が代謝症侯群を伴う場合、死亡率が増加すると知られている(Bonora E,et al.Diabet Med.,2004,21:52−8;Ford ES,Diabetes Care.,2005,28:1769−78;Alexander CM,et al.Diabetes,2003,52:1210−1214)。また、2型糖尿病の大血管及び細小血管合併症と高血圧、異常脂質血症などの代謝症侯群の構成要素との連関性に対する研究が発表されている(Mykkanen L,et al.Diabetologia.,1993,36:553−559;Haffner SM,et al.Diabetes,1992,41:715−722)。代謝症侯群の最も深刻な問題点は、糖尿病性網膜症、腎症、神経症、高脂血症、心血管疾患(脳卒中、狭心症、心筋梗塞症、末梢血管疾患)などの慢性合併症の発生である(Wolf SP,Br Med Bull.,1993,49:642−652)。このような慢性合併症は、殆どの場合、一旦発生した後には不可逆的な進行過程を経ることになり、このような過程を完全に遮断できる方法が未だにないため、適切な治療を並行して行わないと、深刻な症状を招いて患者を死に至らしめる。したがって、複合的症状を有する代謝症侯群の効果的な管理または治療のためには、正常血糖の維持のための血糖降下効果とともに、腎症、肝症、高脂血症などを治療する効果を有することが理想的であるが、このような治療剤は未だに開発されておらず、血糖降下剤、血圧降下剤、コレステロール治療剤などをそれぞれ個別的に別に服用している。
韓国特許出願公開第2008−0059575号では、PPARのモジュレータの塩及び代謝疾患を治療する方法が開示されているが、化学的に合成されたものであるため副作用の恐れがある。このような副作用を最小化するために、韓国特許出願公開第2009−0114093号では、呉茱萸(Evodiae Fructus)、茅根(Imperatae Rhizoma)及びウンシュウミカン(Citrus Unshiu Markovich)の複合抽出物を有効成分として含有する肥満(Obesity)及び代謝症候群(Metabolic Syndrome or Syndrome X)の予防または治療用組成物が開示されており、韓国特許出願公開第2010−0956278号では、ゴーヤ、冬虫夏草、地骨皮、桑白皮、鬼剪羽、葛根、黄精、白朮、麥門冬、山茱萸、高麗人参を含む複合生薬抽出物を有効成分とする糖尿病または糖尿病合併症の治療または予防用組成物が開示されている。
本発明の一具体例において、「血液凝固」とは、血液が血管外に漏れた際に固まる現象を意味する。人体構成成分として血液は、酸素、栄養分、老廃物を運ぶ機能と、緩衝作用、体温維持、浸透圧調節及びイオン平衡維持、水分一定維持、液性調節作用、血圧の維持及び調節、生体防御などの様々な重要機能を担っている。
正常な血液循環は、体内での血液凝固反応系と血栓溶解反応系が相互補完的に調節されながら血液循環が容易となり、これらのうち血液凝固反応系のメカニズムは、血管壁に血小板が粘着、凝集して血小板血栓を形成した後、血液凝固系が活性化されて血小板凝集塊を中心にフィブリン血栓が形成されると報告されている。フィブリン血栓の生成は、数多くの血液凝固因子の多段階反応を経てフィブリン凝固に関与するトロンビンが活性化され、フィブリノーゲンからフィブリンモノマーを生成するようにし、フィブリンモノマーはカルシウムによって重合され、血小板と内皮細胞に結合することになり、XIII因子によって交差結合されたフィブリンポリマーを形成しながら永久的な血栓を生成することになる。したがって、トロンビンの活性阻害物質は、過剰な血液凝固異常により発生する様々な血栓性疾患に非常に有用な予防及び治療剤として用いることができる。内因性血栓生成経路には、XII因子、XI因子、IX因子、X因子の順次的活性化に続くプロトロンビンの活性化が最終的にトロンビンを活性化すると知られており、血液凝固因子の特異的阻害も、重要な血栓性疾患治療剤の開発ターゲットとなっている。現在、血栓性疾患の予防と治療において、ヘパリン、クマリン、アスピリン、ウロキナーゼなどの様々な抗凝固剤、抗血小板剤、血栓溶解剤などが用いられているが、これらは、非常に高価であるだけでなく、出血性副作用と胃腸障害及び過敏反応などによってその使用が限定されている状況である。
本発明の一具体例において、「薬学組成物」とは、特定の目的のために投与される組成物を意味する。本発明の目的上、本発明の薬学組成物は、変性タウリンを含んで代謝疾患の予防または治療のために投与されるものであり、これに関与する糖、タンパク質及び薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含むことができる。前記「薬学的に許容可能な」担体または賦形剤は、政府の規制部により承認されたものであるか、または脊椎動物、そしてより特別には、ヒトに使用するための政府またはその他の一般的に承認された薬局方でリストされたものを意味する。非経口投与に適した変性タウリンを含む薬学組成物は、油性または水性担体にある懸濁液、溶液またはエマルションの形態になってもよく、また、懸濁剤、安定化剤、溶解剤、及び/または分散剤などの製剤化剤を含んでもよい。本形態は滅菌されてもよく、また、液体であってもよい。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定し、また、細菌やカビなどの微生物の汚染作用に対して保存可能である。代案的に、変性タウリンを含む薬学組成物は、使用前に適切な担体と再構成のために滅菌粉末形態であってもよい。薬学組成物は、ユニットドーズの形態で、アンプルにまたはその他のユニットドーズ容器に、またはマルチドーズ容器に存在してもよい。代案的に、薬学組成物は、ただ滅菌液体担体、例えば、使用する直前に注射用水の付加を要する凍結−乾燥された(冷凍乾燥)状態で保管されてもよい。即時注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、グラニュールまたはタブレットに製造できる。変性タウリンを含む薬学組成物に適した賦形剤は、保存剤、懸濁剤、安定化剤、染料、緩衝剤、抗菌剤、抗真菌剤、及び等張化剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含む。ここで用いられたものにおいて、用語「安定化剤」は、サルファイト塩の必要性を回避し、且つ保存寿命を増加するために、本発明の薬学組成物に選択的に用いられた化合物を言う。安定化剤の非制限的な例としては、抗酸化剤を含む。
薬学組成物は、1つまたはそれ以上の薬学的に許容可能な担体を含むことができる。担体は溶媒または分散培地であってもよい。薬学的に許容可能な担体の非制限的な例としては、水、食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、オイル、及びこれらの適切な混合物を含む。
非経口用製剤は滅菌されてもよい。滅菌技術の非制限的な例としては、細菌−抑制フィルターによる濾過、最終滅菌(terminal sterilization)、滅菌製剤の合体、放射線の照射、加熱、真空乾燥及び凍結乾燥を含む。
また、本発明による薬学組成物は、前記変性タウリンまたは変性タウリンを生成させる「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」に、糖、ポリフェノール及びアミノ酸からなる群から選択される1つ以上を添加して製造可能であり、前記糖は、単糖、二糖及び多糖からなる群から選択されることを特徴とする。上記の場合、糖は変性タウリンに対して0.1〜2重量部で含まれ、アミノ酸は変性タウリンに対して0.1〜0.5重量部で含まれることが好ましいが、これに限定するものではない。
本発明の一具体例において、「食品組成物」とは、代謝疾患を改善するための食品組成物として多様に用いられるものであって、本発明の組成物を有効成分として含む食品組成物は、各種食品類、例えば、飲料、ガム、茶、ビタミン複合剤、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、菓子、餅、パンなどの形態で製造できる。本発明の食品組成物は、毒性及び副作用が殆どない既存の食品用摂取物から改良されて構成されたものであるため、予防の目的で長期間服用する際にも安心して用いることができる。本発明の組成物が食品組成物に含まれる際に、その量は全体重量の0.1〜100%の比率で添加することができる。ここで、前記食品組成物が飲料の形態で製造される場合、指示された比率で前記食品組成物を含有すること以外は特に制限されず、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。すなわち、天然炭水化物として、グルコースなどの単糖類、果糖などの二糖類、スクロースなどの多糖類、デキストリン、シクロデキストリンなどのような通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールなどを含むことができる。前記香味剤としては、天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリチルリチンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)などが挙げられる。その他の本発明の食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成甘味剤及び天然甘味剤などの甘味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有することができる。このような成分は、独立して用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。このような添加剤の比率は、それほど重要ではないが、本発明の組成物100重量部に対して0.1〜100重量部の範囲から選択されることが一般的である。
本発明の一具体例において、投与とは、何れかの適切な方法により患者に本発明の組成物を導入することを意味し、本発明の組成物の投与経路は、目的組織に到達できる限り、何れかの一般経路を介して投与することができる。経口投与、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、鼻内投与、肺内投与、直腸内投与、腔内投与、硬膜内投与などが行われることができるが、本発明の変性タウリンを含む代謝疾患予防または治療用薬学組成物の場合、経口投与または静脈注射により投与されることが好ましいが、これに限定するものではない。
本発明の代謝疾患の治療方法は、前記薬学組成物を薬学的有効量で投与することを含むことができる。本発明における有効量は、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含有された有効成分及び他の成分の種類及び含量、製剤の種類及び患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、同時に用いられる薬物を初めとする様々な因子に応じて調節され得る。
本発明の一具体例において、第1極性溶媒上でタウリンを加温しながら溶解させ、第2極性物質を添加することで生成された変性タウリンであって、第1溶媒と第2極性物質との極性度の差が5以下であり、ラマンスペクトル上の位置847、891、1182、1256、1427、1458cm−1で891/847の吸収帯の強度割合、1182/1256の吸収帯の強度割合、及び1427/1458の吸収帯の強度割合が何れも1未満である変性タウリンを提供する。前記具体例において、変性タウリンとして、溶け始める点(onset point)が330℃〜340℃である変性タウリンを提供し、水溶解度が75〜79g/Lである変性タウリンを提供する。また、前記変性タウリンとして、赤外線分光(FT−IR)で1650〜2800cm−1位置の吸収波長がタウリンと異なる変性タウリンを提供し、第1極性溶媒が水であり、第2極性物質が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸、エチルアセテート、及びクロロホルムからなる群から選択された何れか1つである変性タウリンを提供する。
本発明の一具体例において、加熱または加温は、直接加熱するか、または電子レンジを用いるなど、水を加熱することができる方法であれば何れも用いることができる。一般ソルベント種類であるがタウリン溶解のための溶媒ではない、第2極性物質である「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」の除去も、加熱方法、分離方法などの可能な方法であれば何れも用いることができ、加熱方法は、アルコールの場合は、アルコールの沸点(エタノールは約78.4℃、メタノールは約64.7℃)以上に加熱する際に除去される。エタノールの場合、1気圧約100℃で混合物100mlを基準として1分〜15分間加熱する。
本発明の一具体例において、精製水にタウリン(NHCHCHSOH)を溶解させた後、「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を添加する場合、既存のタウリンとは異なる物性を有し、薬学的製剤の有効成分として用いられたり、薬学的製剤の合成に用いられる「変性タウリン」の製造に必要な「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」を製造することができることを確認しようとした。
本発明の一具体例において、タウリンの溶解度を高めるために、水を加熱して沸点でタウリン水溶液を製造し、「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」であるアルコールまたはアセトンを添加することで、「変性タウリン」を生成させる白色の半固形物が形成された「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」を製造した(図1参照)。前記白色の半固形物は、タウリン、水、及びアルコール(またはアセトン)が凝集(aggregation)されて結合されたものであって、温度が下がってもタウリンが析出されず、水とアルコール(またはアセトン)が除去されると「変性タウリン」が生成される。すなわち、前記白色の半固形物が形成された「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」から、水及び「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を除去すると、既存のタウリンと異なる物性を有する「変性タウリン」が生成される。
本発明の一具体例において、「メチル基(−CH)があるか含む極性物質または極性溶媒」は、アルコール類のような「メチル基(−CH)が含まれたアルキル基(C2n+1)」の極性物質などを含み、タウリン水溶液と混合されると、「変性タウリン」を生成させる前記白色の半固形物を形成することができる適正な極性を有していなければならない。前記白色の半固形物は、タウリン、水、及び「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」で形成された物質である。使用可能な「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトンなどを例示することができるが、アルコールは、炭素数が増加するほど極性が急激に小さくなって、前記白色の半固形物が形成される量が少なくなるため、これを考慮しなければならない。前記「変性タウリン」を生成させる「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」は、一般に、1気圧下で精製水30ml当り0.1〜17.1gのタウリンを添加し、100℃に加熱して溶解させた後、1〜1,000mlの「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を添加して混合することで製造することができる。前記タウリンの添加量が前記範囲より少ない場合、薬学的製剤合成用中間体としての機能、すなわち、目的とする最終薬学組成物の治療効果が低下する恐れがあり、前記範囲より多い場合には、タウリンが十分に溶解されないという問題がある。また、前記「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」の添加量が前記範囲未満である場合、「変性タウリン」が十分に形成されない恐れがある。前記添加される「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」の量は、「変性タウリン」が十分に製造される限り制限されないが、タウリン水溶液100重量部に対して10〜3,000重量部を添加することが好ましい。
本発明の一具体例において、炭素(C)と硫黄(S)の原子間距離が1.7730〜1.7779(Å)であり、硫黄(S)と3個の酸素(O)の原子間平均距離が1.452〜1.462(Å)であり、硫黄(S)と3個の酸素(O)の原子間最大距離が1.458〜1.468(Å)である変性タウリンを提供し、前記変性タウリンはラマンスペクトル上の位置847、891、1182、1256、1427、および1458cm−1で891/847吸収帯の強度割合、1182/1256吸収帯の強度割合、および1427/1458吸収帯の強度割合が何れも1未満であることを特徴とする変性タウリンを提供し、前記変性タウリンは溶け始める点(onset point)が330℃〜340℃であることを特徴とする変性タウリンを提供し、前記変性タウリンは水溶解度が75〜79g/Lであることを特徴とする変性タウリンを提供し、前記変性タウリンは最大密度が1.74〜1.76g/cmであることを特徴とする変性タウリンを提供し、前記変性タウリンは赤外線分光(FT−IR)で1650〜2800cm−1位置の吸収波長がタウリンと異なることを特徴とする変性タウリンを提供する。
本発明の他の具体例において、(a)水にタウリンを溶解させる段階;(b)前記(a)にアルコールを添加してタウリン、水、およびアルコールを結合させる段階;および(c)前記(b)から水およびアルコールを除去してタウリンを再結晶化する段階;を含む変性タウリンの製造方法を提供し、前記(a)段階での水はタウリン飽和水溶液に該当する水の量の1〜20倍で使用することを特徴とする変性タウリンの製造方法を提供する。
以下、前記本発明を段階別に詳しく説明する。
本発明の変性タウリンは、既存のタウリンと分子内の炭素(C)と連接した硫黄(S)の原子間距離が異なり、ラマンスペクトル、FT−IR、TGA、融点または水溶解度の物性値がタウリンと異なる。また、前記変性タウリンは、食品または薬学的製剤の有効性分として用いられるか薬学的製剤の合成に用いられるものであって、「タウリン、水(HO)および分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を混合することで生成され、「タウリン、水および分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」から「水および分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を除去して製造することができる。
前記本発明の変性タウリンは代謝疾患予防および治療効果が優れているので、医学分野に広く用いられるものと期待される。
本発明の一実施例による、タウリン、水、及び「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」を混合することで、白色の半固形物が形成された「変性タウリン」を生成させる「タウリン、水、及び分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質を含有する組成物」の写真である(A:エタノール(酒精)、B:メタノール、C:プロパノール、D:ブタノール、E:アセトン)。 本発明の一実施例によるタウリン及び変性タウリンのラマンスペクトルである。 本発明の一実施例によるタウリンの赤外線(FT−IR)分光分析結果である。 本発明の一実施例による変性タウリンの赤外線(FT−IR)分光分析結果である。 本発明の一実施例によるタウリン及び変性タウリンのSEM分析結果である。 本発明の一実施例によるタウリン及び変性タウリンのTGAグラフである。 本発明の一実施例によるタウリン及び変性タウリンの1次微分TGAグラフである。 本発明の一実施例によるタウリン及び変性タウリンの融点測定結果である(A:融点グラフ、B:分析レポート写真)。 本発明の一実施例によるタウリン及び変性タウリンの水溶解度測定結果である。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのプロトロンビン時間(Prothrombin Time)の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの活性化部分トロンボプラスチン時間(activated Partial Thromboplastin Time)の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのトロンビン時間(Thrombin Time)の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのプロトロンビン時間(ProthrombinTime)の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの活性化部分トロンボプラスチン時間(activated Partial Thromboplastin Time)の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのトロンビン時間(Thrombin Time)の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの体重増加量を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのGTT測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのGTT測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのGTT測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスのGTT測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの肝、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)、及び腎臓組織を撮影した写真である。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの肝、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)、及び腎臓組織を撮影した写真である。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの肝、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)、及び腎臓組織を撮影した写真である。 本発明の一実施例による、本発明の薬学組成物を処理したマウスの肝、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)、及び腎臓組織を撮影した写真である。
本発明の一具体例において、炭素(C)と硫黄(S)の原子間距離が1.7730〜1.7779(Å)であり、硫黄(S)と3個の酸素(O)の原子間平均距離が1.452〜1.462(Å)であり、硫黄(S)と3個の酸素(O)の原子間最大距離が1.458〜1.468(Å)である変性タウリンを提供し、(a)水にタウリンを溶解させる段階;(b)前記(a)にアルコールを添加してタウリン、水、およびアルコールを結合させる段階;および(c)前記(b)から水およびアルコールを除去してタウリンを再結晶化する段階;を含む変性タウリンの製造方法を提供する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれら実施例によって制限されると解釈されないことは、当業界において通常の知識を有する者において自明であろう。
(組成物の構成設計)
実験に先立ち、各実験で使用する実施例及び比較例の成分及び構成比を設計した。それを表1に示した。各構成での具体的な製造方法は、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2に記載した。
〔実施例1:「変性タウリン」の製造〕
1−1:変性タウリンを含有する組成物の製造
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで約60秒間加熱して溶解させた後、直ちにアルコール(エタノール(酒精、以下、酒精使用)、メタノール、プロパノール、ブタノール)またはアセトン60mlをそれぞれ添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物である組成物(図1)を製造した。
1−2:変性タウリン結晶の製造
(1)精製水6mlにタウリン(1.72g)、(2)精製水15mlにタウリン(4.3g)、(3)精製水28mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで20〜60秒間加熱して溶解させた後、直ちに常温のエタノール12ml(上記(1)の場合)、エタノール30ml(上記(2)の場合)、エタノール60ml(上記(3)の場合)を添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。
その次に、製造された前記混合物に約100℃に加熱された精製水40ml、精製水32ml(上記(3)の場合)を添加した後、電子レンジで約3〜5分間アルコールが除去されるまで加熱することで組成物を製造した。
固体状態の変性タウリン結晶を上記(3)の場合で製造した後、温風乾燥器で乾燥して製造した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
〔実施例2:代謝疾患の予防または治療用薬学組成物の製造〕
2−1:変性タウリン+五炭糖組成物の製造1
精製水32mlに五炭糖(キシロース、アラビノース)を所定量(2.5g、3.5g)入れ、電子レンジで30秒間加熱して完全に溶解させた。新たに28mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで60秒間加熱して溶解させた後、直ちにエタノール60mlを添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、先に準備した五炭糖水溶液を添加した後、アルコールが完全に除去されるまで電子レンジで約5分間加熱して組成物を製造した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−2−1:変性タウリン+五炭糖組成物の製造2
精製水40mlに五炭糖(キシロース、アラビノース、リボース)を所定量(1.04g、2.6g、5.2g、6.5gまたは7.8g)入れ、電子レンジで約30〜50秒間加熱して完全に溶解させた。新たに(1)精製水15mlにタウリン(4.3g)または(2)精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで40〜60秒間加熱して溶解させた後、直ちにエタノール30ml(上記(1)の場合)または60ml(上記(2)の場合)を添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、先に準備した五炭糖水溶液を前記混合物に添加した後、アルコールが完全に除去されるまで電子レンジで約3〜5分間加熱した。この混合液に精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−2−2:変性タウリン+五炭糖組成物の製造3
精製水40mlを電子レンジで約30秒間加熱して沸かしておき、精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで約60秒間加熱して溶解させた後、直ちにエタノール60mlを添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、この混合物に先に準備した沸かした精製水40mlを添加した後、電子レンジでアルコールが完全に除去されるまで約5分間加熱(100℃)して組成物を製造した。
また、精製水40mlに五炭糖(キシロース、アラビノース)を所定量(1.04g、5.2gまたは7.8g)入れ、電子レンジで約30秒間加熱して完全に溶解させた。これに、先に製造した前記組成物を混合し、この混合液が十分に混合されるように電子レンジで約30秒間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−3:変性タウリン+六炭糖組成物の製造
精製水40mlに六炭糖(マンノース、グルコース及びフラクトース)を所定量(3.1gまたは7.75g)入れ、電子レンジで約50秒間加熱して完全に溶解させた。新たに精製水15mlにタウリン(4.3g)を入れ、電子レンジで40秒内外に加熱して溶解させた後、直ちにエタノール30mlを添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、先に準備した六炭糖水溶液を添加した後、アルコールが完全に除去されるまで電子レンジで約3分30秒間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−4−1:変性タウリン+ポリフェノール+アミノ酸組成物の製造1
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで1分20秒内外に加熱して完全に溶解させた後、直ちにエタノール60mlを添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、精製水40mlを電子レンジを用いて1分間約100℃に加熱し、カテキン(3g)及びベタイン(4g)を添加して溶解させた後、前記混合物に添加してから、電子レンジで5分間加熱してエタノールを除去した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−4−2:変性タウリン+ポリフェノール+アミノ酸組成物の製造2
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで1分20秒内外に加熱して完全に溶解させた後、直ちにエタノール60mlを添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、精製水40mlを電子レンジを用いて1分間約100℃に加熱し、EGCG(1.5g)及びベタイン(4g)を添加して溶解させた後、前記混合物に添加してから、電子レンジで5分間加熱してエタノールを除去した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−5:変性タウリン+ポリフェノール+アミノ酸+五炭糖組成物の製造
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで1分20秒内外に加熱して完全に溶解させた後、直ちにエタノール60mlを添加しながら棒で掻き混ぜることで、白色の半固形物が形成された混合物を製造した。その次に、精製水40mlを電子レンジを用いて1分間約100℃に加熱し、EGCG(1.5g)、ベタイン(4g)及びキシロース(3.5g)を添加して溶解させた後、前記混合物に添加してから、電子レンジで5分間加熱してエタノールを除去した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
〔比較例1:タウリン水溶液の製造〕
1−1:タウリン水溶液の製造1
精製水60mlを電子レンジで約1分間加熱した後、タウリン(8.6g)を添加して溶解させてから、電子レンジで3分間加熱した。
1−2:タウリン水溶液の製造2
精製水40mlを電子レンジで約30秒間加熱して沸かしておき、新たに精製水30mlにタウリン(1.72g、4.3gまたは8.6g)を入れて電子レンジで約1分間加熱溶解(100℃)した。その次に、先に準備した沸かした精製水40mlを添加し、電子レンジで沸くまで約2分間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
〔比較例2:代謝疾患の予防または治療用薬学組成物の製造〕
2−1:五炭糖組成物の製造
精製水40mlに五炭糖(キシロース、アラビノース、リボース)を所定量(1.04g、5.2g、7.8gまたは10.4g)入れ、電子レンジで約30秒間加熱して完全に溶解させた後、新たに電子レンジで約30秒間沸かした精製水30mlを添加した。五炭糖溶液が沸くまで電子レンジで約3〜4分間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−2:六炭糖組成物の製造
精製水40mlに六炭糖(マンノース、グルコース及びフラクトース)を所定量(3.1g、6.2gまたは12.4g)入れ、電子レンジで約50秒間加熱して完全に溶解させた後、新たに電子レンジで約30秒間沸かした精製水30mlを添加した。六炭糖溶液が沸くまで電子レンジで約2〜3分間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−3−1:タウリン+五炭糖組成物の製造1
精製水40mlに五炭糖(キシロース、アラビノース、リボース)を所定量(1.04g、2.6g、5.2g、6.5gまたは7.8g)入れ、電子レンジで約30〜50秒間加熱して完全に溶解させた。新たに、(1)精製水15mlにタウリン(4.3g)または(2)精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで40〜60秒間加熱して溶解させた後、先に準備した五炭糖溶液を混合した。この混合液を電子レンジで沸くまで約2〜4分間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−3−2:タウリン+五炭糖組成物の製造2
精製水60mlを電子レンジで1分間約100℃まで加熱した後、タウリン(8.6g)にそれぞれアラビノース(2.5g)、キシロース(3.5g)を添加して完全に溶解した後、電子レンジで3分間加熱した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−4:タウリン+六炭糖組成物の製造
精製水40mlに六炭糖(マンノース、グルコース及びフラクトース)を所定量(3.1gまたは7.75g)入れ、電子レンジで約50秒間加熱して完全に溶解させた。新たに精製水15mlにタウリン(4.3g)を入れ、電子レンジで40秒内外に加熱溶解した後、先に準備した六炭糖溶液を混合した。この混合液を電子レンジで沸くまで約2分間加熱した後、精製水を追加して総量を100mlにして実験に使用した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−5−1:タウリン+ポリフェノール+アミノ酸組成物の製造1
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで1分20秒内外に加熱して完全に溶解させてタウリン水溶液を製造した。その次に、精製水40mlを電子レンジを用いて1分間約100℃に加熱し、カテキン(3g)及びベタイン(4g)を添加して溶解させた後、タウリン水溶液に添加してから、電子レンジで約4分内外に加熱した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−5−2:タウリン+ポリフェノール+アミノ酸組成物の製造2
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで1分20秒内外に加熱して完全に溶解させてタウリン水溶液を製造した。その次に、精製水40mlを電子レンジを用いて1分間約100℃に加熱し、EGCG(1.5g)及びベタイン(4g)を添加して溶解させた後、タウリン水溶液に添加してから、電子レンジで約4分内外に加熱した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
2−6:タウリン+ポリフェノール+アミノ酸+五炭糖組成物の製造
精製水30mlにタウリン(8.6g)を入れ、電子レンジで1分20秒内外に加熱して完全に溶解させてタウリン水溶液を製造した。その次に、精製水40mlを電子レンジを用いて1分間約100℃に加熱し、EGCG(1.5g)、ベタイン(4g)及びキシロース(3.5g)を添加して溶解させた後、タウリン水溶液に添加してから、電子レンジで約4分内外に加熱した(各組成物の具体的な構成比は表1参照)。
〔実施例3.変性タウリンの性質確認〕
(実験例1: X線単結晶(single crystal XRD)分析)
実験例1−1:100Kでの単結晶測定
単結晶X線分析は、Moチューブ、黒鉛単色化装置(graphite−monochromator)およびCCD領域検出器(CCD area−detector)が付着されたXRD装備(Bruker SMART APEX II X−ray Diffractometer)で50KV、40mA、そして100Kの条件でデータを獲得し、Bruker SHELXTLソフトウェアで構造分析を行った。前記の具体的な遂行条件を下記表2に記載した。
前記変性タウリンの単結晶X線分析から、X−原子座標(×10)と変性タウリンに対する等価等方性変位媒介変数(Å×10)を表3に記載し、変性タウリン原子内の結合の長さ(Å)および角度(°)を表4に記載し、変性タウリンに対する異方性変位媒介変数(Å×10)を表5に記載し、変性タウリンの水素座標(×10)および等方性変位媒介変数(Å×10)を表6に記載し、変性タウリンのねじれ角(°)を表7に記載し、変性タウリンの水素結合(Åおよび°)を表8に記載した。
実験例1−2:296Kでの単結晶測定
単結晶X線分析は、Moチューブ、黒鉛単色化装置(Adjustable graphite monochromator)、X線測角器(SMART 3−Axis Goniometer)、およびCCD領域検出器(APEX II 4K CCD Detector)が付着されたXRD装備(BRUKER AXS SMART APEX II)で50KV、40mA、そして296K(常温)の条件でデータを獲得し、Bruker SHELXTLソフトウェアで構造分析を行った。前記の具体的な遂行条件を下記表9に記載した。
前記変性タウリンの単結晶X線分析から、X−原子座標(×10)と変性タウリンに対する等価等方性変位媒介変数(Å×10)を表10に記載し、変性タウリン原子内の結合の長さ(Å)および角度(°)を表11に記載し、変性タウリンに対する異方性変位媒介変数(Å×10)を表12に記載し、変性タウリンの水素座標(×10)および等方性変位媒介変数(Å×10)を表13に記載し、変性タウリンのねじれ角(°)を表14に記載し、変性タウリンの水素結合(Åおよび°)を表15に記載した。
実験例1−3:タウリンと変性タウリンの単結晶比較
前記表2〜15の結果から導出された変性タウリンの単結晶X線分析結果から変性タウリンの原子的特徴をタウリンと比較して表16に記載した。タウリンの比較データは公知された論文(Y.Okaya,Acta Cryst.1966.(21)726−35;David E.Hibbs et al.,Chem.Eur.J.2003,9,No.5.1075−84;およびJ.A.Beukes et al.,Phys.Chem.Chem.Phys.,2007,9,4709−20など)から抽出した。
上記表16の原子距離を整理した結果を表17に記載した。
実験の結果、測定温度100Kと296K(常温)の温度変化によるXRD結果において原子の結合の長さの変化を見れば下記のような特徴があった。
(1)S−C、およびS−Oの結合の長さは、296Kから100Kに温度が下がる時に全体的に長くなる傾向を示した。これは、温度が下がるにつれて分子の運動性が減り、結合の方向性を有する水素結合が隣接した他の分子と強くなることにより生じた現像と解釈することができる。
(2)296Kから100Kに温度が下がる時に結合強度を示すS−C距離、S−O平均距離およびS−O最大長さの変化が、変性タウリンが一般タウリンに比べてそれぞれ56.9%、31.6%および38.3%短いことが分かった。また、同一温度で変性タウリンのS−O原子間最大距離は一般タウリンのS−O原子間平均距離とほとんど同じであり、同一温度で変性タウリンのS−C原子間結合距離は一般タウリンに比べて0.007〜0.008Å短いことが分かった。全般的にS−C原子間結合距離は、温度と関係なく変性タウリンは1.78Å以下であり、一般タウリンは1.78Å以上であることが分かった。したがって、このような結合の長さの差は変性タウリン分子の原子間電子密度分布が一般タウリンと異なり、これはタウリン分子内の−SO−基が結合された−CHCH−基の影響を受けているということを意味する。
(3)また、変性タウリンはタウリンに比べて水素結合特性が強くないことが分かった。前記表17でS−O結合の最大距離は隣接した分子のN−Hと水素結合程度を示すものであって、長さが長いほど水素結合が強いということを意味する。同一温度で比較すれば一般タウリンのS−O最大距離が変性タウリンに比べて0.003〜0.006Åさらに長いと測定されたので、一般タウリンの水素結合がさらに強いことが分かった。これは、分子内電子密度分布が、変性タウリンの場合、特定結合にさらに集中しており、外部の影響(水素結合)に対しても大きな変化を示さないということを示す。
(実験例2:ラマンスペクトル(Raman Spectrum)分析)
タウリンと「変性タウリン」の構造的な違いを確認するために、ラマン(Raman)分析を韓国高分子試験研究所に依頼し、その結果を図2に示した。
分析のための「変性タウリン」結晶は、何れも実施例1−2(3)の場合で製造された固体状態の結晶を使用した。
参考に、分析装備及び条件は次のとおりである。
(1)分析機器:Nanofinder FLEX G(Lambda Ray社製)
(2)Source:532nm
(3)Range:200〜3600cm−1
(4)Exposure time、accumulation:3sec/20time
(5)Spatial resolution:約0.5μm
(6)Peak resolution:1cm−1
図2に示されているように、「変性タウリン」は、赤色の点で表示された領域の吸収強度が既存のタウリンとはやや異なるということが確認された。Journal of Raman Spectroscopy,Vol.27,507−512(1996)に提示されたRaman dataを参照して測定された結果と比較してみれば、表示された位置が847、891、1182、1256、1427、1458cm−1であって、何れもタウリン分子の−CH−、−C−の振動モードに関連する吸収帯であることを確認することができた。したがって、「変性タウリン」は、結晶形成時に分子内の−CH−と−C−の振動に影響を与えて、ラマン吸収帯の強度において差を有する。すなわち、ラマン吸収帯の差は、タウリンと「変性タウリン」が分子物性において異なることを示唆する。
(実験例3:FT−IR(赤外線分光、Fourier Transform Infrared Spectroscopy)分析)
タウリンと「変性タウリン」の構造的な違いを確認するために、赤外線(FT−IR)分光分析を韓国高分子試験研究所に依頼し、その結果を図3に示した。
参考に、分析装備及び条件は次のとおりである。
(1)分析機器:JASCO FT−IR 4100
(2)測定モード:ATR mode
(3)Range:600〜4000cm−1
(4)Scan数:32
(5)Peak resolution:4cm−1
図3に示されているように、タウリンと「変性タウリン」の赤外線分光での吸収波長において、1650−2800cm−1領域の赤外線分光吸収波長では差を示している。これは、Journal of Raman Spectroscopy,Vol.27,507−512(1996)及びG.Socrates,「Infrared and Raman Characteristic Group Frequencies」,John Wiley&Sons,2001,p220に提示された資料を参照すると、タウリンのSOHが外部の水分子(HO)とSO に水和する過程で現れる特性であると思われる。また、NHの振動モードは1173、1508、1614、3044、3211cm−1の波長で赤外線吸収を示し、SOの振動モードは1037、1204、1303cm−1の波長で赤外線吸収を示し、水素結合による1527、3523cm−1の波長での赤外線吸収は示されない。したがって、タウリンと「変性タウリン」は両方ともイオン化(HCHCHSO )された同一の構造を有するが、結晶内のSOと隣接したNHとの結合強度においてはやや差があるということを示唆する。すなわち、イオン化された、タウリンと「変性タウリン」の結晶内分子間の結合強度においては差があるということを示唆する。
(実験例4:電子燎微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)分析)
タウリンと「変性タウリン」の表面と形状を観察するためにSEM分析を行い、その結果を図4に示した。
参照に、分析装備及び条件は次のとおりである。
(1)分析機器:HITACHI(S−2700)、JAPAN
(2)Electron Gun:Tungsten Filament type
(3)Resolution:4.0nm
(4)Accelerating Voltage:15.0kV
図4から、電子顕微鏡(SEM)で観察したタウリンは、水晶柱のような片状の構造を有し、拡大した表面も滑らかな形状であるが、「変性タウリン」は、タウリンに比べて結晶の粒子サイズが小さく且つ丸く、粒子のサイズに対する分布が非常に広く、タウリンの結晶も一部混在されていることを確認することができた。そして、「変性タウリン」の拡大写真から、タウリンの表面に「変性タウリン」が付いていることを確認することができた。このような形状は、製造過程で水及び「分子構造中にメチル基(−CH)がある極性物質」によって広い分布の小さい球状粒子が形成されたものである。このような粒子形状により、「変性タウリン」は同じ質量のタウリンに比べて表面積がより大きいため、空気中の水分の吸着による水和がさらに容易であると推測される。この際、タウリンの場合、平均粒子サイズが222.06μmであり、中間値の粒子サイズが192.92μmであるのに対し、変性タウリンの場合、平均粒子サイズが190.84μmであり、中間値の粒子サイズが122.47μmであった。したがって、タウリンと変性タウリンの粒子サイズが著しく異なることが分かる。
(実験例5:熱重量分析(TGA、Thermogravimeteric analysis))
タウリンと「変性タウリン」の違いを確認するために熱重量分析を行い、その結果を図5に示した。
参照に、分析装備及び条件は次のとおりである。
(1)分析機器:TGA 7(Perkin−Elmer社製)
(2)雰囲気:N gas
(3)昇温速度:20℃/min
(4)範囲:50〜600℃
図5に示されているように、TGAは、温度増加による試料の重量減少を示す。「変性タウリン」の場合、150℃から微小な重量減少があるが、これは、結晶表面の水和されたSOから水分子が脱離したか、SEM写真で示されたように非常に小さな「変性タウリン」粒子の表面で熱による分解反応が少し早く進行されたことにより現れる現象であると思われる。「変性タウリン」の小さな粒子は熱に対する露出面積を増加させるため、熱反応性はタウリンよりもさらに早く現れている。TGAの1次微分で確認されるように、変性タウリンの最初分解温度は359℃であり、最終分解温度は396℃であって、タウリンは362℃と394℃の温度で分解される。これは、変性タウリンの粒子サイズが小さいため初期熱分解は先に起こるが、最終分解温度はより高い特性を示すためである。
(実験例6:融点(melting point)分析)
タウリンと「変性タウリン」の違いを確認するために融点分析を行い、その結果を図6に示した。
参照に、分析装備及び条件は次のとおりである。
(1)分析機器:MPA100(SRS;Stanford Research System社製)
(2)開始温度:200℃
(3)昇温速度:10℃/min
図6に示されているように、「変性タウリン」の融点(melting point、onset point基準)が、タウリンの融点に比べて略10℃程度さらに高いことが分かった(3回の実験結果、それぞれ335.7℃;336.6℃;及び337℃と示された)。これは、RamanやFT−IRスペクトルの吸収強度や吸収波長で示されたように、結晶内イオン化された分子(HCHCHSO )の間の結合強度においてタウリンと差があるため生じた現象である。
(実験例7:水溶解度分析)
タウリンと「変性タウリン」の違いを確認するために水溶解度分析(OECD Test Guideline 105)を韓国高分子試験研究所に依頼し、その結果を図7に示した。
図7に示されているように、タウリンの水溶解度は74g/Lであるが、「変性タウリン」の水溶解度は77g/Lであって、互いに差があることを確認することができた。
前述のように、変性タウリンの単結晶測定で証明された特定結合内電子分布の集中現像は特定結合周囲電子密度の分極に影響を与え、これがRamanスペクトルで差異点を示すことが分かった。 IRスペクトルで一般タウリンの−NH の吸収ピークである1172.05cm−1、3043.6cm−1吸収帯と−SO の吸収ピークである1204.45cm−1吸収帯が変性タウリンでは−NH が1173.77cm−1、3044.57cm−1、−SO が1205.5cm−1であって、1〜2cm−1ブルーシフト(blue shift)され、これは結合の長さが短くなり結合強度が強くなったとのことを示し、変性タウリン分子内電子密度が変性過程により増加したことを示す。
即ち、変性タウリンは一般タウリンより−SO の結合内電子非局在化がさらに強く、−NH のイオン特性も強くなって水素結合よりは隣接した分子と両性分子としてイオン性結合力がさらに強く、このような理由で融点も高く、水に対する溶解性も大きいことが分かった。したがって、変性タウリンは変性過程によりタウリン分子内電子密度分布を変化させることによって、イオン結合性が一般タウリンよりさらに強い特性を有することが分かった。
〔実施例4.代謝性疾患の治療効果の確認〕
抗凝固活性の評価
抗血栓(抗血液凝固)活性は、既存に報告されている方法に準じて評価し、血液凝固検査自動化機器であるSysmex CA−1500(Siemens Healthcare製、Germany)に、PT、aPTT及びTT分析用Sysmex CA−1500専用試薬であるトロンボレルS(Thromborel S)及びアクチン(Actin)、トロンビン(Trombin)をそれぞれ取り付け、検査機器の自動プロシージャに従って、PT(プロトロンビン時間、prothrombin time)、aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間、Activated partial thromboplastin time)及びTT(トロンビン時間、Thrombin time)に対する血液凝固時間(sec)をそれぞれ測定した。この3つの分析のための十分な検体量は、血漿と試験物質の混合物(比率80:20)であって、約400uL程度が要された。
健常な韓国人の成人男性から総23〜25mlの血液を血液凝固試験専用バキュテナー(vacutainer)(3.2%sodium citrate)を用いて採血し、直ちに4℃、2500rpmで10分間遠心分離して血漿を分離した後、5〜6時間以内の新鮮な状態で実験に使用した。
本実験では、検測されたPT、aPTT及びTTの血液凝固時間(sec)をそれぞれの試験群毎に相対的に比較するために、正常対照群試験物質である3次蒸留水(精製水)に対する血液凝固時間の遅延率(%)を統計的に比較分析した。統計分析は、SPSS IBM version 21.0を用いて試験物質間の抗血液凝固インビトロ(in vitro)活性をOneway ANOVAによりp<0.05レベルで比較分析し、群間の有意性比較はDuncan’s testで分析した。
対照物質として、アスピリン37.5mgをエタノール1mlに完全に溶解させた後、精製水4mlを追加してアスピリンの濃度を7.5mg/mlにして、光を遮断した状態で常温で直ちに使用するか、または冷蔵保管した。
血漿80μlに実施例1及び2で製造した試料20μlを混合し、プロトロンビン時間(prothrombin time)、活性化部分トロンボプラスチン時間(activated Partial Thromboplastin Time)及びトロンビン時間(Thrombin Time)を測定して、その結果を図9、及び表18〜20に示した。対照としてはアスピリンを使用し、溶媒対照区としては、試料に代えて3次蒸留水(精製水)を使用した。
表18に示されているように、タウリン(Tau)に比べて変性タウリン(TauAlc)は、単独または糖とともに処理時にPT遅延率が増加し、変性タウリン(TauAlc)と糖をともに処理する場合、五炭糖(キシロース(Xyl)またはアラビノース(Ara))の含量が5.2〜7.8gで組成された複合物形態の場合に、アスピリン(Asp)7.5mg/dLと対等またはそれ以上のPT遅延率及びTT遅延率を有することを確認することができた。
表19に示されているように、タウリン(Tau)に比べて変性タウリン(TauAlc)は、単独または糖とともに処理時にTT遅延率が増加し、変性タウリン(TauAlc)と糖をともに処理する場合、糖(リボース(Rib)またはグルコース(Gluc))の含量が2.6〜7.75gで組成された複合物形態の場合に、アスピリン(Asp)7.5mg/dLと対等またはそれ以上のTT遅延率を有することを確認することができた。
表20に示されているように、タウリン(Tau)に比べて変性タウリン(TauAlc)は、単独または糖とともに処理時にTT遅延率が増加し、変性タウリン(TauAlc)と糖をともに処理する場合、糖(マンノース(Mann)またはフラクトース(Fruc))の含量が7.75gで組成された複合物形態の場合に、アスピリン(Asp)7.5mg/dL以上のTT遅延率を有することを確認することができた。
(抗糖尿及び抗肥満効能実験)
実験方法
8週令の雄マウス(C57BL/6)(入手先:KOATECH社)を対象として、代表的な糖尿病診断検査方法であるGTT(Glucose Tolerance Test)方法により抗糖尿効能候補物質に対して評価した。
マウスの飼育環境条件は、22±2℃、相対湿度55〜60%と設定し、一日に12時間点灯、12時間消灯した。各グループ当り5匹ずつ割り付け、雄マウスの場合、縄張り争いが激しいため、同一の母親マウスから生まれたマウスを1つのグループとして無作為に分けて行った。
飼料は、10週間、高脂肪食餌(60% of calories from fat;research diet inc.,New Brunswick,NJ)と水を制限せずに供給した。この際、水には、実施例1−2(3)、2−1、2−4−1、2−4−2、及び2−5で製造された試料を混合して制限せずに供給した。この際、陽性対照区としてはメトホルミン(M−072、Sigma)(250mg/kg)を使用し、対照区としては、比較例1−1、2−3−2、2−5−1、2−5−2、及び2−6で製造された試料を使用した。
参照に、実施例2−4−1、2−4−2及び2−5で製造された試料は、成人男性(60kg)が3日間服用する量と設定し、これをマウスの服用用量(12倍/kg、米国NIH guidance資料を参考する)に変換して動物用試料を製造した。すなわち、成人男性(60kg)が3日間服用する量は180日分/kgであり、これはマウス15日分/kgである。したがって、マウスの平均重量は約20gであるため、750日分/マウス(20g)に該当する。したがって、マウス1匹は、製造された試料の1/750を一日に服用するようにした。
また、実施例1−2(3)及び2−1で製造された試料は、成人男性(60kg)が2日間服用する量と設定し、これをマウスの服用用量(12倍/kg、米国NIH guidance資料を参考する)に変換して動物用試料を製造した。すなわち、成人男性(60kg)が2日間服用する量は120日分/kgであり、これはマウス10日分/kgである。したがって、マウスの平均重量は約20gであるため、500日分/マウス(20g)に該当する。したがって、マウス1匹は、製造された試料の1/500を一日に服用するようにした。
8週間、食餌摂取量と体重増加を毎週確認した。体重と食餌量は、最初薬物投与直前に測定し、以後には一週間隔で体重と食餌量を測定した。
高脂肪食餌を実施した8週目にGTT(glucose tolerance test)を行った。実験前8時間マウスを絶食させ、その後尾静脈から血液を採取し、初期血糖を血糖測定器(AUTO−CHEK、DIATECHKOREA製)で測定した。その次に、マウスの腹腔にグルコースを1g/kgの濃度で投与した後、30分、60分、90分、120分に採血して血糖を測定した(各グループに平均5匹ずつ構成される)。
血中生化学検査では、インスリン(AKRIN−011T、株式会社シバヤギ製、日本)、グルコース(AM202、ASAN PHARM.CO.,LTD.製、韓国)、トリグリセリド(AM157、ASAN PHARM.CO.,LTD.製)、総コレステロール(total cholesterol、AM202、ASAN PHARM.CO.,LTD.製)、AST及びALT(AM101、ASAN PHARM.CO.,LTD.製)を酵素分析キット(enzymatic assay kits)を用いて分析した。
高脂肪食餌10週目に、血清を得るためにマウスを頸椎脱臼により犠牲させた。組織検査のために、肝、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)、腎臓をホルマリン(50−00−0、純正化学株式会社製、日本)で固定し、その他の残りの臓器は−70℃に保管した。心臓から採取した血液は凝固させて血清を得た後、−70℃に保管した。
組織学的検査のために、主要臓器と脂肪を4%中性緩衝ホルマリンで固定した後、パラフィンブロックに組み込み、5μmに薄切してヘマトキシリン(MHS−16、Sigma−Aldrich製、米国)とエオシン(HT110116、Sigma−Aldrich製)で染色した。組織サンプルを製作した後、グリセリンゼルマウンティングメディア(SP15−100、Fisher Scientific製、米国)でマウンティングし、カバーガラスを覆って顕微鏡(IX71、オリンパス製、日本)で観察し、顕微鏡に内蔵されているデジタルカメラで組織を撮影した。
一方、実験の分析結果はmean±S.E.M.で表示し、各実験群の間の有意性はStudent T−TESTを用いて統計処理後、*P<0.05、レベルで有意性を検定した。
測定結果
(1)体重増加量の測定結果
体重、体重増加量及び体重増加量T−TEST結果を図10〜図15及び下記表21〜38に示した。
上記表21〜23から、変性タウリン(TauAlc)を投与したDT15とタウリン(Tau)を投与したDT19は、何れも高脂肪食餌(HFD)投与後8週目に、高脂肪食餌(HFD)単独に比べて有意的な体重増加抑制効果を示すことを確認することができた。
上記表24〜26から、変性タウリン(TauAlc)及びアラビノース(Ara)を投与したDT16は、高脂肪食餌(HFD)投与後8週目に、高脂肪食餌(HFD)単独に比べて有意的な体重増加抑制効果を示したが、タウリン(Tau)及びアラビノース(Ara)を投与したDT18は、有意的な体重増加抑制効果を示さないことを確認することができた。
DT16投与群とDT18投与群との間には、体重増加抑制において統計的に有意的な差はないが、HFDとの差を参照すると、DT16がDT18に比べて体重調節の効果が大きいと判断された。
上記表27〜29から、変性タウリン(TauAlc)及びキシロース(Ara)を投与したDT20と、タウリン(Tau)及びキシロース(Ara)を投与したDT21は、高脂肪食餌(HFD)投与後8週目に、高脂肪食餌(HFD)単独に比べて有意的な体重増加抑制効果を示すことを確認することができた。
上記表30〜32から、変性タウリン(TauAlc)、カテキン(Cat)及びベタイン(Bet)を投与したDT7は、高脂肪食餌(HFD)投与後8週目に、高脂肪食餌(HFD)単独に比べて有意的な体重増加抑制効果を示したが、タウリン(Tau)、カテキン(Cat)及びベタイン(Bet)を投与したDT11は、有意的な体重増加抑制効果を示さないことを確認することができた。また、DT7投与群は、DT11投与群に比べて体重調節の効果が有意的に大きいと判断された。
上記表33〜35から、変性タウリン(TauAlc)、エピガロカテキンガレート(EGCG)及びベタイン(Bet)を投与したDT10は、高脂肪食餌(HFD)投与後8週目に、高脂肪食餌(HFD)単独に比べて有意的な体重増加抑制効果を示したが、タウリン(Tau)、エピガロカテキンガレート(EGCG)及びベタイン(Bet)を投与したDT14は、有意的な体重増加抑制効果を示さないことを確認することができた。また、DT10投与群は、DT14投与群に比べて体重調節効果が有意的に大きいと判断された。
上記表36〜38から、変性タウリン(TauAlc)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、ベタイン(Bet)及びキシロース(Xyl)を投与したDT4は、高脂肪食餌(HFD)投与後8週目に、高脂肪食餌(HFD)単独に比べて有意的な体重増加抑制効果を示したが、タウリン(Tau)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、ベタイン(Bet)及びキシロース(Xyl)を投与したDT6は、有意的な体重増加抑制効果を示さないことを確認することができた。また、DT4投与群は、DT6投与群に比べて体重調節効果が有意的に大きいと判断された。
(2)血糖検査(GTT:Glucose Tolerance Test)
GTT測定結果及びこれに対するT−TEST結果を図16〜19及び下記表39〜46に示した。
上記表39及び40から、変性タウリン(TauAlc)を投与したDT15とタウリン(Tau)を投与したDT19の空腹時血糖は、高脂肪食餌(HFD)のみを投与したマウスに比べて何れも低いレベルを維持しており、これは、正常マウスの血糖レベルと類似のレベルであるのを確認することができた。
GTTの結果、DT15とDT19を投与したグループのマウスは、何れもHFD単独投与群に比べて有意的に優れた血糖調節能力を有しており、DT15とDT19とは類似の程度に血糖調節能力があることが分かった。
上記表41及び42から、変性タウリン(TauAlc)及びアラビノース(Ara)を投与したDT16の空腹時血糖は、高脂肪食餌(HFD)のみを投与したマウスに比べて有意的に低いレベルを維持しており、これは、正常マウスの血糖レベルと類似のレベルであるのを確認することができた。
GTTの結果、DT16を投与したグループのマウスは、HFD単独投与群に比べて有意的に優れた血糖調節能力を有して正常マウスの血糖レベルを維持しており、DT16とDT18とは、DT16投与群がDT18投与群に比べて優れた効果を示し、空腹時血糖が有意的に低いレベルであるのを確認することができた。
上記表43及び44から、変性タウリン(TauAlc)及びキシロース(Ara)を投与したDT20とタウリン(Tau)及びキシロース(Ara)を投与したDT21の空腹時血糖は、高脂肪食餌(HFD)のみを投与したマウスに比べて何れも低いレベルを維持しており、これは、正常マウスの血糖レベルと類似のレベルであるのを確認することができた。
GTTの結果、DT20とDT21を投与したグループのマウスは何れもHFD単独投与群に比べて有意的に優れた血糖調節能力を有しており、DT20とDT21との間には有意的な差はないが、DT20投与群がDT21投与群に比べて優れた効果を示すことが分かった。
上記表45及び46から、変性タウリン(TauAlc)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、ベタイン(Bet)及びキシロース(Xyl)を投与したDT4の空腹時血糖は、高脂肪食餌(HFD)のみを投与したマウスに比べて有意的に低いレベルを維持しており、これは、正常マウスの血糖レベルと類似のレベルであるのを確認することができた。
GTTの結果、DT4を投与したグループのマウスは、HFD単独投与群に比べて有意的に優れた血糖調節能力を示したが、DT6を投与したグループのマウスは、血糖調節能力が低いことが分かった。
(3)血液生化学検査結果
中性脂肪、AST及びALT検査結果とこれに対するT−test結果を下記表47〜56に示した。
上記表47及び48に示されているように、DT15(変性タウリン)は正常マウスと類似するかまたはさらに優れたレベルの中性脂肪、AST及びALT値が示され、DT19(タウリン)に比べて中性脂肪値が有意的に低く、AST及びALT値も低く示された。
上記表49及び50に示されているように、DT16(変性タウリン+アラビノース)及びDT18(タウリン+アラビノース)は、正常食餌(RD)と類似のレベルのAST及びALT値を示し、高脂肪食餌(HFD)のAST及びALTに比べて有意的に小さい値を示した。また、DT16は、正常食餌(RD)に比べて低いレベルの中性脂肪値を示した。
上記表51及び52に示されているように、DT20(変性タウリン+キシロース)及びDT18(タウリン+キシロース)は、正常食餌(RD)と類似のレベルのAST及びALT値を示し、高脂肪食餌(HFD)のAST及びALTに比べて有意的に小さい値を示した。また、DT20及びDT21は、正常食餌(RD)に比べて低いレベルの中性脂肪値を示した。
上記表53及び54に示されているように、DT7(変性タウリン+カテキン+ベタイン)は、正常食餌(RD)と類似のレベルのAST及びALT値を示し、高脂肪食餌(HFD)のAST及びALTに比べて小さい値を示した。また、DT7は、正常食餌(RD)に比べて低いレベルの中性脂肪値を示した。
上記表55及び56に示されているように、DT4(変性タウリン+EGCG+ベタイン+キシロース)は、正常食餌(RD)と類似のレベルのAST及びALT値を示し、高脂肪食餌(HFD)のAST及びALTに比べて有意的に小さい値を示した。また、DT4は、正常食餌(RD)に比べて低いレベルの中性脂肪値を示した。
(4)組織学的検査結果
実験マウスの肝、白色脂肪組織(WAT)、褐色脂肪組織(BAT)及び腎臓組織の検査結果を図20〜23に示した。
図20から、高脂肪食餌(HFD)では、脂肪細胞のサイズが肥大となり、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が増加し、脂肪肝が激しく発生したが、DT15(変性タウリン)は、メトホルミン(Metformin、 MET)と類似の程度の脂肪細胞サイズを有し、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が減少し、脂肪肝の発生が減少し、腎臓毒性も現れないことが分かった。
図21から、高脂肪食餌(HFD)では、脂肪細胞のサイズが肥大となり、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が増加し、脂肪肝が激しく発生したが、DT16(変性タウリン+アラビノース)は、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が減少し、脂肪肝の発生が減少し、腎臓毒性も現れないことが分かった。
図22から、高脂肪食餌(HFD)では、脂肪細胞のサイズが肥大となり、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が大きく増加し、糸球体のサイズが増加し、脂肪肝が激しく発生したが、DT7(変性タウリン+カテキン+ベタイン)は、脂肪細胞サイズが減少し、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が減少し、糸球体のサイズ増加が抑えられ、脂肪肝の発生が減少し、腎臓毒性も現れないことが分かった。
図23から、高脂肪食餌(HFD)では、脂肪細胞のサイズ、及び脂肪細胞の間における大食細胞の蓄積が増加し、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が増加し、糸球体のサイズが増加し、脂肪肝が激しく発生したが、DT4(変性タウリン+EGCG+ベタイン+キシロース)は、脂肪細胞のサイズが一部増加するが、大食細胞の蓄積が発生せず、褐色脂肪組織に脂肪蓄積が減少し、糸球体のサイズ増加が抑えられ、脂肪肝の発生が減少し、腎臓毒性も現れないことが分かった。
以上、本発明内容の特定部分を詳細に記述したが、当業界において通常の知識を有する者にとって、このような具体的記述は単なる好ましい実施様態に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されるものではないということが明白であろう。したがって、本発明の実質的な範囲は添付の請求項とそれらの等価物によって定義されるべきである。
本発明の変性タウリンは代謝疾患予防および治療効果が優れているので、医学分野に広く用いられるものと期待される。

Claims (9)

  1. 炭素(C)と硫黄(S)の原子間距離が1.7730〜1.7779(Å)であり、
    硫黄(S)と3個の酸素(O)の原子間平均距離が1.452〜1.462(Å)であり、
    硫黄(S)と3個の酸素(O)の原子間最大距離が1.458〜1.468(Å)であり、
    溶け始める点(onset point)が330℃〜340℃である、変性タウリン。
  2. 前記変性タウリンは、ラマンスペクトル上の位置847、891、1182、1256、1427、1458cm−1で891/847の吸収帯の強度割合、1182/1256の吸収帯の強度割合、及び1427/1458の吸収帯の強度割合が何れも1未満であることを特徴とする、請求項1に記載の変性タウリン。
  3. 前記変性タウリンは、水溶解度が75〜79g/Lであることを特徴とする、請求項1に記載の変性タウリン。
  4. 前記変性タウリンは、最大密度が1.74〜1.76g/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の変性タウリン。
  5. 前記変性タウリンは、赤外線分光(FT−IR)で1650〜2800cm−1位置の吸収波長がタウリンと異なることを特徴とする、請求項1に記載の変性タウリン。
  6. (a)水にタウリンを溶解させる段階;
    (b)前記(a)にエタノールを添加してタウリン、水、およびエタノールを結合させて半固形物を形成する段階;および
    (c)前記(b)から水およびエタノールを除去してタウリンを再結晶化する段階;を含む、変性タウリンの製造方法。
  7. 前記(a)段階での水はタウリン飽和水溶液に該当する水の量の1〜20倍で使用することを特徴とする、請求項に記載の変性タウリンの製造方法。
  8. 前記変性タウリンは、単斜晶系(monoclinic crystal system)であり、空間グループ(space group)がP2(1)/cであることを特徴とする、請求項1に記載の変性タウリン。
  9. 請求項1による変性タウリンと、糖、ポリフェノール及びアミノ酸からなる群から選択される1つ以上とを含むことを特徴とする、代謝疾患治療用薬学的組成物。
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