JP6726392B2 - 香料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、香料組成物に関する。
香りは、製剤の高級感、効果への期待感、心理的な安心感などを演出する重要な要素である。現在、香りを演出する香料は、製剤中に多く用いられているが、その香料は水に不溶の油成分であることが多い。例えば、フレグランスやミストなどの透明で水系の安定な製剤を得るために、少量の活性剤によって香料を可溶化させると、香料の油成分同士の会合やクリーミングが起こりやすく、製剤の長期安定性が低下する可能性がある。しかし、その一方で多量の活性剤によって香料を可溶化させると、活性剤による塗布時のべたつきが生じ、更に水や香料の揮発により、製剤内の活性剤濃度がより高くなることで長期安定性が低下する可能性がある。
特許文献1では、アルキレンオキシド誘導体、香料及び/又はビタミンE若しくはその誘導体、及び、水、ならびに任意に他のビタミン類を含む化粧料等の外用剤の経時安定性を改善し、温度変化履歴に対して安定な外用剤を提案している。しかし、香料に対して活性剤量が多いため、可溶化した際に香料成分の周りの活性剤量が多くなるため、香料の香り立ちが抑制される可能性がある。更に、持続性の向上や香り立ちの向上のために多くの香料を用いる製剤の処方が増えており、特許文献1では、多くの香料を可溶化する要求を満たすことができない可能性がある。
特許文献2では、使用感触及び乳化安定性に優れ、ディスペンサー使用に適した水系フレグランスとして、香料、シリコーン油、親水性界面活性剤の組成物を提案している。香料に対する活性剤量は少ないものの、香料を高圧ホモジナイザーによって乳化を行っているため、配合成分によっては用いることができない場合、製剤の作製コストがかかる可能性がある。更に、乳化の処方であるため、製剤の付加価値を向上させるための透明性の高い水系の製剤を得ることができない場合がある。
特開2008−266217号公報 特開2005−247759号公報
本発明の課題は、使用時の香り立ちに優れ、長期安定性に優れ、塗布時のべたつきが少ない香料組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、香料、特定のアルキレンオキシド誘導体、非イオン性界面活性剤、脂肪酸、エタノールを用いることで上記目的を達成できることを見出した。この知見に基づく、本発明は下記の通りである。
すなわち、本発明に係る香料組成物は、以下の成分(A)を0.1〜5.0質量%、成分(B)を0.1〜15.0質量%、成分(C)を0.1〜10.0質量%、成分(D)を0.1〜10.0質量%、成分(E)を1.0〜30.0質量%、および水を40.0〜95.0質量%含有しており、前記成分(C)の含有量と前記成分(A)の含有量との比率(前記成分(C)/前記成分(A))が0.5〜5.0であることを特徴とする、香料組成物。

(A) 香料
(B) 下記の式(1)で表され、5質量%水溶液の曇点が15℃以上である、アルキレンオキシド誘導体

Z−{O(PO)l(EO)m−(BO)nH}a ・・・(1)

(式(1)中、
Zは、2〜4の水酸基を有する炭素数2〜7の多価アルコールからすべての前記水酸基を除いた残基、
aは2〜4、
POはオキシプロピレン基、
EOはオキシエチレン基、
lおよびmは、それぞれ前記オキシプロピレン基PO、前記オキシエチレン基EOの平均付加モル数であり、1≦l≦30、1≦m≦30であり、前記オキシプロピレン基POと前記オキシエチレン基EOはランダム状に付加している。
BOは、炭素数4のオキシアルキレン基、
nは、前記炭素数4のオキシアルキレン基BOの平均付加モル数であり、1≦n≦2である。)
(C) HLB値10〜15を有し、前記成分(B)以外の非イオン性界面活性剤
(D) 25℃で液状である、炭素数14〜20の脂肪酸
(E) エタノール
本発明によれば、使用時の香り立ちに優れ、長期安定性に優れ、塗布時のべたつきの少ない香料組成物を得ることができる。
以下、本発明の香料組成物における成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、水及びその他の任意成分について、順に説明する。
<香料(成分(A))>
本発明は、成分(A)として香料を使用することを特徴の1つとする。香料としては、動物又は植物より得られる天然香料と、化学適合性手段によって製造される合成香料、及びそれらの混合物である調合香料が挙げられ、特に限定されない。本発明においては、目的とする製品に応じて、これらの香料の任意の一種または二種以上を用いることができる。
用いる香料の例としては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、エステル類、カーボネート類、ラクトン類、オキシム類、ニトリル類、シッフ塩基類、アミド類、含窒素化合物、含硫黄化合物、天然精油や天然抽出物を挙げることができる。
香料組成物における成分(A)の含有量は、0.1〜5.0質量%とする。成分(A)の含有量が0.1質量%未満である場合は十分な使用時の香り立ちに優れた効果が得られない。この観点から、成分(A)の含有量を0.1質量%とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることが特に好ましい。また、成分(A)の含有量が5.0質量%を上回ると、香料組成物の長期安定性が低下する場合がある。この観点から、成分(A)の含有量を5.0質量%以下とするが、3.0質量%以下とすることが好ましく、2.0質量%以下とすることが特に好ましい。
<アルキレンオキシド誘導体(成分(B)>
本発明は、成分(B)として、式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体を使用することを特徴の一つとする。成分(B)は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)の組み合わせによって、成分(A)を低濃度の活性剤によって香料組成物中に可溶化させることができる。その結果、使用時の香り立ちに優れ、長期安定性に優れた香料組成物を得ることができる。
成分(B)の5質量%水溶液の曇点は、15℃以上とする。成分(B)の5質量%水溶液の曇点が15℃未満であると、香料組成物の長期安定性が悪化する場合がある。この観点から、前記曇点を15℃以上とするが、20℃以上とすることが好ましく、25℃以上とすることが更に好ましく、35℃以上とすることがもっとも好ましい。
前記曇点は、JIS K 3211「界面活性剤用語」にて、「界面活性剤水溶液の温度を上昇させたとき、白濁し始める温度」である、と定義されており、以下の方法で測定する。成分(B)の5質量%水溶液を試験管に約40mmの高さまで入れた後、温度計をこの中に入れ、曇りを生ずる温度より約2〜3℃高い温度まで温度計でよく撹拌しなから加温し、再びよく撹拌しながら空冷し、透明になったときの温度を、曇点として測定することができる。また、室温で水溶液が曇りを生じている時は、水溶液が透明になるまでよく撹拌しながら冷却し、再びよく撹拌しながら濁りを生ずる温度まで徐々に加温し、次に徐々に撹拌しながら冷却し、透明になった時の温度を、曇点として測定することができる。
式(1)中のZは、2〜4個の水酸基を有する炭素数2〜7の多価アルコールからすべての水酸基を除いた残基である。2〜4個の水酸基を有する炭素数2〜7の多価アルコールとしては、水酸基含有炭化水素が好ましく、水酸基含有飽和炭化水素が特に好ましい。
また、2〜4個の水酸基を有する炭素数2〜7の多価アルコールとしては、炭素数1〜2のアルキルグルコシドが特に好ましい。なお、「炭素数1〜2のアルキルグルコシド」とは、グルコースの水酸基のうち一つの水酸基の水素原子が、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたエーテルを意味する。炭素数1〜2のアルキルグルコシドとしては、メチルグルコシドが特に好ましい。
式(1)中のZは、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはメチルグルコシドから水酸基を除いた残基であり、より好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンまたはトリメチロールプロパンから水酸基を除いた残基であり、さらに好ましくはグリセリンから水酸基を除いた残基である。
式(1)中のaは、2〜4の数であり、より好ましく2〜3の数である。aが2〜3の数であると、香料組成物の長期安定性がさらに向上する。
式(1)中のPOはオキシプロピレン基であり、EOはオキシエチレン基であり、BOは炭素数4のオキシアルキレン基である。炭素数4のオキシアルキレン基BOとしては、1,2−ブチレンオキシド由来のオキシ(1−エチル)エチレン基の他、オキシ(1.1−ジメチル)エチレン基、テトラメチレン基を例示できるが、オキシ(1−エチルエチレン)基が特に好ましい。
式(1)中のl、mおよびnは、それぞれ、PO、EOおよびBOの1分子あたりの平均付加数である。
lは、1〜30の数、好ましくは1〜20の数、より好ましくは1〜10の数である。lが1未満であると、香料組成物の長期安定性が低下し、lが30を越えると、香料組成物使用時にべたつきが生ずる。
mは、1〜30の数、好ましくは1〜20の数、より好ましくは1〜10の数である。mが1未満であると、香料組成物の長期安定性が低下する可能性があり、mが30を越えると、香料組成物使用時におけるべたつきが生ずる。
nは、1〜2の数であり、好ましくは1である。nが2を越えると、香料組成物の長期安定性が悪化する場合がある。
POの量は、POの含有量とEOの含有量との合計を100質量部としたとき、好ましくは30〜90質量部、より好ましくは30〜60質量部、よりさらに好ましくは40〜50質量部である。POの量が30質量部以上であると、香料組成物の長期安定性が向上し、POの量が90質量部以下であると、香料組成物の塗布時にべたつきが生ずるのを抑制し易い。POの量が、上記の好ましい範囲内であれば、長期安定性、塗布時のべたつきのバランスが特に良い化粧料組成物を得ることができる。
式(1)におけるPOおよびEOの結合部分は「−(PO)l(EO)m−」と記載しているが、この記載は、POおよびEOが、ブロック状ではなく、ランダム状に結合していることを表す。また、この記載はPOおよびEOがランダム状に結合していることを表すため、式(1)の「Z−{O−」部分に、POではなく、EOが結合しているアルキレンオキシド誘導体も、本発明の成分(B)に包含される。
本発明の成分(B)と異なり、POおよびEOがブロック状に結合しているアルキレンオキシド誘導体を使用すると、化粧料組成物の長期安定性が低下する場合があり、さらに、塗布時のべたつきが生じてしまう場合がある。
香料組成物中の成分(B)の含有量は0.1〜15.0質量%とする。成分(B)の含有量が0.1質量%未満である場合、成分(A)を可溶化させにくく、香料組成物の長期安定性が低下する場合があるので、成分(B)の含有量を0.1質量%以上とするが、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。また、成分(B)の含有量が15.0質量%を上回ると、香料組成物の塗布時にべたつきが生じる可能性があるので、成分(B)の含有量を15.0質量%以下とするが、12.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下が更に好ましい。
成分(B)は、公知の方法で製造することができる。例えば、2〜4個の水酸基を有する炭素数2〜7の多価アルコール(Z−(OH)a:例えば飽和炭化水素のアルコールや炭素数1〜2のアルキルグルコシド)を出発原料として使用する。そして、出発原料にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをランダムに付加させた後、炭素数4のアルキレンオキシドを付加させることによって、成分(B)を製造することができる。
<非イオン性界面活性剤(成分(C))>
本発明は、成分(C)として、HLB(hydrophile-lipophile
balance)値が10〜15の非イオン性界面活性剤を使用することを特徴の一つとする。成分(C)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用するとより良い効果が得られる可能性がある。HLB値が10より小さい場合、もしくは15より大きい場合には、成分(A)を可溶化させることが難しく、長期安定性に優れた香料組成物を得られない。
HLB値が10〜15の間であれば、非イオン性界面活性剤の種類に限定はされないが、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等の脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のアルキルまたはアリールエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を挙げることができる。
より具体的には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビットテトラステアレート、ポリオキシエチレンソルビットヘキサステアレート、ポリオキシエチレンソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート、ポリオキシエチレンソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレンソルビットモノイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビットテトライソステアレート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン2−オクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アルキロールアミド等を挙げることができる。
ここで、上記HLB値は、川上の提唱した下記(2)式によって求めることができる(川上:科学,23,546(1953))。

HLB値=7+11.7・Log(MW/MO)・・・(2)

(ここでMWは親水基の分子量、MOは親油基部の分子量を表す。)
成分(C)は、特に好ましくはポリオキシエチレン(5〜9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(6〜12)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(7〜14)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7〜14)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5〜10)アルキル(炭素数12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(6〜10)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(5〜10)ミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン(7〜12)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10〜15)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(21〜26)ポリオキシプロピレン(10〜15)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20〜60)硬化ヒマシ油、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドである。
香料組成物中の成分(C)の含有量は0.1〜10.0質量%とする。成分(C)の含有量が0.1質量%未満であると、成分(A)を可溶化させにくく、長期安定性が低下する場合があるので、0.1質量%以上とするが、0.5質量%以上好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。また、この含有量が10.0質量%を上回ると、香料組成物の香り立ちを抑制し、塗布時のべたつきが生ずる可能性があるので、10.0質量%以下とするが、8.0質量%以下とするが、5.0質量%以下が更に好ましい。
成分(C)と成分(A)との質量比(成分(C)/成分(A))は0.5〜5.0とする。この質量比が0.5未満である場合、長期安定性が低下する可能性があるので、0.5以上とするが、1.0以上とすることが更に好ましい。また、この質量比が5.0を上回る場合、香料の香り立ちを抑制し、塗布時のべたつきが生ずる可能性があるので、5.0以下とするが、3.0以下とすることが好ましく、2.0以下とすることが更に好ましい。
<25℃で液状の炭素数14〜20の脂肪酸(成分(D))>
本発明は、成分(D)として、25℃で液状であり、炭素数14〜20の脂肪酸を含有することを使用することを特徴の一つとする。本発明で用いられる常温で液状の炭素数14〜20の脂肪酸(以下、適宜、単に「脂肪酸」と称する)としては、この物性及び炭素数を満たすものであれば、特に制限無く用いられる。
本発明に係る脂肪酸は、効果の観点から、炭素数14〜20の液状脂肪酸から選ばれるが、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸などが挙げられ、これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用しても良い。中でも、香料組成物の長期安定性の観点から、好ましくはイソステアリン酸及びオレイン酸であり、より好ましくはイソステアリン酸である。
香料組成物中の成分(D)の含有量は0.1〜10.0質量%とするが、好ましくは0.5〜5.0質量%、より好ましくは1.0〜3.0質量%である。
<エタノール(成分(E))>
香料組成物中の成分(E)はエタノールであり、香料組成物中のその含有量は1.0〜30.0質量%とするが、好ましくは5.0〜25.0質量%、より好ましくは10.0〜20.0質量%である。成分(E)の含有量が30.0質量%を超えると、エタノールの揮発に伴い、長期安定性が低下する可能性がある。
<その他の任意成分>
本発明の化粧料組成物は、その他の任意成分として、化粧品に一般的に用いられている成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば、界面活性剤、イソプロパノール等の溶剤、炭化水素油、エステル油、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油等の油分、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の保湿剤、エチレンジアミン四酢酸塩、エデト酸等のキレート剤、ジステアリン酸エチレングリコール等のパール化剤、パラメトキシケイ皮酸エステル、メトキシジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤、増粘剤、酸化防止剤、pH調整剤、植物抽出物、アミノ酸、ビタミン類、色素等が挙げられる。
このような(A)〜(E)成分および水以外の成分の合計含有量は、このような任意成分の合計含有量は本来の目的を損なわない範囲で配合することができ、10質量%以下が好ましい。
<水>
本発明の香料組成物において、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)およびその他の任意成分以外の残部は水である。香料組成物中の水の含有量は、好ましくは40.0.〜95.0質量%、より好ましくは50.0〜90.0質量%、さらに好ましくは60.0〜80.0質量%である。
本発明の香料組成物は、常法に従い、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、水およびその他の任意成分を混合することによって、製造できる。また、香料組成物の剤型に特に限定はなく、例えば、透明系液体状、パール系液体状、ペースト状、クリーム状、ゲル状、固形状、エアゾール型スプレー、非エアゾール型のスプレー状等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、以下の「%」および「部」は、特段の記載が無い限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
(合成例1:成分(B−1)の合成)
エチレングリコール50gと触媒として水酸化カリウム3gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら混合物を140℃に加熱し、水酸化カリウムをエチレングリコール中に完全に溶解させた。次に、オートクレーブ中の混合物の温度を140℃に維持しながら、滴下装置によりエチレンオキシド284gとプロピレンオキシド234gの混合物をオートクレーブ中に滴下させ、140℃で混合物を2時間攪拌した。オートクレーブ中の混合物の温度を140℃に維持しながら、さらに滴下装置により1,2−ブチレンオキシド116gをオートクレーブ中に滴下させ、140℃で混合物を2時間攪拌した。その後、オートクレーブより混合物を取り出し、そのpHを塩酸で中性とした後、混合物中の水分を除去するため、減圧−0.095MPa(ゲージ圧)および100℃で1時間処理した。この処理の後、生成した塩を除去するため、混合物の濾過を行い、アルキレンオキシド誘導体(成分(B−1))を得た。
また、JIS K1557−1に準じた水酸基価測定によって得られる値から、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の数平均分子量、および1,2−ブチレンオキシド付加物の数平均分子量を算出し、l、mおよびnの値を特定した。
(合成例2:成分(B−2)〜成分(B’−2)の合成)
出発原料の種類、並びにエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび1,2−ブチレンオキシドの付加量を変更したこと以外は、合成例1と同様の方法にて、アルキレンオキシド誘導体(成分(B−2)〜(B−6)、(B’−1)、(B’−2))を合成した。
(成分(B−1)〜(B−6)、(B’−1)、(B’−2))について、合成例1および2で使用した出発原料(Z−(OH)a)、並びにa、l、mおよびn、POおよびEOの合計100質量部に対するPOの量、並びに5%水溶液の曇点を、表1に示す。
Figure 0006726392

(実施例1〜13および比較例1〜8)
合成例1または2で得られた成分(B−1)〜(B−6)、(B’−1)、(B’−2)、並びに以下に記載する成分(A)、成分(B’−3)、成分(C)、成分(C’)、成分(D)、成分(E)、共通成分および水を、表2、表3に示した量で、室温にて均一になるまで混合し、液状の香料組成物を得た。
<成分(A)>
成分(A−1):(R)−(+)−リモネン(和光純薬工業(株)製)
成分(A−2):アネトール (和光純薬工業(株)製)
成分(A−3):p−アニスアルデヒド
(東京化成工業(株)製)
成分(A−4):ヘキサン酸エチル (和光純薬工業(株)製)
<成分(B’−3)>
ラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
<成分(C)>
成分(C−1):ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(日油(株)製、「ユニオックスHC−60」、表示名称:PEG−60 水添ヒマシ油、HLB=13.3)
成分(C−2):ポリオキシエチレン(7)アルキル(12〜14)エーテル(「ノニオンNC−207」日油(株)製、表示名称:(C12−14)パレス−7、HLB=12.3)
成分(C−3):ポリオキシエチレン(24)ポリオキシプロピレン(13)デシルテトラデシルエーテル(日油(株)製、「ユニルーブ50MT−2200B」、表示名称:PPG−13デシルテトラデセス−24、HLB=10.7)
成分(C−4):ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(日油(株)製、「スタホームDFC」表示名称:コカミドDEA、HLB=13.0)
成分(C’):ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(日油(株)製「ユニオックスHC−100」、表示名称:PEG−100 水添ヒマシ油、HLB=16.6)をそれぞれ用いた。
<成分(D)>
成分(D):イソステアリン酸(クローダジャパン(株)製、「PRISORINE 3505」)
<成分(E)>
成分(E):エタノール(関東化学工業(株)製)
<共通成分>
3%のグリセリン、3%の1,3−ブチレングリコール、0.05%のクエン酸、および0.2%のクエン酸ナトリウムを共通成分として使用した(共通成分の合計6.25%)。なお、前記の成分量は、化粧料組成物中の含有量を示す。
<評価>
得られた実施例1〜14および比較例1〜8の香料組成物の香り立ち及び長期安定性を以下のようにして評価した。結果を表2、表3に示す。
(a)香り立ち
パネラー10名の前腕に、試料を0.2mL塗布し、香り立ちの強さを下記の基準で官能評価を行った。

3点:パネラーが強い香り立ちを感じた。
2点:パネラーがやや香り立ちを感じた。
1点:パネラーが香り立ちを殆ど感じなかった。
更に、パネラー10名の評価の合計点を、下記基準で判定した。

◎:25点以上(香料組成物は、非常に優れた香り立ちを有する)
○:20点以上、25点未満(香料組成物は、優れた香り立ちを有する)
△:15点以上、20点未満(香料組成物は、やや優れた香り立ちを有する)
×:15点未満(香料組成物は、香り立ちが良くない)
(b)塗布時のべたつき
パネラー10名の前腕に、試料をパネラー10名の前腕に、試料を0.2mL塗布し、製剤のべたつきを下記の基準で官能評価を行った。

3点:パネラーがべたつきを殆ど感じなかった。
2点:パネラーがややべたつきを感じた。
1点:パネラーがべたつきを強く感じた。
更に、パネラー10名の評価の合計点を、下記基準で判定した。

◎:25点以上(香料組成物に、べたつきが殆どない)
○:20点以上、25点未満(香料組成物に、べたつきがややある)
△:15点以上、20点未満(香料組成物に、べたつきがある)
×:15点未満(香料組成物に、べたつきが強くある)
(c)長期安定性
化粧料組成物50mLを透明ガラス容器に入れて密封し、0℃、25℃および40℃で1ヶ月間保存した。1ヵ月後に、それぞれの温度で保存した化粧料組成物の外観を観察して、下記基準で判定した。

○:保存後の香料組成物の外観が、いずれの温度でも無色透明であり、変化が無かった
×:保存後の香料料組成物の外観が、いずれかの温度において半透明または白濁し、析出、固化、分離等の変化があった
Figure 0006726392

Figure 0006726392

表2より明らかなように、実施例1〜14の香料組成物はいずれも優れた性能を有していた。
本発明の成分(B)の要件を満たさない成分(B’−1)または成分(B’−2)を使用する比較例1および2の香料組成物では、香料成分(成分(A))を可溶化できず、長期安定性が悪くなり、成分(B‘−2)を使用した比較例2では塗布時のべたつきが生じた。
成分(B’−3)(ラウリル硫酸ナトリウム)を使用する比較例3の香料組成物では、油成分を可溶化でき、長期安定性は優れていたが、香料の香り立ちは抑制されていた。
成分(C)/成分(A)の質量比が0.5未満である比較例4の香料組成物では、長期安定性が実施例1〜14の香料組成物に比べて劣っていた。
成分(C)/成分(A)の質量比が5を超える比較例5の香料組成物では、香料の香り立ちおよび塗布時のべたつきが、実施例1〜14の香料組成物に比べて劣っていた。
本発明の成分(C)の要件を満たさない成分(C’)を使用する比較例6の香料組成物では、香料の香り立ちおよび長期安定性が、実施例1〜12の香料組成物に比べて劣っていた。
本発明の成分(B)または(C)を用いない比較例7および8の香料組成物では、香料を可溶化できず、長期安定性が悪くなった。
(実施例14)
上述の成分(A−1)、成分(B−3)、成分(C−1)、成分(D)、成分(E)並びに下記成分を表4に示す量で、室温にて均一になるまで混合することによって、使用時の香り立ちと長期安定性に優れ、塗布時のべたつきが少ない液状の香料組成物(化粧水)が得られる。
Figure 0006726392


(実施例15)
上述の成分(A−1)、成分(B−3)、成分(C−1)、成分(D)、成分(E)並びに下記成分を表5に示す量で、成分(A−1)、成分(B−3)、成分(C−1)、成分(D)、成分(E)以外を80℃にて均一になるまで混合し、室温で成分(A−1)、成分(B−3)、成分(C−1)、成分(D)、成分(E)を混合し、使用時の香り立ちと長期安定性に優れ、塗布時のべたつきが少ない液状の香料組成物(ボディソープ)が得られる。
Figure 0006726392

本発明の香料組成物は、化粧水及びボディソープ及び芳香剤の原料として有用である。

Claims (1)

  1. 以下の成分(A)を0.1〜5.0質量%、成分(B)を0.1〜15.0質量%、成分(C)を0.1〜10.0質量%、成分(D)を0.1〜10.0質量%、成分(E)を1.0〜30.0質量%、および水を40.0〜95.0質量%含有しており、前記成分(C)の含有量と前記成分(A)の含有量との比率(前記成分(C)/前記成分(A))が0.5〜5.0であることを特徴とする、香料組成物。

    (A) 香料
    (B) 下記の式(1)で表され、5質量%水溶液の曇点が15℃以上である、アルキレンオキシド誘導体

    Z−{O(PO)l(EO)m−(BO)nH}a ・・・(1)

    (式(1)中、
    Zは、2〜4の水酸基を有する炭素数2〜7の多価アルコールからすべての前記水酸基を除いた残基、
    aは2〜4、
    POはオキシプロピレン基、
    EOはオキシエチレン基、
    lおよびmは、それぞれ前記オキシプロピレン基PO、前記オキシエチレン基EOの平均付加モル数であり、1≦l≦30、1≦m≦30であり、前記オキシプロピレン基POと前記オキシエチレン基EOはランダム状に付加している。
    BOは、炭素数4のオキシアルキレン基、
    nは、前記炭素数4のオキシアルキレン基BOの平均付加モル数であり、1≦n≦2である。)
    (C) HLB値10〜15を有し、前記成分(B)以外の非イオン性界面活性剤
    (D) 25℃で液状である、炭素数14〜20の脂肪酸
    (E) エタノール
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