JP6459762B2 - 2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの製造方法 - Google Patents

2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの製造方法 Download PDF

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本発明は、N−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを高収率で製造する方法に関する。本発明により提供されるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドは、繊維、紙などの改質・加工剤や凝集剤、接着剤、粘着剤、化粧品、ヒドロゲル、塗料、各種コーティング、インクジェット用インキを含む各種インキ、感光性樹脂、感放射線性樹脂、顔料分散剤、樹脂添加剤、化学研磨液、吸着剤、キレート樹脂、界面活性剤、抗血液凝固剤などの原料モノマーとして有用な化合物である。なお本発明において、「(メタ)アクリルアミド」とは、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドのことを示す。また、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及び/又はアクリレートのことを示す。
従来N−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドの製造法としては種々の方法が提案されている。たとえば特許文献1、特許文献2ではアクリロイルクロライドあるいはメタクリロイルクロライドと2−アミノエタノールを反応させてN―(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドやN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドを得る方法が開示されている。しかしこの方法は、アクリロイルクロライドやメタクリロイルクロライドといった高価な薬剤が必要な上、多量に発生する塩酸塩の処理が必要という欠点を持つ。
特許文献3ではアセチレンにニッケルカルボニルおよびアミンを反応させて2−ヒドロキシエチルアクリルアミドを得る方法が開示されている。しかしこの方法はアセチレンやニッケルカルボニルといった取り扱いに特別の注意を要する化合物を必要とする上、原料の価格も決して安いものではない。
特許文献4ではN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドとシクロペンタジエンを付加させたノルボルネン誘導体を気相熱分解させた後、脱離したシクロペンタジエンを気化させて除去する方法が開示されている。しかしこの文献では原料となるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、あるいはノルボルネン誘導体の合成方法については記述が無い。また、本発明で目的とするN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドは2−ヒドロキシアルキルアミンとアクリル酸エステルあるいは2−ヒドロキシアルキルアミンとメタクリル酸エステルの交換反応により合成する方法が知られている。その反応について特許文献5では、アクリル酸エステルのβ位にアミノ基が付加する反応が優先して起こるため、目的とするN−(2−ヒドロキシアルキル)アクリルアミドはほとんど得ることが出来ないという記載がある。一方で、特許文献6、7、8ではメチルメタクリレートあるいはメタクリル酸を2−アミノエタノールを室温で混合すると容易に本発明の目的化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドが得られる旨の記述がある。本発明者がメタクリル酸メチルと2−アミノエタノールを原料としてこの反応を実施したところ、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドの収率は8%、メタクリル酸メチルのβ位にアミノ基が付加したN−(2−ヒドロキシエチル)−β―アミノイソ酪酸メチルの収率が62%であり、β位へのアミノ基の付加反応が優勢であった。
米国特許第2,593,888号明細書 欧州特許第1,431,312(A1)号明細書 米国特許第2,773,063号 特許第4091567号 米国特許第2,017,537号 特開昭60−262805号公報 特開昭61−53号公報 特開昭61−68454号公報
特徴的な官能基を複数持つN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドは、従来は比較的高価な化合物を原料に用いた場合にのみ合成が可能であったのみならず、その反応中に副反応が起こり、不純物が混じってしまった場合、本発明で目的とする化合物の沸点、重合性、熱的不安定性を鑑みると分離精製は非常に困難であることが予想される。そこで本発明は、高価な試薬を用いることなくN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを高収率かつ高純度で得ることを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記式(1)で示される化合物または下記式(2)で示される化合物を、水と反応させることにより、下記式(3)で示されるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを合成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、水とを反応させ、下記式(3)で示されるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを含む反応混合物を得る工程(A)を有する、N−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドの製造方法である。
Figure 0006459762
(式中R1およびR2は水素原子もしくはメチル基を示す。また、R3は水素原子または、炭素数1〜12のアルキル基もしくはアリール基を示す。R4は炭素数1〜12のアルキル基またはアリール基を示す。)
Figure 0006459762
(式中R1およびR2は水素原子またはメチル基を示す。R5は炭素数3〜10の2価の炭化水素基であり、その一部に二重結合を有していてもよい)
Figure 0006459762
(式中R1およびR2は水素原子またはメチル基を示す。)
本発明を実施することにより式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物から、式(3)で示されるN―(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドへの変換はほとんど副反応を伴うことなく進行させることが可能となる。また、本発明で生成する目的外の化合物の大部分、および反応混合物に少量残留する原料は塩基性を示すため、これらは酸性イオン交換樹脂と接触させることにより容易に除くことが可能である。従って本発明に従って、上記原料を反応させた後、酸性イオン交換樹脂により処理された反応混合物からは、簡単な精製操作により、各種反応原料として用いるのに十分な純度をもつN―(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを得ることが可能となる。
本発明で原料として用いられる式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物は、2−アミノエタノール及び/または1−アミノ−2−プロパノールと、下記式(4)及び/または式(5)で示される化合物(ケトン、アルデヒド)とを反応させて得られる所謂シッフ塩基と呼ばれる化合物(下記式(6)、式(7)で示される化合物)と、(メタ)アクリレートとのエステル交換反応により得ることができる。
Figure 0006459762
(式中R3、R4は前記と同じである。)
Figure 0006459762
(式中R5は前記と同じである。)
Figure 0006459762
(式中R2、R3、R4は上記と同じである。)
Figure 0006459762
(式中R2、R5は前記と同じである。)
上記式(4)及び/または式(5)で示される化合物は具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、m−メトキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。さらに、入手の容易さやシッフ塩基の合成しやすさ、得られる化合物の精製の容易さなどを考慮するとメチルエチルケトンないしメチルイソブチルケトンが好ましい。
もう一つの原料として用いられる、上記(メタ)アクリレートについては具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートなどが挙げられるが入手の容易さなどを勘案するとメチルメタクリレートあるいはメチルアクリレートが好ましい。
上記式(4)及び/または式(5)で示される化合物と(メタ)アクリレートエステルのエステル交換反応は公知の触媒、例えばナトリウムアルコラート、マグネシウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチル錫オキサイド、亜鉛アセチルアセトン錯体などの存在下、公知の方法、例えば加熱還流下、副生するアルコールを反応蒸留により系外に抜き出す方法などにより得ることができる。この反応により得られる一般式(1)または式(2)で示される化合物は蒸留、抽出、再結晶など通常の手法により精製することが可能である。
上記方法等により得られた上記式(1)または式(2)で示される化合物は、水との反応でケトンあるいはアルデヒドを遊離して2−アミノアルキル(メタ)アクリレートとなり、その後直ちに分子内の置換反応により、目的物である上記式(3)で示されるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリレートとなる。
本発明における工程(A)は、上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物と、水とを反応させ、上記式(3)で示されるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを含む反応混合物を得る工程である。
工程(A)において、反応に供される上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物の全量に対する、反応に供される水の全量が占める割合は、当量比で1.0〜1000の範囲である。前記当量比が1.0を下回る場合、式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物の一部は本発明の反応に関与することなく系内に残留し、単純に原料が無駄となってしまうばかりでなく、目的物と未反応の原料を分離するために余計な費用やエネルギーを消費することになってしまう。前記当量比が1000を超えると、目的にもよるが反応液中における式(1)または式(2)の化合物の濃度が低くなってしまう。その場合、余剰の水を除くために余分なエネルギーが必要となる。
工程(A)において、上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物と水との反応は、さらに反応溶媒の存在下で行うことも有効である。特に上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物の多くは水に対する溶解度が低いために、水と混合した際に二層分離してしまって十分な反応速度が得られない場合がある。そのような場合、水と任意の割合で混ざり合う性質を持ち、アミノ基やカルボキシル基といった水のpHを極端に変えてしまう性質のある置換基を持たない化合物を反応溶媒として用いることは反応速度を上昇させるうえで有効な手段となる。上記化合物は具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられ、これらのいずれかの化合物を単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。上記化合物の中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールがより好ましい。
工程(A)において、上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物と水との反応を行う上で、これらを混合する方法は、特に制限なく公知の方法が採用できる。例えば、反応釜に所定量の水を仕込み、よく攪拌しながら上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物を投入する方法が挙げられる。また、2つの投入口から所定量の水と、上記式(1)または式(2)で示される化合物を、同時に反応釜に投入する方法や、内部に静止型混合器(スタティックミキサー)等を備えた配管に送り込む方法など種々の方法が可能である。上記において、水の代わりに、水および上記反応溶媒の混合物を用いてもよい。
上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物と、水との反応を行う際の反応温度は通常−5〜60℃、好ましくは0〜40℃である。反応温度が−5℃以下の場合、反応速度が遅くなり効率が悪く、60℃以上の場合、重合反応などの副反応が起きるため収率が低下してしまうおそれがある。
上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物と、水との反応を行う上で、重合反応を抑制するために重合禁止剤の存在下で行うことは有効である。重合禁止剤を混合する方法は特に制限されない。重合禁止剤は式(1)または式(2)で示される化合物に対して混合してもよい。また反応に供される水の一部または全量に対して混合してもよい。あるいは上記式(1)または式(2)で示される化合物、水の両方に混合する場合などが考えられるが、特に限定はない。水の代わりに、水と上記有機溶媒の混合物を用いる場合においても同様の方法で重合禁止剤を混合することができる。また、重合禁止剤の種類にも特に限定はなく公知のものが使用でき、具体的にはハイドロキノン、p−モノメチルハイドロキノン、ジ−t−ブチルフェノール、ジフェニルアミン、N,N−ジフェニルフェニレンジアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノキシ−4−オール、酸素、一酸化窒素などが挙げられる。これらのうちハイドロキノン、p−モノメチルハイドロキノンが好ましく、これらを併用しても構わない。
上記式(1)で示される化合物または式(2)で示される化合物と、水との反応を行う際の反応時間は反応温度や原料化合物の分子構造により異なるが通常0.5〜100時間である。反応を終了する時期は、単純に時間で区切りをつけても構わないが、ガスクロマトグラフィーによる分析で原料である上記式(1)あるいは式(2)で示される化合物が十分に消失し、N−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリレートの生成が確認された時点を反応終了とするのが合理的である。
工程(B)は、工程(A)で得られた反応混合物を酸性イオン交換樹脂と接触させる工程である。工程(A)で得られた反応混合物を、酸性イオン交換樹脂と接触させることにより、反応混合物中に含まれる不純物を除去することができる。反応混合物を酸性イオン交換樹脂と接触させる方法は具体的には、反応混合物を酸性イオン交換樹脂を充填したカラムに通す方法等の公知の方法が挙げられる。
以下、合成例、実施例及び比較例を以て本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例、比較例において、以下に示す各物性値の定義と測定方法を下記に示す。
<反応液のガスクロマトグラフィーによる分析>
以下の条件で反応液のガスクロマトグラフィー(以下GC)による分析を行った。
・GCの型番:アジレント社製7890A GCシステム
・測定カラム:アジレント社製CP−Sil 8CB for amine 30m×0.25mmφ(膜厚0.25μm)
・キャリアガス:ヘリウム
・カラム流量:0.7ml/分
・オーブン昇温パターン:(1)85℃(定温)にて2分保持する(2)その後、昇温速度30℃/分にて昇温する(3)その後、248℃(定温)にて20分保持する
・検出器:TCD
・N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドの保持時間:6.9分、
・N−(2−ヒドロキシ−1−プロピル)メタクリルアミドの保持時間:7.1分
<目的物の純度>
N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドの純度は、単離した液体をGC分析し、ピーク面積の割合で算出した。
N−(2−ヒドロキシ−1−プロピル)メタクリルアミドの純度は単離した固体をメタノールに溶解させてGC分析し、メタノール以外のピーク面積の割合で算出した。
<目的物の融点>
N−(2−ヒドロキシ−1−プロピル)メタクリルアミドの融点はElectrothermal社製融点測定装置model9100を用いて測定した。
<目的物の単離収率>
N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドおよびN−(2−ヒドロキシ−1−プロピル)メタクリルアミドの単離収率は、原料として用いた2−アミノエチル(メタ)アクリレートのケチミン化合物あるいはアルジミン化合物あるいは1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミンの使用モル量に対する、最終的な分離精製工程が終了した後で得られた物質の重量に純度を乗じて得られた単離目的物重量から算出される取得モル数の比率で算出した。
<目的物のGC収率>
実施例6から15におけるN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド(HEMAm、GC保持時間6.9分)、の収率は内部標準物質として2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(GC保持時間5.1分)を用い、内部標準法によるGC分析での成分の濃度と、反応混合物の仕込み重量の合計の積から算出される成分の得量から算出した。
(合成例1)
2−アミノエチルメタクリレートメチルイソブチルケチミンの合成
ケチミン化工程
マグネチックスターラ―、サイズ6mmのマクマホンパッキンを高さ300mmになるまで充填した内径25mmφの充填塔を充填した精留塔、ディーンスタークトラップ、還流冷却管を備えた内容積1000mlの三つ口フラスコに2−アミノエタノール100.0g(1.6モル)、メチルイソブチルケトン443g(4.4モル)、シクロヘキサン84g(1.0モル)を仕込み、釜液温度90.7〜105.9℃で加熱還流し、ディーンスタークトラップにたまった水を系外に抜き出しながらケチミン合成を行った。2時間後、2−アミノエタノールの転化率は100%、2−アミノエタノールメチルイソブチルケチミンの収率は99%となった。
エステル交換工程
得られた反応液から余剰のメチルイソブチルケトンとシクロヘキサンを減圧蒸留により留去した。残った釜液に亜鉛アセチルアセトン錯体20.1g、メチルメタクリレート317g(3.2モル)、p−メトキシフェノール0.32gを加え、ディーンスタークトラップを通常の蒸留ヘッド(還流量調整可能なもの)に置き換えて、釜液温度107.3〜126.4℃で加熱還流しエステル交換反応を行った。副生したメタノールはメタノール−メチルメタクリレートの共沸混合物として系外に抜き出した。重合防止措置として精留塔の塔頂より1%−p−メトキシフェノール−メチルメタクリレート溶液を0.8g/時間で、釜に空気を6ml/分で供給した。5時間後、反応液をGCで分析したところ2−アミノエタノールメチルイソブチルケチミンの転化率は100%であった。仕込んだ2−アミノエタノール基準の2−アミノエチルメタクリレートメチルイソブチルケチミン収率は62%であった。得られた反応液から減圧蒸留により、まず余剰のメチルメタクリレートを留去し、次いで生成物の2−アミノエチルメタクリレートメチルイソブチルケチミンを分離した。2−アミノエチルメタクリレートメチルイソブチルケチミンの沸点は110℃/0.53kPa、ガスクロマトグラフィー純度90%以上の留分の合計収量は146g(回収率は69%)であった。
(合成例2)
2−アミノエチルメタクリレートメチルエチルケチミンの合成
ケチミン化工程で用いる原料のケトンをメチルイソブチルケトンからメチルエチルケトンに変更した以外は合成例1と同様の手法でケチミン化工程、エステル交換工程を行い、2−アミノエチルメタクリレートメチルエチルケチミンを合成した。仕込んだ2−アミノエタノール基準の2−アミノエチルメタクリレートメチルエチルケチミン収率は45%であった。得られた反応液から減圧蒸留により、2−アミノエチルメタクリレートメチルエチルケチミンを分離した。2−アミノエチルメタクリレートメチルエチルケチミンの沸点は86.1℃/0.47kPaであった。
(合成例3)
1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミンの合成
ケチミン化工程で用いる原料のエタノールアミンを1−アミノ−2−プロパノールに変更した以外は合成例1と同様の手法でケチミン化工程、エステル交換工程を行い、1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミンを合成した。仕込んだ1−アミノ−2−プロパノール基準の1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミン収率は71%であった。得られた反応液から減圧蒸留により、1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミンを分離した。1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミンの沸点は83℃/0.2kPaであった。
(合成例4)
2−アミノエチルアクリレートメチルイソブチルケチミンの合成
エステル交換工程で用いる原料のメチルメタクリレートをメチルアクリレートに変更した以外は合成例1と同様の手法でケチミン化工程、エステル交換工程を行い、2−アミノエチルアクリレートメチルイソブチルケチミンを合成した。仕込んだ2−アミノエタノール基準の2−アミノエチルアクリレートメチルイソブチルケチミンの収率は25%であった。得られた反応液から減圧蒸留により、2−アミノエチルアクリレートメチルイソブチルケチミンを分離した。2−アミノエチルアクリレートメチルイソブチルケチミンの沸点は86℃/0.3kPaであった。
(合成例5)
2−アミノエチルメタクリレートベンズアルジミンの合成
ケチミン化工程で用いる原料をメチルイソブチルケトンからベンズアルデヒドに変更した以外は合成例1と同様の手法でアルジミン化工程、エステル交換工程を行い、2−アミノエチルメタクリレートベンズアルジミンを合成した。仕込んだ2−アミノエタノール基準の2−アミノエチルメタクリレートベンズアルジミン収率は60%であった。得られた反応液から減圧蒸留により、2−アミノエチルメタクリレートベンズアルジミンを分離した。2−アミノエチルメタクリレートベンズアルジミンの沸点は136℃/0.3kPaであった。
(実施例1)
原料として2−アミノエチルメタクリレートメチルイソブチルケチミン100.05g、イオン交換水402g、メタノール206g、パラメトキシフェノール0.1gを仕込み、室温で6時間撹拌した。その後、反応液を酸性イオン交換樹脂(ローム&ハース社製 アンバーリスト31)100mlを充填したカラムに通し、不純物を除去した。こうして得られた反応液からロータリーエバポレーターにより低沸点成分を除去し146gの濃縮液を得た。この濃縮液中に、目的物であるN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドは32重量%含有されていた。この濃縮液から、減圧蒸留により純度99.6%のN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド44.5gを取得した。沸点は136.5〜137.3℃/0.2kPa、単離収率は73%であった。
(実施例2)
50mlナス型フラスコに2−アミノエチルメタクリレートメチルエチルケチミン11.98g、イオン交換水11.81g、パラメトキシフェノール0.1gを仕込み、室温で3時間撹拌した。その後、反応液を酸性イオン交換樹脂(ローム&ハース社製 アンバーリスト31)10mlを充填したカラムに通し、不純物を除去した。こうして得られた反応液からロータリーエバポレーターにより低沸点成分を除去し、さらに減圧蒸留により純度99.4%のN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド3.5gを取得した。単離収率は44.4%であった。
(実施例3)
200mlナス型フラスコに1−アミノ−2−プロピルメタクリレートメチルイソブチルケチミン30.01g、イオン交換水30.00g、メタノール45.27g、パラメトキシフェノール0.1gを仕込み、50℃で1.5時間撹拌した。その後、反応液を酸性イオン交換樹脂(ローム&ハース社製 アンバーリスト31)20mlを充填したカラムに通し、不純物を除去した。こうして得られた反応液からロータリーエバポレーターにより低沸成分を留去した。この溶液にトルエン180gを加えて加熱還流させ、共沸脱水によりほぼ全量の水分を系内から抜き出した。その後、メチルイソブチルケトン20gを加えて反応混合物を徐々に冷却すると白色板状結晶が析出した。この結晶をグラスフィルターにより濾過し、トルエン50mlで3回洗浄したのち減圧乾燥させて目的とするN−(2−ヒドロキシ−1−プロピル)メタクリルアミドの結晶を16.62g得た。純度は99%以上、得られた結晶の融点は68.7〜69.4℃、単離収率は87.1%であった。
(実施例4)
50mlナス型フラスコに2−アミノエチルアクリレートメチルイソブチルケチミン11.61g、イオン交換水11.45g、メタノール10.62g、パラメトキシフェノール0.1gを仕込み、室温で3時間撹拌した。その後、反応液を酸性イオン交換樹脂(ローム&ハース社製 アンバーリスト31)20mlを充填したカラムに通し、不純物を除去した。こうして得られた反応液からロータリーエバポレーターにより低沸点成分を除去し、さらに減圧蒸留により純度99.0%のN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド0.91gを取得した。単離収率は13.4%であった。
(実施例5)
10mlサンプル瓶に2−アミノエチルメタクリレートベンズアルジミン0.97g、イオン交換水1.00g、メタノール2.07g、パラメトキシフェノール0.1gを仕込み、50℃で72時間撹拌した。反応液をGC分析したところ、目的物のN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドが45%の収率で生成していた。
(実施例6〜15)
5mlサンプル瓶に2−アミノエチルメタクリレートメチルイソブチルケチミン0.89g、イオン交換水0.88g、有機溶媒2ml(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジメトキシエタンの場合)あるいは3ml(テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンの場合)を加え40℃で4時間加熱した。加熱後の反応液をGC分析したところN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドの生成が確認された。下記表1に、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド(表中HEMAmと表記)の収率を示す。
Figure 0006459762

Claims (4)

  1. 下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、水とを反応させ、下記式(3)で示されるN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドを含む反応混合物を得る工程(A)を有する、N−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミドの製造方法。
    Figure 0006459762
    (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基を示す。また、R3は水素原子または、炭素数1〜12のアルキル基もしくはアリール基を示す。R4は炭素数1〜12のアルキル基またはアリール基を示す。)
    Figure 0006459762
    (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基を示す。R5は炭素数3〜10の2価の炭化水素基であり、その一部に二重結合を有していてもよい)
    Figure 0006459762
    (式中R1およびR2は水素原子またはメチル基を示す。)
  2. 反応に供される式(1)または式(2)で示される化合物の全量に対する、反応に供される水の全量が占める割合が、当量比で1.0〜1000の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(A)における反応を、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、および1,2−ジメトキシエタンからなる群の中から選ばれる一種類以上の化合物の存在下で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. さらに、工程(A)で得られた反応混合物を酸性イオン交換樹脂と接触させる工程(B)を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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