JP2004161659A - 乳化剤組成物及びそれを含む透明自己乳化型油性化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳化剤組成物及びそれを含む透明自己乳化型油性化粧料に関するものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、優れた乳化性を有する乳化剤組成物及びそれを含み、優れた包水能力と使用感と保存安定性を有する透明自己乳化型油性化粧料に関するものである。本発明の乳化剤組成物は、従来の非イオン界面活性剤と被乳化油剤による透明自己乳化型油性化粧料に比較して、被乳化油剤の極性に依存することなく、より微細なエマルジョンを生成させる事ができる。
【0002】
【従来の技術】
自己乳化型油性化粧料は、それを水乃至温水と接触させることにより僅かな撹拌によって油性組成物が乳化され、水乃至温水を白濁させる性能を有する組成物である。
外観が透明な自己乳化型油性化粧料は、その外観が美観的に好ましく、例えば風呂の温湯と接触させることにより白濁する視覚的効果、及び油性の有効成分を容易に風呂の温湯中に乳化分散できることにより、エモリメント効果の高い入浴剤として有用である。また、自己乳化型油性化粧料組成物を乳化後、或いはそのまま身体に適用し、洗い流す事により適度な量の油剤が皮膚に残留するため、フェイシャルまたはボディーに対し、エモリメント効果及び加脂効果のあるボディリンスとして有用であり、或いは、化粧汚れに対してこれを自己乳化型油性化粧料を接触させ、それによって化粧汚れを化粧料に溶かし込み、水で洗い流す事により化粧汚れが自己乳化されるという効果を利用するクレンジング料として使用できるため有用である。
【0003】
これまでに様々な透明自己乳化型化粧料が提案されてきた。
透明自己乳化型油性化粧料は、液状油剤とそれに可溶な界面活性剤を用いて液状油剤を乳化させる方法により調製される。これにアニオン界面活性剤の一部も使用可能であるが、液状油剤との相溶性の点から非イオン性界面活性剤を選択する場合が多い。液状油剤の要求HLBに適合するように、乳化剤のHLBを調整して、油剤化粧料の組成を設定するのが一般的である。
【0004】
特開昭61−227519号公報(特許文献1)には、常温で液状であり、HLB値が8以下の親油性非イオン界面活性剤と、常温で液状であり、かつHLB値が10以上の親水性非イオン界面活性剤とによる乳化剤と、常温で液状の油分からなる自己乳化型の浴用剤が公開されている。
しかしながら、乳化される油剤の種類、特に極性の強いトリグリセライド及び合成油等を主剤として調製された油剤を用いた場合、上記乳化剤は微細な自己乳化エマルジョンを形成することができず、例えばこれを入浴剤に使用した場合、エマルジョンの合一現象が進行し、油が湯船の壁面に付着してしまうなどの欠点があった。
【0005】
特開平3−251523号公報(特許文献2)には、トリグリセライドを含有するグレープシード油を自己乳化させるのに平均HLB値が8〜14の少なくとも1種の非イオン界面活性剤を用いる技術が開示されているが、このようにすると粒径が1μを超えるエマルジョンがしばしば発生し、また後述する包水力が低く、このため乳化特性、包水力において満足できるものではなかった。このため、油の極性に依存することなく、より安定なエマルジョンを生成する乳化剤組成物の開発が望まれていた。
【0006】
また、上記先行技術には乳化剤として多種多様の非イオン界面活性剤が例示されているが、これらの物質の凝固点がそのまま自己乳化型油性化粧料の低温安定性の限界となり、−5℃程度までの安定性を求めると、実質上使用可能な非イオン界面活性剤はオレイン酸及び分枝鎖脂肪酸のソルビタンエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルの一部のみである。オレイン酸及び分枝鎖脂肪酸のソルビタンエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステル等の不飽和結合を含有する非イオン界面活性剤は、不飽和結合に由来する油臭さがあるため香粧品としての透明自己乳化型油性化粧料の品質を悪くしている。
得に温水に対してして使用する入浴剤の用途においては、上記油臭さのある化粧料に対し、多量の香料添加によるマスキングが必要であるなどの問題が有り、これらに代わる乳化剤組成物の開発が望まれていた。
【0007】
更に、従来の非イオン界面活性剤を用いて調製された透明自己乳化型油性化粧料は、油性組成物であり、この組成物中に透明に溶解できる水の量即ち包水力が3重量%程度と極めて低い。この組成物の包水力を上回った量の水が組成物に混入された場合、組成物が白濁し美観上好ましいものではなかった。そのため、組成物内に多くの水を透明に含有できる、すなわち包水力の強い透明自己乳化型組成物の開発が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−227519号公報、第1〜2頁
【特許文献2】
特開平3−251523号公報、第1〜2頁
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、油剤を乳化するに際し、油剤の極性に依存することなく、強い乳化性を示す乳化剤組成物、及びそれを含み、優れた包水能力と使用感と、保存安定性に優れた透明自己乳化型油性化粧料を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術の上記問題点に鑑み、各種非イオン界面活性剤を含む透明自己乳化型組成物について研究を続けていたところ、特定の非イオン界面活性剤を用いることにより上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち本発明の乳化組成物は、(A)下記一般式(1)及び(2):
【化2】
[但し、上記式(1)及び(2)において、R1 は8〜18個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を表し、R2 ,R3 ,R4 及びR5 は、それぞれ互いに独立に、水素原子又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。]によって、表されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の1種以上と、(B)前記一般式(1)及び(2)の化合物とは異種の非イオン性界面活性剤とを含有し、かつ、9〜14のHLB値を有するものである。
また本発明の透明自己乳化型油性化粧料は、2.0〜25質量%の上記本発明の乳化剤組成物に加えて、(C)0.1〜10質量%の水及び全量を100質量%にする量の、25℃で液体状態を保つ油性成分を含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の乳化剤組成物の必須成分(A)は一般式(1)及び(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の少なくとも1種からなるものである。
本発明の乳化剤組成物の成分(A)として使用されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルは、一般式(3)で示される1,2−エポキシ化合物と、一般式(4)で示される脂肪族ジオールを、触媒存在下、或いは無触媒の条件下で縮合反応させることにより調製することができる。
【化3】
[但し、式(3)及び式(4)中のR1 ,R2 ,R3 ,R4 及びR5 はそれぞれ前記定義の通りであり、nも前記定義の通りである。]
【0013】
前記式(3)の1,2−エポキシ化合物と、式(4)の脂肪族ジオールとの縮合反応に用いられる酸性触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体などの1種以上が用いられ、その使用量は、反応に供されるエポキシ化合物のモル量に対し、0.0001〜0.1倍モル量であることが好ましい。また上記反応用塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチウムなどの1種以上が用いられ、その使用量は、反応に供されるエポキシ化合物のモル量に対し、0.0001〜0.1倍モルであることが好ましい。
前記縮合反応は、好ましくは30〜150℃の温度において、好ましくは10分〜2日間行われる。反応圧力についての格別の制限はないが、一般に大気圧下において縮合反応が行われる。
【0014】
式(3)の1,2−エポキシ化合物は、好ましくは1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、及び1,2−エポキシオクタデカンなどから選ばれ、より好ましくは1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、及び1,2−エポキシテトラデカンから選ばれる。これらの化合物は、単独に用いられてもよく、又はその2種以上の混合物として用いられてもよい。
【0015】
一般式(4)で示される脂肪族ジオールは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及びネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類の中から選ばれることが好ましく、その1種、又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0016】
本発明の乳化剤組成物の成分(A)として用いられるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテルの好適例としては、ヒドロキシドデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル、ヒドロキシテトラデシル−1,2−プロピレングリコールエーテル、ヒドロキシドデシル−1,3−ブタンジオールエーテル、ヒドロキシドデシル−3−メチル−1,3−ブタンジオールエーテル、ヒドロキシドデシル−2−メチル−2,4−ペンタンジオールエーテルなどを挙げることができる。
【0017】
本発明の乳化剤組成物に成分(A)として含有される一般式(1)及び/又は(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物のHLB値は、そのアルキル基及び親水基の選択によって変動するが、一般に6〜10の範囲内のHLB値を有する。HLB値は、小田、寺村らの定義する有機性値及び無機性値から、次式
HLB価=Σ無機性/Σ有機性×10
によって得られる値に等しい。
【0018】
また、本発明乳化剤組成物に成分(A)として含有される一般式(1)及び/又(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物には、同一HLB値を有する他の非イオン界面活性剤に比較して、油剤への溶解性において優れているという特徴がある。式(1)及び(2)の化合物は、このように油剤への強い親和性を有しているため、他の非イオン界面活性剤と組み合わせることにより、各種油剤に対して優れた乳化作用を発揮することができる。
【0019】
本発明の乳化剤組成物において、一般式(1)及び/又は(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物からなる成分(A)に、それとは異種の非イオン性界面活性剤からなる成分(B)が配合される。成分(B)は被乳化油剤の要求HLB値に、乳化剤組成物のHLB値を適合させる目的で添加される。
一般的に化粧品に使用される非イオン性界面活性剤であれば、本発明乳化剤組成物の成分(B)として使用できる。
本発明の乳化剤組成物の成分(B)として用いられる非イオン界面活性剤は、例えばグリセリン脂肪酸エステル類、たとえばモノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル。ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、たとえばモノステアリン酸POE グリセリル、モノオレイン酸POE グリセリル。ポリグリセリン脂肪酸エステル類、たとえばモノステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル。プロピレングリコール脂肪酸エステル類、たとえばモノラウリン酸プロピレングリコール、モノミリスチン酸プロピレングリコール、モノパルミチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール。ソルビタン脂肪酸エステル類、たとえばモノラウリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、たとえばモノヤシ脂肪酸POE ソルビタン、トリステアリン酸POE ソルビタン、トリオレイン酸POE ソルビタン。ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、たとえばモノラウリン酸POE ソルビット、テトラオレイン酸POE ソルビット。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、たとえば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール。ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、たとえばPOE ラウリルエーテル、POE セチルエーテル、POE ステアリルエーテル。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、たとえばPOE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテル。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類としてはPOE ノニルフェニルエーテル、POE オクチルフェニルエーテル、POE 分鎖オクチルフェニルエーテル。ポリオキシエチレンアルキルアミン類、たとえばPOE ステアリルアミン、POE オレイルアミン。脂肪酸アルカノールアミド類、たとえばヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド。ポリオキシエチレンアルカノールアミド類、たとえばPOE ラウリン酸モノエタノールアミド、POE ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、POE 牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、アセチレングリコール、POE アセチレングリコール、POE ラノリン、POE ラノリンアルコール、POE ヒマシ油、POE 硬化ヒマシ油、POE フィトステロール、POE コレスタノール、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物などの1種以上を用いることができる。
また、一般の被乳化油剤の要求HLB値は9〜14程度である。
乳化剤組成物全体のHLB値は実測によって測定する事が好ましいが、先に述べた様に一般式(1)及び/又は(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物のHLB値は計算式で得られたHLB値に等しいので、計算値を算出して、乳化剤組成物を構成する各界面活性剤成分のHLBの加重平均を計算する事によって被乳化油剤の要求HLBと乳化剤組成物のHLBが一致するように、成分(A)と成分(B)との比率を設定することが可能である。
【0020】
さらに、優れた自己乳化力性を発揮させるために、上記成分(B)用非イオン性界面活性剤のうち、HLB値が3〜6の非イオン性界面活性剤の1種または2種以上と、HLB値が14〜16の非イオン性界面活性剤の1種または2種以上とを組み合わせて使用することがより好ましい。
【0021】
本発明の乳化剤組成物において、成分(B)中に使用されるHLB値が3〜6の非イオン性界面活性剤としては、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸POE(3)グリセリル、モノオレイン酸POE(3)グリセリル、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、POE(3)ラウリルエーテル、POE(3)セチルエーテル、POE(3)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(3)オレイルエーテルなどが挙げられるが、中でもモノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、及びPOE(3)オレイルエーテルの1種以上を用いることが特に好ましい。
【0022】
本発明の乳化剤組成物において、成分(B)中に使用されるHLB値が14〜16の非イオン性界面活性剤としては、POE(20)ラウリルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(20)イソステアリルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(30)コレステリルエーテル、POE(20)モノステアリン酸エステル、POE(20)モノイソステアリン酸エステル、POE(20)ソルビタンモノヤシ脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル、POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル、POE(20)グリセリンモノステアリン酸エステル、POE(25)グリセリンモノイソステアリン酸エステル、POE(60)グリセリントリイソステアリン酸エステル、POE(50)ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油などが挙げられるが、中でもPOE(20)オレイルエーテル、POE(20)イソステアリルエーテル、POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル、及びPOE(25)グリセリンモノイソステアリン酸エステルの1種以上を用いることが特に好ましい。
【0023】
本発明の乳化剤組成物において、成分(A)と成分(B)との配合質量比は、被乳化物である成分(D)の油性成分の要求HLBに応じて、乳化剤組成物中の成分(A)と成分(B)の比率を設定する事になる。乳化剤組成物のHLBと油性成分の要求HLBの差が1程度であれば自己乳化が行われるが、乳化剤組成物のHLBと油性成分の要求HLBが一致したとき、自己乳化後のエマルジョン径が最小になるので、成分(A)と成分(B)との配合質量比は、乳化剤組成物のHLBと油性成分の要求HLBが一致するように混合する事が好ましい。
また、乳化剤組成物中、成分(A)は5質量%以上、より好ましくは10質量%以上で構成される事が好ましい。乳化剤組成物中の成分(A)の配合比率が5質量%未満であると、本発明乳化剤組成物の特徴である、被乳化油剤の極性に依らず微細なエマルジョンを生成する効果が発現しなくなり、また他の非イオン界面活性剤の配合量が多くなるため乳化剤組成物の臭いが悪化するなどの問題が発生することがある。
【0024】
次に本発明の乳化剤組成物を用いた透明自己乳化型油性化粧料に関して詳細に述べる。
本発明に係る透明自己乳化型油性化粧料は、本発明乳化剤組成物2.0〜25質量%、好ましくは5〜20質量%、に加えて、0.1〜10質量%の水、好ましくは0.3〜8質量%、及び全量を100質量%にするに必要な量の、25℃で液体状態を保つ油性成分を含有する組成物である。
本発明の乳化剤組成物の配合量が2.0質量%未満であると、得られる化粧料の自己乳化性が不十分になり、このため一部油剤が分離することがあり、例えば、透明自己乳化型油性化粧料を入浴剤として使用する場合、分離した油剤が表面に浮く等の問題を生ずることがある。また、乳化剤組成物の配合量が25質量%を超えると、被乳化油剤に対し、乳化効果と同時に可溶化効果も発生し、例えば、その透明自己乳化型油性化粧料をボディリンス等に用いた場合、使用感が悪くなることがあり、また、それを入浴剤に用いた場合には、白濁度が少なくなる等の問題が発生することがある。
本発明の油性化粧料において、乳化剤組成物中の、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物は、液状油剤にほぼ無制限に可溶化し、極性油剤に対しても、従来より使用されている非イオン界面活性剤成分(B)により微細な自己乳化が可能となり、また、自己乳化に必要な非イオン界面活性剤の量を従来の使用量より減少させることが可能になりその結果、臭いの問題も解消することができる。ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物の作用に関しては詳細は不明であるが、油剤に無制限に溶解するという特性から予想外の高い親水性を示し、特にO/W型のエマルジョンが形成されるときに乳化助剤の様な働きをしているのではないかと推察される。
【0025】
本発明乳化剤組成物を用いた透明自己乳化型油性化粧料には、水が必須成分である。透明自己乳化型油性化粧料の水含有量が0.1質量%未満、例えば完全に無水であると、組成物が涸濁することがある。0.1〜10質量%の少量の水を加える事により油性化粧料が透明化される。
本発明乳化剤組成物を含む透明自己乳化型油性化粧料には、包水力が極めて強いという特徴がある。従来の透明自己乳化型油性化粧料に許容される水の配合量は、約3%程度であるが、本発明における水配合量としては10質量%までの配合が可能である。より好ましい水配合量は0.3〜8質量%である。水の配合量が0.1質量%未満又は10質量%を超えると、得られる化粧料において、成分が、経時的に分離を起こすなど、安定性の面で問題を生ずる。
【0026】
本発明乳化剤組成物を用いた透明自己乳化型油性化粧料において、乳化を受ける油剤は25℃で液体状態であることが必要である。このような油剤は、液体油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、合成エステル油などを包含する。
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、グレープシード油、タートル油、マカディミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ヒマワリ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、及びトリイソパルミチン酸グリセリンなどが挙げられる。
また液体炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、セレシン、スクワラン等が挙げられる。
さらに液体高級脂肪酸としては、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
【0027】
さらに液体合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、N−ラウロイル−N−メチル−・−アラニンイソプロピルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジコレステロールエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジベヘニルエステル、アジピン酸−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びクエン酸トリエチルなどが挙げられる。
【0028】
上記液体油剤から選ばれる1種または2種以上を本発明の油性化粧料に使用することができる。
本発明の油性化粧料における油剤の配合量としては、75質量%以上であることが好ましく、好ましくは77〜95質量%であり、更に好ましくは78〜90質量%である。
【0029】
本発明の乳化剤組成物を含む透明自己乳化型油性化粧料には、発明の効果を妨げない範囲で、例えば下記の添加剤が含まれていてもよい。
(a)メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤。
(b)塩化ベンザルコニウム,イソプロピルメチルフエノ−ル,レゾルシン,ジンクピリチオン,感光素101号,感光素201号,サリチル酸,サリチル酸ナトリウム,オクトピロツクス及びヒノキチオ−ル等の抗菌剤。
(c)パラアミノ安息香酸、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレ−ト等の紫外線吸収剤。
パントテン酸、アルギニン等の抗酸化剤。
(d)グリチルリチン酸、アラントイン等の抗炎症剤。
(e)カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等増粘剤。
(f)アミノ変性シリコーン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、シリコーン油などのシリコーン誘導体。
(g)エチレンジアミン四酢酸及びナトリウム塩、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等の金属封鎖剤。
茶エキス、アロエエキス、イチョウエキス、センブリエキス、ヨモギエキス、ニンニクエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、ヘチマエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物、海草エキス等の動植物抽出物。
(h)色素、香料等。
【0030】
透明自己乳化型油性化粧料に使用する本発明乳化剤における成分(A)と成分(B)の比率は前述の様に乳化を受ける成分(D)の要求HLBに応じて適宜設定することができるが、乳化剤組成物中に、成分(A)及び(B)の合計質量に対し、成分(A)が5質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは10質量%以上である。乳化剤組成物中の成分(A)の配合比率が5質量%未満であると、本発明乳化剤組成物の特徴、すなわち、被乳化油剤の極性に依らず微細なエマルジョンを生成するという効果が不十分になることがあり、また本発明の透明自己乳化型油性化粧料の包水力も不十分になるなどの問題が発生することがある。
【0031】
【実施例】
本発明を下記実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
一般式(1)及び/又は一般式(2)で示されるヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物及び比較例に使用するヒドロキシアルキルグリセリルエーテルとして、下記の製造例1〜5において製造されたものを使用した。
【0032】
製造例 1
エチレングリコールモノヒドロキシドデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備え、容量100mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン36.9g(0.20mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながら、これに濃硫酸0.4g(0.004mol)をゆっくりと滴下した。混合物を15分間攪拌後、この混合物にエチレングリコール37.2g(0.60mol)を添加して、この混合物の温度を80〜85℃に昇温した。その後3時間、反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中の、出発原料:1,2−エポキシドデカンの消失を確認した後、反応混合物に粉末炭酸水素ナトリウム1.0g(0.012mol)及び蒸留水10mlを添加し、30分間攪拌して反応混合物を中和して反応を終了させた。得られた反応混合物から、水分、及び未反応のエチレングリコールを、減圧下において留去し、その後、析出している結晶を濾別して、エチレングリコールモノヒドロキシドデシルエーテル48.3g(収率98.1%)を捕集した。
【0033】
製造例 2
1,2−プロパンジオールモノヒドロキシドデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量500mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン276.5g(1.50mol)を仕込み、これを水冷下、攪拌しながら、これに濃硫酸1.5g(0.015mol)をゆっくりと滴下した。得られた混合物を15分間攪拌後、この混合物に1,2−プロパンジオール228.24g(3.00mol)を添加し、この混合物の温度を80〜85℃に昇温した。その後3時間、この反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中の出発原料:1,2−エポキシドデカンの消失を確認した後、これに粉末炭酸水素ナトリウム2.5g(0.03mol)及び蒸留水25mlを添加し、この混合物を30分間攪拌して中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のプロピレングリコールを減圧下に留去し、、析出している結晶を濾別し、1,2−プロパンジオールモノヒドロキシドデシルエーテル395.4g(収率99.5%)を捕集した。
【0034】
製造例 3
1,2−プロパンジオールモノヒドロキシテトラデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量500mlの反応容器に、1,2−エポキシテトラデカン318.6g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながらこれに濃硫酸2.7g(0.027mol)をゆっくりと滴下した。得られた混合物を15分間攪拌後、この混合物に1,2−プロパンジオール228.24g(3.00mol)を添加し、この反応混合物の温度を80〜85℃に昇温した。その後20時間、反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物の出発原料:1,2−エポキシテトラデカンの消失を確認し、これに粉末炭酸水素ナトリウム5.0g(0.06mol)及び蒸留水25mlを添加し、反応混合物を30分間攪拌して中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から、水分、及び未反応のプロピレングリコールを、減圧下に留去した後、析出している結晶を濾別し、1,2−プロパンジオールモノヒドロキシテトラデシルエーテル432.0g(収率97.3%)を捕集した。
【0035】
製造例 4
1,3−ブタンジオールモノヒドロキシドデシルエーテルの合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量200mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン36.9g(0.20mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながら、これに濃硫酸0.2g(0.002mol)をゆっくりと滴下した。得られた混合物を15分間攪拌後、この混合物に1,3−ブタンジオール54.1g(0.60mol)を添加し、得られた反応混合液の温度を80〜85℃昇温した。その後8時間、反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中の出発原料:1,2−エポキシドデカンの消失を確認し、この反応混合物に粉末炭酸水素ナトリウム0.5g(0.006mol)及び蒸留水5mlを添加し、30分間攪拌して、反応混合物を中和し、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応の1,3−ブタンジオールを減圧下に留去した後、析出している結晶を濾別し、1,3−ブタンジオールモノヒドロキシドデシルエーテル52.8g(収率98.6%)を捕集した。
【0036】
製造例 5
グリセリンモノヒドロキシドデシルエーテルの合成(比較例用)
温度計、還流冷却器、攪拌機、蒸留装置、滴下装置、及び塩化カルシウム充填管を備えた容量100mlの反応容器に、1,2−エポキシドデカン36.9g(1.50mol)を仕込み、水冷下、攪拌しながら、これに濃硫酸0.2g(0.002mol)をゆっくりと滴下した。この混合物を15分間攪拌後、この混合物にグリセリン55.4g(0.60mol)を添加し、得られた反応混合物の温度を80〜85℃に昇温した。その後5時間、反応混合物の温度を80〜85℃に保ち、反応を進行させた。ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中の出発原料:1,2−エポキシドデカンの消失を確認した後、これに粉末炭酸水素ナトリウム0.5g(0.006mol)及び蒸留水5mlを添加し、この反応混合物を30分間攪拌して中和して、反応を終了させた。得られた反応混合物から水分、及び未反応のグリセリンを減圧下に留去した後、析出している結晶を濾別して、グリセリンモノヒドロキシドデシルエーテル55.3g(収率96.7%)を捕集した。
【0037】
下記実施例及び比較例の製品について、下記試験により性能を評価した。
安定性試験
供試組成物のサンプルをポスターカラー瓶に詰めて、密閉し、25℃、50℃の恒温器中に静置して、1ヵ月後に組成物の状態を観察してその安定性を下記の基準により評価した
○:製造直後の状態にくらべて変化無し。
×:分離、沈殿が生じた。
【0038】
乳化性試験
供試組成物のサンプル30gを、40℃、180リットルの浴湯に乳化分散させたときの乳化性(油浮き)を、下記の基準により、目視により評価した。
◎:油浮きなし
○:わずかに油浮きあり
△:油浮きあり
×:油浮き著しくあり
【0039】
乳化粒子評価
上記乳化性試験に使用したサンプルを顕微鏡で観察して下記の基準により評価した
○:平均粒径が1μより小さい
△:平均粒径が1μ〜10μ
×:粒径が10μ以上のものが検出される
【0040】
クレンジング性試験
供試組成物のクレンジング効果、及び使用感について、パネラー10名による実用試験を行った。クレンジング効果については、油汚れとのなじみやすさ、汚れ落ち効果、使用感については塗布時の肌への伸び、水での洗い流しやすさ、使用後の肌の感触について表1に示す基準により官能評価を行った。
尚、透明自己乳化型油性化粧料組成物における水の添加量は、比較例2,3,4を除き、まず5.0重量%の加水設定を行い。安定性を保てない場合は、その配合系における上限にほぼ近い値になる様に調整した。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、評価は表2に記載の比較例1のサンプルを標準3点とする5段階の相対評価により行い、評価結果の平均点を算出し、算出された平均値が
4.5 以上の場合:非常に良好(◎)
4.5〜3.5の場合:良好(○)
3.5〜2.5の場合:普通(△)、
2.5 未満の場合:不良(×)
と表記した。
【0043】
実施例1〜8
実施例1〜8の各々において、表2に示された成分(A):一般式(1)又は(2)のヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物、成分(B):非イオン性界面活性剤、成分(C):水、成分(D):油性成分、及び添加剤を、表2に記載の添加量で混合して、自己乳化型油性化粧料を調製した。その試験結果も表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
〔註〕
註1:商標:ハイコール K−230(カネダ社製)
註2:商標:テルコール(川研ファインケミカル社製)
註3:商標:レオドール SP−O10(花王社製)
註4:商標:レオドール TW−O120(花王社製)
【0046】
実施例9〜15
実施例9〜15の各々において、実施例1と同様にして自己乳化型油性化粧料を調製した。但し、配合成分及びその配合量を表3に記載のように変更した。
試験結果も表3に記す。
【0047】
【表3】
【0048】
比較例1〜7
比較例1〜7の各々において、実施例1と同様にして自己乳化型油性化粧料を調製した。但し、配合成分及びその配合量を表4に記載のように変更した。
試験結果も表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
表2、3及び4から明らかなように、本発明に係る透明自己乳化型油性化粧料は、安定性・使用感に優れ、被乳化油剤が、流動パラフィンの場合も、また、極性の強い油剤であるオクタン酸セチルの場合においても、優れた自己乳化能力を発揮することが確認された。更に、本発明に係る透明自己乳化型油性化粧料は、優れた包水力を有し、従来の透明自己乳化型油性化粧料(例えば比較例1:包水力=2.5重量%)では達成し得なかった5重量%という大量の水を透明に抱え込むことができることが確認された。
本発明透明自己乳化型油性化粧料は、水が配合されていることを必須要件とするものであるが、表4の比較例2から明らかなように、水が未配合の場合は、自己乳化は可能であるが、その安定性は著しく不良で透明自己乳化型油性化粧料自体が分離してしまうなどの問題が発生する。
更に本発明の範囲を超えて大量に水を配合すると(比較例3)、得られる自己乳化型油性化粧料自体が分離してしまうなどの問題が発生する。
また、一般式(1)及び(2)以外のヒドロキシヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物として製造例5のヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物を用いると(比較例5〜7)、それには、油性化粧料の包水力を上昇させる性能に乏しく、自己乳化液滴の滴径が本発明の一般式(1)及び/または(2)の化合物とは異種のヒドロキシヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物を添加した場合に比較して大きく、乳化性能向上効果が小さかった。
【0051】
実施例16
下記組成の油性洗顔料組成物を調製した。
アボガド油 9.0%
オクタン酸セチル 1.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 3.0%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 7.0%
製造例2の化合物 5.0%
精製水 3.5%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた油性洗顔料組成物は、塗布時の肌へのなじみがよく、クレンジング力も良好で、水での洗い流し時にすばやく乳化し、洗い流され、使用後のべとつきはないが、すべすべとした感触が残り、優れた使用感を示した。
【0052】
実施例17
下記組成の油性洗顔料組成物を調製した。
アボガド油 9.0%
オクタン酸セチル 1.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 1.0%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 6.0%
製造例3の化合物 7.0%
精製水 3.5%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた油性洗顔料組成物は、塗布時の肌へのなじみが良く、クレンジング力も良好で、水での洗い流し時にすばやく乳化し、洗い流され、使用後のべとつきはないが、すべすべとした感触が残り、優れた使用感を示した。
【0053】
実施例18
下記組成の油性洗顔料組成物を調製した。
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 15.0%
オクタン酸セチル 12.5%
イソノナン酸イソノニル 10.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 2.0%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 4.7%
製造例2の化合物 3.3%
精製水 2.5%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた油性洗顔料組成物は塗布時の肌へのなじみが良く、クレンジング力も良好で、水での洗い流し時にすばやく乳化し、洗い流され、使用後のべとつきはないが、すべすべとした感触が残り、優れた使用感を示した。
【0054】
実施例19
下記組成の油性洗顔料組成物を調製した。
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 15.0%
オクタン酸セチル 12.5%
イソノナン酸イソノニル 7.5%
1,3−ブチレングリコール 2.5%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 2.0%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 4.7%
製造例4の化合物 3.3%
精製水 2.5%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた油性洗顔料組成物は塗布時の肌へのなじみが良く、クレンジング力も良好で、水での洗い流し時にすばやく乳化し、洗い流され、使用後のべとつきはないが、すべすべとした感触が残り、優れた使用感を示した。
【0055】
実施例20
下記組成の油性洗顔料組成物を調製した。
マカディミアナッツ油 9.0%
スクワラン 4.0%
2−エチルヘキサン酸セチル 3.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 1.5%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 6.0%
製造例2の化合物 7.5%
精製水 3.0%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた油性洗顔料組成物は、塗布時の肌へのなじみが良く、クレンジング力も良好で、水での洗い流し時にすばやく乳化し、洗い流され、使用後のべとつきはないがしっとりとした感触を与え、優れた使用感を示した。
【0056】
実施例21
下記組成の油性洗顔料組成物を調製した。
2−エチルヘキサン酸セチル 42.0%
オリーブ油 10.0%
スクワラン 10.0%
ミリスチン酸イソプロピル 3.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 2.5%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 5.8%
製造例2の化合物 4.2%
精製水 2.4%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた油性洗顔料組成物は塗布時の肌へのなじみが良く、クレンジング力も良好で、水での洗い流し時にすばやく乳化し、洗い流され、使用後のべとつきはないがしっとりとした感触を与え、優れた使用感を示した。
【0057】
実施例22
下記組成の入浴剤組成物を調製した。
ヒマワリ油 9.0%
グレープシード油 4.0%
オクタン酸セチル 1.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 1.5%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 6.0%
製造例2の化合物 7.5%
精製水 3.5%
カミツレエキス 0.1%
天然ビタミンE 0.1%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた入浴剤組成物は、浴湯への添加時の乳化性、乳化安定性に優れるもので、湯上がり後の肌にべとつき感はなく、すべすべとした感触を与え、優れた使用感を示した。
【0058】
実施例23
下記組成の入浴剤組成物を調製した。
ヒマワリ油 9.0%
グレープシード油 4.0%
オクタン酸セチル 1.0%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 1.3%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 6.2%
製造例4の化合物 7.5%
精製水 3.0%
カミツレエキス 0.1%
天然ビタミンE 0.1%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた入浴剤組成物は、浴湯への添加時の乳化性、乳化安定性に優れるもので、湯上がり後の肌にべとつき感はなく、すべすべとした感触を与え、優れた使用感を示した。
【0059】
実施例24
下記組成の入浴剤組成物を調製した。
オリーブ油 9.0%
サフラワー油 3.0%
2−エチルヘキサン酸セチル 1.5%
液状ラノリン 1.5%
ソルビタンモノオレイン酸エステル(HLB:4.3) 1.5%
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸
エステル(HLB:15.0) 6.0%
製造例2の化合物 7.5%
精製水 3.5%
酢酸トコフェロール 0.5%
モモノハエキス 0.1%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1%
香料 適量
流動パラフィン 全量を100%とする量
得られた入浴剤組成物は、浴湯への添加時の乳化性、乳化安定性に優れるもので、湯上がり後の肌にべとつき感はなく、しっとりとした感触を与え、優れた使用感を示した。
【0060】
【発明の効果】
本発明の乳化剤組成物は、油性物質に対して、その極性に依存することなく、強い乳化性を付与し、それを含む本発明の透明自己乳化型油性化粧料は、高い包水力を有し、使用感及び使用後感にすぐれたものであって、いずれも高い実用性を有するものである。
Claims (2)
- 2.0〜25質量%の請求項1記載の乳化剤組成物に加えて、(C)0.1〜10質量%の水、及び(D)全量を100質量%にする量の、25℃で液体状態を保つ油性成分を含む透明自己乳化型油性化粧料。
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