JP6726175B2 - ビスフェノール類の製造方法、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒とその製造方法及びその再生方法 - Google Patents

ビスフェノール類の製造方法、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒とその製造方法及びその再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いたビスフェノール類の製造方法に関する。また、本発明は、新規なジルコニウム−リン複合固体酸触媒とその製造方法およびその再生方法に関する。
ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールC(2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)等のビスフェノール類は、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂等の原料;樹脂添加剤;接着剤;感熱紙用顕色剤;抗酸化剤;重合禁止剤等の幅広い分野において、幅広く用いられている。
ビスフェノール類は、一般的に、酸性触媒の存在下で、カルボニル化合物とフェノール化合物との縮合反応により製造されている。ビスフェノール類の製造方法としては、具体的には、酸性触媒としてスルホン酸等の酸性基を有する陽イオン交換樹脂を用いる方法が知られている。また、該縮合反応において、助触媒として含イオウ化合物を用いることも知られている(特許文献1参照)。
また、ビスフェノール類を、メルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸及び/又はメルカプト基を有する含窒素化合物で修飾したヘテロポリ酸塩の存在下に、カルボニル化合物とフェノール類とを反応させることにより製造する方法も知られている(特許文献2参照)。
国際公開第2010/084929号 日本国特開2008−120791号公報
しかしながら、上記イオン交換樹脂は、使用後の触媒を再利用することができないため、触媒のランニングコストが比較的に高く、触媒廃棄コストがかかるという問題点があった。
上記ヘテロポリ酸触媒については、使用後の触媒の再利用は可能である。しかしながら反応収率が低い上に、触媒の一部が反応中に溶解してしまうため、使用後の触媒の回収・再利用が困難であった。
本発明は、かかる背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ビスフェノール類を高転化率で高選択率に製造する方法を提供すると共に、このビスフェノール類の製造に好適で再利用可能な新規触媒を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために、種々の固体酸触媒について検討を行った。その結果、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下(1)〜(15)に存する。
(1)カルボニル化合物とフェノール化合物を、固体酸触媒存在下に接触させる工程を含むビスフェノール類の製造方法であって、前記固体酸触媒がジルコニウム−リン複合固体酸触媒であることを特徴とする、ビスフェノール類の製造方法。
(2)前記接触を30℃以上、150℃以下で行なう、上記(1)に記載のビスフェノール類の製造方法。
(3)前記接触を含イオウ化合物の存在下で行なう、上記(1)又は(2)に記載のビスフェノール類の製造方法。
(4)前記カルボニル化合物がアセトンである、上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のビスフェノール類の製造方法。
(5)前記フェノール化合物がフェノールである、上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のビスフェノール類の製造方法。
(6)前記フェノール化合物がクレゾールである、上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のビスフェノール類の製造方法。
(7)カルボニル化合物とフェノール化合物との反応によるビスフェノール類の製造に用いる固体酸触媒であって、ジルコニウム−リン複合固体酸であることを特徴とする、固体酸触媒。
(8)ZrP型の結晶構造を有し、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)による酸強度が80μmol/g以上、1200μmol/g以下であることを特徴とする、上記(7)に記載の固体酸触媒。
(9)BET比表面積が30m/g以上、200m/g以下である、上記(7)又は(8)に記載の固体酸触媒。
(10)カルボニル化合物とフェノール化合物とを、固体酸触媒に接触させる工程を含むビスフェノール類の製造方法であって、前記固体酸触媒が上記(7)〜(9)の何れか1つに記載の固体酸触媒であることを特徴とする、ビスフェノール類の製造方法。
(11)上記(7)〜(9)の何れか1つに記載の固体酸触媒の製造方法であって、リン酸ジルコニウムを550℃以上、900℃以下で加熱する工程を含む、固体酸触媒の製造方法。
(12)前記加熱する工程を、有機構造規定剤の存在下で行なう、上記(11)に記載の固体酸触媒の製造方法。
(13)前記リン酸ジルコニウムが、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させて得られるものである、上記(11)又は(12)に記載の固体酸触媒の製造方法。
(14)カルボニル化合物とフェノール化合物との反応によるビスフェノール類の製造に用いる固体酸触媒の再生方法であって、前記固体酸触媒がジルコニウム−リン複合固体酸触媒であり、前記製造に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒を550℃以上、900℃未満で加熱する工程を含むことを特徴とする、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒の再生方法。
(15)カルボニル化合物とフェノール化合物を、固体酸触媒に接触させることを含むビスフェノール類の製造方法であって、前記固体酸触媒が上記(14)に記載のジルコニウム−リン複合固体酸触媒の再生方法により再生された触媒である、ビスフェノール類の製造方法。
本発明によれば、ビスフェノール類を高転化率で高選択率に製造することができる。また、このビスフェノール類の製造に用いた触媒は再利用できることから、触媒のランニングコストを低く抑えられる上に、触媒廃棄コストがかからず、安価に効率良くビスフェノール類を製造することができる。
図1は実施例1で得られた固体酸触媒の粉末X線回折装置で測定したX線回折図である。 図2は参考例5で得られた固体酸触媒の粉末X線回折装置で測定したX線回折図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
(ビスフェノール類の製造方法)
本発明のビスフェノール類の製造方法は、カルボニル化合物とフェノール化合物を、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒に接触させる工程を含む。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、カルボニル化合物とフェノール化合物との反応により、ビスフェノール類を製造する。本発明のビスフェノール類の製造方法は、工業的には、カルボニル化合物とフェノール化合物との反応を連続的に行うことが好ましい。
本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるカルボニル化合物としては、例えば、ケトン類およびアルデヒド類等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
ケトン類としては、アルキル基を有する飽和脂肪酸ケトン、芳香族ケトン、不飽和ケトン、脂環式ケトンおよびハロゲンで置換されたケトンが好ましい。アルキル基を有する飽和脂肪酸ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトンおよびメチルイソブチルケトン等が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、例えば、フェニルメチルケトンおよびベンゾフェノン等が挙げられる。不飽和ケトンとしては、例えば、メシチルオキシド等が挙げられる。脂環式ケトンとしては、例えば、シクロヘキサノン、シクロドデカノンおよび炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するシクロヘキサノン(例えば、4−n−プロピルシクロヘキサノン)等が挙げられる。
ハロゲンで置換されたケトンとしては、例えば、ヘキサフルオロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトンおよびメチルペンタフルオロフェニルケトン等が挙げられる。上記ケトン類が有する炭素数は、3以上であることが好ましい。また、20以下であることが好ましく、10以下であることが更に好ましく、6以下であることが特に好ましい。また、ケトン類としては、アセトンが最も好ましい。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、カプリルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ラウリルアルデヒド、トリデシルアルデヒドおよびシクロヘキシルアルデヒド等の炭素数1〜20程度のアルデヒド類等が挙げられる。
上記のカルボニル化合物のうち、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるカルボニル化合物としては、ホルムアルデヒド及びアセトンが特に好ましく、アセトンが最も好ましい。
なお、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるカルボニル化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるフェノール化合物としては、例えば、無置換のフェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,6−トリメチルフェノールおよび2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノール;イソプロペニルフェノール;o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、2,5−ジクロロフェノールおよび2,6−ジクロロフェノール等のハロゲンで置換されたフェノール;2−フェニルフェノール等のアリール基で置換されたフェノール等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるフェノール化合物が置換基を有する場合、置換されている箇所は一箇所でも複数箇所でもよい。
これらの中でも、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるフェノール化合物としては、フェノール、イソプロペニルフェノールおよびクレゾールが好ましく、フェノールおよびクレゾールが更に好ましく、フェノールが特に好ましい。なお、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるフェノール化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂等の原料として有用なビスフェノールAを得る観点からは、フェノール化合物としてフェノールを使用し、カルボニル化合物としてアセトンを使用することが特に好ましい。また、カルボニル化合物とフェノール化合物との縮合反応で副生するイソプロペニルフェノールを用いることも同様に好ましい。
難燃性に優れ、表面硬度が高いポリカーボネート樹脂等の原料として有用なビスフェノールCを得る観点からは、フェノール化合物としてクレゾールを使用し、カルボニル化合物としてアセトンを使用することが特に好ましい。
カルボニル化合物としてアセトンを用いる場合、通常入手できる市販の工業用アセトンを使用することができる。一般的には純度99.0重量%以上のものが入手可能である。また、蒸留精製したアセトン、キュメン法フェノールプロセスにおける蒸留塔底液から得られる粗アセトン等も使用可能である。
フェノール化合物としてフェノールを用いる場合についても、通常入手できる市販の工業用アセトンを使用することができる。一般的に、純度98重量%以上のものが入手可能である。また、クメン法により得られるフェノール、トルエン酸化法等により得られるフェノール等も使用可能である。
なお、これらの原料は、必要に応じて、蒸留等の精製処理を行ったものを用いてもよい。フェノール化合物としてクレゾールを用いる場合についても、通常入手できる市販の工業用クレゾールを使用することができる。
本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるカルボニル化合物とフェノール化合物とのモル比は、特に限定されない。フェノール化合物が多い方が副生物の生成が起こり難く、選択率が高くなりやすい観点からは好ましい。また、一方で、フェノール化合物が少ない方が、未反応フェノールが少なくなりやすい観点からは好ましい。
そこで、具体的には、カルボニル化合物1モルに対して、フェノール化合物2モル以上が好ましく、4モル以上が更に好ましい。また、カルボニル化合物1モルに対して、フェノール化合物20モル以下が好ましく、15モル以下が更に好ましい。
本発明のビスフェノール類の製造方法は、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いる。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、カルボニル化合物とフェノール化合物を、固体酸触媒に接触させる工程を含む。そして、この固体酸触媒がジルコニウム−リン複合固体酸触媒であることを特徴とする。本発明のビスフェノール類の製造方法に特に好適なジルコニウム−リン複合固体酸触媒については後述する。
本発明のビスフェノール類の製造方法により、ビスフェノールAを製造する場合、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンやDianin化合物(2,2,4−トリメチル−3,4−ジヒドロ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−1−ベンゾピラン)等の副生が抑制され、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以降において、「4,4’−BPA」とも表す。)を高転化率且つ高選択率で製造することができる。
また、本発明のビスフェノール類の製造方法により、ビスフェノールCを製造する場合、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、2−(3−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の副生が抑制され、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以降において、「4,4’−BPC」とも表す)を高転化率且つ高選択率で製造することができる。
本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるジルコニウム−リン複合固体酸触媒の量は、有効触媒量であれば特に限定されない。本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるジルコニウム−リン複合固体酸触媒の量は、使用する原料や反応条件等に応じて適宜設定すればよい。
なお、本明細書において、有効触媒量とは、カルボニル化合物とフェノール化合物から所望するビスフェノール類を製造することができる量を意味する。例えば、アセトンとフェノールからビスフェノールAを製造する場合、または、アセトンとクレゾールからビスフェノールCを製造する場合、アセトン1gに対して、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を0.1g以上用いることが好ましく、0.5g以上用いることが更に好ましく、1.0g以上用いることが特に好ましい。また、一方で、アセトン1gに対して、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を10g以下用いることが好ましく、5g以下用いることが更に好ましく、2.5g以下用いることが特に好ましい。
カルボニル化合物とフェノール化合物の反応は、通常、縮合反応である。カルボニル化合物とフェノール化合物の反応は、含イオウ化合物の存在下で行なうことが好ましい。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、固体酸触媒及び含イオウ化合物に接触させる工程を含むことが好ましい。本発明のビスフェノール類の製造方法は、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒に、助触媒として含イオウ化合物を併用することにより、触媒活性を向上させることができる。
含イオウ化合物は、メルカプト基(SH基)を1個以上有する有機化合物が好ましい。具体的には、例えば、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンおよびシクロヘキシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;メルカプトプロピオン酸およびメルカプト酢酸等のメルカプトカルボン酸類;メルカプトエタノールおよびメルカプトブタノール等のメルカプトアルコール類;メルカプトピリジン、メルカプトニコチン酸、メルカプトピリジノオキサイドおよびメルカプトピリジノール等のメルカプトピリジン類;チオフェノールおよびチオクレゾール等のチオフェノール類などが挙げられるが、これらに特に限定されない。
これらの中でも、アルキルメルカプタン類が好ましい。アルキルメルカプタン類が有する炭素数は、2以上が好ましく、3以上が更に好ましい。また、アルキルメルカプタン類が有する炭素数は、6以下が好ましく、5以下が更に好ましい。なお、含イオウ化合物を用いる場合は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
本発明のビスフェノール類の製造方法において含イオウ化合物を用いる場合におけるその使用量は、特に限定されず、原料や含イオウ化合物の種類や反応条件等に応じて適宜設定すればよい。
具体的には、例えば、含イオウ化合物としてアルキルメルカプタン類を用いる場合、反応液の総量に対して、0.01重量%であることが好ましく、0.1重量%以上であることがさらに好ましく、0.5重量%以上であることが特に好ましく、また、一方で、10重量%以下であることが好ましく、7.0重量%以下であることがさらに好ましく、5.0重量%以下であることが特に好ましい。
助触媒を存在させる方法としては、(1)反応原料中に助触媒を供給する方法と、(2)固体酸触媒を助触媒で変性させる方法とがある。本発明のビスフェノール類の製造方法において含イオウ化合物を用いる場合、(1)の方法が好ましい。
カルボニル化合物とフェノール化合物の反応の反応条件は、原料、触媒及びチオール化合物等の種類などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。反応速度、反応選択率および生産性等の観点から、反応温度は、30℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは70℃以上、特に好ましくは100℃以上である。
なお、本発明のビスフェノール類の製造方法は、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、イオン交換樹脂触媒を用いる場合に比べ、100℃以上という高温反応により反応速度を上げることが可能である。
また、一方で、反応温度は、150℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは130℃以下である。反応時間は、触媒量や反応温度等によっても変動するが、通常は1〜12時間である。なお、反応圧力については、減圧、加圧および常圧のいずれの条件下でも実施することが可能である。
上記反応を行った後の反応液中には、生成されたビスフェノール類の他に、未反応原料、反応時に副生する水及び不純物等が含まれている。そこで、これを精製することにより、目的とするビスフェノール類を取り出すことができる。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、反応液から目的物質であるビスフェノール類を分離精製する工程を含むことが好ましい。反応液から目的物質であるビスフェノール類を分離精製する方法には特に制限はなく、公知の方法に準じて行えばよい。以下、目的物質がビスフェノールAの場合について、精製方法の例を説明する。
まず、上記反応を行った後の反応液を、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分と、反応で副生する水及び未反応アセトン等を含む低沸点成分とに分離する。この分離は、減圧下で蒸留することにより低沸点成分を蒸発させることが好ましい。
なお、この低沸点成分には、フェノール等が含まれていてもよい。また、低沸点成分を蒸発させた後のビスフェノールAとフェノールとを含む成分の組成は、さらに蒸留等によってフェノールを除去する、又はフェノールを追加するなどによって、所望の組成に調整することができる。なお、分離された低沸点成分に含まれる未反応アセトンは、分離回収して、反応に再利用することができる。
続いて、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分を晶析することにより、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶(以下、単に「付加物の結晶」または「付加物」と言う場合がある。)を含有するスラリーを得る。
晶析は、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の析出を、冷却、貧溶媒の添加、水などの添加後に蒸発(蒸発熱で冷却)、フェノール除去による濃縮、及びこれらの方法の組み合わせなどにより行えばよい。晶析は、1回のみでも、所望の純度の付加物を得るために、任意の方法の組み合わせで複数回行ってもよい。
晶析により得られるスラリーは、減圧濾過、加圧濾過または遠心濾過等により、付加物の結晶と母液とに固液分離される。そして、このようにしてビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶が回収される。なお、晶析するときに、ビスフェノールAの結晶を直接得ることもできる。
続いて、固液分離により得られる付加物の結晶を溶融した後、その溶融液からフラッシュ蒸留、薄膜蒸留又はスチームストリッピング等の手段によって、フェノールを除去することにより、溶融ビスフェノールAを得ることができる。除去されたフェノールは、精製し、反応や固液分離で得られた付加物の結晶の洗浄等に供することができる。
このようにして得られる溶融ビスフェノールAを固化することにより、造粒することができる。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、溶融ビスフェノール類を造粒する工程を含むことが好ましい。造粒する方法は、例えば、ノズルから溶融ビスフェノールAを噴射させ、冷却ガスと接触させることにより、小球状のビスフェノールAプリルを得る方法などが簡便で好ましい。なお、固液分離で得られた付加物の結晶から、フェノールを除去せずに、再度、晶析を行うことによってもビスフェノールAを得ることができる。
固液分離で分離された母液については、これに含まれる未反応原料や副生物を再利用又はこれらの成分からビスフェノールAを製造することが好ましい。具体的には、例えば、母液の少なくとも一部を反応器に戻すことが挙げられる。
また、母液の少なくとも一部について、アルカリ又は酸の存在下で加熱後に蒸留することにより不純物となる重質分を除くと共に軽質分を取得し、この軽質分を、酸触媒等を用いて再結合反応させることによりビスフェノールAを得ることもできる。この他、母液の少なくとも一部について、酸触媒等を用いて異性化反応させることによりビスフェノールAを得ることもできる。
なお、ここで、再結合反応や異性化反応に用いる酸触媒として、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いるジルコニウム−リン複合固体酸触媒を好適に用いることができる。
本発明のビスフェノール類の製造方法におけるカルボニル化合物とフェノール化合物の反応は、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、高転化率で高選択率にビスフェノール類を得ることができる。
具体的には、カルボニル化合物の転化率については、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90.0%以上を達成することができる。また、所望のビスフェノール類の選択率については、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95.0%以上という、極めて高性能な触媒性能を発現できる。
<転化率と変性率>
後述する実施例で示す通り、本発明のビスフェノール類の製造方法におけるアセトン転化率(%)、4,4’−ビスフェノールA選択率(%)および4,4’−ビスフェノールC選択率(%)は、ガスクロマトグラフィーによる測定値から、以下のように算出することができる。
ガスクロマトグラフィー:島津製作所株式会社製「GC−2010」
カラム:Restack社製「Rtx−5(Crossbond 5% diphenyl−95% dimethyl polysiloxane) 30m×0.32mm×0.5μm」
検出器:FID
キャリアーガス:He
アセトン転化率(%)=[(仕込みアセトンのモル数−未反応アセトンのモル数)/(仕込みアセトンのモル数)]×100
ビスフェノールA収率(%)=[(生成したビスフェノールAのモル数/仕込みアセトンのモル数)]×100
ビスフェノールA選択率(%)=[ビスフェノールA収率(%)/アセトン転化率(%)]×100
ビスフェノールC選択率(%)=[ビスフェノールC収率(%)/アセトン転化率(%)]×100
(固体酸触媒)
本発明者らは、カルボニル化合物とフェノール類との反応によるビスフェノール類を製造する反応に用いる触媒として、ジルコニウム−リン複合固体酸(以下、「本発明の固体酸触媒」と言う場合がある。)が好適であることを見出した。
但し、この本発明の固体酸触媒は、本発明のビスフェノール類の製造方法におけるカルボニル化合物とフェノール化合物との反応に限らず、これ以外の反応にも好適に用いることができると考えられる。
なお、上述したように、本発明の固体酸触媒を用いることにより、カルボニル化合物とフェノール類から所望のビスフェノール類を高選択率で得られることについては、以下のように推定される。
すなわち、カルボニル化合物とフェノール化合物の反応においては、酸触媒により、所望のビスフェノール類を生成する反応以外に様々な副反応が起こり得る。ここで、一般的に、酸触媒は、強い酸点が多く、触媒の比表面積が大きいほど触媒活性が高いと考えられている。
そこで、本発明の固体酸触媒は、酸点の強さと量および比表面積が、所望のビスフェノール類を生成する反応の促進に好適であるために、カルボニル化合物とフェノール化合物の反応において、副反応を抑制し、所望のビスフェノール類を高転化率で高選択率に得ることができると考えられる。
具体的には、例えば、アセトンとフェノールとの反応では、4,4’−BPA以外に、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンやDianin化合物等が副生する。そこで、本発明の固体酸触媒は、酸点の強さと量および比表面積が、4,4’−BPAを得る反応の促進に好適であると考えられる。
また、本発明者らは、本発明の固体酸触媒として、特に、ZrP型の結晶構造を有し、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)による酸強度が80μmol/g以上、1200μmol/g以下であるジルコニウム−リン複合固体酸が好適であることを見出した。
また、本発明者らは、本発明の固体酸触媒として、BET比表面積が30m/g以上、200m/g以下であるジルコニウム−リン複合固体酸が特に好適であることを見出した。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、カルボニル化合物とフェノール化合物とを、これらの固体酸触媒に接触させる工程を含むことが好ましい。本発明の固体酸触媒は、ジルコニウムとリンを含む固体酸であればよい。
ジルコニウム−リン複合固体酸としては、非晶質の固体酸の他、2次元層状構造や3次元網目状構造をとる結晶質の固体酸が知られている。ここで、本発明者らは、カルボニル化合物とフェノール類からビスフェノール類を製造する反応などに用いる触媒として、特にZrP型の結晶構造を有するジルコニウム−リン複合固体酸が好適であることを見出した。
ZrP型の結晶構造を有するジルコニウム−リン複合固体酸が、カルボニル化合物とフェノール類からビスフェノール類を製造する反応などに用いる触媒としては好適な理由は、以下のように推定される。
α型の結晶構造を有するジルコニウム−リン複合固体酸は、ジルコニウム原子とリン原子の層が酸素原子を介して交互に層状に積み重なった構造になっている。ここで、ジルコニウム原子の層同士の層間距離は7.6Åであり、結晶水を内包した空孔を有しており、P−OH−OH型の水素結合およびP−OH−OH−P型の水素結合により層構造が維持されている。
これに対し、ZrP型の結晶構造を有するジルコニウム−リン複合固体酸は、この内包された水分子が離脱し、層状構造から立方晶に構造変化することにより、酸強度がより、カルボニル化合物とフェノール類からビスフェノール類を製造する反応などに適した状態へと変化しているものと推定される。
なお、本明細書において、ZrP型の結晶構造を有するとは、粉末X線回折測定において、ピロリン酸ジルコニウム結晶の存在を示す2θ=21.3°〜21.7°の回折線が確認されることを意味する。
また、ピロリン酸ジルコニウム結晶は、粉末X線回折測定において、通常、この他に、2θが18.4°〜18.8°、23.9°〜24.3°、26.2°〜26.6°、30.4°〜30.8°および35.8〜36.2°にも回折線が確認される(後述する実施例1の粉末X線回折図である図1を参照。)。
なお、ピロリン酸ジルコニウムの粉末X線回折図は、ASTM File No.29−1399であり、d値で4.12(100)、3.69(40)、4.76(30)、3.37(30)、2.92(30)である。ここで、結晶格子の細かな乱れにより、強度比が若干変わる可能性があるが、上記の2θ=21.3°〜21.7°の回折線は、d値で4.1に相当する。
なお、ジルコニウム−リン複合固体酸としては、α型の結晶構造が公知である。α型のジルコニウム−リン複合固体酸は、粉末X線回折測定において、通常、2θが11.9°〜12.2°、20.1°〜20.4°、25.2°〜25.5°、34.3°〜34.6°および37.5°〜37.8°に回折線が確認される(後述する参考例5の粉末X線回折図である図2を参照。)。
本発明の固体酸触媒に含まれる、ピロリン酸ジルコニウム結晶の割合は、反応活性の点では多いことが好ましい。そこで、本発明の固体酸触媒は、その粉末X線回折測定結果において、上記6つ以外の回折線が、上記6つの中で最も高強度である回折線の2/3以下の強度であることが好ましく、1/2以下の強度であることが更に好ましく、1/3以下の強度であることが特に好ましい。
<粉末X線回折測定>
本発明の固体酸触媒の結晶構造は、後述する実施例で行ったように、ペレット状に成型した触媒を、Bruker社製固体粉末X線回折装置「D8 ADVANCE」(線源CuKα)を用いて、2θ=10〜80°の範囲で分析することにより測定することができる。
なお、このZrP型の結晶構造は、後述するように、リン酸ジルコニウムを好ましくは高温で加熱することにより現れる。
ジルコニウム−リン複合固体酸の酸強度は、反応が起こり易い点では高いことが好ましい。また、一方で、生成した目的物質の分解や副生物の生成が起こり難い点では低いことが好ましい。
具体的には、例えば、本発明のビスフェノール類の製造方法の場合、カルボニル化合物とフェノール類からビスフェノール類を製造する反応が起こり易い点では酸性度が高いことが好ましい。また、一方で、生成したビスフェノール類の分解や副生物の生成が起こり難い点では低いことが好ましい。
そこで、ジルコニウム−リン複合固体酸の酸強度は、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)による酸強度が80μmol/g以上が好ましく、100μmol/g以上が更に好ましく、120μmol/g以上が特に好ましい。
また、一方で、ジルコニウム−リン複合固体酸の酸強度は、1200μmol/g以下であることが好ましく、1150μmol/g以下であることが更に好ましく、1100μmol/g以下であることが特に好ましい。なお、ここで、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)による酸強度は、アンモニア昇温脱離スペクトルの積分値を意味する。
<酸強度の測定>
本発明の固体酸触媒の酸強度は、後述する実施例で行ったように、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)に基づいて測定し、得られたTPDスペクトルの積分値に基づいて算出することができる。具体的には、固体酸触媒の酸強度は、以下の手順で、Thermo Scientific社製「TPDRO110 Series Catalyst」を用いて、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)測定を行う。
先ず、触媒を試料管に充填し、500℃で1時間脱気、冷却後、NHガスを導入し100℃で1時間静置する。次に、100℃で1時間脱気し、触媒に吸着していないNHガスを除去する。その後、試料管をThermo Scientific社製「TPDRO110 Series Catalyst」に取り付け、Heを50ccm/分で流通しながら150℃〜800℃まで10℃/分で昇温し、触媒から脱離したNHの質量を測定する。
この本発明の固体酸触媒の酸強度は、後述する本発明の固体酸触媒を合成するときのリン酸供給源の量、pH、リン酸ジルコニウムの加熱温度等によって調整することができる。これらのうち、リン酸ジルコニウムの加熱温度により酸強度を調整することが好ましい。具体的には、加熱温度が高いと結晶化が進行し、酸強度が低くなりやすいため、適切な酸強度となるよう加熱温度を調整すればよい。
すなわち、本発明の固体酸触媒は、ZrP型の結晶構造が形成される程度に結晶化が進行していると共に、酸強度が適度に緩和されていることにより、高い触媒活性を発現することができると推定される。
ジルコニウム−リン複合固体酸のBET(Brunauer−Emmet−Teller)比表面積法には、反応活性点が多くなりやすい点では大きいことが好ましいが、生成した目的物質の分解や副生物の生成が起こり難い点では小さいことが好ましい。
具体的には、例えば、本発明のビスフェノール類の製造方法の場合、カルボニル化合物とフェノール類からビスフェノール類を製造する反応が起こり易い点ではBET比表面積が大きいことが好ましいが、また、一方で、生成したビスフェノール類の分解や副生物の生成が起こり難い点では小さいことが好ましい。
そこで、ジルコニウム−リン複合固体酸のBET比表面積は、30m/g以上であることが好ましく、31m/g以上であることが更に好ましく、32m/g以上であることが特に好ましい。
また、一方で、200m/g以下であることが好ましく、199m/g以下であることが更に好ましく、198m/g以下であることが特に好ましい。すなわち、ジルコニウム−リン複合固体酸のBET比表面積が当該好ましい範囲にあることで、高い触媒活性が発現されやすい。
<BET比表面積の測定>
本発明の固体酸触媒の酸強度は、後述する実施例で行ったように、ガス吸着法による比表面積測定器(MICROMERITICS社製「ASAP2420」)を用いて触媒のガス吸着量を測定し、下式により算出することができる。具体的には、以下の手順で、本発明の固体酸触媒の酸強度を算出することができる。
先ず、触媒を試料管に充填し、350℃で減圧乾燥後の重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し、触媒に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。ここで、窒素の相対圧をp、窒素の吸着量をv(cm/g STP)とし、BETプロットを行う。
そして、縦軸にp/(v(1−p))、横軸にpを取り、pが0.05〜0.20の範囲でプロットしたときの傾きb(単位=g/cm)と切片c(単位=g/cm)から、下式に基づいて比表面積S(単位=m/g)を求める。
Figure 0006726175
ここで、MAは窒素分子の断面積(0.162nm)である。
また、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒のBET比表面積あたりの酸強度は、3.0μmol/m以上であることが好ましく、3.2μmol/m以上であることが更に好ましく、3.5μmol/m以上であることが特に好ましく、また、一方で、6.0μmol/m以下であることが好ましく、5.8μmol/m以下であることが更に好ましく、5.6μmol/m以下であることが特に好ましい。すなわち、このように酸強度と多孔性を適度な範囲内とさせることにより、高い触媒活性が発現されやすい。
(固体酸触媒の製造方法)
本発明の固体酸触媒は、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させて得られる。
本発明の固体酸触媒は、ジルコニウム供給源となるジルコニウム化合物とリン酸供給源となるリン酸化合物を水溶液中で接触させることにより得ることが好ましい。
ジルコニウム供給源としては、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる。但し、ジルコニウム供給源は、これらのジルコニウム供給源に限定されない。これらの化合物は、含水化合物であってもよい。
ジルコニウム供給源としては、これらの中でも、反応性及びコスト等の観点から、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムなどが好ましく、オキシ塩化ジルコニウムが更に好ましい。なお、ジルコニウム供給源は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
リン酸供給源としては、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素アンモニウム及びこれらの水和物等が挙げられる。但し、リン酸供給源は、これらのリン酸化合物に限定されない。
リン酸供給源は、これらの中でも、取扱性及びコスト等の観点から、リン酸、リン酸二水素アンモニウムなどが好ましく、リン酸二水素アンモニウムが更に好ましい。なお、リン酸供給源は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
リン酸ジルコニウム製造に用いるジルコニウム供給源とリン酸供給源のモル比は、特に限定されない。但し、本発明のビスフェノール類の製造方法に用いる触媒として好適な結晶構造になりやすいことから、1モルのジルコニウム供給源に対して、リン酸供給源2.0モル以上が好ましく、2.5モル以上が更に好ましい。また、一方で、1モルのジルコニウム供給源に対して、リン酸供給源10モル以下が好ましい。
ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させるときは、有機構造規定剤を存在させておくことが好ましい。ジルコニウム化合物、リン酸化合物および有機構造規定剤を接触させる順番については、最終的にこの3つが接触する状態になれば何れの順に接触させても良い。具体的には、例えば、この3つを同時に接触させても、何れか2つを接触させた後に残りの1つを接触させても良い。有機構造規定剤は、メソポーラス構造を有する金属酸化物等を製造する際に、そのメソポーラス構造を決定するために必要な有機化合物である。有機構造規定剤としては、例えば、ゼオライトを製造する際に用いられる、所謂テンプレート(鋳型)などが知られている。
本発明の固体酸触媒を、有機構造規定を用いて製造すると、有機構造規定剤が層状リン酸ジルコニウムの層間にインターカレートされ、メソポーラス或いはナノポーラス構造を有する多孔質なリン酸ジルコニウムが得られ易いと考えられる。
有機構造規定剤としては、例えば、各種の界面活性剤、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、塩化デシルトリメチルアンモニウム(DTAC)および塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)等の陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、エチレングリコールとプロピレングリコールのブロック共重合体等の非イオン界面活性剤:両性界面活性剤等が挙げられる。また、有機構造規定剤としては、例えば、ヘキサデシルアミン(HAD)等の長鎖アルキルアミンも挙げられる。但し、本発明の固体酸触媒の製造方法に用いる有機構造規定剤は、これらに特に限定されない。
これらの中でも、本発明の固体酸触媒の製造方法に用いる有機構造規定剤としては、第四級アンモニウム塩が好ましい。第四級アンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩およびアルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
また、これらの第四級アンモニウム塩が有するアルキル基としては、炭素数10〜18の長鎖アルキル基又は長鎖アルキルフェノール基が好ましい。第四級アンモニウム塩を構成する対アニオンとしては、特に限定されないが、塩素イオン、臭素イオンおよびヨウ素イオン等のハロゲンイオンが好ましく、塩素イオンが特に好ましい。
これらの中でも、本発明の固体酸触媒の製造方法に用いる有機構造規定剤としては、陽イオン界面活性剤が好ましく、塩化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)などの塩化テトラアルキルアンモニウム更に好ましい。なお、有機構造規定剤は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
有機構造規定剤を用いる場合の使用量は、特に限定されないが、ジルコニウム供給源1モルに対して、0.1モル以上が好ましく、2.0モル以下が好ましい。
ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させるときのpHは、特に限定されない。但し、収率の観点から、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させるときのpHは、1以上が好ましく、5以下が好ましい。ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させるときのpHは、アンモニウム塩水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア水等を用いて調整してもよい。また、上述したリン酸供給源の種類と量により調整することもできる。
なお、反応を均一に進める観点から、ジルコニウム化合物とリン酸化合物との接触は攪拌下で行うことが好ましい。
上記の方法において、通常、リン酸ジルコニウムは、反応液の下の方に沈殿する。そこで、この沈殿を濾過することにより、リン酸ジルコニウムを回収することができる。なお、濾過により得られたリン酸ジルコニウムは、洗浄することが好ましい。
リン酸ジルコニウムの洗浄は、水及び/又は有機溶媒を用いて行うことが好ましい。また、リン酸ジルコニウムは、洗浄後に乾燥させることが好ましく、乾燥は50〜100℃で行うことが好ましい。このようにして得られるリン酸ジルコニウムは、通常、粒子状又は不定形状の白色固体である。
ここで、得られたリン酸ジルコニウムは、必要に応じてこれを粉砕又は解砕等して、その粒径を調整することができる。粉砕又は解砕は、例えば、乾式ジェットミル、湿式ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、ロータリーミル、バンパリーミキサー等の公知の粉砕装置又は混練装置などを用いて行うことができる。
本発明の固体酸触媒は、リン酸ジルコニウムを加熱することにより得ることが好ましい。すなわち、本発明の固体酸触媒の製造方法は、リン酸ジルコニウムを加熱する工程を含むことが好ましい。そして、本発明の固体酸触媒の製造方法は、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させて得られるリン酸ジルコニウムを加熱する工程を含むことが更に好ましい。また、本発明の固体酸触媒の製造方法は、上述の有機構造規定剤の存在下で行うことが特に好ましい。すなわち、リン酸ジルコニウムを有機構造規定剤の存在下で加熱することが特に好ましい。ここで、有機構造規定剤は、上述のとおり、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させるときに接触させておいても、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させた後に有機構造規定剤を接触させても良い。リン酸ジルコニウムの加熱は、高温で行うほどリン酸ジルコニウムの結晶化が進行し、得られる固体酸触媒の比表面積が小さく、酸強度が低くなりやすい。そこで、加熱温度の調整により、本発明の固体酸触媒の結晶性、比表面積および酸強度を上記の好ましい範囲とすることができる。
加熱温度は、具体的には、550℃以上が好ましく、600℃以上が更に好ましく、620℃以上が特に好ましく、650℃以上が最も好ましい。また、一方で、加熱温度は、900℃以下が好ましく、800℃以下が更に好ましく、780℃以下が特に好ましく、750℃以下が最も好ましい。
加熱時間は、特に限定されないが、製造される本発明の固体酸触媒の均一性の観点からは長いことが好ましい。また、一方で、作業効率の観点からは、加熱時間は短いことが好ましい。そこで、具体的には、加熱時間は、0.5時間以上が好ましく、1時間以上が更に好ましい。また、一方で、加熱時間は、24時間以下が好ましく、12時間以下が更に好ましい。加熱時の雰囲気は、大気下、酸化性ガス雰囲気下、窒素或いはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下のいずれでもよい。
(固体酸触媒の回収)
反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒は、回収した後、加熱により再生することができる。すなわち、本発明のビスフェノール類の製造方法は、この再生触媒を用いて行うことができる。また、上述の本発明のビスフェノール類の製造原料のリン酸ジルコニウムとして、この反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒を再生させた触媒を用いることができる。反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒は、加熱前に有機溶媒で洗浄することが好ましい。また、反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒は、加熱前に、適宜、リン酸塩水溶液に浸漬させてもよい。
長時間反応に用いた触媒は、後述する実施例に示すとおり、触媒重量当たりの酸強度が高くなりやすい。また、長時間反応に用いた触媒は、BET比表面積が小さくなりやすい。そして、長時間反応に用いた触媒は、触媒活性、ビスフェノール類の選択率が低下しやすい。
(固体酸触媒の再生)
反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒は、加熱することにより、再生することができる。すなわち、反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒の再生方法は、加熱する工程を含む。そして、本発明のビスフェノール類の製造方法は、カルボニル化合物とフェノール化合物物を、この再生された触媒に接触させることにより行うことができる。反応に用いた触媒を加熱することにより、触媒の酸強度を低くすることができる。また、反応に用いた触媒を加熱することにより、触媒のBET比表面積を大きくすることができる。
ここで、加熱は、上記のリン酸ジルコニウムの加熱と同様に行うことが好ましい。すなわち、反応に用いたジルコニウム−リン複合固体酸触媒を550℃以上、900℃未満で行うことが特に好ましい。
以下、実施例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例等において、アセトン転化率(%)、4,4’−ビスフェノールA選択率(%)および4,4’−ビスフェノールC選択率(%)は、ガスクロマトグラフィーによる測定値から、以下の条件でそれぞれ算出した。
<分析装置及び条件>
ガスクロマトグラフィー:島津製作所株式会社製「GC−2010」
カラム:Restack社製「Rtx−5(Crossbond 5% diphenyl−95% dimethyl polysiloxane) 30m×0.32mm×0.5μm」
検出器:FID
キャリアーガス:He
<算出式>
アセトン転化率(%)=[(仕込みアセトンのモル数−未反応アセトンのモル数)/(仕込みアセトンのモル数)]×100
ビスフェノールA収率(%)=[(生成したビスフェノールAのモル数/仕込みアセトンのモル数)]×100
ビスフェノールA選択率(%)=[ビスフェノールA収率(%)/アセトン転化率(%)]×100
ビスフェノールC選択率(%)=[ビスフェノールC収率(%)/アセトン転化率(%)]×100
(実施例1)
25重量%に調整した塩化セチルトリメチルアンモニウム(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)水溶液1.55cmにオキシ塩化ジルコニウム・8水和物0.38gを添加し、2時間室温(20〜25℃)で撹拌した。
その後、0.3モル/リットルのリン酸二水素アンモニウム水溶液11.76cmを加えて、さらに1晩室温(20〜25℃)で撹拌した。撹拌後、濾別し、得られた固形物(リン酸ジルコニウム)を水洗し、60℃で一晩乾燥した。そして、得られた固形物を大気下、600℃で5時間焼成することにより、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
(実施例2)
実施例1において、焼成温度を700℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
(参考例1)
実施例1において、焼成温度を450℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
(参考例2)
実施例1において、焼成温度を500℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
(参考例3)
実施例1において、焼成温度を800℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
<粉末X線回折測定>
ZrP型の結晶構造の存在を確認するために、実施例1〜2及び参考例1〜3で得られたジルコニウム−リン複合固体酸触媒の粉末X線回折測定を行った。測定された粉末X線回折図を図1に示す。
ここでは、2θ=21.3°〜21.7°の回折線が確認されたものを「結晶性あり」と評価し、当該回折線が確認できなかったものを「アモルファス」と評価した。表1に結果を示す。
なお、粉末X線回折測定は、ペレット状に成型した触媒を、Bruker社製固体粉末X線回折装置「D8 ADVANCE」(線源CuKα)を用いて、2θ=10〜80°の範囲で分析を行った。
<酸強度の測定>
実施例1〜2及び参考例1〜3で得られたジルコニウム−リン複合固体酸触媒の酸強度の測定は、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)に基づいて行い、得られたTPDスペクトルの積分値に基づいて算出した。表1に、結果を示す。
なお、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)測定は、Thermo Scientific社製「TPDRO110 Series Catalyst」を用いて行った。具体的には、触媒を試料管に充填し、500℃で1時間脱気、冷却後、NHガスを導入し100℃で1時間静置した。
次に、100℃で1時間脱気し、触媒に吸着していないNHガスを除去した。その後、試料管をThermo Scientific社製「TPDRO110 Series Catalyst」に取り付け、Heを50ccm/分で流通しながら150℃〜800℃まで10℃/分で昇温し、触媒から脱離したNHの質量を測定した。
<BET比表面積の測定>
実施例1〜2及び参考例1〜3で得られたジルコニウム−リン複合固体酸触媒のBET比表面積は、ガス吸着法による比表面積測定器(MICROMERITICS社製「ASAP2420」)を用いて、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒のガス吸着量を測定し、下式により比表面積を算出した。
具体的には、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を試料管に充填し、350℃で減圧乾燥後の重量を測定し、次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入しジルコニウム−リン複合固体酸触媒に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定した。
ここで、窒素の相対圧をp、窒素の吸着量をv(cm/g STP)とし、BETプロットを行った。そして、縦軸にp/[v(1−p)]、横軸にpを取り、pが0.05〜0.20の範囲でプロットしたときの傾きb(単位=g/cm)と切片c(単位=g/cm)から、下式に基づいて比表面積S(単位=m/g)を求めた。表1に結果を示す。
Figure 0006726175
ここで、MAは窒素分子の断面積(0.162nm)である。
<BET比表面積あたりの酸強度の算出>
上記のようにして算出した酸強度(μmol/g)をBET比表面積(m/g)で除することにより、BET比表面積あたりの酸強度(μmol/m)を算出した。表1に結果を示す。
Figure 0006726175
(実施例3)
還流冷却器及び攪拌器を備えた50cm三つ口フラスコに、実施例1で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒1.05gを仕込み、125℃で一晩減圧乾燥した。フェノール8.21g(87.2ミリモル)、アセトン0.56g(9.7ミリモル)及びブチルメルカプタン0.33gを加え、110℃で撹拌しながら縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率は91.9%、4,4’−BPAの選択率は95.2%であった。表2に結果を示す。
(実施例4)
実施例3において、実施例2で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率は93.4%、4,4’−BPAの選択率は96.5%であった。表2に結果を示す。
(実施例5)
実施例3において、参考例1で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率は86.5%であった。8時間反応経過後のアセトンの転化率は94.8%であり、4,4’−BPAの選択率は94.4%であった。表2に結果を示す。
(実施例6)
実施例3において、参考例2で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率は97.3%、4,4’−BPAの選択率は93.9%であった。表2に結果を示す。
(実施例7)
実施例3において、参考例3で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率は73.4%であった。また、8時間反応経過後のアセトンの転化率は86.7%、4,4’−BPAの選択率は95.9%であった。表2に結果を示す。
(参考例4)
還流冷却器及び攪拌器を備えた50cm三つ口フラスコに、陽イオン交換樹脂触媒(三菱化学社製 SK104)2.71gを仕込み、90℃で一晩減圧乾燥した。フェノール8.23g(87.2ミリモル)、アセトン0.57g(9.7ミリモル)及びブチルメルカプタン0.03gを仕込み、70℃で撹拌しながら縮合反応を行った。
4時間反応経過後のアセトンの転化率は98.7%、4,4’−BPAの選択率は92.9%であった。表2に結果を示す。
Figure 0006726175
注;表2において、4,4’−BPAの選択率は、実施例5と7は8時間反応後、参考例4は4時間反応後、それ以外は6時間反応後の値を示した。
表1及び2に示すとおり、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、高転化率で、高選択率に4,4’−BPAを得ることができることが裏付けられた。また、特に、実施例3及び4において、95.0%以上の高い選択率で4,4’−BPAを得られることが裏付けられた。
また、本発明の固体酸触媒を製造するときのリン酸ジルコニウムの加熱温度により、本発明の固体酸触媒の酸強度、比表面積および結晶性を制御することができ、フェノールとアセトンの縮合反応のアセトン転化率および4,4’−BPA選択率を制御することができることが裏付けられた。
(実施例8〜12)
実施例1において、塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液の量、リン酸二水素アンモニウム水溶液の濃度および焼成温度を各々表3のように変えた以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
Figure 0006726175
注;表3において、塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液の量は、実施例1における塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液の量に対する相対量とした。
これらの触媒の結晶構造、酸強度およびBET比表面積を実施例1と同様に測定した。この結果、実施例8、11および12で得られた触媒は、アモルファスであった。実施例10で得られた触媒は、結晶性ありであった。
また、BET比表面積は、各々、実施例8が320.8m/g、実施例9が143m/g、実施例11が259.5m/g、実施例12が117.2m/gであった。
(実施例13〜17)
実施例3において、実施例8〜12で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率および4,4’−BPAの選択率を表4に示す。
Figure 0006726175
注;表4において、4,4’−BPAの選択率は、全て6時間反応後の値を示した。
(実施例18〜29)
実施例1において、塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液の代わりに表5に示す量の有機構造規定剤の水溶液を用いて、焼成温度を変えた以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を得た。
Figure 0006726175
注;表5において、有機構造既定剤の量は、実施例1における塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液の量に対する相対モル量とした。実施例22は、塩化セチルトリメチルアンモニウムとヘキサデシルアミン(HAD)を併用した。実施例28および29は、有機構造既定剤の水溶液を用いなかった。
これらの触媒の結晶構造、酸強度およびBET比表面積を実施例1と同様に測定した。この結果、実施例25、26および27で得られた触媒は、アモルファスであった。実施例19、23および24で得られた触媒は、結晶性ありであった。
また、BET比表面積は、各々、実施例18が98.4m/g、実施例19が91.3m/g、実施例20が99.0m/g、実施例21が96.9m/g、実施例22が180.3m/g、実施例23が97.2m/g、実施例24が58.4m/g、実施例25が101.3m/g、実施例26が174.1m/g、実施例27が301.1m/g、実施例28が4.8m/g、実施例29が3.2m/gであった。
酸強度は、各々、実施例19が853.7μモル/g、実施例22が1369μモル/g、実施例25が1294.8μモル/g、実施例28が98.8μモル/gであった。
(実施例30〜41)
実施例3において、実施例18〜29で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率および4,4’−BPAの選択率を表6に示す。
Figure 0006726175
表2、4及び6に示すとおり、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いることにより、高転化率で、高選択率に4,4’−BPAを得ることができることが裏付けられた。また、特に、有機構造規定剤として、塩化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化テトラメチルアンモニウムなどの塩化テトラアルキルアンモニウムを用いて製造したジルコニウム−リン複合固体酸触媒がビスフェノール類の製造に好適であることが裏付けられた。
(参考例5)
オキシ塩化ジルコニウム・8水和物6.33gを水100cmに溶解させ、0.3モル/リットルのリン酸二水素アンモニウム200cmを加えて撹拌した。撹拌後、遠心分離することによりゲルを得た。この得られたゲルに60重量%のリン酸水溶液を166.4cm加え、100℃で24時間還流させた後に、遠心分離することによりゲルを得た。
この得られたゲルを水洗した後に、60℃で一晩乾燥させ、500℃で焼成することにより、リン酸ジルコニウムを得た。得られたリン酸ジルコニウムの結晶構造を実施例1と同様に測定した。測定された粉末X線回折図を図2に示す。この結果、α型の結晶構造であった。また、酸強度は、506.5μモル/g、BET比表面積は、70.3m/gであった。
(実施例42)
実施例2で得られたジルコニウム−リン複合固体酸触媒6.0cmを、管型反応器に充填した。フェノール8.21g(87.2ミリモル)、アセトン0.56g(9.7ミリモル)及びブチルメルカプタン0.33gを混合した反応原料を、1時間当たり1.0cm、この管型反応管に110℃で連続的に流通させることにより、フェノールとアセトンとの縮合反応を行った。880時間経過後に、ジルコニウム−リン複合固体酸触媒をこの管型反応器から取り出し、アセトンで洗浄した後、60℃で一晩乾燥させた。
この乾燥させた触媒について、酸強度およびBET比表面積を、実施例1と同様に測定した。この結果、酸強度は379.4μモル/g、BET比表面積は30.4m/gであった。結果を表7に示す。
(実施例43)
上記操作で得たジルコニウム−リン複合固体酸触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトンの転化率は21.0%、4,4’−BPAの選択率は12.9%であった。表7に結果を示す。
(実施例44)
実施例42において得られた、乾燥させたジルコニウム−リン複合固体酸触媒を、大気下で、700℃で2時間焼成することにより再生させた。この再生させた触媒について、酸強度およびBET比表面積を実施例1と同様に測定した。この結果、酸強度は222.0μモル/g、BET比表面積は40.2m/gであった。結果を表7に示す。
表7の結果より、酸強度については、反応に用いたことにより高くなっていたが、焼成により下がっていた。また、BET比表面積については、反応に用いたことにより小さくなっていたが、焼成により大きくなっていた。すなわち、触媒が再生されたことが裏付けられた。
(実施例45)
実施例3において、実施例44で得た再生触媒を用いること以外は、実施例3と同様にフェノールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトン転化率は、89.2%、4,4’−BPA選択率は91.5%であった。結果を表7に示す。
表7の結果より、アセトン転化率および4,4’−BPA選択率が、どちらも実施例4の結果と同等まで向上していることから、焼成により、触媒が再生されたことが裏付けられた。
Figure 0006726175
(実施例46)
実施例3において、フェノールの代わりにo−クレゾールを用いる以外は、実施例3と同様にo−クレゾールとアセトンの縮合反応を行った。6時間反応経過後のアセトン転化率は、92.7%、4,4’−BPC選択率は98.5%であった。クレゾールとアセトンの縮合反応によるビスフェノールCの製造にも、本発明の触媒が好適であることが裏付けられた。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお、本出願は、2015年4月22日付けで出願された日本特許出願(特願2015−87712)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

Claims (10)

  1. カルボニル化合物とフェノール化合物との反応によるビスフェノール類の製造に用いる固体酸触媒であって、ジルコニウム−リン複合固体酸であり、
    ZrP 型の結晶構造を有し、
    アンモニア昇温脱離法(NH −TPD法)による酸強度が80μmol/g以上、1200μmol/g以下であり、
    前記カルボニル化合物はケトン類又は/及びアルデヒド類であり、
    前記フェノール化合物が、無置換のフェノール、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノール、ハロゲンで置換されたフェノール、及びアリール基で置換されたフェノールからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする、固体酸触媒。
  2. BET比表面積が30m/g以上、200m/g以下である、
    請求項に記載の固体酸触媒。
  3. カルボニル化合物とフェノール化合物とを、固体酸触媒に接触させる工程を含むビスフェノール類の製造方法であって、前記固体酸触媒が請求項1又は2に記載の固体酸触媒であることを特徴とする、
    ビスフェノール類の製造方法。
  4. カルボニル化合物とフェノール化合物との反応によるビスフェノール類の製造に用いる固体酸触媒であって、ジルコニウム−リン複合固体酸である固体酸触媒の製造方法であって、
    リン酸ジルコニウムを550℃以上、900℃以下で加熱する工程を含み、
    前記カルボニル化合物はケトン類又は/及びアルデヒド類であり、
    前記フェノール化合物が、無置換のフェノール、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノール、ハロゲンで置換されたフェノール、及びアリール基で置換されたフェノールからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする、固体酸触媒の製造方法。
  5. ZrP 型の結晶構造を有し、
    アンモニア昇温脱離法(NH −TPD法)による酸強度が80μmol/g以上、1
    200μmol/g以下であることを特徴とする、
    請求項4に記載の固体酸触媒の製造方法。
  6. 前記固体酸触媒のBET比表面積が30m /g以上、200m /g以下である、
    請求項4又は5に記載の固体酸触媒の製造方法。
  7. 前記加熱する工程を、界面活性剤及び長鎖アルキルアミンからなる群より選ばれる1以上の有機構造規定剤の存在下で行なう、
    請求項4〜6の何れか1項に記載の固体酸触媒の製造方法。
  8. 前記リン酸ジルコニウムが、ジルコニウム化合物とリン酸化合物を接触させて得られるものである、
    請求項4〜7の何れか1項に記載の固体酸触媒の製造方法。
  9. カルボニル化合物とフェノール化合物との反応によるビスフェノール類の製造に用いる固体酸触媒の再生方法であって、
    前記固体酸触媒がジルコニウム−リン複合固体酸触媒であり、
    前記製造に用いた固体酸触媒を550℃以上、900℃未満で加熱する工程を含み、
    前記カルボニル化合物はケトン類又は/及びアルデヒド類であり、
    前記フェノール化合物が、無置換のフェノール、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノール、ハロゲンで置換されたフェノール、及びアリール基で置換されたフェノールからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする、
    ジルコニウム−リン複合固体酸触媒の再生方法。
  10. カルボニル化合物とフェノール化合物を、固体酸触媒に接触させることを含むビスフェノール類の製造方法であって、前記固体酸触媒が請求項に記載のジルコニウム−リン複合固体酸触媒の再生方法により再生された触媒である、
    ビスフェノール類の製造方法。
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