JP3942514B2 - メイククレンジング組成物及びそれを含有する透明ゲル状メイククレンジング組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有するヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物と特定のポリオキシアルキレンエーテル化合物とを含有するメイククレンジング組成物及びそれを含む透明ゲル状メイククレンジング組成物に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、安定性、クレンジング効果に優れ、使用後に水により容易に乳化分散して洗い流すことのできるメイククレンジング組成物及びそれを含む透明ゲル状メイククレンジング組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮膚上の汚れや化粧料を除去するメイククレンジング化粧料としては、液状油等を主成分とする油性クレンジング剤、界面活性剤を含むクリームタイプ及び乳液タイプの乳化クレンジング剤、並びに水性成分及び水溶性高分子を主成分とする水性クレンジング剤等が用いられてきた。
【0003】
油性クレンジング剤及び乳化クレンジング剤は、一般に油性成分を含有するため、油汚れとのなじみがよく、クレンジング効果に優れているが、その反面、拭き取り又は洗い流し後に油性成分が肌に残存してべたつき感を生じ、さっぱりした使用感を得るのが困難であるという欠点を有している。
一方、水性クレンジング剤は、一般に油性成分をほとんど含有しないので使用中の感触がみずみずしく、さっぱりした使用感を示すが、油汚れとのなじみが悪く、クレンジング効果が充分でないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、クレンジング効果が良好で、特に皮膚上で油汚れとなじませた後、水に容易に乳化分散して洗い流すことができるメイククレンジング組成物及びそれを含む透明メイククレンジング組成物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究の結果、特定の構造を有するヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物と特定のポリオキシアルキレンエーテル化合物とを含有する組成物が、クレンジング機能に優れ、さっぱりとした使用感を有することを見出し本発明を完成した。
さらに本発明組成物は脂肪酸塩と水との配合により、メイククレンジング性を悪化させる事無く、容易に透明ゲル状メイククレンジング組成物とすることができ、透明ゲル状組成物にすることにより、塗布及び使用の容易性が高まることも見出した。
【0006】
即ち本発明のメイククレンジング組成物(1)は、成分(A)として25℃で液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーから選ばれる1種または2種以上を5重量%から80重量%の割合で含み、かつ
成分(B)として下記一般式(1)及び/又は一般式(2):
【化2】
[但し、上記式(1)及び(2)において、R1は8〜18個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を表し、R2は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。]で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物を20重量%〜95重量%の割合で含むことを特徴とするものである。
更に本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)は、
0.5〜20質量%の上記メイククレンジング組成物(1)と、
成分(C)として10質量%〜55質量%の長鎖脂肪酸塩と、及び、
成分(D)として45質量%〜80質量%の水と
を含むことを特徴とするものである。
本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)において、成分(C)として用いられる長鎖脂肪酸塩が、ラウリン酸塩とミリスチン酸塩とからなり、その質量比率が95:5〜25:75であることが好ましい。
本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)において、成分(C)として用いられる長鎖脂肪酸塩が長鎖脂肪酸のトリエタノールアミン塩及びアルギニン塩から選ばれることが好ましい。
本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)において洗浄助剤成分(E)として脂肪酸アミドアルキル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドアルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドアルキルアミンオキシドから選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を0.5質量%〜25質量%の割合でさらに含まれていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(1)に用いる成分(A)は、25℃で液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの少なくとも1種からなるものである。
ポリエチレングリコールとしては、重量平均分子量が200〜600のものを用いることが好ましい。
ポリプロピレングリコールとしては、重量平均分子量が400〜3000のものを用いることが好ましい。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、重量平均分子量が1500〜5000のものを用いることが好ましい。
上記ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーのそれぞれの重量平均分子量が、上記下限値未満のときは、得られるメイククレンジング組成物のクレンジング能力が不十分になることがあり、またそれが上記上限値を超えるときは、得られるメイククレンジング組成物の低温安定性が、不十分になることがある。
【0008】
本発明の組成物(1)における成分(A)の配合量は5重量%〜80重量%であり、より好ましくは、7重量%〜75重量%であり、更に好ましくは10重量%〜70重量%である。成分(A)の配合量が5重量%を下回ると、得られる組成物の使用後の洗い流し時にヌルつきがなかなか取れなくなる。またそれが80重量%を超えると、十分なクレンジング効果が得られなくなる。
【0009】
本発明の組成物(1)の成分(B)は、前記一般式(1)及び/又は一般式(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の1種以上からなるものである。
上記式(1)及び(2)において、R1は8〜18個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を表し、R2は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0010】
本発明の組成物(1)に使用されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルは、一般式(3)で示される1,2−エポキシ化合物と、一般式(4)で示される脂肪族ジオールとを触媒存在下、或いは無触媒の条件下で縮合反応を行うことにより得ることが出来る。
【化3】
[但し、上記式(3)及び式(4)中の、R1及びR2はそれぞれ前記定義の通りであり、nも前記定義の通りである。]
【0011】
前記式(3)の1,2−エポキシ化合物と、式(4)の脂肪族ジオールとの縮合反応に用いられる酸性触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体などが用いられ、その使用量は、反応に供されるエポキシ化合物のモル量に対し、0.0001〜0.1倍モルであることが好ましい。また塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチウムなどが用いられ、その使用量は、反応に供されるエポキシ化合物のモル量に対し、0.0001〜0.1倍モルであることが好ましい。
前記縮合反応は、好ましくは30〜150℃の温度において10分〜2日間で行われることが好ましい。反応圧力についての格別の制限はないが、一般に常圧下において縮合反応が進行する。
【0012】
式(3)の1,2−エポキシ化合物は、好ましくは1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、及び1,2−エポキシオクタデカンなどから選ばれ、より好ましくは1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、及び1,2−エポキシテトラデカンから選ばれる。これらの化合物は単独に用いられてもよく、又はその2種以上の混合物として用いられてもよい。
【0013】
一般式(4)で示される脂肪族ジオールを具体的に例示すれば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、及び、1,2−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール類の中から選ばれる1種、又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0014】
本発明の組成物(1)に好適なヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物としては、ヒドロキシドデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル、ヒドロキシテトラデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル及びヒドロキシドデシル−1,3−ブタンジオールエーテルを挙げることができる。
これらの化合物のうち、親水基部分にメチル基が存在するヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物、即ち、R2がメチル基であるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物は、それを含むメイククレンジング組成物の低温安定性を向上させる効果がある。
【0015】
本発明の組成物(1)において(B)成分として用いられるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルの配合量は、通常20質量%〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは25質量%〜93質量%であり、さらに好ましくは30質量%〜90質量%である。成分(B)の配合量が20重量%未満では、クレンジング効果が十分に発揮されない。また、それが95重量%を超える配合は、得られる組成物を使用したとき、その後の洗い流し時にヌルつきがとれにくくなる。
【0016】
本発明のメイククレンジング組成物(1)は、包水力の強い油性の性質を有している組成物であり、ミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィン、オクタン酸セチル等の化粧品用油剤と混合可能であるが、20質量%を超えて化粧品用油剤を混合した場合、メイククレンジング後の肌の油性感が強すぎるので好ましくない。
【0017】
また、本発明のメイククレンジグ組成物(1)は、成分(A)の選択、配合量によっても異なるが、10重量%未満の水を含有しても透明状態を維持することができる。水を含有する事により、本発明のメイククレンジング組成物(1)はより乳化洗浄されやすくなり、クレンジング後の肌の感触がより好ましいものとなる。また、水分量が10重量%を超えない範囲で水性動植物抽出物等を含有する事も可能である。
【0018】
本発明者は、本発明のメイククレンジング組成物(1)に長鎖脂肪酸塩を加える事により、得られるメイククレンジング組成物が水に可溶化し、容易に透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)になる事を見出した。
本発明メイククレンジング組成物の使用のときの塗布容易性を上昇させるためには、それをゲル状製剤として使用することが最も好ましい使用形態である。
【0019】
本発明においてメイククレンジング組成物(2)のゲル洗浄剤化に使用される成分(C)長鎖脂肪酸塩は、メイククレンジング組成物のゲル化に当たり、あらかじめ脂肪酸をナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び/または、アンモニウム、及び/または、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン及び/またはアルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸から選ばれる少なくとも一種以上により中和して、塩としたものを使用してもよいし、組成物(2)の配合時に、脂肪酸に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の様なアルカリ金属水酸化物及び/または、アンモニア及び/又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン及び/またはアルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸から選ばれる少なくとも一種以上を添加して、配合系内で脂肪酸を中和してもよい。
【0020】
脂肪酸を中和し塩を形成するカチオン性物質に関して更に詳しく述べると、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属は強塩基性を有し、組成物(2)の調製の際に、強塩基酸カチオン性物質のみで脂肪酸を中和した場合、或いはアルカリ金属石鹸を配合した場合、ゲル組成物中に部分的なゲル化の進行が発生し、全体が均一化しない場合もあるので、使用する脂肪酸を強塩基性物質を用いて単独に中和することは好ましくない。脂肪酸を中和するカチオン性物質としてはトリエタノールアミン等のアルカノールアミン類を用いることが最も好ましい。
本発明の組成物(2)において、成分(C)を調製するために用いられる脂肪酸は、炭素数原子8〜22を有し、ヒドロキシル基を含み、又は含まない直鎖型乃至は分枝鎖型のアルキル基、又はアルケニル基を有する脂肪酸である。しかし、ステアリン酸等のクラフト点が高くなる脂肪酸を多量に配合すると、組成物(2)の透明性が低下したり、及び/又は低温安定性が不十分になる等の不都合が発生する可能性があるので炭素数16より大きい飽和脂肪酸の配合量は、脂肪酸全体量の20質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。
【0021】
さらに、使用される脂肪酸がラウリン酸とミリスチン酸の混合脂肪酸でありかつラウリン酸:ミリスチン酸の質量比率が95:5〜25:75の範囲にある場合、優れた透明性を有するゲルを形成することができ、ラウリン酸:ミリスチン酸の質量比率が95:5〜40:60の範囲にあると、得られる組成物(2)の安定性及び使用感が特に優れているので、もっとも好ましい。ラウリン酸/ミリスチン酸の混合脂肪酸が、上記比率を外れ、ミリスチン酸が多く配合されると、ゲルの曳糸性が顕著になる。特にアルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸により脂肪酸を中和したゲルの場合、上記質量比率の範囲内にないと、得られるゲルは強い曳糸性をなし、使用感を悪化させる。またラウリン酸の配合比率が過大になると、ゲル状組成物の泡のキメが荒くなる傾向がある。
【0022】
脂肪酸1モルに対する中和塩基の当量は0.9〜1.5モルであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜1.2モルである、この中和当量が0.9を下回ると、ゲル組成物を形成しなくなり、またそれが、1.5を超えると、ゲルの形態が透明を保持できなくなるという問題がある。
【0023】
本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)における成分(C)、すなわち長鎖脂肪酸塩の配合量は10質量%〜55質量%であり、好ましくは、15質量%〜50質量%であり、更に好ましくは25質量%〜40質量%である。また組成物(2)における成分(D)、すなわち水の配合量は、45質量%〜80質量%の範囲で配合される。成分(C)(脂肪酸塩)の配合量が10質量%を下回ると、得られる組成物(2)はゲル形態を取ることができず、またそれが55質量%を超えて脂肪酸塩を配合すると、部分的な結晶化を発生して十分な透明性が確保できなくなる。
【0024】
本発明の組成物(2)においては、前記成分(C)及び(D)に、更に成分(A)(B)からなるメイククレンジング組成物(1)を配合することで完成するが、成分(A)(B)からなるメイククレンジング組成物(1)は、透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)の全体を100質量%としたとき、0.5質量%〜20質量%の配合量で配合され、この配合量は、1.0質量%〜15質量%であることが好ましい。成分(A)(B)からなるメイククレンジング組成物(1)の配合量が0.5重量%を下回ると、メイククレンジング効果が不十分となり、また、それが20重量%を超えると、得られるゲル状組成物(2)の透明性の悪化やゲルの崩壊が生ずる。
【0025】
本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物の製造方法は従来の透明ゲル状洗浄剤の製造方法を用いることができる。
例えば、
1. 成分(A)として25℃で液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーから選ばれる1種または2種以上と、
2. 成分(B)として一般式(1)及び/又は一般式(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルと、
3. 成分(C)として脂肪酸塩、又は脂肪酸とその中和剤と、
4. 成分(D)として水、並びに必要により化粧品添加剤水及び添加剤、などを、
撹拌装置の付いた反応器に仕込み、80℃まで撹拌加熱して、均一に溶解し、この均一溶解を確認した後、これを、撹拌下50〜60℃まで冷却し、その後無撹拌で室温まで冷却して、透明ゲル状洗浄剤とする方法によって、本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物を調製することができる。
【0026】
本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)の泡立ち性及び使用感を改善する目的で、追加成分(E)として、脂肪酸アミドアルキル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドアルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドアルキルアミンオキシドから選ばれる両性界面活性剤の1種又は2種以上をさらに配合することができる。上記両性界面活性剤の配合量は、組成物の安定性及び透明性の安定性を考慮して、0.5質量%〜25質量%の範囲内にコントロールすることが好ましいが、泡立ちや使用感の改善の点から、それを1質量%〜15質量%の範囲内にコントロールすることが更に好ましい。成分(E)の配合量が0.1質量%を下回ると、その添加効果が現ないことがあり、またそれが25質量%を超えると、得られるゲルの透明性を保持できないことがあり、また使用時にヌルつきを生じるなど使用感を損なうことがある。
【0027】
本発明の組成物(2)に成分(E)として使用される脂肪酸アミドアルキル酢酸ベタインの好適例としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。
本発明に使用される脂肪酸アミドアルキルヒドロキシスルホベタインの好適例としては、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
本発明に使用される脂肪酸アミドアルキルアミンオキシドの好適例としては、ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドプロピルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドプロピルアミンオキシド、パーム核油脂肪酸アミドプロピルアミンオキシドなどが挙げられる。
【0028】
なお、本発明のメイククレンジング組成物(1)及び透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)には、必要に応じて発明の効果を損なわない範囲において、従来の化粧品に用いられる他の成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、被膜剤、紫外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、低級アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料などの、一種乃至は2種以上を添加してもよい。また動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、たとえば、茶エキス、アロエエキス、イチョウエキス、センブリエキス、ヨモギエキス、ニンニクエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、ヘチマエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物、海草エキス等の抽出物を併用することができる。
さらに、従来の化粧品に用いられる水溶性シリコーン誘導体、動植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、pH調整剤、香料などを必要に応じて一種乃至は2種以上を添加してもよい。
さらにエラグ酸、コウジ酸等の美白剤、パントテン酸、ビタミンA等のしわ改善剤、パントテン酸、アルギニン等の抗酸化剤、ニコチン酸アミド、センブリエキス等の血行促進剤、油溶性甘草エキス、シタンエキス等の血行促進剤、アラントイン、グリチルリチン酸塩、尿素等の抗炎症剤及び肌荒れ防止、サリチル酸等のニキビ予防剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の組成物(2)中に配合してもよい。
【0029】
【実施例】
本発明を、下記実施例によりより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
下記実施例に使用される一般式(2)の化合物は、下記の製造例1〜5に従って製造した。
【0031】
製造例 2
1,2−プロパンジオールモノヒドロキシドデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム管を備えた容量500mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン276.5g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながらこれに濃硫酸1.5g(0.015mol)をゆっくりと滴下混合した。この混合物を15分間攪拌後、この混合物に1,2−プロパンジオール228.24g(3.00mol)を添加し、その温度を80〜85℃に昇温した。その後この反応混合物を80〜85℃の温度に3時間保持して反応させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応系中に原料として含まれていた1,2−エポキシドデカンの消失を確認した後、この反応系に、粉末炭酸水素ナトリウム2.5g(0.03mol)、及び蒸留水25mlを添加し、30分間攪拌して反応液を中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のプロピレングリコールを減圧下留去後、析出している結晶を濾別し、1,2−プロパンジオールモノヒドロキシドデシルエーテル395.4g(収率99.5%)を捕集した。
【0032】
製造例 3
1,2−プロパンジオールモノヒドロキシテトラデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム管を備えた容量500mlの反応容器に、1,2−エポキシテトラデカン318.6g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながらこれに濃硫酸2.7g(0.027mol)をゆっくりと滴下し混合した。15分間攪拌後、この混合物に1,2−プロパンジオール228.24g(3.00mol)を添加し、その温度を80〜85℃昇温した。その後、この反応系を80〜85℃の温度に20時間保ち、反応させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応系中に原料として含まれていた1,2−エポキシテトラデカンの消失を確認し、この反応系中に粉末炭酸水素ナトリウム5.0g(0.06mol)及び蒸留水25mlを添加し、30分間攪拌して反応液を中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のプロピレングリコールを減圧下留去後、析出している結晶を濾別し、1,2−プロパンジオールモノヒドロキシテトラデシルエーテル432.0g(収率97.3%)を捕集した。
【0033】
製造例 4
1,3−ブタンジオールモノヒドロキシドデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム管を備えた容量200mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン36.9g(0.20mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながらこれに濃硫酸0.2g(0.002mol)をゆっくりと滴下し混合した。15分間攪拌後、この混合物に1,3−ブタンジオール54.1g(0.60mol)を添加し、その温度を80〜85℃に昇温した。その後この反応混合物を80〜85℃の温度に8時間保ち、反応させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応系中に原料として含まれていた1,2−エポキシドデカンの消失を確認し、この反応混合物に粉末炭酸水素ナトリウム0.5g(0.006mol)及び蒸留水5mlを添加し、30分間攪拌して反応液を中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応の1,3−ブタンジオールを減圧下留去後、析出している結晶を濾別し、1,3−ブタンジオールモノヒドロキシドデシルエーテル52.8g(収率98.6%)を捕集した。
【0034】
製造例 5
グリセリンモノヒドロキシドデシルエーテル(比較例)の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム管を備えた容量100mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン36.9g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながらこれに濃硫酸0.2g(0.002mol)をゆっくりと滴下し混合した。15分間攪拌後、この混合物にグリセリン55.4g(0.60mol)を添加し、その温度を80〜85℃に昇温した。その後この反応混合物を80〜85℃の温度に5時間保ち、反応させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応系中に原料として含まれていた1,2−エポキシドデカンの消失を確認し、この反応混合物に粉末炭酸水素ナトリウム0.5g(0.006mol)及び蒸留水5mlを添加し、30分間攪拌して反応液を中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のグリセリンを減圧下留去後、析出している結晶を濾別し、グリセリンモノヒドロキシドデシルエーテル55.3g(収率96.7%)を捕集した。
【0035】
試験
下記実施例及び比較例において、得られたメイククレンジング化粧料組成物のサンプルについて下記項目の試験評価を行った。
安定性試験
製造された各組成物を、ポスターカラー瓶に充填し、密閉し、25℃、40℃の恒温器中に静置して、1ヵ月後に組成物の状態を観察し、その状態を下記基準に従って評価した
○:製造直後と同一である
×:分離、沈殿等が生じた。
【0036】
使用感試験
各組成物のサンプルを、専門パネラー10名による使用試験に供した。評価手順としては、前腕部内側に油性汚れとして口紅を一定量塗布し、30分間乾燥後、供試組成物0.5gをこの上に塗り、10〜15秒間、指先で擦り、その後水洗、乾燥した。このときの油性汚れと供試組成物とのなじみ、水洗時のすすぎやすさ、油性汚れの除去具合、及び使用後のべとつき感について、表1に記載の基準に従って、かつ、後記表2に記載の比較例1の評価成績を標準2点とした5段階に相対評価を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
表1の註、総合評価は評価結果の平均点を算出し、算出された平均値が
4.5以上の場合: 非常に良好(◎)
3.5以上〜4.5未満の場合: 良好(○)
2.5以上〜3.5未満の場合: 普通(△)、
2.5未満の場合: 不良(×)
と表示した。
【0039】
実施例3〜11並びに比較例1〜7
実施例3〜11並びに比較例1〜7の各々において、表2に記載の組成物のメイククレンジング組成物(1)(実施例3〜7及び比較例1〜3)及び透明ゲル状メイククレンジング組成物(2)(実施例8〜11及び比較例4〜7)を調製した。
その試験結果を表3に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
表2の註
(注1):平均分子量:400
(注2):平均分子量:1000
(注3):ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(川研ファインケミカル社製)の固形分配合量
(注4):ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン(川研ファインケミカル社製)の固形分配合量
(注5):ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド(川研ファインケミカル社製)の固形分配合量
【0042】
【表3】
【0043】
比較例2,3の結果から明らかなように、本発明の範囲外の成分(A)及び成分(B)の混合物からなるメイククレンジング組成物は、クレンジング能力が低下するなどの不具合があり好ましくない。
また、成分(B)の代わりに類似化合物であるグリセリンモノヒドロキシドデシルエーテルを含有するクレンジング組成物(比較例1)はクレンジング能力及び使用感で本発明クレンジング組成物に及ばず、また低温安定性が低いため、25℃安定性試験の成績も不十分であった。
実施例8〜11は、本発明クレンジング組成物(1)を含有する透明ゲル状クレンジング組成物(2)であるが、クレンジング性能を落とすことなく、使用感の向上も見られ、本発明のメイククレンジング組成物の最適使用形態であることが確認された。
【0044】
実施例 12
下記組成の油状メイククレンジング組成物を調製した。
【0045】
実施例 13
下記組成の油状メイククレンジング組成物を調製した。
【0046】
実施例 14
下記組成の油状メイククレンジング組成物を調製した。
【0047】
実施例 15
下記組成の透明ゲル状メイククレンジング組成物を調製した。
全成分を混合し、80℃まで昇温して、均一溶液にした後、室温まで冷却したところ透明ゲル状組成物が得られた。本例の組成物は0℃、及び40℃における保存安定性に優れ、曳糸性がなく、適度な固さのゲル状組成物であった。またこの組成物は油性汚れの洗浄力が高く、使用後の乾燥時にも肌のツッパリ感がない優れた使用感を示した。
【0048】
実施例 16
下記組成の透明ゲル状メイククレンジング組成物を調製した。
全成分を混合し、80℃まで昇温して、均一溶液にした後、室温まで冷却したところ透明ゲル状組成物が得られた。本例の組成物は0℃及び40℃における保存安定性に優れ、曳糸性がなく、適度な固さのゲル状組成物であった。またこの組成物は油性汚れの洗浄力が高く、使用後の乾燥時にも肌のツッパリ感がない優れた使用感を示した。
【0049】
実施例 17
下記組成の透明ゲル状メイククレンジング組成物を調製した。
全成分を混合し、80℃まで昇温して、均一溶液にした後、室温まで冷却したところ、透明ゲル状組成物が得られた。本例の組成物は、0℃及び40℃における保存安定性に優れ、曳糸性がなく、適度な固さのゲル状組成物であった。またこの組成物は油性汚れの洗浄力が高く、使用後の乾燥時にも肌のツッパリ感がない優れた使用感を示した。
【0050】
【発明の効果】
本発明のメイククレンジング組成物は、メイククレンジング能力が高く、洗浄中及び洗浄後の使用感に優れたものであり、また本発明の透明ゲル状メイククレンジング組成物も、メイククレンジング能力が高く、ゲル状態の安定性が高く、曳糸性がなく、適度のゲル硬さを有し、メイククレンジング中及びその後の使用感の優れたものであり、高い実用性を有するものである。
Claims (5)
- 0.5〜20質量%の請求項1記載のメイククレンジング組成物と、
成分(C)として10質量%〜55質量%の長鎖脂肪酸塩と、及び
成分(D)として45質量%〜80質量%の水と
を含む透明ゲル状メイククレンジング組成物。 - 成分(C)として用いられる長鎖脂肪酸塩が、ラウリン酸塩とミリスチン酸塩とからなり、その質量比率が95:5〜25:75である、請求項2項に記載の透明ゲル状メイククレンジング組成物。
- 成分(C)として用いられる長鎖脂肪酸塩が、長鎖脂肪酸のトリエタノールアミン塩、及びアルギニン塩から選ばれる、請求項2又は3に記載の透明ゲル状メイククレンジング組成物。
- 成分(E)として、脂肪酸アミドアルキル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドアルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドアルキルアミンオキシドから選ばれた1種以上の界面活性剤を0.5質量%〜25質量%の割合でさらに含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の透明ゲル状メイククレンジング組成物。
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