JP6620953B2 - 硫化リチウム製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化リチウムの製造装置に関し、特に、エンジニアリングプラスチック、潤滑剤、電池用リチウムイオン導電性固体電解質や化学薬品用の中間原料として有用な、高純度な硫化リチウムの製造装置に関する。
硫化リチウムは、特有の臭気のある白色粉末であり、ポリアリーレンスルフィド樹脂の重合用原料や、電池用リチウムイオン導電性固体電解質の原料として用いられている。近年、エンジニアリングプラスチック、潤滑剤、電池用リチウムイオン導電性固体電解質や化学薬品用の中間原料として、高純度の硫化リチウムが求められている。
硫化リチウムは、その潮解性により、天然鉱産物としては産出しないため、他のリチウム化合物から合成して得られる。従来は、主に水酸化リチウムおよび炭酸リチウムから製造する方法が知られている。
また、その反応は、水酸化リチウムや炭酸リチウムといった固体のリチウム源を水や有機溶媒に溶解し、気体の硫黄源と反応させる気液反応と、固体のリチウム源と気体の硫黄源と反応させる気固反応が用いられる。気固反応は、合成後、多大なエネルギーを用いて水や溶媒を留去する必要が無く、留去した溶媒等の廃棄物も生じないため、クリーンで経済的にも有利な方法である。
気固反応で硫化リチウムを得る装置としては、内径15mm、長さ200mmの硬質ガラス管の中央部に直径0.5mmの孔を多数開けたステンレス製多孔板を取り付けた流動層反応装置(特許文献1参照)や、アルミナ製の筒型反応器に、固体のリチウム源をのせたアルミナ製燃焼ボートを挿入する固定層反応装置(特許文献2参照)、内径34cm、長さ66cmのガラス製レトルトを用いたロータリーキルン(特許文献3参照)が知られていた。
しかしながら、気体の硫黄源に硫化水素を用い、さらに装置の材質に金属を用いると、その反応温度が130〜700℃と極めて高温であるため、硫化水素が装置を腐蝕してしまい、材質の強度が落ちたり、腐蝕した金属が硫化リチウムに混入したりすることがあり、実質用いることができなかった。さらに、装置の材質にガラスや低純度のアルミナを用いた場合、ガラスやアルミナが劣化したり、微量のけい素化合物が硫化リチウム中に混入したりすることがあり、必ずしも満足できる品質の硫化リチウムが得られなかった。
特開平09−278423号公報 米国特許第4,126,666号明細書 特開2013−75816号公報
そこで、本発明の目的は、精製や溶媒の除去をすることなく硫化リチウムが得られ、かつ装置が腐蝕したり、不純物が混入しないため、Si含量が、200ppm未満である高純度な硫化リチウムが得られる、硫化リチウム製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するに当たり、鋭意検討の結果、固体のリチウム源と接する加熱部が純度99.8%以上のアルミナであり、固体のリチウム源を運動させる機構を具備し、ガスの供給口と排出口とを有する硫化リチウムの製造装置は、過酷な反応条件においても装置が腐蝕することが無いことを見出した。
本発明の硫化リチウムの製造装置は、固体のリチウム源と接する加熱部に純度99.8%以上のアルミナを用いているため、装置が腐蝕することがない。装置が腐蝕しないため、長期間使用することができ経済的に有利である。
さらに、固体のリチウム源を運動させる機構を具備しているため、均一に反応させることができ、品質にムラを生じることが無く、また、粉末のリチウム源を用いた場合、粒子が塊状になることを防ぎ、粉末状の硫化リチウムが得られるため、取扱い易い。なかでもロータリーキルンを用いた場合、連続的に固体のリチウム源を供給し、かつ得られた硫化リチウムを排出することができ効率が良い。
加えて、ガスの供給口と排出口を有するため、原料である硫化水素を供給することができ、かつ反応によって生じた副生物を速やかに除去することができる。
本発明の硫化リチウムの製造装置を用いて得た硫化リチウムは、装置由来の不純物の混入が無く高純度である。
本発明の硫化リチウムの製造装置を用いて得られた金属硫化物は、エンジニアリングプラスチックの原料や、電池用のイオン伝導性固体電解質、潤滑剤、化学薬品の中間原料としても好適に用いることができる。
本発明の硫化リチウムの製造装置を用いて得た金属硫化物は、高純度であるため、リチウムイオン導電性固体電解質として用いた場合、イオン導電性の高い固体電解質が得られる。
本発明で用いる固体のリチウム源と接する純度99%以上のアルミナ製加熱部のチューブの一例を示す概略正面図である。 本発明で用いる固体のリチウム源と接する純度99%以上のアルミナ製加熱部のロッドの一例を示す概略正面図である。 本発明で好ましく用いられるロータリーキルンの一例を示す概略正面図である。 本発明で好ましく用いられるロータリーキルンの概略側面図である。 実施例1に記載した純度99.8%のアルミナ製試験片の試験前の表面状態である。 実施例1に記載した純度99.8%のアルミナ製試験片の試験後の表面状態である。 比較例1に記載したムライト製試験片の試験前の表面状態である。 比較例1に記載したムライト製試験片の試験後の表面状態である。 比較例2に記載したSUS316製試験片の試験前の表面状態である。 比較例2に記載したSUS316製試験片の試験後の表面状態である。 比較例3に記載したハステロイC/C276製試験片の試験前の表面状態である。 比較例3に記載したハステロイC/C276製試験片の試験後の表面状態である。 比較例4に記載したインコネル600製試験片の試験前の表面状態である。 比較例4に記載したインコネル600製試験片の試験後の表面状態である。
以下に、硫化リチウム製造装置について詳細に記載する。
本発明の硫化リチウム製造装置は、固体のリチウム源に接する加熱部に、純度99%以上のアルミナを用いる。純度99%以上のアルミナであれば、装置に腐食が無く、アルミナ中の不純物が硫化リチウムに混入しない。
本発明の硫化リチウム製造装置は、装置の腐蝕や、装置からの不純物の混入を防ぐために、固体のリチウム源と接する加熱部に、純度99%以上のアルミナを用いれば良く、固体のリチウム源と接する加熱部以外の部分は、他の素材との複合材料を用いても良い。固体のリチウム源と接する加熱部以外の部分に用いる素材は、例えば、セラミックス層、充填層、鋼層の三層からなる複合材料、金属にセラミックスを溶射した複合材料、セラミックスと高純度セラミックス層とからなる複合材料などである。セラミックスと他の部材との複合材料を用いた場合、セラミックス単独の材料を用いた場合に比べ、一般的に機械的強度が補強され、比較的大型の装置を設計することが可能となり好ましい。
本発明の硫化リチウム製造装置は、固体のリチウム源を運動させる機構を具備する。本発明における固体のリチウム源を運動させる機構とは、固体のリチウム源が目視で確認できるマクロな運動をさせる機構であって、外部から与えられた力によって、固体のリチウム源の粒子を運動させる機構である。力は、重力や、固体のリチウム源を充填した容器へのガスの導入、固体のリチウム源を充填した容器の運動によって与えられる。従って、ブラウン運動に代表されるミクロな運動は含まない。例えば、固体のリチウム源を静止させ、ガスを流通して反応させる固定層反応は、本発明における固体のリチウム源を運動させる機構を具備していない。
本発明における固体のリチウム源を運動させる機構を具備した反応装置形態としては、好ましくは、移動層、転動層、流動層が用いられる。
本発明における移動層とは、連続的に塔頂から固体のリチウム源を供給し緩やかに降下させ、向流または並流で気体を接触させて反応する反応装置形態である。装置としては、立型移動層、十字流式縦型移動層などが挙げられる。立型移動層は、金属精錬、セメント製造、石炭ガス化などに、十字流式縦型移動層は排ガス処理にそれぞれ応用されている。
本発明における転動層とは、固体のリチウム源を充填した容器や格子を運動させることで、固体のリチウム源を転動させ、気体と接触させて反応する反応装置形態である。装置としては、摺動グレート、ロータリーキルンなどが挙げられる。摺動グレートおよびロータリーキルンは、セメント製造、金属精錬、熱分解などにそれぞれ応用されている。
本発明における流動層とは、上向きに気体を噴出させることによって、固体のリチウム源を気体中に懸濁浮遊させた状態で、気体と接触させて反応させる反応装置形態である。固体粒子に働く気体の力と重力とがつりあい、全体が均一な流体のように挙動する。反応装置としては、気泡流動層、噴流層、高速流動層などが挙げられる。気泡流動層は、石炭燃焼、ごみ処理、粒子合成、熱分解に、噴流層は、コーティング、粒子合成などに応用されている。
固体のリチウム源を運動させる機構を具備した反応装置形態は、より好ましくは、好ましくは転動層、流動層である。さらに、転動層がロータリーキルンであると、連続的に製造することが可能であり、より好ましい。
固体のリチウム源を運動させる機構を具備した反応装置形態および装置は、例えば、社団法人化学工学会編、化学工学便覧改訂六版の959ページから964ページに記載されている。
本発明の硫化リチウム製造装置において、固体のリチウム源は、室温で固体のリチウムおよびその化合物であり、具体的には、例えば、金属リチウム、硫酸リチウム、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムである。中でも水酸化リチウムおよび炭酸リチウムは取扱いが容易で好ましい。水酸化リチウムは無水と一水塩とが工業的に入手可能であるが、一水塩の方が、炭酸ガスを吸収しづらく取扱いしやすく好ましい。
固体のリチウム源の平均粒子径は、0.1μm〜1mmが好ましく、より好ましくは、1μm〜500μm、さらに好ましくは、10μm〜150μmである。平均粒子径が0.1μm以上であれば、表面積が大きいため反応速度が大きく好ましい。また、1mm以下であれば、嵩密度が大きいため、装置に一度に多くの固体のリチウム源を仕込むことができ、生産性が高く好ましい。また、雰囲気ガスと随伴し、装置外に飛散することなく好ましい。
固体のリチウム源の平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法による体積粒度分布測定により求めることができる。装置にはマイクロトラック(型式:HRA、日機装(株)製)などを用いることができる。
本発明で用いられる固体のリチウム源は、いかなる方法により得られたものであってもよく、市販品であっても良い。通常、固体のリチウム源は異種金属やその他の不純物を含有するが、副反応を抑える観点から、できる限り高純度のものが好ましい。
固体のリチウム源は、硫化水素との反応に先立って乾燥を行っても良い。乾燥を行うと、得られる硫化リチウムが塊状化することなく、また水硫化物の副生が抑制され好ましい。乾燥の終点は、雰囲気ガスの露天を計測することで行うことができる。
固形のリチウム源が水酸化リチウムである場合、乾燥温度は、100℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃〜445℃である。温度が100℃以上であれば、十分に水分が除去され好ましい。445℃未満であれば水酸化リチウムが溶融せず、粉末状を維持でき取り扱い易いため好ましい。
固形のリチウム源が炭酸リチウムである場合、乾燥温度は450℃以上が好ましく、より好ましくは500℃〜723℃である。温度が450℃以上であれば、十分に水分が除去され好ましい。723℃未満であれば炭酸リチウムが溶融せず、粉末状を維持でき取り扱い易いため好ましい。
乾燥時の雰囲気ガスは、窒素または、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガスが好適に用いられる。中でも窒素は安価であり好ましい。乾燥時の雰囲気ガスは2種類以上用いても良い。
本発明の硫化リチウムの製造装置は、好ましくは、固体のリチウム源に硫化水素を反応させる気固反応である。固体のリチウム源に硫化水素を反応させる気固反応であると、溶媒を使用しないため、脱溶剤をする必要が無く、また、除いた溶媒等の廃棄物が発生しないため経済的に有利である。
本発明で用いられる硫化水素としては、例えば、石油などの燃料油の水素化脱硫反応により得られる硫化水素を含むガスから分離・回収したものや、水素と硫黄蒸気とを加熱反応炉で反応させたもの、硫化鉄、硫化ナトリウムに無機酸を作用させたものなどが用いられる。中でも、石油などの燃料油の水素化脱硫反応により得られる硫化水素ガスは、本来廃棄処分されるガスであり、廃物利用の観点から好ましい。
硫化水素は、パイプラインやボンベから反応装置へ供給しても良いし、反応系内で発生させても良い。反応系内で発生させた発生期状態の硫化水素を用いると、反応が速やかに進行し好ましい。
本発明で使用する硫化水素の純度は、80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。硫化水素の純度が80%以上であると、十分に反応が完結し、得られる硫化リチウムの純度が高くなり好ましい。
本発明において、固体のリチウム源に接触させる硫化水素の供給量は、固体リチウム源の仕込量に対して1モル倍から12モル倍が好ましく、より好ましくは、1モル倍から9モル倍である。1モル倍以上であれば、高純度の金属硫化物が得られ、12モル倍以下であれば、反応時間が短く、かつ硫化水素のロスが少なくなり経済的である。
固体のリチウム源が水酸化リチウムである場合、硫化水素とを反応させる際の温度は、200℃〜445℃が好ましい。より好ましくは250〜425℃である。さらに好ましくは300℃〜425℃である。温度が200℃以上であれば、十分に反応が進行し、445℃以下であれば、原料の水酸化リチウムが融解し、粒子が固着することが無く好ましい。
固体のリチウム源が炭酸リチウムである場合、硫化水素とを反応させる際の温度は、450℃〜723℃が好ましい。より好ましくは500〜700℃である。さらに好ましくは550℃〜700℃である。温度が450℃以上であれば、十分に反応が進行し、725℃以下であれば、原料の炭酸リチウムが融解し、粒子が固着することが無く好ましい。
本発明では、不活性ガスは、好ましくは、窒素やヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガスが用いられる。中でも窒素が、コストの面で好ましい。不活性ガスは2種類以上用いても良い。
本発明の硫化リチウム製造装置は、ガスの供給口と排出口を有する。ガスの供給口は、硫化水素や雰囲気ガスが通過することができ、固体のリチウム源およびその加熱部に硫化水素や雰囲気ガスが安定的に供給できる口である。ガスの排出口は、未反応の硫化水素、雰囲気ガスおよび副生物を、固形のリチウム源と接する加熱部から排出できる口である。固形のリチウム源に水酸化リチウムを用いた場合、硫化水素との反応は次式で示され、
2LiOH + HS → LiS + 2H
副生物として水が生じる。水は、水蒸気となっているが、得られた硫化リチウムと反応して、水酸化リチウムや水硫化リチウムを生じることがある。これを防ぐために、ガスの供給口から、連続的に硫化水素や不活性ガスを供給することで、ガスの排出口から水蒸気となった水を排出すると、高純度な硫化リチウムが得られ好ましい。さらに、固形のリチウム源として、水酸化リチウム一水塩を用いる場合は、ガスの供給口から雰囲気ガスを供給しながら、水酸化リチウム一水塩を加熱することで、排出口から水蒸気となった結晶水を除去することができる。また、固形のリチウム源に炭酸リチウムを用いた場合、硫化水素との反応は、次式で示され、
LiCO + HS → LiS + CO + H
副生物として水と炭酸ガスが生じる。水は水蒸気となっているが、得られた硫化リチウムと反応して、水酸化リチウム、水硫化リチウムおよび炭酸リチウムを生じることがある。これを防ぐために、ガスの供給口から、連続的に硫化水素や不活性ガスを供給することで、ガスの排出口から水蒸気となった水や炭酸ガスを排出すると、高純度な硫化リチウムが得られ好ましい。
本発明の硫化リチウム製造装置を用いて製造された硫化リチウムは、粒子を均一化させる目的で、破砕処理を行っても良い。破砕処理に用いる装置は、一般的な装置を用いることができる。具体的には、ビーズミル、ボールミル、高速回転式ミル、ジェットミル等である。破砕処理によって得られる粒子の粒度は、0.1μm〜1mmが好ましく、より好ましくは、1μm〜100μmである。
本発明の硫化リチウム製造装置を用いて製造された硫化リチウムは、得られる硫化リチウムに装置由来の不純物が混入しないため、硫化リチウムの中のSi含量が200ppm未満の高純度な硫化リチウムが得られる。化リチウムの中のSi含量は、好ましくは、100ppm未満、さらに好ましくは、50ppm未満に抑えられる。Si含量が200ppm未満の硫化リチウムは、精製等を必要とせず、経済的に有利である。本発明において、硫化リチウムの中のSi含量は、ICP−AES法により測定される。
以下、実施例により具体的に説明する。なお、各例において得られる硫化リチウムの分析値は、次の方法により測定した。
イオンクロマトグラフィーによる硫黄酸化物含量測定
装置:ICS−2000(日本ダイオネクス(株)製)
カラム:IonPac AG-11-HC / IonPac AS11-HC
溶離液:下記のKOHグラジエントを用いた
流量:1.25mL/min
サプレッサ:ASRS−300(130mA/リサイクル)
カラム温度:30℃
導入量:25μL 。
測定方法
37%ホルマリン液を超純水で5%に希釈後、超音波洗浄機とアスピレーターを用いて10分間脱気することで、5%ホルマリン水溶液を得た。サンプル約0.1gを精秤し、5%ホルマリン溶液で100mlにメスアップして供試液とした。供試液は調整後、直ちに測定した。得られたチャートから、供試液中の亜硫酸イオン、硫酸イオンおよびチオ硫酸イオンを絶対検量線法にて定量し、リチウム塩換算して、それぞれ亜硫酸リチウム、硫酸リチウムおよびチオ硫酸リチウムを求め硫黄酸化物含量とした。
金属含量測定
金属含量測定には、ICP−MS法およびICP−AES法を用いた。不活性ガス雰囲気下で硫化リチウムを採取し、硝酸に溶解した後に定容とし、供試液とした。供試液について、Al、B、Ba、Ca、Fe、K、Mg、Na、Rb、VおよびZnをICP−MSで、SiをICP−AESで定量した。
参考例1)
内径21mm、長さ500mmの石英ガラス管の中央部に、直径2mmの孔を9箇所あけた目皿を取り付けた反応器に、ガラスウールを詰め、炭酸リチウム(高純度炭酸リチウム PLC−4N,パシフィックリチウム株式会社製、平均粒子径100μm)を2.02g充填した。さらに、縦25mm、横12mm、厚さ7mmに成形した純度99.8%のアルミナ製試験片(SSA−S、株式会社ニッカトー製)を炭酸リチウムに半分浸漬するように設置した。反応器の上部と下部には、ガスの供給管・排気管が取り付けられており、また、熱電対が目皿付近まで到達するように保護管が取り付けられている。反応器下部のガス供給管から、窒素ガスを供給速度25ml/minで導入しながら、外部加熱により650℃まで加熱した。650℃になったことを確認した後、硫化水素ガス(純度99.99%、住友精化株式会社製)を供給速度10ml/min、窒素ガスを供給速度5ml/minでそれぞれ供給しながら、3時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却後、試験片の外観を目視で確認した。試験前後の試験片を図5,6に示す。試験片の炭酸リチウムに埋没していた部分(以下、固相部)と、試験片の炭酸リチウムに埋没していなかった部分(以下、気相部)に、腐蝕を示す変形や変色が見られなかった。得られた硫化リチウムにも、着色は見られず白色塊状の硫化リチウム1.59gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのピークのみが得られ、生成物が硫化リチウムであることを確認した。
(比較例1)
参考例1において、試験片に縦25mm、横11mm、厚さ4mmに成形したムライト製試験片(KM、株式会社ニッカトー製)に変更した以外は、実施例1と同様に行った。試験前後の試験片を図7,8に示す。試験片の外観を目視で確認したところ、気相部は、青色の斑点が一面に生じた。また、固相部は褐色の斑点と薄褐色の変色が一面に生じ、気相部、固相部ともに腐蝕していた。模様に変色し腐蝕が確認された。また、得られた硫化リチウムにも薄褐色の着色が確認された。
(比較例2)
参考例1において、試験片に縦25mm、横12mm、厚さ2mmに成形したSUS316製試験片に変更した以外は、実施例1と同様に行った。試験前後の試験片を図9,10に示す。試験片の外観を目視で確認したところ、気相部は、梨地様の凹凸が生じ、その一部が剥離した。また、固相部は全面薄褐色に変色し、気相部、固相部ともに腐蝕していた。また、得られた硫化リチウムには褐色の着色が確認された。
(比較例3)
参考例1において、試験片に縦25mm、横13mm、厚さ3mmに成形したハステロイC/C276製試験片に変更した以外は、実施例1と同様に行った。試験前後の試験片を図11,12に示す。試験片の外観を目視で確認したところ、気相部は、梨地様の凹凸が生じ、褐色に変色した。また、固相部も全面褐色に変色し、気相部、固相部ともに腐蝕していた。またその腐食により、気相部に打刻してあったアラビア数字の2の文字は、判読できなくなった。加えて、得られた硫化リチウムには褐色の着色が確認された。
(比較例4)
参考例1において、試験片に縦25mm、横13mm、厚さ3mmに成形したインコネル600製試験片に変更した以外は、実施例1と同様に行った。試験前後の試験片を図13,14に示す。試験片の外観を目視で確認したところ、気相部は、梨地様の凹凸が生じ、褐色に変色した。また、固相部も全面褐色に変色し、気相部、固相部ともに腐蝕していた。またその腐食により、気相部に打刻してあったアラビア数字の6の文字は、ほぼ判読できなくなった。加えて、得られた硫化リチウムには褐色の着色が確認された。
(実施例
材質にセラミックスである99.8%アルミナ(SSA−S、株式会社ニッカトー社製)を用い、図1,2に記載のインナーケースを作製した。
ロータリーキルンにはラボ用ロータリーキルン(RK−0330、株式会社モトヤマ製)を用いた。セラミックス製のインナーケースに炭酸リチウム(高純度炭酸リチウム PLC−4N,パシフィックリチウム株式会社製、平均粒子径100μm)を10g充填した。インナーケースをラボ用ロータリーキルンの透明石英管にセットし、透明石英管の両端をガス導入部の付属したブチルゴム栓で密封した。透明石英管を5rpmの速度で回転させ、炭酸リチウムを運動させた。ガス導入部から窒素を5ml/minの速度で流しながら、セラミックス製インナーケースを60分間かけて室温から650℃まで加熱した。セラミックス製インナーケースが650℃に到達したのを確認した後、硫化水素を10ml/minの速度で供給することで、炭酸リチウムと硫化水素とを15時間反応させた。すなわち硫化水素は、炭酸リチウムに対して3当量供給した。反応終了後、硫化水素の供給を止め、室温まで冷却することで、白色粉末状の硫化リチウム6.42gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのピークが得られ、生成物が硫化リチウムであることを確認した。得られた硫化リチウムの品質は、表2に記載した。
炭酸リチウムから硫化リチウムへの転化率は99%以上、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.2wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%未満で、合計0.4wt%未満であった。
(比較例5)
実施例において、インナーケースに石英製インナーケースに変更した以外は、実施例と同様に行うことで、白色粉末状の硫化リチウム5.65gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのピークが得られ、生成物が硫化リチウムであることを確認した。得られた硫化リチウムの品質は、表2に記載した。
炭酸リチウムから硫化リチウムへの転化率は99%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.1wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%未満で、合計0.2wt%であった。
参考例2
実施例において、炭酸リチウムを水酸化リチウムに、仕込量を10gから2gに、反応温度を650℃から400℃に、硫化水素の供給量を炭酸リチウムに対して3当量から水酸化リチウムに対して2当量に変更したほかは、実施例と同様に行うことで、白色粉末状の硫化リチウム3.84gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのピークが得られ、生成物が硫化リチウムであることを確認した。得られた硫化リチウムの品質を表2に示した。
比較例5で得られた硫化リチウム中には、Siが300ppm含まれていたのに対し、実施例では、Siは10ppm未満に低減し、セラミックス製のインナーケースを用いることで、不純物の混入が抑制された。
1:原料
2:インナーケース
3:熱伝対
4:炉
5:炉芯管
6:ロータリージョイント
7:制御ボックス

Claims (6)

  1. 固体のリチウム源と接する加熱部が純度99.8%以上のアルミナであり、固体のリチウム源を運動させる機構を具備し、ガスの供給口と排出口を有する硫化リチウム製造装置であって、Si含量が、200ppm未満である硫化リチウムを製造する硫化リチウム製造装置。
  2. 固体のリチウム源を運動させる機構を具備した反応装置形態が、転動層、または、流動層である請求項1に記載の硫化リチウム製造装置。
  3. 転動層がロータリーキルンである請求項2に記載の硫化リチウム製造装置。
  4. 固体のリチウム源と、硫化水素とを、気固反応させる請求項2または3に記載の硫化リチウム製造装置。
  5. ガスの供給口から、連続的に硫化水素または不活性ガスを供給する機構を具備する請求項1〜4のいずれかに記載の硫化リチウム製造装置。
  6. 固体のリチウム源が水酸化リチウムである請求項1〜5のいずれかに記載の硫化リチウム製造装置。
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