JP6720473B2 - 発光装置、照明器具及び情報表示装置ならびに発光装置の製造方法 - Google Patents

発光装置、照明器具及び情報表示装置ならびに発光装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば有機エレクトロルミネッセンス発光デバイスを備えた照明器具や情報表示装置等に使用可能な発光装置に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)技術は、例えば照明器具や情報表示装置の低消費電力化、軽量化、フレキシブル化を実現するための有力な技術として注目されている。
前記有機EL技術を用いた装置(有機EL装置)としては、例えば光の取り出し効率の向上、外光の反射防止、指紋の付着防止、意匠性の付与を目的として、有機EL発光デバイスの一部に、機能性フィルムが貼付された装置が知られている。前記機能性フィルムの貼付には、通常、粘着剤や粘着テープ等を用いる場合が多い。
前記機能性フィルムの貼付に使用可能な粘着テープとしては、例えば特定の光学粘着テープ用樹脂と架橋剤とを含む光学粘着テープ等を使用できることが知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、前記光学粘着テープを、有機EL発光デバイスの一部と前記機能性フィルムとの貼り合わせに用いた場合、前記貼り合わせ後の減圧工程において、前記粘着テープと機能性フィルムとの界面や、粘着テープの内部に存在した微細な気泡が成長(気泡が大きくなることを指す)し、成長した気泡が有機EL素子から発光された光の乱反射を引き起こし、光の取り出し効率の低下を引き起こす場合があった。
特開2015−003960号公報
本発明が解決しようとする課題は、例えば有機ELデバイス等から発せられた光の乱反射を防止し、効率的に外部に光を導くことのできる発光装置を提供するものである。
また、本発明が解決しようとする第二の課題は、有機EL発光装置を製造する際に行われる減圧工程を経た場合であっても、硬化層に含まれる気泡が大きくなることを防止でき、その結果、光の乱反射を防止し、効率的に外部に光を導くことのできる発光装置を製造する方法を提供するものである。
本発明は、発光デバイスの表面を構成する透明部材(A)と、光取り出し部材(B)との間に硬化層(C)を有する発光装置であって、前記硬化層(C)が、気泡を有しない層、または、平均気泡径10μm以下の気泡を有する層であることを特徴とする発光装置に関するものである。
本発明の発光装置は、発光デバイスの表面を構成する透明部材(A)もしくは光取り出し部材(B)と硬化層(C)との界面、または、前記硬化層(C)の内部における気泡の成長を抑制できることから、例えば有機EL発光デバイス等から発せられた光が硬化層(C)で乱反射し難く、光を効果的に発光装置の外部へ導くことができる。
本発明は、発光デバイスの表面を構成する透明部材(A)と光取り出し部材(B)との間に硬化層(C)を有する発光装置である。前記硬化層(C)は、前記透明部材(A)または光取り出し部材(B)の表面に直接またはその他の層を介して設けられていてもよい。
前記硬化層(C)は、前記減圧または加熱処理された後であっても、気泡を有しない、または、気泡を有する場合であってもその平均気泡径が10μm以下の気泡を有するものである。このような硬化層(C)を有する発光装置であれば、例えば有機EL発光デバイス等から発せられた光の乱反射を抑制し、効果的に発光装置の外部に光を導くことができる。
ここで、前記気泡が存在しないとは、本発明の発光装置の前記光取り出し部材(B)側から、その表面の任意の範囲(面積0.12mm)を、光学式顕微鏡(500倍率)で観察した際に、前記硬化層(C)の内部または被着体との界面に、気泡の存在を確認できなかったことを指す。
また、気泡の平均気泡径は、本発明の発光装置の前記光取り出し部材(B)側から、その表面の任意の範囲(面積0.12mm)を、光学式顕微鏡(500倍率)で観察した際に、前記硬化層(C)の内部または被着体との界面に存在することを確認できた気泡のうち、直径の大きい順に気泡を5つ選択し、その直径を平均化した値を指す。
前記硬化層(C)に存在しうる気泡は、5μm以下の平均気泡径であることが好ましく、3μm以下の平均気泡径であることが、有機ELデバイス等から発せられた光の乱反射を抑制し、外部に光を効果的に導くことのできる発光装置を得るうえでより好ましい。
前記硬化層(C)としては、本発明の発光装置の前記光取り出し部材(B)側から、その表面の任意の範囲(面積0.12mm)の範囲を、光学式顕微鏡(500倍率)で観察した際、その単位面積(0.12mm)あたりに、前記気泡の面積が占める割合が10%以下であるものを使用することが好ましく、5%以下であるものを使用することがより好ましい。
(発光デバイスの表面を構成する透明部材(A))
本発明の発光装置を構成する発光デバイスとしては、例えば有機エレクトロルミネッセンス発光デバイス(有機EL発光デバイス)、または、バックライトユニットを備えた液晶表示デバイス等が挙げられ、有機EL発光デバイスを使用することが好ましい。
前記有機EL発光デバイスとしては、例えば陽極層と陰極層との間に有機発光媒体層を狭持した構造を有するものが挙げられる。前記有機発光媒体層は、両電極間に電圧を印加し電流を流すことにより、それ自体が発光するものである。
前記有機EL発光デバイスのより具体的な構成としては、例えば基材/陽極層/有機発光媒体層/陰極層/基材層が順に積層された構成のものが挙げられ、基材/陽極層/有機発光媒体層/陰極層/保護層/接着層/基材等が順に積層された構成のものであることが好ましい。
前記発光デバイスの表面のうち、前記硬化層(C)を介して光取り出し部材(B)が設けられる表面を構成しうる透明部材(A)としては、例えば上記基材のいずれか一方または両方に相当するものが挙げられる。前記基材としては、例えばガラス基材や、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリアミド等のプラスチック基材等を使用することができ、その表面の一部に陽極層または陰極層等の電極層が設けられたものを使用することもできる。
前記透明部材(A)の厚さは、フレキシブル性、光透過性、意匠性等を考慮し適宜選定できるが、好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは20μm〜105μmである。
また、前記発光デバイスとしては、湿分の影響による劣化などを防止することを目的として、上記保護層を有するものを使用することができる。
前記保護層としては、例えば湿分封止部材を使用することができ、前記湿分封止部材としては、例えばガスバリア性に優れた珪素窒化物、珪素酸化物、セラミックス等を用いることができる。また、前記湿分封止部材を設ける際には、高密度プラズマ製膜法等で薄膜を製膜する技術を用いることができる。
(光取り出し部材(B))
本発明の発光装置に使用する光取出し部材(B)としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリアミド等のプラスチックフィルム、ガラス、石英等からなるフィルムまたはシート状のものを使用することができる。
前記プラスチックフィルムとしては、重量平均分子量が1000以下の低分子化合物をできるだけ含有しないものを使用することが好ましく、前記プラスチックフィルムの質量に対する前記低分子化合物の含有量が0.5質量%以下であるものを使用することがより好ましい。
前記プラスチックフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する場合であれば、ポリエチレンテレフタレートフィルムに質量に対して、エチレングリコールとテレフタル酸とからなる環状三量体の含有量が0.4質量%以下であるものを使用することが好ましく、0.3質量%以下であるものを使用することが、本発明の発光装置を製造する際の減圧または加熱工程において、前記低分子化合物のブリードに起因した部材(B)の白濁を抑制でき、その結果、光の取り出し効率の高い発光装置を製造することができるため好ましい。
前記光取出し部材(B)としては、光の取り出し効率の向上、外光の反射防止、指紋の付着防止、意匠性の付与等を目的として、その片面または両面の一部または全部に、コーティング、印刷、蒸着、スパッタリング、凹凸加工等の処理が施されたものを使用してもよい。
前記光取り出し部材(B)の厚さは、フレキシブル性、光透過性、意匠性等を考慮し適宜選定できるが、好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは20μm〜105μm、さらに好ましくは30μm〜55μmである。
(硬化層(C))
本発明の発光装置を構成する硬化層(C)は、前記発光デバイスの表面を構成しうる透明部材(A)と前記光取出し部材(B)との間に直接または他の層を介して設けられる層である。
前記硬化層(C)は、本発明の発光装置を構成するものであるから、例えば本発明の発光装置が有機EL発光装置である場合であれば、有機EL発光装置の製造場面で通常行われる減圧工程を経た後の層を指す。一方、前記減圧工程を必要としない発光装置の場合であれば、前記硬化層(C)は、後述する硬化層(C’’)と同一のものを指す。
前記硬化層(C)は、前記透明部材(A)と前記光取り出し部材(B)とを接合する役割を有するものであることが好ましい。
前記硬化層(C)は、前記したとおり、気泡を有しない、または、気泡を有する場合であってもその平均気泡径が10μm以下の気泡を有するものである。このような硬化層(C)を有する発光装置であれば、有機ELデバイス等から発せられた光の乱反射を抑制し、発光装置の外部へ光を効果的に導くことができる。
前記硬化層(C)は、例えば熱や光や湿気等の刺激によって硬化しうる組成物(c)を用い未硬化層(C’)を形成した後、それを硬化させることによって硬化層(C’’)を形成し、次いで、減圧または加熱工程を経ることによって形成することができる。
前記組成物(c)としては、硬化前において粘着性を有するものを使用することが、前記透明部材(A)と光取出し部材(B)との貼り合わせ作業性を向上させるうえで好ましい。
前記硬化層(C)の形成に使用可能な組成物(c)としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂等のうち、熱や光や湿気等の刺激によって硬化しうるものを含有する組成物を使用することが好ましい。
なかでも、前記組成物(c)としては、例えば前記未硬化層(C’)のシート化、前記透明部材(A)または光取り出し部材(B)への前記未硬化層(C’)の貼付、前記透明部材(A)及び光取り出し部材(B)の貼り合わせ、及び、前記硬化層(C’’)または(C)の形成を、いわゆるロール トゥ ロール方式で行うことができ、かつ、紫外線照射や加熱等によって速やかに硬化し硬化層を形成できる紫外線硬化性(メタ)アクリレートを含有するアクリル系樹脂組成物、紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレートを含有するウレタン樹脂組成物等を用いることが好ましい。
前記組成物(c)を用いて形成された未硬化層(C’)のアスカーC硬度は、23℃において70以下であることが好ましく、20〜60であることが、前記透明部材(A)や光取り出し部材(B)に前記未硬化層(C’)を貼付しやすいためより好ましい。
一方、前記未硬化層(C’)を硬化させることによって形成された硬化層(C’’)、及び、それを後述する方法で減圧処理等して得られた硬化層(C)のアスカーC硬度は、70℃において70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、90〜100であることが、前記透明部材(A)及び光取り出し部材(B)の貼り合わせ後の加熱工程で、前記硬化層(C)に含まれる気泡が大きくなることを防止するうえで一層好ましい。
また、前記未硬化層(C’)の貯蔵弾性率(G’)は、23℃において1.0×10Pa以下であることが好ましい。
一方、前記未硬化層(C’)を硬化させることによって形成された硬化層(C’’)、及び、それを後述する方法で減圧処理等して得られた硬化層(C)の貯蔵弾性率(G’)は、70℃において1.0×10Pa以上であることが好ましく、1.0×10〜1.0×10Paであることがより好ましい。
前記アスカーC硬度および貯蔵弾性率(G’)を有する硬化層(C)は、本発明の発光装置を製造する際の減圧(加熱)工程において、発光デバイスの表面を構成しうる透明部材(A)もしくは光取出し部材(B)と硬化層(C)との界面、または、前記硬化層(C)の内部における気泡の成長を抑制でき、その結果、有機EL発光デバイス等から発せられた光の乱反射を抑制し、発光装置の外部へ光を効果的に導くことができるため好ましい。
前記未硬化層(C’)、前記硬化層(C’’)及び硬化層(C)の厚さは、前記組成物(c)の塗工及び乾燥工程での発泡や溶剤の残留を軽減する観点から、接着性を阻害しない範囲で薄くすることが好ましく、10μm〜55μmの範囲であることがより好ましく、15μm〜30μmであることがさらに好ましい。
前記未硬化層(C’)、前記硬化層(C’’)及び硬化層(C)としては、前記組成物(c)中に存在しうる溶媒や低分子化合物等の揮発性化合物をできるだけ含有しない層であることが好ましい。前記揮発性化合物は、前記した各層の全量に対して2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが、硬化層(C)中に約10μm以上の平均気泡径を有する気泡が形成されることを防止するうえで特に好ましい。
また、前記未硬化層(C’)を硬化させることによって形成された硬化層(C’’)、及び、それを後述する方法で減圧処理等して得られた硬化層(C)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
(本発明の発光装置の製造方法)
本発明の発光装置は、有機EL発光装置を製造する場合を例に挙げれば、前記透明部材(A)と光取出し部材(B)とを未硬化層(C’)を介して貼り合わせる工程、前記未硬化層(C’)を硬化させ硬化層(C’’)を形成する工程、及び、減圧または加熱する工程を経ることによって硬化層(C)を形成する方法によって製造することができる。
その際、前記透明部材(A)は、既に有機EL発光デバイス等の一部を構成していてもよく、また、前記硬化層(C’’)を介して光取出し部材(B)と貼り合わされた後に、前記発光デバイスを構成する一部に貼付される等してもよい。
本発明の有機EL発光装置は、具体的には、以下の方法によって製造することができる。
はじめに、離型フィルム(1)の離型処理面に、硬化層(C)を形成しうる前記組成物(c)を塗工し、必要に応じて乾燥等の処理を行った後、離型フィルム(2)の離型処理面と貼付することによって未硬化層(C’)を形成する。
次に、前記未硬化層(C’)を、前記透明部材(A)または光取り出し部材(B)の一方の部材に貼付した後、他方の部材(透明部材(A)または光取り出し部材(B))を貼付する。
次に、前記未硬化層(C’)に直接、または、前記透明部材(A)もしくは光取り出し部材(B)を介して前記未硬化層(C’)に紫外線を照射、または、前記未硬化層(C’)を加熱等することによって硬化層(C’’)を形成する。
また、前記離型フィルム(1)または(2)のいずれか一方の代わりに、前記光取り出し部材(B)として使用可能な前記プラスチック基材を使用してもよい。具体的には、前記光取り出し部材(B)の表面に、前記組成物(c)を塗工し乾燥等することによって未硬化層(C’)を形成し、その表面に、前記透明部材(A)を貼付し、紫外線照射や加熱等することによって本発明の発光装置を製造することが、前記透明部材(A)もしくは光取出し部材(B)と硬化層(C)との界面、または、前記硬化層(C)の内部における気泡の残存が防止された発光装置を得るうえで好ましい。
前記硬化層(C’’)及び(C)を形成する際に行うことができる紫外線の照射は、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LED等を用いて行うことができる。
また、紫外線を照射する際の積算光量は100〜5000mJ/cmの範囲であることが好ましい。
また、前記硬化層(C’’)及び(C)を形成する際に行うことができる加熱は、50〜120℃で10秒〜1時間程度行うことが好ましい。
前記方法で形成された硬化層(C’’)は、減圧または加熱する工程において処理されてもよい。前記工程は、とりわけ有機EL発光デバイスを備えた発光装置を製造する際に行われる場合がある。従来の粘着テープ等では、それに含まれる微細な気泡が、前記減圧工程等において大きくなり、その結果、光の乱反射等を引き起こすことが懸念されていた。
しかし、本発明の発光装置では、前記減圧工程等を経る前に硬化層(C’’)が形成されているため、その後に減圧処理等された後の硬化層(C)には、例えば平均気泡径が10μmを超えるような気泡が形成せれず、その結果、光の乱反射等を最小限に抑制することができる。
前記減圧工程は、例えば100Pa以下、さらには20Pa以下といった過酷な減圧条件で行われる場合がある。本発明の発光装置を構成する硬化層(C)は、前記過酷な減圧条件下におかれた場合であっても、例えば平均気泡径が10μmを超えるような気泡を形成せず、その結果、光の乱反射等を最小限に抑制することができる。
また、前記減圧工程は、加熱とともに行われる場合がある。その際の加熱条件としては50℃以上、さらには70℃〜150℃といった過酷な条件で行われる場合がある。本発明の装置を構成する硬化層(C)は、前記過酷な減圧及び加熱条件下におかれた場合であっても、例えば平均気泡径が10μmを超えるような気泡を形成せず、その結果、光の乱反射等を最小限に抑制することができる。
未硬化層(C’)を用いて前記透明部材(A)と光取り出し部材(B)とを貼り合わせる工程では、それらの界面に気泡を巻き込む場合がある。この気泡は、通常、経時的に分散されるため、それらの貼付物を、前記貼り合わせ後に一定期間養生する方法や、オートクレーブ処理する方法によって除去されやすい。そのため、上記貼り合わせ工程後に上記養生等の処理を行うことによって、上記減圧工程による気泡の成長(気泡が大きくなること)をある程度抑制できる場合がある。
しかし、前記発光装置のさらなる高効率化が求められるなかで、上記養生やオートクレーブ処理で十分に除去されなかったごく微細な気泡が、前記減圧工程で大きくなり、その結果、前記光の乱反射等を引き起こすことが懸念される場合がある。
また、上記発光装置の生産効率の向上が求められるなかで、前記養生やオートクレーブ処理を十分に行うことができないのが実情である。
このような状況下、本発明の発光装置の製造方法であれば、前記未硬化層(C’)を用いて前記透明部材(A)及び光取り出し部材(B)を貼付した後、紫外線等を照射することによって速やかに硬化層(C’’)が形成されるため、前記養生やオートクレーブ処理を経ることなく、前記貼り合わせ後、直ちに前記減圧工程を施した場合であっても、前記気泡の成長を防止することが可能である。
したがって、本発明の発光装置の製造方法は、前記透明部材(A)と光取り出し部材(B)と未硬化層(C’)との貼り合わせ工程、紫外線等の照射工程、及び、減圧工程を、いわゆるロール トゥ ロールで連続的に行う際に適用することができる。
前記未硬化層(C’)を用いて前記透明部材(A)と光取り出し部材(B)とを貼付後、上記減圧(加熱)工程を施すまでの時間は、およそ6時間以内であることが好ましく、1時間以内であることがより好ましく、上記ロール トゥ ロールで行う場合には、数分以内であることが、上記減圧工程における気泡の成長を防止でき、かつ、本発明の発光装置の生産効率をより一層高めるうえで好ましい。
また、前記透明部材(A)または光取り出し部材(B)と、未硬化層(C’)とを貼り合わせる際の上記気泡の巻き込みを軽減する方法としては、それらを積層する際に、その上面からロールを用いて加圧する方法が挙げられる。
前記ロールとしては、クロムメッキ処理した鉄等の金属、シリコンやウレタン等のゴムからなるものを使用することができ、金属ロールとゴムロールとを組み合わせて用いることもできる。
前記ロールを用いた加圧は、10〜300N/cm程度の圧力で行うことが好ましい。また、前記透明部材(A)、光取り出し部材(B)及び未硬化層(C’)や本発明の発光装置に悪影響を及ぼさない範囲で50〜100℃程度加温してもよい。
前記発光装置のうち、有機エレクトロルミネッセンス発光装置(有機EL発光装置)もまた、上記と同様の方法で製造することができる。具体的には、有機EL発光装置は、有機EL発光デバイスの表面を構成する透明部材(A)と光取り出し部材(B)とを未硬化層(C’)を介して貼り合わせる工程、前記未硬化層(C’)を硬化させ硬化層(C’’)を形成する工程、及び、減圧または加熱する工程を経て硬化層(C)を形成することによって製造することができる。
上記方法で得られた本発明の発光装置は、例えば照明器具、ディスプレイ等の情報表示装置等に好適に使用することができる。
本発明の発光装置は、例えば光取り出し部材(B)として光の色調を制御可能な部材を使用することによって、生活環境に応じて発光色、白色、電灯色等の様々な色調の光を発することのできる照明器具として、好適に使用することができる。
[実施例1]
厚さ75μmの離型フィルムの表面に、紫外線硬化性であるウレタンアクリレート組成物(c−1)を塗工し、乾燥させることによって、厚さ25μmの未硬化層(23℃におけるアスカーC硬度が65)を形成した。
次に、前記未硬化層の表面に、前記光取出し部材(B)に相当するものとして厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーからなるフィルムを、ラミネーターを用いて加圧貼付した。
前記加圧貼付後、30分以内に、前記離型フィルムを剥離し、その表面に、前記透明部材(A)に相当するものとして上記とは別の厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーからなるフィルムを、ラミネーターを用いて加圧貼付したものを試験サンプル(1A)とした。
前記試験サンプル(1A)を作製後、30分以内に、高圧水銀灯(照射強度1.4W/m、積算光量3000mJ/cm)を用い、前記試験サンプル(1A)に紫外線を照射し前記未硬化層を硬化させることによって試験サンプル(1B)を得た。
次に、前記試験サンプル(1B)を、70℃及び10Paの減圧加熱環境下に1時間放置することによって硬化層(アスカー硬度C90)を有する試験サンプル(1C)を得た。
前記試験サンプル(1C)を構成する透明部材(A)に相当する面と、有機EL発光デバイスとを積層することによって、本発明の発光装置を得た。
[未硬化層及び硬化層に存在する気泡の平均気泡径の算出方法]
前記試験サンプル(1A)または前記試験サンプル(1C)を作製後10分以内のものを用い、前記光取り出し部材(B)側の表面のうち、任意の範囲(面積0.12mm)の範囲を前記光学式顕微鏡(500倍率)で観察した。前記観察によって、前記未硬化層もしくは硬化層の内部、または、それらと透明部材(A)や光取出し部材(B)との界面に存在することが確認できた気泡のうち、直径の大きい順に気泡を5つ選択し、その直径の平均値を算出した。
[未硬化層及び硬化層に存在する気泡の存在割合の算出方法]
前記試験サンプル(1A)または前記試験サンプル(1C)を作製後10分以内のものを用い、前記光取り出し部材(B)側の表面のうち、任意の範囲(面積0.12mm)の範囲を光学式顕微鏡(500倍率)を用い、前記未硬化層もしくは硬化層の内部、または、それらと透明部材(A)や光取出し部材(B)との界面に存在する気泡の有無を観察した。前記観察した範囲(単位面積:0.12mm)に存在する気泡の面積を算出し、前記単位面積あたりに占める気泡の面積の割合を算出した。
[減圧加熱処理前の硬化層のヘイズと、減圧下熱処理後の硬化層のヘイズの測定方法]
厚さ75μmの離型フィルムの表面に、紫外線硬化性であるウレタンアクリレート組成物(c−1)を塗工し、乾燥させることによって、厚さ25μmの未硬化層(23℃におけるアスカーC硬度が65)を形成した。
次に、前記未硬化層の表面に、厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを、ラミネーターを用いて加圧貼付した。
前記加圧貼付後、30分以内に、前記離型フィルムを剥離し、その表面に、上記とは別の厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを、ラミネーターを用いて加圧貼付したものを試験片1とした。
前記試験片1を作製後、10分以内のもののヘイズを、(株)村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定した。
前記試験片1を作製後、30分以内に、高圧水銀灯(照射強度1.4W/m、積算光量3000mJ/cm)を用い、前記試験片1に紫外線を照射し前記未硬化層を硬化させることによって試験片2を得た。
次に、前記試験片2を、70℃及び10Paの減圧加熱環境下に1時間放置することによって硬化層(アスカー硬度C90)を有する試験片3を得た。
前記試験片3を作製後、10分以内のもののヘイズを、(株)村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定した。
[比較例1]
ラミネーターを使用せず、2枚のシクロオレフィンポリマーと未硬化層とを、手の指で加圧し貼付したこと以外は、実施例1と同様の方法で試験サンプル及び発光装置を作製した。
[比較例2]
紫外線硬化性であるウレタンアクリレート組成物(c−1)の代わりに、紫外線硬化性ではないアクリル粘着剤(23℃におけるアスカーC硬度が60)を使用したこと、紫外線照射を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で試験サンプル及び発光装置を作製した。
[光の透過性の評価方法]
実施例及び比較例で得た発光装置を構成する有機EL発光デバイスを発光させ、その光を前記試験サンプル(1C)を構成する透明部材(A)側の面に照射した。有機EL発光デバイスから発せられた光と、前記試験サンプル(1C)を透過した光との均一性を、目視で観察した。
〇:試験サンプル(1C)を透過する前の光及び透過した後の光の量が均一であった。
×:試験サンプル(1C)を透過する前の光及び透過した後の光の量が不均一であった。
Figure 0006720473

Claims (8)

  1. 発光デバイスの表面を構成する透明部材(A)と、光取り出し部材(B)との間に硬化層(C)を有する発光装置であって、前記硬化層(C)がシート状であり、前記硬化層(C)が気泡を有しない層、または、平均気泡径10μm以下の気泡を有する層であり、前記硬化層(C)が70℃において70以上のアスカーC硬度を有するものであることを特徴とする発光装置。
  2. 前記硬化層(C)のヘイズが3%以下である請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記透明部材(A)が、電極層を有するガラス基材またはプラスチック基材である請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記発光デバイスが、有機エレクトロルミネッセンス発光デバイスである請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置を備えた照明器具。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発光装置を備えた情報表示装置。
  7. 透明部材(A)と光取出し部材(B)とをシート状の未硬化層(C’)を介して貼り合わせる工程、前記未硬化層(C’)を硬化させ硬化層(C’’)を形成する工程、及び、減圧または加熱する工程を経ることによって、気泡を有しない、または、平均気泡径10μm以下の気泡を有し、70℃において70以上のアスカーC硬度を有する硬化層(C)を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
  8. 前記発光デバイスが有機エレクトロルミネッセンス発光デバイスである請求項に記載の発光装置の製造方法。
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