JP6723915B2 - エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、特定の鉄錯体の存在下にカルボン酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によってエステルを製造するに際し、蒸留操作を省略しても、色相に優れ、固形物の混入も少なくて、各種用途に好適に使用することのできる、高品位なエステルを得ることを目的とする。
[1]下記一般式(1)又は(2)で表される配位子が配位した鉄錯体の存在下にカルボン酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって得られたエステルを酸性溶液で洗浄する工程(I)を含む、エステルの製造方法;
[2]前記エステル交換反応によって得られたエステルを塩基性溶液で洗浄する工程(II)を含む、上記[1]の製造方法;
[3]前記工程(I)及び/又は(II)の前処理として、前記エステル交換反応によって得られたエステルに低極性溶媒を加えることにより析出した固形物を除去する工程(III)を含む、上記[1]又は[2]の製造方法;
[4]前記工程(I)及び/又は(II)で得られたエステルを活性炭で吸着処理する工程(IV)を含む、上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法;
[5]前記エステルが(メタ)アクリル酸エステルである、上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法;
[6]前記(メタ)アクリル酸エステルがイソプレングリコールジメタクリレートである、上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法;
に関する。
本発明のエステルの製造方法は、下記一般式(1)又は(2)で表される配位子が配位した鉄錯体の存在下にカルボン酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって得られたエステルを酸性溶液で洗浄する工程(I)を含む。
本発明の製造方法において工程(I)に供されるエステルは、上記鉄錯体の存在下にカルボン酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって得られたものである(以下、当該エステル交換反応を行う工程を「工程(iv)」と称する場合がある)。当該エステル交換反応で用いられるカルボン酸エステルの種類は特に限定されず、目的に応じて公知の化合物を用いることができるが、反応によって副生するアルコールの留去のしやすさなどから、エステル基がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル等の低級アルキル基を有する化合物(低級アルキルエステル)が好ましい。カルボン酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記アルコールの種類は特に限定されず、目的に応じて公知の化合物を用いることができる。特に前記した工程(i−1)及び(i−2)を経る方法により製造した鉄錯体を触媒として用いる場合には、触媒活性が高く、第3級水酸基であっても効率よくエステル化反応(エステル交換反応)を行うことができるため、アルコールは第3級水酸基を有するアルコールであってもよい。またアルコールは1価アルコールであっても多価アルコールであってもよい。具体的なアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、ノルマルヘキサノール、ノルマルヘプタノール、ノルマルオクタノール、イソプレングリコール、4−メチル−2,4−ペンタンジオール、5−メチル−3,5−ヘキサンジオール、6−メチル−4,6−ヘプタンジオール、7−メチル−5,7−オクタンジオール、4−メチル−1,4−ペンタンジオール、5−メチル−1,5−ヘキサンジオール、6−メチル−1,6−ヘプタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、3−プロピル−1,3−ヘキサンジオール、3−エチル−1,3−ヘプタンジオール、3−メチル−1,3−ノナンジオール、4−メチル−1,4−ヘキサンジオール、5−メチル−1,5−ヘプタンジオール、6−メチル−1,6−オクタンジオールなどが挙げられる。
前記エステル交換反応の方法に特に制限はなく、例えば、カルボン酸エステル、アルコール、及び前記鉄錯体を混合し、加熱することによって行うことができる。また、副生するカルボン酸エステル由来のアルコールを留去することで反応を促進させることができる。なお、前記鉄錯体は、前記置換基などを介して担体などに固定化されていてもよい。担体に固定化されることによって、反応液からの触媒の分離が容易になる。
本発明の製造方法における工程(I)では、前記エステル交換反応によって得られたエステルを酸性溶液で洗浄する。これによって、エステルに溶解した鉄錯体を除去することができ、蒸留操作を省略しても、色相に優れ、固形物の混入も少なくて、各種用途に好適に使用することのできる、純度の高い高品位なエステルを容易に得ることができるようになる。酸性溶液の酸としては特に限定されず、公知の酸を用いることができる。前記酸としては、例えば、硝酸、塩化水素、硫酸、りん酸等の無機酸類;ぎ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸類などが挙げられる。洗浄効果の高さから、酸性溶液は酸性水溶液であることが好ましく、前記酸としては、酸性水溶液中での酸解離定数pKaが5未満のものが好ましく、廃水処理や経済性の点から、硝酸、硫酸、酢酸がより好ましく、硝酸がさらに好ましい。
本発明では、前記エステル交換反応によって得られたエステルを塩基性溶液で洗浄する工程(II)をさらに含んでもよい。当該工程(II)によって、エステルに含まれる未反応の原料ないし中間体生成物であるアルコール等を除去することができる。工程(II)は、工程(I)の前に行ってもよいし、工程(I)の後に行ってもよいし、工程(I)の前と後とでそれぞれ1回又は2回以上行ってもよいが、アルコール除去性等の観点からは、少なくとも1回は工程(I)の洗浄の後に行うのが好ましい。塩基性溶液の塩基としては特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。前記塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア等の無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類などが挙げられる。洗浄効果やコストの点から、塩基性溶液は塩基性水溶液であることが好ましく、前記塩基としては水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明では、前記工程(I)及び/又は(II)の前処理として、前記エステル交換反応によって得られたエステルに低極性溶媒を加えることにより析出した固形物を除去する工程(III)をさらに含んでもよい。これにより、エステルに含まれる鉄錯体や、工程(I)及び/又は(II)の洗浄で分液不良の原因となる不溶物を予め除去することができる。前記低極性溶媒としては、例えば、ノルマルへキサン、ノルマルヘプタン、シクロへキサン、トルエン、キシレン、2−ブタノン、酢酸エチル、ジイソプロピルエーテルなどが挙げられ、複数の溶媒を混合して用いてもよい。中でも、安価で、かつ、生成物であるエステルに対して不活性である点などから、ノルマルへキサン、ノルマルヘプタン、シクロへキサン、トルエンが好ましい。なお、エステルに低極性溶媒を加えるにあたって、エステルがエステル交換反応で使用したカルボン酸エステル、アルコール、有機溶媒等の揮発性物質に溶解している場合には、当該揮発性物質を予め留去等により除去しておくことが好ましい。
本発明では、前記工程(I)及び/又は(II)で得られたエステルを活性炭で吸着処理する工程(IV)をさらに含んでもよい。これにより、鉄錯体や反応副生物に由来する着色成分を活性炭に吸着させて除去することができる。活性炭の種類は特に限定されず、公知のものを用いることができる。
試料をガスクロマトグラフィーで分析し、イソプレングリコール、イソプレングリコールモノメタクリレート、イソプレングリコールジメタクリレートの面積比率を基に各成分を定量した。
装置:島津製作所製GC−2014
カラム:DB−1 0.25mmφ×30mm、膜厚0.25μm(アジレント社製)
インジェクション温度:280℃
カラム温度:50℃で5分保持、10℃/分で280℃まで昇温、その後、3分間保持
FID検出器温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム、カラム流速1.5mL/分
注入量:0.2μL
イソプレングリコールジメタクリレートを充填・脱泡した10mm厚ガラスセルを作製し、日本電色工業製カラーメーターSD5000を用い、純水を基準サンプルとしてYI値を測定した。なお、測定条件は、2度視野、光源はD65とした。
ヘキサン100gに試料1gを溶解し、濁りの有無を目視で確認した。
冷却管、滴下ロート、温度計、メカニカルスターラーを取り付けた1L四口フラスコに、水750mLを入れ、硝酸第二鉄九水和物112g(0.28モル)を加えて溶解した。そこへ、サリチルアルデヒド68g(0.56モル)を滴下し、常温で30分間撹拌し、黒色の前駆体溶液を得た。続いて、得られた前駆体溶液にエチレンジアミン50g(0.83モル)を滴下した。滴下を終了した後、加熱し、内温70℃で2時間撹拌した。さらにエチレンジアミン11g(0.18モル)を加え、内温70℃で2時間撹拌し、黄褐色の懸濁液を得た。懸濁液のpHをpH試験紙で確認したところ、10であった。懸濁液を吸引ろ過し、ろ液のpHが7〜8となるまで水洗して得られた固形物を120℃で真空乾燥して、黄色の粉末87gを得た。この粉末が鉄サレン錯体(鉄錯体)であり、前記式(5)で表される鉄二核錯体と対応する鉄単核錯体とからなり、鉄二核錯体と鉄単核錯体とのモル比が85:15のものである。
モレキュラーシーブ(4A)20gを充填した側管付充填塔、冷却器、温度計及び乾燥管を取り付けた50mL三口フラスコに、製造例1で得られた鉄サレン錯体0.26g、イソプレングリコール1.04g(10mmol)、メタクリル酸メチル40g(400mmol)、フェノチアジン0.08gを仕込んだ後、常圧撹拌条件下で、フラスコの内温が100〜105℃になるようにフラスコを120℃に設定したオイルバスに浸漬し、モレキュラーシーブを通して、留出してくる留分を全還流させ、反応系に戻しながら、11時間エステル交換反応を行った。得られた反応液を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.1%、イソプレングリコールジメタクリレート99.9%であった。
この反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン5gを加え、析出した固形物をろ紙を用いて吸引ろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に10w/v%硝酸水溶液5gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(酸性溶液での洗浄)。得られたヘキサン溶液に飽和重曹水を加えてpHが7となるまで中和した。分液により得られたヘキサン溶液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート2.05gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.1%、イソプレングリコールジメタクリレート99.9%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
実施例1と同様にエステル交換反応を行い得られた反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン5gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に10w/v%硝酸水溶液5gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(酸性溶液での洗浄)。得られたヘキサン溶液に飽和重曹水を加えてpHが7となるまで中和した。分液により得られたヘキサン溶液に活性炭粉末0.2gを加え、30分間撹拌した後、ろ紙を用いて活性炭粉末をろ別した(活性炭での吸着処理)。得られたろ液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート1.95gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート不検出、イソプレングリコールジメタクリレート100%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
還流塔、滴下ロート、温度計、分留受器及び乾燥管を取り付けた2000mL三口フラスコに、製造例1で得られた鉄サレン錯体43.8g、イソプレングリコール177g(1.70mol)、トルエン500mL、フェノチアジン1.6g、4−メトキシフェノール1.6gを仕込んだ後、常圧撹拌条件下、フラスコを130℃のオイルバスに浸漬し、トルエンを留出させながら、フラスコ内に含まれる水分を除去した。鉄サレン錯体が溶解したことを確認し、トルエンを全て留出させた。常温まで冷却した後、メタクリル酸メチル1125g(11.2mol)を加え、微減圧撹拌条件下、内温が100〜105℃になるようにフラスコを120℃に設定したオイルバスに浸漬し、分留受器に留出してくる留分を取り出しつつ、留分と同体積のメタクリル酸メチルを連続滴下しながら、48時間エステル交換反応を行った。得られた反応液を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート1.9%、イソプレングリコールジメタクリレート98.1%であった。
この反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン500gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に10w/v%硝酸水溶液500gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(酸性溶液での洗浄)。次いで、得られたヘキサン溶液に5w/v%水酸化ナトリウム水溶液900gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(塩基性溶液での洗浄)。当該塩基性溶液での洗浄操作を再度行い、得られたヘキサン溶液に対して、さらに、水500gで2回洗浄した。これにより得られたヘキサン溶液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート293gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.1%、イソプレングリコールジメタクリレート99.9%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
実施例3と同様にエステル交換反応を行い得られた反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン500gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に10w/v%硝酸水溶液500gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(酸性溶液での洗浄)。次いで、得られたヘキサン溶液に5w/v%水酸化ナトリウム水溶液900gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(塩基性溶液での洗浄)。当該塩基性溶液での洗浄操作を再度行い、得られたヘキサン溶液に対して、さらに、水500gで2回洗浄した。これにより得られたヘキサン溶液に活性炭粉末30gを加え、30分間撹拌した後、ろ紙を用いて活性炭粉末をろ別した(活性炭での吸着処理)。得られたろ液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート278gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.1%、イソプレングリコールジメタクリレート99.9%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
実施例3と同様にエステル交換反応を行い得られた反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン500gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に10w/v%硝酸水溶液500gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(酸性溶液での洗浄)。得られたヘキサン溶液に飽和重曹水を加えてpHが7となるまで中和した。分液により得られたヘキサン溶液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート290gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.5%、イソプレングリコールジメタクリレート99.5%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
実施例1と同様にエステル交換反応を行い得られた反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン5gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に水5gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した。得られたヘキサン溶液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート2.07gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.1%、イソプレングリコールジメタクリレート99.9%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
実施例1と同様にエステル交換反応を行い得られた反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン5gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に水5gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した。得られたヘキサン溶液に活性炭粉末0.2gを加え、30分間撹拌した後、ろ紙を用いて活性炭粉末をろ別した(活性炭での吸着処理)。得られたろ液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート1.96gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.1%、イソプレングリコールジメタクリレート99.9%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
実施例3と同様にエステル交換反応を行い得られた反応液に対して、ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のメタクリル酸メチルを留去し、ヘキサン500gを加え、析出した固形物をろ紙を用いてろ過した(固形物の除去)。得られたろ液に水500gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した。次いで、得られたヘキサン溶液に5%水酸化ナトリウム水溶液900gを加えた後、混合することにより洗浄を行い水層を分液除去した(塩基性溶液での洗浄)。当該塩基性溶液での洗浄操作を再度行い、得られたヘキサン溶液に対して、さらに、水500gで2回洗浄した。これにより得られたヘキサン溶液に活性炭粉末30gを加え、30分間撹拌した後、ろ紙を用いて活性炭粉末をろ別した(活性炭での吸着処理)。得られたろ液からヘキサンを留去し、目的物であるイソプレングリコールジメタクリレート280gを得た。
得られた目的物を試験例1に従って組成分析した結果、イソプレングリコール不検出、イソプレングリコールモノメタクリレート0.3%、イソプレングリコールジメタクリレート99.7%であった。試験例1〜3に従って評価した結果を表1に示す。
また、実施例3と5の比較の結果から、塩基性溶液で洗浄することによって、未反応の中間体生成物であるイソプレングリコールモノメタクリレートを除去できることが分かった。
Claims (4)
- 下記一般式(1)又は(2)で表される配位子が配位した鉄錯体の存在下に(メタ)アクリル酸メチルとイソプレングリコールとのエステル交換反応によって得られたエステルを酸性溶液で洗浄する工程(I)を含む、イソプレングリコールジメタクリレートの製造方法。
(式(1)及び(2)中、R1〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、脂肪族基、又は芳香族基を表す。ただし、R1とR2、R2とR3、及びR4とR5の少なくとも1つが互いに結合して環を形成していてもよい。) - 前記エステル交換反応によって得られたエステルを塩基性溶液で洗浄する工程(II)を含む、請求項1に記載の製造方法。
- 前記工程(I)及び/又は(II)の前処理として、前記エステル交換反応によって得られたエステルに低極性溶媒を加えることにより析出した固形物を除去する工程(III)を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記工程(I)及び/又は(II)で得られたエステルを活性炭で吸着処理する工程(IV)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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