JP2020148224A - 歯車機構及び左右輪駆動装置 - Google Patents

歯車機構及び左右輪駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020148224A
JP2020148224A JP2019043988A JP2019043988A JP2020148224A JP 2020148224 A JP2020148224 A JP 2020148224A JP 2019043988 A JP2019043988 A JP 2019043988A JP 2019043988 A JP2019043988 A JP 2019043988A JP 2020148224 A JP2020148224 A JP 2020148224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
arm
rotating shaft
support member
large gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019043988A
Other languages
English (en)
Inventor
渉 田ノ岡
Wataru Tanooka
渉 田ノ岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2019043988A priority Critical patent/JP2020148224A/ja
Publication of JP2020148224A publication Critical patent/JP2020148224A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gear Transmission (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

【課題】歯車機構,左右輪駆動装置に関し、簡素な構成でシャフトの軸精度を向上させる。【解決手段】弦巻線状の歯筋を有する歯車4,8を、回転力の伝達経路上に介装し、軸受3,7を介してハウジング1に回転可能に支承させる。歯車4,8は、回転軸C1,C2の一端側のみを軸受3,7に支承される。支持部材10に歯車4,8を回転軸C1,C2の延在方向に支持させる。支持部材10の基端はハウジング1に固定する。支持部材10の先端は歯車4,8の側面に当接させる。【選択図】図2

Description

本発明は、弦巻線状の歯筋を有するはすば(斜歯)歯車を備えた歯車機構及び左右輪駆動装置に関する。
従来、車両の駆動力や回転力を伝達する動力伝達機構において、多数の歯車を介して回転力を分配、あるいは変速する装置が存在する。例えば、デフ装置(ディファレンシャル装置)に遊星歯車機構を内蔵させ、左右輪の駆動トルクの配分を変更できるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。また、自動変速機やトランスファー装置などにおいても、各種歯車を組み合わせることで、あるいは歯車の組み合わせを切り替えることで、伝達される回転数やトルクを制御するものが知られている。
特開2017-184341号
ところで、回転力を伝達するための歯車として、弦巻線状の歯筋を有するはすば歯車(ヘリカルギヤ)が使用されることがある。はすば歯車は、通常の平歯車(スパーギヤ)と比較して滑らかに力を伝達することができ、騒音や振動を抑えるのに好適である。一方、歯筋のねじれ角によって生じる軸方向力(スラスト力)が、本来の回転軸に対して歯車を傾斜させるように作用することがある。このような歯車の倒れ込みは、はすば歯車の直径が大きいほど生じやすく、回転軸の軸精度を大きく低下させうる。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、簡素な構成で回転軸の軸精度を向上させることのできる歯車機構を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)開示の歯車機構は、弦巻線状の歯筋を有し、回転力の伝達経路上に介装されるとともに、ハウジングに対し軸受を介して回転可能に支承され、且つ回転軸の一端側のみを前記軸受に支承される歯車を備える。また、基端が前記ハウジングに固定され、先端が前記歯車の側面に当接し、前記歯車を前記回転軸の延在方向に支持する支持部材を備える。なお、前記歯車は、はすば(斜歯)歯車やヘリカルギヤとも呼ばれる。
(2)前記支持部材が、前記回転軸の他端側に配置される第一アームを有し、前記歯車及び前記第一アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記歯車に歯合する第二歯車との噛合箇所と前記回転軸とを結ぶ直線上に配置されることが好ましい。
(3)前記支持部材が、前記回転軸の一端側に配置される第二アームを有し、前記歯車及び前記第二アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記回転軸を基準として前記歯車及び前記第一アームの当接箇所と点対称の位置にあることが好ましい。
(4)前記支持部材が、前記回転軸の一端側に配置される第三アームを有し、前記歯車及び前記第三アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記歯車及び前記第一アームの当接箇所と同一の位置にあることが好ましい。
(5)前記支持部材が、前記回転軸の他端側に配置される第四アームを有し、前記歯車及び前記第四アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記回転軸を基準として前記歯車及び前記第一アームの当接箇所と点対称の位置にあることが好ましい。
(6)前記支持部材が、前記ハウジングから前記歯車の側面に向かって延設されたアーム部と、前記アーム部に対し回転可能に軸支されて前記歯車の側面と当接するローラーとを有することが好ましい。
(7)前記ローラーが、前記歯車の側面と前記回転軸との交点を通る中心軸を有する円錐台形状に形成されることが好ましい。
(8)前記支持部材の下面が、前記基端から前記先端へと向かう下り勾配の傾斜面であることが好ましい。
(9)前記歯車が、車両のディファレンシャル装置に内装される最大径のギヤであることが好ましい。
(10)前記歯車が、車両の左輪に接続される左軸に取り付けられる左大歯車と、前記車両の右輪に接続される右軸に取り付けられる右大歯車とを有し、前記支持部材が、前記左大歯車及び前記右大歯車のそれぞれの対向面に当接するように設けられることが好ましい。
(11)また、開示の左右輪駆動装置は、車両の左右輪を駆動する第一モータ及び第二モータを備える。また、弦巻線状の歯筋を有し、前記第一モータの回転力の伝達経路上に介装されるとともに、ハウジングに対し左軸受を介して回転可能に支承され、且つ回転軸の一端側のみを前記左軸受に支承される左大歯車を備える。また、弦巻線状の歯筋を有し、前記第二モータの回転力の伝達経路上に介装されるとともに、前記ハウジングに対し右軸受を介して回転可能に支承され、且つ前記回転軸の他端側のみを前記右軸受に支承される右大歯車を備える。さらに、基端が前記ハウジングに固定され、先端が前記左大歯車または前記右大歯車の側面に当接し、前記左大歯車または前記右大歯車を前記回転軸の延在方向に支持する支持部材を備える。
支持部材を歯車の側面に当接させることで、スラスト力に由来する歯車の倒れ込みを抑制することができ、回転軸の軸精度を向上させることができる。また、歯の摩耗による動作不良や故障の発生率を低下させることができ、回転力の伝達効率や製品品質を高めることができる。
実施形態としての歯車機構が適用されたデフ装置の骨格構造図である。 デフ装置の要部を拡大して示す断面図である。 支持部材の構成を説明するための斜視図である。 ローラーの構造を説明するための図である。 支持部材と歯車との当接箇所を説明するための図である。
[1.構成]
以下、図面を参照して実施形態としての歯車機構が適用されたデフ装置20について説明する。図1に示すデフ装置20は、AYC(アクティブヨーコントロール)機能を持った車両用のディファレンシャル装置(左右輪駆動装置)であり、左右輪の間に介装される。AYC機能とは、左右の駆動輪における駆動力(駆動トルク)の分担割合を積極的に制御することでヨーモーメントの大きさを調節し、これを以て車両の姿勢を安定させる機能である。本実施形態のデフ装置20は、AYC機能だけでなく、回転力を左右輪に伝達して車両を走行させる機能と、車両旋回時に発生する左右輪の回転数差を受動的に吸収する機能とを併せ持つ。
図1に示すように、デフ装置20には、差動機構15が内蔵される。差動機構15は、容器状のデフケース19に複数の差動歯車を内蔵させたものである。この差動機構15は、車両の左輪に回転力を伝達する左軸2と、右輪に回転力を伝達する右軸6との間に介装される。左軸2の回転軸C1は、基本的には右軸6の回転軸C2と同軸である。ただし、デフ装置20と左右輪との間には自在継手が介装されるため、左輪の回転中心は必ずしも右輪の回転中心に一致しない。
デフケース19の内部には、左軸2に接続された左かさ歯車16と、右軸6に接続された右かさ歯車17とが対向状態で同軸配置される。また、左かさ歯車16,右かさ歯車17の双方と歯合するデフピニオン歯車18が、デフケース19に対して回転可能に支持される。デフピニオン歯車18は、その回転軸が左かさ歯車16,右かさ歯車17の回転軸に直交するように配置される。
ここで、デフピニオン歯車18のデフケース19に対する回転のことを「自転」と呼び、左軸2及び右軸6に対する回転のことを「公転」と呼ぶ。左右のかさ歯車16,17に回転数差がない状態では、デフピニオン歯車18が自転することなく公転する。一方、左右のかさ歯車16,17に回転数差がある状態では、デフピニオン歯車18が回転数差に応じた速度で自転しながら公転する。
デフ装置20には、二つのモーター21,26(電動機)が内蔵される。片方の左モーター21は、左右の駆動輪に回転数差を生じさせるために用いられ、もう片方の右モーター26は、回転力を左右の駆動輪に伝達して車両を走行させるために用いられる。本実施形態の左モーター21は、クラッチ34を介して左軸2に接続される。クラッチ34は左モーター21を左軸2に対して接続または接続する連軸器である。左モーター21は、左軸2に接続された左輪の回転数やトルクを増減させるように機能する。また、右モーター26は、デフ装置20のデフケース19に接続される。左右輪に回転数差が生じない状況下では、右モーター26から伝達される駆動トルクが左右輪に対して均等に分配される。
左モーター21から左軸2への動力伝達経路について詳述する。左軸2の外周には、左大歯車4が軸周りに回転可能に取り付けられる。左大歯車4は、弦巻線状の歯筋を有するはすば歯車であり、デフ装置20に内装される最大径のギヤである。この左大歯車4は、デフ装置20のハウジング1に対し左軸受3を介して回転可能に支承される。本実施形態の左大歯車4は、ハウジング1及び左軸2の双方に対して回転可能である。また、左軸受3はスラスト方向の荷重を支えうるスラスト軸受である。
左モーター21の回転軸をなす中空円筒状の左モーター軸22には、左モーター歯車23が取り付けられる。回転軸C3を有する中空円筒状の左中間軸24には、左モーター歯車23に歯合する左中間歯車25と、左大歯車4に歯合する左小歯車5とが取り付けられる。左モーター21の回転軸は、左大歯車4の回転軸C1や左中間軸24の回転軸C3と平行に配置される。左大歯車4の回転は、クラッチ34を接続することで左軸2に伝達される。なお、左輪に前進方向の回転力が伝達されているときに、左大歯車4が左小歯車5から受けるスラスト力の向きは、デフ装置20の外側から内側へ向かう方向(図2中の右方向)である。
続いて、右モーター26から左軸2及び右軸6への動力伝達経路について詳述する。右軸6の外周には、右大歯車8が軸周りに回転可能に取り付けられる。右大歯車8は、弦巻線状の歯筋を有するはすば歯車であり、デフ装置20に内装される最大径(左大歯車4と同径)のギヤである。右大歯車8の歯筋は、左大歯車4の歯筋とは逆向きの螺旋形状である。右大歯車8は、デフ装置20のハウジング1に対し右軸受7を介して回転可能に支承される。本実施形態の右大歯車8は、ハウジング1及び右軸6の双方に対して回転可能な状態で、差動機構15のデフケース19に固定される。また、右軸受7はスラスト方向の荷重を支えうるスラスト軸受である。
右モーター26の回転軸をなす中空円筒状の右モーター軸27には、右モーター歯車28が取り付けられる。回転軸C4を有する中空円筒状の右中間軸29には、右モーター歯車28に歯合する右中間歯車30と、右大歯車8に歯合する右小歯車9とが取り付けられる。右モーター26の回転軸は、右大歯車8の回転軸C2や右中間軸29の回転軸C4と平行に配置される。右大歯車8の回転はデフケース19に伝達され、左軸2及び右軸6に伝達される。なお、右輪に前進方向の回転力が伝達されているときに、右大歯車8が右小歯車9から受けるスラスト力の向きは、デフ装置20の外側から内側へ向かう方向(図2中の左方向)である。
図2は、左大歯車4及び右大歯車8の周辺構造を説明するための断面図である。図2では、差動機構15,左モーター21,右モーター26などが省略されている。以下、左大歯車4及び右大歯車8の回転軸C1,C2に関して、デフ装置20の外側方向のことを「一端側」と呼び、内側のことを「他端側」と呼ぶ。例えば、左大歯車4を支持する左軸受3は、左大歯車4の回転軸C1の一端側(図2中の左側)のみに配置される。つまり、左大歯車4は、回転軸C1の一端側のみを左軸受3に支承された片持ち支持の状態となっている。同様に、右大歯車8を支持する右軸受7は、右大歯車8の回転軸C2の一端側(図2中の右側)のみに配置される。右大歯車8も、回転軸C2の一端側のみを右軸受7に支承された片持ち状態である。
左大歯車4の近傍には、支持部材10が設けられる。支持部材10は、基端がハウジング1に固定され、先端が左大歯車4の側面に当接するように設けられる。これらの支持部材10は、左大歯車4をその回転軸C1の延在方向に支持する機能を持つ。同様に、右大歯車8の近傍には、右大歯車8をその回転軸C2の延在方向に支持する支持部材10が設けられる。図2に示す例では、左大歯車4,右大歯車8のそれぞれに四つの支持部材10が取り付けられている。
図3に示すように、それぞれの支持部材10には、アーム部31及びローラー32が設けられる。アーム部31は、ハウジング1から左大歯車4の側面に向かって延設された部位である。なお、アーム部31の下面は、基端から先端へと向かう下り勾配の傾斜面となっている。また、ローラー32は、アーム部31に対し回転可能に軸支されて、左大歯車4の側面と当接する部位である。ローラー32の具体的な形状としては、円筒形状,球形状,楕円球形状などが考えられるが、好ましくは円錐台形状とする。
図4に示すように、ローラー32を円錐台形状とする場合には、ローラー32の錐面が左大歯車4の側面に接触した状態で、円錐台の中心軸(二点鎖線)が左大歯車4の側面と回転軸C1との交点P1を通るように配置することが好ましい。例えば、ローラー32の頂面が左大歯車4の側面に接する位置から回転軸C1までの距離をR1とおく。同様に、ローラー32の底面が左大歯車4の側面に接する位置から回転軸C1までの距離をR2とおく。また、ローラー32の頂面の半径をr1とし、底面の半径をr2とする。円錐台の形状は、以下の関係を満たすように設定することが好ましい。
Figure 2020148224
なお、左大歯車4の両側面にローラー32を配置する場合、裏側のローラー32の中心軸は、左大歯車4の側面と回転軸C1との交点P2を通るように配置すればよい。
左大歯車4,右大歯車8のそれぞれに取り付けられる四つの支持部材10は、その取り付け位置に応じて、第一アーム11,第二アーム12,第三アーム13,第四アーム14と呼び分けられる。以下、左大歯車4の支持部材10について説明する。
第一アーム11は、左大歯車4よりも回転軸C1の他端側(図2中の右側)であって、左大歯車4と左小歯車5との歯合箇所の近傍に配置される支持部材10である。左大歯車4と第一アーム11との当接箇所は、回転軸C1の軸方向視において、左大歯車4及び左小歯車5の歯合箇所と回転軸C1とを結ぶ直線上に配置される。例えば、左大歯車4と第一アーム11との当接箇所が、図5中の領域A内に設定される。なお、左大歯車4及び左小歯車5の歯合箇所は、回転軸C1の軸方向視において、回転軸C1と回転軸C3とを結ぶ直線上に位置する。したがって、回転軸C1,C3の位置が特定されれば、第一アーム11と左大歯車4との当接箇所を設定することができる。
第二アーム12は、左大歯車4よりも回転軸C1の一端側(図2中の右側)に配置される支持部材10である。左大歯車4と第二アーム12との当接箇所は、回転軸C1の軸方向視において、回転軸C1を基準として第一アーム11と左大歯車4との当接箇所と点対称に配置される。例えば、第一アーム11による当接箇所が図5中の領域A内(表側)であるならば、第二アーム12による当接箇所は図5中の領域B内(裏側)に設定される。第一アーム11,第二アーム12はともに、左大歯車4が左小歯車5から受けるスラスト力に由来するモーメントに対抗するように作用する。
第三アーム13は、左大歯車4よりも回転軸C1の一端側(図2中の右側)であって、第一アーム11の裏側に配置される支持部材10である。左大歯車4と第三アーム13との当接箇所は、回転軸C1の軸方向視において、第一アーム11の当接箇所と同一位置に設定される。これにより、左大歯車4は第一アーム11及び第三アーム13に挟み込まれた状態となり、支持状態が安定化する。
第四アーム14は、左大歯車4よりも回転軸C1の他端側(図2中の右側)であって、第二アーム12の裏側に配置される支持部材10である。左大歯車4と第四アーム14との当接箇所は、回転軸C1の軸方向視において、第二アーム12の当接箇所と同一位置に設定される。つまり、左大歯車4と第四アーム14との当接箇所は、回転軸C1の軸方向視において、回転軸C1を基準として第一アーム11と左大歯車4との当接箇所と点対称に配置される。これにより、左大歯車4は第二アーム12及び第四アーム14に挟み込まれた状態となり、支持状態が安定化する。また、第三アーム13,第四アーム14はともに、第一アーム11や第二アーム12とは逆方向のモーメントに対抗するように作用する。
[2.作用・効果]
(1)上記の歯車機構及びデフ装置20(左右輪駆動装置)によれば、支持部材10を歯車4,8の側面に当接させることで、スラスト力に由来する歯車4,8の倒れ込みを抑制することができる。したがって、回転軸C1,C2の軸精度を向上させることができる。また、歯の摩耗による動作不良や故障の発生率を低下させることができ、回転力の伝達効率や製品品質を高めることができる。
(2)上記の歯車機構では、図2に示すように、歯車4,8が片持ち状態で軸受3,7に支承されており、スラスト力に由来する倒れ込みが生じやすい構造となっている。このような構造の歯車4,8に支持部材10を当接させることで、歯車4,8の倒れ込みを抑制しつつ、デフ装置20の構成を簡素にすることができる。例えば、歯車4,7の他端側にベアリングを配置する必要がなくなり、部品点数やコストを削減することができる。
(3)上記の歯車機構では、第一アーム11が歯車4,8の他端側に配置される。第一アーム11は、例えば図5中の領域Aに示すように、左大歯車4及び左小歯車5の歯合箇所と回転軸C1とを結ぶ直線上に配置される。これにより、効率的に歯車4,8の倒れ込みを抑えることができ、回転軸C1,C2の軸精度を向上させることができる。また、第一アーム11は、左大歯車4及び左小歯車5の歯合箇所に近い位置で歯車4,8を支えることになるため、確実に歯車4,8の倒れ込みを抑えることができる。
(4)上記の歯車機構では、第二アーム12が歯車4,8の一端側に配置される。第二アーム12は、例えば図5中の領域Bに示すように、回転軸C1を基準として第一アーム11と左大歯車4との当接箇所と点対称の位置に配置される。これにより、第一アーム11及び第二アーム12に作用する荷重を半減させることができ、歯車4,8の倒れ止め効果を高めることができる。また、第一アーム11,第二アーム12はともに、スラスト力に由来する同一方向のモーメントに対抗するように作用するため、確実に歯車4,8の倒れ込みを抑えることができる。
(5)上記の歯車機構では、第三アーム13が歯車4,8の一端側で第一アーム11の裏側に配置される。これにより、第一アーム11及び第三アーム13で歯車4,8を挟み込むことができ、支持状態を安定させることができる。また、第三アーム13は、第一アーム11が負担するスラスト力とは逆方向のスラスト力を負担することができる。例えば、第一アーム11が車両前進時における歯車4,8の倒れ込みを抑制するものとすれば、第三アーム13は車両後退時における歯車4,8の倒れ込みを抑制することができる。したがって、回転軸C1,C2の軸精度を向上させることができる。
(6)上記の歯車機構では、第四アーム14が歯車4,8の他端側で第二アーム12の裏側に配置される。これにより、第二アーム12及び第四アーム14で歯車4,8を挟み込むことができ、支持状態を安定させることができる。また、第四アーム14は、第二アーム12が負担するスラスト力とは逆方向のスラスト力を負担することができる。例えば、第二アーム12が車両前進時における歯車4,8の倒れ込みを抑制するものとすれば、第四アーム14は車両後退時における歯車4,8の倒れ込みを抑制することができる。したがって、回転軸C1,C2の軸精度を向上させることができる。さらに、第三アーム13,第四アーム14はともに、第一アーム11や第二アーム12とは逆方向のモーメントに対抗するように作用するため、確実に歯車4,8の倒れ込みを抑えることができる。
(7)上記の歯車機構では、支持部材10にローラー32が設けられる。ローラー32は、アーム部31に対して回転可能に軸支されて歯車4,8の側面と当接するように設けられる。このように支持部材10にローラー32を設けることで、摩擦による回転力の損失を抑えることができる。また、支持部材10の摩耗や破損を防止することができる。
(8)上記の歯車機構では、図3に示すように、ローラー32が円錐台形状に形成される。また、円錐台形状の中心軸は、図4に示すように、歯車4,8の側面と回転軸C1,C2との交点P1,P2を通るように設定される。これにより、ローラー32の表面と歯車4,8の側面との速度差をゼロにすることができ、ローラー32の滑りによる摩耗や損失を減少させることができる。
(9)上記の歯車機構では、支持部材10の下面が、基端から先端へと向かう下り勾配の傾斜面となっている。これにより、支持部材10の表面に付着したオイル(潤滑油)を先端に向かって流通させることができる。なお、ハウジング1の下部にはオイルが貯留されており、歯車4,8の回転によって掻き上げられたオイルがハウジング1内の各所に飛散して、各所を潤滑している。飛散したオイルは支持部材10にも付着するため、支持部材10の下面を傾斜面にすることで、オイルガイドとしての機能を付与することができ、支持部材10の摩耗や損失を減少させることができる。
(10)上記の歯車機構では、デフ装置20に内装される最大径のギヤである左大歯車4,右大歯車8が支持部材10で支持される。つまり、最も倒れ込みが生じやすい歯車を支持部材10で支持して倒れ止めすることで、回転軸C1,C2の軸精度を効率的に改善することができる。
(11)上記の歯車機構では、図2に示すように、左大歯車4及び右大歯車8のそれぞれの対向面に支持部材10(第一アーム11,第四アーム14)が取り付けられている。このように、一対の歯車4,8の対向面に支持部材10を配置することで、それぞれのスラスト力を相殺させることができ、歯車4,8の倒れ止め効果を高めることができる。
[3.変形例]
上記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、本実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
上述の実施形態では左大歯車4と右大歯車8とのそれぞれに、四つの支持部材10(第一アーム11〜第四アーム14)が設けられた構造を例示したが、いくつかの支持部材10を一体化することも考えられる。例えば、図2中に破線で示すように、左大歯車4を支持する第一アーム11と右大歯車8を支持する第一アーム11との間を連結部33で連結させてもよい。このように、複数の支持部材10を一体化することで、省スペース化を図りつつ、歯車4,8の倒れ止め効果を高めることができる。
図5に示す左大歯車4の側面に関して、半径R2の円の内側であって半径R1の円の外側の領域(ドーナツ領域)は、ローラー32が接触しながら転がる部分であり、摩擦抵抗は小さい方がよい。したがって、少なくともローラー32に接触しうるドーナツ領域に鏡面加工を施して、動力損失を減少させることが考えられる。このような工夫により、回転力の伝達効率や製品品質をさらに向上させることができる。
また、上述の実施形態では歯車機構が適用されたデフ装置20について詳述したが、歯車機構の適用対象はデフ装置20に限定されない。例えば、自動変速機やトランスファー装置などに上記の歯車機構を適用することも可能である。さらに、車両用の装置だけでなく、船舶,航空機,産業用機械などに適用することも可能である。少なくとも、回転力の伝達経路上に介装される斜歯歯車を備えた装置であれば、上記の歯車機構を適用することで、上述の実施形態と同様の作用効果を奏するものとなる。
1 ハウジング
2 左軸
3 左軸受
4 左大歯車(歯車)
5 左小歯車
6 右軸
7 右軸受
8 右大歯車(歯車)
9 右小歯車
10 支持部材
11 第一アーム
12 第二アーム
13 第三アーム
14 第四アーム
31 アーム部
32 ローラー

Claims (11)

  1. 弦巻線状の歯筋を有し、回転力の伝達経路上に介装されるとともに、ハウジングに対し軸受を介して回転可能に支承され、且つ回転軸の一端側のみを前記軸受に支承される歯車と、
    基端が前記ハウジングに固定され、先端が前記歯車の側面に当接し、前記歯車を前記回転軸の延在方向に支持する支持部材とを備える
    ことを特徴とする歯車機構。
  2. 前記支持部材が、前記回転軸の他端側に配置される第一アームを有し、
    前記歯車及び前記第一アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記歯車に歯合する第二歯車との噛合箇所と前記回転軸とを結ぶ直線上に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の歯車機構。
  3. 前記支持部材が、前記回転軸の一端側に配置される第二アームを有し、
    前記歯車及び前記第二アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記回転軸を基準として前記歯車及び前記第一アームの当接箇所と点対称の位置にある
    ことを特徴とする請求項2記載の歯車機構。
  4. 前記支持部材が、前記回転軸の一端側に配置される第三アームを有し、
    前記歯車及び前記第三アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記歯車及び前記第一アームの当接箇所と同一の位置にある
    ことを特徴とする請求項2または3記載の歯車機構。
  5. 前記支持部材が、前記回転軸の他端側に配置される第四アームを有し、
    前記歯車及び前記第四アームの当接箇所が、前記回転軸の軸方向視において、前記回転軸を基準として前記歯車及び前記第一アームの当接箇所と点対称の位置にある
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の歯車機構。
  6. 前記支持部材が、前記ハウジングから前記歯車の側面に向かって延設されたアーム部と、前記アーム部に対し回転可能に軸支されて前記歯車の側面と当接するローラーとを有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯車機構。
  7. 前記ローラーが、前記歯車の側面と前記回転軸との交点を通る中心軸を有する円錐台形状に形成される
    ことを特徴とする請求項6項に記載の歯車機構。
  8. 前記支持部材の下面が、前記基端から前記先端へと向かう下り勾配の傾斜面である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯車機構。
  9. 前記歯車が、車両のディファレンシャル装置に内装される最大径のギヤである
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の歯車機構。
  10. 前記歯車が、車両の左輪に接続される左軸に取り付けられる左大歯車と、前記車両の右輪に接続される右軸に取り付けられる右大歯車とを有し、
    前記支持部材が、前記左大歯車及び前記右大歯車のそれぞれの対向面に当接するように設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯車機構。
  11. 車両の左右輪を駆動する第一モータ及び第二モータと、
    弦巻線状の歯筋を有し、前記第一モータの回転力の伝達経路上に介装されるとともに、ハウジングに対し左軸受を介して回転可能に支承され、且つ回転軸の一端側のみを前記左軸受に支承される左大歯車と、
    弦巻線状の歯筋を有し、前記第二モータの回転力の伝達経路上に介装されるとともに、前記ハウジングに対し右軸受を介して回転可能に支承され、且つ前記回転軸の他端側のみを前記右軸受に支承される右大歯車と、
    基端が前記ハウジングに固定され、先端が前記左大歯車または前記右大歯車の側面に当接し、前記左大歯車または前記右大歯車を前記回転軸の延在方向に支持する支持部材とを備える
    ことを特徴とする左右輪駆動装置。
JP2019043988A 2019-03-11 2019-03-11 歯車機構及び左右輪駆動装置 Pending JP2020148224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019043988A JP2020148224A (ja) 2019-03-11 2019-03-11 歯車機構及び左右輪駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019043988A JP2020148224A (ja) 2019-03-11 2019-03-11 歯車機構及び左右輪駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020148224A true JP2020148224A (ja) 2020-09-17

Family

ID=72431976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019043988A Pending JP2020148224A (ja) 2019-03-11 2019-03-11 歯車機構及び左右輪駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020148224A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114028776A (zh) * 2021-01-22 2022-02-11 深圳动魅科技有限公司 一种健身镜及卡路里计算方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114028776A (zh) * 2021-01-22 2022-02-11 深圳动魅科技有限公司 一种健身镜及卡路里计算方法
CN114028776B (zh) * 2021-01-22 2022-11-11 深圳动魅科技有限公司 一种健身镜及卡路里计算方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101541673B1 (ko) 무단 변속기
US9347541B2 (en) Modular power transfer unit assembly for a vehicle
EP1998080A2 (en) Final reduction gear device
WO2014162637A1 (ja) 無段変速機
EP1210532B1 (en) Gearing for power sharing in planetary transmission
JP2020148224A (ja) 歯車機構及び左右輪駆動装置
JP6361604B2 (ja) 車両のトランスファ構造
RU2666482C1 (ru) Механизм передачи мощности
JP2005207600A (ja) コーンリング式変速機
JP5146742B2 (ja) 差動装置
JP6407678B2 (ja) 動力伝達装置
JP2011153645A (ja) 無段変速機及び無段変速機の制御装置
JP5590265B2 (ja) 無段変速機
JP2013087791A (ja) 軸受の潤滑装置
JP6413918B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2003048441A (ja) 車両用四輪駆動装置
KR101256849B1 (ko) 마찰구동을 이용한 직교축 동력전달장치
JP2017101694A (ja) 伝動装置
JP6361614B2 (ja) トランスファ装置
JP2017053378A (ja) 伝動装置及び差動装置
RU2389922C2 (ru) Способ передачи вращения и вариаторная зубчатая передача
US20180306296A1 (en) Power transmitting device
JP2022041811A (ja) 内接噛合遊星歯車装置、車輪装置及び車両
JP2022041810A (ja) 内接噛合遊星歯車装置、車輪装置及び車両
JP2018135976A (ja) 差動装置