JP3833871B2 - 冷却システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶や紙パック,ペットボトルなどの飲料自動販売機や冷凍/冷蔵ショーケースなどに使用される電動機の回転運動を冷媒ガスの圧縮仕事に変換する圧縮機を有する冷却システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術の特開昭62−141998号公報に示されている電動装置は、図12の回路図、および図13の電動機の断面図に示されているように、3相の電動機の回転子2には、永久磁石が設けられており、固定子巻線1A〜1Cには、回転子2が回転すると誘起電圧EA〜ECの正弦波状の電圧が誘起されるものとなっている。
【0003】
そして、固定子側には固定子巻線1A〜1Cとは別に、検知用巻線3A〜3Cが巻回されており、この検知用巻線3A〜3Cは、これに誘起される誘起電圧が固定子巻線1A〜1Cの相誘起電圧と同位相になるように配置されている。
【0004】
さらに始動回路10,PLL回路9,電流検出器4A〜4C,アンプ5A〜5C,加算器6A〜6C,乗算器7A〜7Cを有している。
【0005】
以上の構成において、始動回路10の出力により起動がなされた後、電動機の固定子の巻線電流の波形と、検出用巻線の誘起電圧の波形とを相似となるように制御することを特徴とするものであった。
【0006】
そして、検知部の回路構成を簡単としながら、電流波形を生成し、脈動トルクが小さく速度変動が小さい駆動を行わせるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の技術においては、電動機内に検知用巻線を設ける必要があり、電動機の構成が複雑になるという第1の課題を有していた。
【0008】
特に検知用巻線に得られる電圧波形を固定子巻線に発生する誘導起電力波形と同じものを得るためには、検知巻線を設ける鉄心の断面形状は固定子巻線が設けられている鉄心とほぼ同形状とし、また検知用巻線に作用する固定子側の永久磁石についても固定子巻線が対向している部分と同等の特性を有するものが必要となることから、検知用巻線の銅線の太さこそ極細いもので済むものの、結果として回転の軸方向の長さが相当に大となるとともに、重量・コストの面でも大となるものであった。特に冷却システムの圧縮機に用いられる電動機に関しては圧縮要素と共に密閉容器の中に納められており、従来の線に加えて新たな引出し線が必要になると圧縮機が大型化するという課題も有していた。
【0009】
本発明は、この課題を解決するためのものであって、検知用巻線を設けない簡単な電動機の構成としながら、引出し線をなくし圧縮機が大型化することを防止すると共に、トルク発生に関係がある電流のみを能率良く供給し、電動機の効率が高い条件での運転を行わせることにより、冷却システムの省エネルギーおよび圧縮機の発熱低減を実現するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、3相の巻線を構成し鉄心に巻かれた複数のコイルを備えた固定子と複数の永久磁石を備えた回転子とを有する3相の電動機と、前記電動機により圧縮動作を行う圧縮要素と、前記電動機と前記圧縮要素からなり冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、前記電動機の誘導起電力を基に前記回転子の位置を検出する位置検出手段と、複数の開閉素子と前記開閉素子の導通と非導通を制御する制御回路とを備え直流電圧が供給され前記位置検出手段からの信号を受け前記巻線に電流を供給する電力供給手段とを有し、前記制御回路は、前記巻線に流れる電流が正弦波の波形とならずに予め前記電動機を外部から回転させて観測した前記電動機の前記巻線の無負荷誘導起電力波形と略相似波形の電流となるように前記開閉素子の導通と非導通を制御する冷却システムしたものである。
【0011】
これにより、電動機の効率向上を図り、冷却システムの省エネルギーおよび圧縮機の発熱低減を実現するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の目的を達成する各請求項に記載した発明に、その作用と効果を併記し、更に実施例を加えることにより、本発明の実施の形態を詳述することとする。
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、3相の巻線を構成し鉄心に巻かれた複数のコイルを備えた固定子と複数の永久磁石を備えた回転子とを有する3相の電動機と、前記電動機により圧縮動作を行う圧縮要素と、前記電動機と前記圧縮要素からなり冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、前記電動機の誘導起電力を基に前記回転子の位置を検出する位置検出手段と、複数の開閉素子と前記開閉素子の導通と非導通を制御する制御回路とを備え直流電圧が供給され前記位置検出手段からの信号を受け前記巻線に電流を供給する電力供給手段とを有し、前記制御回路は、前記巻線に流れる電流が正弦波の波形とならずに予め前記電動機を外部から回転させて観測した前記電動機の前記巻線の無負荷誘導起電力波形と略相似波形の電流となるように前記開閉素子の導通と非導通を制御するものであり、発生するトルクに対する電流の実効値を最低とし、銅損を低減することにより効率向上を図るものである。
【0014】
また請求項2に記載の発明は、請求項1記載の冷却システムを、通電区間の電気角が120度である構成としたものであり、比較的簡単な構成でありながら、発生するトルクに対する電流の実効値を最低とし、銅損を低減することにより3相の電動機を高効率で運転させることを可能とするものである。
【0015】
また請求項3に記載の発明は、請求項1記載の冷却システムを、通電区間の電気角が120度より大で145度以下としたものであり、発生するトルクに対する電流の実効値を最低とし、銅損を低減することにより3相の電動機を高効率で運転させることを可能とすると共に、電流切替によるトルク脈動を小さくし振動や騒音の低減ができるものである。
【0016】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の冷却システムを、巻線電流波形の第5高調波率は無負荷誘導起電力の第5高調波率の差の絶対値を、10%以下とすることにより、発生するトルクに対する電流の実効値をほぼ最低とし、銅損を十分に低減し、電動機を高効率で運転させることを可能とするものである。
【0017】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の冷却システムを、巻線電流波形の波形率と無負荷誘導起電力の波形率の差の絶対値は、0.1以下である構成としたものであり、発生するトルクに対する電流の実効値をほぼ最低とし、銅損を十分に低減し、電動機を高効率で運転させることを可能とするものである。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の電動装置の巻線を、3相のスター結線としたものであり、3相の電力を電動機に供給することから、比較的簡単な構成で安定に動作する電動機を搭載した冷却システムを実現しながら、発生するトルクに対する電流の実効値を最低とし、銅損を低減し、電動機の高効率運転による電動機の発熱の低減と装置の省エネルギー化を実現するものである。
【0019】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか記載の冷却システムを、集中巻の構成としたものであり、特にモータのトルク発生には不要であるコイルエンド部分を大幅に削減することにより、巻線抵抗を抑え、一層銅損を低減し、電動機の高効率運転による電動機の発熱の低減と装置の省エネルギー化をより効果的に実現するものである。
【0020】
また請求項8に記載の発明は、請求項10記載の電動装置電動機を、極数とスロット数の比が2対3の構成としたものであり、巻線抵抗を抑え、かつ無負荷誘導起電力と電流の波形をより相似形に近づけることを可能とすることにより、一層銅損を低減し、電動機の高効率運転による電動機の発熱の低減と装置の省エネルギー化をより効果的に実現するものである。
【0021】
【実施例】
次に、本発明の具体例を説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例における冷却システムの圧縮機駆動装置の回路図を示すものである。
【0023】
図1においては、U相の巻線31,V相の巻線32,W相の巻線33,永久磁石34,35,36,37,38,39,40,41を有する3相の電動機42を設けている。
【0024】
この電動機42はその回転子が圧縮要素(図示せず)に接続されており、回転運動を圧縮仕事に変換する。例えば回転子のシャフトに偏心部を設け往復運動に変換し、シリンダ(図示せず)内をピストン(図示せず)を往復運動するようにしている。この往復運動によりシリンダ内に吸い込まれた冷媒ガスを圧縮して吐出するようにしている。
【0025】
巻線31,32,33は3相のスター結線としており、その上本実施例においては、回転子の位置検知のための位置検出手段43を設けている。圧縮機は冷媒ガスが外部に漏れないように密閉容器に納められており、通常のホール素子などの位置検出手段の採用は困難である。そのため、電動機42の誘導起電力から位置を推定する方法を用いている。
【0026】
電動機42に接続された電動機駆動装置50は、電動機42の無負荷誘導起電力波形と略相似波形の電流を電動機42に供給する電力供給手段51を有している。
【0027】
本実施例では、電力供給手段51は、シリコン半導体を用いたIGBTおよび整流素子の並列接続によって構成した開閉素子52,53,54,55,56,57、およびこれらの開閉素子の導通と非導通を制御する制御回路58により構成されている。
【0028】
ただし、開閉素子の種類としては、IGBTを用いたものであることがどうしても必要というものではなく、例えばMOSFET,バイポーラ形,DGMOS,GTOなどのものでもよく、材質もシリコン以外にもゲルマニウム,炭化シリコン(SiC)などを使用してもよい。
【0029】
交流電源60は、実効値が100ボルトで、一定の周波数(60ヘルツ)の商用電源であり、電動機駆動装置50は、交流電源60を受け、チョークコイル61,整流素子62,63,電解式のコンデンサ64,65によって倍電圧(倍圧)整流され、電動機駆動装置50に対して無負荷時に280ボルトの直流電圧を供給するものとなっている。
【0030】
なお、整流素子66,67は、コンデンサ64,65に逆電圧が印加されるのを防止する作用を有するものであるが、本実施例のように4本の整流素子を接続する構成の場合には、一般によく用いられている例えばシリコン半導体のブリッジの整流器を使用することができ、少ない部品点数で構成することができるものとなる。
【0031】
ただし、4本の整流素子はシリコン以外のもの、例えばゲルマニウム,炭化シリコン(SiC),セレンなどを用いた整流素子としても構成することができるものである。
【0032】
図2は、実施例1の電動機42の詳細な構成図である。
【0033】
電動機42は、固定子70と回転子71からなり、固定子70は、厚さ0.5mmの珪素鋼板を40枚重ねて構成した鉄心72と、コイル73a,73b,73c,73d,73e,73f,73g,73h,73i,73j,73k,73lを有している。
【0034】
鉄心72の形状は、12個のスロット74a,74b,74c,74d,74e,74f,74g,74h,74i,74j,74k,74lと、12個のティース75a,75b,75c,75d,75e,75f,75g,75h,75i,75j,75k,75lを有していて、各コイルは各ティースの部分に巻かれている。
【0035】
一方、回転子71は、鍛造した鉄で構成し磁路としても機能する鉄心76の表面に、8個の永久磁石34,35,36,37,38,39,40,41を接着し、軸77を中心に回転しながらトルクを圧縮するための機械的負荷(図示せず)に伝え、動力を供給するものとなっている。
【0036】
ここで、永久磁石34,36,38,40については外側すなわち固定子70に対向する面にN極とし、永久磁石35,37,39,41については外側すなわち固定子70に対向する面にS極が出る構成としているため、極数8極の回転子71を実現している。
【0037】
したがって、本実施例では極数とスロット数の比は、8対12、すなわち約分して2対3である。
【0038】
図3は、実施例1の電動機42の巻線31,32,33の構成を示した結線図であり、いずれの巻線も4個のコイルの直列回路により構成されている。
【0039】
すなわち、U相の巻線31はコイル73a,73d,73g,73j、V相の巻線32はコイル73b,73e,73h,73k,W相の巻線33はコイル73c,73f,73i,73lの直列回路により構成されたものとなっているものである。
【0040】
ここで、各コイルの片方につけられている黒丸印は、極性を示すものであり、各コイルは黒丸印のある方から電流が流れた場合に、各ティースの内側、すなわち回転子71に対向する側にN極が発生するように巻かれている。
【0041】
したがって、例えばU端子から電流を流し込むと、巻線31を構成する4個のコイルによる起磁力は、図2上では90度ずつずれた位置にあるコイルが同極(N極)となり、8極機として動作する。
【0042】
このように1つの極が1つのコイルで構成される巻き方は、一般に集中巻と呼ばれるが、本実施例では各コイルの幅を電気角120度した集中巻としたことにより、いわゆるコイルエンド部の銅線長が短くでき、銅線の電気抵抗を低減でき、銅損を抑えるという効果を得ることができるものとなり、同時に電動機の形状と重量も小とすることができ、コストの低減が可能となるとともに、資源の有効利用にもつながり地球環境の保護にも貢献できるものとなる。
【0043】
また、本実施例のような集中巻とした場合の製造上のメリットとして、分割コアなどと呼ばれるような鉄心72を12個に分割して製造し、コイル73a〜73lを巻いた後に溶接などにより1つの固定子70となるようにする製造方法を採ることも可能となり、それによればスロット74a〜74lの面積に対する正味の銅線の断面積、いわゆる銅の占積率が著しく向上させることができ、よって銅損の低減など性能向上に寄与できるものとする効果も有している。
【0044】
なお、請求項8に述べた極数とスロット数の比が2対3となる電動機の構成としては、本実施例の8極12スロット以外にも、6極9スロットや4極6スロットなどでも良く、2極3スロットでも振動が問題とならない装置の場合などには有利な構成となる場合もある。
【0045】
図4は、実施例1の制御回路58の動作波形図を示しているものであり、図4(ア)は、位置検出手段43からの入力信号S1の波形図、図4(イ)は、位置検出手段43からの入力信号S2の波形図、図4(ウ)は、位置検出手段43からの入力信号S3の波形図を示しているもので横軸は時間を電気角に変換したものをとっている。
【0046】
なお、電気角は、一般に極数の1/2に機械角を乗じたものとなり、本実施例は電動機42が8極である故、機械角90度が電気角360度に相当するものとなる。
【0047】
本実施例では、図2の矢印に示した回転方向、すなわち時計方向に回転が行われており、位置検出手段43からは、S3,S2,S1の相順で信号が出力される。
【0048】
位置検出手段43は、いずれも対向する永久磁石の極がN極である場合にはハイ信号、S極である場合にはロー信号を、位置検知信号S1,S2,S3として出力するものである。
【0049】
S2はS1に対して電気角120度進んだ波形、S3はS2に対して電気角120度進んだ波形となっている。
【0050】
そして、電気角60度毎にS1,S2,S3の内のいずれか一つの信号の論理が変化していることから、位置検出手段43の出力論理は、電気角60度毎に順次変化するものとなっている。
【0051】
図4(エ)は開閉素子52のゲート信号UPの波形、図4(オ)は開閉素子53のゲート信号VPの波形、図4(カ)は開閉素子54のゲート信号WPの波形、図4(キ)は開閉素子55のゲート信号Unの波形、図4(ク)は開閉素子56のゲート信号Vnの波形、図4(ケ)は開閉素子57のゲート信号Wnの波形である。
【0052】
いずれの開閉素子のゲート信号についても前半の電気角60度の区間には、15.625kHzをキャリア周波数としたパルス幅変調がかかり、後半の電気角60度の区間はオンの信号を続けて出力しており、前半と後半の合計である電気角120度が通電区間と定義するものである。
【0053】
また、本実施例では、電気角60度毎に発生する位置検出手段43の出力論理の組み合わせが変化するタイミングt1,t2,t3....に対して、電気角10度に相当する期間進めたオンオフ制御としている。
【0054】
図5は、図4の各開閉素子への信号Up,Vp,Wp,Un,Vn,Wnの前半の電気角60度区間でのパルス幅変調のオン時間比率、すなわちデューティの変化を示している。
【0055】
本実施例においては、パルス幅変調がなされる電気角60度の区間の開始時点においては、48%のデューティとしており、その後制御回路58の内部のタイマーにより時間とともに直線的にデューティ値を減ずる演算をおこない、直線的にデューティが低減するものとなっている。
【0056】
そして、開始から電気角11度の時点でデューティの値が33%となった後については、33%の一定値を保ち、電気角60度まで続けるものとなっている。
【0057】
このように、時間に対して直線的にデューティ値が低下する制御を行わせる場合には、制御回路58の負担は小さく、デューティの変化を時間関数として記憶しておくような手段、もしくはPLLなどの構成で、位置検出手段43からの信号をより高い分解能に変換して、電気角を推定した上で、ROMテーブルなどにその電気角の関数として記憶したデューティの値を順次読み出して制御を行うという構成としてももちろん実現できるものであるが、必ずしもそのような構成を取らなくとも十分実現できるものである。
【0058】
図6(ア)の実線は電動機42のU相の巻線31に供給される電流Iuの電流波形、図6(イ)は巻線31の両端の無負荷誘導起電力Euの波形図であり、無負荷誘導起電力Euは電動機42を例えば別の電動機などで外部から回転させた状態で、図3のU端子とN端子の間にオシロスコープのプローブを接続して観測したもので、U端子側をプラスとして示しているものである。
【0059】
このような無負荷誘導起電力の波形は、電動機42の巻線31,32,33の仕様や、永久磁石34〜41の着磁分布等によって変化するものである。
【0060】
3相は平等であるため、V相,W相については位相が120度ずつずれるものの、各波形についてはU相と全く同等である。
【0061】
なお、N端子はオシロスコープでの観測のために仮に設けるものであり、本実施例では実動時にはどこにも接続する必要はない。
【0062】
ちなみにN端子を用いず、U端子とV端子の間の、線間の無負荷誘導起電力を観測した場合には、図6(イ)の波形を電気角60度ずらして足し合わせた、段を持った波形となり、図6(イ)とはかなり異なった波形となる。
【0063】
なお、図6(ア)の破線はデューティを35%の一定とし、かつ電気角10度の進角も設けず(進角=0)で運転した場合の電流波形であり、実線で示す波形とはトルクおよび速度はいずれも同条件であるが、図6(ア)の実線波形の方と破線波形を比較すると、実線波形の方が図6(イ)の波形により近いもの、すなわちほぼ相似形と言えるものとなる。
【0064】
周知のように、永久磁石と巻線を有する電動機の場合、いわゆるフレミングの左手の法則により発生するトルクと速度の積(機械出力パワー)の瞬時値は、無負荷誘導起電力と電流値の積に等しいものとなるが、発明者らによる検討によれば、電流波形が無負荷誘導起電力波形とまったく相似であり、位相も同相である条件においては、一定の機械出力パワーを得る際に必要となる電流の実効値が最低で済むものとなる。
【0065】
よって、本実施例のように無負荷誘導起電力波形に近い波形の電流を電動機に供給できる電動機駆動装置により、一定の機械出力パワー、すなわち一定の速度で一定のトルクを得るために、必要な電流の実効値を最低値に近づけることができる。
【0066】
実施例1では、電気角10度の進角と図5に示したデューティの変化により、巻線の電流の第5高調波率を4%としている。
【0067】
ここで、第5高調波率とは、第5高調波の振幅を、基本波の振幅で除した値をパーセントで表した値と定義するものである。
【0068】
一方無負荷誘導起電力については、第5高調波率は12%で有り、前述の電流の第5高調波率の4%との差の絶対値は8%となり、10%以下となっている。
【0069】
なお、本実施例では第3高調波については、電流波形と無負荷誘導起電力波形ともほぼゼロであり、また無負荷誘導起電力波形の第7高調波率についても3%以下であったことから、波形の特徴は、ほぼ第5高調波率で定まるものとなり、事実上第5高調波率での論議が極めて有効なものとなる。
【0070】
また、実施例1では、巻線の電流の波形率は0.10となる。
【0071】
波形率は、波形のゼロ点からゼロ点までの半周期間について、実効値を平均値で除した値であり、無負荷誘導起電力の波形率は0.17となっている。
【0072】
したがって、両者の波形率の差の絶対値は0.07となり0.1以下となっている。
【0073】
なお、実施例1では巻線の電流の基本波と無負荷誘導起電力の基本波との位相差は、電気角6度となる。
【0074】
発明者らの実験によれば、巻線電流波形の第5高調波率と無負荷誘導起電力波形の第5高調波率との差の絶対値が、10%以下である請求項6の条件を満たす場合に電動機42の高効率化が実現するものであった。
【0075】
また、巻線電流波形の波形率と無負荷誘導起電力波形の波形率との差の絶対値が0.1以下である請求項7の条件を満たす場合に、電動機42の高効率化が実現するものであった。
【0076】
無負荷誘導起電力の値は回転の速度に比例して変化し、1周期に当たる期間は速度に反比例するものとなるが、いずれの速度でも波形の形としては図6(イ)の波形とほぼ等しいものとなる。
【0077】
電動機42の速度制御を一定とする速度制御などを行うために、デューティを微調整する場合には、図5に示したデューティの特性を平行移動させるか、あるいはデューティの平坦部分(33%)の値の変化などを行うことにより、電動機42のトルクと速度の特性カーブが移動するので、負荷の変動に対しての速度の維持を行わせることもできるものとなる。
【0078】
巻線31,32,33の損失(銅損)は、電気抵抗の値に、電流の実効値の自乗を乗じた値であることが知られているが、前記の電流の実効値の低減により、銅損の低減が図られ、高効率での電動機42の運転が可能となるものとなる。
【0079】
特に、冷却システムは十分に冷却しており安定している条件、すなわち往復動式の圧縮機を速度約1620r/min、トルク200mNmで駆動する条件では、動作点が低速低トルクであるため、機械出力の割に電動機の銅損が大きい条件となるが、このような動作条件で本実施例を使用した場合には、図6(ア)の破線で示すような、進角を行わず、デューティの変化も行わない通電区間120度の運転方法に比較して、電動機の効率向上の効果が高く、電動装置の消費電力を5%以上低減させることができるものとなる。
【0080】
加えて、上記動作点での巻線の電流の最大値(ピーク値)の値も、図6(ア)の実線に示す本実施例の制御方法の方が18%程度小さくなり、よって各開閉素子の電流定格値の低減もしくは開閉素子の損失低減による電動機駆動装置50の効率向上も実現できる上、永久磁石34〜41の減磁を防ぐ効果もある。
【0081】
一般に永久磁石を用いた電動機は、巻線の電流のピーク値が限度値を越えると、不可逆的な減磁が起こり、その後の装置の性能低下が発生するものであるが、本実施例のように同一のトルクにおける電流のピーク値が小さくて済むと、そのような問題を起こすことが防げるものとなる。
【0082】
電動機駆動装置50内に、別途巻線のピーク電流値を検知して、それが所定値に達した場合に、電流の制限もしくは遮断を行う手段を設け、上記減磁の問題を防ぐ構成とする場合においても、本発明の方法を用いることにより、その所定値を低く抑え、電動機42内の永久磁石34〜41の材質も低コストのもの、あるいは厚さの薄いもので済ませることもでき、装置の低コスト化の効果を得ることもできる。
【0083】
逆にピーク電流値が不変とした場合には、トルクをより大とした条件での運転も可能となり、例えば圧縮機を使用する上記の冷却システムにおいては、より短時間で庫内を急速に冷却することができるというような効果が得られる。
【0084】
発明者らによる実験によれば、本実施例に使用した電動機42に対し、巻線31,32,33の電流を正弦波とした場合には、同一トルクでの巻線電流のピーク値は、やはり図6(ア)の実線よりも高くなるものであり、また高速域でも巻線の電流波形を正弦波とする場合には、巻線の巻数を減らすというような電動機の仕様変更も加わり、それを行った場合には、低速時の巻線の電流値は更に大となって、開閉素子のピーク電流値が増大することがわかっている。
【0085】
加えて、電動機42のティース75a〜Lの部分の磁束密度についても、巻線31,32,33の電流のピーク値が大きいと飽和してくるという性質があり、ピーク電流が抑えられれば飽和に対する余裕度を大きくとり:騒音の低減になるほか、ティース75a〜Lの幅を小とするというような電動機42の仕様の変更も可能となり、これによる鉄量の減少、銅線長の低減などの効果も上げることができるものである。
【0086】
なお、本実施例においては各開閉素子の前半の電気角60度をパルス幅変調し、後半の電気角60度をオン状態に保つ制御をしていることから、電気角60度毎に発生する開閉素子の切り換え直後の各巻線の両端電圧の跳ね上がりと巻線電流の急激な変化による騒音が低く抑えられるという効果を得ることができるものとなっているが、必ずしもこのような制御を行うことが必要であるというものではなく、例えば高電位側の開閉素子52,53,54を前半の電気角60度と後半の電気角60度の両方について、図5のデューティ変化となる制御とし、低電位側の開閉素子55,56,57は、電気角120度区間に渡ってオン状態を続ける制御としてもよい。
【0087】
いずれの場合にも、通電区間を120度とすることは、本実施例のように位置検出手段43を用いて位置検知を行う場合には、位置検出手段43の出力信号の立ち上がりまたは立ち下がりのエッジの間隔である電気角60度に対して通電区間がちょうど2倍であることから、比較的簡単な論理で各開閉素子のオンオフの制御ができ、また冷却システムなど大きな起動トルクが必要な装置に使用することも可能であり、3相の電動機の駆動が安定に行うことができるものである。
【0088】
本実施例で用いた電動機42は、巻線31,32,33をすべて集中巻で構成し、かつ極数とスロット数の比が2対3としていることから、コイル73a〜73lは幅が電気角電流で120度となり、各永久磁石34〜42を均一に着磁した場合には、巻線31,32,33の無負荷誘導起電力はいずれも発生する区間が電気角120度となる。
【0089】
よって、通電区間を120度とした場合に、残りの60度の区間は無負荷誘導起電力も低く、よってその区間に巻線の電流を通じてもトルクの発生は少ないものであり、高効率の電動機動作を行わせる目的に対する障害となることはほとんどないものである。
【0090】
ただし電動機を3相としない構成であっても、請求項1に述べられている無負荷誘導起電力波形と略相似形の電流が電動機に供給されるものであれば、その電動機として同一トルクを得るのに必要な電流の実効値がほぼ最低の値とすることができるという効果は上げることができるものとなり、電動機の高効率化による省エネルギー、および電動機の発熱の低減が実現できるものとなる。
【0091】
また、本実施例の電動機42を3相の巻線31,32,33をスター結線としていることから、各巻線に流れる電流は、高電位側の開閉素子または低電位側の開閉素子のいずれかから供給されるものとなり、巻線の電流の制御はこれらの開閉素子のオンオフ動作により、ほぼ直接的に制御することが可能となり:例えば同じ3相であってもデルタ結線とした電動機構成と比較すると、環状に接続された3つの巻線を循環して流れる電流成分(3n次の高調波成分、ただしnは整数)の制御が困難であること、また1つの開閉素子から複数の巻線電流が流れるため各巻線の電流の波形の制御が困難となることを考慮すると、スター結線が巻線の電流波形制御を行うのに極めて有効であるものとなる。
【0092】
実施例1は、上記の電動機構成により、デューティの変化波形を細かく記憶する記憶手段などを用いなくても進角と図5に示すような直線的なデューティの変化だけで、無負荷誘導起電力波形に十分近い巻線電流波形を実現し、高効率の電動機42の駆動を実現できるものとなる。
【0093】
なお、進角を実現するための手段としては、制御回路内で電気的に行う構成以外に、例えば位置検出手段43の回路定数を調整することで実現することもでき、例えば圧縮機を駆動するための電動機などのように一方のみの回転運転をおこなうものであれば有効である場合がある。
【0094】
ただし、トルクと速度によって決まる電動機42の動作条件が異なると、デューティの変化波形や進角の量も異なったものとした方が、より無負荷誘導起電力波形に近い巻線の電流波形とすることができるものであることから、複数の負荷条件で、いずれも高効率の効果を確保するには、速度あるいは電流の値に応じて、それらを変化させるなどの構成を追加すれば実現できる。
【0095】
(実施例2)
図7は本発明の他の実施例における冷却システムの圧縮機駆動装置の動作波形図を示すものである。
【0096】
実施例2においても、電動機駆動装置および電動機については、実施例1を示す図1と全く同等の回路図で実現され、制御回路58の動作のみが異なる。
【0097】
実施例2においては、開閉素子52,53,54,55,56,57のオン期間、すなわちパルス幅変調がかけられている期間とオン状態を続ける期間の和が、電気角で140度となっており、この区間が巻線への電流供給が行われる通電区間と定義されるため、請求項3に述べられている、通電区間の電気角が120度より大で145度以下であるものとなっている。
【0098】
なお、本実施例では各開閉素子は、いずれも電気角60度の区間にはオン状態を続けるという制御を行うことにより、3相の巻線31,32,33のU,V,W端子の内1つは常にコンデンサ64の高電位側またはコンデンサ65の低電位側の端子の電位に固定されるものとなっている。
【0099】
しかし、請求項5の構成として1つの端子の電位の固定を行うことはどうしても必要なものではなく、通電区間が電気角120度より大で145度より小であればよい。
【0100】
図8(ア)は、電動機42のU相の巻線31に供給される電流Iuの電流波形、図6(イ)は巻線31の両端の無負荷誘導起電力Euの波形図を示している。
【0101】
実施例2では通電区間が電気角140度であり、実施例1よりも、もう20度大であることから、進角やデューティの変化などにより、巻線31の電流波形を、より図8(イ)に示す無負荷誘導起電力波形に近づけることができるものとなり、それによって電動機42の効率向上の効果は実施例1よりも大となる。
【0102】
ただし、制御回路58がなすべき仕事が実施例1よりも若干増えるものとなり、例えばマイクロコンピュータなどを若干能力のあるものとする必要がある。
【0103】
また、巻線電流波形を滑らかなもの、すなわち電流の時間的変化を過大とすることも防止することができることから、騒音の低減も可能となる。
【0104】
なお、本実施例では図7の例えば(ア)と(エ)を見比べると、高電位側と低電位側の開閉素子がいずれもオフとなる期間が、通電区間の前または後に電気角40度ずつ存在し、この期間には位置検知の方法として、電動機42の端子電圧からの検知が可能となる。
【0105】
発明者らによる実験によれば、高電位側と低電位側の開閉素子が共にオフとなる期間が電気角35度以上であれば、上記のようなホールICを用いない位置検知方法が実現できることが確認された。
【0106】
よって通電区間は最大145度とすることができるものである。
【0107】
また、通電区間の開始のタイミングの決定には、アナログ式の積分回路や、マイクロコンピュータ内のタイマー等が使用され、それらの時定数、タイマーの設定時間の調整により、進角の調整も可能であり、巻線の電流波形を無負荷誘導起電力波形と相似形に近づけることができる。
【0108】
起動時においては誘導起電力が無いことから、上記位置検知方法は使用せず、強制的に周波数を上昇させ、同期機として起動させ、しかる後に位置検知による運転に切り換えるものとなる。
【0109】
なお、本実施例では図7に見られるように、140度通電区間は、高電位側または低電位側のいずれか一方はオフ状態を保っているが、特にそのような制御に限られるものではなく、高電位側の開閉素子と低電位側の開閉素子とをパルス幅変調のキャリア周期内で所定のデッドタイムを挟んで交互にオンさせるものなどでもよい。
【0110】
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3の電動機駆動装置の動作波形図を示している。
【0111】
実施例3においても、電動機駆動装置および電動機については、実施例1を示す図1と全く同等の回路図で実現され、制御回路58の動作のみが異なる。
【0112】
図9においては、ほぼ絶え間なく各開閉素子のパルス幅変調を行い通電を行っている。
【0113】
したがって、電流の波形がほぼ全周期にわたって変化させることが可能となり、実施例2よりもさらに電流波形を無負荷誘導起電力波形に近づけることができるものとなる。
【0114】
ただし、高電位側と低電位側の開閉素子が共にオフを保つ期間が無いことから、電動機の端子電圧からの位置検知は困難となり、例えば3相の内の2相の電流を直接検知する電流検知手段を別に設けて、その電流の位相などから位置検知を行う方法などを使用することは可能であり、かつ前記電流検知手段からの電流波形が、無負荷誘導起電力波形と等しくなるようにデューティ変化を行わせれば、電動機駆動装置の構成は若干複雑にはなるが、ほぼ無負荷誘導起電力の波形と相似形の電流波形を実現することができ、やはり電動機の高効率化が行えるものとなる。
【0115】
このような電流検知手段を設ける場合には、3相のすべてに設けても良いが、3相3線の場合であれば、3相の内の2相の電流のみを検知するようにした上で、残りの1相に関しては3相の電流の瞬時値の和が常にゼロとなることを利用して、演算により求めることもできる。
【0116】
また、1相のみの電流を検知し、それを電気的に120度ずつずらして他の2相の電流とする構成であっても、十分な性能が発揮できる場合もある。
【0117】
なお、本実施例では図9に示すように、すべての開閉素子がいつもパルス幅変調を行っているが、このような制御以外にも例えば常に3相の内の1相については高電位側または低電位側の開閉素子をオン状態に固定する方法や、3相のパルス幅変調のデューティの変化の波形に3n次の高調波を重畳させるものなどであってもよい。
【0118】
(実施例4)
図10は、実施例4の電動装置の回路図を示している。
【0119】
実施例4においても、電動機42および電動機駆動装置50については、実施例1を示す図1と同等の構成であり、電動機駆動装置50が、ニッケル水素式の蓄電池を6本直列にして構成した直流電源78を受け、直流から交流の変換を行って電動機42に対して、電動機42の無負荷誘導起電力波形と略相似形の電流を巻線31,32,33に供給するという点が異なるものである。
【0120】
実施例4においても、制御回路58により、実施例1〜3に示したような開閉素子52,53,54,55,56,57の制御を行うことにより、電動機42を高効率で駆動することができるものとなる。
【0121】
特に蓄電池78を使用していることから、燃料電池や太陽電池などのクリーンなエネルギーを利用して発生させた電力を予め蓄電池に蓄えておくことができ、必要に応じてこの蓄電池のエネルギーを使用して冷却システムを冷却することができる。また、車載用の冷却システムなどに利用できるものとなる。
【0122】
実施例では、実施例1のような倍電圧整流を用いるものと比較して、直流電源78の電圧にリプル分を含まないものであることから、巻線31,32,33の電流波形は、より安定となり、無負荷誘導起電力波形に近づけやすいという効果もある。また、圧縮機を高効率で駆動することができるので蓄電池78に蓄えられたエネルギーを有効に使用することができる。
【0123】
(実施例5)
図11(ア)は、本発明の実施例5の電動装置79の回路図である。
【0124】
図11(ア)において電動装置79は、実施例1と同等の構成の電動機42、電動機駆動装置80により構成されており、100ボルト60ヘルツの交流電源60を受けている。
【0125】
電動機駆動装置80は、6個の開閉回路81,82,83,84,85,86とこれらの開閉回路のオンオフを制御する制御回路87によって構成された電力供給手段88と、チョークコイル89,コンデンサ90により構成されている。
【0126】
図11(イ)は、開閉回路81の詳細回路図であり、シリコンのブリッジ形の整流器91とMOSFET92により構成された双方向のオンオフができるものとなっている。
【0127】
本実施例では、開閉回路82〜86についても開閉回路81と全く同等の構成のものを使用しているが、必ずしもこのような構成である必要はなく、シリコンあるいはセレンなどのブリッジ式の回路を使用したのは一例であり、要は双方向のオンオフができるもので有ればよい。
【0128】
以上の構成における動作は、制御回路87は、実施例1と同様に電動機42からの位置検知信号S1,S2,S3を受けるが、同時に交流電源60の電圧VACの瞬時値を検知し、その値に応じて、開閉回路81,82,83,84,85,86のオンオフを制御し、電動機42の巻線31,32,33の電流波形を、電動機42の無負荷誘導起電力とほぼ相似形となるような制御を行わせるものである。
【0129】
また、チョークコイル89とコンデンサ90は、電力供給手段88に入力される交流電圧の安定化を図るものであり、また同時に交流電源60から入力される電流の高周波成分を除去するという作用を行うものである。
【0130】
実施例1が、交流電源60からの交流を一旦直流に整流してから、さらに交流に変換して電動機42に供給しているのに対し、実施例2の電動駆動装置80は、交流電源60から直接交流の電流を電動機42に供給する構成で請求項3を実現するものであるから、特に双方向の開閉回路81〜86の構成をモジュール化などにより簡略化すれば、電動機駆動装置80の構成が非常に簡単なものとすることができるという効果がある。
【0131】
以上述べてきたように、実施例1〜実施例5の冷却システムは、いずれも電動機42の巻線31,32,33に供給する電流の実効値が小さくともトルクが得られるものとなるため、電動機42の銅損が低減し、高効率の運転が可能となるものである。
【0132】
なお、各実施例では、電動機42の3相の巻線31,32,33をスター結線としているため、電動機駆動装置50に3線で接続した場合、U,V,Wの3相の電流の瞬時値の和が常にゼロであるという制限が加わるものとなる。
【0133】
しかしながら、各実施例の電動機42は、集中巻でかつ極数とスロット数の比を2対3としていることから、やはり3相の巻線31,32,33の無負荷誘導起電力についても瞬時値の和は常にほぼゼロとなる特性を有するものとなり、前述した3相の電流の瞬時値の和がゼロとなるという制限の下でも、巻線電流波形を無負荷誘導起電力波形に十分近いものとすることができるものとなる。
【0134】
なお、3相の無負荷誘導起電力の瞬時値の和が常にゼロとなることは、下記の様に説明される。図2に示したスロット74a〜74l内の磁束が、ティース75a〜75l内を通る磁束に対して無視できるほど小さいものとすると、隣あった2つのコイルの同一スロットにある部分については等しい値の誘導起電力を発生するものとなり、これが12個のコイル73a〜73lのずべてにおいて起こることから、3相の巻線31,32,33の無負荷誘導起電力の和は、すなわち12個のコイル73a〜73lをすべて直列に接続した状態における両端の電圧となり、極性を考慮すると同一スロット内の等しい起電力はキャンセルされ、結果として無負荷誘導起電力の瞬時値は常にゼロとなる。
【0135】
ちなみに周波数面で表現した場合には、無負荷誘導起電力と巻線の電流は、いずれも3n次の高調波がほぼゼロとなる。
【0136】
ただし、集中巻でなく分布巻とした場合でも、例えば同一スロットに隣のコイルを同一巻数ずつ配置するなどすれば、やはり3相の巻線の無負荷誘導起電力の瞬時値の和はゼロとすることができるので、そのような構成をとれば集中巻でなくとも請求項9は非常に有効となる。
【0137】
電動機42を分布巻として、3相の各巻線の無負荷誘導起電力波形の3n次高調波成分が発生する場合には、3相のスター結線においては、どうしても電流波形が無負荷誘導起電力との相似形からずれたものとなるが、その場合にも他の次数の高調波により、かなり相似形に近づける請求項1を使用できる場合は多く、その場合には電動機42の高効率化が実現できる。
【0138】
なお、3相であっても3線とせずに、スター結線の中点、すなわち図3のNで示す点を引き出して合計4本の線で電動機駆動装置50の例えば図1のコンデンサ64,65の接続点に接続した場合には、3n次高調波成分の電流が巻線31,32,33に供給することができるようになり、いかなる次数の高調波でも電動機42に供給することができる極めて自由度の高い制御が可能となり、電動機の無負荷誘導起電力波形に係わらず、請求項1の構成を実現することができるものとなる。
【0139】
また、電動機42と電動機駆動装置50を含む電動装置とした場合には、使用される電動機42の無負荷誘導起電力波形は固定され、それに相似の電流波形を供給する電動機駆動装置50の使用を実現することができ、銅損の低減を十分発揮させることができるものとなるが、例えば産業用などで、電動機42が別売であり、電動機駆動装置50のみが単独で取引されるものについても、セットで使用される電動機42の無負荷誘導起電力波形にほぼ相似波形となる電流波形を供給するものとしておくことにより、やはり同等の効果が得られるものとなる。
【0140】
また、電動機42を構成要素としている電動装置のサービス部品として供給される電動駆動装置50についても同様であり、いずれも請求項1〜請求項7の範疇となるものである。
【0141】
接続される電動機42が1種類ではなく、複数の種類のものであるならば、複数の形の電流波形を供給できるような設定を設けておいて、実際に使用される電動機の種類に応じて使用者が選択する構成や、読み書きが可能な記憶手段を設けて、何らかの方法で電動機を無負荷回転させた時の電動機端子電圧から無負荷誘導起電力波形を読みとって前記記憶手段に登録し、その後の運転時には記憶された波形を読み出して、電流波形とするような制御を行うなどしてもよい。
【0142】
また、各実施例で述べた電動機42は、図2に示しているように永久磁石34〜41を鉄心76の表面に接着して回転子71を構成するSPM構成としていることから、回転子71が回転しても巻線31,32,33の自己インダクタンスおよび相互インダクタンスの値はほぼ一定であり、そのため発生するトルクはフレミングの左手の法則によるもののみとなるが、例えば永久磁石34〜41を鉄心76の内部に埋め込んで設けるIPM構成とすることもでき、その場合には、発生トルクは上記のフレミングの左手の法則によるトルク以外に、リラクタンストルクと呼ばれるトルクが重畳されるものとなる。
【0143】
リラクタンストルクの値は、大別して自己インダクタンスの変化によって発生する第1のリラクタンストルクと、相互インダクタンスの変化によって発生する第2のリラクタンストルクがあり、第1のリラクタンストルクの値は巻線毎に流れる電流の瞬時値の自乗にインダクタンスを機械角で微分した値を乗じた値の半分の和、第2のリラクタンストルクの値は2つの巻線の電流の積にその2つの巻線間の相互インダクタンスを機械角で微分した値を乗じた値の和となる。
【0144】
例えば、各実施例の電力供給手段51の外に、第1と第2のリラクタンストルクの片方もしくは両方の値を、無負荷誘導起電力波形に加算する補正手段を追加してリラクタンストルクに対応する巻線電流波形も供給する構成とすれば、リラクタンストルクも有効に利用した高効率の電動機の運転ができるものとなる。
【0145】
なお、その場合にも開閉素子52〜57などは電力供給手段50の構成要素となっているものがそのまま使用でき、各開閉素子のオンオフ制御のパターンが若干変化するだけで実現できるものであることから、さほどのコストアップにはならない。
【0146】
【発明の効果】
以上のように請求項1は、3相の巻線を構成し鉄心に巻かれた複数のコイルを備えた固定子と複数の永久磁石を備えた回転子とを有する3相の電動機と、前記電動機により圧縮動作を行う圧縮要素と、前記電動機と前記圧縮要素からなり冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、前記電動機の誘導起電力を基に前記回転子の位置を検出する位置検出手段と、複数の開閉素子と前記開閉素子の導通と非導通を制御する制御回路とを備え直流電圧が供給され前記位置検出手段からの信号を受け前記巻線に電流を供給する電力供給手段とを有し、前記制御回路は、前記巻線に流れる電流が正弦波の波形とならずに予め前記電動機を外部から回転させて観測した前記電動機の前記巻線の無負荷誘導起電力波形と略相似波形の電流となるように前記開閉素子の導通と非導通を制御することにより、発生するトルクに対する電流の実効値を最低とし、銅損を低減することにより効率向上が図れるものである。
【0147】
また請求項2に記載の発明は、特に請求項1記載の冷却システムを、通電区間の電気角が略120度である構成としたものであり、比較的簡単な構成でありながら、銅損を低減することにより3相の電動機を高効率で運転させることを可能としたものである。
【0148】
また請求項3に記載の発明は、特に請求項1記載の冷却システムを、通電区間の電気角が120度より大で145度以下としたことにより、銅損を低減することにより3相の電動機を高効率で運転させることを可能とすると共に、低騒音,低振動を実現したものである。
【0149】
また請求項4に記載の発明は、特に請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の冷却システムを、巻線電流波形の第5高調波率と無負荷誘導起電力の第5高調波率の差の絶対値を、10%以下としたことにより、銅損を十分に低減し、電動機を高効率で運転させることを可能としたものである。
【0150】
また請求項5に記載の発明は、特に請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の冷却システムを、巻線電流波形の波形率と無負荷誘導起電力の波形率の差の絶対値は、0.1以下である構成としたことにより、銅損を十分に低減し、電動機を高効率で運転させることを可能としたものである。
【0151】
また請求項6に記載の発明は、特に請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の電動装置の巻線を、3相のスター結線としたものであり、3相の電力を電動機に供給することから、簡単な構成でありながら、銅損を低減し、電動機の高効率運転による電動機の発熱の低減と装置の省エネルギー化を実現したものである。
【0152】
また請求項7に記載の発明は、特に請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の電動装置電動機を、集中巻の構成としたことにより、特に巻線抵抗を抑えて銅損をさらに低減し、電動機の高効率運転による電動機の発熱の低減と装置の省エネルギー化をより効果的に実現したものである。
【0153】
また請求項8に記載の発明は、特に請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の電動装置電動機を、極数とスロット数の比が2対3の構成としたことにより、一層銅損を低減し、電動機の高効率運転による電動機の発熱の低減と装置の省エネルギー化をより効果的に実現したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における冷却システムの圧縮機駆動装置の回路図
【図2】本発明の実施例1における圧縮機の電動機42の構成図
【図3】本発明の実施例1における電動機42の巻線の結線図
【図4】本発明の実施例1における圧縮機駆動装置の各部動作波形図
【図5】本発明の実施例1における制御回路のデューティ変化の波形図
【図6】(ア)本発明の実施例1における電動機の巻線の電流波形図
(イ)本発明の実施例1における電動機の無負荷誘導起電力波形図
【図7】本発明の実施例2における冷却システムの圧縮機駆動装置の各部動作波形図
【図8】(ア)本発明の実施例2における電動機の巻線の電流波形図
(イ)本発明の実施例2における電動機の無負荷誘導起電力波形図
【図9】本発明の実施例3における冷却システムの圧縮機駆動装置の各部動作波形図
【図10】本発明の実施例4における冷却システムの圧縮機制御装置の回路図
【図11】本発明の実施例5における冷却システムの圧縮機駆動装置の回路図
【図12】従来の技術における電動装置の回路図
【図13】同、電動装置の電動機の断面図
【符号の説明】
31,32,33 巻線
34,35,36,37,38,39,40,41 永久磁石
42 電動機
50,80 電動機駆動装置
51,88 電力供給手段
60 交流電源
78 直流電源

Claims (8)

  1. 3相の巻線を構成し鉄心に巻かれた複数のコイルを備えた固定子と複数の永久磁石を備えた回転子とを有する3相の電動機と、前記電動機により圧縮動作を行う圧縮要素と、前記電動機と前記圧縮要素からなり冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、前記電動機の誘導起電力を基に前記回転子の位置を検出する位置検出手段と、複数の開閉素子と前記開閉素子の導通と非導通を制御する制御回路とを備え直流電圧が供給され前記位置検出手段からの信号を受け前記巻線に電流を供給する電力供給手段とを有し、前記制御回路は、前記巻線に流れる電流が正弦波の波形とならずに予め前記電動機を外部から回転させて観測した前記電動機の前記巻線の無負荷誘導起電力波形と略相似波形の電流となるように前記開閉素子の導通と非導通を制御することを特徴とする冷却システム。
  2. 通電区間の電気角が略120度である請求項1記載の冷却システム。
  3. 通電区間の電気角が120度より大で145度以下である請求項1記載の冷却システム。
  4. 巻線電流波形の第5高調波率と無負荷誘導起電力の第5高調波率の差の絶対値は、10%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の冷却システム。
  5. 巻線電流波形の波形率と無負荷誘導起電力の波形率の差の絶対値は、0.1以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の冷却システム。
  6. 巻線は3相のスター結線とした請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の冷却システム。
  7. 巻線は、集中巻とした請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の冷却システム。
  8. 電動機は、極数とスロット数の比を2対3とした請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の冷却システム。
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