JP6725779B1 - 無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速する際のエネルギー損失を可及的に低減して高い動力伝達効率を実現すると共に無段変速する際の設置スペースを縮小した無段変速装置を提供する。【解決手段】入力軸の先端に設けた入力ベベルギヤと、出力軸の先端に設けた出力ベベルギヤと、入出力ベベルギヤの間に介在して、各ベベルギヤと円錐面ギヤ部で噛合する略円錐状の変速ベベルギヤと、変速ベベルギヤの中心回転軸の上端部を中心に変速ベベルギヤを傾動可能に構成した変速操作機構と、より構成し、入出力ベベルギヤと入出力軸との間にはそれぞれ等速ジョイント機構を設け、変速操作機構による変速ベベルギヤの傾動操作量に応じて入出力ベベルギヤとの各円錐面ギヤ群の噛合位置を変位することにより入出力軸の回転速度を無段階で変則可能に構成している。【選択図】図1

Description

この発明は、無段変速装置に関する。
従来、無段変速装置は、図9に示すように、交差する回転軸を有する2つの円盤形の摩擦車70,71において原動側の摩擦車70の周縁70aに従動側の摩擦車71の転がり面71aを転がり接触させ、この転がり接触を維持しながら原動側の摩擦車70を従動側の摩擦車71の半径方向に変位することで変速比を変更するように構成していた。
この原動側の摩擦車70と従動側の摩擦車71とが点接触する上記の構成において、原動側からの伝達動力を確実に伝達しようとすると、原動側と従動側の接触点での接触圧を上昇させる必要がある。
しかし、このように2つの摩擦車70,71の接触圧が上昇すると過度なヘルツ応力が生じて摩擦車71の転がり面71aが磨耗し、装置の寿命が著しく短くなると共に動力の伝達効率が低下するという問題があった。この問題を解消する手段として下記特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。
特許文献1には、入力側回転子を前後動自在の構成とすることで出力側回転子の回転半径を任意に連続して調整し、無段変速を可能とした歯車の構成について記載されている。
この歯車における出力側の回転速度の調整はバネ機構を介して上方付勢される出力側回転子の側面から入力側回転子を当接することで出力側回転子の回転半径を調整して無段変速可能とする構成について記載している。
また、特許文献2には、円錐形の3連歯車と逆向きに配置した逆向き円錐形の3連歯車と各歯車間を中継する3連の中継歯車で構成し、この中継歯車の円錐形歯車と逆向き円錐形歯車の歯形の傾斜に沿って斜め上下方向に中継歯車を移動させることで高い伝達効率を実現できる歯車式の無段変速装置について記載している。
特開2001-153190号公報 特開2017-190864号公報
しかしながら、上記特許文献1、2は、例えば、無段変速装置を設置するためのスペースを省スペースとしながらも高い動力伝達効率を実現できる構成ではなかった。
そこで、本発明はかかる問題を改善するために変速する際のエネルギー損失を可及的に低減して高い動力伝達効率を実現すると共に無段変速する際の設置スペースを縮小した無段変速装置を提供することを目的とする。
この発明は、入力軸の先端に設けた入力ベベルギヤと、出力軸の先端に設けた出力ベベルギヤと、入出力ベベルギヤの間に介在して、各ベベルギヤと円錐面ギヤ部で噛合する略円錐状の変速ベベルギヤと、変速ベベルギヤの中心回転軸の上端部を中心に変速ベベルギヤを傾動可能に構成した変速操作機構とより構成し、入出力ベベルギヤと入出力軸との間にはそれぞれ等速ジョイント機構を設け、変速操作機構による変速ベベルギヤの傾動操作量に応じて入出力ベベルギヤとの各円錐面ギヤ群の噛合位置を変位することにより入出力軸の回転速度を無段で変速可能に構成したことを特徴とする。
また、この無段変速装置は、入出力ギヤのコグ列と変速ベベルギヤのコグ列とは、互いに半円弧状に形成し、変速ベベルギヤの傾動に応じて各コグ列のコグ側面が可及的に面接触するように構成したことを特徴とする。
また、この無段変速装置は、変速操作機構の一部を構成する半円弧状のガイド溝に沿って変速ベベルギヤの中心回転軸下部を傾動可能に構成し、変速ベベルギヤの中心回転軸が半円弧状のガイド溝に沿って傾動することにより変速ベベルギヤの傾動を促して入出力ギヤのコグ列と変速ベベルギヤのコグ列との面接触位置を変位させて入出力ギヤの無段変速を可能に構成したことを特徴とする。
また、この無段変速装置は、変速ベベルギヤの中心回転軸の上端は変速機フレームの左右側枠に架設した操作杆に連設し、操作杆は変速操作機構と連動連設したことを特徴とする。
入力軸の先端に設けた入力ベベルギヤと、出力軸の先端に設けた出力ベベルギヤと、入出力ベベルギヤの間に介在して、各ベベルギヤと円錐面ギヤ部で噛合する略円錐状の変速ベベルギヤと、変速ベベルギヤの中心回転軸の上端部を中心に変速ベベルギヤを傾動可能に構成した変速操作機構と、より構成し、入出力ベベルギヤと入出力軸との間にはそれぞれ等速ジョイント機構を設けため、変速操作機構による変速ベベルギヤの傾動操作量に応じて入出力ベベルギヤとの各円錐面ギヤ群の噛合位置を変位することにより、入出力軸を変位することなく入出力軸の回転速度を無段で変速することができる効果がある。
特に、入出力ベベルギヤと入出力軸との連結部に等速ジョイント機構を介設したため、動力伝達効率を低下させることなく、入出力軸の回転駆動力を入出力ベベルギヤに確実に伝えつつ入出力軸先端を中心とした入出力ベベルギヤの姿勢変位を実現して各円錐面ギヤ群との噛合位置を微調整して無段階での変速を行うことができる効果がある。
また、入出力ベベルギヤの間に設けた変速ベベルギヤの中心回転軸を中心とした変速ベベルギヤの傾動による姿勢変位により無段変速装置の変速を実現しているため、装置の変位量を小さく抑えることができ、無段変速装置の装置全体をコンパクト化することができる効果がある。
また、入出力ギヤのコグ列と変速ベベルギヤのコグ列とは、互いに半円弧状に形成し、変速ベベルギヤの傾動に応じて各コグ列のコグ側面が面接触で当接するように構成したため、入力ベベルギヤの動力を確実に変速ベベルギヤに伝達し、さらに、変速ベベルギヤから出力ベベルギヤに動力を確実に伝達できる効果がある。
また、変速ベベルギヤの中心回転軸の下部は半円弧状のガイド溝に沿って傾動可能に構成したため、変速ベベルギヤの姿勢を一定に規定することができ、特にガイド溝の両端部を変速ベベルギヤの最大変位角度にする規制部にして速度変位における最大速度から最小速度の調整、または、最小速度から最大速度への速度調整を即座に実施できる効果がある。
変速ベベルギヤの中心回転軸の上端は変速機フレームの左右側枠に架設した操作杆に連設し、操作杆は変速操作機構と連動連設したため、変速ベベルギヤの姿勢変位に連動して入出力ベベルギヤの入出力軸先端での姿勢変位を行う入出力軸の軸線方向に沿った傾動をおこなうことができる効果がある。
本発明の実施形態における無段変速装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態における無段変速装置の変速ベベルギヤの構成を示す平面図である。 本発明の実施形態における無段変速装置の入出力ベベルギヤと変速ベベルギヤの変速状態を示す模式図である。 本発明の実施形態における無段変速装置の中心回転軸下部とガイド体との結合及びガイド溝を示す斜視図である。 本発明の実施形態における各ギヤの変形例を示す模式図であり、(a)は低速状態の平面図であり、(b)は低速状態の側面図であり、(c)は高速状態の平面図であり、(d)は高速状態の側面図である。 本発明の実施形態における入出力ベベルギヤの動きを示す平面模式図である。 本発明の実施形態の構成を車両に搭載した際の無段変速装置を示す平面図である。 本発明の実施形態の構成を車両に搭載した際の他の無段変速装置を示す平面図である。 従来の無段変速装置を示す斜視図である。
この発明の要旨は、入力軸の先端に設けた入力ベベルギヤと、出力軸の先端に設けた出力ベベルギヤと、入出力ベベルギヤの間に介在して、各ベベルギヤと円錐面ギヤ部で噛合する略円錐状の変速ベベルギヤと、変速ベベルギヤの中心回転軸の上端部を中心に変速ベベルギヤを傾動可能に構成した変速操作機構と、より構成し、入出力ベベルギヤと入出力軸との間にはそれぞれ等速ジョイント機構を設け、変速操作機構による変速ベベルギヤの傾動操作量に応じて入出力ベベルギヤとの各円錐面ギヤ群の噛合位置を変位することにより入出力軸の回転速度を無段で変速可能に構成したことにある。
また、入出力ギヤのコグ列と変速ベベルギヤのコグ列とは、互いに半円弧状に形成し、変速ベベルギヤの傾動に応じて各コグ列のコグ側面が面接触して可及的広い面積で当接するように構成したことに特徴を有する。
変速ベベルギヤの中心回転軸の下部は半円弧状のガイド溝に沿って傾動可能に構成したことに特徴を有する。
変速ベベルギヤの中心回転軸の上端は変速機フレームの左右側枠に架設した操作杆に連設し、操作杆は変速操作機構と連動連設したことに特徴を有する。
以下図1〜5に基づき本発明の実施形態に関して詳説する。図1は無段変速装置の構成を示す斜視図、図2は無段変速装置の変速ベベルギヤの構成を示す平面図、図3は無段変速装置の入出力ベベルギヤ及び変速ベベルギヤの変速状態を示す模式図、図4は無段変速装置の中心回転軸下部とガイド体との結合及びガイド溝を示す斜視図、図5は各ギヤの変形例を示す図であり、図6は図5における入出力ベベルギヤの動きを示す平面模式図であり、図7は車両に搭載した際の無段変速装置を示す平面図であり、図8は車両に搭載した際の無段変速装置の変形例を示す平面図である。なお、以下において、図1の右側を正面とし、該正面からみて上下及び前後左右の方向を規定して説明する。
本発明に係る無段変速装置Mは、概括的には図1に示すように、入力軸10の先端に設けた入力ベベルギヤ11と、出力軸30の先端に設けた出力ベベルギヤ31と、入出力ベベルギヤ11、31の間に介在して、各ベベルギヤ11、31と円錐面ギヤ部21で噛合する変速ベベルギヤ20と、変速ベベルギヤ20の中心回転軸22の上端部を中心に変速ベベルギヤ20を傾動自在に構成した変速操作機構40とにより構成している。
なお、図1において、入出力ベベルギヤ11、31の入出力軸10、30の方向を図面上正面とし、それを直角に横断する方向を側面とし、かかる方向において正面の左右、正面の前後、側面の左右、側面の前後として今後の説明を行う。
かかる構成において、変速操作機構40により入出力ベベルギヤ11、31の間の変速ベベルギヤ20の傾動操作を行うことにより、変速ベベルギヤ20の姿勢を傾動変位させて変速ベベルギヤ20と入出力ベベルギヤ11、31との各円錐面ギヤ群のコグ面接触の噛合位置を変位調節して一定回転速度の入力軸10からの回転を無段階に変速ベベルギヤ20に伝えると共に、変速ベベルギヤ20から出力軸30へ伝える回転を無段階で変速可能に構成したものである。
各種ギヤ11、20、31は、平面視略方形枠の変速機フレーム60の所定位置、すなわち、変速ベベルギヤ20は変速機フレーム60の下方中央部に軸架し、入出力ベベルギヤ11、31は変速機フレーム60の側面の左右位置に軸架されており、各種ギヤ11、20、31に装着した各種ギヤ関連機構を介して姿勢変位することにより噛合変位するように構成している。
変速機フレーム60は、図1に示すように、正面の前後側枠61、64と正面の左右側枠62、63とを方形枠状に組み合わせて平面視で四角の矩形枠に構成している。
側面の左右に配設した入出力ベベルギヤ11、31と噛合する変速ベベルギヤ20は、図1及び図3(a)及び図3(b)に示すように、変速機フレーム60の中央下方位置から上方に突出した中心回転軸22に軸支されて変速機フレーム60内に収納配置された状態としている。
中心回転軸22は、変速ベベルギヤ20の中心から上下に突出することにより変速ベベルギヤ20を軸架しており、その下端は中心回転軸22を介して変速ベベルギヤ20の傾動を行うための回転軸ガイド機構Nに連動連設している。
すなわち、回転軸ガイド機構Nは、図4に示すように、変速機フレーム60の正面の左右に垂設した左右側ガイド片65、66と、その中間位置に配設した扁平板状のガイド体23と、ガイド体23の正面の左右にそれぞれ2本ずつ突設した左右側ガイド杆24a、24a、24b、24bと、左側ガイド片65において左側ガイド杆24b、24bの先端部を遊嵌した半円弧状の左側ガイド溝25b、25bと、右側ガイド片66において右側ガイド杆24a、24aの先端部を遊嵌した半円弧状の右側のガイド溝25a、25aとより構成している。
また、回転軸ガイド機構Nを介して変速ベベルギヤ20の傾動操作を行うために変速機フレーム60には変速操作機構40を設けており、変速操作機構40は
変速機フレーム60の正面の左右枠に門型フレーム41を架設し、その中央位置に変速ベベルギヤ20の中心回転軸22の上端を固設している。
門型フレーム41の左右下端部は変速機フレーム60の正面の左右枠に枢支連設しているので門型フレーム41下端の枢支部を中心に門型フレーム41を前後に傾動すれば中心回転軸22を介して変速ベベルギヤ20の傾動が行われる。
しかも、かかる変速ベベルギヤ20の傾動操作は中心回転軸22下端で連動連設した回転軸ガイド機構Nにおける左右側ガイド溝25a、25bによって傾動軌跡と傾動パターンが規制される。
かかる傾動軌跡を描く変速ベベルギヤ20は略円錐状に形成され、図1〜図3に示すように、相対峙する入出力ベベルギヤ11、31の下方でその間に配設されており、変速ベベルギヤ20の円錐面ギヤ部21と入出力ベベルギヤ11、31の円錐面ギヤ部16、36とは後述する各円弧状のコグ同士の面接触により噛合する。
変速ベベルギヤ20は、肉厚山形の円錐状とし中心回転軸22の軸中心部から周縁部にかけて緩やかに湾曲しながら下方傾斜するように形成している。
かかる変速ベベルギヤ20の表面の円錐面ギヤ部21は、中心回転軸22を中心に周縁部方向に所定間隔を隔てて複数のコグ26を形成しており、各コグ側面26aを接線方向に向けたコグ列27を形成することにより構成している。
また、各コグ26、26、、、は、図3(a)、図3(b)に示すように、所定の幅員で平面視略半円弧状、すなわち、アール状に形成している。そのアール上のアール角度は大きいほど各コグ26、26、、、側面の面積が大きくなり、その分噛み合う入出力ベベルギヤ11、31側面との接触面積も大きくなる。
また、周縁部の肉厚は中心部の肉厚より徐々に肉薄として側面視で山形傾斜状に形成している。
しかも、各コグ26、26、、、の間隔は中心部から周縁部にわたって漸次拡開状とすると共に、各コグ26、26、、、自体の幅員も隣接する各コグ26、26、、、の間隔と略同一の幅員としている。
かかる変速ベベルギヤ20の各コグ26、26の幅員、高さ、アール角度等は入出力ベベルギヤ11、31との噛み合い状況を勘案して決定されるものであり、入出力ベベルギヤ11、31の各コグ16a、36aもその幅員、高さ、アール角度等は変速ベベルギヤ20の各コグ26、26、、、との噛み合いの状況を勘案して動力の円滑な伝動が可能なように構成されている。
また、変速機フレーム60の前後側枠61、64の中央には、前後軸受12、32が載置固定されており、各前後軸受12、32には入出力軸10,30が正面視の前後方向、すなわち、側面視で左右方向に軸支されている。
入力軸10の基端は、モータなどの図示しない回転動力機構と連動連結しており、入力ベベルギヤ11に回転動力を伝達するように構成している。
かかる入出力軸10、30の先端には、入出力ベベルギヤ11、31が互いに対峙する状態で軸支されその下方に配設した変速ベベルギヤ20と噛合している。
入出力ベベルギヤ11、31は、それぞれ中空内部に後述する等速ジョイント機構13、33を収納した略半球状に形成され、その外周面には変速ベベルギヤ20の各コグ26、26、、、と噛み合う半球面ギヤ部11a、31aを形成している。
半球面ギヤ部11a、31aは、先端頂部19、39を中心に周方向に所定間隔を隔てて形成した複数のコグ16a、36aにより構成しており、かかる複数のコグ16a、36aは先端頂部19、39から基端に向かって一定の間隔を保持してコグ列17、37を形成する。かかる入出力ベベルギヤ11、31のコグ列17、37は、変速ベベルギヤ20の各コグ26、26、、、の幅員、高さ、アール角度等は入出力ベベルギヤ11、31との噛み合い状況を勘案して決定され、動力の円滑な伝動が可能なように構成されている。
このように、入出力ベベルギヤ11、31のコグ列17、37と変速ベベルギヤ20のコグ列27とは、互いに半円弧状に形成し、変速ベベルギヤ20の傾動に応じて所定の噛み合い位置で各コグ列17、27、37のコグ側面16b、26a、36bが面接触するように構成している。
また、図5(a)〜(d)及び図6に示すように変速ベベルギヤ120は回転中心部121から周縁部122に至る半径部分に右側凸状の半円弧状のコグ123を一定間隔で放射曲線状にコグ列124を形成してもよい。いずれのコグ123も、回転中心部121から周縁部122にわたって漸次幅員が広くなるテーパー形状とし、コグ列124内の溝部125の溝列126は全て幅員を同一幅員としており、しかも、コグ列124のコグ123や溝列126の溝部125は半円弧状の曲線状としている。
他方、変速ベベルギヤ120に噛合する入出力ベベルギヤ110、130の各コグ列111、131のコグ幅員を同一幅員としており、各コグ列111、131間の溝部113、133の溝列114、134は、変速ベベルギヤ120のコグ列124が噛合可能なように回転中心部121から周縁部122にわたって、漸次幅員が広がるテーパー形状としている。各コグ列111、131間の溝部113、133の溝列114、134は、変速ベベルギヤ120のコグ列124が噛合可能なように回転中心部115、135から周縁部117、137にわたって、漸次幅員が広がるテーパー形状としている。しかも、入出力ベベルギヤ110、130のコグ列111、131及び溝列114、134はねじれ状の湾曲形状としており、コグ列111、131、溝列114、134ともに変速ベベルギヤ120と噛合するように構成されている。
更には、入出力ベベルギヤ110、130を変速ベベルギヤ120の周縁部122から回転中心部121、或いは、回転中心部121から周縁部122に移動変位しながら噛合位置を変更することにより増減速の無段変速を可能とする。
入出力ベベルギヤ110、130の噛合位置変更を行うに際しては円滑に噛み合いが行われ、かつ無段階の変速が円滑にできるように変速ベベルギヤ120との噛合位置移動には一定の制約が必要となる。
すなわち、図6に示すように、入出力ベベルギヤ110、130は変速ベベルギヤ120におけるコグ列124の半円弧状の湾曲に沿って前進、後退の移動を行うように構成している。なお、図6におけるTは、入出力ベベルギヤ110、130の軌跡を示し、符号A、B、Cは入出力ベベルギヤ110、130と変速ベベルギヤ120との噛合位置を示しており、A〜Cに変位するに従い低速状態から高速状態へ変位する。
しかも、変速ベベルギヤ120の湾曲凸部127と入出力ベベルギヤ110、130の湾曲凸部116、136とが当接噛合するように各ベベルギヤ110、120、130の回転方向を規制している。
すなわち、図6に示すように入出力ベベルギヤ110、130は、変速ベベルギヤ120のコグ列124及び溝列126に沿って半円弧状の位置に変位することが必要となる。
このように、変速ベベルギヤ120のコグ列124に沿って入出力ベベルギヤ110、130を移動させることにより各ベベルギヤ110、120、130のコグ列111、124、131、溝列114、126、134の噛み合いが確実に行われると共に、円滑な噛合形態を現出して各コグ112、123、132への負荷を分散して噛合時の生成音を可及的に小さく無段変速を行うことができる。
しかも、半円弧状のコグ112、123、132と溝部113、125、133との接触部分が滑るように動力を伝達することになり、入出力ベベルギヤ110、130と変速ベベルギヤ120との間の動力伝達にともなうエネルギー損失を可及的に抑えることができる。
また、かかる入出力ベベルギヤ110、130の移動は、姿勢変位リンク機構50を介して行うが、特に入出力ベベルギヤ110、130の移動変位は直線的な縦方向、横方向に揺動するのではなく変速ベベルギヤ120のコグ列124の放射曲線に沿ってカーブしながら移動していくことにより円滑に各ベベルギヤ110、120、130の噛合が行われる。
かかる入出力ベベルギヤ110、130のカーブ変位作動は、等速ジョイント機構13を介した変速操作機構40によって行われる。
なお、変速ベベルギヤ120と入出力ベベルギヤ110、130の各々のコグ列111、124、131のコグ幅員とコグ112、123、132間の溝部113、125、133間の溝幅員とは、互いの噛合が円滑に行われ、かつ、コグ112、123、132の側面と溝部113、125、133の内側面とが当接して滑りながら入力ベベルギヤ110の回転応力を変速ベベルギヤ120に伝達し、変速ベベルギヤ120の回転応力を出力ベベルギヤ130に伝達することができるように構成されており、従って、コグ112、123、132のコグ幅員と溝部113、125、133の溝幅員は互いの側面が当接して滑動自在に回転応力が伝達されるものであれば種々の形態の幅員とすることができる。
また、入出力ベベルギヤ11、31の中空内部では入出力軸10、30との間に図3(a)及び図3(b)に示す等速ジョイント機構13、33が設けられている。
等速ジョイント機構13、33は、入出力軸10、30から入出力ベベルギヤ11、31へ動力を伝達するに際して入出力軸10、30の軸支方向と入出ベベルギヤ11、31の軸芯方向が異なって屈曲した伝動経路となっても自在に入出ベベルギヤ11、31の軸芯方向を変位して入出ベベルギヤ11、31のベベル回転力の伝動方向を変位できる機能を有する。
従って、変速ベベルギヤ20と噛合する入出力ベベルギヤ11、31を傾動して噛合位置を変動させても等速ジョイント機構13、33を介して屈曲した伝動経路に円滑に回転動力を伝達することができる。
等速ジョイント機構13、33は、図3(a)および図3(b)に示すように、入出力軸10,30の先端に設けたジョイント内輪13a、33aと、同ジョイント内輪13a、33aの外周面に設けた複数の軌道内溝14a、34aと、同軌道内溝14a、34aに対応して入出力ベベルギヤ11、31の内周面に設けた複数の軌道外溝14b、34bと、軌道内溝14a、34aと軌道外溝14b、34bとの間に介在して転動するスチールボール15、35とにより構成されている。
ジョイント内輪13aは、略樽形状として回転周面13bを略円弧面に形成し、またジョイント内輪13aの回転周面13bには、周りに所定間隔を隔てて軸方向に複数の軌道内溝14a(本実施形態では4つ)を形成している。
また、内部中空の入出力ベベルギヤ11、31の内周面には、入出力ベベルギヤ11、31の軸方向に沿って軌道外溝14bが形成されている。
すなわち、入出力ベベルギヤ11、31は、ジョイント内輪13a、33aに外嵌されて該内輪13a、33aの軌道内溝14a、34aと軌道外溝14b、34bとの間に介在する複数のスチールボール15、35により上下への姿勢変位を可能に構成している。
また、変速機フレーム60の左右側枠62、63の中央部には、門型フレーム41を正面での前後傾動自在に枢支している。
このように入出力軸10、30から等速ジョイント機構13、33を介して回転動力を変速して入出力する入出力ベベルギヤ11、31は、門型フレーム41よりなる変速操作機構40に連動連設されている。
すなわち、変速操作機構40を構成する門型フレーム41の下端部を左右側枠62、63に枢支すると共に、門型フレーム41の操作杆44中央には変位制御孔45を穿孔し、無段変速装置Mを変位操作する変速ベベルギヤ20の中心回転軸22を上下方向に挿通している。
また、操作杆44の中央部前後には、前後の逆L字状アーム51、52で構成した姿勢変位リンク機構50を突設している。
姿勢変位リンク機構50を構成する逆L字状アーム51、52は、それぞれ横辺部51a、52aの先端を操作杆44に連設すると共に縦辺部51b、52bの下端は入出力ベベルギヤ11、31の先端頂部19、39に支持部18、38を介して連結している。
また、逆L字状アーム51の横辺部51aと縦辺部51bとの連結部は枢支状態としており、門型フレーム41の下端部を中心とした前後傾動に連動して逆L字状アーム51は昇降作動して下端で連動連結した入出力ベベルギヤ11、31の先端頂部19、39を昇降し、それに伴い入出力ベベルギヤ11、31全体の位置を上下変位する。
かかる入出力ベベルギヤ11、31の傾動に伴う上下位置変動は変速ベベルギヤ20の傾動にも対応するものであり、無段変速操作のため両ギヤの噛み合い位置の調整を行いながら最終的には変速ベベルギヤ20を介して出力ベベルギヤ11が無段変速作用を果たすという本件発明の技術本質に係る機能を達成する。
なお、本機能については、逆L字状アーム52についても上述した逆L字状アーム51と同様であるため、その説明については省略する。
上記の無段変速操作を行うための変速ベベルギヤ20や入出力ベベルギヤ11、31の傾動操作は操作杆44と逆L字状アーム51、52を介した変速操作機構40により行う。
従って、本件発明の無段変速装置Mを例えば自動車や動力伝達装置等に応用することができる。特に、動力の伝達過程において動力の速度を変えたい場合は、クラッチやアクセル部分に段階的な変速操作クラッチ機構を介在しているが、本件発明の無段変速装置Mでは、かかる動力伝達過程で無段変速操作を行うことができる。
すなわち、本件の無段変速装置Mの入力軸10に動力を入力して出力軸30から出力するように構成し、かかる動力伝達の経路の中途において操作杆44を変速操作部に配置して自在に無段変速を行うことができる。
操作杆44にはレバーを連設して運転部に配置し、レバーは図1の正面の前後に回動傾斜可能に構成してレバーの操作により門型に形成した操作杆44の下端を中心に前後回動して変速操作機構40を機能させて変速ベベルギヤ20を傾斜させ、また、回転軸ガイド機構Nを介して傾斜作動の適正化をはかり傾斜の限度を規制するように構成できる。
本発明の無段変速装置Mは上記のように構成されており、変速ベベルギヤ20の変位作動は、中心回転軸22と操作杆44の連動構造及び中心回転軸22下方に設置した回転軸ガイド機構Nにより、正面の前後方向への姿勢変位を滑らかに実施できるように構成している。
本発明の無段変速装置Mの変速範囲は、変速ベベルギヤ20と入出力ベベルギヤ11、31が噛み合う位置が大径の変速ベベルギヤ20における傾斜状のコグ26の中心部から周縁部までの間のどの半径位置で噛み合うかによって決定する。
例えば、図3(a)、(b)に示すように、入力ベベルギヤ11のコグ16aと変速ベベルギヤ20のコグ26との接触点(噛合点)をP1とし、出力ベベルギヤ31のコグ36aと変速ベベルギヤ20のコグ26との接触点(噛合点)をP2とし、また、接触点P1及び接触点P2から中心回転軸22の中心までの距離をそれぞれα、βとする。この場合、無段変速装置Mの変速比は距離α及び距離βの比(β/α)によって規定される。
上記の内容を示す例として、本発明の無段変速装置Mの回転動力の伝達を説明し、その後、図3(a)に示す変速ベベルギヤ20が左側に傾倒した場合を想定して、その変速比の変位について説明する。
モータによる回転動力が回転ベルトを通じて入力軸10に伝達することで入力軸10を周方向に回転させる。
入力軸10の回転動力は先端に連結した等速ジョイント機構13を入力軸10と同一の周方向に回転させる。
この際、入力ベベルギヤ11と等速ジョイント機構13とは、ジョイント内輪13aの外周面に設けた軌道内溝14aと軌道外溝14bとの間に介在するスチールボール15で連結されているため、入力軸10の回転に連動してジョイント内輪13aが回転すると、スチールボール15が軌道内溝14a及び軌道外溝14bの円弧面で径方向への移動規制により、ジョイント内輪13aの回転動力がスチールボール15を介して軌道外溝14bを回転する力として作用する。
その結果、軌道内溝14aを有する入力ベベルギヤ11が回転する。
入力ベベルギヤ11が回転作動すると、コグ16aのコグ側面16bがコグ側面26aを押圧し、変速ベベルギヤ20が中心回転軸22を中心として回転作動する。
変速ベベルギヤ20が回転すると、円錐面ギヤ部21の周面に突出したコグ26のコグ側面26aがコグ側面36bを円錐面ギヤ部21の周方向に押圧して出力ベベルギヤ31を出力軸30の周方向に回転作動させる。
出力ベベルギヤ31の回転動力は、出力軸30の先端に連結した等速ジョイント機構33のジョイント内輪33aの外周面に設けた軌道内溝34aと軌道外溝34bの間に摺動自在に設けたスチールボール35の出力軸30の周方向への回転変位を介して等速ジョイント機構33を回転させる。
等速ジョイント機構33は、出力軸30と一体に構成されており、該出力軸30を介して所定の箇所にモータからの回転動力を伝達できる。
なお、入力軸10の回転動力と出力軸30の回転動力とは逆回転となる。
上述した通り、入力ベベルギヤ11から出力ベベルギヤ31への回転動力の伝達は変速ベベルギヤ20を介して各コグ側面の接触により行われる。
次に、無段階での変速作動を行うための本発明の無段変速装置Mの操作及びその作動について説明する。
無段変速装置Mは、変速操作機構40における操作杆44を正面の前後方向に傾動することで変速される。
図3(b)に示すように、操作杆44を正面の前側に傾倒した際には、逆L字状アーム51の横辺部51aが操作杆44の傾倒作動に連動して前側に傾倒する。
逆L字状アーム51の横辺部51aが前側に傾倒すると逆L字状アーム51の縦辺部51bは下方に変位する。
逆L字状アーム51の縦辺部51bの下端部は入力ベベルギヤ11の先端頂部19に枢支しているため、逆L字状アーム51の縦辺部51bの下方変位に連動して入力ベベルギヤ11の先端頂部19は逆L字状アーム51の縦辺部51bと鋭角を保持しながら下方に変位する。
入力ベベルギヤ11の先端頂部19が下方に変位すると入力ベベルギヤ11全体は先端頂部19を中心にして下方に変位する。
かかる状態では入力ベベルギヤ11と変速ベベルギヤ20の噛み合いの接触点P1が円錐面ギヤ部21の頂部側に移動する。
また、操作杆44の後側は操作杆44が前傾したことで逆L字状アーム52の横辺部52aの先端部は折曲部を介して上昇し、折曲部52cで枢支した逆L字状アーム52の縦辺部52bが上方に引き上げられて、逆L字状アーム52の縦辺部52bの下端部に枢支連結した出力ベベルギヤ31の先端頂部39の支持部38を上方に引き上げる。
その結果、支持部38の上方変位に連動して出力ベベルギヤ31の先端頂部39が斜め上向きとなるように姿勢が変位し、出力ベベルギヤ31と変速ベベルギヤ20の噛み合いの接触点P2が円錐面ギヤ部21の周縁部側に変位する。
その結果、中心回転軸22の中心線Lと接触点P1との距離αが中心回転軸22と接触点P2との距離βよりも短くなる。従って、距離β>距離αとなり入力軸10からの回転速度と比較して出力軸30での回転速度が速くなる。すなわち、本発明の無段変速装置Mは操作杆44を前倒することで高速状態を生起できる。
図3(a)に示すように、上述の形態とは反対に操作杆44を後方に傾倒すると、逆L字状アーム51の横辺部51aが操作杆44の傾倒作動に連動して後側に傾倒する。
逆L字状アーム51の横辺部51aが後側に傾倒すると、折曲部51cを介して逆L字状アーム51の縦辺部51bの下端部が下方に変位する。
逆L字状アーム51の縦辺部51bの下端部は支持部18に連結しているため、この下方変位に連動して入力ベベルギヤ11の先端頂部も下方に変位する。
その結果、中心回転軸22の中心線Lと接触点P1との距離αが中心回転軸22の中心線Lと接触点P2との距離βよりも長くなる。したがって、距離β<距離αとなり入力軸10からの回転速度と比較して出力軸30での回転速度が遅くなる。すなわち、本発明の無段変速装置Mは操作杆44を後倒することで低速状態を生起できる。
このように、無段変速装置Mは入出力ベベルギヤ11、31に連結される変速ベベルギヤ20を中心回転軸22の上端部を中心として回転作動させるだけの簡易的な構成により容易に変速できる機構を提供することができると共に、操作杆44と中心回転軸22の下端部に連動連結した回転軸ガイド機構Nを介してガイド体23のガイド溝25に沿った傾動変位を行うことができ、また、変速ベベルギヤ20の傾動を正面の前後方向だけに規制でき、更に、無段変速装置Mは半円弧状の左右側ガイド溝25a、25bの形態に沿って変位するため、急速に操作杆44を前後変位させたとしても左右側ガイド溝25a、25bの前後端部で変位範囲が規制されることになり、加えて、操作杆44の前後方向に突設した逆L字状アーム51、52を介して入出力ベベルギヤ11、31の姿勢変位を規制するため過圧力接触を回避することができる等の種々の効果を発揮することができる。
また、入出力ベベルギヤ11、31と変速ベベルギヤ20との噛合連結構造において上記した回転軸ガイド機構Nや変速操作機構40により噛み合い接触の圧力を常に一定に保つことができるように構成したため、動力の伝達によるエネルギー損失を可及的に減じることができる無段変速装置Mを提供することができる。
また、上記した変速ベベルギヤ20と入出力ベベルギヤ11、31とは、図3(a)、図3(b)に示すように、平面視で互いに半円弧状のアールを形成している。
従って、各ギヤが互いに噛み合う際の回転動力の伝達側の回転方向は、動力伝達側の半円弧状の凸側で噛み合い、動力伝達を行うようにコグの噛み合いをする。
かかるコグの噛み合い構成は、入力ベベルギヤ11と変速ベベルギヤ20との間の入力側での噛み合い、及び変速ベベルギヤ20と出力ベベルギヤ31との間の出力側での噛み合いにおいて実施される。
しかも、前述したように入力ベベルギヤ11の回転方向は、半円弧状の凸側の突出方向に回転し、受動側の変速ベベルギヤ20の半円弧状の凹側で受け止めるような噛み合い形態とする。
かかる半円弧状での噛み合いのコグ構造により動力伝達応力を小面積のコグ側面16b、26a、36bから徐々に大面積のコグ側面16b、26a、36bに移行して動力伝達時の応力損失を可及的に押さえて円滑な動力の伝播を可能として円滑な無段変速を行うことができる。
[本発明の無段変速装置の応用例について]
原動機や電気モータの回転動力を無段変速装置Mの中心回転軸22に連動伝達するように構成することにより無段変速装置Mを自動車のディファレンシャルギヤDfの代替として適用することができる。
無段変速装置Mは、図7に示すように、エンジン動力を伝達する動力伝達部80と、動力伝達部80から伝達される動力を車両前方の左右タイヤTr、Tlに伝達する変速部90と、変速部90に連結して左右タイヤTr、Tlの回転速度を調節するための回転数調整部100とで構成している。
動力伝達部80は、プロペラシャフトPfと、プロペラシャフトPfと上下左右傾動自在に連結された自在継手81と、自在継手81に連結した回転軸82と、回転軸82の先端に連結し変速ベベルギヤ91に回転軸82の回転動力を伝達するピニオンギヤ(図示省略)と、回転軸82を固定するための伝動板84とで構成している。
プロペラシャフトPfは一端部をエンジン側に連結し、他端部を自在継手81に連結している。自在継手81は、回転軸82に連結している。自在継手81は、プロペラシャフトPfと回転軸82の連結角度を任意の角度としても連結状態を維持可能で、さらに、プロペラシャフトPfからの回転動力を伝達できるように構成している。
回転軸82は、略円柱形状で車両前方側の端部にピニオンギヤを連結している。また、回転軸82の下部には、伝動板84を配設している。回転軸82は、伝動板84の中途部に立設したベアリング85に回動自在に支持されている。また、伝動板84は、一端部を枢支部86とし、他端部を変速ベベルギヤ91の略中央部に連結している。
このように動力伝達部80を構成することで、回転軸82と伝動板84を一体に姿勢変位することを可能とし、また、伝動板84を変速ベベルギヤ91と連結することで、ピニオンギヤと変速ベベルギヤ91との噛合位置を一定に維持できる。
変速部90は、ピニオンギヤと噛合する変速ベベルギヤ91と、変速ベベルギヤ91の正面視略中央部に位置するベアリング92と、ベアリング92の略中央を挿通する中心軸93と、中心軸93の先端近傍から左右方向に突設したL字状アーム94、94とで構成している。
変速ベベルギヤ91は、肉厚の円盤状であって、軸中心部から周縁部にかけて緩やかに湾曲しながら後方傾斜する円錐面ギヤ部91aを形成している。円錐面ギヤ部91aの後部側には、ピニオンギヤの周面と噛合する周面部91bを有している。
円錐面ギヤ部91aは、後述の左右の変角ベベルギヤ101、101と噛合している。また、変速ベベルギヤ91の先端側略中央には、ベアリング92を配設している。ベアリング92の略中央には、変速ベベルギヤ91から前方に突設した中心軸93を挿通している。また、中心軸93の先端部にはハンドル操作と連動するための操作孔93aを穿孔している。
また、中心軸93の先端近傍には、中心軸93と直交する向きにL字状アーム94、94を穿設している。
L字状アーム94、94は、横辺部94aの先端を中心軸93に連結すると共に、縦辺部94b、94bの先端を変角ベベルギヤ101、101の先端頂部105、105から車両の左右方向内方に突設した支持部106、106に連結している。
回転数調整部100は、変角ベベルギヤ101と、変角ベベルギヤ101を任意の角度に調整できる等速ジョイント102と、等速ジョイント102に連結したドライブシャフト103と、車両の左右に伸びるドライブシャフト103、103のいずれかに設けた反転ギヤ機構104で構成している。
変角ベベルギヤ101は、無段変速装置Mにおける入出力ベベルギヤ11、31と略同一に構成されている。また、等速ジョイント102は、無段変速装置Mにおける等速ジョイント機構13、33と略同一に構成されている。また、タイヤに連結されているドライブシャフト103、103は、無段変速装置Mにおける入出力軸10、30と略同一に構成されている。反転ギヤ機構104は、左右のタイヤに連結したドライブシャフト103、103の回転方向を統一するために設置されている。
なお、変角ベベルギヤ101と、等速ジョイント102と、ドライブシャフト103の構成については無段変速装置Mに記載の入出力ベベルギヤ11、31と、等速ジョイント機構13と、入力軸10と同一の構成であるため、その構成についての説明は省略する。
また、図示しないハンドルの先端部は、変速部90における中心軸93の先端に設けた操作孔93aに連結している。そのため、中心軸93はハンドルを操作することで操作孔93aを介して前述の枢支部86を中心に車両の車幅方向に自由に傾動できる。
このように無段変速装置Mを構成することで従来の車両に搭載されているディファレンシャルギヤDfと同様の機能を提供できる。
ここでハンドル操作によって車両が直進状態から左旋回状態に姿勢を変換する際を例にして各部の動きを説明する。
車両が左旋回する際には、まず、ハンドルを左方向に回転させる。
このハンドル操作に連動して、図示しないタイロッドを介して車両の左右端部に位置する前輪が左向きに変位する。
また、このハンドル操作に伴い、中心軸93はハンドルの先端部と連結した操作孔93aを介して左方向に姿勢変位する。
この中心軸93の左方向への姿勢変位に伴い変速ベベルギヤ91は枢支部86を中心として左方向に姿勢変位する。
また、この中心軸93の左方向への姿勢変位に伴い、中心軸93に連結したL字状アーム94、94も左方向に姿勢変位する。
次に、L字状アーム94、94の左方向への姿勢変位に伴い、L字状アーム94、94に連結した支持部106、106は車両の前後方向に姿勢変位する。
この支持部106、106の姿勢変位に伴い、変角ベベルギヤ101が車両の進行方向の前後方向に姿勢変位する。
このように変角ベベルギヤ101が姿勢変位することで、左右の変角ベベルギヤ101、101と変速ベベルギヤ91との噛合位置が変位し、左右タイヤTr、Tlの回転数の違いを吸収して車両を安定走行させることができる。
このように変角ベベルギヤ101が車両の前後方向に対して姿勢変位可能に構成することで、変速ベベルギヤ91の円錐面ギヤ部91aに噛合する変角ベベルギヤ101の回転半径を調整し、路面から車輪に伝達される左右車輪の回転数の違いを吸収して円滑に車輪を回転できる。
また、他の実施例として、図8に示すように、反転ギヤ機構104を使用しないデフ構造として円錐面ギヤ部91aを有する変速ベベルギヤ91を左右に2個設けてそれぞれの変速ベベルギヤ91と左右の変角ベベルギヤ101、101とを噛合しており、左右に2個設けた円錐面ギヤ部91aを有する変速ベベルギヤ91、は変速ベベルギヤ91とは別個に垂設した回転軸上端の連動ギヤ87と噛合し、また左右の変速ベベルギヤ91は互いに噛合している。従って、エンジン等の原動機からの回転動力を回転軸82に伝達すると回転軸82上端の連動ギヤ87に動力が伝達されて連動ギヤ87に噛合した左右の変速ベベルギヤ91を回転作動し、これらの左右の変速ベベルギヤ91、91にそれぞれ噛合した左右の変角ベベルギヤ101、101を回転作動させる。かかる左右の変角ベベルギヤ101、101は、それぞれ左右タイヤTr、Tlのドライブシャフト103、103に連動連設されており、かかるギヤの噛合形態において自動車等のデフ機構が機能作動する。図中、107は左右の変速ベベルギヤ91、91を支持する支持フレームであり、この支持フレーム107を、図8の左右方向に傾倒操作することにより左右の変速ベベルギヤ91、91を傾倒して変速操作を可能にしている。なお、図中88は、左右の変速ベベルギヤ91、91を支持フレーム107に支持させるための支持部88である。
車両に搭載されるデフ機構を上述のように構成することで反転ギヤ機構104を使用することなく、車両の左右タイヤTr、Tlを同一の方向に回転させつつ、左右タイヤTr、Tlで回転速度の違いを生起したとしても、その回転数の違いを吸収できるデフ機構について実施できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
M 無段変速装置
10 入力軸
11 入力ベベルギヤ
11a 半球面ギヤ部
12 軸受
13 等速ジョイント機構
13a ジョイント内輪
13b 回転周面
14a 軌道内溝
14b 軌道外溝
15 スチールボール
16 円錐面ギヤ部
16a コグ
16b コグ側面
17 コグ列
18 支持部
19 先端頂部
20 変速ベベルギヤ
21 円錐面ギヤ部
22 中心回転軸
23 ガイド体
24a 右側ガイド杆
24b 左側ガイド杆
25a 右側ガイド溝
25b 左側ガイド溝
26 コグ
26a コグ側面
27 コグ列
30 出力軸
31 出力ベベルギヤ
31a 半球面ギヤ部
32 軸受
33 等速ジョイント機構
33a ジョイント内輪
34a 軌道内溝
34b 軌道外溝
35 スチールボール
36 円錐面ギヤ部
36a コグ
36b コグ側面
37 コグ列
38 支持部
39 先端頂部
40 変速操作機構
41 門型フレーム
44 操作杆
45 変位制御孔
50 姿勢変位リンク機構
51、52 逆L字状アーム
51a、52a 横辺部
51b、52b 縦辺部
51c、52c 折曲部
60 変速機フレーム
61 前側枠
62 左側枠
63 右側枠
64 後側枠
65 左側ガイド片
66 右側ガイド片
80 動力伝達部
81 自在継手
82 回転軸
84 伝動板
85 ベアリング
86 枢支部
87 連動ギヤ
88 支持部
90 変速部
91 変速ベベルギヤ
91a 円錐面ギヤ部
91b 周面部
92 ベアリング
93 中心軸
93a 操作孔
94 L字状アーム
94a 横辺部
94b 縦辺部
100 回転数調整部
101 変角ベベルギヤ
102 等速ジョイント
103 ドライブシャフト
104 反転ギヤ機構
105 先端頂部
106 支持部
107 支持フレーム
110 入力ベベルギヤ
111、131 コグ列
112、132 コグ
113、133 溝部
114、134 溝列
115、135 回転中心部
116、136 湾曲凸部
117、137 周縁部
120 変速ベベルギヤ
121 回転中心部
122 周縁部
123 コグ
124 コグ列
125 溝部
126 溝列
127 湾曲凸部
Df ディファレンシャルギヤ

Claims (4)

  1. 入力軸の先端に設けた入力ベベルギヤと、
    出力軸の先端に設けた出力ベベルギヤと、
    入出力ベベルギヤの間に介在して、各ベベルギヤと円錐面ギヤ部で噛合する略円錐状の変速ベベルギヤと、
    変速ベベルギヤの中心回転軸の上端部を中心に変速ベベルギヤを傾動可能に構成した変速操作機構と、
    より構成し、
    入出力ベベルギヤと入出力軸との間にはそれぞれ等速ジョイント機構を設け、
    変速操作機構による変速ベベルギヤの傾動操作量に応じて入出力ベベルギヤとの各円錐面ギヤ群の噛合位置を変位することにより入出力軸の回転速度を無段で変速可能に構成したことを特徴とする無段変速装置。
  2. 入出力ギヤのコグ列と変速ベベルギヤのコグ列とは、互いに半円弧状に形成し、変速ベベルギヤの傾動に応じて各コグ列のコグ側面が可及的に当接するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 変速ベベルギヤの中心回転軸の下部は半円弧状のガイド溝に沿って傾動可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載の無段変速装置。
  4. 変速ベベルギヤの中心回転軸の上端は変速機フレームの左右側枠に架設した操作杆に連設し、操作杆はL字状アームを介して変速操作機構と連動連設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の無段変速装置。
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