JP6281841B2 - 硫化リチウムの製造方法 - Google Patents

硫化リチウムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6281841B2
JP6281841B2 JP2014007648A JP2014007648A JP6281841B2 JP 6281841 B2 JP6281841 B2 JP 6281841B2 JP 2014007648 A JP2014007648 A JP 2014007648A JP 2014007648 A JP2014007648 A JP 2014007648A JP 6281841 B2 JP6281841 B2 JP 6281841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
sulfide
reaction
hydrogen sulfide
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014007648A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015137183A (ja
Inventor
篤 諫山
篤 諫山
秀利 加藤
秀利 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2014007648A priority Critical patent/JP6281841B2/ja
Publication of JP2015137183A publication Critical patent/JP2015137183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6281841B2 publication Critical patent/JP6281841B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、固体電解質、エンジニアリングプラスチック、二次電池用電極、潤滑剤、他の化学薬品の中間原料として有用な、高純度な硫化リチウムの製造方法に関するものである。
近年、固体電解質、エンジニアリングプラスチック、潤滑剤や化学薬品用の中間原料として、高純度の硫化リチウムが求められている。硫化リチウムは、特有の臭気のある白色粉末であり、ポリフェニレンスルフィド樹脂の重合用原料、固体電解質、あるいはリチウムイオン電池の正極材料の原料として用いられている。
硫化リチウムは、その潮解性により天然鉱産物としては産出しないため、他のリチウム化合物から合成して得られる。従来は、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムから製造する方法が知られている。
水酸化リチウムから硫化リチウムを製造する方法としては、固体の水酸化リチウムをガス状の硫黄源と130℃以上、445℃以下の温度で反応させる方法(特許文献1)や、水酸化リチウムを溶解させた非プロトン性溶媒中に硫化水素を導入し、90〜150℃で水硫化リチウムとした後、150〜190℃の温度で脱硫化水素反応を行う方法(特許文献2)が知られていた。また炭酸リチウムから硫化リチウムを製造する方法としては、固体の炭酸リチウムとガス状の硫黄化合物とを高温で反応させる方法(特許文献3,4)が知られていた。
しかしながら、特許文献1のように水酸化リチウムに硫化水素を反応させる方法では、電池材料で求められる高純度の品質の硫化リチウムは得られないという課題があった。また特許文献3、4のように、原料に炭酸リチウムを用いる方法では反応温度が450〜700℃(特許文献3、4)と高温であり、硫化水素が反応容器を侵食するため、工業的に生産することができなかった。さらに、特許文献2のように有機溶媒で反応を行う場合は、有機溶媒由来の不純物が硫化リチウムに残存し、これを高純度化するために、大量の有機溶媒を用いて精製をする必要があった。また、有機溶媒を多大なエネルギーを用いて除去する必要があるため、経済的に不利であった。
特許第3816141号明細書 特許第4833539号明細書 特開2013−75816号公報 米国特許第4,126,666号明細書
そこで、本発明の目的は、高純度な硫化リチウムを、穏和な条件下で、精製や溶媒の除去をすることなく、製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するに当たり、鋭意検討の結果、水酸化リチウムを転動層を用いて硫化水素含有ガスと気固反応させることにより、反応温度が350℃以上、450℃未満と水酸化リチウムの融点以下で、穏和な条件下、精製や溶媒の除去をすることなく、高純度な硫化リチウムが得られることを見出した。
本発明の硫化リチウムの製造方法により、不純物の生成が抑制され、高純度の硫化リチウムを得ることができる。すなわち、得られた硫化リチウムに含まれる不純物である亜硫酸リチウム、硫酸リチウム、チオ硫酸リチウムの総含有量が0.5wt%以下、更に好ましくは0.2wt%以下に抑えることができる。高純度の硫化リチウムが得られるため、特に精製を必要とせず、経済的に有利である。
また、本発明の硫化リチウムの製造方法は転動層を用いているため、固体の水酸化リチウムが運動しており、水酸化リチウムの反応速度が速くなる。さらに、短時間で反応が終了するため生産性が高くなる。また、穏和な低い温度で反応させることができるため、エネルギーを節約でき、さらに装置の耐熱性を下げることができるため、安価な材質で装置を製造することができる。
本発明の水酸化リチウムの製造方法は、固体の水酸化リチウムに気体を反応させる気固反応であり、溶媒を使用しないため、脱溶剤をする必要が無く、また除いた溶媒等の廃液が発生しない。さらに、有機溶媒由来の反応副生成物がなく、大量の有機溶媒を用いて精製をする必要がないため、経済的に有利であり、簡便である。
本発明の硫化リチウムの製造方法によれば、得られる硫化リチウムは粉状であり、生成する硫化リチウムは原料である水酸化リチウムの形状をそのまま反映して取り出すことが可能であるため、作業性が良い。中でも、転動層にロータリーキルンを用いた場合、連続的に反応を行うことができるため、効率が良く、生産性が高い。
本発明の硫化リチウムの製造方法では、反応温度が350℃以上、450℃未満であり、水酸化リチウムの融点以下で、水酸化リチウムと硫化水素含有ガスを反応させるため、得られる硫化リチウムが固着せず、粉末の状態で得られる点で好ましい。
本発明の硫化リチウムの製造方法を用いて得られた硫化リチウムは、固体電解質、エンジニアリングプラスチック、二次電池用電極、潤滑剤、化学薬品の中間原料として好適に用いることができる。
本発明の硫化リチウムの製造方法を用いて得られた硫化リチウムは高純度であるため、全固体電池用無機固体電解質に用いた場合、電気伝導度の高い全固体電池用無機固体電解質が得られる。
以下に、本発明の硫化リチウムの製造方法について詳細に記載する。
本発明は、水酸化リチウムを、ロータリーキルンを用いて、422℃以上、447以下の反応温度で硫化水素含有ガスと気固反応させて、亜硫酸リチウム、硫酸リチウム、チオ硫酸リチウムの総含有量が0.5wt%以下である硫化リチウムを製造する硫化リチウムの製造方法である。
本発明で用いられる水酸化リチウムは、市販品であってもよいが、副反応を抑え、高純度な硫化リチウムを得るため、できる限り高純度な水酸化リチウムが好ましい。
本発明で用いられる水酸化リチウムの平均粒子径は、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは、150μm以下である。平均粒子径はレーザー回折・散乱法による体積頻度粒度分布測定により求められる積算50%(D50)の粒径である。
本発明で用いられる水酸化リチウムは、無水塩、一水塩どちらでも良いが、扱いやすさ、価格面から一水塩を用いるのが好ましい。硫化水素との反応に先立って結晶水の脱水及び付着水の乾燥を行っても良い。乾燥を行うと得られる硫化リチウムが塊状化すること無く、さらに水硫化物の副生が抑制され好ましい。乾燥の終点は、雰囲気ガスの露点を計測することで行うことができる。
水酸化リチウムの乾燥温度は100℃以上が好ましく、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは300℃以上、450℃未満である。温度が100℃以上あれば、十分に、水分が除去され好ましい。
水酸化リチウムの乾燥時の雰囲気ガスは、窒素やヘリウム、またはネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンなどの希ガスが好適に用いられる。中でも窒素は安価であり好ましい。乾燥時の雰囲気ガスは2種類以上用いても良い。
本発明における転動層とは、水酸化リチウムを充填した容器や格子を運動させることで、水酸化リチウムを運動させ、気体と接触させて反応する反応装置形態である。装置としては、摺動グレート、ロータリーキルンなどの回転式の焼成炉が挙げられる。摺動グレート及びロータリーキルンは、セメント製造、金属精錬、熱分解などにそれぞれ応用されている。
発明における気固反応の反応装置は、ロータリーキルンが用いられる。
本発明におけるロータリーキルンの回転数は0.1rpm以上であれば好ましく、より好ましくは1〜10rpmである。回転数が0.1rpm以上であれば、得られる硫化リチウムの粒子が固着することが無く好ましい。
本発明における水酸化リチウムと硫化水素含有ガスを反応させる際の反応温度は、422℃以上、447以下である
本発明における硫化水素含有ガスは、硫化水素のみ、または硫化水素と不活性ガスとの混合ガスが好ましい。硫化水素を不活性ガスに希釈して導入することで、爆発危険性を抑制したり、反応を穏やかに進行させたり、硫化水素が十分に過熱することで熱分解し、発生期状態の水素が生じ、反応を促進したり、不純物の生成を抑制することがあり好ましい。
本発明で用いられる硫化水素は、石油などの燃料油の水素化脱硫反応により得られる硫化水素を含むガスから分離・回収したものや、水素と硫黄蒸気とを加熱反応炉で反応させたもの、硫化鉄、硫化ナトリウムに無機酸を作用させたものなどが用いられる。
硫化水素は、ボンベから反応装置へ供給しても良いし、反応系内で発生させても良い。反応系内で発生させた発生期状態の硫化水素を用いると、反応が速やかに進行し好ましい。
硫化水素含有ガスの硫化水素の分圧は100%でも良いし、不活性ガスと混合させても良い。硫化水素と不活性ガスとの混合ガスを用いる場合、硫化水素の分圧は0.1%〜99%が好ましい。0.1%以上であれば、短時間で反応が進行し、99%以下であれば、十分な分圧で不活性ガスを共存させることができ、反応速度向上、不純物低減といった効果が得られる。
本発明における不活性ガスとは、窒素やヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンなどの希ガスが用いられる。中でも窒素がコストの面で好ましい。不活性ガスは2種類以上用いても良い。
本発明で使用する硫化水素の純度は、80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。硫化水素の純度が80%以上であると、十分に反応が完結し、得られる硫化リチウム中の不純物が少なく好ましい。
本発明において、水酸化リチウムに接触させる硫化水素の供給量は、1分子の水酸化リチウムに対して1当量(等量)から9当量が好ましく、より好ましくは、2当量から6当量である。1当量以上であれば、高純度の金属硫化物が得られ、9当量以下であれば、反応時間が短く、かつ硫化水素のロスが少なくなり経済的である。
本発明における硫化水素の供給速度は、水酸化リチウム2gに対して2〜200ml/minの供給速度が好ましく、特に好ましくは水酸化リチウム2gに対して10〜100ml/minである。供給速度が高いと、反応時間が短縮でき、効率的であるため好ましい。また、水酸化リチウムと硫化水素との反応は下記化1に示すように、水が副生するため、供給速度が高いと副生する水を系外に排出できるため好ましい。水を系外に排出することで副反応を抑え、高純度な硫化リチウムを得ることができる。
Figure 0006281841
本発明における気固反応とは、気体と固体間の不均一系の反応である。水酸化リチウムに、硫化水素含有ガスを接触させて反応させる。
本発明の硫化リチウムの製造方法では、反応は大気圧下で行っても良いし、高圧下で行っても良い。
得られた硫化リチウムの粒子を均一化させる目的で、破砕処理を行っても良い。破砕処理に用いる装置は、一般的な装置を用いることができる。具体的には、ビーズミル、ボールミル、高速回転式ミル、ジェットミルなどである。破砕処理によって得られる粒子の粒度は、0.1μm〜1mmが好ましく、より好ましくは、1μm〜100μmである。
本発明の硫化リチウムの製造方法により得られる硫化リチウムは、硫黄酸化物含量が0.5wt%以下であり、好ましくは0.2wt%以下である。本発明における硫黄酸化物含量とは、亜硫酸リチウム、硫酸リチウム、チオ硫酸リチウムの総含有量である。
以下、実施例により具体的に説明する。なお、各例において得られる硫化リチウムの分析値は、次の方法により測定した。
イオンクロマトグラフィー測定
装置:ICS−2000(日本ダイオネクス株式会社製)
カラム:IonPac AG−11 HC/IonPac AS11−HC
溶離液:下記のKOHグラジエントを用いた
Figure 0006281841
流量:1.25ml/min
サプレッサ:ASRS−300(140mA/リサイクル)
カラム温度:30℃
セル温度:45℃
導入量:25μL
測定方法
37%ホルマリン液を超純水で5%に希釈後、超音波洗浄機とアスピレーターを用いて10分間脱気することで、5%ホルマリン水溶液を得た。サンプル約0.1gを精秤し、5%ホルマリン溶液で100mlにメスアップした。サンプルは調整後、直ちに測定した。
(実施例1)
ロータリーキルンにはラボ用ロータリーキルン(RK−0330−SP、株式会社モトヤマ製)を用いた。内径26mm、長さ200mmの石英製のインナーケースに水酸化リチウム(純度98%以上、メルク株式会社製)を2.00g充填した。インナーケースをラボ用ロータリーキルンの透明石英炉心管にセットし、透明石英炉心管の両端をガス導入部の付属したブチルゴム栓で密封した。透明石英炉心管を5rpmの速度で回転させ、水酸化リチウムを転動させた。ガス導入部から窒素を5ml/minの速度で流しながら、透明石英炉心管を1時間かけて447℃まで電気炉で加熱した。反応温度は電気炉内で加熱された透明石英炉心管の中央部の内温を熱電対にて測定した。反応温度が447℃に到達したのを確認した後、硫化水素(純度99.99%、住友精化株式会社製)を10ml/minの速度で、3時間、窒素と同伴させながら供給することで、水酸化リチウムと硫化水素とを反応させた。反応終了後、硫化水素の供給を止め、窒素を供給しながら室温まで冷却することで、白色粉末状の硫化リチウム1.80gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのみのピークが得られ、生成物が硫化リチウムのみであることを確認した。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.23wt%、硫酸リチウム0.03wt%、チオ硫酸リチウム0.04wt%で、合計0.30wt%であった。
(実施例2)
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から422℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.76gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.15wt%、硫酸リチウム0.02wt%、チオ硫酸リチウム0.03wt%で、合計0.20wt%であった。
参考例1
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から370℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.87gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.39wt%、硫酸リチウム0.04wt%、チオ硫酸リチウム0.07wt%で、合計0.50wt%であった。
(実施例
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から422℃に変更し、さらに窒素を同伴させず、硫化水素のみ10ml/minの速度で供給した以外は、実施例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.69gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.24wt%、硫酸リチウム0.05wt%、チオ硫酸リチウム0.06wt%で、合計0.35wt%であった。
(比較例1)
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から522℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成した。原料である水酸化リチウムが溶融し、反応は進行しなかった。
(比較例2)
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から346℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.74gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.48wt%、硫酸リチウム0.09wt%、チオ硫酸リチウム0.10wt%で、合計0.67wt%であった。
(比較例3)
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から322℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.84gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.66wt%、硫酸リチウム0.13wt%、チオ硫酸リチウム0.17wt%で、合計0.96wt%であった。
(比較例4)
実施例1において、透明石英炉心管の反応温度を447℃から271℃に変更した以外は、実施例1と同様に合成することで、単黄色粉末状の硫化リチウム1.89gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム1.41wt%、硫酸リチウム0.30wt%、チオ硫酸リチウム0.29wt%で、合計2.00wt%であった。
(比較例5)
内径21mm、長さ500mmの石英ガラス管の中央部に、直径2mmの孔を9箇所あけた目皿を取り付けた反応器にガラスウールを詰め、水酸化リチウム(純度98%以上、メルク株式会社製)を2.00g充填した。反応器の上部と下部には、ガスの供給管・排気管が取り付けられている。また、熱電対が目皿付近にまで到達するように保護管が取り付けられており、この熱電対にて反応温度を測定した。反応器下部のガス供給管から、窒素を5ml/minで導入し、外部加熱により400℃まで加熱した。すなわち、反応装置形態は固定層である。目視で、水酸化リチウムが運動していないことを確認した。反応温度が400℃になったことを確認した後、硫化水素(純度99.99%、住友精化株式会社製)を供給速度10ml/minで、窒素ガスに同伴させて供給し、3時間反応を行った。反応終了後、窒素を供給しながら室温まで冷却することで、白色粉末状の硫化リチウム1.75gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのみのピークが得られ、生成物が硫化リチウムのみであることを確認した。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.33wt%、硫酸リチウム0.04wt%、チオ硫酸リチウム0.26wt%で、合計0.63wt%であった。
(比較例6)
比較例1において、反応温度を400℃から350℃に変更した以外は、比較例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.64gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.51wt%、硫酸リチウム0.06wt%、チオ硫酸リチウム0.18wt%で、合計0.75wt%であった。
(比較例7)
比較例1において、反応温度を400℃から300℃に変更した以外は、比較例1と同様に合成することで、白色粉末状の硫化リチウム1.94gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.88wt%、硫酸リチウム0.08wt%、チオ硫酸リチウム0.22wt%で、合計1.18wt%であった。
(比較例8)
比較例1において、反応温度を400℃から250℃に変更した以外は、比較例1と同様に合成することで、淡黄色粉末状の硫化リチウム1.94gを得た。得られた硫化リチウムのイオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム2.50wt%、硫酸リチウム0.08wt%、チオ硫酸リチウム0.35wt%で、合計2.93wt%であった。
実施例、参考例と比較例の実験条件、品質を表2、3、4にまとめた。
Figure 0006281841
Figure 0006281841
Figure 0006281841

Claims (2)

  1. 水酸化リチウムを、ロータリーキルンを用いて、422℃以上、447以下の反応温度で硫化水素含有ガスと気固反応させて、亜硫酸リチウム、硫酸リチウム、チオ硫酸リチウムの総含有量が0.5wt%以下である硫化リチウムを製造する硫化リチウムの製造方法。
  2. 硫化水素含有ガスが、硫化水素のみ、または硫化水素と不活性ガスとの混合ガスである請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
JP2014007648A 2014-01-20 2014-01-20 硫化リチウムの製造方法 Active JP6281841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014007648A JP6281841B2 (ja) 2014-01-20 2014-01-20 硫化リチウムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014007648A JP6281841B2 (ja) 2014-01-20 2014-01-20 硫化リチウムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015137183A JP2015137183A (ja) 2015-07-30
JP6281841B2 true JP6281841B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=53768443

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014007648A Active JP6281841B2 (ja) 2014-01-20 2014-01-20 硫化リチウムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6281841B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016098351A1 (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 出光興産株式会社 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法
JP6718774B2 (ja) * 2016-09-01 2020-07-08 三井金属鉱業株式会社 硫化リチウムの製造方法及び製造装置
CN116216652A (zh) * 2023-01-17 2023-06-06 北京恩力动力技术有限公司 一种硫化锂的制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3816141B2 (ja) * 1996-04-16 2006-08-30 古河機械金属株式会社 硫化リチウムの製造方法
JP5495472B2 (ja) * 2003-05-30 2014-05-21 日本化学工業株式会社 硫化リチウム粉体および無機固体電解質
JP5303428B2 (ja) * 2009-10-16 2013-10-02 出光興産株式会社 硫化リチウム及びその製造方法
JP4948659B1 (ja) * 2011-04-12 2012-06-06 三井金属鉱業株式会社 リチウムイオン電池固体電解質材料用硫化リチウムの製造方法
JP2013075816A (ja) * 2011-09-13 2013-04-25 Nippon Chem Ind Co Ltd 硫化リチウム、その製造方法及び無機固体電解質の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015137183A (ja) 2015-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101890787B1 (ko) 리튬비스플루오로설포닐이미드의 제조 방법
US20190036160A1 (en) Production method of solid electrolyte
JP6300014B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
KR101963297B1 (ko) 황화 리튬 준비 방법
JP5460283B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP6103499B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
CN104477861B (zh) 一种双氟磺酰亚胺盐的制备方法
TW201840468A (zh) 高反應性、無塵且自由流動的硫化鋰及其生產方法
WO2012141207A1 (ja) リチウムイオン電池固体電解質材料用硫化リチウムの製造方法
JP6254413B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP6750836B2 (ja) ハロゲン化アルカリ金属の製造方法、及び硫化物系固体電解質の製造方法
JP2013075816A (ja) 硫化リチウム、その製造方法及び無機固体電解質の製造方法
WO2016098351A1 (ja) 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法
JP6281841B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP6620953B2 (ja) 硫化リチウム製造装置
JP5891598B2 (ja) フルオロスルホン酸リチウムの製造方法、およびフルオロスルホン酸リチウム
JP2018095522A (ja) 硫黄含有複合体、その製造方法、及び固体電解質の製造方法
JP6150229B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP2015507596A (ja) LiPF6溶液
JP6256754B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP2016204219A (ja) 硫化リチウム、及び硫化物固体電解質の製造方法
JP5060504B2 (ja) 金属アミドの製造方法および金属アミド製造装置
US20230365408A1 (en) Method for preparing high-purity lithium sulfide by using industrial-grade butyllithium
RU2431700C1 (ru) Способ приготовления расплава хлоралюмината калия для разделения хлоридов циркония и гафния
JP2014055097A (ja) 金属硫化物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6281841

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250