JP7427509B2 - 交流発電機 - Google Patents

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本発明は交流発電機に関し,より詳細には,三相と単相の同時出力が可能な交流発電機の改良に関する。
工事現場や各種イベント会場などの特に屋外において,電力により稼働する各種の作業機,照明器具,映像・音響機器,その他の機器(本明細書において単に「負荷」という。)を使用する場合,このような負荷に対する電力の供給源としてエンジン等の原動機を備えた発電機が使用されている。
そして,このような発電機にあっては,使用する負荷の入力形式の違いを考慮して,三相出力と,単相出力のいずれも行うことができるものが提案されている。
このように,三相出力と単相出力のいずれも行うことができるように構成された交流発電機として,図9に示すように,三相巻線u,v,wのうちの1相の巻線vの中性点Oから100/115の位置に中間タップTを設けると共に,このV相巻線と逆位相に,前記中間タップTに誘起される電圧と等しい電圧を誘起する単相巻線nを追加し,中間タップT,中性点O,及び単相巻線に接続した端子Nで単相3線出力が得られるように構成した交流発電機が提案されている(特許文献1参照)。
また,上記特許文献1に記載の交流発電機では単相巻線nを含めた総巻線量が多く,電機子コイルが大型化する点に鑑み,本願の出願人は,単相巻線n量の減少を可能とした交流発電機として,図10(A)に示すように,三相巻線u,v,wと単相巻線nを備えた構成,及び,三相巻線u,v,wのうちのいずれか1相〔図10(A)の例ではV相〕に中間タップTを設けた点については特許文献1に記載の発明と構成を共通するが,前記単相巻線nを,この単相巻線nによって誘起される誘起電圧のベクトル和が,前記基準巻線vの誘起電圧(115V)に対し1/2(57.5V)で,且つ,前記基準巻線vの誘起電圧に対し180°の位相差を生じるよう前記単相巻線nを構成し,前記三相巻線u,v,wの各出力端子U,V,Wを,三相出力部とし,前記三相巻線u,v,wのうち前記基準巻線vを除く他の2巻線u,wの各出力端子U,Wと前記単相巻線nの出力端子Nを,単相3線出力部と成すと共に,前記基準巻線vに設けた前記中間タップTと前記中性点Oとを,単相2線出力部とした交流発電機を既に出願している(特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の交流発電機では,特許文献1の交流発電機の結線(図9参照〕との比較において,単相巻線量を大幅に減量しつつ,三相,単相3線,及び,単相2線の同時出力を可能として,一例として,図10(B)のベクトル図に示すように,U,V,W端子から三相200Vの電圧を,U,N,W端子から単相200Vの電圧を,T,O端子から単相100Vの電圧を得ることができる。
更に上記特許文献2に記載の交流発電機では,図10(B)のベクトル図に示すようにU-N端子間,あるいはW-N端子間においても単相100Vの電圧を得ることができ,U-N端子間及びW-N端子間をそれぞれ単相2線出力部とすることができる。一方,U,N端子を介して出力される単相100Vの電圧の出力波形,及びW,N端子を介して出力される単相100Vの電圧の出力波形が,いずれ共に左右非対称の形状となっており,正弦波形に対し歪んだ波形となっており,接続された負荷の種類によっては正常な動作が阻害され,場合によっては負荷が損傷する危険性があることに鑑み,本願の出願人は,ステータコアのスロットに対する三相巻線の挿入ピッチに対し,単相巻線の挿入ピッチを狭くすることで,U-N端子を介して出力される単相100Vの電圧の出力波形,及びW-N端子を介して出力される単相100Vの電圧の出力波形を正弦波形に近付けることを提案している(特許文献3参照)。
特開2006-204005号公報 特開2015-201918号公報 特開2016-149892号公報
前掲の特許文献3に記載の交流発電機では,ステータコアのスロットに三相巻線u,v,w及び単相巻線nを取り付ける際に,三相巻線u,v,wの挿入ピッチよりも単相巻線nの挿入ピッチを狭くすることで,三相巻線u,v,wと単相巻線nの挿入ピッチを共通とした場合に比較して,U-N端子間,及びN-W端子間の出力波形の歪を改善して,正弦波形に近付けることに成功している。
しかし,機種によって多少の違いは生じるものの,前述した三相巻線u,v,wの挿入ピッチに対し,単相巻線nの挿入ピッチを狭くしただけでは,正弦波形に対するU-N端子間,及びN-W端子間の出力波形の波形歪率は,最も歪みの少ないものであっても依然として負荷運転時の波形歪率で8%程度存在しており,未だ改善の余地がある。
なお,ここで,出力波形の波形歪率は,
波形歪率(%)=(高調波の実効値/基本波の実効値)×100
として求めることができ,出力波形の基本波(基本周波数の正弦波)に対して,高調波(基本周波数以外の正弦波)がどの程度含まれるかを表した実測値であり,波形歪率が小さい程,出力波形は基本波である正弦波に近い波形となる。
そこで,本発明は,先に特許文献3として紹介した交流発電機の更なる改良を目的としてなされたもので,図10(A)に示したように,基準巻線vに対し誘起電圧のベクトル和が1/2で,180°の位相差を有する単相巻線nを設けた交流発電機において,基準巻線v以外のいずれかの相(u又はw)の巻線に設けられた出力端子(U又はW)と,単相巻線nに設けられた出力端子N間(U-N端子間,及びN-W端子間)で得られる電圧の出力波形を,より歪の少ない,正弦波形に近い波形として出力可能な交流発電機を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の交流発電機は,
ステータコア12のスロット14に,三相巻線u,v,wの各エレメントコイル21,22に設けた一対の挿入部(21a,21b;22a,22b)を所定の挿入ピッチP1で挿入して,前記三相巻線u,v,wを,中性点Oを中心に120°の位相差のY結線となるよう前記ステータコア12に取り付けると共に,前記中性点Oに接続された単相巻線nの各エレメントコイル31,32に設けた一対の挿入部(31a,31b;32a,32b)を所定の挿入ピッチP2(P2a,P2b)で前記スロット14に挿入して,前記単相巻線nを,該単相巻線nによって誘起される誘起電圧のベクトル和が,前記三相巻線u,v,wのうちのいずれか1相(実施例においてV相)の巻線である基準巻線vの誘起電圧(115V)に対し1/2で,且つ,前記基準巻線vの誘起電圧に対し180°の位相差を生じるように取り付けて形成されたステータ10を備え,前記三相巻線u,v,wの各出力端子U,V,W間より所定電圧(一例として200V)の三相出力を取り出し可能に構成されていると共に,前記三相巻線u,v,wのうち前記基準巻線vを除く他の2巻線u,wの一方の出力端子(U又はW)と前記単相巻線nの出力端子N間(U-N端子間,及びN-W端子間)を,前記所定電圧に対し約1/2の電圧を出力する単相2線出力部とした交流発電機において,
前記単相巻線nを,前記三相巻線u,v,wの前記挿入ピッチP1よりも狭い挿入ピッチP2aで挿入された複数のエレメントコイル31から成る第1単相セットコイル30aと,前記第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチP2aよりも更に狭い挿入ピッチP2bで挿入された複数のエレメントコイル32から成る第2単相セットコイル30bの組み合わせにより形成したことを特徴とする(請求項1)。
前記三相巻線u,v,wの前記挿入ピッチP1を10ピッチとし,前記単相巻線を,8ピッチの挿入ピッチP2aで挿入された複数のエレメントコイル31から成る前記第1単相セットコイル30aと,6又は4ピッチの挿入ピッチP2bで挿入された複数のエレメントコイル32から成る前記第2単相セットコイル30bの組み合わせにより形成するものとしても良い(請求項2)。
前記単相2線出力部が,正弦波形に対する波形歪率が5%未満の波形で電圧を出力するよう構成することが好ましい(請求項3)。
上記構成の交流発電機において,前記三相巻線u,v,w及び前記単相巻線nは,共に分布巻きとすることができる(請求項4)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の交流発電機では,特許文献3として紹介した交流発電機において負荷時における単相の電圧の出力波形の波形歪率が8%程度あった単相2線出力部の出力電圧を,5%未満の波形歪率という,正弦波に極めて近い波形で出力することができた。
その結果,出力波形の歪に伴う,負荷(接続機器)の性能低下や故障等の発生をより確実に防止することができた。
また,単相巻線nを構成する第1単相セットコイル30aの挿入ピッチP2a(8ピッチ)と,第2単相セットコイル30bの挿入ピッチP2b(6又は4ピッチ)がいずれも三相巻線u,v,wの挿入ピッチP1(10ピッチ)よりも狭く,しかも,第2単相セットコイル30bの挿入ピッチP2bが,第1単相セットコイル30aの挿入ピッチP2aよりも更に狭く形成されていることにより,単相巻線nのエレメントコイル31,32の周長が短くなることで,使用する銅線の全長を短くすることができ,発電機全体の軽量化,小型化が可能であると共に,使用材料の減少に伴う低コスト化を実現することができた。
更に,このような挿入ピッチの減少は,分布巻とした場合であっても,隣接する第1単相セットコイル30aと第2単相セットコイル30b同士が重なることを防止,あるいは重なり部分を少なくすることができ,その結果,コイルエンドの膨らみを抑制でき,発電機全体の小型化を図ることができると共に,重なり部分が減ることで,重なり合う部分を相互に絶縁するための絶縁紙の取付作業に要する労力が軽減されると共に,ステータコア12の1つのスロット14に挿入しなければならないエレメントコイル21,22,31,32の数が減ることで,スロット14に対する挿入作業時の労力についても軽減することができた。
ステータの説明図。 巻線の説明図であり,(A)は三相巻線,(B)は単相巻線の説明図。 実施例1の交流発電機におけるステータコアの展開図であり,(A)は三相巻線(V相),(B)は単相巻線の取付状態をそれぞれ示す。 実施例2の交流発電機におけるステータコアの展開図であり,(A)は三相巻線(V相),(B)は単相巻線の取付状態をそれぞれ示す。 実施例1の交流発電機の出力波形を示したグラフであり,(A)はU-N出力端子間,(B)はN-W出力端子間の波形を示す。 実施例2の交流発電機の出力波形を示したグラフであり,(A)はU-N出力端子間,(B)はN-W出力端子間の波形を示す。 比較例1の交流発電機の出力波形を示したグラフであり,(A)はU-N出力端子間,(B)はN-W出力端子間の波形を示す。 比較例2の交流発電機の出力波形を示したグラフであり,(A)はU-N出力端子間,(B)はN-W出力端子間の波形を示す。 特許文献1の交流発電機におけるステータの結線図(特許文献1の図1に対応)。 特許文献2及び3の交流発電機におけるステータの説明図であり,(A)は結線図,(B)はベクトル図。
〔交流発電機の基本構造〕
前述したように,本発明は,本件特許出願の出願人の先願特許である前掲の特許文献2に記載の交流発電機,及びこの特許文献2に記載の交流発電機の改良に関する特許文献3に記載の交流発電機の更なる改良に関するものであり,本発明の交流発電機が備えるステータの基本構造は,図10(A)に示したステータと同様,中性点Oに三相巻線であるU相巻線u,V相巻線v,W相巻線wのそれぞれの一端を接続すると共に,電気角120°の位相差でY結線した構成を備えている。
従って,この構成により,U相巻線uの他端に接続された出力端子U,V相巻線vの他端に接続された出力端子V,W相巻線wの他端に接続された出力端子W,及び中性点Oを介して,所定の定格電圧,一例として本実施例では200Vの三相出力が得られるように構成されている。
また,本発明の交流発電機のステータには,前述した三相巻線u,v,wの他に,三相巻線u,v,wのいずれか1相(本実施例ではV相)の巻線vを基準巻線とし,この基準巻線vの誘起電圧に対し,ベクトル和において1/2で且つ180°の位相差を有する誘起電圧を発生する単相巻線nの一端を中性点Oに接続すると共に,この単相巻線nの他端に出力端子Nを接続している点においても前述した特許文献2及び3の交流発電機のステータと共通の構造を有している。
なお,図10(A)の構成では,三相巻線u,v,w中,V相巻線vを前述の基準巻線としているが,その他の相(U相,W相)の巻線u,wのいずれかをこの基準巻線としても良い。
また,図10(A)では,便宜的に三相巻線u,v,wのそれぞれと単相巻線nを単一の巻線として示したが,これらの巻線は,後述するように所定のベクトル和の誘起電圧が発生するように,複数の巻線を組み合わせて構成されている。
このようなステータの構成により,各相の線間電圧(出力端子U-V,V-W,W-U間の電圧)は図示の構成においてそれぞれ200Vであり,従って,各相の電圧は約115V(200V/√3)となる。
また,単相巻線nに接続された出力端子Nと中性点O間の電圧(出力端子N,O間の電圧)はV相電圧(115V)に対して1/2の57.5Vで,従って出力端子U-N,W-N間の電圧は約100V(57.5V×√3)である。
なお,図10(A)を参照して説明した特許文献2に記載の交流発電機では,単相2線100Vの電圧を,基準巻線vに設けた中間タップTと中性点O間で得るものとしていたことから,基準巻線vに中間タップTを設ける構成となっているが,本願の交流発電機では,後述するようにU-N端子間,及びW-N端子間を単相2線100Vの電圧を出力する単相2線出力部とすることから,基準巻線vに中間タップTを設ける必要はないが,本発明の交流発電機においても,前記中間タップTを設けても良い。
以上のように構成される交流発電機のステータ10は,図1に示すステータコア12に対し,前述した三相巻線u,v,wと単相巻線nを,一例として図3に示す所定のパターンで取り付けることにより形成される。
このステータコア12は,図示の例では中央にロータ40が挿入される開口が形成された円筒状に形成されており,その内周に巻線を挿入するための溝であるスロット14と,このスロット14間に形成されたティース15を備えており,ステータコア12の前記スロット14に三相巻線u,v,wと単相巻線nを挿入することにより取り付けできるように構成されている。
ステータコア12に取り付ける巻線は,図2(A),(B)に示すように,三相巻線u,v,w及び単相巻線nのいずれ共に,所定の巻数で巻かれたエレメントコイル(21,22,31,32)を複数組み合わせて構成されている。
このうちの三相巻線u,v,wは,一例として図2(A)に示すように4つのエレメントコイル21を4段直列に接続した第1三相セットコイル20aと,5つのエレメントコイル22を5段直列に接続した第2三相セットコイル20bの組合せによって構成されており,図3(A)に示したステータコア12の展開図のように,第1三相セットコイル20aと第2三相セットコイル20bをステータコア12の周方向に交互に計4個取り付けて三相巻線u,v,w〔図3(A)にはV相の三相巻線vのみを表示〕が形成されている。
また,単相巻線nは,一例として図2(B)に示すように,4つのエレメントコイル31を4段直列に接続した第1単相セットコイル30aと,3つのエレメントコイル32を3段直列に接続した第2単相セットコイル30bの組合せにより構成されており,図3(B)に示すように第1単相セットコイル30aと第2単相セットコイル30bをステータコア12の周方向に交互に計4個取り付けて単相巻線nが形成されている。
なお,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の数と,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の数は,図示の例に限定されず,各種の組合せを採用することが可能であり,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の数に対し,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の数が多くなる組合せであっても良い。
前述したセットコイル20a,20b,30a,30bを構成する各エレメントコイル(21,22,31,32)には,図2に示すようにそれぞれ,ステータコア12のスロット14内に挿入される直線状の部分である一対の挿入部(21a,21b;22a,22b;31a,31b;32a,32b)が設けられていると共に,ステータコア12に取り付けた際,ステータコア12の両端より突出するコイルエンド(21c,21d,22c,22d,31c,31d,32c,32d)が設けられている。
このように,三相,単相の各巻線を構成する各エレメントコイル21,22,31,32にそれぞれ設けられている一対の挿入部(21a,21b;22a,22b;31a,31b;32a,32b)が,所定の挿入ピッチでステータコア12のスロット14に挿入されることにより,三相巻線u,v,wと単相巻線nがステータコア12に取り付けられている。
図示の例において,各エレメントコイル21,22,31,32は,それぞれ1段毎に1スロットずつずらして取り付ける「分布巻」としているが,この構成に限定されず,集中巻等の既知の各種の方法で取り付け可能である。
前掲の三相巻線u,v,wの挿入ピッチP1を構成するエレメントコイル21,22の挿入ピッチP1は,第1三相セットコイル20a,第2三相セットコイル20b共に共通で,本実施形態では三相巻線u,v,wを構成するエレメントコイル21,22の挿入ピッチP1を,いずれも10ピッチ(挿入部21a-21b間,22a-22b間にそれぞれ10個のティースを介在させたピッチ)で取り付けている。
一方,単相巻線nを構成するエレメントコイル31,32の挿入ピッチP2a,P2bは,第1単相セットコイル30aを構成するエレメントコイル31の挿入ピッチP2aと,第2単相セットコイル30bを構成するエレメントコイル32の挿入ピッチP2bでそれぞれ異なるピッチを採用しており,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチP2aを,三相巻線u,v,wのエレメントコイル21,22の挿入ピッチP1よりも狭いピッチと成すと共に,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の挿入ピッチP2bを,前記第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチP2aよりも更に狭くしている。
図3(B)に示す実施形態では,第1単相セットコイル30aの各エレメントコイル31の挿入ピッチP2aを8ピッチ(挿入部31a-31b間にそれぞれ8個のティースを介在させたピッチ)とすると共に,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の挿入ピッチP2bを6ピッチ(挿入部31a-31b間にそれぞれ6個のティースを介在させたピッチ)として,ステータコア12に取り付けている。
なお,単相巻線nを構成するエレメントコイル31,32の挿入ピッチP2a,P2bは,図3(B)に示す例に限定されず,一例として図4(B)に示すように,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチを8ピッチ,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の挿入ピッチを4ピッチとしても良く,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチP2aが,三相巻線u,v,wのエレメントコイル21,22の挿入ピッチP1よりも狭く,かつ,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の挿入ピッチP2bが,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチP2aよりも更に狭くなる挿入ピッチであれば良い。
〔効果確認試験〕
(1)試験の目的
本発明の構成を備えた三相交流発電機のU-N端子間およびN-W端子間の出力波形が,前掲の特許文献3の三相交流発電機のU-N端子間およびN-W端子間の出力波形に比較して,歪が低減されていることを確認する。
(2)試験方法
三相巻線u,v,wを図3(A),図4(A)〔図3(A),図4(A)ではV相巻線vのみを示し,電気角で120°位相で取り付ける点を除き同様の取り付け状態となるU相巻線u及びW相巻線wについては記載を省略した。〕に示す状態で取り付けたステータコア12に対し,単相巻線nの取り付け状態を変化させて,交流発電機のU-N端子間およびN-W端子間の出力波形の歪を観察した。
実施例,比較例共に,単相巻線nを,4つ(4段)のエレメントコイル31によって構成された第1単相セットコイル30aと,3つ(3段)のエレメントコイル32によって構成された第2単相セットコイル30bをステータコア12の周方向に交互に合計4個,取り付けて構成した。
実施例の交流発電機として,
実施例1:第1単相セットコイル30aを,挿入ピッチP2aが8ピッチのエレメントコイル31で形成し,第2単相セットコイル30bを,挿入ピッチP2bが6ピッチのエレメントコイル32で形成したもの〔図3(B)参照〕,
実施例2:第1単相セットコイル30aを,挿入ピッチP2aが8ピッチのエレメントコイル31で形成し,第2単相セットコイル30bを,挿入ピッチP2bが4ピッチのエレメントコイル32で形成したもの〔図4(B)参照〕,
をそれぞれ準備した。
比較例の交流発電機として,
比較例1:第1単相セットコイル30aと第2単相セットコイル30bを,いずれも挿入ピッチP2a,P2bが6ピッチのエレメントコイル31,32で形成したもの,
比較例2:第1単相セットコイル30aと第2単相セットコイル30bを,いずれも挿入ピッチP2a,P2bが4ピッチのエレメントコイル31,32で形成したもの,
をそれぞれ用意した。
なお,実施例及び比較例の単相巻線nの挿入ピッチのパターンを下記の表1に一覧形式で示す。
Figure 0007427509000001
(3)試験結果
実施例の交流発電機のU-N端子間及びN-W端子間の出力波形をそれぞれ図5(実施例1),図6(実施例2)に,比較例の交流発電機のU-N端子間及びN-W端子間の出力波形をそれぞれ図7(比較例1),及び図8(比較例2)に示す。
また,表2に,出力波形の歪算出値を測定した結果を示す。
ここで,計算で求めた出力波形(図5~図8)はロータが1回転したときに出力される波形(2波長分)であることから,この2波長分の波形をスロット数(本実施例では54)で分割し,分割した各点において,振幅及び波長が同じ基準正弦波との差を求め,その差の絶対値を合計して前述の歪算出値を求めた。
この歪算出値は,その数値が大きいほど,基準正弦波とのズレが大きい波形であること,すなわち,波形が歪んでいるということを示している。
なお,下記の表2は,U-N端子間の出力波形の歪算出値と,N-W端子間の出力波形の歪算出値の合計値(平均値)を求め,歪算出値が小さい(正弦波形とのズレが小さい)ものから順に記載した。
Figure 0007427509000002
(4)考察
上記比較例1,2の結果から,従来技術として説明した特許文献3に記載の交流発電機のように,単相巻線の挿入ピッチを三相巻線の挿入ピッチよりも狭くする構成の採用だけでは,出力波形は依然として改善する余地のある歪を有するものであった。
これに対し,第1単相セットコイル30aのエレメントコイル31の挿入ピッチを8ピッチ,第2単相セットコイル30bのエレメントコイル32の挿入ピッチを6又は4ピッチとして,異なる2つの挿入ピッチP2a,P2bを組み合わせた実施例1及び2の交流発電機では,いずれも比較例1,2のものに比較して,出力波形の歪を大幅に改善できることが確認されており,一例として,別途測定した負荷運転時の波形歪率(%)において,比較例1,2において約8%の波形歪率が存在していたものが,実施例1,2では,いずれも波形歪率を5%未満に低減することができた。
10 ステータ
12 ステータコア
14 スロット
15 ティース
20a 第1三相セットコイル
20b 第2三相セットコイル
21,22 エレメントコイル(三相巻線用)
21a,21b,22a,22b 挿入部
21c,21d,22c,22d, コイルエンド
30a 第1単相セットコイル
30b 第2単相セットコイル
31,32 エレメントコイル(単相巻線用)
31a,31b,32a,32b 挿入部
31c,31d,32c,32d, コイルエンド
40 ロータ
u U相巻線
v V相巻線(基準巻線)
w W相巻線
n 単相巻線
U 出力端子(U相)
V 出力端子(V相)
W 出力端子(W相)
N 出力端子(単相巻線の)
O 中性点
T 中間タップ
P1 挿入ピッチ(三相巻線の)
P2a 挿入ピッチ(第1単相セットコイル用エレメントコイルの)
P2b 挿入ピッチ(第2単相セットコイル用エレメントコイルの)

Claims (4)

  1. ステータコアのスロットに,三相巻線の各エレメントコイルに設けた一対の挿入部を所定の挿入ピッチで挿入して,前記三相巻線を,中性点を中心に120°の位相差のY結線となるよう前記ステータコアに取り付けると共に,前記中性点に接続された単相巻線の各エレメントコイルに設けた一対の挿入部を所定の挿入ピッチで前記スロットに挿入して,前記単相巻線を,該単相巻線によって誘起される誘起電圧のベクトル和が,前記三相巻線のうちのいずれか1相の巻線である基準巻線の誘起電圧に対し1/2で,且つ,前記基準巻線の誘起電圧に対し180°の位相差を生じるように取り付けて形成されたステータを備え,前記三相巻線の各出力端子間より所定電圧の三相出力を取り出し可能に構成されていると共に,前記三相巻線のうち前記基準巻線を除く他の2巻線の一方の出力端子と前記単相巻線の出力端子間を,前記所定電圧に対し約1/2の電圧を出力する単相2線出力部とした交流発電機において,
    前記単相巻線を,前記三相巻線の前記挿入ピッチよりも狭い挿入ピッチで挿入された複数のエレメントコイルから成る第1単相セットコイルと,前記第1単相セットコイルのエレメントコイルの挿入ピッチよりも更に狭い挿入ピッチで挿入された複数のエレメントコイルから成る第2単相セットコイルの組み合わせにより形成したことを特徴とする交流発電機。
  2. 前記三相巻線の前記挿入ピッチを10ピッチとし,前記単相巻線を,8ピッチの挿入ピッチで挿入された複数のエレメントコイルから成る前記第1単相セットコイルと,6又は4ピッチの挿入ピッチで挿入された複数のエレメントコイルから成る前記第2単相セットコイルの組み合わせにより形成したことを特徴とする請求項1記載の交流発電機。
  3. 前記単相2線出力部を,正弦波形に対する波形歪率が5%未満の波形で電圧を出力するよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の交流発電機。
  4. 前記三相巻線及び前記単相巻線が,共に分布巻きされていることを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載の交流発電機。
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