JP2021015168A - ハードコートフィルムおよびこれを用いたフレキシブルディスプレイ - Google Patents

ハードコートフィルムおよびこれを用いたフレキシブルディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】粘着剤層を有していても優れた鉛筆硬度を有するとともに、繰り返し屈曲に耐えられる屈曲性を有するハードコートフィルムおよびこれを用いたフレキシブルディスプレイを提供する。【解決手段】フレキシブルディスプレイの表面に配置されるフレキシブルディスプレイ用のハードコートフィルムであって、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方面上に形成されたハードコート層14と、基材フィルム12の他方面上に形成された粘着剤層16と、を有し、基材フィルム12が、ポリイミドを含み、ナノインデンテーション法による押し込み弾性率が5200N/mm2である厚さ8μmのポリエーテルエーテルケトンフィルムを介して、ナノインデンテーション法により測定される、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)が、290N/mm2以上1600N/mm2以下である、ハードコートフィルム10とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ハードコートフィルムおよびこれを用いたフレキシブルディスプレイに関するものである。
ハードコートフィルムは、液晶表示装置や有機EL表示装置などの画像表示装置のディスプレイを保護するなどの目的で用いられている。近年、画像表示装置の分野では、曲げても表示機能をそのまま維持することができ、繰り返し屈曲して使用できるフレキシブルディスプレイが注目されている。フレキシブルディスプレイとしては、折り畳み可能なフォルダブルディスプレイや、筒状に丸めることができるローラブルディスプレイなどが知られている。フレキシブルディスプレイは、スマートホンやタブレット端末などの携帯端末や、収納できる据え置き型ディスプレイなどへの利用が期待されている。フレキシブルディスプレイのカバーウィンドウとしては、ガラス基板の代わりに、曲げやすいプラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムは、ガラス基板よりも傷がつきやすいため、プラスチックフィルムの表面にはハードコート層が形成されることがある。
例えば特許文献1には、フレキシブルディスプレイ用のハードコートフィルムが記載されている。特許文献1のハードコートフィルムは、透明基材のそれぞれの面に5〜50μmの厚さで15〜130kPa・mの強直性を有するハードコート層を有するものからなる。また、特許文献1には、一方のハードコート層の面上に粘着剤層を設けることが記載されている。
特許文献2にも、フレキシブルディスプレイ用のハードコートフィルムが記載されている。特許文献2のハードコートフィルムは、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面上に積層されたハードコート層と、を備え、基材フィルムがポリイミドフィルムであり、ハードコート層の厚さが0.5μm以上10μm以下であることが記載されている。また、特許文献2には、基材フィルムの他方の面上に粘着剤層を積層することが記載されている。
特開2017−036439号公報 再表2018/037488号公報
特許文献1のハードコートフィルムは、それ自体は高い鉛筆硬度と優れた屈曲性を有しているものの、粘着剤層を設けることで鉛筆硬度が大きく低下している。また、特許文献2のハードコートフィルムは、基材フィルムとしてポリイミドフィルムを用い、ハードコート層の厚さを所定の厚さとすることで、耐擦傷性と耐屈曲性を両立しているが、粘着剤層の構成について検討されておらず、粘着剤層を設けることでハードコートフィルム表面の鉛筆硬度が大きく低下することの問題を解決するものではない。
本発明が解決しようとする課題は、粘着剤層を有していても優れた鉛筆硬度を有するとともに、繰り返し屈曲に耐えられる屈曲性を有するハードコートフィルムおよびこれを用いたフレキシブルディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係るハードコートフィルムは、フレキシブルディスプレイの表面に配置されるフレキシブルディスプレイ用のハードコートフィルムであって、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面上に形成されたハードコート層と、前記基材フィルムの他方面上に形成された粘着剤層と、を有し、前記基材フィルムが、ポリイミドを含み、ナノインデンテーション法による押し込み弾性率が5200N/mmである厚さ8μmのポリエーテルエーテルケトンフィルムを介して、ナノインデンテーション法により測定される、前記粘着剤層の押し込み弾性率E−IT(a)が、290N/mm以上1600N/mm以下である。
本発明に係るハードコートフィルムにおいて、ナノインデンテーション法により測定される、前記ハードコート層の押し込み硬さH−IT(h)は、300N/mm以上550N/mm以下であるとよい。そして、前記ハードコート層の厚さは、10.0μm以下であるとよい。そして、前記粘着剤層の厚さは、5.0μm以上50.0μm以下であるとよい。そして、前記ハードコート層の面上に、保護フィルムを有するとよい。
そして、本発明に係るフレキシブルディスプレイは、本発明に係るハードコートフィルムが、前記粘着剤層を介してディスプレイ表面に配置されているものである。
本発明に係るハードコートフィルムによれば、基材フィルムがポリイミドを含み、粘着剤層の押し込み弾性率E−IT(a)が290N/mm以上1600N/mm以下であることから、粘着剤層を有していても優れた鉛筆硬度を有するとともに、繰り返し屈曲に耐えられる屈曲性を有する。
この際、ハードコート層の押し込み硬さH−IT(h)が300N/mm以上550N/mm以下であると、ハードコートフィルムの鉛筆硬度と屈曲性のバランスに優れる。そして、ハードコート層の厚さが10.0μm以下であると、ハードコートフィルムの屈曲性を確保しやすい。そして、粘着剤層の厚さが5.0μm以上50.0μm以下であると、被着体との接着性を十分に確保できるとともに、押し込み弾性率E−IT(a)を制御しやすい。そして、ハードコート層の面上に保護フィルムを有すると、取り扱い時などにおいてハードコート層の表面を保護し、傷の発生などが抑えられる。
そして、本発明に係るフレキシブルディスプレイによれば、本発明に係るハードコートフィルムが粘着剤層を介してディスプレイ表面に配置されていることから、優れた鉛筆硬度を有するとともに繰り返し屈曲に耐えられる屈曲性を有する。
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルムの断面図である。 本発明の他の実施形態に係るハードコートフィルムの断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るハードコートフィルムの断面図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係るハードコートフィルム10は、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方面上に形成されたハードコート層14と、基材フィルム12の他方面上に形成された粘着剤層16と、を有する。ハードコートフィルム10は、粘着剤層16の面上(粘着剤層16の基材フィルム12が配置されていない面上)に、離型フィルム18を有する。離型フィルム18は、使用前に粘着剤層16の保護層として機能し、使用時には、粘着剤層16から剥がされる。ハードコートフィルム10は、保護層18、粘着剤層16、基材フィルム12、ハードコート層14をこの順に有する。
ハードコートフィルム10において、ハードコート層14は基材フィルム12の一方面に接しており、粘着剤層16は基材フィルム12の他方面に接しているが、本発明に係るハードコートフィルムは、ハードコート層と基材フィルムの間や粘着剤層と基材フィルムの間に他の層が介在していてもよい。
基材フィルム12は、ポリイミドを含むフィルムである。基材フィルム12は、ポリマー成分としてポリイミドのみを含むフィルムであってもよいし、他のポリマー成分を含むフィルムであってもよい。もっとも、ポリイミドの物性を十分に発揮するために、基材フィルム12は、ポリマー主成分としてポリイミドを含むことが好ましい。主成分とは、ポリマー成分全体の50質量%以上の成分をいう。基材フィルム12は、ポリマー成分の50質量%以上、70質量%以上、あるいは90質量%以上がポリイミドであることが好ましい。ポリイミドを含むフィルムとしては、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
ポリイミドを含むフィルムは、繰り返しの屈曲に耐えられる屈曲性を有するため、繰り返し屈曲されるフレキシブルディスプレイ用のハードコートフィルムの基材フィルムとして好適である。また、ポリイミドを含むフィルムは、表面硬度に優れているため、優れた鉛筆硬度を有するハードコートフィルムの基材フィルムとして好適である。基材フィルムとしてポリイミドを含むフィルムを用いることで、ハードコート層を積層したときのハードコート層表面の鉛筆硬度を確保することができる。例えば、ハードコート層の構成によるが、ハードコート層を積層したときのハードコート層表面の鉛筆硬度を3H以上とすることができる。また、ポリイミドを含むフィルムは、耐熱性にも優れる。
基材フィルム12は、無色透明であることが好ましい。無色透明とは、JIS K7361−1(1997)に準拠して測定される可視光波長領域における全光線透過率が50%以上であり、かつJIS K 7373(2006)に準拠して測定される黄色度(YI値)が20以下である。全光線透過率は、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは85%以上である。黄色度(YI値)は、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。これにより、透明度が高く色再現性の高い画像を表示するディスプレイを得ることができる。
基材フィルム12の厚さは、特に限定されるものではないが、取り扱い性、無色透明性などの観点から、12〜200μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは25〜100μm、特に好ましくは40〜80μmの範囲内である。
ハードコート層14は、ハードコートフィルム10の鉛筆硬度の向上に寄与する。ハードコート層14は、ハードコートフィルム10の鉛筆硬度の向上の観点から、ナノインデンテーション法による押し込み硬度H−IT(h)が300N/mm以上であることが好ましい。また、ハードコートフィルム10の鉛筆硬度向上の観点から、上記押し込み硬度H−IT(h)は、より好ましくは320N/mm以上、さらに好ましくは350N/mm以上である。一方、ハードコートフィルム10の屈曲性の向上に寄与するなどの観点から、上記押し込み硬度H−IT(h)は、550N/mm以下であることが好ましい。また、ハードコートフィルム10の屈曲性向上の観点から、上記押し込み硬度H−IT(h)は、より好ましくは520N/mm以下、さらに好ましくは500N/mm以下である。ハードコート層14の押し込み硬度H−IT(h)は、基材フィルム12の一方面上に形成されたハードコート層14の表面の押し込み硬度H−IT(h)であり、基材フィルム12の他方面上に粘着剤層16が形成されていない状態で測定する。
ハードコート層14は、上記のように、押し込み硬度H−IT(h)が比較的小さくなるように調整されることが好ましい。このためには、例えば、材料の選択、ハードコート層14の厚さ、ハードコート層14に含まれることがある無機粒子や有機粒子の含有量などによって、ハードコート層14の押し込み硬度H−IT(h)を比較的小さくすることができる。例えば、材料の選択として、比較的柔軟な材料を選択するとよい。また、ハードコート層14の厚さを比較的薄くするとよい。また、ハードコート層14に含まれることがある有機粒子や無機粒子の含有量を比較的少なくするとよい。
ハードコート層14は、鉛筆硬度が3H以上であることが好ましい。より好ましくは4H以上である。ここでいうハードコート層14の鉛筆硬度は、基材フィルム12の一方面上に形成されたハードコート層14の表面の鉛筆硬度であり、基材フィルム12の他方面上に粘着剤層16が形成されていない状態で測定するものである。ハードコート層14の鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4に準拠して測定することができる。
ハードコート層14の厚さは、繰り返しの屈曲に耐えられる屈曲性がハードコートフィルム10に十分に確保される、ハードコート層14と基材フィルム12の熱収縮差に起因するハードコートフィルム10のカールが抑えられやすいなどの観点から、10.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは8.0μm以下、さらに好ましくは6.0μm以下である。一方、ハードコートフィルム10の鉛筆硬度が十分に確保されるなどの観点から、0.5μm以上であることが好ましい。より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは3.0μm以上である。ハードコート層14の厚さは、平滑な部分における厚さであり、ハードコート層14が粒子を含有する場合には、厚さ方向において粒子に起因する凹凸のない部分における平滑な部分の厚さである。
ハードコート層14は、高硬度、高屈曲性、生産性などの観点から、紫外線硬化性樹脂を含む硬化性組成物の硬化物で構成するとよい。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線反応性の反応性基を有するモノマー,オリゴマー,プレポリマーなどが挙げられる。紫外線反応性の反応性基としては、アクリロイル基,メタクリロイル基,アリル基,ビニル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合型の反応性基やオキセタニル基などのカチオン重合型の反応性基などが挙げられる。これらのうちでは、アクリロイル基,メタクリロイル基,オキセタニル基がより好ましく、アクリロイル基,メタクリロイル基が特に好ましい。すなわち、(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよびメタクリレートの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよびメタクリロイルの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリル」は「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」をいう。
(メタ)アクリレートとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、比較的柔軟で、ハードコートフィルム10の屈曲性が向上するなどの観点から、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオール、イソシアネート化合物、および水酸基を有する(メタ)アクリレートとの付加反応により得られる。ポリオールは、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられ、柔軟性、耐熱性、耐薬品性等の観点から適宜選択することができる。ジイソシアネートは、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族ジイソシアネートや、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、4−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアナート(水添TDI)等の脂環式ジイソシアネート等を用いることができる。
(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートのみで構成されていてもよいし、多官能(メタ)アクリレートで構成されていてもよいし、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの組み合わせで構成されていてもよい。(メタ)アクリレートとしては、多官能(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。特に、他官能ウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、四官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。より具体的には、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ハードコート層14を形成する硬化性組成物には、紫外線硬化性樹脂に加え、非紫外線硬化性樹脂が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。また、ハードコート層14を形成する硬化性組成物には、光重合開始剤が含まれていてもよい。また、必要に応じ、硬化性組成物に添加する添加剤などが含まれていてもよい。このような添加剤としては、分散剤、レベリング剤、消泡剤、搖変剤、防汚剤、抗菌剤、難燃剤、スリップ剤、無機粒子、樹脂粒子などが挙げられる。また、必要に応じ、溶剤が含まれていてもよい。
非紫外線硬化性樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系などの光重合開始剤が挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤としては、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジルメチル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤としては、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−[9−エチルー6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾールー3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。光重合開始剤は、これらの1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされて用いられてもよい。
光重合開始剤の含有量は、硬化性組成物の固形分全量基準で、0.1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは1〜5質量%の範囲である。
無機粒子および樹脂粒子は、例えばハードコート層14にブロッキングを防止したり、ハードコート層14の硬度を向上させたり、防眩性を付与したりするなどの目的で添加される。
無機粒子としては、シリカ,チタン,ジルコニウム,スズ,亜鉛,ケイ素,ニオブ,アルミニウム,クロム,マグネシウム,ゲルマニウム,ガリウム,アンチモン,白金などの金属の酸化物からなる金属酸化物粒子が挙げられる。これらは、無機粒子として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。これらのうちでは、高硬度と透明性の両立に優れるなどの観点から、チタン酸化物,ジルコニウム酸化物,スズ酸化物が特に好ましい。
樹脂粒子としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロースなどの樹脂からなる樹脂粒子が挙げられる。これらは、樹脂粒子として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。
防汚剤としては、含フッ素化合物などが挙げられる。含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような化合物としては、アイカ工業製「X−71−1203M」、DIC製「メガファックRS−75」、ダイキン工業製「オプツールDAC−HP」、ネオス製「フタージェント601AD」などが挙げられる。このような含フッ素化合物により、汚れや指紋の付着を抑え、汚れや指紋の除去を容易にすることができる。
含フッ素化合物の含有量は、ハードコート層14の全量基準で、0.01〜15質量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.05〜10質量%の範囲内、さらに好ましくは0.2〜5質量%の範囲内である。含フッ素化合物の含有量が好適範囲内であると、優れた防汚性、防指紋性を有することができる。
ハードコート層14を形成する硬化性組成物において用いられる溶剤としては、エタノール,イソプロピルアルコール(IPA),n−ブチルアルコール(NBA),エチレングリコールモノメチルエーテル(EGM),エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(IPG),プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM),ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール系溶剤や、メチルエチルケトン(MEK),メチルイソブチルケトン(MIBK),シクロヘキサノン,アセトンなどのケトン系溶剤、トルエン,キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル(EtAc),酢酸プロピル,酢酸イソプロピル,酢酸ブチル(BuAc)などのエステル系溶剤、N−メチルピロリドン,アセトアミド,ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤などが挙げられる。これらは、溶剤として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。
硬化性組成物の固形分濃度(溶剤以外の成分の濃度)は、塗工性、膜厚などを考慮して適宜定めればよい。例えば、1〜90質量%、1.5〜80質量%、2〜70質量%などとすればよい。
粘着剤層16は、ハードコートフィルム10を被着体に貼り合わせるためのものである。粘着剤層16は、押し込み弾性率E−IT(a)が290N/mm以上1600N/mm以下である。粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)は、ナノインデンテーション法による押し込み弾性率が5200N/mmである厚さ8μmのポリエーテルエーテルケトンフィルムを介して、ナノインデンテーション法により測定される。粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)が290N/mm以上であることで、粘着剤層16を有していても、ハードコートフィルム10の鉛筆硬度の低下が抑えられ、ハードコートフィルム10が優れた鉛筆硬度を有することができる。また、この観点から、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)は、より好ましくは300N/mm以上、さらに好ましくは320N/mm以上である。そして、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)が1600N/mm以下であることで、ハードコートフィルム10を被着体に貼り合わせて屈曲させたときの、被着体からの浮きや剥がれが抑えられる。また、ハードコートフィルム10が、繰り返し屈曲に耐えられる屈曲性を有することができる。また、この観点から、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)は、より好ましくは1580N/mm以下である。ここで屈曲は、ハードコート層14を外側にしたハードコートフィルム10の屈曲をいう。
粘着剤層16は、上記のように、押し込み弾性率E−IT(a)が比較的大きくなるように調整されている。材料の選択、材料の架橋処理、粘着剤層16の厚さなどによって、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)を比較的大きくすることができる。例えば、材料の選択として、Tgが比較的高いものとするとよい。また、粘着剤層16の厚さを比較的薄くするとよい。
粘着剤層16の厚さは、被着体との接着性を十分に確保するなどの観点から、5.0μm以上であることが好ましい。より好ましくは10μm以上である。また、粘着剤層16の厚さは、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)を高く制御しやすいなどの観点から、50μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以下である。
粘着剤層16は、粘着剤を含む。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが挙げられる。これらのうちでは、光学的な透明性や耐熱性の観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
粘着剤層16は、無色透明であることが好ましい。無色透明とは、JIS K7361−1(1997)に準拠して測定される可視光波長領域における全光線透過率が50%以上であり、かつJIS K 7373(2006)に準拠して測定される黄色度(YI値)が20以下である。全光線透過率は、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは85%以上である。黄色度(YI値)は、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。
粘着剤層16のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、好ましくは−25℃以下、より好ましくは−30℃以下、さらに好ましくは−35℃以下である。また、好ましくは−70℃以上、より好ましくは−60℃以上、さらに好ましくは−50℃以上である。粘着剤層16のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定よる損失正接(tanδ)の主分散のピークが現れる温度から得られる。粘着剤層16のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内にあると、粘着剤層16において粘着剤のはみ出しなどの不具合が抑えられ、適切な粘着性と押し込み弾性率を得ることができる。
アクリル系粘着剤は、ベース材料として(メタ)アクリル重合体を含む。(メタ)アクリル重合体は、架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。(メタ)アクリル重合体は、粘着剤層16の押し込み弾性率を高くするなどの観点から、架橋されることが好ましい。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル重合体を含む粘着剤組成物から形成される。
(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリルモノマーあるいは(メタ)アクリルオリゴマーの単独重合体、もしくは(メタ)アクリルモノマーあるいは(メタ)アクリルオリゴマーを主成分とする共重合体である。(メタ)アクリルモノマーあるいは(メタ)アクリルオリゴマーとしては、(メタ)アクリル酸イソステアリル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ラウリル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸デシル,(メタ)アクリル酸イソノニル,(メタ)アクリル酸ノニル,(メタ)アクリル酸イソオクチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸イソブチル,(メタ)アクリル酸n−ブチル,(メタ)アクリル酸ペンチル,(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸シクロヘキシル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルモノマー、(メタ)アクリル酸カルボキシエチル,(メタ)アクリル酸カルボキシペンチル等のカルボキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル,(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル,(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル,(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル,(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル,(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル,(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の水酸基含有モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリル重合体は、共重合成分として(メタ)アクリルモノマーあるいは(メタ)アクリルオリゴマー以外のモノマーあるいはオリゴマーを含んでいてもよい。このようなモノマーあるいはオリゴマーとしては、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤は、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤組成物には、(メタ)アクリル重合体、架橋剤以外に、その他添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、可塑剤、シランカップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、充填剤、硬化促進剤、硬化遅延剤などの公知の添加剤が挙げられる。また、生産性などの観点から、有機溶剤を使用して粘着剤を希釈してもよい。
ハードコートフィルム10は、基材フィルム12の一方面上にハードコート層14を形成し、基材フィルム12の他方面上に粘着剤層16を形成することにより製造することができる。
ハードコート層14は、基材フィルム12の一方面上にハードコート層14を形成する組成物を塗工し、必要に応じて乾燥や紫外線照射などを行うことにより形成することができる。この際、基材フィルム12とハードコート層14の密着性を向上させるために、基材フィルム12の表面には、塗工前に表面処理が施されてもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理などが挙げられる。
ハードコート層14を形成する組成物の塗工には、例えば、リバースグラビアコート法,ダイレクトグラビアコート法,ダイコート法,バーコート法,ワイヤーバーコート法,ロールコート法,スピンコート法,ディップコート法,スプレーコート法,ナイフコート法,キスコート法などの各種コーティング法や、インクジェット法、オフセット印刷,スクリーン印刷,フレキソ印刷などの各種印刷法を用いて行うことができる。
乾燥工程は、塗工液に用いた溶剤等を除去できれば特に限定されるものではないが、50〜150℃の温度で10秒〜180秒程度行うことが好ましい。特に、乾燥温度は、50〜120℃が好ましい。
紫外線照射には、高圧水銀ランプ、無電極(マイクロ波方式)ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、その他任意の紫外線照射装置を用いることができる。紫外線照射は、必要に応じて、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。紫外線照射量は、特に限定されるものではないが、50〜800mJ/cmが好ましく、100〜300mJ/cmがより好ましい。
粘着剤層16は、基材フィルム12の他方面上に粘着剤層16を形成する組成物を直接塗布して形成する方法、離型フィルム18の面上に粘着剤層16を形成する組成物を塗布して形成した後、基材フィルム12の他方面上に転写する方法、第一の離型フィルムの面上に粘着剤層16を形成する組成物を塗布して形成した後、第二の離型フィルムを貼り合わせ、いずれか一方の離型フィルムを剥離して基材フィルム12の他方面上に転写する方法などにより形成することができる。
粘着剤層16を形成する組成物の塗工には、ハードコート層14を形成する際に用いたのと同様の塗工方法を用いることができる。また、塗工前にコロナ処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理等の表面処理が施されてもよい。
乾燥及び硬化工程は、塗工液に用いた溶剤等を除去し、硬化させることができれば特に限定されるものではないが、60〜150℃の温度で20秒〜300秒程度行うことが好ましい。特に、乾燥温度は、100〜130℃が好ましい。なお、粘着剤層16の形成は、ハードコート層14を形成する前であっても、後であってもよい。
以上の構成のハードコートフィルム10によれば、基材フィルム12がポリイミドを含み、粘着剤層16の押し込み弾性率E−IT(a)が290N/mm以上1600N/mm以下であることから、粘着剤層16を有していても優れた鉛筆硬度を有するとともに、繰り返し屈曲に耐えられる屈曲性を有する。
ハードコートフィルム10は、上記構成により、内径(直径)10mmで屈曲可能である。また、内径(直径)8mmで屈曲可能である。また、内径(直径)6mmで屈曲可能である。したがって、ハードコートフィルム10は、内径(直径)10mm以下で屈曲されるフレキシブルディスプレイに好適に用いることができる。また、内径(直径)8mm以下で屈曲されるフレキシブルディスプレイに好適に用いることができる。また、内径(直径)6mm以下で屈曲されるフレキシブルディスプレイに好適に用いることができる。
ハードコートフィルム10は、フレキシブルディスプレイのカバーウィンドウとして、従来主に用いられてきたガラス基板を代替するものとして用いることができる。フレキシブルディスプレイとしては、折り畳み可能なフォルダブルディスプレイや、筒状に丸めることができるローラブルディスプレイなどが挙げられる。
フレキシブルディスプレイは、ハードコートフィルム10が、粘着剤層16を介してディスプレイ表面に配置されているもので構成される。フレキシブルディスプレイは、ハードコートフィルム10が配置される前の状態において、内径(直径)10mmで屈曲可能である。また、内径(直径)8mmで屈曲可能である。また、内径(直径)6mmで屈曲可能である。ハードコートフィルム10が配置されたフレキシブルディスプレイにおいても、内径(直径)10mmで屈曲可能である。また、内径(直径)8mmで屈曲可能である。また、内径(直径)6mmで屈曲可能である。
本発明に係るハードコートフィルムは、ハードコートフィルム10の構成に限定されるものではない。以下に、他の実施形態について説明する。
図2には、他の実施形態に係るハードコートフィルム20を示す。ハードコートフィルム20は、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方面上に形成されたハードコート層14と、基材フィルム12の他方面上に形成された粘着剤層16と、を有する。ハードコートフィルム20は、粘着剤層16の面上(粘着剤層16の基材フィルム12が配置されていない面上)に、離型フィルム18を有する。ハードコートフィルム20は、ハードコート層14の面上(ハードコート層14の基材フィルム12が配置されていない面上)に、粘着剤層22を介して配置された保護フィルム24、を有する。ハードコート層14の面上に保護フィルム24を有すると、取り扱い時などにおいてハードコート層14の表面を保護し、傷の発生などが抑えられる。
ハードコートフィルム20は、ハードコートフィルム10と比較して、ハードコート層14の面上に粘着剤層22を介して保護フィルム24を有する点が相違し、これ以外についてはハードコートフィルム10と同様であり、同様の構成についてはその説明を省略する。
保護フィルム24は、例えばロールプロセスなどで連続加工したりフレキシブルディスプレイにハードコートフィルム20が貼り合わされたりするなどの取扱い時において、ハードコート層14の表面に傷が付くのを抑えることができるものである。保護フィルム24は、粘着剤層22を介してハードコート層14の面に貼り付けられている。保護フィルム24は、加工後などにおいては、粘着剤層22とともにハードコート層14の面から剥がされる。このため、粘着剤層22は、ハードコート層14と粘着剤層22の間の接着力よりも保護フィルム24と粘着剤層22の間の接着力のほうが強く、ハードコート層14と粘着剤層22の間で界面剥離可能な接着力に調整される。
保護フィルム24を構成する材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリシクロオレフィン樹脂,シクロオレフィンコポリマー樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。保護フィルム24を構成する材料は、これらのうちの1種のみで構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせで構成されていてもよい。これらのうちでは、光学特性や耐久性などの観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、シクロオレフィンコポリマー樹脂がより好ましい。
保護フィルム24は、上記高分子材料の1種または2種以上を含む層からなる単層で構成されていてもよいし、上記高分子材料の1種または2種以上を含む層と、この層とは異なる高分子材料の1種または2種以上を含む層など、2層以上の層で構成されていてもよい。
保護フィルム24の厚みは、特に限定されるものではないが、2〜500μmの範囲内、2〜200μmの範囲内とすることができる。
粘着剤層22を形成する粘着剤は、特に限定されるものではなく、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などを好適に用いることができる。特に、アクリル系粘着剤は、透明性や耐熱性に優れるため、粘着剤層22を形成する粘着剤として好適である。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル重合体および架橋剤を含む粘着剤組成物から形成されることが好ましい。
(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリルモノマーの単独重合体もしくは共重合体である。(メタ)アクリルモノマーとしては、アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー、カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーなどが挙げられる。
アルキル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、炭素数2〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。炭素数2〜30のアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよい。アルキル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチルなどが挙げられる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシペンチルなどが挙げられる。カルボキシル基は、アルキル鎖の末端に位置していてもよいし、アルキル鎖の中間に位置していてもよい。
水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどが挙げられる。水酸基は、アルキル鎖の末端に位置していてもよいし、アルキル鎖の中間に位置していてもよい。
(メタ)アクリル重合体を形成する(メタ)アクリルモノマーは、上記のいずれか1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤は、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤組成物には、(メタ)アクリル重合体、架橋剤以外に、その他添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、架橋促進剤、架橋遅延剤、粘着性付与樹脂(タッキファイヤー)、帯電防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、剥離助剤、顔料、染料、湿潤剤、増粘剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、金属不活性剤、アルキル化剤、難燃剤などが挙げられる。これらは粘着剤の用途や使用目的に応じて、適宜選択して使用される。
粘着剤層22の厚みは、特に限定されるものではないが、1〜10μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは2〜7μmの範囲内である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態では、基材フィルム12の表面に表面処理を施してもよい記載をしているが、表面処理に代えて、基材フィルム12の表面に、易接着層を設ける構成であってもよい。そして、基材フィルム12の表面には、各層を形成する前に、ガスバリア性向上層、帯電防止層、オリゴマーブロック層などの各種機能層を予め設けてもよい。そして、基材フィルム12と粘着剤層16の間にさらに別のハードコート層を設けてもよい。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
<ハードコート層形成用組成物1の調製>
紫外線硬化型樹脂組成物「ユニディックESS−620」(DIC製、ウレタンアクリレート樹脂、溶剤(酢酸エチル)、固形分濃度79.3質量%)100質量部に対し、光重合開始剤「Omnirad127」(IGM Resins B.V.製)を3質量部添加し、固形分濃度31質量%となるように酢酸エチルを加え、ハードコート層形成用組成物1を調製した。
<ハードコート層形成用組成物2の調製>
紫外線硬化型樹脂組成物「Z−878−17HL」(アイカ工業製、ウレタンアクリレート樹脂、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、固形分濃度50質量%)に含フッ素化合物「X−71−1203M」(信越化学工業製、パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート、固形分濃度20%)を添加し、固形分濃度33質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、ハードコート層形成用組成物2を調製した。紫外線硬化型樹脂組成物の固形分と含フッ素化合物の固形分の合計100質量%に対し、含フッ素化合物の固形分を0.1質量%とした。
<粘着剤層形成用組成物1の調製>
粘着剤組成物「TERPLUS 200−002」(大塚化学製、アクリル系粘着剤、溶剤(酢酸エチル)、固形分濃度31質量%)100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(旭化成ケミカルズ製「デュラネートTPA−100」)を0.46質量部、有機スズ系触媒(日東化成製「ネオスタンU−810」)を0.05質量部、粘着付与樹脂1(ヤスハラケミカル製「YSポリスターN125」、テルペンフェノール樹脂)を5.0質量部、粘着付与樹脂2(荒川化学製「パインクリスタルME−H」、ロジン系樹脂)を0.5質量部、酸化防止剤(住友化学製「スミライザーGP」、フェノールリン系酸化防止剤)を2.5質量部添加し、固形分濃度が36.5質量%となるように酢酸ブチルを加え、粘着剤層形成用組成物1を調製した。
<粘着剤層形成用組成物2の調製>
粘着剤組成物「X−318−412S」(サイデン化学製、アクリル系粘着剤、溶剤(酢酸エチル)、固形分濃度27質量%)100質量部に対しエポキシ系架橋剤(サイデン化学製「A−375」、固形分濃度2%)を1.15質量部、シランカップリング剤(サイデン化学製「S−778」、固形分濃度9%)を3.82質量部添加し、固形分濃度が22質量%となるように酢酸ブチルを加え、粘着剤層形成用組成物2を調製した。
(実施例1)
<ハードコート層付き基材フィルムの作製>
ポリイミドフィルム「OT2(h)」(TAIMIDE TECH.INC製、厚み50μm)に、ワイヤーバーを用いてハードコート層形成用組成物1を所定の厚みとなるように塗布し、80℃×60秒で乾燥後、無電極(マイクロ波方式)ランプを用いて光量110mJ/cmの紫外線を照射してハードコート層を形成した。これにより、実施例1のハードコート層付き基材フィルムを作製した。
<粘着フィルムの作製>
離型フィルム1(東山フイルム製「HY−US20A」、シリコーン系PET離型フィルム、厚み50μm)の離型面に、ベーカー式フィルムアプリケーターを用いて、所定の厚みとなるように粘着剤層形成用組成物1を塗布し、120℃で2分加熱後、粘着剤層形成用組成物1の離型フィルム1で覆われていない面に離型フィルム2(東山フイルム製「HY−S10」、シリコーン系PET離型フィルム、厚み50μm)の離型面を貼り付けた。その後40℃で3日間養生し、離型フィルム1と離型フィルム2の間に粘着剤層を有する、実施例1の粘着フィルムを作製した。
<ハードコートフィルムの作製>
作製した粘着フィルムの一方の離型フィルムを剥がし、作製したハードコート層付き基材フィルムにおけるポリイミドフィルムの面に粘着フィルムの粘着剤層を貼り合わせることにより、粘着剤層を有する実施例1のハードコートフィルムを作製した。
(実施例2)
粘着フィルムの作製において、粘着剤層の厚さを変更した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層を有する実施例2のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層付き基材フィルムは、実施例1と同じ構成である。
(実施例3)
粘着フィルムの作製において、粘着剤層形成用組成物1に代えて粘着剤層形成用組成物2を用い、粘着剤層形成用組成物2の厚さを所定の厚さとし、加熱条件を110℃で2分とし、養生条件を室温(23℃)で7日間とした以外は実施例1と同様にして、粘着剤層を有する実施例3のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層付き基材フィルムは、実施例1と同じ構成である。
(実施例4)
粘着フィルムとして、巴川製紙所製光学用透明粘着フィルム「TD06A」((メタ)アクリル系粘着剤、粘着剤層の厚さ10μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、粘着剤層を有する実施例4のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層付き基材フィルムは、実施例1と同じ構成である。
(実施例5)
ハードコート層形成用組成物1に代えてハードコート層形成用組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして、ハードコート層付き基材フィルムを作製した。乾燥条件は80℃×60秒とし、照射条件は高圧水銀ランプ(光量190mJ/cm)とした。また、粘着剤層の厚さを変更した以外は実施例1と同様にして、粘着フィルムを作製した。このようにして作製したハードコート層付き基材フィルムと粘着フィルムを用い、実施例1と同様に貼り合わせることにより、粘着剤層を有する実施例5のハードコートフィルムを作製した。
(実施例6)
粘着剤層の厚さを変更した以外は実施例5と同様にして、粘着剤層を有する実施例6のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層付き基材フィルムは、実施例5と同じ構成である。
(比較例1)
粘着剤層の厚さを変更した以外は実施例4と同様にして、粘着剤層を有する比較例1のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層付き基材フィルムは、実施例1と同じ構成である。
(比較例2)
粘着剤層の厚さを変更した以外は実施例1と同様にして、粘着剤層を有する比較例2のハードコートフィルムを作製した。ハードコート層付き基材フィルムは、実施例1と同じ構成である。
(比較例3)
ハードコート層の厚さと粘着剤層の厚さを変更した以外は実施例5と同様にして、粘着剤層を有する比較例3のハードコートフィルムを作製した。
作製したハードコート層付き基材フィルム(粘着剤層なし)を用い、ハードコート層の厚さ、ハードコート層の押込み硬度H−IT(h)、ハードコート層の鉛筆硬度、ハードコート層の最小屈曲径を測定した。また、作製した粘着フィルムを用い、粘着剤層の厚さ、粘着剤層の押込み弾性率E−IT(a)を測定した。また、作製したハードコートフィルム(粘着剤層付き)を用い、ハードコート層の鉛筆硬度を測定し、ハードコート層の耐屈曲性を調べた。
(ハードコート層の厚さ)
作製したハードコート層付き基材フィルムのハードコート層の厚さを、フィルメトリクス製厚み測定システム「Filmetrics F20」を用い、分光干渉法により測定した。
(ハードコート層の押込み硬度H−IT(h))
作製したハードコート層付き基材フィルムを15mm×15mmにカットし、ガラス板(20mm×20mm、厚さ2mm)に瞬間接着剤(東亞合成社製、アロンアルファ 速効多用途)を塗布し、基材フィルム側をガラスに接着することで、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルを、ハードコート層側が圧子と接するようにして、専用のサンプル固定台に固定して、Agilent Technologies社製「ナノインデンターG200」を用いて、ISO14577 Standard methodに基づいて、室温でBerkovich圧子(三角錐ダイヤモンド圧子、稜間角115°)を測定サンプルに押し込み、荷重―除荷試験を行い試験データの解析によりハードコート層の押込み硬度(H−IT(h))を得た。最大押し込み荷重を0.2mN、最大荷重保持時間を10秒とし、解析時に使用する除荷の割合は70%とした。
(ハードコート層の鉛筆硬度)
作製したハードコート層付き基材フィルムを15mm×15mmにカットし、ガラス板(20mm×20mm、厚さ2mm)に瞬間接着剤(東亞合成社製、アロンアルファ 速効多用途)を塗布し、基材フィルム側をガラスに接着することで、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルのハードコート層表面の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度試験機(テスター産業製)を使用してJIS K 5600−5−4に規定された方法によって測定した。試験荷重は1kgで、鉛筆の硬度を変えながら繰り返し試験を行い、同じ鉛筆で、生じたキズやへこみが5回中1回以内であったときの最大の硬度を評価値とした。
(ハードコート層の最小屈曲径)
作製したハードコート層付き基材フィルムを30mm×90mmにカットして測定サンプルを得た。
得られた測定サンプルの両短辺を、耐久試験機「DLDM111LH」(ユアサシステム機器社製、面上体無負荷U字伸縮試験機)に、ハードコート層側を外側として屈曲するように固定し、往復速度60spm(1分間に60回屈曲)で10万回屈曲後目視確認した。屈曲径(内径・直径)を2mmから1mmごとに大きくして試験し、測定サンプルに白化やクラックが発生しない最大の屈曲径を評価値とした。
(粘着剤層の厚さ)
テスター産業製厚さ測定機「TH−104」を用い、粘着フィルムの総厚から離型フィルムの厚さを引くことで、粘着剤層の厚さを求めた。
(粘着剤層の押込み弾性率E−IT(a))
まずはじめに、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)フィルムの押し込み弾性率を測定した。厚さ8μmのPEEKフィルム(VICTREX社製「APTIV2000」)を15mm×15mmにカットし、ガラス板(20mm×20mm、厚さ2mm)に瞬間接着剤(東亞合成社製、アロンアルファ 速効多用途)を塗布し、ガラスに接着した後、PEEKフィルムが圧子と接するようにして、専用のサンプル固定台に固定して、Agilent Technologies社製「ナノインデンターG200」を用いて、ISO14577 Standard methodに基づいて、室温でBerkovich圧子(三角錐ダイヤモンド圧子、稜間角115°)を押し込み、荷重―除荷試験を行い試験データの解析によりPEEKフィルムの押込み弾性率を得た。最大押し込み荷重を2mN、最大荷重保持時間を30秒とし、解析時に使用する除荷の割合は70%とした。PEEKフィルムの押込み弾性率は、5200N/mmであった。
次に、作製した粘着フィルムから一方の離型フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を、ナノインデンテーション法による押込み弾性率が5200N/mmである厚さ8μmのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)フィルム(VICTREX社製「APTIV2000」)に貼り付けた後、もう一方の離型フィルムを剥離し、露出した粘着剤層をガラス板(20mm×20mm、厚さ2mm)に貼り付けた。ガラス板に合わせてサンプルサイズを20mm×20mmにカットし、測定サンプルを得た。
得られた測定サンプルを、PEEKフィルムが圧子と接するように、専用のサンプル固定台に固定して、Agilent Technologies社製「ナノインデンターG200」を用いて、ISO14577 Standard methodに基づいて、室温でBerkovich圧子(三角錐ダイヤモンド圧子、稜間角115°)を測定サンプル上面に押し込み、荷重―除荷試験を行い試験データの解析により粘着剤層の押込み弾性率(E−IT(a))を得た。最大押し込み荷重を2mN、最大荷重保持時間を30秒とし、解析時に使用する除荷の割合は70%とした。
(ハードコートフィルムの鉛筆硬度)
作製したハードコートフィルムの粘着剤層表面の離型フィルムを剥離し、試験台(ガラス板、厚さ5mm)に貼り付け、鉛筆硬度試験機(テスター産業製)を使用してJIS K 5600−5−4に規定された方法によって測定した。試験荷重は1kgで、鉛筆の硬度を変えながら繰り返し試験を行い、同じ鉛筆で、生じたキズやへこみが5回中1回以内であったときの最大の硬度を評価値とした。
(ハードコートフィルムの最小屈曲径)
作製したハードコートフィルムの粘着剤層表面の離型フィルムを剥離し、超複屈折PETフィルム「SRF」(東洋紡製、厚さ80μm)に貼り付け、30mm×90mmにカットして測定サンプルを得た。
得られた測定サンプルの両短辺を、耐久試験機「DLDM111LH」(ユアサシステム機器社製、面上体無負荷U字伸縮試験機)に、ハードコート層側を外側として屈曲するように固定し、屈曲径(内径・直径)10mm、往復速度60spm(1分間に60回屈曲)で10万回の繰り返し屈曲試験を行った。試験後の測定サンプルを目視確認し、白化やクラックの発生のないものを「○」、白化やクラックが認められるものを「×」とした。
Figure 2021015168
比較例1,2は、粘着剤層の押込み弾性率E−IT(a)が290N/mm未満であり、ハードコート層付き基材フィルムにおけるハードコート層の押し込み硬度H−IT(h)およびハードコート層の鉛筆硬度が高くても、粘着剤層を設けたことでハードコート層の鉛筆硬度が低下している。これに対し、実施例は、粘着剤層の押込み弾性率E−IT(a)が290N/mm以上であり、粘着剤層を設けてもハードコート層の鉛筆硬度の大きな低下が抑えられ、粘着剤層を有していても優れた鉛筆硬度を有している。また、実施例は、粘着剤層の押込み弾性率E−IT(a)が1600N/mm以下であり、耐屈曲性にも優れる。
また、実施例は、ハードコート層の厚さが10μm以下で、かつ、ナノインデンテーション法による押し込み硬度H−IT(h)が300〜520N/mmであり、ハードコート層付き基材フィルムにおけるハードコート層は、3H以上の高い鉛筆硬度を有するとともに、繰り返し屈曲における最小屈曲径が4mm以下であり、耐屈曲性にも優れることがわかる。
なお、比較例3は、ハードコート層の押し込み硬度H−IT(h)は300〜550N/mmの範囲内だが、厚みが10μmを超えるため、粘着剤層付きハードコートフィルムの最小屈曲径が10mmより大きく、繰り返し屈曲性に劣る。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 ハードコートフィルム
12 基材フィルム
14 ハードコート層
16 粘着剤層
18 離型フィルム
20 ハードコートフィルム
22 粘着剤層
24 保護フィルム

Claims (6)

  1. フレキシブルディスプレイの表面に配置されるフレキシブルディスプレイ用のハードコートフィルムであって、
    基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面上に形成されたハードコート層と、前記基材フィルムの他方面上に形成された粘着剤層と、を有し、
    前記基材フィルムが、ポリイミドを含み、
    ナノインデンテーション法による押し込み弾性率が5200N/mmである厚さ8μmのポリエーテルエーテルケトンフィルムを介して、ナノインデンテーション法により測定される、前記粘着剤層の押し込み弾性率E−IT(a)が、290N/mm以上1600N/mm以下である、ハードコートフィルム。
  2. ナノインデンテーション法により測定される、前記ハードコート層の押し込み硬さH−IT(h)が、300N/mm以上550N/mm以下である、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記ハードコート層の厚さが、10.0μm以下である、請求項1または請求項2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記粘着剤層の厚さが、5.0μm以上50.0μm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコート層の面上に、保護フィルムを有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のハードコートフィルムが、前記粘着剤層を介してディスプレイ表面に配置されている、フレキシブルディスプレイ。
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