JP6722914B2 - アシスト装置装着用のウエアおよびアシストウエアシステム - Google Patents

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本発明は、装着者の関節を中心とする動作をアシストするアシスト力を発生する非外骨格型のアシスト装置を装着するために着用されるアシスト装置装着用のウエア、並びに、当該アシスト装置装着用のウエアおよび非外骨格型のアシストを備えたアシストウエアシステムに関する。
近年、高齢者・障害者の歩行補助・リハビリ支援などを目的として様々な人体装着型ロボットが開発されている。人体装着型ロボットとして、本発明者等は、人体の骨格系を利用して、関節の動きを補助すると共にロボット重量を支えることに着目し、剛体フレームからなる関節間リンク機構を用いない軽量でフレキシブルな人体装着型ロボットを提案している(特許文献1、2)。以下、かかる人体装着型ロボットを「非外骨格型のアシスト装置」あるいは単に「アシスト装置」と呼ぶものとする。
非外骨格型のアシスト装置は、モータあるいはアクチュエータなどの動力源から出力されるアシスト力を、装着者の関節に繋がる一方の身体部分に固定される第1アシスト力伝達部材と、他方の身体部分に固定される第2アシスト力伝達部材を介して、身体側に伝達している。アシスト装置は、アシスト対象の装着者の関節中心に装置側の関節中心が一致するように装着者に装着する必要がある。具体的には、装着者の関節中心回りに第1、第2アシスト力伝達部材が相対回転できるように、これら第1、第2アシスト力伝達部材を装着者に固定する必要がある。
例えば、特許文献2に開示の歩行動作をアシストする歩行アシスト装置は、左右の股関節の両側の部位に固定される左右の股関節アシスト装置と、左右の膝関節の外側の部位に固定される左右の膝関節アシスト装置との合計4台のアシスト装置を備えている。また、特許文献2には、4台のアシスト装置が、伸縮性素材からなるタイツにおける左右の股関節、左右の膝関節に対応する部位に予め固定された構成、および、各アシスト装置を個別に装着者の各関節に固定する構成が提案されている。後者の場合、各アシスト装置には、面ファスナーによって固定可能な装着用ベルトが取り付けられており、装着用ベルトによって、装着者の各関節に各アシスト装置を個別に位置決めして固定するようになっている。
特開2015−217440号公報 特開2015−2790号公報
非外骨格型のアシスト装置を装着する場合には、動力源であるモータやアクチュエータによって相対的に開閉する第1、第2アシスト力伝達部材の回転中心(装置側関節中心)を、装着者の関節中心に合わせる必要がある。すなわち、この状態が形成されるように、第1、第2アシスト力伝達部材のそれぞれを、装着者の関節に繋がる両側の身体部分に固定する必要がある。アシスト装置を装着者の関節に確実に位置決め固定できないと、適切にアシスト力を身体側に伝達できず、装着者に違和感、抵抗感が発生する。また、動作中に各アシスト装置の装着位置にずれが生じ、装着感等がさらに悪化する。
アシスト装置を位置ずれが生じないように身体に固定するには、各アシスト装置から身体にアシスト力を伝える第1、第2アシスト力伝達部材を、ずれないように身体に確実に固定する必要がある。各アシスト力伝達部材が大きな力で身体に固定されると、それによって身体側の動きが拘束され、装着感が低下することがある。また、これらの部材が固定されている身体部分が、動作時の筋肉の収縮などによって周長などが変化する。このような身体側の変化にアシスト力伝達部材を固定している部材の側が追従できないと、装着者はアシスト力伝達部材によって動作時に拘束感を覚え、装着感、フィット性が低下してしまう。
ここで、これまでに提案されている非外骨格型のアシスト装置は、上記の点において十分なものとは言えない。これに加えて、装着に時間が掛かり、また、装着者一人では適切に装着できない場合が多く、一般に介助者が必要であるという問題がある。
例えば、伸縮性のタイツに各アシスト装置が固定されている場合には、各装着者に合わせて各アシスト装置をタイツに固定しておかないと、装着者がタイツを着用した状態において各アシスト装置を各関節に位置決めすることができない。また、動作時に、各アシスト装置が各関節に対して位置ずれが発生しやすいという問題がある。位置ずれを抑えるためにタイツ素材の伸縮力を高めると、タイツを着用するのに時間が掛かり、装着者一人ではタイツを着用できず、着用に介助者が必要になるという問題がある。
各アシスト装置を個別に着用者の関節に位置決めして固定する構成の場合には、各アシスト装置が装着者の各関節に確実に位置決めされた状態で固定できる。しかし、各アシスト装置を個別に位置決め固定する必要があるので、装着に多大な時間を要するという問題がある。また、装着の度に位置決めを行う必要があるので、作業が煩雑である。さらに、装着者一人では各アシスト装置を正確に各関節に位置決めして固定する作業を行うことが困難である。例えば、左右の肘関節にアシスト装置を装着する場合などにおいては、装着者一人では装着を行うことができない。このために、装着に介助者が必要になるという問題点がある。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、アシスト装置を装着する作業を、装着者が一人で短時間のうちに簡単に行うことのできるアシスト装置装着用のウエアおよびアシストウエアシステムを提供することにある。
また、本発明の課題は、アシスト装置を一旦位置決めすれば、その後の装着時の位置決め作業が不要となるアシスト装置装着用のウエアおよびアシストウエアシステムを提供することにある。
さらに、本発明の課題は、可搬性、収納性に優れたアシスト装置装着用のウエアおよびアシストウエアシステムを提供することにある。
また、本発明の課題は、装着感を損なうことなくアシスト装置を位置ずれなく確実に装着者に固定できるアシスト装置装着用のウエアおよびアシストウエアシステムを提供することにある。
本発明によるアシスト装置装着用のウエアは、関節を中心とする動作をアシストする非外骨格型のアシスト装置を装着するために装着者が着用するウエアである。装着対象の前記アシスト装置は、動力発生部と、この動力発生部が発生する動力を関節回りのアシスト力として装着者に伝える第1、第2アシスト力伝達部材とを備え、前記第1アシスト力伝達部材は、装着者の関節に繋がる一方の第1身体部分に固定される部材であり、第2アシ
スト力伝達部材は、他方の第2身体部分に固定される部材である。
本発明のアシスト装置装着用のウエアは、
装着者の関節を含む身体部分を取り囲むウエア部分と、
前記アシスト装置を着脱可能に前記ウエア部分に取り付けるために、前記ウエア部分の外側表面に設けたアシスト装置取付部と、
前記アシスト装置取付部に取り付けられた状態の前記アシスト装置を前記身体部分に固定するためのアシスト装置固定部材と
を有していることを特徴としている。
本発明のアシスト装置装着用のウエアは、アシスト装置を着脱可能に取り付けるためのアシスト装置取付部を備えている。装着者は、アシスト装置が取り付けられていない状態のアシスト装置装着用のウエアを着用し、着用後に、アシスト装置取付部にアシスト装置を取り付ければよい。
予めアシスト装置が固定されているウエアの場合には、重量があり、アシスト装置には所定の剛性を備えた構成部品が備わっているので、柔軟な通常のウエアの場合と同様に取り扱うことが困難である。本発明のアシスト装置装着用のウエアは、軽量であり、取り扱いも容易であるので、普通の衣服と同様に、短時間で労力を要せずに装着者が一人で着用できる。また、着用後は、ウエアに配置されているアシスト装置取付部にアシスト装置(例えば、アシスト装置の第1、第2アシスト力伝達部材)を取り付け、次に、ウエアに配置されているアシスト装置固定部材を用いてアシスト装置(例えば、アシスト装置の第1、第2アシスト力伝達部材)を身体側に固定すればよい。よって、装着者が各アシスト装置を個別に関節位置に位置決めして固定する場合に比べて、装着作業を短時間で労力を要せずに装着者一人で行うことができる。
また、持ち運ぶ場合、収納しておく場合等においては、アシスト装置の全体あるいはアシスト装置の一部(例えば、重量のある動力発生部)を取り外しておけば、通常の衣服と同様にコンパクトに畳むことができるので、持ち運びが容易であり、収納にも場所を取らないので便利である。
本発明のアシスト装置装着用のウエアにおいて、前記アシスト装置取付部は、前記アシスト装置の前記ウエア部分に対する取付位置を所定範囲内で変更できるように構成されていることが望ましい。
このようにすれば、装着者の関節に対して、アシスト装置を正確に位置決めして固定することができる。また、一旦、アシスト装置を位置決めしてアシスト装置取付部に取り付ければ、次回以降の装着時には、アシスト装置の位置決め作業が不要になる。
すなわち、アシスト装置を外す場合には、アシスト装置固定部材による固定を解除し、アシスト装置がアシスト装置取付部に取り付けられた状態のまま、アシスト装置装着用のウエアを脱げばよい。次回にアシスト装置装着用のウエアを着用すると、そこに取り付けられているアシスト装置は関節に位置決めされた状態となっているので、アシスト装置固定部材を締め付けてアシスト装置を身体側に固定する作業を行うだけでよい。よって、装着作業を、装着者一人で、簡単かつ短時間のうちに行うことができる。
本発明において、前記アシスト装置取付部を、前記アシスト装置(例えば、アシスト装置の第1、第2アシスト力伝達部材)が機械的に掛止されるウエア側掛止部を備えた構成としている。また、前記アシスト装置固定部材を、前記アシスト装置を前記身体部分に着脱可能に固定するための巻き付け部材を備えた構成としている。さらに、前記巻き付け部材は、前記ウエア側掛止部から前記ウエア部分の周方向に延び、前記ウエア側掛止部に対して機械的に掛止可能な巻き付け部材側掛止部を備えており、前記巻き付け部材側掛止部は、少なくとも、前記巻き付け部材の先端部分に設けられている。
例えば、前記ウエア側掛止部および前記巻き付け部材側掛止部は面ファスナーによって規定することができる。面ファスナーを用いれば、ワンタッチでアシスト装置の着脱および位置調整を行うことができるので便利である。なお、部材側掛止部はネジ、マグネット、ボタン、ファスナーなどでも規定することができる。
なお、他の機械的な掛止機構、例えば、複数個のスナップボタンを用いる機構、スライド溝に沿ったスライド位置に締結用ボルトを用いて固定する機構などを用いて、アシスト装置の取付位置を調整できるようにすることも可能である。
アシスト装置固定部材として用いる巻き付け部材は、アシスト装置を身体側に固定するための部材であり、固定するための機能と、アシスト装置から伝達されるアシスト力を身体側に伝達するためのウエア側アシスト力伝達部材として機能する。したがって、位置ずれが発生することなく固定し、確実に力を身体側に伝達できるように、所定以上の固定力で、アシスト装置を身体側に固定する必要がある。一方、巻き付け部材が巻き付けられている身体部分は、動作時の筋肉の収縮等によって周長などが変動する。したがって、巻き付け部材には、このような身体側の変動に追従でき、しかも、必要とされる固定力でアシスト装置を固定できることが望ましい。
このために、本発明においては、前記巻き付け部材は、少なくとも、前記ウエア側掛止部から前記先端部分までの間の部分が伸縮部分となっており、前記伸縮部分は、前記巻き付け部材の長さ方向に伸縮可能となっている。伸縮部分の伸縮によって、身体側の変動に追従でき、巻き付け部材が全体として、必要とされる固定力でアシスト装置を身体部分に対して位置ずれしないように固定された状態を形成することができる。
本発明において、ウエア部分のアシスト装置取付部には、そこに取り付けられるアシスト装置の重量が作用する。この部分のウエア素材の強度、耐久性を確保するために、前記ウエア部分における前記ウエア側掛止部を包含する範囲の部分が、連続した帯状の補強材によって補強されていることが望ましい。
これに加えて、前記ウエア部分における前記ウエア側掛止部が配置されている部分も、それぞれ個別に補強材によって補強されていることが望ましい。
本発明において、アシスト装置装着用のウエアを上衣として構成することができる。この場合には、
前記ウエア部分は、装着者の左右の肩関節および左右の肘関節を取り囲む部分を備えた上衣形状をしており、
前記ウエア部分には、前記アシスト装置として、少なくとも、装着者の左右一方の肩関節に固定される肩関節アシスト装置、および、左右一方の肘関節に固定される肘関節アシスト装置のそれぞれを固定するためのアシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材が備わっている。
本発明において、アシスト装置装着用のウエアをパンツ、ズボンなどの下衣として構成する場合には、
前記ウエア部分は、装着者の左右の股関節および左右の膝関節を取り囲む部分を備えた下衣形状をしており、
前記ウエア部分には、前記アシスト装置として、装着者の股関節に固定される股関節アシスト装置、および、膝関節に固定される膝関節アシスト装置のそれぞれを固定するためのアシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材が備わっている。
本発明において、アシスト装置装着用ウエアは、上衣および下衣が繋がった一体型の衣服として構成する場合には、
前記ウエア部分は、装着者の左右の肩関節および左右の肘関節を取り囲む部分を備えた上衣部分と、装着者の左右の股関節および左右の膝関節を取り囲む部分を備えた下衣部分とが繋がった形状をしており、
前記ウエア部分には、前記アシスト装置として、少なくとも、装着者の左右一方の肩関節に固定される肩関節アシスト装置、左右一方の肘関節に固定される肘関節アシスト装置、左右一方の股関節に固定される股関節アシスト装置、および、左右一方の膝関節に固定される膝関節アシスト装置のそれぞれを固定するためのアシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材が備わっている。
本発明において、股関節アシスト装置を取り付ける部分は次のように構成することができる。すなわち、
前記股関節アシスト装置を固定するための前記アシスト装置固定部材は、
前記股関節アシスト装置を前記装着者の腰の外側面に固定するために、前記巻き付け部材に加え、前記ウエア側掛止部から延びている内側巻き付け部材を更に備えており、
前記内側巻き付け部材は、前記ウエア側掛止部に対して機械的に掛止可能な内側巻き付け部材側掛止部を備えており、
前記ウエア側掛止部と前記内側巻き付け部材側掛止部との間に、前記股関節アシスト装置が固定された状態で、その上から前記巻き付け部材を重ねると、前記巻き付け部材側掛止部を前記ウエア側掛止部に掛止可能である。
一方、本発明のアシストウエアシステムは、
関節を中心とする動作をアシストする少なくとも一台の非外骨格型のアシスト装置と、前記アシスト装置を装着するためのアシスト装置装着用のウエアとを有している。前記ウエアは、装着者の関節を含む身体部分を取り囲むウエア部分と、前記アシスト装置を着脱可能に前記ウエア部分に取り付けるために、前記ウエア部分の外側表面に設けたアシスト装置取付部と、前記アシスト装置取付部に取り付けられた状態の前記アシスト装置を前記身体部分に固定するためのアシスト装置固定部材とを備えている。前記アシスト装置は、動力発生ユニットと、この動力発生ユニットが発生する動力を関節回りのアシスト力として装着者に伝える第1、第2アシスト力伝達部材を備えたアシスト力伝達ユニットと、前記動力発生ユニットを着脱可能に取り付けるために、前記アシスト力伝達ユニットに設けた動力発生ユニット取付部とを備えている。この場合には、前記第1アシスト力伝達部材は、装着者の関節に繋がる一方の第1身体部分に固定される部材であり、第2アシスト力伝達部材は、他方の第2身体部分に固定される部材である。
本発明のアシストウエアシステムのアシスト装置装着用のウエアは、装着者が一人で、短時間のうちに装着できる。また、アシスト装置を位置決めした後は、そのままアシスト装置をウエアに取り付けたまましておけば、次回以降においてアシスト装置の位置決めが不要になるので便利である。
本発明の実施の形態に係る歩行アシスト用のアシストウエアシステムを装着した状態を背面および左側面から示す図面代用写真、並びに、その装着途中の状態を示す図面代用写真である。 股関節アシスト装置を示す斜視図、回転アクチュエータを取り外した状態の斜視図、および主要部品を示す分解斜視図である。 ウエアを示す説明図、および、ウエアの補強布および補強材の取付位置をそれぞれ示す説明図である。 アシストウエアシステムの装着手順を示す説明図である。 本発明を適用したアシストウエアシステムの別の二例を示す説明図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1(a)、(b)は、本実施の形態に係る歩行アシスト用のアシストウエアシステムを装着した状態を背面および左側面から示す図面代用写真であり、(c)はその装着途中の状態を示す図面代用写真である。
アシストウエアシステム1は、アシスト装置装着用のウエア2(以下、単に「ウエア2」と呼ぶ場合もある。)と、左右の股関節アシスト装置3と、左右の膝関節アシスト装置4とを備えている。また、アシストウエアシステム1は、装着者Pの上肢背面に装着される制御ユニット5を備えており、制御ユニット5にはバッテリおよび各部の制御を司る制御回路が搭載されている。制御ユニット5と股関節アシスト装置3、膝関節アシスト装置4との間は、給電線および信号線を含む配線用ケーブル6によって接続されている。これらの配線用ケーブル6はアシスト装置装着用のウエア2の内部に引き回しておくことができる。あるいは、ウエア2の素材として導電性の素材を用いて配線路を形成することも可能である。なお、ワイヤレスシステムを採用する場合には配線は不要になることは勿論である。
(股関節アシスト装置および膝関節アシスト装置)
図2は股関節アシスト装置3を示す説明図であり、(a)はその斜視図、(b)は回転アクチュエータを取り外した状態の斜視図、(c)は主要部品を示す分解斜視図である。これらの図に示すように、股関節アシスト装置3は、回転アクチュエータ10とアシスト力伝達ユニット11を備えている。動力発生部である回転アクチュエータ10は、アシスト力伝達ユニット11に対して着脱可能な動力発生ユニットとして構成されている。アシスト力伝達ユニット11は、回転アクチュエータ10が着脱可能に取り付けられる環状の取付座12と、取付座12から上方に延びている第1アシスト力伝達板13と、取付座12から下方に延びている第2アシスト力伝達板14とを備えている。
取付座12と第1アシスト力伝達板13は例えば樹脂の一体成形品である。取付座12の直径方向の両端に位置する外周縁部には例えば一対のフック係合溝12aが形成されている。回転アクチュエータ10の前端面の両側からはフック係合溝12aに係合可能な左右のフック10aが突出している。これらの係合等によって、回転アクチュエータ10をワンタッチで取付座12に対して着脱可能である。ワンタッチ式の着脱機構としては各種の構造のものを用いることができる。
第1アシスト力伝達板13は、環状の取付座12の外周面から半径方向の外方に向けて延びる連結板部分13aと、この先端から横方向に円弧状に広がる一定幅の円弧板部分13bとを備えている。円弧板部分13bの内外の表面には、それぞれ、面ファスナー15および面ファスナー16が積層固定されている。
他方の第2アシスト力伝達板14は例えば樹脂成形品であり、取付座12に対して環状スペーサ(図示せず)などを挟み、相対回転自在の状態で同軸に連結される円盤部分14aと、この円盤部分14aの外周縁から半径方向の外方に延びる連結板部分14bと、この連結板部分14bの先端部分から横方向に円弧状に広がる一定幅の円弧板部分14cとを備えている。円弧板部分14cの内外の表面には、それぞれ、面ファスナー18および面ファスナー19が積層固定されている。
回転アクチュエータ10を取付座12に取り付けると、回転アクチュエータ10の出力軸(図示せず)が第2アシスト力伝達板14の円盤部分14aの軸穴14dに差し込み固定され、回転力が伝達可能な連結状態が形成される。第1アシスト力伝達板13は回転アクチュエータ10の側に固定されているので、回転アクチュエータ10によって第2アシスト力伝達板14を回転すると、出力軸の中心軸線である装置側関節軸線3a回りに、第1、第2アシスト力伝達板13、14が相対的に開閉(旋回)する。
第1アシスト力伝達板13は、図1に示すように、装着者Pの股関節上側の腰の外側位置に固定され、第2アシスト力伝達板14は装着者Pの股関節に繋がる大腿部の上側部分に固定される。これにより、第1、第2アシスト力伝達板13、14を介して装着者Pには、歩行動作等における股関節を中心とする前後方向への屈伸運動をアシストするアシスト力が伝達される。
他方の膝関節アシスト装置4も股関節アシスト装置3と同様な構造となっている。簡単に説明すると、膝関節アシスト装置4は、図1に示すように、動力発生ユニットである回転アクチュエータ20と、回転アクチュエータ20が着脱可能に取り付けられるアシスト力伝達ユニット21とを備えている。アシスト力伝達ユニット21は、環状の取付座22と、取付座22から上方に延びている第1アシスト力伝達板23と、取付座22から下方に延びている第2アシスト力伝達板24とを備えている。
第1アシスト力伝達板23の先端部分の一定幅の円弧板部分の両面には、それぞれ、面ファスナー25が積層固定されている。第2アシスト力伝達板24は、取付座22に対して相対回転自在の状態で同軸に連結されており、その先端部分から横方向に円弧状に広がる一定幅の円弧板部分の両面には、それぞれ、面ファスナー26が積層固定されている。
回転アクチュエータ20を取付座22に取り付けると、回転アクチュエータ20の出力軸(図示せず)が第2アシスト力伝達板24に同軸に連結固定される。回転アクチュエータ20によって第2アシスト力伝達板24を回転すると、装置側関節軸線回りに、第1、第2アシスト力伝達板23、24が相対的に開閉(旋回)する。
第1アシスト力伝達板23は装着者Pの膝関節に繋がる大腿部の下側部分に固定され、第2アシスト力伝達板24は装着者Pの膝関節に繋がる下腿部の上側部分に固定される。これにより、第1、第2アシスト力伝達板23、24を介して装着者Pには、歩行動作等における膝関節を中心とする前後方向への屈伸運動をアシストするアシスト力が伝達される。
(アシスト装置装着用のウエア)
図3はウエア2を示し、(a)は股関節アシスト装置3、膝関節アシスト装置4を固定するためのバンドを開いた状態の説明図であり、(b)および(c)は各補強布、補強パッドの配置領域を示す説明図である。ウエア2は基本的な構成は左右対称であるので左側の部分の構成を中心に説明する。
ウエア2は、ウエア布地30から縫製したウエア本体部分31を備えている。ウエア布地30としては、例えば、表地および裏地ともにポリエステル100%の織物素材あるいは編物素材を用いることができる。本例のウエア本体部分31は下衣であり、装着者の左右の股関節を含む腰の部分を取り囲むウエア腰部分32、および、左右の膝関節を含む左右の下肢部分を取り囲む左右のウエア膝部分33を備えている。
ウエア2のウエア腰部分32の側方の面には、股関節アシスト装置取付部である第1、第2ウエア側掛止部41、42と、股関節アシスト装置固定部材である第1、第2バンド
43、44(第1、第2巻き付け部材)および1本の内側バンド45(内側巻き付け部材)が設けられている。また、ウエア膝部分33の側方の面には、膝関節アシスト装置取付部である第1、第2ウエア側掛止部51、52と、膝関節アシスト装置固定部材である第1、第2バンド53、54が設けられている。
(股関節アシスト装置の取付部分)
上側の股関節アシスト装置取付部材である第1ウエア側掛止部41は、ウエア腰部分32の側方表面部分において、上端開口縁に沿って一定幅で周方向に所定の長さに亘って縫合あるいは接着により積層固定した帯状の面ファスナー41aによって規定されている。下側の股関節アシスト装置取付部材である第2ウエア側掛止部42は、ウエア腰部分32の下側の側方表面部分において、一定幅で周方向に所定の長さに亘って、ウエア布地30の表面に縫合あるいは接着により積層固定した帯状の面ファスナー42aによって規定されている。上側の面ファスナー41aには、股関節アシスト装置3の第1アシスト力伝達板13の面ファスナー16が掛止可能であり、下側の面ファスナー42aには、第2アシスト力伝達板14の面ファスナー18が掛止可能である。
上側の股関節アシスト装置固定部材である第1バンド43および内側バンド45は、上側の面ファスナー41aに取り付けた上側の第1アシスト力伝達板13を、装着者の腰の側面部分に確実に固定するために用いられる。同様に、下側の股関節アシスト装置固定部材である第2バンド44は、下側の面ファスナー42aに取り付けた下側の第2アシスト力伝達板14を、装着者の大腿部分の側面部分に確実に固定するために用いられる。
上側の第1バンド43は、面ファスナー41aにおけるウエア周方向の後端41bから周方向に延びる一定幅のバンドである。第1バンド43において、その先端側の所定長さの部分の両面に、それぞれ面ファスナー43a(巻き付け部材側掛止部)が積層固定されている。また、第1バンド43における面ファスナー41aの後端41bから面ファスナー43aまでの間の部分は、その長さ方向に伸縮性のある伸縮素材からなる伸縮性バンド43bによって形成されている。伸縮性バンド43bは例えば織ゴムテープを用いることができる。
内側バンド45は、面ファスナー41aにおける長さ方向(ウエア周方向)の途中位置41cから延びている一定幅のバンドである。内側バンド45は、ほぼ、面ファスナー41aの途中位置41cから後端41bまでの長さのバンドであり、その内側面には、面ファスナー41aに掛止可能な面ファスナー45aが積層固定されている。面ファスナー41a、第1バンド43、内側バンド45は、股関節アシスト装置3の上側の第1アシスト力伝達板13の円弧板部分13bを包含する大きさに設定されている。
面ファスナー41aに第1アシスト力伝達板13の円弧板部分13bを位置決めして押し付けると、面ファスナー41a、16が相互に掛合するので、第1アシスト力伝達板13をワンタッチ操作でウエア2の側に取り付けることができる。位置決めして取り付けた後に、その上から内側バンド45を取り付けると、円弧板部分13bを挟み、面ファスナー41a、45aが相互に掛合して円弧板部分13bが固定される。さらに、この上から、第1バンド43を巻き付けて、その先端の面ファスナー43aを、露出している面ファスナー41aの部分に掛止する。これにより、第1アシスト力伝達板13が装着者の腰側面部分に取り付けられる。
次に、下側の第2バンド44は、面ファスナー42aにおけるウエア周方向の後端42bから周方向に延びる一定幅のバンドである。第2バンド44において、その先端側の所定の長さの部分の内側面には、面ファスナー44a(巻き付け部材側掛止部)が積層固定されている。また、第2バンド44における面ファスナー42aの後端42bから面ファ
スナー44aまでの間の部分は、その長さ方向に伸縮性のある伸縮素材からなる伸縮性バンド44bによって形成されている。面ファスナー42aと面ファスナー44aは相互に掛合可能であり、それぞれ、第2アシスト力伝達板14の円弧板部分14cを包含する大きさに設定されている。
面ファスナー42aに第2アシスト力伝達板14の円弧板部分14cを位置決めして押し付けると、面ファスナー42a、19が相互に掛合するので、第2アシスト力伝達板14をワンタッチ操作でウエア2の側に取り付けることができる。この状態で、第2バンド44を大腿部分に巻き付けて、その先端の面ファスナー44aの部分を第2アシスト力伝達板14の円弧板部分14cの上から面ファスナー42aに押し付けると、面ファスナー相互の掛合によって、第2アシスト力伝達板14が装着者の大腿部分の上側に固定できる。
(膝関節アシスト装置の取付部分)
上側の膝関節アシスト装置取付部材である第1ウエア側掛止部51は、ウエア膝部分33の大腿側の側方表面部分において、一定幅で周方向に所定の長さに亘ってウエア布地30に縫合あるいは接着により積層固定した帯状の面ファスナー51aによって規定されている。下側の膝関節アシスト装置取付部材である第2ウエア側掛止部52は、ウエア膝部分33の下腿側の側方表面部分において、一定幅で周方向に所定の長さに亘って、ウエア布地30の表面に縫合あるいは接着により積層固定した帯状の面ファスナー52aによって規定されている。上側の面ファスナー51aには、膝関節アシスト装置4の第1アシスト力伝達板23の面ファスナー25が掛止可能であり、下側の面ファスナー52aには、第2アシスト力伝達板24の面ファスナー26が掛止可能である。
上側の膝関節アシスト装置固定部材である第1バンド53は、上側の面ファスナー51aに取り付けた上側の第1アシスト力伝達板23を、装着者の膝関節の上側の大腿部分に確実に固定するために用いられる。同様に、下側の膝関節アシスト装置固定部材である第2バンド54は、下側の面ファスナー52aに取り付けた下側の第2アシスト力伝達板24を、装着者の膝関節の下腿部分に確実に固定するために用いられる。
上側の第1バンド53は、面ファスナー51aにおけるウエア周方向の後端から周方向に延びる一定幅のバンドである。第1バンド53において、その先端側の所定長さの部分の両面に、それぞれ面ファスナー53a(巻き付け部材側掛止部)が積層固定されている。また、第1バンド53における後端から面ファスナー53aまでの間の部分は、その長さ方向に伸縮性のある伸縮素材からなる伸縮性バンド53bによって形成されている。
面ファスナー51aに第1アシスト力伝達板23の円弧板部分を位置決めして押し付けると、面ファスナー51a、25が相互に掛合するので、第1アシスト力伝達板23をワンタッチ操作でウエア2の側に取り付けることができる。位置決めして取り付けた後に、第1バンド53を大腿部分に巻き付けて、その先端の面ファスナー51aを、円弧板部分の上から面ファスナー51aに押し付ける。これにより、面ファスナー51a、53a、25が掛合して、第1アシスト力伝達板23が装着者の膝関節の上側の大腿部分に固定される。
次に、下側の第2バンド54は、面ファスナー52aにおけるウエア周方向の後端から周方向に延びる一定幅のバンドである。第2バンド54において、その先端側の所定の長さの部分の内側面には、面ファスナー54a(巻き付け部材側掛止部)が積層固定されている。また、第2バンド54における後端から面ファスナー54aまでの間の部分は、その長さ方向に伸縮性のある伸縮素材からなる伸縮性バンド54bによって形成されている。面ファスナー52aと面ファスナー54aは相互に掛合可能であり、それぞれ、第2ア
シスト力伝達板24の円弧板部分を包含する大きさに設定されている。
面ファスナー52aに第2アシスト力伝達板24の円弧板部分を位置決めして押し付けると、面ファスナー52a、26が相互に掛合するので、第2アシスト力伝達板24をワンタッチ操作でウエア2の側に取り付けることができる。この状態で、第2バンド54を膝関節の下側の下腿部分に巻き付けて、その先端の面ファスナー54aの部分を第2アシスト力伝達板24の円弧板部分の上から面ファスナー52aに押し付けると、面ファスナー相互の掛合によって、第2アシスト力伝達板24が装着者の下肢部分に固定される。
(ウエアの補強部分)
ここで、ウエア本体部分31における左右の側面部分は補強材によって補強されている。本例では、図3(b)に示すように、ウエア本体部分31における左右の側面部分には、その上端縁から左右の裾まで連続して延びる所定幅の帯状の補強布34がウエア布地30に接着あるいは縫合されている。
また、図3(c)に示すように、補強布34によって補強されているウエア本体部分31において、股関節アシスト装置3の第1、第2アシスト力伝達板13、14の円弧板部分13b、14cが取り付けられる部分は、さらに、矩形輪郭のウレタンパッドなどの補強用パッド35、36がウエア布地30に縫合あるいは接着により積層固定されて補強されている。
同様に、膝関節アシスト装置4の第1、第2アシスト力伝達板23、24の円弧版部分が取り付けられる部分も、矩形輪郭のウレタンパッドなどの補強用パッド37、38がウエア布地30に積層固定されて補強されている。
(アシストウエアシステムの装着手順)
図4はアシストウエアシステム1の装着手順を示す説明図である。装着者はアシスト装置装着用のウエア2を履き、次に、股関節アシスト装置3および膝関節アシスト装置4を着用したアシスト装置装着用のウエア2に装着する。
例えば、上側の股関節アシスト装置3の装着に当たっては、まず、図4(a)に示すように、アシスト力伝達ユニット11における第1、第2アシスト力伝達板13、14の円弧板部分13b、14cを上下の第1、第2ウエア側掛止部41、42に取り付ける。面ファスナー同士の掛合によって取付状態が形成されるので、第1、第2アシスト力伝達板13、14の旋回中心である装置側関節軸線3aが装着者の股関節の中心に一致するように取り付け位置を調整することが容易であり、取り付けもワンタッチ操作により簡単にできる。
第1、第2アシスト力伝達板13、14を位置決めした状態で第1、第2ウエア側掛止部41、42に取り付けた後は、図4(b)に示すように、上側の第1アシスト力伝達板13の側において、内側バンド45を第1アシスト力伝達板13の円弧板部分13bの上から取り付ける。この場合にも面ファスナー同士の掛合によって内側バンド45を簡単に固定できる。
この後は、図4(c)に示すように、第1バンド43を内側バンド45の上に巻き付けて、その先端の面ファスナー43aを露出しているウエア側の面ファスナー41aの部分に固定する。これにより、第1アシスト力伝達板13を装着者の股関節の上側の部分に固定できる。
一方、下側の第2アシスト力伝達板14の固定は、図4(a)のように位置決めして第
2ウエア側掛止部42に取り付けた後は、図4(c)に示すように、第2バンド44を装着者の大腿部の上側部分に対して後ろ側から一回りさせて巻き付けて、その先端の面ファスナー44aをウエア側の面ファスナー42aに固定する。これにより、第2アシスト力伝達板14を装着者の股関節の下側の部分に固定できる。
なお、膝関節アシスト装置4を装着する場合には、股関節アシスト装置3の下側の第2アシスト力伝達板14を固定する場合と同様にして、第1、第2バンド53、54を膝関節の上側および下側部分に巻き付けて固定すればよい。
最後に、図4(d)に示すように、股関節アシスト装置3の回転アクチュエータ10を、アシスト力伝達ユニット11に取り付ける。膝関節アシスト装置4も同様に取付が行われる。
第1、第2バンド43、44、53、54は、それぞれ、長さ方向に伸縮可能な伸縮性バンド43b、44b、53b、54bを備えている。装着者の歩行時等においては、各バンドが固定されている身体側部分の筋肉の収縮等の変動に追従して、これらが伸縮する。したがって、装着感がよく、装置3、4の位置ずれを防止あるいは抑制することができる。また、これらのバンドを介して装置3、4の側からのアシスト力が効率よく身体側に伝達される。
さらに、装着したアシストウエアシステム1を取り外す場合には、股関節アシスト装置3、膝関節アシスト装置4の回転アクチュエータ10、20を取り外し、しかる後に、第1、第2バンド43、44、53、54を緩める。この状態でアシスト装置装着用のウエア2を脱ぐことができる。また、この状態では、股関節アシスト装置3、膝関節アシスト装置4のアシスト力伝達ユニット11、21(第1、第2アシスト力伝達板13、14、23、24)は、位置決めされた状態でアシスト装置装着用のウエア2に取り付けられている。したがって、次回以降は、位置決め作業が不要であり、アシスト装置装着用のウエア2を着用した後に、第1、第2バンド43、44、53、54を締め付けるだけで、装着状態を形成できるので、きわめて簡単である。
以上説明したように、本例のアシストウエアシステムのアシスト装置装着用のウエアは、装着者が一人で、短時間のうちに装着できる。また、アシスト力伝達ユニットを各関節に対応する部位に位置決め固定した後に、重量のある動力発生ユニットを取り付ければよいので、アシスト装置の装着が容易である。さらに、アシスト力伝達ユニットを位置決めした後は、そのままアシスト装置装着用のウエアに取り付けたまましておけば、次回以降においてアシスト力伝達ユニットの位置決め(したがって、アシスト装置の位置決め)が不要になるので便利である。これに加えて、アシスト力伝達ユニットとして、各種の大きさ、形状の第1、第2アシスト力伝達部材の組み合わせからなるものを用意しておけば、装着者の体格、体型に合ったアシスト力伝達ユニットを装着できるので、便利である。
(その他の実施の形態)
図5(a)、(b)は、本発明を適用したアシスト装置装着用のウエアの別の例を示す説明図である。
図5(a)は本発明を上衣に適用したものである。この図に示すアシストウエアシステム100のウエア本体部分131は、装着者の左右の肩関節および左右の肘関節を取り囲む部分を備えている。また、ウエア本体部分131には、アシスト装置として、装着者の左右の肩関節に固定される肩関節アシスト装置103、および、左右の肘関節に固定される肘関節アシスト装置104のそれぞれを固定するためのアシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材が備わっている。
アシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材としては、例えば、上述した膝関節アシスト装置4を取り付けるために用いた第1、第2アシスト装置掛止部および第1、第2巻き付け部材と同一構成のものを用いることができる。また、この場合においても、ウエア本体部分131におけるアシスト装置の取り付け部分を図において点線の斜線で示す領域に、帯状の連続した補強布134を積層固定して補強することが望ましい。また、肩関節アシスト装置、肘関節アシスト装置の取付部分にも、それぞれ、図において斜線で示す領域に、ウレタンパッドなどの補強用パッド135〜138を取り付けることが望ましい。
次に、図5(b)は本発明を上衣および下衣が繋がった形状の衣服に適用したものである。この場合のアシストウエアシステム200のウエア本体部分231は、装着者の左右の肩関節および左右の肘関節を取り囲む部分を備えた上衣部分231Aと、装着者の左右の股関節および左右の膝関節を取り囲む部分を備えた下衣部分231Bとが繋がった形状をしている。
また、ウエア本体部分231には、アシスト装置として、装着者の左右の肩関節に固定される肩関節アシスト装置103、左右の肘関節に固定される肘関節アシスト装置104、左右の股関節に固定される股関節アシスト装置3、および、左右の膝関節に固定される膝関節アシスト装置4のそれぞれを固定するためのアシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材が備わっている。
上衣部分231Aは、図5(a)に示す構成と同様にすることができ、下衣部分231Bは図1〜4に示す構成と同様にすることができる。
1 アシストウエアシステム
2 アシスト装置装着用のウエア
3 股関節アシスト装置
3a 装置側関節軸線
4 膝関節アシスト装置
5 制御ユニット
6 配線用ケーブル
10 回転アクチュエータ(動力発生ユニット)
10a フック
11 アシスト力伝達ユニット
12、22 取付座
12a フック係合溝
13、23 第1アシスト力伝達板
13a 連結板部分
13b、23b 円弧板部分
14、24 第2アシスト力伝達板
14a 円盤部分
14b 連結板部分
14c、24c 円弧板部分
14d 軸穴
15、16 面ファスナー
17 環状スペーサ
18、19 面ファスナー
20 回転アクチュエータ
21 アシスト力伝達ユニット
25、26 面ファスナー
30 ウエア布地
31 ウエア本体部分
32 ウエア腰部分
33 ウエア膝部分
34 補強布
35、36、37、38 補強用パッド
41 第1ウエア側掛止部
41a 面ファスナー
41b 後端
42 第2ウエア側掛止部
42a 面ファスナー
42b 後端
43 第1バンド
43a 面ファスナー
43b 伸縮性バンド
44 第2バンド
44a 面ファスナー
45 内側バンド
45a 面ファスナー
51 第1ウエア側掛止部
51a 面ファスナー
52 第2ウエア側掛止部
52a 面ファスナー
53 第1バンド
53a 面ファスナー
53b 伸縮性バンド
54 第2バンド
54a 面ファスナー
100 アシストウエアシステム
131 ウエア本体部分
103 肩関節アシスト装置
104 肘関節アシスト装置
134 補強布
135〜138 補強用パッド
200 アシストウエアシステム
231 ウエア本体部分
231A 上衣部分
231B 下衣部分

Claims (13)

  1. 関節を中心とする動作をアシストする非外骨格型のアシスト装置を装着するためのアシスト装置装着用のウエアであって、
    装着者の関節を含む身体部分を取り囲むウエア部分と、
    前記アシスト装置を着脱可能に前記ウエア部分に取り付けるために、前記ウエア部分の外側表面に設けたアシスト装置取付部と、
    前記アシスト装置取付部に取り付けられた状態の前記アシスト装置を前記身体部分に固定するためのアシスト装置固定部材と
    を有しており、
    前記アシスト装置取付部は、前記アシスト装置が機械的に掛止されるウエア側掛止部を備えており、
    前記アシスト装置固定部材は、前記アシスト装置を前記身体部分に着脱可能に固定するために用いる巻き付け部材を備えており、
    前記巻き付け部材は、前記ウエア側掛止部から前記ウエア部分の周方向に延び、前記ウエア側掛止部に対して機械的に掛止可能な巻き付け部材側掛止部を備えており、
    前記巻き付け部材側掛止部は、少なくとも、前記巻き付け部材の先端部分に設けられているアシスト装置装着用のウエア。
  2. 請求項1において、
    前記アシスト装置取付部は、前記アシスト装置の前記ウエア部分に対する取付位置を所定範囲内で変更できるように構成されているアシスト装置装着用のウエア。
  3. 請求項1または2において、
    前記ウエア側掛止部および前記巻き付け部材側掛止部は面ファスナーによって規定されているアシスト装置装着用のウエア。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれか一つの項において、
    前記巻き付け部材のそれぞれは、少なくとも、前記ウエア側掛止部から前記先端部分までの間の部分が伸縮部分となっており、
    前記伸縮部分は、前記巻き付け部材の長さ方向に伸縮可能であるアシスト装置装着用のウエア。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれか一つの項において、
    前記ウエア部分における前記ウエア側掛止部を含む範囲は、裏打ち材によって補強されているアシスト装置装着用のウエア。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれか一つの項において、
    前記ウエア部分における前記ウエア側掛止部が配置されている部分は、補強材によって補強されているアシスト装置装着用のウエア。
  7. 請求項1ないし6のうちのいずれか一つの項において、
    前記ウエア部分は、少なくとも、装着者の左右一方の肩関節および左右一方の肘関節を取り囲む部分を備えた上衣であり、
    前記ウエア部分には、前記アシスト装置として、装着者の肩関節に固定される肩関節アシスト装置、および、肘関節に固定される肘関節アシスト装置のそれぞれを固定するためのアシスト装置取付部およびアシスト装置固定部材が備わっているアシスト装置装着用のウエア。
  8. 請求項1ないし6のうちのいずれか一つの項において、
    前記ウエア部分は、少なくとも、装着者の左右一方の股関節および左右一方の膝関節を取り囲む部分を備えた下衣であり、
    前記ウエア部分には、装着者の股関節に固定される股関節アシスト装置、および、膝関節に固定される膝関節アシスト装置のそれぞれを固定するための前記アシスト装置取付部および前記アシスト装置固定部材が備わっているアシスト装置装着用のウエア。
  9. 請求項1ないし6のうちのいずれか一つの項において、
    前記ウエア部分は、装着者の左右の肩関節および左右の肘関節を取り囲む部分を備えた上衣部分と、装着者の左右の股関節および左右の膝関節を取り囲む部分を備えた下衣部分とが繋がった形状をしており、
    前記ウエア部分には、少なくとも、装着者の左右一方の肩関節に固定される肩関節アシスト装置、左右一方の肘関節に固定される肘関節アシスト装置、左右一方の股関節に固定される股関節アシスト装置、および、左右一方の膝関節に固定される膝関節アシスト装置のそれぞれを固定するための前記アシスト装置取付部および前記アシスト装置固定部材が備わっているアシスト装置装着用のウエア。
  10. 請求項8または9において、
    前記股関節アシスト装置を固定するための前記アシスト装置固定部材は、
    前記股関節アシスト装置を前記装着者の腰の外側面に固定するために、前記巻き付け部材に加え、前記ウエア側掛止部から延びている内側巻き付け部材を更に備えており、
    前記内側巻き付け部材は、前記ウエア側掛止部に対して機械的に掛止可能な内側巻き付け部材側掛止部を備えており、
    前記ウエア側掛止部と前記内側巻き付け部材側掛止部との間に、前記股関節アシスト装置が固定された状態で、その上から前記巻き付け部材を重ねると、前記巻き付け部材側掛止部を前記ウエア側掛止部に掛止可能であるアシスト装置装着用のウエア。
  11. 請求項1ないし10のうちのいずれか一つの項に記載のアシスト装置装着用のウエアと、
    少なくとも一台の非外骨格型のアシスト装置と
    を有しており、
    前記アシスト装置は、
    動力発生ユニットと、
    前記動力発生ユニットが発生する動力を関節回りのアシスト力として装着者に伝える第1、第2アシスト力伝達部材を備えたアシスト力伝達ユニットと、
    前記動力発生ユニットを着脱可能に取り付けるために、前記アシスト力伝達ユニットに設けた動力発生ユニット取付部と
    を備えているアシストウエアシステム。
  12. 関節を中心とする動作をアシストする少なくとも一台の非外骨格型のアシスト装置と、
    前記アシスト装置を装着するためのアシスト装置装着用のウエアと、
    を有しており、
    前記ウエアは、
    装着者の関節を含む身体部分を取り囲むウエア部分と、
    前記アシスト装置を着脱可能に前記ウエア部分に取り付けるために、前記ウエア部分の外側表面に設けたアシスト装置取付部と、
    前記アシスト装置取付部に取り付けられた状態の前記アシスト装置を前記身体部分に固定するためのアシスト装置固定部材と
    を備えており、
    前記アシスト装置は、
    動力発生ユニットと、
    前記動力発生ユニットが発生する動力を関節回りのアシスト力として装着者に伝える第1、第2アシスト力伝達部材を備えたアシスト力伝達ユニットと、
    前記動力発生ユニットを着脱可能に取り付けるために、前記アシスト力伝達ユニットに設けた動力発生ユニット取付部と
    を備えているアシストウエアシステム。
  13. 請求項12において、
    前記ウエアの前記アシスト装置取付部は、前記アシスト装置の前記ウエア部分に対する取付位置を所定範囲内で変更できるように構成されているアシストウエアシステム。
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