JP6718774B2 - 硫化リチウムの製造方法及び製造装置 - Google Patents

硫化リチウムの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、硫化リチウム(LiS)を製造する方法、並びに、それに用いる製造装置に関する。
リチウム二次電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして溶け出して負極へ移動して吸蔵され、放電時には逆に負極から正極へリチウムイオンが戻る構造の二次電池である。リチウム二次電池は、エネルギー密度が大きく、寿命が長いなどの特徴を有しているため、ビデオカメラなどの家電製品や、ノート型パソコン、携帯電話機などの携帯型電子機器、パワーツールなどの電動工具などの電源として広く用いられており、最近では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などに搭載される大型電池へも応用されている。
この種のリチウム二次電池は、正極、負極、及びこの両電極に挟まれたイオン伝導層から構成され、当イオン伝導層には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの多孔質フィルムからなるセパレータに非水系の電解液を満たしたものが一般的に用いられている。
ところが、電解質として、可燃性の有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されていたため、揮発や漏出を防ぐための構造・材料面での改善が必要であったほか、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや、短絡防止のための構造・材料面での改善も必要であった。
これに対し、硫化リチウム(LiS)などを原料とする固体電解質を用いた場合には、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化を図ることができ、製造コストや生産性に優れたものとすることができるという利点を有している。
固体電解質の原料として好適な硫化リチウム(LiS)は、天然鉱産物としては産出しないため、合成する必要がある。
この種の硫化リチウムの合成方法としては、従来、例えば1)不活性ガス雰囲気あるいは真空下で、硫酸リチウムを蔗糖、澱粉などの有機物で加熱還元する方法や、2)不活性ガス雰囲気あるいは真空下で、硫酸リチウムをカーボンブラックや黒鉛粉末で加熱還元する方法、3)硫化水素リチウムエタノール化物を水素気流中で加熱分解する方法、4)金属リチウムと硫化水素や硫黄蒸気とを常圧や加圧下で加熱し直接反応させる方法などが知られている。
例えば特許文献1には、非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを反応させて水硫化リチウムを生成し、この反応液を脱硫化水素化して硫化リチウムを生成する方法が開示されている。
特許文献2には、水酸化リチウムとガス状硫黄源(硫化水素)との反応によって硫化リチウムを製造する方法において、水酸化リチウムの粒径が0.1mm〜1.5mmであり、加熱温度が130〜445℃である硫化リチウムの製造方法が開示されている。
特許文献3には、水酸化リチウムを、転動層(ロータリーキルン)を用いて350〜450℃の反応温度で硫化水素含有ガスと気固反応させる硫化リチウムの製造方法が開示されている。
特許文献4には、固体のリチウム源と接する加熱部がセラミックスであり、固体のリチウム源を運動させる機構を具備し、ガスの供給口と排出口とを有する硫化リチウム製造装置が開示されており、具体的には、バッチ式のロータリーキルンを用いて、水酸化リチウム又は炭酸リチウムを硫化水素と反応させて硫化リチウムを製造する方法が開示されている。
特許第3528866号公報 特許第3816141号公報 特開2015−137183号公報 特開2015−174787号公報
上述のように、固体のリチウム源(以下、リチウム原料ともいう)を硫化水素と反応させて硫化リチウムを製造する方法に関して種々の発明が開示されていた。しかし、連続的に硫化リチウムを製造する方法についての具体的な開示はされておらず、そのように連続的に硫化リチウムを製造した際の課題も解決手段も開示されていなかった。そこで本発明者が、外熱式ロータリーキルンなどを用いて、リチウム原料を硫化水素と反応させて硫化リチウムを連続的に製造することを行ってみたところ、硫化リチウムの反応副生物である水(液体)が生じるため、原料ホッパーや原料供給管内、原料投入口直下の反応槽内などにおいて、リチウム原料が前記の水を吸収することにより流動性を失って固着し、配管閉塞や原料粉詰まりなどを生じ、連続操業を妨げる場合があることが明らかになった。
本発明の目的は、原料ホッパーや原料供給管内、原料投入口直下の反応槽内などにおいて、リチウム原料が流動性を失うことなく連続操業することができる、新たな製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明は、リチウム原料を加熱された反応槽内に連続的に供給すると共に、リチウム原料を反応槽内において一定方向に移動させる一方、硫化水素ガスを反応槽内に連続的に供給し、リチウム原料と硫化水素ガスとを反応させて硫化リチウムを連続的に製造する硫化リチウムの製造方法であって、
反応槽内において、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって硫化水素ガスを流動させると共に、
リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料を反応槽内に供給する位置よりも下流側から、硫化水素ガスを反応槽内に供給することを特徴とする硫化リチウムの製造方法を提案する。
本発明はまた、リチウム原料を槽内において一定方向に移動させることができる反応槽と、反応槽内を加熱することができる加熱手段と、反応槽内にリチウム原料を連続的に供給することができるリチウム原料供給手段と、反応槽内に硫化水素ガスを連続的に供給することができる硫化水素ガス供給手段と、反応生成物である硫化リチウムを回収することができる硫化リチウム回収手段と、反応槽内のガスを排気することができる排気手段と、を備えた硫化リチウム製造装置であって、
リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガスを反応槽内に供給する硫化水素ガス供給手段の硫化水素ガス供給口を、反応槽内のガスを排出する排気手段の排出口よりも上流側に配置し、且つ、前記硫化水素ガス供給口を、リチウム原料を反応槽内に供給するリチウム原料供給手段のリチウム原料供給口よりも下流側に配置してなる構成を備えた硫化リチウム製造装置を提案する。
本発明が提案する製造方法及び製造装置では、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって硫化水素ガスを流すことにより、原料ホッパーや原料供給管内などに硫化水素ガスが侵入するのを防ぐことができる。これによって、原料ホッパーや原料供給管内などにおいて、リチウム原料が硫化水素ガスと接触して硫化反応を起こすのを抑制することができるから、これらの場所でリチウム原料が流動性を失うのを防ぐことができる。
さらに、リチウム原料を反応槽内に供給する位置よりも下流側から、硫化水素ガスを反応槽内に供給することにより、原料ホッパー内や原料供給管内に硫化水素ガスが侵入するのをより一層抑制することができるから、これらの場所でリチウム原料が流動性を失うのをより一層防ぐことができる。そして、リチウム原料を反応槽内に供給する位置よりも下流側から、硫化水素ガスを反応槽内に供給することにより、加熱された状態のリチウム原料と硫化水素ガスとを接触させて硫化反応させることができるから、硫化反応自体を促進させることができると共に、反応副生成物として生成した水を気体化することができ、リチウム原料や硫化リチウムが水分(液体)の影響で流動性を失うのを効果的に抑制することができる。
本発明の実施形態の一例に係る硫化リチウムの製造方法を説明するための模式図である。 本発明の実施形態の一例に係る硫化リチウム製造装置を説明するための模式図である。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本硫化リチウム製造方法>
先ず、本発明の実施形態の一例に係る硫化リチウムの製造方法(「本硫化リチウム製造方法」と称する)について説明する。
本硫化リチウム製造方法は、リチウム原料を加熱された反応槽内に連続的に供給すると共に、リチウム原料を反応槽内において一定方向に移動させる一方、硫化水素ガスを反応槽内に連続的に供給し、リチウム原料と硫化水素ガスとを反応させて硫化リチウムを連続的に製造する方法である。
本明細書において「上流側」とは、リチウム原料の移動方向における上流側(図1及び図2では右側)を示し、「下流側」とは、リチウム原料の移動方向における下流側(図1及び図2では左側)を示す。
(リチウム原料)
リチウム原料は、硫化リチウムのリチウム源となる原料のことであって、例えば水酸化リチウム、炭酸リチウム、酸化リチウムなどを挙げることができる。中でも、低温にて硫化反応が起こると共に、安定性に優れている観点から、水酸化リチウムが好ましい。
リチウム原料は、効率よく反応させることができる観点から、微粒化して比表面積を大きくするのが好ましい。かかる観点とリチウム原料の取り扱いの観点から、リチウム原料の粒径は、平均粒径(D50)が1.5μm〜200μmであるのが好ましい。
(硫化水素ガス)
硫化水素ガスは、硫化水素のみからなるガスであってもよいし、硫化水素を主成分としつつ他のガス成分を含有するガスであってもよい。
例えば、急激に硫化反応が起こるのを抑制するため、硫化水素ガスに不活性ガスを混合して硫化水素分圧を下げるようにしてもよい。
かかる観点から、硫化水素ガスの濃度は、10〜100vol%であるのが好ましい。なお、硫化水素ガスの濃度が100vol%というのは、硫化水素ガスのみからなるガス、すなわち純ガスの意味であり、100vol%未満の場合は、硫化水素ガスと、Arや窒素などの不活性ガスや水素などの還元性ガスとの混合ガスの意味である。
リチウム原料との反応性を維持しつつ急激な硫化反応を抑制できるという観点から、硫化水素ガス濃度は10vol%〜100vol%であるのが好ましく、中でも50vol%以上或いは90vol%以下、その中でも特に60vol%以上或いは80vol%以下であるのがさらに好ましい。
(硫化反応)
反応槽内に供給されたリチウム原料と硫化水素ガスとが接触すると、下記式(1)〜(3)の硫化反応が生じ、主生成物である硫化リチウム(LiS)と、副生成物である水(HO)などが生成する。
このように、この硫化反応は乾式反応(固気反応)である。つまり、水などの溶媒を用いることなく、固体のリチウム原料と硫化水素ガスとを乾式状態で接触させて反応させる方法である。
(1)・・2LiOH+HS →LiS+2HO↑
(2)・・LiCO+HS →LiS+HO↑+CO
(3)・・LiO+HS →LiS+HO↑
リチウム原料が十分に加熱された状態で硫化水素ガスと接触すると、上記反応はより進むことになる。
この際、リチウム原料の加熱は、リチウム原料が溶融しない温度領域に加熱するのが好ましい。
例えば、リチウム原料として、水酸化リチウムを使用する場合は、水酸化リチウムの融点は462℃であるため、リチウム原料の品温が200℃〜450℃となるように加熱するのが好ましく、中でも300℃以上となるように加熱するのがさらに好ましい。
(反応槽)
反応槽は、リチウム原料と硫化水素ガスとが反応する空間を提供する設備であり、その形状及び大きさは任意である。反応槽の外形形状は、直方体状、円柱状、多角柱状など任意である。
(反応槽の加熱)
本硫化リチウム製造方法では、反応槽内、特に移動中の硫化リチウムが接触する部分を加熱することで、反応槽内を移動するリチウム原料を加熱するのが好ましい。十分加熱された状態のリチウム原料を硫化水素ガスと接触させることで、前記硫化反応を促進させることができる。
反応槽の加熱に関しては、図1に示すように、リチウム原料が移動する方向にみて、反応槽の中間領域を加熱するのが好ましい。
このように加熱することにより、図1に示すように、リチウム原料の移動方向における位置関係にみて、反応槽内の中間領域を、反応槽を直接加熱する直接加熱領域とし、当該中間領域の両側すなわち上流側領域及び下流側領域具体的にはその領域の反応槽内壁面温度を100℃以上に加熱される加熱領域とすることができる。
この際、硫化反応を促進させることができる観点から、上記中間領域すなわち直接加熱領域の反応槽内壁面温度は、200℃〜450℃であるのが好ましく、中でも300℃以上或いは450℃以下であるのが特に好ましい。
当該直接加熱領域の反応槽内壁面温度はリチウム原料の品温とほぼ同じ温度であるとみなせるから、直接加熱領域の反応槽内壁面が200℃〜450℃であれば、上記硫化反応を十分に促進することができる。
上記中間領域の上流側の加熱領域の温度すなわちその領域の反応槽内壁温度は100℃以上であるのが好ましく、中でも150℃以上或いは450℃以下であるのが好ましい。
他方、下流側の加熱領域の温度すなわちその領域の反応槽内壁温度は100℃以上であるのが好ましく、中でも150℃以上或いは450℃以下であるのが好ましい。
(反応槽内へのリチウム原料の供給及び移動)
本硫化リチウム製造方法では、図1に示すように、リチウム原料を反応槽内に連続的に供給すると共に、反応槽内において一定方向にリチウム原料を移動させることを特徴とする。
また、反応槽内においてリチウム原料を移動させる方向は、例えば水平方向、垂直上下方向、回転方向、回転軸方向、反応槽の長さ方向など任意である。例えば、図1に示すように、反応槽の長さ方向にリチウム原料を移動させることができる。
なお、リチウム原料を反応槽内において一定方向に移動させる具体的手段については、製造装置において詳述する。
また、リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料を反応槽内に供給する位置における反応槽の内壁面温度を100℃以上にするのが好ましい。すなわち、リチウム原料を反応槽内に供給する位置は、加熱領域(上流側)若しくは直接加熱領域内に設けるのが好ましく、加熱領域(上流側)に設けるのがさらに好ましい。
リチウム原料を反応槽内に供給する位置における反応槽の内壁面温度を100℃以上にすることにより、硫化水素ガスとリチウム原料とが反応した際に生成した水を気体化することができ、水分によってリチウム原料及び硫化リチウムが反応槽内壁面に付着するのを抑制することができる。
(反応槽内への硫化水素ガスの供給及び移動)
本硫化リチウム製造方法では、上記硫化水素ガスを反応槽内に連続的に供給する。
本硫化リチウム製造方法では、図1に示すように、反応槽内において、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって、硫化水素ガスを流動させることが特徴の一つである。
通常、ロータリーキルンなどの連続反応槽では、反応効率を高めるために、反応ガスを原料の移動方向とは逆に流すのが一般的である。しかし、リチウム原料を硫化水素と反応させて硫化リチウムを連続的に製造する場合には、反応ガスである硫化水素ガスをリチウム原料の移動方向と逆に流すと、原料ホッパー内や原料供給管内に硫化水素ガスが侵入して、ここでリチウム原料と硫化水素ガスとが接触して硫化反応が起こり、反応副生成物である水によって目詰まりを起こすことがある。これに対し、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって硫化水素ガスを流すことにより、原料ホッパー内や原料供給管内に硫化水素ガスが侵入するのを抑制することができ、原料ホッパー内や原料供給管内において硫化反応による水の生成を防ぐことにより、目詰まりを抑制することができる。
この際、反応槽内において硫化ガスを流動させる速度は任意である。
なお、硫化水素ガスを、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって流動させる具体的手段については、製造装置において詳述する。
さらに、本硫化リチウム製造方法では、図1に示すように、リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料を反応槽内に供給する位置よりも下流側から、上記硫化水素ガスを反応槽内に供給することが特徴の一つである。
リチウム原料の供給位置の下流側から、硫化水素ガスを供給することにより、原料ホッパー内や原料供給管内に硫化水素ガスが侵入するのをより一層抑制することができ、原料ホッパー内や原料供給管内において硫化反応による水の生成をより一層防ぐことにより、目詰まりをより一層抑制することができる。さらに、リチウム原料の供給位置の下流側から、硫化水素ガスを供給することにより、加熱された状態のリチウム原料と硫化水素ガスとを接触させて硫化反応させることができるから、硫化反応自体を促進させることができると共に、反応副生成物として生成した水を気体化することができ、リチウム原料や硫化リチウムが水分(液体)の影響で流動性を失うのを効果的に抑制することができる。
さらに、図1に示すように、リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガスの供給位置を、加熱領域(上流側)若しくは直接加熱領域内に設けるのが好ましい。
硫化水素ガスの供給位置付近は、リチウム原料と硫化水素ガスとが最初に接触する主な位置となるから、硫化水素ガスの供給位置を加熱領域(上流側)若しくは直接加熱領域内に設けることにより、硫化水素ガスとリチウム原料とが反応して生成する水を気体化させることができ、液体の水によってリチウム原料や硫化リチウムが反応槽の内壁面に付着するのを防止することができる。
(不活性ガスの供給)
本硫化リチウム製造方法では、図1に示すように、不活性ガスを反応槽内に連続的に供給し、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって流動させるのが好ましい。
この際、リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガスを反応槽内に供給する位置と同じ又はその上流側から、不活性ガスを反応槽内に供給するのが好ましい。硫化水素ガスを反応槽内に供給する位置と同じ又はその上流側から、不活性ガスを反応槽内に供給することにより、硫化水素ガスが上流側に逆流するのをより確実に防ぐことができ、例えば原料供給管内などに硫化水素ガスが侵入するのを、より確実に防ぐことができる。
反応槽内に供給する不活性ガスの単位時間当たりの供給量は、反応槽内に供給する硫化水素ガスの単位時間当たりの供給量と同じか又はより多くするのが好ましい。これによって、硫化水素ガスが上流側に逆流するのをより一層確実に防ぐことができる。
さらに、後述するように、原料ホッパーや原料供給管などのリチウム原料供給手段の内部に不活性ガスを供給して下流側に流動させるようにしてもよい。このようにリチウム原料供給手段の内部に不活性ガスを供給して下流側に原料粉と共に流動させることにより、硫化水素がリチウム原料供給手段の内部に侵入するのをより確実に防ぐことができ、これらの場所で反応副生成物である水によって目詰まりを生じるのを防ぐことができる。
上記の不活性ガスとしては、例えばヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガス類や、窒素などを挙げることができる。
(排気)
本硫化リチウム製造方法では、図1に示すように、上記硫化反応によって生成した副生成物である水蒸気(HO)及び二酸化炭素(CO)、さらには未反応の硫化水素ガス、さらには不活性ガスなどを、反応槽の外に排気する。
この際、加熱領域(下流側)すなわち反応槽内壁面の温度が100℃以上である加熱領域から排気するのが好ましい。中でも、雰囲気の温度が100℃以上である領域から排気するのが好ましい。これによって、反応槽内の水蒸気を液化させることなく気体状態のまま排気することができる。
また、強制的に排気させることもできる。反応生成物、上記反応式(1)〜(3)で言えばHOを積極的に排気することにより、硫化反応を促進することができる。
排気されるガス中に含まれる未反応のHSは有毒ガスであるため、排気ガスをバーナーなどで完全燃焼させた後、水酸化ナトリウム溶液で中和させて硫酸ナトリウムなどとして処理するのが好ましい。
(硫化リチウムの回収)
上記硫化反応によって生成した主生成物である硫化リチウム(LiS)は、図1に示すように、下流側に移動させて硫化リチウム回収槽内に回収するのが好ましい。但し、製造した硫化リチウム(LiS)を原料として別の物質を連続して製造する場合には、硫化リチウム(LiS)は回収することなく、当該物質の製造装置に搬送することも可能である。
硫化リチウム(LiS)を硫化リチウム回収槽内に回収して溜める場合、硫化リチウム回収槽の内壁面温度を100℃以上に加熱するのが好ましい。
反応副生成物である水が硫化リチウム回収槽内で結露し、反応生成物である硫化リチウムと結露した水分とが反応して水酸化リチウムを生成し、硫化リチウムの純度が低下することがある。これに対し、前記のように硫化リチウム回収槽の内壁面を加熱すれば、硫化リチウム回収槽内の水分を気体化させることができ、水(液体)として存在しないようにすることができる。さらには、硫化リチウム回収槽内の水分を揮発させることができ、回収した硫化リチウムが凝集したり、硫化リチウム回収槽の内壁面に付着したりするのを抑制することができる。
さらに、硫化リチウム回収槽内に不活性ガスを供給するようにしてもよい。これにより、不活性ガスとともに水分を硫化リチウム回収槽の外に排出させることができる。
<硫化リチウム製造装置>
次に、上述した本硫化リチウム製造方法を製造するための装置の一例として、硫化リチウム製造装置1について説明する。すなわち、硫化リチウム製造装置1にリチウム原料と硫化水素ガスとを供給して、これらを反応させて硫化リチウムを連続的に製造することができる。
但し、上述した本硫化リチウム製造方法を実施することができる装置が、この硫化リチウム製造装置1に限定されるものではない。
硫化リチウム製造装置1は、図2に示すように、リチウム原料を槽内において一定方向に移動させることができる反応槽2と、反応槽2内を加熱することができる加熱手段3と、反応槽2内にリチウム原料を連続的に供給することができるリチウム原料供給手段4と、反応槽2内に硫化水素ガスを連続的に供給することができる硫化水素ガス供給手段5と、反応生成物である硫化リチウムを回収することができる硫化リチウム回収手段6と、反応槽2内のガスを排気することができる排気手段7と、を備えた硫化リチウム製造装置である。
但し、硫化リチウム製造装置1は、これら以外の他の構成要素を備えていてもよい。
(反応槽2)
反応槽2は、リチウム原料と硫化水素ガスとが反応する空間を提供する設備であり、リチウム原料を槽内において一定方向に移動させることができるようになっている。
反応槽2において、リチウム原料を槽内において一定方向に移動させることができる手段としては、例えば反応槽2が下流側に下り傾斜していることによって、必要に応じてさらに振動をリチウム原料に与えて、下流側にリチウム原料を移動させることができる手段、反応槽2内に螺旋状回転羽を設けて、螺旋状回転羽の回転によって下流側にリチウム原料を送ることができる手段、ベルトコンベアなどの搬送手段によって下流側にリチウム原料を搬送する手段などを挙げることができる。但し、これらの手段に限定するものではない。
また、リチウム原料を下流側に移動させることができる上記手段によって、生成した硫化リチウムをそのまま下流側に移動させるのが好ましい。
反応槽2は、硫化反応の反応効率の観点から、図2に示すように、反応槽全体が回転軸を中心に回転可能であるのが好ましい。この際、反応槽2の回転軸方向(反応槽2の長さ方向)にリチウム原料を移動させることができる。
反応槽2が、回転軸を中心に回転可能である場合には、少なくとも内壁面は円筒状を呈しているのが好ましい。
反応槽2の材質は、任意である。但し、後述するように、反応槽2の周囲外側に沿って配設された加熱手段3によって、反応槽2を構成する内壁が直接加熱される場合には、少なくとも加熱手段3によって直接加熱される部分、例えば内壁は伝熱し易く、且つ硫化水素ガスによる腐食されにくい材質、例えば石英ガラス、アルミナ、カーボン、SiCなどで形成されているのが好ましい。
反応槽2の具体例として、例えばロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルンなどの反応槽を挙げることができる。
反応槽2の内壁面には、熱電対や温度センサなど温度検知手段が配置されており、内壁面温度を随時測定可能となっているのが好ましい。
(加熱手段3)
加熱手段3としては、例えば赤外線ヒーター、熱風ヒーター、ガスバーナー、電熱ヒーターなどを例示することができる。
加熱手段3の一例として、図2に示すように、リチウム原料の移動方向にみて反応槽2の中央領域、すなわち反応槽2の長さ方向中央領域の周囲外側に沿って加熱体3Aを配設し、反応槽2の周壁を直接加熱する加熱手段を挙げることができる。
このように、リチウム原料が移動する方向にみて、反応槽2の中間領域を直接加熱する場合、本硫化リチウム製造方法の欄で説明したように、リチウム原料の移動方向における位置関係にみて、反応槽2内の中間領域を、反応槽2を直接加熱する「直接加熱領域9」とし、当該中間領域の両側すなわち上流側領域及び下流側領域を、反応槽内壁面2Aの温度が100℃以上となる「加熱領域(上流側)10」と「加熱領域(下流側)11」とすることができる。
加熱手段3の温度に関しては、後述するように、直接加熱領域9の反応槽内壁面2Aの温度が、リチウム原料の融点Tmより10℃低い温度すなわち(Tm−10℃)以下であるのが好ましい。
例えばリチウム原料として水酸化リチウム(融点462℃)を使用する場合には、反応槽内壁面2Aの温度が200〜450℃、中でも300℃以上となるように加熱するのが好ましい。
(リチウム原料供給手段4)
リチウム原料供給手段4は、図2に示すように、原料ホッパー4Aと原料供給管4Bとを備えたものを挙げることができる。この際、他の構成要素を備えていてもよい。例えば、弁、攪拌手段、付着粉体払い落とし手段その他の構成要素を備えていてもよい。
また、リチウム原料は、原料ホッパー4Aに投入する前に、乾燥することが好ましい。乾燥させることにより、リチウム原料に含まれる水和水及び吸着水を低減できるため、反応槽内で発生する水分量を低減することができる。なお、乾燥温度は、リチウム原料に含まれる水和水及び吸着水を低減するという観点より、100℃以上であるのが好ましい。
原料供給管4B内には、例えば図2に示すように、スクリューフィーダー4Cを回転可能に設置し、原料ホッパー4A内のリチウム原料を、原料供給管4Bの先端口すなわちリチウム原料供給口4Dまで送り出すことができるように構成することができる。
リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料供給手段4の原料供給管4Bの供給口すなわちリチウム原料を反応槽2内に供給するリチウム原料供給口4Dと同じ位置における反応槽内壁面温度は、100℃以上にするのが好ましい。すなわち、リチウム原料供給口4Dは加熱領域(上流側)10若しくは直接加熱領域9内に配置するのが好ましく、加熱領域(上流側)10に配置するのがさらに好ましい。
リチウム原料供給口4Dと同じ位置における反応槽内壁面温度を100℃以上にすることにより、硫化水素ガスとリチウム原料とが反応した際に生成した水を気体化することができ、水分によってリチウム原料及び硫化リチウムが反応槽内壁面2Aに付着するのを抑制することができる。
なお、図示はしないが、原料ホッパー4A内又は原料供給管4B内又はこれら両方の内部に、下流側に向かって不活性ガスを供給することができるように、原料ホッパー4A又は原料供給管4Bに不活性ガス供給手段を連設することが好ましい。
このように原料ホッパー4A又は原料供給管4B内に不活性ガスを供給して下流側にリチウム原料と共に流動させることにより、硫化水素が原料ホッパー4A又は原料供給管4B内に侵入するのをより確実に防ぐことができ、これらの場所で目詰まりを生じるのを防ぐことができる。
(硫化水素ガス供給手段5)
硫化水素ガス供給手段5は、図2に示すように、例えばガス供給管5A、硫化水素ガス貯留タンク5B及びポンプ5Cを備えたものを挙げることができる。この際、他の構成要素を備えていてもよい。例えば、弁、流量計、水分吸収手段、ガス加熱手段その他の構成要素を備えていてもよい。
図2に示すように、ガス供給管5Aの先端口すなわち硫化水素ガスを反応槽2内に供給する硫化水素ガス供給口5Dを、反応槽2内の上流側に設け、後述する排気手段7の排気口7Cを、反応槽2内の下流側に設けることにより、本硫化リチウム製造方法の欄で説明したように、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって硫化水素ガスを流すことができる。この構成により、原料ホッパー4A内や原料供給管4B内に硫化水素ガスが侵入するのを抑制することができ、原料ホッパー4A内や原料供給管4B内において硫化反応による水の生成を防ぐことにより、目詰まりを抑制することができる。
さらに、図2に示すように、硫化水素ガス供給口5Dの位置は、リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料供給口4Dの位置よりも下流側に設置する。
硫化水素ガス供給口5Dをリチウム原料供給口4Dより下流側に設置することにより、製造方法の欄で説明したように、リチウム原料を反応槽内に供給する位置よりも下流側から、上記硫化水素ガスを反応槽内に供給することができる。そのため、原料ホッパー4A内や原料供給管4B内に硫化水素ガスが侵入するのをより一層抑制することができるから、これらの場所でリチウム原料が流動性を失うのをより一層防ぐことができる。さらに、この構成により、加熱された状態のリチウム原料と硫化水素ガスとを接触させて硫化反応させることができるから、硫化反応自体を促進させることができると共に、反応副生成物として生成した水を気体化することができ、リチウム原料や硫化リチウムが水分(液体)の影響で流動性を失うのを効果的に抑制することができる。
この際、硫化水素ガス供給口5Dの位置と、リチウム原料供給口4Dの位置は、リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガスの上流側への拡散を考慮して、適切な距離を離して配置するのが好ましい。
また、リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガス供給口5Dは、図2に示すように、加熱領域(上流側)10若しくは直接加熱領域9内に設けるのが好ましい。
硫化水素ガス供給口5Dの位置付近は、リチウム原料と硫化水素ガスとが最初に接触する主な位置となるから、硫化水素ガス供給口5Dを加熱領域(上流側)10若しくは直接加熱領域9内に設けることにより、硫化水素ガスとリチウム原料とが反応して生成する水を気体化させることができ、液体の水によってリチウム原料や硫化リチウムが反応槽2の内壁面2Aに付着するのを防止することができる。
(硫化リチウム回収手段6)
硫化リチウム回収手段6は、加熱領域(下流側)11より下流側に設けるのが好ましい。例えば、硫化リチウム回収口6Aと、回収した硫化リチウムを貯蔵する硫化リチウム回収槽6Bとを備えた構成とすることができ、他の構成要素、例えば、弁、観察窓、水分吸収手段、その他の構成要素を備えていてもよい。
硫化リチウム回収槽6Bには、その内壁面を加熱することができる回収槽加熱手段を設けることが好ましい。そして、この回収槽加熱手段によって、硫化リチウム回収槽6Bの内壁面温度を100℃以上とするのが好ましい。硫化リチウム回収槽6Bの内壁面温度を100℃以上とすることができれば、硫化リチウム回収槽6B内の水分を揮発させることができ、回収した硫化リチウムが凝集したり、硫化リチウム回収槽6Bの内壁面に付着したり、さらには、硫化リチウムと水分とが反応して水酸化リチウムが生成するのを抑制することができる。
また、硫化リチウム回収槽6B内から外に流動するように、硫化リチウム回収槽6B内に不活性ガスを供給することができる不活性ガス供給手段を付設することが好ましい。
このように不活性ガス供給手段を設けることにより、硫化リチウム回収槽6B内の水分を硫化リチウム回収槽6Bの外に送り出すことができる。
この際、不活性ガスの供給量は、反応槽2内に供給する硫化水素ガスの単位時間当たりの供給量と同じか若しくはより多くするのが好ましい。
(不活性ガス供給手段8)
図2に示すように、必要に応じて、反応槽2内に不活性ガスを流すことができる不活性ガス供給手段8を設けるのが好ましい。不活性ガス供給手段8としては、例えば、不活性ガス供給管8A、不活性ガス貯留タンク8B及びポンプ8Cを備えたものを挙げることができる。この際、他の構成要素を備えていてもよい。例えば、弁、流量計、水分吸収手段、ガス加熱手段、その他の構成要素を備えていてもよい。
不活性ガス供給手段8は、図2に示すように、不活性ガス供給管8Aの先端口すなわち不活性ガスを反応槽2内に供給する不活性ガス供給口8Dを、リチウム原料の移動方向における位置関係において、少なくとも硫化水素ガス供給口5Dよりも上流側に設けるのが好ましく、中でも、リチウム原料供給口4Dと同じ位置又はその上流側に設け、不活性ガスを下流側に流動させるのが好ましい。不活性ガス供給口管8Dを、リチウム原料供給口4Dと同じ位置又はその上流側に設け、不活性ガスを下流側に流動させることにより、硫化水素ガスが上流側に逆流するのをより確実に防ぐことができ、例えば原料供給管4B内などに硫化水素ガスが侵入するのを、より確実に防ぐことができる。
不活性ガス供給手段8より反応槽2内に供給する不活性ガスの単位時間当たりの供給量は、反応槽2内に供給する硫化水素ガスの単位時間当たりの供給量と同じか又はより多くするのが好ましい。これによって、硫化水素ガスが上流側に逆流するのをより一層確実に防ぐことができる。
(排気手段7)
排気手段7は、図2に示すように、排気管7Aと排気設備7Bを備えたものを挙げることができる。この際、他の構成要素を備えていてもよい。例えば、弁、水分捕集手段、その他の構成要素を備えていてもよい。
排気手段7により、硫化反応によって生成した副生成物である水蒸気(HO)など、さらには未反応の硫化水素ガス、さらには不活性ガスなどを、反応槽2の外に排気することができる。
排気管7Aの先端すなわち反応槽2内のガスを排気する際の入口部である排気口7Cは、加熱領域(下流側)11内に配置することもできる。中でも、排気口7Cは、加熱領域(下流側)11内のうち、雰囲気の温度が100℃以上である領域から排気するのが好ましい。排気口7Cを加熱領域(下流側)11内に配置することにより、反応副生成物である水蒸気を水蒸気のまま排気することができる。
この際、温度の高い硫化水素ガスはとても腐食性が強いため、排気口7Cは直接加熱領域9内には配置しないことが好ましい。
排気手段7によって排気されるガス中に含まれる未反応のHSガスは、有毒ガスであるため、例えば排気設備7Bなどにおいて、排気ガスをバーナーなどで完全燃焼させた後、水酸化ナトリウム溶液で中和させて硫酸ナトリウムなどとして処理するのが好ましい。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特に断わらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
1・・・硫化リチウム製造装置
2・・・反応槽
3・・・加熱手段
4・・・リチウム原料供給手段
5・・・硫化水素ガス供給手段
6・・・硫化リチウム回収手段
7・・・排気手段
8・・・不活性ガス供給手段
9・・・直接加熱領域
10・・・加熱領域(上流側)
11・・・加熱領域(下流側)

Claims (9)

  1. リチウム原料を加熱された反応槽内に連続的に供給すると共に、リチウム原料を反応槽内において一定方向に移動させる一方、硫化水素ガスを反応槽内に連続的に供給し、リチウム原料と硫化水素ガスとを反応させて硫化リチウムを連続的に製造する硫化リチウムの製造方法であって、
    反応槽内において、リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって硫化水素ガスを流動させると共に、
    リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料を反応槽内に供給する位置よりも下流側から、硫化水素ガスを反応槽内に供給することを特徴とする硫化リチウムの製造方法。
  2. リチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって、不活性ガスを反応槽内に連続的に供給すると共に、リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガスを反応槽内に供給する位置と同じ又はその上流側から、不活性ガスを反応槽内に供給することを特徴とする請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
  3. 反応槽内に供給する不活性ガスの単位時間当たりの供給量を、反応槽内に供給する硫化水素ガスの単位時間当たりの供給量と同じか又はより多くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫化リチウムの製造方法。
  4. リチウム原料の移動方向における位置関係において、リチウム原料を反応槽内に供給する位置における反応槽の内壁面温度を100℃以上にすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の硫化リチウムの製造方法。
  5. リチウム原料を槽内において一定方向に移動させることができる反応槽と、反応槽内を加熱することができる加熱手段と、反応槽内にリチウム原料を連続的に供給することができるリチウム原料供給手段と、反応槽内に硫化水素ガスを連続的に供給することができる硫化水素ガス供給手段と、反応生成物である硫化リチウムを回収することができる硫化リチウム回収手段と、反応槽内のガスを排気することができる排気手段と、を備えた硫化リチウム製造装置であって、
    リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガスを反応槽内に供給する硫化水素ガス供給手段の硫化水素ガス供給口を、反応槽内のガスを排出する排気手段の排出口よりも上流側に配置し、且つ、前記硫化水素ガス供給口を、リチウム原料を反応槽内に供給するリチウム原料供給手段のリチウム原料供給口よりも下流側に配置してなる構成を備えた硫化リチウム製造装置。
  6. 反応槽内に不活性ガスをリチウム原料の移動方向に沿ってその上流から下流に向かって連続的に供給することができる不活性ガス供給手段をさらに備え、当該不活性ガス供給手段の不活性ガス供給口を、リチウム原料の移動方向における位置関係において、硫化水素ガス供給口よりも上流側に配置することを特徴とする請求項5に記載の硫化リチウム製造装置。
  7. 前記加熱手段は、リチウム原料の移動方向における位置関係において、前記リチウム原料供給口と同じ位置における反応槽の内壁面温度を100℃以上にすることができる加熱手段であることを特徴とする請求項5又は6に記載の硫化リチウム製造装置。
  8. 前記反応槽は、回転軸を中心に回転可能であって、且つ、当該回転軸方向にリチウム原料を移動させることができる反応槽であることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の硫化リチウム製造装置。
  9. 請求項5〜8の何れかに記載の硫化リチウム製造装置にリチウム原料と硫化水素ガスとを供給して、これらを反応させて硫化リチウムを連続的に製造することを特徴とする硫化リチウムの製造方法。
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