JP7325608B2 - 電動機の固定子及び圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、電動機の固定子、及び電動機の固定子を有する圧縮機に関する。
従来、電動機の固定子の固定子鉄心にはコイルが巻線されている。コイルの巻線方式には集中巻と分布巻がある。分布巻は、集中巻に比べ巻線係数が高く、電動機の回転子の磁束をより有効に活用することができる。空気調和機の圧縮機に搭載される電動機を例にとると、圧縮機に求められる能力が大きい場合、分布巻によりコイルが巻線された固定子を有する電動機を搭載することが望ましい。
一方、分布巻は集中巻に比べコイルエンドが大きいため、分布巻によりコイルが巻線された固定子を有する電動機を採用すると、銅量が増加する。そのため、材料費の高騰、及び銅損増加による効率低下を招く場合がある。コイルエンドを縮小させるために、分布巻として波巻若しくは重ね巻を採用することが考えられる。コイルを波巻若しくは重ね巻により固定子鉄心のティースに巻線することにより、固定子鉄心の同一スロット内に同相の2つのコイルが挿入され、各相のコイルの挿入位置が分散されるため、コイルの重なりが低減される。その結果、コイルエンドが縮小され、小型かつ高効率な固定子を得られる。例えば、特許文献1には重ね巻の態様が示されている。
特開2015-35837号公報
固定子に重ね巻の巻線を施す場合、螺旋状に電線が巻き回された巻線ユニットが固定子鉄心部のスロット内に挿入される。この時、同一スロット内に挿入された2つのコイルは、一方が固定子外径側、他方が固定子内径側となるように規則性をもって配置されなければならない。そのため、コイル挿入治具へコイルを装着する際にコイル位置を適宜補正する必要がある。この位置補正は、作業者が手動で行うか、若しくは複雑な構造の補正機構を備えた高価な巻線装置で行われなければならない。
重ね巻とは異なり、同心巻コイルを用いて、同一のスロット内に2つのコイル群を挿入し、同一のスロット内のコイルを固定子の外径側と内径側にそれぞれ配置することが考えられる。しかしながら、この場合、固定子外径側に配置されるコイルと固定子内径側に配置されるコイルとでインダクタンス値が異なり、これらのコイルを並列接続しコイル群とすると、各コイル群に流れる電流値にアンバランスが生じる可能性がある。その結果、銅損増加によるモータ効率悪化の原因になるという課題があった。一方、スロット内の円周方向において均等に2つのコイル群を配置することが考えられるが、この場合、スロットの幅を円周方向に拡大する必要があり、固定子が大型化し、モータ全体が大型化する。その結果、圧縮機に搭載する際に求められる電動機のモータサイズを実現するためには、十分なティース幅が得られない場合がある。
本開示は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、小型で、製造上も有利で有り、かつ電動効率のよい電動機の固定子、及びそのような電動機の固定子を有する圧縮機を提供するものである。
本開示に係る電動機の固定子は、環状のコアバック部と、前記コアバック部から内方へ延び、周方向において間隔を空けて形成されている複数のティース部と、を有し、前記複数のティース部において隣り合うティース部により複数のスロットが形成されている固定子鉄心と、複数の相毎に前記ティース部に巻き回された巻線と、を備える電動機の固定子であって、前記巻線は、前記固定子の外径側に配置されている第1コイル群と、前記固定子の内径側に配置されている第2コイル群と、を構成しており、前記第1コイル群及び前記第2コイル群は、それぞれ同心巻で巻かれている複数のコイルを有し、前記複数のコイルは直列に接続され、同一スロット内において、互いに同じ相の前記第1コイル群の前記コイルと前記第2コイル群の前記コイルとが挿入され、かつ前記各相の前記第1コイル群の前記コイルは外径側に挿入され、前記各相の前記第2コイル群の前記コイルは内径側に挿入され、前記ティース部において、前記固定子の径方向に延びる軸の上部に前記複数の相の全ての相の前記巻線が渡っており、前記固定子の極数をPとし、スロット数をSと定義した場合、S=3Pの関係を満たしているものである。
本開示によれば、第1コイル群が固定子の外径側に配置され、第2コイル群が固定子の内径側に配置されているため、十分なティース幅を確保しつつ、大型化が抑制された電動機の固定子が得られる。また、第1コイル群及び第2コイル群のコイルが直列に接続されているため、各コイル群に流れる電流値のアンバランスが抑制される。従って、電気的特性によるモータ効率の低下が抑制される。また、第1コイル群及び第2コイル群の複数のコイルは同心巻で巻かれているため、固定子鉄心への装着が容易である。また、ティース部において、固定子の径方向に延びる軸の上部に複数の相の全ての相の巻線が渡っており、巻線が均等に配置されている。従って、コイルエンドが局所的に大きくなることが抑制され、使用される銅量の減少の効果が得られる。その結果、固定子の製造コストを低減化し、かつモータ効率を向上させることができる。
本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子を備えた密閉型圧縮機を概略的に示す断面図である。 本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子を示す平面図である。 本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子の巻線の構成を示す平面図である。 本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子に挿入する前の第1巻線を示す図である。 本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子に挿入する前の第2巻線を示す図である。 本開示の実施の形態1において第1巻線と第2巻線を固定子に配置した状態を示す平面図である。 重ね巻方式における回転電機部の理想的な固定子巻線配置を示したものである。 重ね巻方式における回転電機部の位置修正前の固定子巻線配置を示したものである。 本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子の各相のコイル配置を示す平面図である。 本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子の電機回路図である。 本開示の実施の形態2に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。 本開示の実施の形態3に係る電動機の固定子に挿入する前のコイル群のコイルを示す図である。 本開示の実施の形態3において第1コイル群と第2コイル群を固定子に配置した状態を示す平面図である。 本開示の実施の形態5に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。 本開示の実施の形態5に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。
以下、本開示に係る電動機の固定子の実施の形態を、図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す電動機の固定子は、本開示の電動機の固定子が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された電動機の固定子によって本開示の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本開示を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。尚、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子を備えた密閉型圧縮機を概略的に示す断面図である。密閉型圧縮機1は密閉容器2の内部の上部に圧縮機構部3が収納され、下部に回転電機部4が収納された構成を有している。圧縮機構部3は、固定スクロール31、揺動スクロール32、ガイドフレーム33、コンプライアントフレーム34、及びオルダムリング35を有している。回転電機部4は、回転子40及び固定子50を有している。固定子50は密閉容器2に焼嵌め等の方法により固定されている。固定子50は、固定子電源線12により、密閉容器2に取り付けられた端子13に接続される。圧縮機構部3と回転電機部4は、ガイドフレーム33とサブフレーム11とにより保持された回転軸10によって繋がっており、回転電機部4のモータで発生した動力が圧縮機構部3に伝達される。密閉容器2内には密閉型圧縮機1の各摺動部を潤滑するための冷凍機油21が封入されている。
圧縮機構部3内の固定スクロール31は図示省略のボルトによってガイドフレーム33に固定されている。ガイドフレーム33は密閉容器2に溶接によって固定されている。揺動スクロール32はコンプライアントフレーム34によって保持されており、コンプライアントフレーム34はガイドフレーム33に保持されている。オルダムリング35が有する図示省略の爪形状部は、ガイドフレーム33及び揺動スクロール32に形成された図示省略の溝形状部に係合している。これにより、揺動スクロール32の固定スクロール31に対する回転運動が規制されている。
固定スクロール31の中心には、圧縮機構部3より冷媒を吐出する吐出ポート36が形成されている。固定スクロール31の外側には、圧縮機構部3に冷媒を吸入する吸入ポート37が形成されている。密閉容器2の側面には、密閉容器2内に吐出された高圧の冷媒を冷凍回路へ流出させるための吐出管22が設けられている。
以上のように、本実施の形態1の密閉型圧縮機1は、高圧シェル方式のスクロール圧縮機である。圧縮機構部3では、台盤上にインボリュート渦巻に沿って形成された立壁形状を有する固定スクロール31と、固定スクロール31と同形状を180度回転させた立壁形状を有する揺動スクロール32とを対向して組み合わせられている。そして、偏芯した回転軸10によって電動起動部から得た動力にて揺動スクロール32が円周運動する。このとき、オルダムリング35が持つ爪形状部は、ガイドフレーム33及び揺動スクロール32に互いに直角に設けられた溝形状部に沿って平行運動し、これにより揺動スクロール32の固定スクロール31に対する回転運動が規制される。
ここで、対向して組み合わされた固定スクロール31と揺動スクロール32とは、互いの立壁が接することにより渦巻形状の外側から圧縮室を作り、揺動スクロール32の円周運動によって吸入ポート37より吸入した冷媒を渦巻の中心に向かって移送圧縮し、圧縮機構部3の中心に設けられた吐出ポート36より密閉容器2内に冷媒を吐出する。
密閉容器2内に吐出された高圧の冷媒は吐出管より冷凍回路へ流出する。
図2は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子を示す平面図である。図2は、固定子50の構成を概念的に示している。固定子50は、固定子鉄心51と巻線52とを有している。固定子鉄心51は、例えば電磁鋼板を複数枚積層して構成されている。固定子鉄心51は、円環状のコアバック部51Aと、コアバック部51Aから径方向に沿って、固定子鉄心51の中心に延びている複数のティース部51Bと、を有している。複数のティース部51Bは、固定子鉄心51の周方向において所定のピッチで配列されている。複数のティース部51Bにおいて、隣り合うティース部51Bの間にはスロット51Cが形成されており、固定子鉄心51において複数のスロット51Cが形成されている。本実施の形態1において、固定子鉄心51は18個のティース部51Bを有しており、従って、18個のスロット51Cが形成されている。
巻線52は、A相巻線53と、B相巻線54と、C相巻線55と、を有しており、複数の相毎に巻線がティース部51Bに巻回されている。図2中、A相巻線53,B相巻線54、及びC相巻線55には、それぞれ異なるハッチングが施されている。図2に示すように、固定子50において、A相巻線53,B相巻線54、及びC相巻線55は、それぞれ6つ設けられており、固定子50は6つの極数を有している。
すなわち、極数をPとし、スロット数をSとすると、固定子50はS=3Pの関係を満たしている。
図3は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子の巻線の構成を示す平面図である。図3では、図の複雑化を避けるためにA相巻線53のみが示されている。A相巻線53は同心巻であり、A相第1コイル群53AとA相第2コイル群53Bとを有している。A相第1コイル群53Aは、A相第1コイル531と、A相第2コイル532と、A相第3コイル533と、を有している。A相第2コイル群53Bは、A相第4コイル534と、A相第5コイル535と、A相第6コイル536と、を有している。すなわち、A相第1コイル群53A及びA相第2コイル群53Bは、それぞれ複数のコイルを有している。後述するように、A相第1コイル群53Aは固定子50の外径側に位置し、A相第2コイル群53Bは固定子50の内径側に位置している。すなわち、A相第1コイル群53AはA相第2コイル群53Bよりもコアバック部51Aの近傍に位置し、A相第2コイル群53BはA相第1コイル群53Aよりも固定子50の中心の近傍に位置している。
以降の説明において、A相第1コイル531、A相第2コイル532、及びA相第3コイル533を、総称してA相第1コイル群53Aのコイルと呼ぶ場合がある。同様に、A相第4コイル534、A相第5コイル535、及びA相第6コイル536を、総称してA相第2コイル群53Bのコイルと呼ぶ場合がある。
A相第1コイル群53AのA相第1コイル531、A相第2コイル532、及びA相第3コイル533は、A相の口出し線取り出し位置5を起点に、固定子50を平面視したときの反時計回りの方向に、等スロットピッチでスロット51Cに挿入されている。図3に示す例では、A相第1コイル531、A相第2コイル532、及びA相第3コイル533は、4スロットピッチで配置されている。
A相第2コイル群53BのA相第4コイル534、A相第5コイル535、及びA相第6コイル536は、口出し線取り出し位置5を起点に、固定子50を平面視したときの時計回りの方向に、等ピッチでスロット51Cに挿入されている。図3に示す例では、A相第4コイル534、A相第5コイル535、及びA相第6コイル536は、4スロットピッチで配置されている。
すなわち、固定子50を平面視したとき、固定子50の周方向におけるA相第1コイル群53Aのコイルの配置方向とA相第2コイル群53Bのコイル配置方向は逆向きとなっている。
同一スロット51C内において、A相第1コイル群53Aのコイルは外径側に挿入され、A相第2コイル群53Bのコイルは内径側に挿入されている。
図3では、外径側のA相第1コイル群53Aのコイルは固定子50を平面視したときの反時計回りの方向に配置され、内径側のA相第2コイル群53Bのコイルは固定子50を平面視したときの時計回りの方向に配置されているが、これに限るものではない。固定子50を平面視したとき、外径側のA相第1コイル群53Aのコイルが反時計回りの方向に配置され、内径側のA相第2コイル群53Bのコイルが時計回りの方向に配置されていてもよい。すなわち、固定子50を平面視したときの固定子50の周方向における配置が、外径側のA相第1コイル群53Aのコイルと内径側のA相第2コイル群53Bのコイルとで、反対になっていればよい。
後述するように、B相巻線54及びC相巻線55も、A相巻線53と同様の構成を有している。
図4は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子に挿入する前の第1巻線を示す図である。図5は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子に挿入する前の第2巻線を示す図である。図6は、本開示の実施の形態1において第1巻線と第2巻線を固定子に配置した状態を示す平面図である。図4~図6を参照して、本実施の形態1におけるコイルの配置について説明する。
図4中、符号102は、第1巻線101の巻き始めの口出し線であり、符号103は、第1巻線101の巻き終わりの口出し線である。第1巻線101は、第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cを含んでいる。第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cは、図4中、白抜きの太線Aで示す巻線方向に統一して巻線されている。第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cは、それぞれ同心巻の巻線が施されている。第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cの巻き線の巻き数は同一である。尚、以降の説明において、巻き始めの口出し線102に最も近い第1巻線第1コイル101Aを始端コイルと呼び、巻き終わりの口出し線103に最も近い第1巻線第3コイル101Cを終端コイルと呼ぶ場合がある。
図5中、符号112は、第2巻線111の巻き始めの口出し線であり、符号113は、第2巻線111の巻き終わりの口出し線である。第2巻線111は、第2巻線第1コイル111A、第2巻線第2コイル111B、及び第2巻線第3コイル111Cを含んでいる。第2巻線第1コイル111A、第2巻線第2コイル111B、及び第2巻線第3コイル111Cは、図5中、白抜きの太線Bで示す巻線方向に統一して巻線されている。第2巻線第1コイル111A、第2巻線第2コイル111B、及び第2巻線第3コイル111Cは、それぞれ同心巻の巻線が施されている。第2巻線第1コイル111A、第2巻線第2コイル111B、及び第2巻線第3コイル111Cの巻き線の巻き数は同一である。尚、以降の説明において、巻き始めの口出し線112に最も近い第2巻線第1コイル111Aを始端コイルと呼び、巻き終わりの口出し線113に最も近い第2巻線第3コイル111Cを終端コイルと呼ぶ場合がある。
さらに、第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cと、第2巻線第1コイル111A、第2巻線第2コイル111B、及び第2巻線第3コイル111Cの巻き線の巻き数は同一である。
図4中の太線Aと図5中の太線Bとは互いに反対方向になっている。すなわち、第1巻線101と第2巻線111とは、巻線方向が反対となっている。
図4に示すように巻線が施された第1巻線101と、図5に示すように巻線が施された第2巻線111とを、図6に示すように、固定子鉄心51に配置する。固定子鉄心51の円周方向において、第1巻線101と第2巻線111とは、それぞれのコイルが交互に配置されている。例えば、固定子鉄心51の円周方向において、第1巻線101の第1巻線第1コイル101Aの両隣には、第2巻線111の第2巻線第1コイル111A及び第2巻線第3コイル111Cが配置されている。
図6に示す例では、第1巻線101の第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cは、等スロットピッチでスロット51Cに挿入されている。本実施の形態1では、第1巻線第1コイル101A、第1巻線第2コイル101B、及び第1巻線第3コイル101Cは、4スロットピッチでスロット51Cに挿入されている。
また、第1巻線101が固定子鉄心51の外径側に配置され、第2巻線111が固定子鉄心51の内径側に配置されている。
図4のように巻線した第1巻線101をコイル挿入治具に装着する際、まず、第1巻線101を、始端コイルから始めて終端コイルまで、4スロットピッチの等ピッチで固定子鉄心51に装着する。次いで、図5のように第2巻線111を、始端コイルから始めて終端コイルまで、4スロットピッチの等ピッチで固定子鉄心51に装着する。このとき、第2巻線111は、第1巻線101に対して固定子鉄心51の内径側に装着する。これにより、第1巻線101の各コイルが、図3に示すA相第1コイル群53Aを構成し、第2巻線111の各コイルが、図3に示すA相第2コイル群53Bを構成することとなる。
これに対し、波巻の巻線を固定子鉄心に装着する場合、まず円環状のコイルを形成し、円環状のコイルに対して、径方向に沿って外方から中心へ向けて外力を加え、凸部と凹部とが周方向において交互に並列するいわゆる星形コイルを成型する。そして、星形コイルを固定子鉄心に装着する。これに対し、本実施の形態1によれば、円環状のコイルを星形コイルに成型する工程が不要である。また、コイルに対して外力を加える必要がないため、コイルにおける損傷の発生が抑制される。すなわち、本実施の形態1によれば、波巻の巻線を固定子鉄心に装着する場合に比べ、コイルの加工工程の簡略化による加工費の削減、及び巻線信頼性の向上という効果が得られる。
図7は、重ね巻方式における回転電機部の理想的な固定子巻線配置を示したものである。図8は、重ね巻方式における回転電機部の位置修正前の固定子巻線配置を示したものである。重ね巻の巻線を固定子鉄心に装着する場合、固定子鉄心のスロット部に巻線挿入後、図7のようにコイルが配置されることが要求される。図7に示す重ね巻コイルにおいては、第1コイル60Aが始端コイルであり、第6コイル60Fが終端コイルであり、第1コイル60Aと第6コイル60Fとの間に、順に第2コイル60B、第3コイル60C、第4コイル60D、及び第5コイル60Eが配置されている。
図7に示す巻線配置においては、2つのコイルが挿入されているスロットが固定子鉄心の周方向において等ピッチで位置するよう、第1~第6コイル60A、60B、60C、60D、60E、及び60Fは配置されている。そして、各コイルは、挿入されている2つのスロットのうち一方のスロットにおいては他のコイルに対し外径側に位置し、他方のスロットにおいては他のコイルに対し内径側に位置するよう配置されている。
重ね巻で形成されたコイルをコイル挿入治具に装着する際、第1コイル60Aより順にコイル挿入治具に装着したものをそのまま固定子鉄心に挿入すると、コイルの配置は図8に示すようになる。すなわち、第1コイル60Aと第2コイル60B、第2コイル60Bと第3コイル60C、第3コイル60Cと第4コイル60D、第4コイル60Dと第5コイル60E、及び第5コイル60Eと第6コイル60Fの位置関係は、図7に示す配置とすることができる。しかしながら、始端コイルである第1コイル60Aと終端コイルである第6コイル60Fとの位置関係は、図7に示すような配置とならない。すなわち、第1コイル60Aは、第2コイル60Bと共に挿入されているスロットにおいても、第6コイル60Fと共に挿入されているスロットにおいても、外径側に位置してしまう。そのため、第1コイル60Aと第6コイル60Fの位置関係を図7に示すように、第1コイル60Aが内径側に位置し、第6コイル60Fが外径側に位置するよう、作業者が手作業で補正しなければならない。その結果、位置補正の固定が必要に起因する加工費の増加が発生する。
これに対し、本実施の形態1によれば、図7及び図8に示す重ね巻で形成されたコイルを固定子鉄心に装着する場合に比べ、作業者の手作業による位置補正を必要としない。従って、本実施の形態1によれば加工費の増加を抑制することができる。
図9は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子の各相のコイル配置を示す平面図である。図10は、本開示の実施の形態1に係る電動機の固定子の電機回路図である。B相巻線54及びC相巻線55は、上述のA相巻線53と同様の構成を有している。
B相巻線54は同心巻であり、B相第1コイル群54AとB相第2コイル群54Bとを有している。B相第1コイル群54Aは、B相第1コイル541と、B相第2コイル542と、B相第3コイル543と、を有している。B相第2コイル群54Bは、B相第4コイル544と、B相第5コイル545と、B相第6コイル546と、を有している。B相第1コイル群54Aは固定子50の外径側に位置し、B相第2コイル群54Bは固定子50の内径側に位置している。すなわち、B相第1コイル群54AはB相第2コイル群54Bよりもコアバック部51Aの近傍に位置し、B相第2コイル群54BはB相第1コイル群54Aよりも固定子50の中心の近傍に位置している。
B相第1コイル群54AのB相第1コイル541、B相第2コイル542、及びB相第3コイル543は、巻き始め位置を起点に、固定子50を平面視したときの反時計回りの方向に、等スロットピッチでスロット51Cに挿入されている。図9に示す例では、B相第1コイル541、B相第2コイル542、及びB相第3コイル543は、4スロットピッチで配置されている。
B相第2コイル群54BのB相第4コイル544、B相第5コイル545、及びB相第6コイル546は、固定子50を平面視したときの時計回りの方向に、等ピッチでスロット51Cに挿入されている。図9に示す例では、B相第4コイル544、B相第5コイル545、及びB相第6コイル546は、4スロットピッチで配置されている。
すなわち、固定子50を平面視したとき、固定子50の周方向におけるB相第1コイル群54Aのコイルの配置方向とB相第2コイル群54Bのコイル配置方向は逆向きとなっている。
同一スロット51C内において、B相第1コイル群54Aのコイルは外径側に挿入され、B相第2コイル群54Bのコイルは内径側に挿入されている。
C相巻線55は同心巻であり、C相第1コイル群55AとC相第2コイル群55Bとを有している。C相第1コイル群55Aは、C相第1コイル551と、C相第2コイル552と、C相第3コイル553と、を有している。C相第2コイル群55Bは、C相第4コイル554と、C相第5コイル555と、C相第6コイル556と、を有している。C相第1コイル群55Aは固定子50の外径側に位置し、C相第2コイル群55Bは固定子50の内径側に位置している。すなわち、C相第1コイル群55AはC相第2コイル群55Bよりもコアバック部51Aの近傍に位置し、C相第2コイル群55BはC相第1コイル群55Aよりも固定子50の中心の近傍に位置している。
C相第1コイル群55AのC相第1コイル551、C相第2コイル552、及びC相第3コイル553は、巻き始め位置を起点に、固定子50を平面視したときの反時計回りの方向に、等スロットピッチでスロット51Cに挿入されている。図9に示す例では、C相第1コイル551、C相第2コイル552、及びC相第3コイル553は、4スロットピッチで配置されている。
C相第2コイル群55BのC相第4コイル554、C相第5コイル555、及びC相第6コイル556は、固定子50を平面視したときの時計回りの方向に、等ピッチでスロット51Cに挿入されている。図9に示す例では、C相第4コイル554、C相第5コイル555、及びC相第6コイル556は、4スロットピッチで配置されている。
すなわち、固定子50を平面視したとき、固定子50の周方向におけるC相第1コイル群55Aのコイルの配置方向とC相第2コイル群55Bのコイル配置方向は逆向きとなっている。
同一スロット51C内において、C相第1コイル群55Aのコイルは外径側に挿入され、C相第2コイル群55Bのコイルは内径側に挿入されている。
図9に示すように、全てのティース部51Bには、固定子50の全ての相のコイルが配置されている。詳述すると、複数のティース部51Bのそれぞれにおいて、固定子50の径方向に延びるティース部51Bの軸56の上部に、A相巻線53、B相巻線54、及びC相巻線55のコイルが渡されてコイルエンドを形成している。尚、図9では図の複雑化を避けるために、A相第2コイル群53BのA相第6コイル536、B相第1コイル群54AのB相第2コイル542、C相第1コイル群55AのC相第2コイル552が渡されてコイルエンドが形成されているティース部51Bのみ、軸56を示している。しかしながら、他のティース部51Bにおいても軸56とコイルエンドとの関係は同様の態様である。
A相第1コイル群53AとA相第2コイル群53Bは、結線工程で接続され、直列に接続される。すなわち、A相第1コイル群巻き終わり132とA相第2コイル群巻き始め133とが直列に接続される。そして、A相第1コイル群巻き始め131は電源口出し線となり、A相第2コイル群巻き終わり134は中性点口出し線となる。
B相第1コイル群54AとB相第2コイル群54B、結線工程で接続され、直列に接続される。すなわち、B相第1コイル群巻き終わり142とB相第2コイル群巻き始め143とが直列に接続される。そして、B相第1コイル群巻き始め141は電源口出し線となり、B相第2コイル群巻き終わり144は中性点口出し線となる。
C相第1コイル群55AとC相第2コイル群55Bは、それぞれ結線工程で接続され、直列に接続される。すなわち、C相第1コイル群巻き終わり152とC相第2コイル群巻き始め153とが直列に接続される。そして、C相第1コイル群巻き始め151は電源口出し線となり、C相第2コイル群巻き終わり154は中性点口出し線となる。
A相巻線53の電源口出し線であるA相第1コイル群巻き始め131と、B相巻線54の電源口出し線であるB相第1コイル群巻き始め141と、C相巻線55の電源口出し線であるC相第1コイル群巻き始め151とは、それぞれ固定子50の外径側に取り出される。従って、図1に示す固定子電源線12により、密閉容器2に取り付けられた端子13に接続する際、A相巻線53、B相巻線54、及びC相巻線55と端子13との距離がより短くなる。その結果、密閉型圧縮機1の製造コストを低減させることができる。また、固定子電源線12を長くとることによる弛みを抑制することができる。その結果、固定子電源線12の密閉容器2等への接触を抑制することができる。
本実施の形態1によれば、A相、B相、及びC相の全ての相において、各スロット51Cに挿入される巻線が外径側の第1コイル群と内径側の第2コイル群に分けられている。そして、上述のように、全てのティース部51Bには、固定子50の全ての相のコイルが配置されている。従って、巻線が均等に配置されているためコイルエンドが局所的に大きくなることが抑制され、使用される銅量の減少の効果が得られる。その結果、固定子の製造コストを低減化し、かつモータ効率を向上させることができる。
図10における結線は、本実施の形態1に係る固定子50の結線の一例を示すものである。図10と等価の電気回路を構成可能な結線であれば、図10に示す結線に限るものではない。
また、本実施の形態1は、スクロール圧縮機である密閉型圧縮機1を例にとって説明したがこれに限るものではない。ロータリー圧縮機、及び他のタイプの電動機にも適用される。
実施の形態2.
図11は、本開示の実施の形態2に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。図11は、図の複雑化を避けるため、固定子250のA相巻線70のみ示している。図11中、図3に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。A相巻線70は、A相第1コイル群70Aと、A相第2コイル群70Bと、を有している。A相第1コイル群70Aは、固定子50の外径側に位置し、A相第2コイル群70Bは、固定子50の内径側に位置している。A相第1コイル群70Aの巻き始めは符号71で示され、巻き終わりは符号72で示されている。A相第2コイル群70Bの巻き始めは符号73で示され、巻き終わりは符号74で示されている。
A相第1コイル群70Aは、A相第1コイル711、A相第2コイル712、及びA相第3コイル713を有している。A相第2コイル群70Bは、A相第4コイル714、A相第5コイル715、及びA相第6コイル716を有している。
本実施の形態2では、A相第1コイル群70A及びA相第2コイル群70Bの、固定子50に挿入する前の各コイルの巻き線の態様は、図4に示すものと同様である。すなわち、上述の実施の形態1では、A相第1コイル群50Aの巻線方向とA相第2コイル群50Bの巻線方向は、反対であるのに対し、本実施の形態2では、A相第1コイル群70Aの巻線方向とA相第2コイル群70Bの巻線方向は同一である。
本実施の形態2では、A相第1コイル群70Aの巻き終わり72と、A相第2コイル群70Bの巻き終わり74とが直列に接続されている。そして、A相第1コイル群70Aの巻き始め71が電源口出し線となり、A相第2コイル群70Bの巻き始め73が中性点口出し線となっている。B相巻線及びC相巻線も図11に示す配置と同様に配置される。この構成により、実施の形態1と等価の巻線を固定子50に施すことができる。
本実施の形態2によれば、コイルの巻線方向は1方向であり、かつ、固定子50における配置態様は、A相第1コイル群70Aの各コイルが反時計回りに配置され、A相第2コイル群70Bの各コイルが反時計回りに配置される。従って、巻線工程を簡略化することができ、サイクルタイムを改善することができる。また、コイルの巻線方向は1方向であるため、A相第1コイル群70A及びA相第2コイル群70Bに用いる巻線の取り違えが抑制される。
尚、A相第1コイル群70A及びA相第2コイル群70Bの、固定子50に挿入する前のコイルの巻き線の態様を、図5に示すものと同様としてもよい。
尚、図11における巻線は、本実施の形態2に係る固定子50の結線の一例を示すものである。図11と等価の電気回路を構成可能な結線であれば、図11に示す結線に限るものではない。
図12は、本開示の実施の形態3に係る電動機の固定子に挿入する前のコイル群のコイルを示す図である。図13は、本開示の実施の形態3に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。図13は、図の複雑化を避けるため、1つの相の巻線のみ示している。図12中、符号81は、コイルの巻き始めの口出し線であり、符号82は、コイルの巻き終わりの口出し線である。コイル群80は、第1コイル80A、第2コイル80B、第3コイル80C、第4コイル80D、第5コイル80E、及び第6コイル80Fを含んでいる。第1コイル80Aと第2コイル80Bは連続し、第2コイル80Bと第3コイル80Cは連続し、第3コイル80Cと第4コイル80Dは連続し、第4コイル80Dと第5コイル80Eは連続し、第5コイル80Eと第6コイル80Fは連続している。第1コイル80A、第2コイル80B、第3コイル80C、第4コイル80D、第5コイル80E、及び第6コイル80Fは、同心巻で巻かれている。
図12に示すコイルは図13に示すように固定子350に配置される。第1コイル80A、第2コイル80B、及び第3コイル80Cが固定子350の外径側に配置され、第1コイル群を構成する。第4コイル80D、第5コイル80E、及び第6コイル80Fが固定子350の内径側に配置され、第2コイル群を構成する。第1コイル80A、第2コイル80B、及び第3コイル80Cは、固定子350を平面視したとき反時計回りに配置されている。同様に、第4コイル80D、第5コイル80E、及び第6コイル80Fは、固定子50を平面視したとき反時計回りに配置されている。
実施の形態3においては、A相巻線、B相巻線、及びC相巻線について、図12に示す巻線を図13に示すように固定子350に配置される。
上述の実施の形態1及び実施の形態2では、分割された2つのコイル群を結線工程で直列に接続している。これに対し、本実施の形態3では、巻線工程の段階で2つのコイル群を構成するコイルを巻線している。従って、結線工程を簡略化することができ、サイクルタイムの改善及び誤結線を抑制することができる。
また、A相巻線、B相巻線、及びC相巻線のそれぞれにおいて、巻き始め線81が電源口出し線となり、巻き終わり線82が中性点口出し線を構成する。従って、固定子50のスロット51Cから電源が取り出される箇所を2箇所に限定することができる。その結果、結線工程前の固定子50の電源口出し線及び中性点口出し線の視認性が向上する。
実施の形態4.
上述の実施の形態1~3では、固定子50の外径側に配置される第1コイル群の各コイルと、固定子50の内径側に配置される第2コイル群の各コイルは、同一の巻き数で巻き回されている。これに対し、実施の形態4では、第1コイル群の各コイルの巻き数と第2コイル群の各コイルの巻き数とを異ならせて固定子50が構成される。この場合、固定子50の複数のスロット51Cの内にはそれぞれ同数の巻線が挿入されている。例えば、第1コイル群の各コイルの巻き数n(nは自然数)としたとき、第2コイル群の各コイルの巻き数をn+1とする。そして、全てのスロット51Cに挿入されている巻線の数は2n+1となる。その他の構成は実施の形態1~3と同様であり、各コイルは直列に接続される。
第1コイル群の各コイルと第2コイル群の各コイルを同一の巻き数nで固定子鉄心51に巻き回した場合、6つの直列に接続されたコイルの合計巻き数は6×nとなる。この場合、巻き数の具体的な値は、例えば、6、12、若しくは18のようになる。一方、第1コイル群の各コイルの巻き数をnとし、第2コイル群の各コイルの巻き数をn+1とした場合、6つの直列に接続されたコイルの合計巻き数は6n+3となる。この場合、巻き数の具体的な値は、例えば、9、15、若しくは21のようになる。すなわち、第1コイル群の各コイルの巻き数と第2コイル群の各コイルの巻き数とを同一にする場合に比べ、本実施の形態4においては、コイルの巻き数の選択の範囲が制限されない。従って、固定子50に施すことができるコイルの巻き数について設計の自由度が増し、より最適な巻線設計を固定子50に施すことが可能である。
尚、本実施の形態4では、実施の形態1~3と同様、第1コイル群と第2コイル群とが直列に接続されている。そのため、同相の全てのコイルは直列に接続されており、固定子50の各スロット50C内には同数の巻線が挿入されている。従って、第1コイル群と第2コイル群との間に巻き数の差異があっても起磁力の差異が無いため、電気的な問題を発生させることなく、固定子50を構成することができる。
尚、第2コイル群の各コイルの巻き数をnとしたとき、第1コイル群の各コイルの巻き数n+1としてもよい。
実施の形態5.
図14は、本開示の実施の形態5に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。図14は、図の複雑化を避けるため、実施の形態1と同様のA相巻線53のみ示している。図14において、図9に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。上述のように、A相第1コイル群巻き終わり132とA相第2コイル群巻き始め133は直列に接続されている。また、A相第1コイル群巻き始め131は電源口出し線であり、A相第2コイル群巻き終わり134は中性点口出し線である。図14に示すように、本実施の形態5においては、電源線が接続されるA相第1コイル531と、中性点に接続されるA相第6コイル536は、固定子50の中心を挟んで対向するよう、A相第1コイル群53A及びA相第2コイル群53Bは配置されている。換言すると、電源に最も近いA相第1コイル531と、電源から最も遠いA相第6コイル536と、固定子50の中心を挟んで対向するよう、A相第1コイル群53A及びA相第2コイル群53Bは配置されている。
図15は、本開示の実施の形態5に係る電動機の固定子の巻線の配置態様を示す平面図である。図15は、図の複雑化を避けるため、実施の形態2と同様のA相巻線70のみ示している。図15において、図11に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。上述のように、A相第1コイル群巻き終わり72とA相第2コイル群巻き終わり74は直列に接続されている。また、A相第1コイル群巻き始め71は電源口出し線であり、A相第2コイル群巻き始め73は中性点口出し線である。図15に示すように、本実施の形態5においては、電源線が接続されるA相第1コイル711と、中性点に接続されるA相第4コイル714は、固定子250の中心を挟んで対向するよう、A相第1コイル群70A及びA相第2コイル群70Bは配置されている。換言すると、電源に最も近いA相第1コイル711と、電源から最も遠いA相第4コイル714は、固定子50の中心を挟んで対向するよう、A相第1コイル群70A及びA相第2コイル群70Bは配置されている。
電源に最も近いコイルに対する電位差は、電源から最も遠い中性点に接続されるコイルでは最も高くなる。本実施の形態5によれば、本実施の形態5では、固定子の外径側に配置される第1コイル群のうち電源に最も近いコイルと、固定子の内径側に配置される第2コイル群のうち電源から最も遠いコイルとが、固定子の中心を挟んで対向している。従って、電位差の最も大きいコイルが同一スロットに挿入されることが回避され、固定子の信頼性が向上する。
1 密閉型圧縮機、2 密閉容器、3 圧縮機構部、4 回転電機部、5 口出し線取り出し位置、10 回転軸、11 サブフレーム、12 固定子電源線、13 端子、21 冷凍機油、22 吐出管、31 固定スクロール、32 揺動スクロール、33 ガイドフレーム、34 コンプライアントフレーム、35 オルダムリング、36 吐出ポート、37 吸入ポート、40 回転子、50 固定子、50A A相第1コイル群、50B A相第2コイル群、50C スロット、51 固定子鉄心、51A コアバック部、51B ティース部、51C スロット、52 巻線、53 A相巻線、53A A相第1コイル群、53B A相第2コイル群、54 B相巻線、54A B相第1コイル群、54B B相第2コイル群、55 C相巻線、55A C相第1コイル群、55B C相第2コイル群、56 軸、60F 第6コイル、70 A相巻線、70A A相第1コイル群、70B A相第2コイル群、80 コイル群、80A 第1コイル、80B 第2コイル、80C 第3コイル、80D 第4コイル、80E 第5コイル、80F 第6コイル、101 第1巻線、101A 第1巻線第1コイル、101B 第1巻線第2コイル、101C 第1巻線第3コイル、102 口出し線、103 口出し線、111 第2巻線、111A 第2巻線第1コイル、111B 第2巻線第2コイル、111C 第2巻線第3コイル、112 口出し線、113 口出し線、250 固定子、350 固定子、531 A相第1コイル、532 A相第2コイル、533 A相第3コイル、534 A相第4コイル、535 A相第5コイル、536 A相第6コイル、541 B相第1コイル、542 B相第2コイル、543 B相第3コイル、544 B相第4コイル、545 B相第5コイル、546 B相第6コイル、551 C相第1コイル、552 C相第2コイル、553 C相第3コイル、554 C相第4コイル、555 C相第5コイル、556 C相第6コイル、711 A相第1コイル、712 A相第2コイル、713 A相第3コイル、714 A相第4コイル、715 A相第5コイル、716 A相第6コイル、n 巻き数。

Claims (10)

  1. 環状のコアバック部と、前記コアバック部から内方へ延び、周方向において間隔を空けて形成されている複数のティース部と、を有し、前記複数のティース部において隣り合うティース部により複数のスロットが形成されている固定子鉄心と、
    複数の相毎に前記ティース部に巻き回された巻線と、を備える電動機の固定子であって、
    前記巻線は、前記固定子の外径側に配置されている第1コイル群と、前記固定子の内径側に配置されている第2コイル群と、を構成しており、
    前記第1コイル群及び前記第2コイル群は、それぞれ同心巻で巻かれている複数のコイルを有し、
    前記複数のコイルは直列に接続され、
    同一スロット内において、互いに同じ相の前記第1コイル群の前記コイルと前記第2コイル群の前記コイルとが挿入され、かつ前記各相の前記第1コイル群の前記コイルは外径側に挿入され、前記各相の前記第2コイル群の前記コイルは内径側に挿入され、
    前記ティース部において、前記固定子の径方向に延びる軸の上部に前記複数の相の全ての相の前記巻線が渡っており、
    前記固定子の極数をPとし、スロット数をSと定義した場合、S=3Pの関係を満たしている電動機の固定子。
  2. 前記第1コイル群を構成する前記複数のコイルは直列に接続され、前記第2コイル群を構成する前記複数のコイルは直列に接続され、前記第1コイル群と前記第2コイル群は直列に結線されている請求項1に記載の電動機の固定子。
  3. 前記第1コイル群の前記複数のコイルの巻線方向と前記第2コイル群の前記複数のコイルの巻線方向は反対方向である請求項2に記載の電動機の固定子。
  4. 前記第1コイル群の巻き終わりと前記第2コイル群の巻き始めが直列に接続されており、
    前記第1コイル群の巻き始めが電源口出し線であり
    前記第2コイル群の巻き終わりが中性点口出し線である
    請求項3に記載の電動機の固定子。
  5. 前記第1コイル群の巻き終わりと前記第2コイル群の巻き終わりが直列に接続されており、
    前記第1コイル群の巻き始めが電源口出し線であり
    前記第2コイル群の巻き始めが中性点口出し線である
    請求項3に記載の電動機の固定子。
  6. 前記第1コイル群の前記複数のコイルの巻線方向と前記第2コイル群の前記複数のコイルの巻線方向は同一であり、前記第1コイル群の前記複数のコイルと前記第2コイル群の前記複数のコイルは連続している請求項2に記載の電動機の固定子。
  7. 前記第1コイル群に電源線が接続され、前記第2コイル群に中性点が接続されている
    請求項1~6のいずれか一項に記載の電動機の固定子。
  8. 前記第1コイル群の複数のコイルの巻数をnとし、前記第2コイル群の複数のコイルの巻数をn+1とした請求項1~7のいずれか一項に記載の電動機の固定子。
  9. 前記第1コイル群の前記複数のコイルのうち電源に最も近いコイルと、前記第2コイル群のうち電源から最も遠いコイルとが、前記固定子の中心を挟んで対向するよう、前記第1コイル群及び前記第2コイル群が配置されている請求項1に記載の電動機の固定子。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の電動機の固定子を有する回転電機部と、
    前記回転電機部により駆動し、外部から吸入した冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記回転電機部及び前記圧縮機構部を収納する密閉容器と、を備えた圧縮機。
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