JP3942530B2 - ヘアーコンディショニング剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘアーコンディショニング組成物に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明はべたつきがなく、毛髪のまとまりを改善し、毛髪に対し優れた櫛どおり性を示し、製造直後から、優れたかたさ安定性を示すヘアーコンディショニング剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
第4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤は、毛髪に柔軟性、平滑性、帯電防止性を付与する目的でヘアリンス等に配合されている。しかしながら従来のカチオン活性剤だけでは十分な効果が得られないため、これに高級アルコール及び/又は油成分を配合して毛髪に対する効能を向上させることが知られていた。
しかしながら、前記高級アルコール及び/又は油成分の添加によって、得られる乳化物中に、カチオン界面活性剤−高級アルコール−水の3成分によるゲル構造が形成され、これが、乳化直後から時間の経過に応じて組成物全体のかたさを上昇させるなどの問題を生じていた。
また、上記ゲル構造においては、同一処方であっても乳化時の撹拌速度、冷却速度等の製造諸条件により、早くゲル構造の構築が進む場合と、ゲル構築の遅い場合とがあり、さらに製造に使用される配合装置によっては、乳化物のかたさの再現性が得られなくなるなどの問題が生じていた。
【0003】
特開平7−267814号報(特許文献1)には、低粘度乳化物の作成に関して、界面活性剤及び高級アルコールをもエマルジョン系内に取り込みゲル構造の構築を回避する方法が開示されているが、この方法は、ヘアコンディショナーのように比較的高い粘度を有する乳化物の配合には使用できない。
そこでカチオン性界面活性剤−高級アルコール(油剤)−水からなり、かつ使用感に優れたヘアコンディショナーであって、製造直後から優れたかたさ安定性を示し、配合装置の変更に際しても、等品質の製品を得るための対処法が簡便なヘアコンディショナーの開発が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−267814号公報(第2〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、べたつきがなく、毛髪のまとまり及び櫛どおりを改善し、製造直後から優れたかたさ安定性を保持することのできるヘアーコンディショニング剤組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する手段について鋭意検討の結果、特定のノニオン界面活性剤をヘアコンディショナーに加える事により上記問題を解決し得る事を見出し本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明のヘアーコンディショニング剤組成物は、
(A)0.1〜10質量%の下記一般式(1)及び(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の少なくとも1種:
【化2】
[但し、上記一般式(1)及び(2)において、R1 は8〜18個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を表す。]
(B)0.1〜7.0質量%のカチオン性界面活性剤、
(C)0.1〜10.0質量%の高級アルコール、
(D)0.1〜10.0質量%の油剤、及び
(E)合計量を100質量%にする量の水性媒体
を含むものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の液状油剤組成物に(A)成分として含有される一般式(1)及び/または下記一般式(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物は、ヘアーコンディショニング剤組成物のかたさ安定剤として有効なものであり、かつ、毛髪に対する使用感、使用後感を著しく改良するものである。以下(A)成分について詳しく説明する。
【0009】
本発明の組成物に(A)成分として含まれるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物は、下記一般式(3)で示される1,2−エポキシ化合物と、下記一般式(4)で示される脂肪族ジオールとを触媒の存在下、或いは無触媒下において、縮合反応させることにより製造することができる。
【化3】
[但し、上記一般式(3)及び式(4)中、R1 は、前記定義の通りであり、nも前記定義の通りである。]
【0010】
前記式(3)の1,2−エポキシ化合物と、前記式(4)の脂肪族ジオールとの縮合反応に用いられる酸性触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体などの1種以上が用いられる。酸性触媒の使用量は、反応に供されるエポキシ化合物のモル量に対し、0.0001〜0.1倍モル量であることが好ましい。また塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチウムなどの1種以上が用いられる。塩基性触媒の使用量は、反応に供されるエポキシ化合物のモル量に対し、0.0001〜0.1倍モル量であることが好ましい。
前記縮合反応は、好ましくは30〜150℃の温度において、好ましくは10分〜2日間行われる。反応圧力についての格別の制限はないが、一般に大気圧下において縮合反応が行われる。
【0011】
式(3)の1,2−エポキシ化合物は、好ましくは1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、及び1,2−エポキシオクタデカンなどから選ばれ、より好ましくは、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、及び1,2−エポキシテトラデカンから選ばれる。これらの化合物は単独に用いられてもよく、又はその2種以上の混合物として用いられてもよい。
また、一般式(4)で示される脂肪族ジオールは1,2−プロパンジオールである。
【0012】
本発明のヘアコンディショニング剤組成物の(A)成分として用いられる一般式(1)又は(2)により表されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルの好適例としては、ヒドロキシドデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル、及びヒドロキシテトラデシル−1,2−プロピレングリコールエーテルが挙げられる。
【0013】
一般式(1)及び(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の少なくとも1種からなる(A)成分の配合量は、組成物の全質量の0.1〜10質量%であり、毛髪への塗布時の伸びや指滑りなどの感触をより向上させるためには1.0〜8.0質量%の配合量がより好ましい。(A)成分の配合量が0.1重量%未満では、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物((A)成分)の配合による効果が十分に発揮されない。また、それが10重量%を超えると、使用時にべたつき感が生じることがある。
【0014】
本発明のヘアーコンディショニング剤組成物の(B)成分はカチオン性界面活性剤であり、その好適例としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセトステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドグルタミン酸塩、ラノリン脂肪酸ジエチルアミノエチルアミドグルタミン酸塩等のアミドアミン塩型カチオン性界面活性剤、ラウリン酸アミドグアニジン塩酸塩、及び下記一般式(5)及び(6):
【化4】
上記式(5)及び(6)中、R6 及びR7 はそれぞれ互に独立に、炭素原子数が7〜21のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
で表されるL−アルギニン誘導体などが挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、或はその2種以上を混合して使用してもよい。
【0015】
本発明の組成物中の(B)成分、すなわちカチオン性界面活性剤の配合量は、組成物の全質量に対して0.1〜7.0質量%であることが好ましく、優れた仕上がり感を得るためには、0.5〜5.0質量%の配合量がより好ましい。(B)成分の配合量が0.1重量%未満では、(B)成分の配合による効果が十分に発揮されない。また、それが7.0質量%を超えると、使用時のべたつき感及び/又は仕上がり時のごわつき感を生ずることがある。
【0016】
本発明のヘアーコンディショニング剤組成物の(C)成分として用いられる高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられ、これらを単独に、又は2種以上の混合物として使用することができる。
本発明の組成物における(C)成分の配合量は、組成物の全質量に対して、0.1〜10.0質量%であり、優れた仕上がり感を得るためには、0.5〜7.0質量%の配合量がより好ましい。(C)成分の配合量が0.1質量%未満では、高級アルコールの配合による使用感の効果が十分に発揮されない。また、それが10.0質量%を超えると、組成物のかたさが過度に上昇し、さらに使用時のべたつき感及び/又は仕上がり時にごわつき感を生じることがある。
【0017】
本発明のヘアーコンディショニング剤組成物の(D)成分として用いられる油剤としては、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油、グレープシード油、スイートアーモンド油、ヒマワリ油などの植物油脂類;ラノリン、ホホバ油、カルナバロウなどのロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリンなどの炭化水素油;オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、N-ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジコレステロールエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジオクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジベヘニルエステル、などのエステル油、などが用いられ、これらは単独で、或は2種以上の混合物として使用することができる。
【0018】
本発明の組成物中の(D)成分の配合量は、組成物の全質量に対して0.1〜10.0質量%であり、優れた仕上がり感を得るためには0.5〜7.0質量%の配合量がより好ましい。(D)成分の配合量が0.1質量%未満では、油剤の配合による効果が十分に発揮されない。また、それが10.0質量%を超える場合には、使用時のべたつき感及び/又は仕上がり時に強い油性感がするなど使用感の悪化を生ずることがある。
【0019】
本発明のヘアーコンディショニング剤組成物には、(E)成分として水性媒体が含まれる。その配合量は、成分(A)〜(E)の合計量を100質量%にする質量%である。
本発明のヘアコンディショニング組成物が製造直後から、製造条件に依存することなく、ほぼ一定のかたさを示すメカニズムは十分には明らかではないが、推定するに、式(1)及び/又は(2)のヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物からなる(A)成分を加えたヘアコンディショニング組成物は、直交ニコル下での偏光顕鏡による観察において、製造直後よりMaltese crossが観察され、このことは何らかの構造体が構築されていることを示しており、この構造体は、カチオン−高級アルコール−水、或いはそれに加えてヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の構造体であると思われる。すなわち、(A)成分、すなわちヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の添加により、上記構造体が時間的に早く、すなわち、添加直後に構築され、そのため、ヘアコンディショニング剤組成物の製造直後から、安定なかたさを発現し、保持し得るものと推測される。
【0020】
本発明のヘアコンディショニング剤組成物の製造には、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物((A)成分)、カチオン性界面活性剤((B)成分)、高級アルコール((C)成分)、及び油剤((D)成分)の油相混合物と水性媒体((E)成分)とを、それぞれ別々の容器中で、80℃まで撹拌昇温して溶解させておき、両容器の温度が80℃に到達した後、撹拌下に、油相混合物に水性媒体を添加する。攪拌下、80℃に30分間保持した後、撹拌下に室温まで冷却すればよく、それにより容易に製造することができる。
【0021】
本発明のヘアーコンディショニング剤組成物には、発明の効果を妨げない範囲内において、これに、必要に応じて下記添加剤:
(a)メチルパラベン、プロピルパラベン等の防腐剤、
(b)塩化ベンザルコニウム,イソプロピルメチルフエノ−ル,レゾルシン,ジンクピリチオン,感光素101号,感光素201号,サリチル酸,サリチル酸ナトリウム,オクトピロツクス及びヒノキチオ−ル等の抗菌剤、
(c)パラアミノ安息香酸、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレ−ト等の紫外線吸収剤、
(d)パントテン酸、アルギニン等の抗酸化剤、
(e)グリチルリチン酸、アラントイン等の抗炎症剤、
(f)カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等増粘剤、
(g)アミノ変性シリコーン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、シリコーン油などのシリコーン誘導体、
(h)エチレンジアミン四酢酸及びナトリウム塩、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等の金属封鎖剤、
(i)茶エキス、アロエエキス、イチョウエキス、センブリエキス、ヨモギエキス、ニンニクエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、ヘチマエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物、海草エキス等の動植物抽出物、及び
(j)色素、香料等
の1種以上を配合してもよい。
これらの添加剤のうち、油溶性の添加剤は、成分(A)〜(D)の油相混合物と一緒に他の成分に配合する事が好ましく、水溶性或いは水に分散されている状態の添加剤は、(E)成分である水性媒体に添加し、その後、他の成分にて配合されることが好ましい。
【0022】
【実施例】
本発明を、下記実施例により、さらに説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
下記実施例に使用された一般式(1)及び/又は(2)の示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物、及び下記比較例に用いられたヒドロキシアルキルグリセリルエーテルは、下記製造例1〜5において調製されたものを使用した。
【0024】
製造例 2
1,2−プロパンジオールモノヒドロキシドデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量500mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン276.5g(1.50mol)を仕込み、これを水冷下、攪拌しながら、これに濃硫酸1.5g(0.015mol)をゆっくりと滴下した。得られた混合物を15分間攪拌後、この混合物に1,2−プロパンジオール228.24g(3.00mol)を添加し、この混合物の温度を80〜85℃に昇温した。その後3時間、この反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中の出発原料:1,2−エポキシドデカンの消失を確認した後、これに粉末炭酸水素ナトリウム2.5g(0.03mol)及び蒸留水25mlを添加し、この混合物を30分間攪拌して中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のプロピレングリコールを減圧下に留去し、析出している結晶を濾別し、1,2−プロパンジオールモノヒドロキシドデシルエーテル395.4g(収率99.5%)を捕集した。
【0025】
製造例 3
1,2−プロパンジオールモノヒドロキシテトラデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量500mlの反応容器に、1,2−エポキシテトラデカン318.6g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながらこれに濃硫酸2.7g(0.027mol)をゆっくりと滴下した。得られた混合物を15分間攪拌後、この混合物に1,2−プロパンジオール228.24g(3.00mol)を添加し、この反応混合物の温度を、80〜85℃に昇温した。その後20時間、反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物の出発原料:1,2−エポキシテトラデカンの消失を確認し、これに粉末炭酸水素ナトリウム5.0g(0.06mol)及び蒸留水25mlを添加し、反応混合物を30分間攪拌して中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から、水分、及び未反応のプロピレングリコールを、減圧下に留去した後、析出している結晶を濾別し、1,2−プロパンジオールモノヒドロキシテトラデシルエーテル432.0g(収率97.3%)を捕集した。
【0027】
製造例 5
グリセリンモノヒドロキシドデシルエーテルの合成(比較例用)
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量100mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン36.9g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながら、これに濃硫酸0.2g(0.002mol)をゆっくりと滴下した。この混合物を15分間攪拌後、この混合物にグリセリン55.4g(0.60mol)を添加し、得られた反応混合物の温度を80〜85℃に昇温した。その後5時間、反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中の出発原料:1,2−エポキシドデカンの消失を確認した後、これに粉末炭酸水素ナトリウム0.5g(0.006mol)及び蒸留水5mlを添加し、この反応混合物を30分間攪拌して中和して反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のグリセリンを減圧下に留去した後、析出している結晶を濾別して、グリセリンモノヒドロキシドデシルエーテル55.3g(収率96.7%)を捕集した。
【0028】
実施例3〜9
実施例3〜9の各々において、
ヘアーコンディショニング剤組成物を表1に記載の組成に従って調製した。すなわち(A)〜(D)成分と(E)成分とを、各々別々の容器で80℃まで撹拌昇温して溶解させておき、両容器内温度が80℃に到達した後、撹拌下に(A)〜(D)成分混合液に(E)成分を添加した。この混合物を攪拌下、80℃に30分間保持した後、撹拌しながら室温まで冷却して、ヘアコンディショニング剤組成物を調製した。その後、得られた組成物の各々の下記特性を下記方法により評価した。
【0029】
高温安定性試験
供試組成物のサンプルをポスターカラー瓶に詰めて、密閉し、50℃の恒温器中に静置して、1ヵ月後に組成物の状態を観察し、その結果を下記の基準で評価した。
◎:製造直後の状態から変化無し
○:わずかに着色し、臭いが悪化した。分離はなし
△:わずかに着色し、臭いが悪化した。油/水相の分離がわずかに認められた。
×:激しく着色し、臭いが悪化した。油/水相分離が明瞭に認められた。
【0030】
光安定性試験
供試組成物のサンプルをポスターカラー瓶に詰めて、密閉し、温度25℃、光照度8500ルクスの恒温器中に静置して、1ヵ月後に組成物の状態を観察し、その結果を下記基準で評価した。
◎:製造直後の状態から変化無し
○:わずかに着色した。油/水相分離はなし
△:わずかに着色した。油/水相分離がわずかに認められた。
×:激しく着色した。油/水相分離が明瞭に認められた。
【0031】
偏光顕鏡観察
供試組成物のサンプルを偏光顕鏡観察に供し、Maltese crossの出現頻度を観察し、その結果を下記基準に基いて評価した。
○:全体的にMaltese crossの形成が認められた。
△:部分的にMaltese crossの形成が認められた。
×:Maltese crossの形成が認められなかった。
【0032】
初期かたさの変動
製造直後の組成物のサンプルを25℃の恒温器中に1時間静置し、そのかたさを、下記の条件下で測定した。このときのかたさを初期かたさとし、これを100とした。次に、同一のサンプルを25℃の恒温器中に1週間静置したのち、再度かたさを測定した。初期かたさを100に対する相対値を求めた。
○:100−110
△:111−150
×:151以上
尚サンプルのかたさの測定には、株式会社サン科学社製SUN RHEO METER CR−500DXを用い、かつアダプーターNo.25(粘弾性用)を用い、ステージ上昇速度2cm/minにおいて行った。
【0033】
使用感試験
各組成物のサンプルについて、パネラー10名により使用試験を行い、ヘアーコンディショニング剤組成物の塗布時の伸び、すすぎ時の滑らかさ、コンディショニング後の髪の指どおり、乾燥時の櫛どおり、乾燥後の髪の滑らかさについて、表2の基準で官能評価をした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
なお、表2の評価は表3に記載の比較例1の成績を標準3点とする5段階の相対評価により行い、評価結果の平均点を算出し、算出された平均値が
4.5 以上の場合:非常に良好(◎)
4.5〜3.5の場合:良好(○)
3.5〜3.0の場合:普通(△)、
3.0 未満の場合:不良(×)
と表記した。
【0037】
実施例10〜14並びに比較例1及び2
実施例10〜14並びに比較例1及び2の各々において、実施例1と同様にしてヘアーコンディショニング剤組成物を調製し、評価した。但し、組成物の組成を、表3に示すとおりに変更した。評価結果も表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
比較例3〜10
比較例3〜10の各々において、実施例1と同様にしてヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。但し、組成物の組成を表4に記載のように変更した。また評価結果も表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
表1、3、4の註
註1:商標:エステル IPM(川研ファインケミカル製)
註2:商標:NAA−44(日本油脂社製)
註3:商標:アーカード T−800(ライオン・アクゾ社製)
註4:商標:BO−2(日光ケミカルズ社製)
註5:商標:BO−7(日光ケミカルズ社製)
註6:商標:CO−2(日光ケミカルズ社製)
註7:(A’):(A)成分に対する比較剤
【0042】
表1、3及び4から明らかなように、本発明のヘアコンディショニング剤組成物は、経時安定性及び使用感に優れ、製造直後の偏光顕鏡観察によりMaltese crossが頻度多く検出され、その結果、初期かたさの変動率は10%未満であって、安定性に優れていた。これに対して一般式(1)及び/または(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物を配合していない比較例1、5、6、7の組成物は、製造直後は柔らかい(標準:100)が、25℃、1週間後に測定すると、いずれもそのかたさが170を超える初期かたさからの変動率を示した。
比較例5、6、7は、ヒドロキシヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物に対比するために、それとは異種の通常広く使用される非イオン界面活性剤を用いたが、得られた組成物の使用感が不良であった。また製造直後の偏光顕鏡観察によりMaltese crossは全く観察されず、エマルジョン回りの構造体が発生しないヘアコンディショナーは使用感も良くないということを確認した。
また、一般式(1)及び/または(2)以外のヒドロキシヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物である製造例5のヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物を用いた場合、得られた組成物の、使用感等は良好であったが、製造直後の偏光顕鏡観察によればMaltese crossの形成が顕著ではなく、初期かたさ変動率は本発明の組成物より高かった。
【0043】
実施例18
下記組成のヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
(A)〜(D)成分と、添加剤及び(E)成分とを、別々の容器中80℃まで撹拌昇温して溶解させておき、両容器内の温度が80℃に到達したら、撹拌下に(A)〜(D)成分の混合物に添加剤及び成分(D)の混合物を混合した。この混合物を攪拌下、80℃の温度に30分間保持した後、撹拌下に室温まで冷却してヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
得られたヘアーコンディショニング剤組成物は、塗布時の伸びが優れ、すすぎ時の髪の指どおりや滑らかさも良好で、乾燥後の毛髪もしっとりと、滑らかな感触で使用感に優れるものであった。また、初期かたさ変動も少ないことが確認された。
【0044】
実施例19
下記組成のヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
得られたヘアーコンディショニング剤組成物は、塗布時の伸びが優れ、すすぎ時の髪の指どおり及び滑らかさも良好で、乾燥後の毛髪もしっとりと、滑らかな感触で使用感に優れるものであった。また、初期かたさ変動が少ないことが確認された。
【0046】
実施例21
下記組成のヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
(B)塩化トリメチルステアリルアンモニウムクロライド液 50% 1.70%
(B)塩化ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド液 75% 1.30%
(A)製造例3の化合物 1.00%
(D)マカディミアナッツ油 3.00%
(C)ベヘニルアルコール 3.00%
(D)ビタミンE油 0.10%
(油性添加剤)ジブチルヒドロキシトルエン 0.01%
(添加剤)グリチルリチン酸ジカリウム 0.20%
(添加剤)グリセリン 3.00%
(添加剤)アミノ変性シリコーン(BY16-837、東レダウコーニング社製) 1.00%
(添加剤)メチルパラベン 0.20%
(E)精製水 全量を100%とする量
得られたヘアーコンディショニング剤組成物は、塗布時の伸びが優れ、すすぎ時の髪の指どおり及び滑らかさも良好で、乾燥後の毛髪もしっとりと、滑らかな感触で使用感に優れるものであった。また、初期かたさの変動が少ないことが確認された。
【0047】
実施例22
下記組成のヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
得られたヘアーコンディショニング剤組成物は、塗布時の伸びが優れ、すすぎ時の髪の指どおり及び滑らかさも良好で、乾燥後の毛髪もしっとりと、滑らかな感触で使用感に優れるものであった。また、初期かたさの変動が少ないことが確認された。
【0049】
実施例24
下記組成のヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
得られたヘアーコンディショニング剤組成物は、塗布時の伸びが優れ、すすぎ時の毛髪の指どおり及び滑らかさも良好で、乾燥後の毛髪もしっとりと、滑らかな感触で使用感に優れるものであった。また、初期かたさの変動も少ないことが確認された。
【0050】
実施例25
下記組成のヘアーコンディショニング剤組成物を調製した。
得られたヘアーコンディショニング剤組成物は、塗布時の伸びが優れ、すすぎ時の毛髪の指どおり及び滑らかさも良好で、乾燥後の毛髪もしっとりと、滑らかな感触で使用感に優れるものであった。また、初期かたさの変動も少ないことが確認された。
【0051】
【発明の効果】
本発明のヘアーコンディショニング剤組成物は、毛髪に付与したとき、べたつきがなく、毛髪のまとまり及び櫛とおりにすぐれ、製造直後からそのかたさの安定性にすぐれていて、使用感及び使用後感にすぐれたものである。
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