JP3449533B2 - 消臭剤組成物 - Google Patents

消臭剤組成物

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    • A61L9/00—Disinfection, sterilisation or deodorisation of air
    • A61L9/01—Deodorant compositions

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、獣臭の消臭効果に
優れ、良好な使用感が得られる消臭剤組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来提
案されている消臭剤は、その適用部位が局所的であった
り或いは特定の物質に対する消臭効果しかないものが多
い。従って、人体の腋臭、足臭、毛髪臭、獣臭等、臭い
の発生源となる物質が種々異なる場合にも効果的な消臭
作用を有する消臭剤に対する要望が高まっている。特
に、犬等の動物の獣臭は臭気が強いことから、これをペ
ットとして家庭内で飼育する場合には、その消臭は避け
られない。しかし、シャンプーによる水洗いでの消臭は
手間がかかり頻繁には行えないことから、これに代わる
簡便に消臭可能な消臭剤が要望されている。
【０００３】従って、本発明は、獣臭の消臭効果に優れ
た消臭剤組成物を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の量
の水溶性金属塩、非イオン界面活性剤及びシリコーンオ
イルをそれぞれ配合してなる水系の消臭剤組成物により
上記目的が達成されることを知見した。
【０００５】即ち本発明は、水溶性金属塩０．０３〜５
重量％、非イオン界面活性剤０．０１〜５重量％、シリ
コーンオイル０．１〜１０重量％及び水残部からなる獣
臭用の消臭剤組成物であって、 前記水溶性金属塩が塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化カルシウム又は
炭酸マグネシウムである消臭剤組成物を提供することに
より上記目的を達成したものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の消臭剤組成物で用いられ
る上記金属塩〔以下、(a) 成分ともいう〕としては塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化カルシウム又は
炭酸マグネシウムが用いられる。上記金属塩は１種以上
を用いることができる。上記金属塩は水溶性であり、好
ましくは２５℃における溶解度が０．１ｇ／（１００ｇ
水）以上である。
【０００７】
【０００８】
【０００９】上記金属塩は本発明の消臭剤組成物中に
０．０３〜５重量％配合され、０．１〜３重量％、特に
０．３〜１重量％配合されることが好ましい。上記金属
塩の配合量が０．０３重量％未満であると消臭効果が得
られず、５重量％超であると、乾燥後結晶が多く析出
し、いわゆる粉がふいたような状態となってしまう。
【００１０】上記非イオン界面活性剤〔以下、(b) 成分
ともいう〕としては、人体及び動物に対する安全性の高
いものが用いられ、特に脂肪酸エステル型非イオン界面
活性剤、ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤、
アルキルアルカノールアミド型非イオン界面活性剤又は
アルキルグルコシド型非イオン界面活性剤が好ましく用
いられる。これらの界面活性剤は本発明の消臭剤組成物
中に０．０１〜５重量％配合され、０．０３〜３重量
％、特に０．０４〜０．５重量％配合されることが好ま
しい。上記非イオン界面活性剤の配合量が０．０１重量
％未満であると皮脂等を乳化させる能力が不足し、(a)
成分が臭気物質と結合できず、結果として消臭効果が減
少することとなってしまい、５重量％超であると乾燥後
残留した界面活性剤がベタつきの原因となってしまう。
上記非イオン界面活性剤は１種以上を用いることができ
る。
【００１１】上記脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤
としては多価アルコールと脂肪酸とのエステルが用いら
れる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール及び１，４−ブチレングリコール
等のアルキレングリコール、グリセリン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、ソルビタン並びにショ糖等が
挙げられる。一方、脂肪酸としては、炭素数８〜１８の
ものが挙げられ、その具体例にはラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等が
ある。
【００１２】上記脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤
の好ましい具体例としてはモノオレイン酸グリセリン、
モノオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、
モノオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタ
ン等が挙げられる。
【００１３】上記ポリオキシアルキレン型非イオン界面
活性剤は、分子中にポリオキシアルキレン鎖を有する非
イオン界面活性剤であり、ポリオキシアルキレン鎖を構
成するオキシアルキレン基としてはオキシエチレン基、
オキシプロピレン基及びこれらの基の組み合わせ等が挙
げられ、オキシエチレン基が特に好ましい。上記ポリオ
キシアルキレン型非イオン界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のポリ
アルキレングリコール；ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
ソルビット、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及
びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリアルキレン
グリコールと脂肪酸多価アルコールエステルとのエーテ
ル；ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリアル
キレングリコールと脂肪族アルコールとのエーテル；ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリア
ルキレングリコールと芳香族アルコールとのエーテル等
が用いられる。
【００１４】上記ポリオキシアルキレン型非イオン界面
活性剤の好ましい具体例としては、ポリオキシエチレン
ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエ
チレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及
びモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げら
れる。
【００１５】上記アルキルアルカノールアミド型非イオ
ン界面活性剤としては、一般式RCON[(CH2)n -OH]2 で表
される化合物が用いられる。式中、R はアルキル基を示
し、その炭素数は８〜１８、特に８〜１４であることが
好ましい。n はアルカノール基の炭素数を示し、特に２
〜４であることが好ましい。
【００１６】上記アルキルアルカノールアミド型非イオ
ン界面活性剤の好ましい具体例としては、パーム核油脂
肪酸ジエタノールアミドが挙げられる。
【００１７】上記アルキルグルコシド型非イオン界面活
性剤としては、R'(OR") X OGY で表されるものが用いら
れる。式中、R'は直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキルフェニル基又はそれらの混合物を表
し、不飽和結合を１個有するアルケニル基が好ましい。
また、これらの炭素数は８〜１８、特に８〜１２である
ことが好ましい。R"はアルキレン基を示し、その炭素数
は２〜４であることが好ましい。G は還元糖に由来する
残基を示す。X は平均０〜１０の数であることが好まし
く、Y は平均１〜１０の数であることが好ましい。
【００１８】上記アルキルグルコシド型非イオン界面活
性剤の好ましい具体例としては、ラウリルグルコース、
オレイルグルコース及びヤシ脂肪酸グルコース等が挙げ
られる。
【００１９】上記シリコーンオイル〔以下、(c) 成分と
もいう〕としては、ポリシロキサン等が用いられる。ポ
リシロキサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサ
ン及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げら
れる。また、各種変性シリコーンオイル、例えばフッ化
変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、
エポキシ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコ
ーンオイル及びアルキル変性シリコーンオイル等を用い
ることもできるが、人体や動物への安全性の点から未変
性シリコーンオイルを用いることが好ましい。上記シリ
コーンオイルは１種以上を用いることができる。
【００２０】上記シリコーンオイルとしてポリシロキサ
ンが用いられる場合、その重合度は３０〜２００００、
特に８０〜３０００であることが、消臭剤組成物を製造
するときやそれを使用するときに低粘度で取り扱い易
く、且つ皮膚や被毛にさらさらした感覚を与える点から
好ましい。
【００２１】上記シリコーンオイルは、本発明の消臭剤
組成物中に０．１〜１０重量％配合され、０．２〜５重
量％、特に０．５〜３重量％配合されることが好まし
い。上記シリコーンオイルの配合量が０．１重量％未満
であると皮膚や被毛等において、さらさらした感覚が得
られなくなってしまい、１０重量％超であるとべたつき
が生じ、又、乾燥に時間がかかることとなってしまう。
【００２２】上記(a) 成分、(b) 成分及び(c) 成分の配
合量は上述の通りであるが、各成分間の好ましい重量比
は、(a) 成分／(b) 成分＝０．０６〜５０、特に１〜１
０であり、(a) 成分／(c) 成分＝０．００３〜５０、特
に０．０１〜０．１であることが低粘度で安定性を保つ
ことができる点から好ましい。
【００２３】本発明の消臭剤組成物は上記の(a) 成分〜
(c) 成分が上述の配合量で配合されてなり、残部が水か
らなる水系の組成物である。
【００２４】本発明の消臭剤組成物には、上記の成分に
加え必要に応じてパラペン類等の防腐剤、エタノール等
の低級アルコール類、香料及び緩衝剤等を配合すること
もできる。これらの成分は、消臭剤組成物中にそれぞれ
０．０１〜１０重量％、特に０．０３〜５重量％配合さ
れることが、当該成分の作用が必要十分に発揮される点
で好ましい。
【００２５】本発明の消臭剤組成物は、獣臭の消臭に用
いられる。犬等の動物の獣臭は臭気が強いことが知られ
ているが、本発明の消臭剤組成物は斯かる獣臭の消臭に
極めて高い効果を発揮する。
【００２６】本発明の消臭剤組成物は、これを消臭した
い部位に適量ふりかけ、手若しくはブラシ等の治具を用
いて当該部位によく馴染ませ、自然乾燥させるか、又は
本発明の消臭剤組成物をブラシに適量ふりかけ、そのブ
ラシを用いて消臭したい部位をブラッシングし、自然乾
燥させるだけで消臭効果が発揮される。更に、当該部位
にさらさら感が付与される。本発明の消臭剤組成物を獣
毛の消臭に用いた場合には、毛の櫛通りが良好となる。
従って、本発明の消臭剤組成物は、拭き取り不要な消臭
シャンプー組成物としても好適に用いられる。
【００２７】本発明の消臭剤組成物は、２０℃における
粘度が１〜５０ｍＰａ・ｓ、特に１〜５ｍＰａ・ｓであ
ることが、トリガースプレー等を用いた場合、良好な噴
霧状態となり使用する上で取り扱い易いので好ましい。
上記粘度は、ＢＬアダプターを用いたＢ型粘度計によっ
て６０ｒｐｍの条件で測定される。
【００２８】本発明の消臭剤組成物は、そのｐＨの値に
特に制限はないが、一般に４〜７とすることが動物への
安全性の点から好ましい。ｐＨ調整剤としては、リン
酸、乳酸及びクエン酸等が用いられる。
【００２９】〔実施例１〜６並びに比較例１〜４〕表１
に示す成分を同表に示す配合量で配合することにより水
系の組成物を得た。得られた組成物について、下記の方
法で消臭効果、使用感（さらさら感及び櫛通り）並びに
乾燥特性を評価したその結果を表１に示す。
【００３０】＜消臭効果＞犬死毛０．３ｇに上記組成物
１ｇを滴下してよく馴染ませ、自然乾燥させた後にパネ
ラー１０人による官能評価を行った。評価基準は下記の
通りである。 ◎・・１０人のパネラーによる評価の平均点が３ポイン
トを超える。 ○・・１０人のパネラーによる評価の平均点が２ポイン
トを超え、３ポイント以下である。 △・・１０人のパネラーによる評価の平均点が１ポイン
トを超え、２ポイント以下である。 ×・・１０人のパネラーによる評価の平均点が１ポイン
ト以下である。 （ポイント）各パネラーに以下の基準でポイントをつけ
させた。 ４；臭いがない。 ３；かすかな臭いである。 ２；楽に感知できる臭いである。 １；強い臭いである。 ０；非常に強い臭いである。
【００３１】＜使用感＞さらさら感 １ｃｍ×４ｃｍの犬皮革を上記組成物中に浸漬させた
後、引き上げて自然乾燥させた後にパネラー１０人によ
る官能評価を行った。評価基準は下記の通りである。 ◎・・１０人のパネラーによる評価の平均点が３ポイン
トを超える。 ○・・１０人のパネラーによる評価の平均点が２ポイン
トを超え、３ポイント以下である。 △・・１０人のパネラーによる評価の平均点が１ポイン
トを超え、２ポイント以下である。 ×・・１０人のパネラーによる評価の平均点が１ポイン
ト以下である。 （ポイント）各パネラーに以下の基準でポイントをつけ
させた。 ４；処理後、非常に良好なさらさら感がある。 ３；処理後、良好なさらさら感がある。 ２；処理後、明らかなさらさら感がある。 １；処理後、わずかなさらさら感がある。 ０；処理前後でさらさら感に全く変化がない。櫛通り 上記のさらさら感の評価と同時に、チャンピオン犬具
（株）製の分け櫛（＃１２）を用いて犬皮革を梳くこと
により、パネラー１０人による官能評価を行った。評価
基準は下記の通りである。 ◎・・１０人のパネラーによる評価の平均点が３ポイン
トを超える。 ○・・１０人のパネラーによる評価の平均点が２ポイン
トを超え、３ポイント以下である。 △・・１０人のパネラーによる評価の平均点が１ポイン
トを超え、２ポイント以下である。 ×・・１０人のパネラーによる評価の平均点が１ポイン
ト以下である。 （ポイント）各パネラーに以下の基準でポイントをつけ
させた。 ４；処理後、劇的に改善された。 ３；処理後、かなり改善された。 ２；処理後、明らかに改善された。 １；処理後、わずかに改善された。 ０；処理前後で全く変化がない。
【００３２】＜乾燥特性＞上記のさらさら感の評価にお
いて組成物中から引き上げた後に自然乾燥する迄の時間
を下記の基準で比較した。温度及び湿度はそれぞれ２５
℃及び６５％である。 ◎・・３時間未満で乾燥する。 ○・・３時間以上４時間未満で乾燥する。 △・・４時間以上５時間未満で乾燥する。 ×・・５時間以上乾燥しない。
【００３３】
【表１】
【００３４】表１に示す結果から明らかなように、実施
例の組成物（本発明品）によれば、比較例の組成物に比
して消臭効果が高く、しかも使用後のさらさら感や櫛通
りが良好になることが判る。
【発明の効果】本発明によれば、獣臭の消臭効果に優
れ、良好な使用感が得られる消臭剤組成物が得られる。
また、本発明の消臭剤組成物は、臭気が強い獣臭の消臭
に極めて高い効果を発揮する。特に、本発明の消臭剤組
成物は、獣毛の消臭に用いられる拭き取り不要な消臭シ
ャンプー組成物としても有用である。
フロントページの続き (72)発明者 伊勢村 正子 東京都墨田区文花２−１−３ 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平７−304642（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−183943（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−158139（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−316514（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−159204（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−240579（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−39010（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−3911（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−212315（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 7/30 - 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 水溶性金属塩０．０３〜５重量％、非イ
    オン界面活性剤０．０１〜５重量％、シリコーンオイル
    ０．１〜１０重量％及び水残部からなる獣臭用の消臭剤
    組成物であって、 前記水溶性金属塩が塩化カルシウム、塩化マグネシウ
    ム、水酸化カルシウム又は炭酸マグネシウムである消臭
    剤組成物 。
  2. 【請求項２】 上記非イオン界面活性剤が、脂肪酸エス
    テル型非イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレン型非
    イオン界面活性剤、アルキルアルカノールアミド型非イ
    オン界面活性剤又はアルキルグルコシド型非イオン界面
    活性剤である請求項１記載の消臭剤組成物。
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