JP6727658B2 - ノイズフィルタ用磁性コア、及びこれを用いたノイズフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、磁性コアに巻線を施し、巻線への通電により生じるインダクタンスを利用したノイズフィルタと、これに使用する磁性コアに関する。
従来から電子機器のノイズ対策部品として、軟磁性材料からなるコアに導線を巻回することによりコイルを形成したノイズフィルタが使用されている。特に、電源装置の場合には、整流出力に含まれる交流成分を除去する為、あるいは商用電源にのる雑音電圧を除去する為に、ノイズフィルタ(又はチョークコイル)が用いられることがある。このノイズフィルタは、同じインダクタンスなら、低周波よりも高周波に対し、周波数に比例した大きさで抵抗を示すという性質を利用したものである。
かかるノイズ除去用のコイル部品について、本願出願人は、特許文献1(意匠登録第1425406号公報)を提案している。この文献で提案しているコイル部品は、ロ字形状の四角い枠状のコアの二つの辺部分に平角電線をエッジワイズ巻きしたコイル本体と、そのコイル本体を支持する台座とを備えて形成している。
また従前においては、特許文献2(特開2011−124553号公報)において、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズを低減する小型フィルタも提案されている。このノイズフィルタは、2つの磁脚と、前記2つの磁脚の端部間を接続する2つのツバ部を有する軟磁性コアと、前記2つの磁脚のそれぞれに設けられたコイルと、を備えるノイズフィルタであって、前記ツバ部の周辺部は、前記コイルの外側露出表面よりも、外側に張り出している構造を備えている。
意匠登録第1425406号公報 特開2011−124553号公報
前記の通り、2つの磁脚とその端部をつなぐ接続部より成る閉磁路コア(磁性コア)の磁脚に巻線を施したノイズフィルタは提案されている。かかるノイズフィルタにおける磁性コアは、断面積が大きければ大きいほどインダクタンスが大きくなり、ノイズ除去効果が高くなる。しかしながら実際には、当該磁性コアの大きさ等はコイルの外形寸法との兼ね合いに基づいて決定されることになる。また、一部だけ断面積を大きくしてもノイズ除去効果は限定的なため、すべての断面積を同じにするのが理想的である。
しかしながら、組み込む装置の小型化の要請に対応すべくコイルを小型化して、前記接続部の高さを抑え、これを薄く形成した場合には、得られるインダクタンスが小さくなるという問題が生じる。
そこで本発明は、全体の高さ(磁脚の長さ方向に沿う向き)を抑えながらも、より高いインダクタンスを実現することのできるノイズフィルタと、これに使用する磁性コアを提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく、本発明者らは2つの磁脚の端部をつなぐ接続部の構造について鋭意開発を行い、本発明を完成させるに至ったものである。
即ち本発明は、前記課題を解決するために、ノイズフィルタに使用される磁性コアであって、2つの磁脚と、当該2つの磁脚の各端部間を接続する2つの接続部とからなり、少なくとも何れかの接続部は、前記磁脚同士を接続する長さ方向の少なくとも一部の領域を、当該接続部の幅方向外側に張り出させた張出部を備えている磁性コアを提供する。
また前記接続部において張り出し部が形成された領域は、前記接続部において張出部が存在する領域の縦断面積(前記2つの磁脚を接続する向きと直交する向きの断面積)が、前記磁脚の横断面積(前記磁脚の延伸方向に直行する向きの断面積)の0.9倍以上、1.2倍以下に形成することができる。当該縦断面積を横断面積の0.9倍以上とすることにより、磁束が減じられることを無くすことができ、また1.2倍以下とすることにより、当該接続部が必要以上に大きくなることを無くし、小型化を実現することができる。
そして前記接続部は、前記2つの磁脚を接続する向きの長さ方向において、各磁脚からはみ出すことなく形成するのが望ましい。コイル全体の小型化を実現するために、インダクタンスの向上に対する影響が少ない部分をできるだけ小さくするためである。即ち、前記膨出部は、接続部の幅方向外側に張り出させ、磁脚同士を接続する長さ方向に磁脚を超えて張り出さないように形成することが望ましい。このように形成すれば、コイル全体の小型化の実現の他にも、更にノーマルモードのインダクタンスの上昇割合以上に、コモンモードのインダクタンスの上昇割合を高めることができるとの効果を得ることができる。よって前記接続部を、2つの磁脚を接続する長さ方向において各磁脚からはみ出すことなく形成することにより、ノーマルモードのインダクタンスの上昇を抑えた磁性コアを実現することができる。
更に、前記接続部を、前記2つの磁脚を接続する長さ方向において各磁脚からはみ出さないように形成することで、磁脚と接続部とが一体となっている磁性コアを、フェライト等で成型する場合であっても、成型が容易であると共に、成型時の歩留まりを良くすることができる。
また、前記張出部は、その張り出し幅が、前記接続部の幅の65%以下、望ましくは50%以下に形成することができる。接続部の幅の65%を超えて張り出してもインダクタンスの増加割合が少なくなるためである。
そして本発明では、前記磁性コアを用いて形成したノイズフィルタを提供する。即ち、前記本発明に係る磁性コアと、当該磁性コアの磁脚の夫々に巻線されたコイルとを備える、ノイズフィルタを提供する。かかるノイズフィルタは、コモンモードノイズフィルタである他、ノーマルモードノイズフィルタであって良い。
かかるノイズフィルタは、前記接続部が、前記磁脚に巻線されたコイルの最も厚い部分よりも突出しない幅に形成することが望ましい。コイル全体の小型化を実現するためである。また、当該ノイズフィルタは、前記接続部に設けた張出部によって、ノーマルモードのインダクタンスの上昇割合以上に、コモンモードのインダクタンスの上昇割合を高めていることが望ましい。
そして前記磁性コアは一体形成されたMnZnフェライトコアであり、MnZnフェライトコアが絶縁塗料でコーティングするか、或いは前記MnZnフェライトコアが絶縁樹脂で構成されたケースに収納されており、前記コイルは、当該コーティング又はケースの外に巻線して形成するのが望ましい。また磁性コアはセンダスト等からなるコアであっても良く、当該センダストコアを絶縁塗料でコーティングするか絶縁樹脂製のケースに収容することもできる。
上記本発明に係る磁性コア、及びこれを用いたノイズフィルタによれば、2つの磁脚の各端部間を接続する少なくとも何れかの接続部は、前記磁脚間に存在する少なくとも一部の領域が、前記磁脚間の接続方向の幅方向外側に張り出して形成していることから、全体の高さ(磁脚の長さ方向に沿う向き)を抑えながらも、より高いインダクタンスを実現することのできるノイズフィルタと、これに使用する磁性コアを提供することができる。
本実施の形態に係る磁性コアを示す6面図であり、(A)平面図、(B)左側面図、(C)正面図、(D)右側面図、(E)X−X矢視方向に示す縦断面図、(F)底面図、(G)Y−Y矢視方向に示す横断面図である。 図1の磁性コアを用いて形成したノイズフィルタを示す(A)分解図、(B)斜視図である。 実験例2で使用した磁性コアを示す(A)平面図、(B)正面図、(C)横断面図、(D)右側面図、(E)縦断面図である。 実験例2の結果を示すグラフである。 実験例3で使用した磁性コアを示す(A)平面図、(B)正面図、(C)横断面図である。 実験例3の結果を示すグラフである。 実験例4で使用した磁性コアを示す、上段は平面図、下段は横断面図であり、(A)は膨出部を磁脚同士の間に存在するように形成した場合、(B)は膨出部を各磁脚の中心から形成した場合、(C)は膨出部を磁脚の外側から存在するように形成した場合をそれぞれ示している。 実験例4の結果を示すグラフである。 実験例5で使用した磁性コアを示す、上段は平面図、下段は横断面図であり、(A)膨出部を形成しない磁性コア、(B)接続部の幅方向に膨出部を形成した磁性コア、(C)接続部の長さ方向に膨出部を形成した磁性コア、(D)接続部の幅方向及び長さ方向に膨出部を形成した磁性コアをそれぞれ示している。
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係る磁性コア10とこれを用いて形成したノイズフィルタ30を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態に係る磁性コア10を示しており、特にMnZnフェライトを用いて形成したものであり、コア全体を一体形成成形してなるMnZnフェライトコアとなっている。即ち、本実施の形態に係る磁性コア10は、左右2つの磁脚11と、この磁脚11の端部同士を連結する上下2つの接続部12とで構成されている。これら2つの磁脚11と2つの接続部12同士は一体形成されており、これにより部材同士の接続によるインダクタンスの低下を回避することができる。かかるフェライトコア(即ち磁性コア10)は、その表面を絶縁材料でコーティングすることもできる。
そして本実施の形態に係る磁性コア10は、前記2つの接続部12を、それぞれ幅方向(即ち図1(A)の上下方向)の両側に張り出させた張出部13を形成している。このように形成することにより、接続部12の縦断面積を高めて通過磁束密度を高めることができ、その結果インダクタンスを高めることができる。ただし、必要とされるインダクタンスや、設置スペースの要請などによっては、前記張出部13は上下何れかの接続部12だけに形成することもでき、また幅方向のいずれか一方にだけ張り出させて形成することもできる。
特に本実施の形態にかかる磁性コア10では、前記張出部13は、各磁脚11の中心位置から張り出すように形成しており、これによりフェライトを用いて一体形成した場合であっても、脱型時に破損する怖れを減じることができる。ただし、この張出部13は各磁脚11の外側端部の存在する領域から張り出すように構成することもできる。
またこの張出部13は、前記接続部12の長さ方向(即ち図1(A)の左右方向)の任意の位置において、張り出し幅を変化させることもできるが、望ましくは接続部12の長さ方向にわたって同じ幅で張り出すように形成する。これは張り出し幅が狭い領域において磁束が集中し、磁束抵抗が大きくなることから、インピーダンスを高めることが困難になるためである。
そして前記張出部13は、前記接続部12の外縁全体に形成することも可能である。即ち、左右に並置してなる磁脚11の上下に設けられる接続部12に、その幅方向外側のみならず、長さ方向外側にも張り出すようにして張出部13を形成することもできる。当該接続部12を、磁脚11を超えて長さ方向に張り出させることにより、ノーマルモードのインダクタンスを向上させることができる。ただし、当該ノーマルモードのインダクタンスを高めることなく、主としてコモンモードのインダクタンスを高める場合には、当該接続部12の長さ方向の張出部13は設けない方が望ましい。よってコモンモードノイズフィルタ30をして形成する場合には、前記張出部13は、幅方向にのみ張り出すように形成するのが望ましい。
図2は上記の実施の形態に係る磁性コア10を用いて形成したノイズフィルタ30を示す(A)分解図、(B)斜視図である。特に本実施の形態に係るノイズフィルタ30は、磁性コア10に巻線14を施し、当該巻線14への通電により生じるインダクタンスを利用したコモンモードチョークコイル30としているが、巻線14の向きや磁性材料の材質などを異ならせた上で、前記と同様の形状としたノーマルモードチョークコイルとして形成することも可能である。
そして本実施の形態に係るノイズフィルタ30は、前記磁性コア10の各磁脚11にコイルを巻線14して形成している。即ち、2つの磁脚11とその両端部同士をつなぐ接続部12より成るロの字型の四角い枠状の磁性コア10と、この磁性コア10の磁脚11にエッジワイズ巻きした平角電線(即ち、巻線14)とでノイズフィルタ本体を形成している。特に平角線を用いていることから巻線14の密度を高くして小型化しつつ高インダクタンスを得ることができる。また電線を直線状の磁脚11に巻きつけることから自動巻線装置に対応しやすいといった特徴を有する。
そして上記コイルを巻線14した磁性コア10(ノイズフィルタ本体)は、台座20の上に固定されており、前記巻線14の端部は、台座20に設けられた導電性ピン21に接続している。特に本実施の形態における台座20は、ノイズフィルタ30の全体の高さを低く抑えることができる様に、導電性ピン21の形状及び設置構造を工夫している。
即ち、本実施の形態に係るノイズフィルタ30に使用している台座20は、巻線14が施された磁性コア10が設けられる台座本体22と、この台座本体22に設けられて前記巻線14の端部を接続する導電性ピン21とを備えており、当該導電性ピン21は台座本体22の広さ方向に延伸する接続部12を備えているノイズフィルタ30用の台座20(即ち、ノイズフィルタ用部品)となっている。
前記導電性ピン21は、逆向きL字状に形成することができる。そして当該逆向きL字状の導電性ピン21を前記台座本体22に埋め込んだ状態に設けて、それぞれの端部を前記台座本体22の側面及び下面から突出させて、側面から垂直に突出する部分を前記接続部12とし、下面から垂直に突出する部分を端子部分とすることができる。かかる導電性ピン21を備える台座20を用いた場合には、前記磁性コイルに巻線14した導線の端部を、前記側面から垂直に突出する部分を前記接続部12に繋げ、その後に当該接続部12を台座本体22の側面に沿う向きに折り曲げることができる。これにより、従前において台座本体22の下面から突出する導電性ピン21に巻線14を巻き付けて半田付けしていた「絡げ」のための高さ、及び絡げ空間を確保するための台座脚の高さ(スタンドオフ)を不要とすることができ、これによりノイズフィルタ30の全体の高さを低く抑えることができる。例えば巻線14の幅乃至は外径が1.0mmである場合には、従前の例によれば、導電性ピン21に半田付けした時の裾引き(フィレット)を考慮してスタンドオフは2.0mm必要になるが、本実施の形態に係る台座20では、このスタンドオフ分だけ低くすることができる。
以上のように構成したノイズフィルタ30では、磁脚11に巻きつけた巻線14に通電することで磁脚11内部に磁束が発生する。この磁束は磁脚11から接続部12を通り反対側の磁脚11、もう一方の接続部12を通りもとの磁脚11に至るループ状となる。そして磁脚11や接続部12の断面積が大きければ大きいほど、それぞれの磁気抵抗が小さくなり、磁性コア10全体の磁気抵抗も小さくなる。その結果一定の巻線数であればコイルのインダクタンスを大きくすることができる。
しかし磁脚11や接続部12の大きさは、実際にはコイルの外形寸法との兼ね合いから決定されることから、自ずと制約が生じる。また、一部だけ断面積を大きくしても効果は限定的なため、すべての断面積を同じにするのが理想的である。しかし、インダクタンスを大きくするために接続部12の断面を大きくするとコイルの高さも大きくなってしまい、一方で接続部12を薄くしてコイルの高さを押さえた場合には、得られるインダクタンスが小さくなるという問題が生じる。
これに対して本実施の形態に係るノイズフィルタ30は、前記磁性コア10を使用していることから、その全体の高さを低く抑えることができる。即ち、上記実施の形態に係る磁性コア10の接続部12には張出部13を形成していることから、同じ断面積であってもその高さを抑えることができる。よって、十分なインダクタンスを確保しながらも、全体の高さを抑えたノイズフィルタ30を実現することができる。
<実験例1>
この実験では、前記図1に示した磁性コアを使用して形成した図2のノイズフィルタの効果を確認するためにシミュレーションを行った。即ち、この実験例で想定した磁性コアは、フェライトにより一体形成されており、2つの磁脚と、当該2つの磁脚の端部間を接続する2つ接続部を有している。そして前記2つの磁脚のそれぞれにコイルが巻きつけられ、前記接続部の一部は幅方向外側に張り出している張出部を備えている。
本実施例で使用した磁性コアの大きさと、以下の計算式(1)によって算出されたインダクタンスの値を以下の表1に示す。
Rm1=l1/μs1
Rm2=l2/μs2
Rm=(Rm1+Rm2)×2
L=N2/Rm ・・・(1)
ただし、
μ 磁性コアの透磁率 μ=μs・μo (μs:比透磁率 μo:真空中の透磁率=4π10^-7)
Rm1 磁脚部の磁気抵抗 Rm2 接続部の磁気抵抗
l1 磁脚部の実効長 l2 接続部の実効長
s1 磁脚部の断面積 s2 接続部の断面積
Rm 磁性コア全体の磁気抵抗
N コイルの巻数
L コイルのインダクタンス
本実験例により、接続部の断面積が磁脚部と同じ場合のコアと同程度のインダクタンスが得られていながらも、高さが抑えられている磁性コア及びノイズフィルタを実現できることを確認した。
<実験例2>
この実験例では、磁性コアにおける張出部を幅方向に張り出させた時の張出量の違によるインダクタンスの変化を確認するためのシミュレーションを行った。即ち、本実験例では図3に示すように各磁脚の中央部分から連結部の幅方向に張出部を形成した磁性コアを想定した。この実験例で想定した磁性コアの大きさは以下のとおりである。
全体の高さ(H1):13.3mm
磁脚の長さ(H2):8.6mm
磁脚の正面側太さ(B):3.93mm
全体の長さ(L1):12.63mm
磁脚間の距離(L2):4.77mm
磁脚曲面部の直径(R):2.4mm
全体の幅(W1):6.9mm
磁脚の側面側太さ又は連結部の幅(W2):4.8mm
膨出部の長さ(L3):8.7mm
そして、張出部の張り出し幅(W3)を0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、及び5mmと変化させた場合のインダクタンスの変化を算出した。その結果を図4に示す。
この実験例からも明らかなように、張出部の張り出し幅が3mmを超えた後では、インダクタンスの大幅な増加がみられなかった。よって、前記図3に示した磁性コアを用いた場合には、当該膨出部の張り出し幅は3mm以下(即ち、連結部の幅の62.5%以下)である場合に顕著な効果が得られることを確認した。
<実験例3>
この実験例では、磁性コアにおける張出部を長さ方向に張り出させた時の張出量の違いによるインダクタンスの変化を確認するためのシミュレーションを行った。即ち、図1に示した磁性コアを基本とし、図5に示すように接続部の長さ方向であって磁脚を超えて張り出した長さ(L4)を、0mm、1mm、2mm、3mm、及び4mmと変化させた場合のインダクタンスの変化を算出した。なお、この実験例における全体の高さ(H1)、磁脚の長さ(H2)、磁脚の正面側太さ(B)、全体の長さ(L1)、磁脚間の距離(L2)、磁脚曲面部の直径(R)、全体の幅(W1)、磁脚の側面側太さ(W2)、及び膨出部の長さ(L3)は前記図3に示した磁脚と同じであり、張出部の張り出し幅(W3)は1.05mmとした。その結果を図6に示す。
この実験例からも明らかなように、張出部が磁脚を超えて延出する長さが1mmを超えた後では、インダクタンスの大幅な増加がみられなかった。よって、前記図1に示した磁性コアを用いた場合には、当該接続部がその長さ方向に磁脚を超えて延出してもその長さは1mm以下(即ち、接続部の実効長の21%以下)である場合に顕著な効果が得られることを確認した。
<実験例4>
この実験例では、磁性コアにおける張出部を幅方向に張り出させた時の、張出長さ(張り出し範囲)の違いによるインダクタンスの変化を確認するためのシミュレーションを行った。即ち、接続部の幅方向に展開する張出部の長さ乃至は範囲を、図7に示すように変化させてインダクタンスの変化を確認した。図7(A)では膨出部を磁脚同士の間に存在するように形成した場合、図7(B)では膨出部を各磁脚の中心から形成した場合、図7(C)では膨出部を磁脚の外側から存在するように形成した場合を想定してインダクタンスを算出した。なお、この実験例における全体の高さ(H1)、磁脚の長さ(H2)、磁脚の正面側太さ(B)、全体の長さ(L1)、磁脚間の距離(L2)、磁脚曲面部の直径(R)、全体の幅(W1)、磁脚の側面側太さ(W2)は前記図3に示した磁脚と同じであり、張出部の張り出し幅(W3)は1.05mmとした。その結果を図8に示す。
この実験例からも明らかなように、膨出部が長くなればインダクタンスも高まることを確認できた。ただし、磁脚の中心部間を超えて長く形成しても、インダクタンスの上昇は少ないことを確認できた。よってフェライトを用いて一体形成した磁性コアでは、型出しの容易性を考慮して、前記膨出部は磁脚の中心間に存在させるのが望ましい。
<実験例5>
この実験例では、磁性コアの張出方向の違いによる、コモンモードインダクタンスと、ノーマルモードインダクタンスの違いを確認するための実験を行った。即ち、図9(A)に示すように膨出部を形成しない磁性コアを基準として、図9(B)接続部の幅方向に膨出部を形成した磁性コア、図9(C)接続部の長さ方向に膨出部を形成した磁性コア、図9(D)接続部の幅方向及び長さ方向に膨出部を形成した磁性コアを製造し、それぞれにおけるコモンモードインダクタンスと、ノーマルモードインダクタンスを実際に測定した。なお、この実験例における全体の高さ(H1)、磁脚の長さ(H2)、磁脚の正面側太さ(B)、全体の長さ(L1)、磁脚間の距離(L2)、磁脚曲面部の直径(R)、磁脚の側面側太さ(W2)は前記図3に示した磁脚と同じであり、及び膨出部の長さ(L3)は8.7mm、磁脚を超えて張り出した長さ(L4)は1.5mm、張出部の張り出し幅(W3)は1.05mmとし、コモンは片側10T巻いたときのインダクタンスを測定した。その結果を以下の表2に示す。
この実験結果から、接続部の幅方向に膨出部を形成することにより、コモンモードのインダクタンスが大幅に向上することを確認した。また接続部の長さ方向に膨出部を形成することにより、ノーマルモードのインダクタンスが大幅に向上することが明らかになった。更に接続部の幅方向及び長さ方向に膨出部を形成した場合には、ノーマルモードのインダクタンスが大幅に増加する一方で、コモンモードのインダクタンスの上昇割合が減じられることが分かった。
本発明に係るノイズフィルタ用磁性コア及びこれを用いたノイズフィルタは、電子機器のノイズ対策部品として使用することができる。
10 磁性コア
11 磁脚
12 接続部
13 張出部
14 巻線
20 台座
21 導電性ピン
22 台座本体
30 ノイズフィルタ(コモンモードノイズフィルタ)

Claims (4)

  1. ノイズフィルタに使用される磁性コアであって、
    2つの磁脚と、当該2つの磁脚の各端部間を接続する2つの接続部とからなり、
    少なくとも何れかの接続部は、前記磁脚同士を接続する長さ方向の少なくとも一部の領域を、当該接続部の幅方向外側に張り出させた張出部を備えており、
    当該張出部は各磁脚の中心から連結部の幅方向に張り出していると共に、その張り出し幅が、前記接続部の幅の65%以下であり、
    当該接続部に前記張出部を形成したことにより、当該接続部は、その断面積を確保しながらも高さを抑え、ノーマルモードのインダクタンスの上昇割合以上に、コモンモードのインダクタンスの上昇割合を高めていることを特徴とする、磁性コア。
  2. 前記接続部は、前記2つの磁脚を接続する長さ方向において、各磁脚を超えて張り出しており、その長さは接続部の実効長の21%以下である、請求項1に記載の磁性コア。
  3. 前記接続部は、前記2つの磁脚を接続する長さ方向において、各磁脚からはみ出すことなく形成されている、請求項1に記載の磁性コア。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の磁性コアと、当該磁性コアの磁脚の夫々に巻線されたコイルとを備える、ノイズフィルタ。
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