JP6727461B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は回転電機に関し、特に、回転子と固定子とを有する回転電機に関する。
従来、例えば4極6スロットの回転電機で直列結線する場合、結線方法として、例えば時計回りで、各相の巻線を、U1→V1→W1→U2→V2→W2の順に結線する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、同一スロット内に配置される隣接した巻線間の絶縁方法としては、主に絶縁紙を挿入する方法が用いられている。
特開2002−112488号公報
上記の特許文献1に記載の結線方法の場合、3つのコイルU1、V1、W1は、高電圧側のコイルである。そのため、U1とV1との間、および、V1とW1との間の巻線間電圧が最も高くなる。一方、3つのコイルU2、V2、W2は、低電圧側のコイルである。そのため、U2とV2との間、V2とW2との間では、巻線間電圧が最も低くなる。このように、スロットの場所によって巻線間電圧の値がばらついている。その場合、巻線間電圧の最大値に合わせて、スロット内の絶縁設計を行って、絶縁紙の厚さを決定する。その結果、巻線間電圧の低いスロットに対しても、同一の絶縁紙を使用するため、絶縁紙が必要以上に厚くなってしまうという課題があった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、巻線間電圧の最大値の低減を図る、回転電機を得ることを目的とする。
本発明に係る回転電機は、回転子と、前記回転子の外周に対して空隙を介して配置された固定子とを備え、前記回転子は、周方向に配置されたn個の永久磁石を有し、前記固定子は、周方向に配置されたm個のティースと、隣接する2つのティース間に形成されたm個のスロットと、前記ティースに集中巻方式で巻き付けられたr相のコイルとを備え、前記r相のコイルのそれぞれは、1番目からs番目まで順に直列接続されたs個の相コイルで構成され、各相の前記s番目の相コイルが中性点に接続されることで、前記r相のコイルがY結線されており、前記永久磁石の極数nと前記スロットのスロット数mとの比が、n:m=(3±1):rであり、前記rは3以上の自然数、前記n、前記mおよび前記sは、それぞれ、2以上の自然数であり、各相の前記1番目の相コイル同士は、周方向に隣接しないように配置されている。
本発明に係る回転電機によれば、巻線間電圧の最大値の低減を図ることができる。
実施の形態1に係る4極6スロットの回転電機の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る回転電機が設けられたシステム全体の構成を示す回路図である。 実施の形態1に係る回転電機における各コイルの結線方法を示した説明図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるU相コイルの結線方法を示した結線図である。 従来例の4極6スロットの回転電機の断面図である。 実施の形態1に係る回転電機のコイルに印加される3相交流電圧波形を示した図である。 従来例の回転電機の3相交流印加時におけるスロット部分の相間電位差を示した図である。 実施の形態1に係る回転電機の3相交流印加時におけるスロット部分の相間電位差を示した図である。 従来の10極12スロットの回転電機の断面図である。 実施の形態2に係る6極9スロットの回転電機の結線図である。 実施の形態2に係る6極9スロットの回転電機の構成を示した断面図である。 従来例における6極9スロットの回転電機の断面図である。 実施の形態3に係る回転電機におけるU相コイルの結線方法を示した結線図である。 実施の形態3に係る回転電機の各ティースの巻線図である。 実施の形態3に係る回転電機の各巻線の等価回路図である。 実施の形態4に係る8極12スロットの回転電機の構成を示した断面図である。 実施の形態4に係る8極12スロットの回転電機の結線図である。 従来例の8極12スロットの回転電機の断面図である。 実施の形態4に係る回転電機の線間の電位差を示す図である。 実施の形態1に係る8極12スロットの回転電機の構成を示した断面図である。 実施の形態4に係る10極15スロットの回転電機の結線図である。 実施の形態4に係る10極15スロットの回転電機の構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る12極18スロットの回転電機の結線図である。 実施の形態4に係る12極18スロットの回転電機の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る6極15スロットの回転電機の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る6極15スロットの回転電機の結線図である。 実施の形態6に係る6極9スロットの回転電機の断面図である。 実施の形態6に係る6極9スロットの回転電機のU1−V3間の拡大図である。 実施の形態6に係る6極9スロットの回転電機のW1−U2間の拡大図である。 実施の形態6に係る6極9スロットの回転電機W2−U3間の拡大図である。 本発明の実施の形態1〜6に係る回転電機の永久磁石の変形例を示した断面図である。
以下、図面を用いて、本発明に係る回転電機の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機の構成を示す断面図である。図2は、本実施の形態1に係る回転電機が設けられるシステム全体の構成を示した結線図である。図3は、本実施の形態1に係る回転電機に設けられた各コイルの結線方法を示した説明図である。図4は、本実施の形態1に係る回転電機のU相コイル部分の結線図である。
なお、以下では、回転電機として、モータ10を例に挙げて説明する。図1に示すように、モータ10は、固定子1と、回転子11とを備えて構成されている。なお、図1の例では、回転子11の極数nが4極、固定子1のスロット数mが6スロットの場合を示している。但し、極数nおよびスロット数mは、これに限定されない。本実施の形態1においては、回転電機の相数をrとしたとき、極数nとスロット数mの比がn:m=(3−1):rの条件を満たしていればよい。なお、補足ながら、ティース3の個数は、スロット6の個数と同じであるため、ティース3の個数もm個となる。従って、極数nとティース3の個数mの比も、同様に、n:m=(3−1):rの関係が成り立つ。
図1に示すように、固定子1は、固定子鉄心2と、複数のティース3と、コアバック4と、コイル5と、複数のスロット6とを備えて構成されている。固定子鉄心2は、円環状の形状を有している。固定子鉄心2の内側には、回転子11が配置されている。固定子鉄心2の内周面と回転子11の外周面との間には空隙が設けられている。固定子鉄心2の内周面には、6個のティース3が設けられている。各ティース3は、回転子11の外周面に対向している。各ティース3は、周方向に間隔を空けて配置されている。各ティース3は、例えば等ピッチで配置されている。また、各ティース3は、凸状の形状を有している。また、隣接するティース3の間には、スロット6が形成されている。また、スロット6を利用して、ティース3には、コイル5が巻き付けられている。本実施の形態では、コイル5の巻き付け方法として、ティース3に、直接、コイル5を巻き付ける集中巻方式が用いられている。
また、回転子11の外周面には、磁性の異なる4個の永久磁石12が設けられている。
永久磁石12は、N極とS極とが周方向に交互になるように配置されている。永久磁石12は、例えば等ピッチで配置されている。ここで、図1に示す「N」および「S」の表記は、回転子11の外周面に発生する磁極を示す。
また、図2に示すように、固定子1のコイル5は、インバータ31を介して、電源33に接続される。また、インバータ31の上流側、すなわち、電源33側には、コンデンサ32が接続されている。インバータ31は、複数のスイッチング素子を備えて構成されている。スイッチング素子は、モータ10の各相に2個ずつ設けられている。2個のスイッチング素子は、直列に接続されている。スイッチング素子のON/OFF動作により、コイル5に印加される電圧が制御される。コンデンサ32は、電源33とインバータ31とによるスイッチング動作によって発生する電流変動を抑制する。電源33は、直流電源から構成されている。しかしながら、その場合に限らず、電源33を交流電源から構成するようにしてもよい。その場合には、交流電源からの交流電流を、例えばダイオード等によって整流して、直流電流を得るようにすればよい。
図1において、各ティース3に記載されている「U1」、「V1」および「W1」などの最初の1文字の「U」、「V」および「W」は、それぞれ、モータ10の各相を示している。
また、図1に示す「U1」および「U2」の表記は、それぞれ、図2に示す「U1」および「U2」に対応している。図2に示すように、「U1」および「U2」は、インバータ31に対して近い順に、それぞれ、U相の第1のコイルおよび第2のコイルを示している。以下では、U相の第1のコイルを「相コイルU1」と呼び、U相の第2のコイルを「相コイルU2」と呼ぶこととする。
同様に、図1に示す「V1」および「V2」の表記は、それぞれ、図2に示す「V1」および「V2」に対応している。図2に示すように、「V1」および「V2」は、インバータ31に対して近い順に、それぞれ、V相の第1のコイルおよび第2のコイルを示している。以下では、V相の第1のコイルを「相コイルV1」と呼び、V相の第2のコイルを「相コイルV2」と呼ぶこととする。
同様に、図1に示す「W1」および「W2」の表記は、それぞれ、図2に示す「W1」および「W2」に対応している。図2に示すように、「W1」および「W2」は、インバータ31に対して近い順に、それぞれ、W相の第1のコイルおよび第2のコイルを示している。以下では、W相の第1のコイルを「相コイルW1」と呼び、W相の第2のコイルを「相コイルW2」と呼ぶこととする。
本実施の形態1では、図2に示すように、コイル5がY結線されている。すなわち、U相においては、相コイルU1とU2とが直列接続され、V相においては、相コイルV1とV2とが直列接続され、W相においては、相コイルW1とW2とが直列接続されている。また、U、VおよびWの各相の第2のコイルの巻き終わり、すなわち、相コイルU2、V2およびW2の巻き終わりが、それぞれ、中性点Nに接続されている。このように、実施の形態1では、各相における直列接続された相コイルの個数sが2個の場合を示しているが、それに限定されるものではなく、個数sは、2以上の任意の個数でよい。
以下では、図2に示すように、相コイルU1とU2間の電位を電位Uと呼び、相コイルV1とV2間の電位を電位Vと呼び、相コイルW1とW2間の電位を電位Wと呼ぶ。
なお、本実施の形態1では、上述したように、コイル5が集中巻方式により、ティース3に巻き付けられている。集中巻方式では、1つのティース3に対して1つの相コイルが巻き付けられる。図1を用いて、具体的に説明すると、相コイルU1が1つのティース3に巻き付けられている。従って、ティース3およびスロット6の個数mと、コイル5の相数rと、直列接続された相コイルの個数sとは、s×r=mの関係が成り立つ。また、当該ティース3に隣接する他のティース3には、相コイルV2が巻き付けられている。このように、1つのティース3に対して1つの相コイルが巻き付けられる。このとき、各ティース3は、ティース3間に形成された1つのスロット6を共有している。すなわち、相コイルU1と相コイルV2とは、共通のスロット6を用いている。このように、1つのスロット6内では、当該スロットの両側のティース3にそれぞれ巻き付けられた2つの相コイルが隣接することになる。
図3は、相コイルU1、U2、V1、V2、W1、W2のうちの1つのコイルを示した図である。本実施の形態1では、図3に示すように、これらの各コイルにおいて、ティース3側の1つの巻線を「コイルの巻き始め41」とし、スロット6のスロット中央部に位置する1つの巻線を、「コイルの巻き終わり42」とする。
また、コイル5への給電方法としては、「コイルの巻き始め41」をインバータ31側、すなわち、高電圧側とし、「コイルの巻き終わり42」を中性点N側、すなわち、低電圧側とする。
また、同相コイルの接続方法としては、図4に示す通りである。図4においては、U相の同相コイルの接続方法を示している。相コイルU1の巻き始め41aがインバータ31に接続され、相コイルU2の巻き終わり42bが中性点Nに接続されている。また、相コイルU1の巻き終わり42aと相コイルU2の巻き始め41bとが接続されている。なお、V相、W相も同様の構成であるため、ここでは、その説明を省略する。
従来のY結線された3相の4極6スロットのモータにおいて、各相が2つの相コイルを有している場合、図5の構成にすることが一般的である。すなわち、図5に示すように、反時計回りに、U1→V1→W1→U2→V2→W2→U1の順に、コイル105を巻き付ける。この場合において、図6に示すような印加電圧を、コイル105に印加する場合を考える。図6においては、基準とするために、印加電圧の各相振幅の値が2になるように、予め設定された電圧値で印加電圧が規格化されている。図6において、実線67がU相コイルに印加される印加電圧を示し、破線68がV相コイルに印加される印加電圧を示し、一点鎖線69がW相コイルに印加される印加電圧を示す。
図6に示す印加電圧をコイル105に印加すると、図7に示すように、相コイルU1とV1間、および、相コイルU1とW1間では、スロット106における巻線間の電位差が、各相の印加電圧の√3/2倍となる。なお、図7において、実線71が相コイルU1とV1間の電位差を示し、破線72が相コイルW1とU1間の電位差を示す。
図7において、相コイルU1とV1間の電位差は電位UとVとの電位差であり、相コイルV1とW1間の電位差は電位VとWの電位差を示している。一方、相コイルU2とV2間、および、相コイルV2とW2間では、中性点Nに相コイルU2、V2、W2が接続されているため、巻線間の電位差が0となる。このように、図5に示す従来のモータにおいては、電位UとVの電位差のスロットと、電位VとWの電位差のスロットと、電位差が0のスロットとが混在する。そのため、巻線間の電位差が、スロット106ごとで大きくばらついていた。このような場合においても、各スロット106における絶縁設計を行う際には、巻線間の電位差が最も高い箇所に合わせて、絶縁設計を行う。図5の例では、相コイルU1とV1間および相コイルV1とW1間に合わせて絶縁設計が行われる。絶縁設計とは、1つのスロット内に配置された隣接する巻線間に挿入する絶縁紙の大きさを決定することをいう。絶縁紙の大きさは、電位差が大きい箇所ではサイズの大きい絶縁紙が必要であるが、電位差の小さい箇所ではサイズの小さい絶縁紙でよい。しかしながら、絶縁紙の大きさをスロットごとに変えることはせずに、同一サイズの絶縁紙を用いる。すなわち、固定子101の内径の形状精度の安定性のため、各スロット106において、絶縁上の必要性にかかわらず、同じ寸法の絶縁紙を用いて、巻線間を絶縁する。そのため、各スロット106内では、サイズの最も大きい絶縁紙が使用される。
次に、本実施の形態1における結線とスロット間の巻線間の電位差について説明する。
本実施の形態1においては、図1に示すように、各相において、高電圧側の相コイルU1、V1、W1と、低電圧側の相コイルU2、V2、W2とが交互に配置されている。すなわち、図1に示すように、各ティース3に対して、反時計回りに、相コイルU1→V2→W1→U2→V1→W2→U1の順に、コイル5を巻き付けている。そのため、各スロット6においては、順に、相コイルU1とV2とが隣接し、相コイルV2とW1とが隣接し、相コイルW1とU2とが隣接し、相コイルU2とV1とが隣接し、相コイルV1とW2とが隣接し、相コイルW2とU1とが隣接する。このとき、相コイルU2、V2、W2の相間部分の巻線では、中性点Nの電位となり、0となる。そのため、本実施の形態1のコイル5に対して、図6に示す三相交流電圧を印加した場合、図8に示すように、巻線間の電位差の最大値は各スロット6間で等しくなる。具体的には、各スロット6における巻線間の電位差の最大値は、各相の印加電圧の1/2となる。
なお、図8においては、代表例として、実線81により、相コイルU1−W2間のスロット6における巻線間の電位差を示し、破線82により、相コイルV1−U2間のスロット6における巻線間の電位差を示している。この時の電位差は相コイルU1−W2間の場合、電位Uと中性点N間、相コイルV1−U2間の場合、電位Vと中性点N間の電位差を示しており、他のスロットについても同様となる。
そのため、本実施の形態1において、図5の従来例と比較して、巻線間の電位差の最大値が、1/2÷(√3/2)=1/√3=0.577倍となる。このように、本実施の形態1においては、巻線間の電位差の最大値を低減できるので、従来よりも絶縁設計が容易となり、絶縁紙を薄くすることができる。また、絶縁紙の薄化に伴い、スロット6内にスペースができる。その結果、スロット6内のコイル5の巻き数を増やすことができる。そのため、コイル5に発生する銅損を低減することができ、モータ10の効率を向上させることが可能となる。
ここで、本願の実施の形態1の効果をさらに示すために、例えば特開2011−030309号公報に記載の10極12スロットの巻線配置の場合を図9に示す。図9の構成では、反時計回りに、相コイルU1→V1→W1→U2→V2→W2→U3→V3→W3→U4→V4→W4→U1のように、コイルが巻き付けられている。そのため、1つのスロット内で、高電圧となる同相コイルが2個隣り合った構成となる。しかしながら、この場合、同相のコイルであるため、電圧の位相差が発生しない。このとき、図9の10極12スロットの構成において、異相の高電圧コイルが隣り合った場合を考えると、電圧の位相差は大きくなる。従って、異相の高電圧コイルが隣り合った構成においては、本願の実施の形態1で示した回転電機が最も電位差の低減効果が大きく、最も効果を有する構成となる。しかしながら、図9の従来例では、極数とスロット数の比が(3−1):rの条件を満たしていないため、本実施の形態1の構成を適用することはできない。
なお、本実施の形態1では、説明簡略化のため、スロット6間の電位差を表す場合、巻き始め41および巻き終わり42の電位差を例に挙げて説明している。しかしながら、実際のモータのスロット間では、スロット中央部における各巻線の電位差が異なるため、本実施の形態1の電位差よりも電位差が大きくなるが、電位差の最大値を小さくすることで、絶縁距離を短縮できる効果は変わらない。
以上のように、本実施の形態1においては、集中巻のY結線されたr相の回転電機において、回転電機の極数nとスロット数mの比が、n:m=(3−1):rとなっている。また、各相の最も高電圧となる第1のコイル同士が周方向に隣接しないように、各相コイルが配置されている。これにより、巻線間の電位差のばらつきがなくなるとともに、巻線間の電位差の最大値が低減できる。そのため、巻線間の絶縁距離を小さくすることができる。その結果、絶縁紙のサイズを小さくすることができる。そのため、スロット6内の空間に余裕ができ、スロット6内の巻線量を多くすることができる。その結果、銅損を低減することができ、回転電機の効率が向上する。
実施の形態2.
図10に、実施の形態2に係る回転電機における結線図を示す。本実施の形態2においても、回転電機として、集中巻のY結線された3相のモータ10を例に挙げて説明する。上記の実施の形態1では、直列接続された相コイルの個数sが2個の場合を示したが、本実施の形態2では、直列接続された相コイルの個数sが3個の場合を示す。すなわち、本実施の形態2では、3つの相コイル、すなわち、相コイルU1、相コイルU2、および、相コイルU3が直列接続されて、U相コイルを形成している。同様に、3つの相コイル、すなわち、相コイルV1、相コイルV2、および、相コイルV3が直列接続されて、V相コイルを形成している。また、同様に、3つの相コイル、すなわち、相コイルW1、相コイルW2、および、相コイルW3が直列接続されて、W相コイルを形成している。
なお、本実施の形態2においては、図10に示すように、「U1」、「U2」および「U3」は、インバータ31に対して近い順に、それぞれ、U相の第1のコイル、第2のコイル、および、第3のコイルを示している。以下では、これらのコイルを、「相コイルU1」、「相コイルU2」、「相コイルU3」と呼ぶこととする。V相およびW相においても、同様であるため、ここでは、説明を省略する。
本実施の形態2では、図10に示すように、U、VおよびWの各相の第3のコイル、すなわち、相コイルU3、相コイルV3および相コイルW3が、それぞれ、中性点Nに接続され、Y結線を構成している。
以下では、図10に示すように、U相について、相コイルU1の入力側の電位を電位U、U1とU2間の電位を電位Ua1、U2とU3間の電位を電位Ua2と定義する。また、V相について、V1の入力側の電位を電位V、V1とV2間の電位を電位Va1、V2とV3間の電位を電位Va2と定義する。また、W相について、W1の入力側の電位を電位W、W1とW2間の電位を電位Wa1、W2とW3間の電位を電位Wa2と定義する。
図11は、図10に対応したモータ10の断面図を示す。なお、図11においては、インバータ31からの結線は省略しているが、図2と同様に、各相の第1のコイルである相コイルU1、V1、W1が、インバータ31に接続されている。
図11に示すように、本実施の形態2では、回転子11の極数が6極、固定子1のスロット数が9スロットの6極9スロットのモータ10を示している。本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、回転電機の相数をrとしたとき、極数nとスロット数mの比がn:m=(3−1):rとなっている。また、本実施の形態2においては、図11に示すように、反時計回りに、相コイルU1→V3→W1→U2→V1→W2→U3→V2→W3→U1の順で、ティース3に対して、コイル5が巻き付けられている。この場合、巻線間の電位差が最大となる部分は、相コイルW1とU2間、相コイルU2とV1間、および、相コイルV1とW2間の3箇所となる。
一方、従来の巻線方法では、図12に示すように、反時計回りに、相コイルU1→V1→W1→U2→V2→W2→U3→V3→W3→U1の順に、コイル105が巻き付けられる。この場合、図12に示すように、連続するティース103に、U1、V1、W1のように、高電圧の相コイルが並んでいる。従って、巻線間の電位差が最大となる部分は、相コイルU1とV1間、相コイルV1とW1間の2箇所となる。
この時の電位差は、図10で示した電位を使うと、相コイルU1とV1間では電位Ua1と電位Va1の電位差、相コイルV1とW1間では電位Va1と電位Wa1の電位差、となる。ここで、U相、V相、W相の電位U、V、Wを正弦波の電圧で表すと、3相交流のため振幅が同じで電位の位相が2/3πずれた波形として下式(1)〜(3)のように表される。
=Asin(ωt+2/3π) (1)
=Asin(ωt) (2)
=Asin(ωt−2/3π) (3)
なお、Aは振幅、ωが角速度を表しており、電圧の周波数fに依存して変化する。ここで、角速度ωと周波数fの関係は、ω=2πfである。
このとき、Ua1、Va1、Wa1の電位は、U、V、Wの2/3となるため、下式(4)〜(6)で表すことができる。
a1=2A/3sin(ωt+2/3π) (4)
a1=2A/3sin(ωt) (5)
a1=2A/3sin(ωt−2/3π) (6)
ここで、相コイルU1とV1の電位差は正弦の加法定理を使って式(7)で表すことができる。
a1−Va1
=2A/3sin(ωt+2/3π)−2A/3sin(ωt)
=2A/3{sin(ωt+2/3π)−sin(ωt)}
=2A/3*√3sin(ωt+1/3π)
=2√3/3Asin(ωt+1/3π) (7)
従って、相コイルU1とV1の電位差は振幅2√3/3Aとなり、各相の印加電圧の2√3/3倍となる。なお、相コイルV1とW1の電位差についても同様に算出できる。
本実施の形態2においても、上記の図4に示すように、U相コイルのうち、ティース3側の1つの巻線を「コイルの巻き始め41」とし、スロット6のスロット中央部に位置する1つの巻線を、「コイルの巻き終わり42」とする。V相コイルおよびW相コイルも同様とする。また、コイル5への給電方法としては、「コイルの巻き始め41」をインバータ31側とし、「コイルの巻き終わり42」を中性点N側とする。
このとき、スロット間の最大の電位差となるのは、例えばU2とV1間となる。従って、電位Ua2とVa1間の電位差となる。ここで、Ua2は式(8)で表される。
a2=A/3sin(ωt+2/3π) (8)
そのため、相コイルU2と相コイルV1の電位差は式(9)で表すことができる。
a2−Va1
=A/3sin(ωt+2/3π)−2A/3sin(ωt)
=A/3{sin(ωt+2/3π)−2sin(ωt)}
=A/3{sin(ωt)・cos(2/3π)
+cos(ωt)・sin(2/3π)−2sin(ωt)}
=A/3{−5/2sin(ωt)+√3/2cos(ωt)}
=A/3{√7sin(ωt+α)}
=√7/3Asin(ωt+α) (9)
なお、α=tan-1(−√3/5)、0<α<πで表される。
従って、相コイルU2と相コイルV1の電位差は振幅√7/3Aとなり、各相の印加電圧の√7/3倍となる。
本実施の形態2においては、図11に示されるように、相コイルU2と相コイルW1とが1つのスロット6にあるため、巻線間の電位差の最大値は、各相の印加電圧の√7/3となる。一方で、従来のモータにおいては、巻線間の電位差の最大値が、各相の印加電圧の2√3/3倍となる。従って、本実施の形態2の巻線間の電位差の最大値は、従来の巻線方式と比較して、√7/3÷(2√3/3)=0.763倍となり、絶縁距離を短縮することができる。
以上のように、本実施の形態2においては、実施の形態1と同様に、集中巻のY結線されたr相の回転電機において、回転電機の極数nとスロット数mの比が、n:m=(3−1):rとなっている。また、各相コイルの直列接続された相コイルの個数sは、3個となっている。また、各相の最も高電圧となる第1のコイル同士が周方向に隣接しないようにティース3に対して配置されている。これにより、巻線間の電位差の最大値が低減でき、絶縁距離を小さくすることができる。また、絶縁紙のサイズも小さくできるため、スロット6内の巻線量を多くすることができる。その結果、銅損を低減することができ、回転電機の効率が向上する。
実施の形態3.
図13に、実施の形態3に係る回転電機の各ティースにおける結線方法を示す。図13は、本実施の形態3に係る回転電機のU相コイルの結線図を示している。本実施の形態3においても、回転電機として、集中巻のY結線された3相のモータ10を例に挙げて説明する。本実施の形態3において、モータ10の構成、および、各コイルの接続は、実施の形態1または2と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
上記の実施の形態1との違いは、実施の形態1では、コイル5の巻き始め41をインバータ31側に、コイル5の巻き終わり42を中性点N側としていたが、本実施の形態3においては、逆に、コイル5の巻き終わり42をインバータ31側に、コイル5の巻き始め41を中性点N側としている点である。具体的には、図13に示すように、相コイルU1の巻き終わり42aをインバータ31に接続し、相コイルU3の巻き始め41cを中性点Nに接続している。
また、相コイルU1および相コイルU2においては、相コイルU1の巻き始め41aと相コイルU2の巻き終わり42bとを接続している。また、相コイルU2および相コイルU3においては、相コイルU2の巻き始め41bと相コイルU3の巻き終わり42cとを接続している。本実施の形態3では、このように接続された、相コイルU1、相コイルU2、および、相コイルU3を直列接続して、U相コイルを形成している。この場合、実施の形態2と同様に、巻線間の電位差を式(1)〜(6)を使って計算する。
まず本実施の形態3においては、巻線間の電位差が最大となるのは例えばU1の巻き始め(電位U)とV2の巻き始め(電位Va1)となるため、電位差は式(10)で表される。
−Va1
=Asin(ωt+2/3π)−2/3Asin(ωt)
=A{sin(ωt+2/3π)−2/3sin(ωt)}
=A{sin(ωt)・cos(2/3π)+cos(ωt)・
sin(2/3π)−2/3sin(ωt)}
=A{−1/2sin(ωt)+√3/2cos(ωt)
−2/3sin(ωt)}
=A{−7/6sin(ωt)+√3/2cosωt}
=√19/3Asin(ωt+β) (10)
なお、β=tan-1(−3√3/7)、0<β<πで表される。
してみると、本実施の形態3の場合には、巻線間の電位差(U−Va1)は、各相の印加電圧の√19/3倍、すなわち、1.453倍となる。一方、上記の図12に示す従来の巻線方式では巻線間の電位差(U−V)は各相の印加電圧の√3倍、すなわち、1.732倍となる。本実施の形態3に示すように、巻き始めおよび巻き終わりを反対にした場合についても、実施の形態1,2と同様に、巻線間の電位差を√57/9倍、すなわち、0.839倍に低減できる。
さらに、本実施の形態3の構成では、コイル5に高周波の電圧が印加された場合、実施の形態2と比較して、数百kHzから数MHzまでの帯域における漏洩電流が低下するという効果も有する。
ここで、漏洩電流の発生原理について説明する。図14に、1つのティース3にターン数10で巻き付けられた場合について示す。ここで、コイル5の巻き始めから、順に、1ターン目、2ターン目、・・・、10ターン目までを、1〜10の数字で示している。漏洩電流とは、固定子鉄心2を接地してアースした場合、固定子1のコイル5から固定子鉄心2に流れる電流のことを指す。ここで、コイル5から固定子鉄心2までの等価回路を図15に示す。図15で示すように、1ターン分の等価回路51は、1ターン分のコイル抵抗53、1ターン分のインダクタンス52、および、1ターン間の静電容量54で表すことができる。
また、固定子鉄心2とコイル5とは容量結合されているため、コイル5と固定子鉄心2との間に、静電容量55が発生している。この時、コイル5に交流電流が流れると、コイル5と固定子鉄心2との間の静電容量55の大きさに応じて、コイル5から固定子鉄心2に電流が流れる。これが漏洩電流である。
なお、クーロンの法則により、静電容量55が大きいと、同じ電圧を印加した場合においても電荷が多くなる。電流は電荷を微分したものであるため、漏洩電流は大きくなる。
ここで、コイル5に、例えば数百Hzの低周波の電圧が印加された場合について説明する。まず、インダクタンス52部分で発生するインピーダンスZLは、インダクタンスをL、角周波数をωとすると、ZL=ωLで表される。一方、コイル5間の静電容量54でのインピーダンスはZC=1/ωCで表される。ここで、低周波の場合はωが小さいため、ZL<ZCとなる。この時、コイル5の1ターンの長さおよび巻線間の距離が、各ターンでほぼ等しいため、各コイル5にかかる電位差は一定となる。そのため、各コイル5の静電容量54は、コイル5と固定子鉄心2との間の距離および軸長で表現することができる。
一方、コイル5に、例えば数百kHz以上の高周波の電圧が印加された場合について説明する。高周波の場合はωが大きいため、ZL>ZCとなる。この時、コイル5のインダクタンス52で発生する誘導起電力が大きくなる。そのため、インバータ31に近い1ターン目で電圧降下が大きくなる。また、各コイル5間の電位差は、インバータ31に近い側が大きく、インバータ31から遠くなるにつれて小さくなる。従って、この場合の漏洩電流については、インバータ31に近い高電圧側のコイルの静電容量の大きさに依存する。ここで、コイル5の巻き始めをインバータ31に接続した場合、固定子鉄心2とコイル5との距離は、コイル5の絶縁被覆およびコイル5の絶縁保護となるインシュレータで決定される。
上述したように、本実施の形態3においては、コイル5の巻き終わり42aにインバータ31を接続している。すなわち、本実施の形態3においては、図13の数字「10」で示されるスロット中央部のコイル5をインバータ31に接続している。そのため、固定子鉄心2のティース3とコイル5との距離は、巻き終わり42aの方が、巻き始め41aよりも、大きくなる。そのため、静電容量54が小さくなる。漏洩電流は、静電容量54の大きさに比例するので、実施の形態3の方が、実施の形態1よりも、漏洩電流を低減することができる。
実施の形態4.
図16に、実施の形態4に係る回転電機の断面図を示す。図17に、本実施の形態4に係る回転電機における結線図を示す。図17において、実施の形態2と同様に、相コイルU1の入力側の電位を電位U、相コイルU1と相コイルU2間の電位を電位Ua1、相コイルU2と相コイルU3間の電位を電位Ua2、相コイルU3と相コイルU4間の電位を電位Ua3と定義し、V相、W相についても同様に定義する。
本実施の形態4においても、回転電機として、集中巻のY結線された3相のモータ10を例に挙げて説明する。本実施の形態4において、モータ10の構成、および、各コイルの接続は、実施の形態1〜3と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
本実施の形態4では、図16に示すように、極数nが8で、スロット数mが12の、8極12スロットのモータ10を例に挙げて説明する。従って、本実施の形態4においても、相数をrとすると、極数nとスロット数mとの比がn:m=(3−1):rとなっている。また、図17に示すように、各相の直列接続された相コイルの個数sが、4つの場合を示す。本実施の形態4では、図17に示すように、U、VおよびWの各相の第4のコイル、すなわち、相コイルU4、相コイルV4および相コイルW4をそれぞれ中性点Nで接続し、Y結線を構成している。
また、本実施の形態4では、図16に示すように、反時計回りに、相コイルU1→V3→W2→U4→V1→W3→U2→V4→W1→U3→V2→W4→U1の順に、ティース3に対してコイル5が巻き付けられている。
ここで、図18に示す従来の結線方法、上記の実施の形態1、および、本実施の形態4の場合におけるスロット間の線間の電位差について、図19を用いて説明する。図19において、横軸は電気角、縦軸は巻線間の電位差を示す。また、図19において、一点鎖線は従来例を示し、破線は実施の形態1を示し、実線は本実施の形態4を示す。ここでは簡単のため、コイル5の巻き始めをインバータ31側として説明する。
まず、従来の結線の場合、図18に示すような断面図となる。すなわち、ティース103に対して、反時計回りに、相コイルU1→V1→W1→U2→V2→W2→U3→V3→W3→U4→V4→W4→U1の順に、コイル105が巻き付けられている。従って、例えば相コイルU1とV1のように、高電圧となる相コイルが1つのスロット内で隣り合い、電位差としてはUa1−Va1間となる。ここで、U、Vが式(1)および式(2)で表されるとすると、Ua1とVa1の電位差は式(11)で表される。
a1−Va1
=3/4A{sin(ωt+2/3π)−sin(ωt)}
=3√3/4Asin(ωt+π/3) (11)
そのため、巻線間の電位差の最大値は、図19に示すように、相電圧の3√3/4倍、すなわち、1.299倍となる。
一方、上記の実施の形態1の結線方法を、8極12スロットのモータ10に適用すると、図20に示す断面図となる。すなわち、ティース3に対して、反時計回りに、相コイルU1→V2→W3→U4→V1→W2→U3→V4→W1→U2→V3→W4→U1の順に、コイル5が巻き付けられている。この場合、電位差が最も大きい箇所は、例えばU1とV2間であり、すなわち、Ua1とVa2の電位差となる。従って、上記式(11)に示した従来の場合と同様に計算すると、式(12)で表される。
a1−Va2
=3/4Asin(ωt+2/3π)−1/2Asin(ωt)
=3/4A{sin(ωt)・cos(2/3π)
+cos(ωt)・sin(2/3π)}
−1/2Asin(ωt)
=3/4A{−1/2sin(ωt)+√3/2cos(ωt)}
−1/2Asin(ωt)
=−3/8Asin(ωt)+3√3/8Acos(ωt)
−1/2Asin(ωt)
=−7/8Asin(ωt)+3√3/8Acos(ωt)
=√19/4Asin(ωt+β) (12)
なお、β=tan-1(-3√3/7)、0<β<πで表される。
その結果、図19に示すように、巻線間の電位差の最大値は、相電圧の√19/4倍、すなわち、1.089倍となる。
また、図16に示した本実施の形態4の構成においては、電位差が最も大きい箇所はU1とV3間となり、電位Ua1と電位Va3の電位差となる。従って、上記式(11)および式(12)に示した従来の場合および実施の形態1の結線方法の場合と同様に計算すると、式(13)で表される。
a1−Va3
=3/4Asin(ωt+2/3π)−1/4Asin(ωt)
=3/4A{sin(ωt)・cos(2/3π)
+cos(ωt)・sin(2/3π)}−1/4Asin(ωt)
=3/4A{−1/2sin(ωt)+√3/2cos(ωt)}
−1/4Asin(ωt)
=−3/8Asin(ωt)+3√3/8Acos(ωt)
−1/4Asin(ωt)
=−5/8Asin(ωt)+3√3/8Acos(ωt)
=√13/4Asin(ωt+γ) (13)
なお、γ=tan-1(−3√3/5)、0<γ<πで表される。
その結果、図19に示すように、巻線間の電位差の最大値は、相電圧の√13/4倍、すなわち、0.901倍となる。従って、本実施の形態4の電位差の最大値が、図19のグラフの中で最も小さい。実施の形態1では、相コイルU1とV2が隣接していたが、本実施の形態4では、相コイルU1とV3が隣接している。相コイルV3の方が相コイルV2よりも低電圧であるので、その分だけ、実施の形態1よりも、さらに、巻線間の電位差の最大値を小さくすることができる。
実施の形態4に係る結線方法を一般化すると下記のように表すことができる。各相コイルにおいて、直列接続された相コイルの数をs個とする。ここで、sは、4以上の自然数である。このとき、s/2以下の最大の自然数をkとする。この時、各相の相コイルのうち、第kのコイル、第k−1のコイル、・・・、第1のコイルが互いに隣り合わないように結線する。以下に、その例を示す。
まず、例えば、図21のように、直列接続されたコイルの個数sが5個の場合には、s/2以下の最大の自然数kが2となる。従って、各相のうち、第2のコイルと第1のコイルがそれぞれ隣り合わないようにコイル5を巻き付ける。その場合の一例を図22に示す。すなわち、ティース3に対して、反時計回りに、相コイルU1→V4→W2→U5→V3→W1→U4→V2→W5→U3→V1→W4→U2→V5→W3→U1の順に、コイル5が巻き付けられている。
また、例えば、図23のように、直列接続された相コイルの個数sが6個の場合には、s/2以下の最大の自然数kが3となる。従って、各相のうち、第3のコイル、第2のコイル、第1のコイルがそれぞれ隣り合わないようにコイル5を巻き付ける。その場合の一例を図24に示す。すなわち、ティース3に対して、反時計回りに、相コイルU1→V6→W3→U4→V2→W6→U3→V5→W2→U6→V1→W5→U2→V4→W1→U5→V3→W4→U1の順に、コイル5が巻き付けられている。
このように、直列接続された相コイルの個数がs個のとき、s/2以下の最大の自然数をkとして、各相のうち、k番目に高電圧の第kのコイルから、最も高電圧の第1のコイルまでの各相コイルすべてが互いに隣り合わないように結線する。このことにより、巻線間の電位差を小さくすることができる。なお、本実施の形態4においても、実施の形態3で示したように、コイル5の巻き終わりをインバータ31側としても同様の効果を有する。
実施の形態5.
図25に、実施の形態5に係る回転電機の断面図を示す。図26に、本実施の形態5に係る回転電機における結線図を示す。本実施の形態5においても、回転電機として、モータ10を例に挙げて説明する。図26におけるそれぞれの電位は実施の形態1および実施の形態2と同様に、相コイルU1の入力側の電位を電位U、相コイルU1と相コイルU2間の電位を電位Ua1、相コイルU2と相コイルU3間の電位を電位Ua2と定義し、V相、W相、X相、Y相についても同様に定義する。本実施の形態5において、モータ10の構成、および、各コイルの接続は、実施の形態1〜3と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
上記実施の形態1〜4においては、3相の回転電機について説明したが、図25に示すように、本実施の形態5においては、5相の回転電機について説明する。各相を、以下では、U相、V相、W相、X相およびY相と呼ぶ。
本実施の形態5では、図25に示すように、極数nが6個で、スロット数mが15個の、6極15スロットのモータ10を例に挙げて説明する。従って、本実施の形態4においても、相数をr相とすると、極数nとスロット数mの比が、n:m=(3−1):rとなっている。また、図26に示すように、直列接続された相コイルの個数sが3個の場合を示す。本実施の形態4では、図26に示すように、U、V、W、X、Yの各相の第3のコイル、すなわち、相コイルU3、相コイルV3、相コイルW3、相コイルX3、および、相コイルY3をそれぞれ中性点Nに接続し、Y結線を構成している。
本実施の形態5では、図25に示すように、ティース3に対して、反時計回りに、相コイルU1→V3→W2→X1→Y3→U2→V1→W3→X2→Y1→U3→V2→W1→X3→Y2→U1の順に、コイル5が巻き付けられている。
図25においては、各相のうち最も高電圧となる第1のコイル、すなわち、相コイルU1、V1、W1、X1、Y1が、周方向に隣り合わないように、1つ飛びで配置されている。すなわち、1つの相の第1のコイルを1つのスロットに配置した場合、他の相の第1のコイルは、隣接するスロットではなく、隣接するスロットの次のスロットに配置している。具体的には、相コイルU1がスロット61に配置されているため、スロット62にはいずれの相の第1のコイルも配置しない。そして、スロット62の次のスロットであるスロット63に相コイルX1を配置している。また、スロット64に相コイルX1が配置されているため、隣接するスロット65には、いずれの相の第1のコイルも配置しない。そして、スロット65の次のスロットであるスロット66に相コイルV1を配置している。
ここで、本実施の形態5では、5相のモータであるため、各相の振幅が同等で位相差が72度となる正弦波電圧で表すことができる。従って、各相の電位(U、V、W、X、Y)はそれぞれ式(14)〜(18)で表される。
=Asin(ωt+4/5π) (14)
=Asin(ωt+2/5π) (15)
=Asin(ωt) (16)
=Asin(ωt−2/5π) (17)
=Asin(ωt−4/5π) (18)
ここで、コイル5の巻き始めをインバータ31に接続した場合、スロット6の巻線間の電位差(Ua1−Ya2間)は、式(19)で表すことができる。
a1−Ya2=2/3U−1/3Y
=2/3Asin(ωt+4/5π)
−1/3Asin(ωt−4/5π)
=2/3A{sin(ωt)cos(4/5π)
+cos(ωt)sin(4/5π)}
−1/3A{sin(ωt)cos(4/5π)
−cos(ωt)sin(4/5π)}
=1/3Asin(ωt)cos(4/5π)
+Acos(ωt)sin(4/5π)
=A{1/3cos(4/5π)sin(ωt)
+sin(4/5π)cos(ωt)}
=0.6467Asin(ωt+ζ) (19)
ζ=tan-1(3tan(4/5π))、0<ζ<πで表される。
従って、実施の形態5における巻線間の電位差は相電圧の0.6467倍となる。
一方、従来のように、高電圧となる相コイルが周方向に隣り合う場合には、巻線間の電位差(Ua1−Ya1間)であるため、式(20)で表すことができる。
a1−Ya2=2/3U−2/3Y
=2/3Asin(ωt+4/5π)
−2/3Asin(ωt−4/5π)
=2/3A{sin(ωt)cos(4/5π)
+cos(ωt)sin(4/5π)}
−2/3A{sin(ωt)cos(4/5π)
−cos(ωt)sin(4/5π)}
=4/3Acos(ωt)sin(4/5π)
=0.7837Acos(ωt) (20)
各相の印加電圧の0.7837倍となる。従って、本実施の形態5は、従来の方式よりも、巻線間の電位差の最大値を、0.825倍小さくすることができる。
以上のように、本実施の形態5においては、実施の形態1〜4と同様に、集中巻のY結線されたr相の回転電機において、回転電機の極数nとスロット数mの比が、n:m=(3−1):rとなっている。また、各相コイルの直列接続された相コイルの個数sは、3個となっている。但し、相コイルの個数sは、3個に限定されない。また、各相の最も高電圧となる第1のコイル同士が周方向に隣接しないようにティース3に対して配置されている。これにより、巻線間の電位差の最大値が低減でき、絶縁距離を小さくすることができる。また、絶縁紙のサイズも小さくできるため、スロット6内の巻線量を多くすることができる。その結果、銅損を低減することができ、回転電機の効率が向上する。
実施の形態6.
図27に実施の形態6に係る回転電機の断面図を示す。図28、図29、および、図30に、図27に示したU1相−V3相、W1相−U2相、W2相−U3相間の拡大図をそれぞれ示す。上記の実施の形態1〜5においては、コイル5と固定子鉄心2との間の絶縁部材を省略していたが、本実施の形態6では、コイル5と固定子鉄心2との間に、絶縁部材90が設けられている。ここで、コイル5の結線方法については図10と同様である。実施の形態2と同様に、各相の第1のコイルである相コイルU1、V1、W1が、インバータ31に接続されており、各相の第3のコイルである相コイルU3、V3、W3が中性点Nに接続され、Y結線を構成している。
この時、各相の第1コイル、すなわち、相コイルU1,V1、W1が、最も高い電圧が印加されるコイルとなる。そして、次に高い電圧が印加されるコイルは、第2コイル、すなわち、相コイルU2、V2,W2である。また、最も低い電圧が印加されるコイルは、第3のコイル、すなわち、相コイルU3、V3、W3である。このように、第1コイル、第2コイル、第3コイルとなるに従って、印加される電圧が低下する。
従って、第1コイルである相コイルU1、V1、W1が、固定子鉄心2との絶縁距離を最も長く取る必要があり、第2コイル、第3コイルになるに従って、固定子鉄心2との絶縁距離を徐々に小さくすることができる。そこで、本実施の形態6では、図28〜図30に示すように、固定子鉄心2との絶縁距離d1、d2、d3を以下のように設定する。まず、第1コイルである相コイルU1,V1、W1と固定子鉄心2との絶縁距離をd1とする。また、第2コイルである相コイルU2、V2、W2と固定子鉄心2との絶縁距離をd2とする。また、第3コイルである相コイルU3、V3、W3と固定子鉄心2との絶縁距離をd3とする。このとき、d1>d2>d3の関係が成り立つように、絶縁距離d1、d2、d3を適宜設定する。これにより、第2コイルの絶縁距離d2および第3コイルの絶縁距離d3を、それぞれ、第1コイルの絶縁距離d1よりも小さくすることができ、第2コイルおよび第3コイルにおけるコイル5の巻線スペースを増やすことができる。本実施の形態6では、同一線径のコイルでの巻線の図を示しているが、第1コイル、第2コイル、第3コイルの順にコイルの線径を次第に太くすることでコイルの抵抗値を下げることができ、銅損を低減することが可能となる。
また、絶縁距離d1、d2、d3を精度よく確保する方法としては、第1コイル、第2コイル、および、第3コイルのそれぞれに合わせて3種類の絶縁部材90を用意し、各絶縁部材90の厚さを、絶縁距離d1、d2、d3と同じ値にする。そして、第1コイル、第2コイル、および、第3コイルのそれぞれに合わせて、各絶縁部材90をコイル5と固定子鉄心2との間に設けることで、所望の絶縁距離d1、d2、d3を確保することができる。
なお、他の構成および動作については、上記の実施の形態1〜5と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態6では、ティース3とティース3に巻き付けられたコイル5のインバータ31に近い側の一端との距離が、ティース3とティース3に巻き付けられたコイル5の他端との距離よりも大きくなるようにした。これにより、中性点Nに近くなるほど、コイル5の巻線スペースを増やすことができる。また、第1コイル、第2コイル、第3コイルの順に、コイルの線径を次第に太くすることで、コイルの抵抗値を下げることができ、銅損を低減することが可能となる。
なお、上記実施の形態1〜6では、回転電機の相数をrとしたとき、極数nとスロット数mの比が、n:m=(3−1):r=2:rの場合について説明した。しかしながら、この場合に限定せず、本実施の形態1〜5は、n:m=(3+1):r=4:rの場合にも適用可能である。以下、極数とスロット数が4:rの場合について具体的に説明する。
極数とスロット数が4:rの場合において、r=3の場合は、どれか2つの相のコイルを入れ替えれば成立する。また、r=5の場合においては、V相とY相を入れ替え、且つ、W相とX相を入れ替えれば、回転電機として駆動する。そのため、極数nとスロット数mの比が、n:m=4:rの場合でも、実施の形態1〜6の構成で各スロットの線間の電位差を低減できる。
また、上記実施の形態1〜6では、永久磁石12を、回転子11の表面に配置した構成について説明した。しかしながら、これに限定されない。実施の形態1〜6で示した例と磁石の極数が一致していれば、永久磁石12の配置構成については、他の構成でもよい。
具体的には、例えば、図31に示すように、回転子11の一方の端面に、永久磁石12を埋め込んだ構成でもよい。なお、図31においては、1極当たり2個の磁石をV型に配置しているが、1極当たりの磁石の個数および配置については、極数が一致していれば、特に限定されない。また、いずれの構成においても、本実施の形態1〜6で示した巻線構成により、同様の効果が得られることは言うまでもない。
1 固定子、2 固定子鉄心、3 ティース、4 コアバック、5 コイル、10 モータ、11 回転子、12 永久磁石、31 インバータ、32 コンデンサ、33 電源、41 コイルの巻き始め、42 コイルの巻き終わり、51 等価回路、52 インダクタンス、53 抵抗、54 静電容量、55 静電容量、90 絶縁部材。

Claims (12)

  1. 回転子と、
    前記回転子の外周に対して空隙を介して配置された固定子と
    を備え、
    前記回転子は、周方向に配置されたn個の永久磁石を有し、
    前記固定子は、周方向に配置されたm個のティースと、隣接する2つのティース間に形成されたm個のスロットと、前記ティースに集中巻方式で巻き付けられたr相のコイルとを備え、
    前記r相のコイルのそれぞれは、1番目からs番目まで順に直列接続されたs個の相コイルで構成され、各相の前記s番目の相コイルが中性点に接続されることで、前記r相のコイルがY結線されており、
    前記永久磁石の極数nと前記スロットのスロット数mとの比が、n:m=(3±1):rであり、
    前記rは3以上の自然数、前記n、前記mおよび前記sは、それぞれ、2以上の自然数であり、
    各相の前記1番目の相コイル同士は、周方向に隣接しないように配置されている、
    回転電機。
  2. 同一の前記スロット内には、それぞれ相が異なる2つの前記相コイルが配置されている、
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記各相の前記1番目の相コイルと前記ティースとの間の距離は、前記各相の前記1番目の相コイルと同一のスロット内の前記s番目の相コイルと前記ティースとの間の距離よりも、大きい、
    請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記各相の前記1番目の相コイルと前記ティースとの間の距離は、前記s番目の相コイルと前記ティースとの間の距離よりも、大きい、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記永久磁石の極数nが4で、前記スロット数mが6で、前記コイルの相数rが3で、前記直列接続された前記相コイルの個数sが2の場合、
    U相の1番目の相コイルをU1、2番目の相コイルをU2、V相の1番目の相コイルをV1、2番目の相コイルをV2、W相の1番目の相コイルをW1、2番目の相コイルをW2とすると、
    各前記相コイルは、前記ティースに対して、反時計回りに、U1→V2→W1→U2→V1→W2→U1の順に巻き付けられている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記永久磁石の極数nが6で、前記スロット数mが9で、前記コイルの相数rが3で、前記直列接続された前記相コイルの個数sが3の場合、
    U相の1番目の相コイルをU1、2番目の相コイルをU2、3番目の相コイルをU3、V相の1番目の相コイルをV1、2番目の相コイルをV2、3番目の相コイルをV3、W相の1番目の相コイルをW1、2番目の相コイルをW2、3番目の相コイルをW3とすると、
    各前記相コイルは、前記ティースに対して、反時計回りに、U1→V3→W1→U2→V1→W2→U3→V2→W3→U1の順に巻き付けられている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記永久磁石の極数nが6で、前記スロット数mが15で、前記コイルの相数rが5で、前記直列接続された前記相コイルの個数sが3の場合、
    U相の1番目の相コイルをU1、2番目の相コイルをU2、3番目の相コイルをU3、V相の1番目の相コイルをV1、2番目の相コイルをV2、3番目の相コイルをV3、W相の1番目の相コイルをW1、2番目の相コイルをW2、3番目の相コイルをW3、X相の1番目の相コイルをX1、2番目の相コイルをX2、3番目の相コイルをX3、Y相の1番目の相コイルをY1、2番目の相コイルをY2、3番目の相コイルをY3とすると、
    各前記相コイルは、前記ティースに対して、反時計回りに、U1→V3→W2→X1→Y3→U2→V1→W3→X2→Y1→U3→V2→W1→X3→Y2→U1の順に巻き付けられている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 回転子と、
    前記回転子の外周に対して空隙を介して配置された固定子と
    を備え、
    前記回転子は、周方向に配置されたn個の永久磁石を有し、
    前記固定子は、周方向に配置されたm個のティースと、隣接する2つのティース間に形成されたm個のスロットと、前記ティースに巻き付けられたr相のコイルとを備え、
    前記r相のコイルのそれぞれは、1番目からs番目まで順に直列接続されたs個の相コイルで構成され、各相の前記s番目の相コイルが中性点に接続されることで、前記r相のコイルがY結線されており、
    前記永久磁石の極数nと前記スロットのスロット数mとの比が、n:m=(3±1):rであり、
    前記rは3以上の自然数、前記n、前記mおよび前記sは、それぞれ、2以上の自然数であり、
    各相の前記1番目の相コイル同士は、周方向に隣接しないように配置されており、
    前記直列接続された前記相コイルの個数sが4以上の場合には、s/2以下の最大の自然数をkとしたとき、各相コイルのうち、k番目に電圧の高い第kのコイルから、最も電圧の高い第1のコイルまでの各相コイルが周方向に隣接しないように、各相コイルが配置されている、
    回転電機。
  9. 前記永久磁石の極数nが8で、前記スロット数mが12で、前記コイルの相数が3で、前記直列接続された前記相コイルの個数sが4の場合、
    U相の1番目の相コイルをU1、2番目の相コイルをU2、3番目の相コイルをU3、4番目の相コイルをU4、V相の1番目の相コイルをV1、2番目の相コイルをV2、3番目の相コイルをV3、4番目の相コイルをV4、W相の1番目の相コイルをW1、2番目の相コイルをW2、3番目の相コイルをW3、4番目の相コイルをW4とすると、
    各前記相コイルは、前記ティースに対して、反時計回りに、U1→V3→W2→U4→V1→W3→U2→V4→W1→U3→V2→W4→U1の順に巻き付けられている、
    請求項に記載の回転電機。
  10. 前記永久磁石の極数nが10で、前記スロット数mが15で、前記コイルの相数が3で、前記直列接続された前記相コイルの個数sが5の場合、
    U相の1番目の相コイルをU1、2番目の相コイルをU2、3番目の相コイルをU3、4番目の相コイルをU4、5番目の相コイルをU5、V相の1番目の相コイルをV1、2番目の相コイルをV2、3番目の相コイルをV3、4番目の相コイルをV4、5番目の相コイルをV5、W相の1番目の相コイルをW1、2番目の相コイルをW2、3番目の相コイルをW3、4番目の相コイルをW4、5番目の相コイルをW5とすると、
    各前記相コイルは、前記ティースに対して、反時計回りに、U1→V4→W2→U5→V3→W1→U4→V2→W5→U3→V1→W4→U2→V5→W3→U1の順に巻き付けられている、
    請求項に記載の回転電機。
  11. 前記永久磁石の極数nが12で、前記スロット数mが18で、前記コイルの相数が3で、前記直列接続された前記相コイルの個数sが6の場合、
    U相の1番目の相コイルをU1、2番目の相コイルをU2、3番目の相コイルをU3、4番目の相コイルをU4、5番目の相コイルをU5、6番目の相コイルをU6、V相の1番目の相コイルをV1、2番目の相コイルをV2、3番目の相コイルをV3、4番目の相コイルをV4、5番目の相コイルをV5、6番目の相コイルをV6、W相の1番目の相コイルをW1、2番目の相コイルをW2、3番目の相コイルをW3、4番目の相コイルをW4、5番目の相コイルをW5、6番目の相コイルをW6とすると、
    各前記相コイルは、前記ティースに対して、反時計回りに、U1→V6→W3→U4→V2→W6→U3→V5→W2→U6→V1→W5→U2→V4→W1→U5→V3→W4→U1の順に巻き付けられている、
    請求項に記載の回転電機。
  12. 前記ティースと前記ティースに巻き付けられた前記コイルのインバータに近い側の一端との間の距離は、前記ティースと前記ティースに巻き付けられた前記コイルの他端との間の距離よりも大きい、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転電機。
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