JP3798246B2 - 全体がセラミック製の間接加熱式高温化学反応器 - Google Patents
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Description
【0001】
これは1994年9月19日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/308658号の一部継続出願である。
この発明は、間接加熱式の高温化学反応器及びかかる装置と化学反応を行なう方法に関する。
【0002】
固体物質を高温に加熱して化学変化を生じさせる化学プロセスは多くの利点を有するが、所望の反応を行なうのに大量のエネルギーを入力する必要がある。反応に必要な温度が、炭素鋼やステンレス鋼のような通常の金属の使用可能限界を超えると、処理装置は使用困難な状況になるため、操業の可能性は利用可能な代替金属の特性による制約を受ける。ステンレス鋼の最高使用温度限界である1000〜1800°Fを超える高温での操業例として、ポートランドセメントの製造、石灰の製造、金属鉱石の焙焼及び/又は還元、そして米国特許第4520002号に記載されているように、蒸気状の元素イオウを用いた硫酸カルシウムの還元などがある。
【0003】
これらプロセスの中には、例えば、石灰石の熱分解による石灰の製造(CaCO3→CaO+CO2)のように、何世紀にも亘って実施されているものがある。
【0004】
Boynton(ボイントン), Chemistry and Technology of Lime and Limestone(石灰及び石灰石の化学及び技術), New York, Wiley-Interscience (1980)によれば、石灰石の熱分解により「生石灰(CaO)」を作ることは、最も古い産業プロセスの1つであり、これは少なくとも350B.C.にまで遡り、Zenophon(ゼノフォン)によるマルセーユ近くでの船の難破に関する記載の中で、船荷のリンネルとその漂白用としての石灰のことが述べている。この産業は今までに成熟しており、さらに改良する点があるとすれば、それは経済的な利点を勝ち取るだけと考えられている。しかし、そのような考えは正しくない。
ボイントンの記述を引用すると次の通りである:
「これはおそらく全ての化学反応の中で最も基本的でかつ単純であろう。理論的に平凡なものであるけれども(あまりにも基本的であるため、博学な化学者の多くは軽蔑さえしている)、この反応には多くの複雑なものが付随している。焼成を表す科学データは議論の余地がないにも拘わらず、このプロセスはそれでも、ある程度実績のある石灰バーナーだけが包含する技術が残されている。数多くの変動要因があるため、最適な性能を得るのに試行錯誤を必要とし、また、効率的な操業を行なうのに微妙な経験的(しばしば衝動的)な修正を必要とする」
そのような物理的及び科学的問題に加えて、石灰バーナは、単一の方式で全ての適用に有利なものは見あたらないため、プロセス用装置の選択において妥協せざるを得ない。
【0005】
石灰の製造及びその他固体物質の反応工程に用いられる装置には多くの工夫がなされてきたが、一種類の装置では、大部分の高温処理プロセスにおいてさえたいそう有利なものはなかった。種類の異なる装置の場合、各々が利点と欠点を有しており、現在の技術と各用途に関連する具体的な問題が考慮されねばならない。方法の中には、単一状況にのみ適合し、その状況では非常に効率的なものはいろいろある。その他に、広範囲の状況で有用なものはあるかもしれない。前述の硫酸カルシウムのイオウ還元のように非常に高温の場合には、従来の装置では十分に満足できない。
【0006】
高温処理装置は、一般的には、(a)固体床が存在する条件、(b)熱伝達機構、(c)気体−固体接触を達成させる方法、によって分類される。固体床の4つの条件は、「静止(固体粒子間で相対的な移動はおこらない)」、「移動(粒子は分離し、互いの上を流れる)「流動(固体と気体は混合されて単一相となり、沸騰流体として振る舞う)」及び「希釈(固体粒子は広く分散し、互いに殆んど影響を及ぼさない)」として定義される[McCormick, Lucas and Wells, 1963, Perry's Chemical Engineers' Hnadbook, Perry, Chilton and Kirkpatrick, New York, McGraw-Hill, 20-3]。熱伝達モードは、「直接的(火炎、放射、及び/又は燃焼ガスが直接固体に接触する)」と「間接的(その他の機構)」がある。気体−固体接触は、向流の気体、並行流の気体、及び/又は横流の気体の流れを用いることにより達成される。
【0007】
大規模で、高温の気体−固体反応工程は、一般的に、キルンと称される移動床容器の中で商業的に実行されるが、流動床及び/又は希釈固体相もまた場合によっては用いられる。プロセスによっては間接加熱を利用するものもあるが、大規模の高温処理は大部分が直接加熱を利用する。しかしながら、各方法には、利点と欠点がある。前述のボイントンの石灰製造の場合を再び参照すると、近年では、次の方式のキルンが全て石灰の製造用として使用に供されている。
縦型
1.伝統的なシャフト型
2.間接式ガス燃焼(発生器ガス)
3.大容量ガス燃焼式センターバーナー等
4.大容量混合供給
5.平行流再生
6.二重傾斜
7.環状(リング)
回転型
1.従来型
2.近年のもので、a.冷却器、b.予熱器、c.内部装置(熱交換器、ダム、リフター)を具えた修正型
その他
1.流動式(fluo-solids)
2.移動式火格子を具えたロータリーハース
3.点火式仮焼器(flash calciner)
4.水平リング(ホフマン)
【0008】
石灰の製造について、ボイントンは、その原理、利点、各型式の仮焼器についての問題を詳細に記載している。要約すると、縦型キルンはエネルギーにエッジがあり、ドイツの混合供給式縦型キルンでは、最高で、85%つまり3.03MMBTU/石灰1トンの効率が達成される。しかしながら、縦型キルンが使用されるのは比較的大きなサイズの石灰石のみであるから、仮焼時間が長くなり、及び/又は製品中に未反応石(コア(core))が残る。もう一つの問題は、市販サイズの石よりも小さなサイズの石(スポール(spall))が蓄積することである。縦型キルンは、特定の燃料の燃焼用として作られる傾向にあるため、使用できる燃料に関して融通性が乏しい。
ロータリーキルンは熱効率に劣るが(従来のキルンでは、約35%つまり8.50MMBTU/石灰1トンであり、復熱装置を具えたもので約50%つまり5.90MMBTU/石灰1トンである)、どんな燃料でも(切り換えて)使用することができるし、小さなサイズの石(0.2インチ〜約2.5インチ)を処理することができるので、滞留量(holdup)が少なく、より完全に解離させることができる。しかしながら、回転式の場合、キルンの供給にグラデーションをつけることが重要であり、段階区分をできるだけ小さくすることにより、よりすぐれた品質及び均一性が得られる。しかし、石の分級費用の増加を招くため、それとの均衡を図らねばならないことは勿論である。その他のカテゴリーにおけるキルンは、主として、あるサイズ及びグラデーションの石を処理するために開発されたものである。
フラーカンパニー(Fuller Company)の流動式キルンは非常に小さな粒子を効率良く仮焼する(約5.0MBTU/CaO1トン)ことができるが、供給物はNo.8乃至No.65メッシュ(2.38〜0.23mm)に細かく分級されなければならないため、最も硬い石灰石を使用せねばならない。この石は高価であるため、使用に制約を受ける。仮焼用キルン(calsimatic kiln)は、仮焼時間及び仮焼温度を厳密に制御することができるので、広範囲に亘って異なる種類の石を取り扱うことができるが、燃料消費量が多い(6.34MMBTU/トン)。点火式仮焼は、燃料の燃焼は分散された固体−液体相の中で行われるため、細かく粉砕された石灰石(4.0〜5.0MMBTU/CaO1トン)を効率良く解離するのに有用であるが、製品の品質に劣り、水和処理又はペレタイズ化が必要となる。ホフマンのトンネル型キルンは1865年に発明されたが、手間が非常にかかるため、約1925年以降使用頻度は減少している。
【0009】
縦型キルンは何百種類もの変形があり、世界中で最も広く使用されているが、米国では、ロータリーキルンが米国内で製造される商業用石灰の88%以上を占めている。これは、米国ではエネルギー費用が安いこと、及び、ロータリーキルンの場合、資本投資費用が他のものよりも遙かに高いという実状を反映しているのであろう。エネルギー費用の上昇や環境面の考慮の必要性等の状況変化により、次世代に亘って石灰産業を十分に再構築する必要性が生じている。
【0010】
前掲の間接加熱式(indirect-fired)の縦型キルンが間接加熱であるのは、高温の燃焼ガスがキルンの中へ導入される前に、燃料が外部チャンバーの中で燃焼されるという点にある。石灰製造について説明したどの間接加熱方法も、高温の燃焼ガスが石灰石と直接接触しないという意味ではない。それゆえ、現在の商業的方法は、どの方法についても程度の差こそあれ、ダストの問題がある。さらに、キルンの出口から出たガスから高温エネルギーを回収しようとしても、非常に複雑であり、たとえそうでない場合でも、経済的に実現不可能である。例えば、電力を発生させるために、ダストを含むガスをボイラーに用いると、運転中の時間が不足し、また熱伝達係数の低下(及び大きな変動)を招くため、投資費及び操業費が非常に高くなり、経済的に不利である。
【0011】
既存の装置では、潜在的に有用な幾つかの用途に対して十分に満足できるものはなく、それゆえ、各用途に特有の問題を解消させることのできる方法、材料又は技術を具え、代替となり得る装置の開発が要請されている。解消させるべき不都合の例として、リン酸石膏のイオウ還元に標準的な装置を用いたときの問題について分析する。
【0012】
リン酸石膏(硫酸カルシウムの半水化物又は二水化物)は、環境的に有害な廃棄副産物として生成されるもので、非常に大きく、ますます高価となるイオウの殆んど全てを含んでおり、このイオウはリン酸肥料の製造に用いられる。イオウが、酸や、未反応リン鉱及び該リン鉱に含まれる不純物で汚染されるのは、微細結晶の形態の場合である。
【0013】
このリン酸石膏の副産物を、キューネ法(Kuhne Process)に基づいて商業的規模で有用な産物に転換する試みがなされているが、これまで殆んど成功していない。このキューネ法は、カーボン(コーク又は石炭)を用いて、硫酸カルシウムの一部を硫化カルシウムに還元し、次に、生成した混合物を、クレイ、シリケート等の添加物と反応させて、ポートランドセメント及び二酸化イオウを生成するものである。イオウのリサイクル回路は、二酸化イオウから硫酸を作り、この硫酸を用いて原リン酸鉱を肥料製造工程の一部として分解するものである。
【0014】
キューネ法は技術的に難しく、操業費用が高い。このため、この方法が経済的観点から実行可能となるのは、イオウが非常に高価であるか、供給不足の状況にあるときのみである。リン酸塩肥料の費用は食材の価格の中に含まれること、及び環境的配慮の点から、より経済的な方法により、リン酸石膏の副産物の廃棄物質をリサイクルすることが望ましい。
【0015】
トラウツ(Trautz)のドイツ特許第356414号及びホーン(Horn)の米国特許第2425740号には、イオウはカーボンと同じように、次の反応シーケンスにより、硫酸カルシウムの還元に用いられることが記載されている。
(1) CaSO4+S2→CaS+2SO2
(2) 3CaSO4+CaS→4CaO+4SO2
これらの反応に基づく方法は、カーボンベースの還元工程によるキューネ法と比べると幾つかの利点がある。その1つとして、より強力なガスリッチ生成物(10%SO2以上)が生成され、これは標準的なイオウ燃焼式硫酸プラントで使用できることがある。その理由は、第1反応で生成したガスは、希釈廃棄物のCO2ではなく、望ましいSO2であることが挙げられる。CO2を除去するのにガス状廃棄物を処理する必要がないだけでなく、SO2を生成物ガスとして製造することは、CaSO4の所望の処理能力を得るための設備費を低減できるので、経済的にも大きな意義がある。その他にも、電力消費量を低減できる利点がある。
【0016】
トラウツの化学反応は70年以上前から知られており、ホーン特許は40年以上前に発行されたものであるけれど、硫酸カルシウムと元素イオウとの還元性反応に基づいて、リン酸石灰の廃棄副産物からイオウ価値を商業的規模で回収するプロセスについては知られていない。
【0017】
イオウは必要な反応温度では気体であり、一方硫酸カルシウムは固体であるため、キルンその他の容器内で反応が実用的速度で起こり、イオウと硫酸カルシウムとの有効接触状態を維持することの困難さが、トラウツが開示した研究室規模の反応に基づくイオウ価値回収プロセスの発展を妨げる主要因になっている。ホーンは、そのような反応を商業的規模で行なうことを試みたが、適当な反応速度を得るのに、少なくとも2400°F(1316℃)以上の温度と、過剰の空気が必要となる問題に遭遇した。トラウツの反応には高温条件が必要となることから、ホーンは、もっと低い温度で適当な転換を行なうことができない限り、トラウツの反応は商業的規模のプロセスには適用できないと述べている。
【0018】
ウイリス(Willis)の米国特許第4520002号は、高温で固体反応物質との完全な反応を行なうために、元素イオウを、凝集性と拡散抵抗性を有するガスとして調製する方法を開示している。この凝集性と拡散抵抗性を有するイオウガスは、回転キルン内で硫酸カルシウムと反応させるのに特に望ましい。この特許には、直接加熱式又は間接加熱式の標準型水平回転キルンの中で、トラウツの化学反応に基づいて約1832°F以上の温度にて、イオウとリン酸石膏を反応させるプロセスが記載されている。
【0019】
米国特許第4502002号に記載された方法は、経済的にも実行可能ではあるが、回転キルンの中でリン酸石膏を用いることによる問題がある。脱水したリン酸石膏は、暗赤色(約1201〜1382°F)以上の温度に加熱されると、キルンの壁に付着し、球体、リング状等の塊りとなる傾向がある。塊りの結合状態は弱い(キルンの外壁を軽く叩くと、内壁から剥がれ落ちる程度の結合)であるけれども、キルン内の流れ抵抗の増加を招き、固体物質を適当温度の反応ゾーンへ安定供給する妨げとなる。このため、イオウが前記特許に基づいて拡散抵抗性ガスの形態で供給されたとしても、固体物質とイオウとの反応効率は低下する結果となる。
【0020】
直接加熱式(diret-fired)の回転キルンの場合、特に高温で操業を行なうと、エネルギー効率がかなり低下する。これは主として、次の3つの要因が挙げられる。
(1) キルンを、回転ベアリングで軸承する必要があるため、重量を考慮して、断熱レンガの使用量が制限される。
(2) 燃焼ガスが反応生成物と混合されるため、次工程で処理するガス量が増加する。
(3) ダスト、酸、その他の汚染物質が生成物及び燃焼ガスに随伴し、これらがかなり高温でキルンから出ていくので、大量のガスからエネルギーを回収する際に妨げとなる。
また、回転キルンではシール構造を有するが、特に大型で負圧キルンの場合、反応ゾーンへの空気の進入を完全に防止することができない。漏れを最少に維持できない場合、イオウは供給管から出ていくときに燃焼し、イオウ付着物を崩壊して、気体相の中へ分散させる。燃焼による副反応の生成物はSO2であり、これは好ましい生成物ではあるが、余分のイオウが添加され、これが燃焼のために相殺されるから、イオウと固体物質の接触量が不足し、その反応効率は低下する。
【0021】
また、硫酸カルシウムをイオウで還元するプロセスは、標準の高温処理装置の種類が異なれば、それら装置への適用が容易でない。このプロセスは、固体−気体の接触(式1:CaSO4(固)+S2(気)→CaS(固)+2SO2(気))と同時に、固体−固体の接触(式2:3CaSO4(固)+CaS(固)→4CaO(固)+4SO2(気))を必要とするため、固定床(粒子が不動)や、流動床(粒子がガスによる接触から分離)だけでなく、希釈相(粒子がガスと空間による接触から分離)でさえも、その反応には適していない。
【0022】
装置の中には、イオウと硫酸カルシウムを反応させるのに用いられるものもあり、混合物は回転キルンの中へ落下させて最終処理が行われる。これは、結合強度の高いSO2が生成される点ですぐれている。しかしながら、間接加熱式キルン(燃焼ガスが固体物質と接触しない方式のもの)が用いずに、直接加熱式回転キルンを用いると、エネルギー効率はかなり低下する。また、高温でしかもこのプロセスに特有の腐食雰囲気下で操業可能な大型の間接加熱式回転キルンの構築に実用的な材料は見あたらなかった。このように好ましいことはわかっていても、リン酸石膏を、酸化カルシウム及び二酸化イオウへ還元するための手段として、信頼性が高く、効率の良い装置はこれまで開発されていない。
【0023】
高温で操業することができ、商業的規模の生産を効率的に行なうことのできる間接加熱式反応器が、以前から要請されている。また、反応生成物とガスが燃焼ガスによって汚染されない反応器が、以前から要請されている。また、かなり高温の反応ゾーンの中で、固体反応物質を移動させる装置を具えた反応器が、以前から要請されている。
【0024】
本発明は、間接加熱式の固定管を有し、気体/固体、又は固体/固体の高温処理を行なう炉の反応器であって、耐熱性コンベヤーを用いて、固体物質を固体管の中を移動させる反応器に関する。炉の鋼製外殻以外は、機械全体が非金属部品から作られている。反応器は、横流のガス流れと共に、又は横流のガス流れなしで、向流又は並行流のガスの流れを用いて、商業的適用に必要な規模の大型に構築することが可能であり、3000°Fを超える温度で操業することができる。固定管であるから、管の長さ方向の任意の位置にて、ガスを反応ゾーンの中へ都合良く正確に投入することができる。固定式炉の壁は、断熱材の厚さに重量制限を受けず、また清浄な出口ガスからエネルギーの回収が可能となるので、蒸気発生装置における全体エネルギー効率を高めることができる。
【0025】
本発明の高温処理炉の反応器を用いることにより、様々な固体反応物質の処理を、約1800°Fを超える温度にて、清浄かつ経済的に行なうことができる。このような固体反応物質の例として、鉱石(鋭錐石、ボーキサイト、硼砂、方解石、黄銅鉱、クロム鉄鉱、赤鉄鉱等)、金属ハロゲン化物(臭化カルシウム、塩化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、同様に、ハロゲン化第二鉄、ハロゲン化第一鉄、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化ナトリウム等)、金属炭化物及び金属炭酸塩(炭酸カルシウム等)、金属酸化物(亜クロム酸塩等)、金属リン酸塩(リン酸カルシウム等)、金属硫化物及び金属硫酸塩(硫酸カルシウム等)を挙げることができる。また、このような固体反応物質を、腐食性ガスその他の流体の媒体の存在下の1800°F以上の温度で処理することができる。固体物質と、腐食性ガス及び流体とが接触するところでは、これまでは、セラミック部品でしか耐えることができなかった。
【0026】
本発明の反応器はエネルギーの節約の他に構造上の利点を有するから、本発明を利用することにより、例えば石灰製造のように、現在、直接加熱式ロータリーキルン炉で行われている幾つかの高温処理操業は、より経済的に行なうことができる。また、リン酸石膏にイオウ還元のように、今まで不可能であったプロセスについても、商業的規模での操業が可能となる。
【0027】
本発明に係る反応器の一実施例において、熱伝導率の高い耐火材(例えば、グラファイト、純粋な重MgO、純粋な重アルミナを挙げることができるが、これらに限定されるものではない)から作られた管が反応器の容器内に配置される。固体反応物質は管の中へ送給され、スクリューコンベヤーにより管の中を移動する。このスクリューコンベヤーは、反応器容器内の温度に耐えることができ、管内で起こる反応の影響を受けない耐熱材料、例えば熱伝導率の低い耐火材から作られる。その他の固体反応物質又は流体反応物質を管の中へ導入するための投入装置が配備される。管内で起こる反応の生成物及び副産物を取り除くために、出口ポートが設けられる。スクリューコンベヤーは、モータその他の動力源によって回転する。管内の物質を間接的に加熱するための熱源が、管の外部の反応器容器の中に配備される。
【0028】
特定の一実施例に示す装置は、凝集性と拡散抵抗性を有する濃縮されたガス状物質(米国特許第4520002号参照)の形態である元素イオウによる石膏の還元に有用であり、石膏に存在するイオウ価をSO2として回収すると同時に、石灰が生成される。この実施例では、脱水石膏(CaSO4)が、反応器容器内のバーナの上に配備された管(望ましくは高純度のアルミナAl2O3から作られる)の中へ連続的に供給される。耐火材のスクリューコンベヤーは、反応器容器の外部にあるモータによって駆動され、石膏を管に沿って移動させる。抗拡散性のガス状元素イオウは、適当なポートを通じて管の中へ供給され、高温のCaSO4と接触して反応を起こし、固体の硫化カルシウムと二酸化イオウを生成する。固体物質は、スクリューの螺旋により管の中を運搬されるので、固体のCaSO4は、最初に元素イオウと接触し、二酸化イオウと固体の硫化カルシウムを生成する。硫化カルシウムは次に、硫酸カルシウムとの密な固体−固体接触により反応が起こり、石灰とさらなる量の二酸化イオウが生成される。生成物として得られた石灰(CaO)は、オーガによって運搬され、排出ポートへ送られる。生成物として得られたSO2は、不純物が少なく、適当な出口を介して容器から採取される。
【0029】
反応器において、熱伝導率が高い管の中の反応ゾーンを分離することにより、燃焼ガス及びそこに含まれる微細物質による生成物の汚染問題は解消される。管とスクリューコンベヤーについては、適当な材料を用いることにより、かなり高い熱効率を得ることが可能である。ガスが高速で反応ゾーンへ導入される従来の装置と比べると、本発明の新規な反応器は、相対的に非乱流雰囲気の下で反応物質に対して良好な接触時間をもたらす。
【0030】
反応器は、原料の固体サイズが約4インチから微細なものに到るまで、広範囲かつ広いグラデーションに亘って取り扱うことができるように寸法を決めることができる。反応器はプラグ流れの特性を有しており、固体物質の保持時間及び温度プロフィールを正確に制御することができるので、組成が異なる固体原料を最も効率良く処理するのに必要な条件にその作業条件を容易に適合させることができる。燃焼ガスは固体反応ゾーンの外部で維持されるので、反応器は、どんな種類の燃料に対しても効率良く操業することができ、清浄な燃焼ガスを作り出すので、反応器出口からエネルギーを回収することができる。
【0031】
本発明は、前述したように長い間求められていた要請を認識し、様々な実施例において、これら要請に十分応えるものである。
添付の図面に示した実施例を参照して、本発明を具体的に説明する。この説明によって、本発明の前記の特徴及び利点並びにその他の特徴及び利点は明らかなものとなり、詳細に理解されるであろう。
【0032】
図1を参照すると、本発明の反応器の本質的なコア要素は、反応管(10)と、該管内に配備されたスクリューコンベヤー(15)を具えており、固体反応物質はスクリューの回転によって反応管(10)の中を前進する。反応管(10)は熱伝導率の高い耐火材料から作られている。熱伝導率は、1832°Fの温度で約38BTU/hr・°F・ft2/インチ(1000℃で5.7ワット・M-1・°K -1)以上が望ましく、1832°Fの温度で約60BTU/hr・°F・ft2/インチ以上が最も望ましい。反応管(10)を構築するための適当な耐火材料として、グラファイト、純粋な重MgO、純粋な重アルミナ、シリコンカーバイド、ベリリア、シリコンナイトライド、ボロンカーバイドなどを挙げることができる。高耐食性、最高使用可能温度、高温強度の点から、反応管用材料として、例えば約99.5%もの高純度の重アルミナが望ましい。ドイツのW. Haldenwanger Technische Keramik GmbH & Co., KGが商標名「Alsint」で市販している高純度アルミナ(99.7%)が特に望ましい。
【0033】
技術的な理由から、用途によっては、十分に大きな一体構造の管を入手することができない場合もある。このような場合、耐火材料を所望の緻密な構造に形成する公知の方法、例えばアーク溶融鋳込み又はホットプレッシングにより、所望の直径及び長さを有する反応管を作ることができる。例えば、アルミナをスリップ鋳込みすることにより、内径1m、長さ1mで、先端に突縁、基端に該突縁を収容できるサイズの溝が形成された管状体を作製することができる。所望長さの反応管を作るには、必要な数の管状体を準備し、突縁を溝に嵌めて、耐火セメントで接合すればよい。反応管が炉内に配備されるとき、反応管の各ジョイントはレンガ積みによって支持されることが望ましく、レンガ積みされた支持体は、バッフル壁と一体化される。このバッフル壁により、炉内の燃焼ガスは反応管の外面を横切るように前後方向を通過する。
【0034】
スクリューコンベヤー(15)は、中心軸(36)を具えており、該軸には、熱伝導率の低い耐火材、望ましくは1832°Fの温度で約25BTU/hr・°F・ft2/インチよりも小さい耐火材で作られた螺旋又は羽根(45)が配備されている。軸(36)は、アルミナ製のロッド及び/又は管の部材で補強された耐熱コンクリートで形成されることが望ましい。
【0035】
スクリューコンベヤーの望ましい構造が図3乃至図5に示されている。図3のスクリューコンベヤーは、中心のコンクリート軸(20)の内部がアルミナロッドで補強されている。軸は断面正方形であるが、その両端には、標準のベアリングが嵌められるように、断面形状を円形に転換するアダプターが嵌められている。このアダプターは、例えばアロイ330のような金属から作ることができる。
【0036】
軸(20)の外部の周りには、耐火材で成形された羽根セグメントが設けられている。図4及び図5に示されるように、羽根セグメント(35)は中空の中心軸(40)を具えており、該中心軸からスクリュー羽根(45)が外側へ張り出している。中空の中心軸(40)は、軸(20)の外側形状に対応して断面正方形であり、軸(40)と、軸(20)の外側との間には環状空間が形成されるので、余分の断熱層を含めることもできる。各軸(40)の先端(55)には突縁(60)が形成され、基端(65)には、前記突縁に一致する溝(70)が形成されている。
【0037】
所望寸法のスクリューコンベヤーを作るには、所定個数の耐火材羽根セクション(35)を、先端(55)と基端(65)が突き合わさるように中心軸(20)に取り付ければよい。所望により、先端(55)の突縁(60)と、基端(65)の溝(70)を、夫々、係合可能に形成し、一方の突縁(60)を他方の溝(70)の位置に合わせて、当接するセグメントどうしを係合させる作業を、所定長さのスクリューコンベヤーが得られるまで繰り返すこともできる。セラミックセクション間の継ぎ目は、所望により、耐火材セメントを詰めることもできる。
【0038】
耐火材羽根セクションの材料は、熱伝導率の低いもの、例えば2400°Fの温度で約20BTU/hr・°F・ft2/インチ以下のものが望ましい。羽根セクションを形成するのに好適な材料として、ムライト、ジルコニア、Zircar(登録商標)の成形可能なアルミナのタイプAを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
図2を参照すると、内部にスクリューコンベヤー(15)が取り付けられた反応管(10)が炉(80)の中に配備されている。炉(80)は、耐火レンガで構築され、燃焼室(90)を構成するハウジング(85)と、燃焼ガスの入口ポート(95)及び出口ポート(100)を具えており、入口ポート(95)と出口ポート(100)は燃焼室(90)に連通している。燃焼室(90)には、図示はしないが、適当な管支持体とバッフル構造が設けられている。なお、当然のことながら、加熱用の高温ガスを装置の外部から入手できる場合には、燃焼室は必要でない。反応管(10)はその先端(11)と基端(12)にてハウジング(85)で支持されており、反応管(10)の中間部(13)は、燃焼室(90)の中で気密にシールされている。図2に示す反応器の実施例では、導管(105)がさらに設けられており、該導管は、反応管(10)の内部を炉ハウジングの外部に連通している。この導管は、その他の添加剤を必要とする場合に、添加剤を反応管の内部へ供給できるようにするためのものである。
【0040】
炉ハウジング(85)には、固体供給室(110)と、生成物出口室(115)がさらに形成されている。管(10)の先端(11)は固体供給室(110)に隣接する位置で該供給室に連通しており、基端(12)は生成物出口室(115)に隣接する位置で該出口室に連通している。スクリューコンベヤー(15)は管(10)の中を通っており、スクリューの1又は2螺旋以上の羽根(40)は供給室(110)と出口室(115)の中に位置している。スクリューコンベヤーの軸(20)の先端は、ハウジング(85)の先端壁(120)の軸受シールの開口を貫通し、軸を回転させる装置(125)に連結されている。スクリューコンベヤー(15)の長さ部は、供給室(110)の中を延びており、固体物質の管(10)への流れを制御するために、羽根がより短いピッチで形成されている。これにより、固体物質は、供給地点から管の長さに亘って正確に比例配分される。スクリューコンベヤーの下端を、管の床部の上方で支持したい場合には、図示の如く、軸(20)の基端を、ハウジング(85)の基部壁(130)の軸受シールの開口を通すようにすればよい。
【0041】
図2に示す反応器の使用方法を説明すると、固体反応物質は、スクリューコンベヤー(15)の羽根を被覆状態に維持できる割合で、供給室(110)へ供給される。バーナその他の熱源(図示せず)からの高温ガスが入口ポート(95)を通じて燃焼室(90)の中へ送給され、消費されたガスは、ポート(100)を経て燃焼室から出て行き、廃棄物の熱回収処理が施されて、従来の手段(図示せず)により、電力発生のために使用される。なお、熱回収処理の後、さらなる処理を施す必要性はない。回転装置(125)によってスクリューコンベヤー(15)が回転させられると、供給室(110)にある固体物質は前記コンベヤーの螺旋に沿って反応管(10)の中へ送られ、反応管(10)の中を進む。固体物質は、反応管の中を通り生成物出口室(115)へ進む間に反応が行なわれる。反応の性質によっては、固体反応物質に加えて、他の添加剤の存在を必要とすることがあり、この場合、添加剤は導管(105)を通じて、反応管(10)の内部へ供給される。反応生成物は、スクリューコンベヤー(15)の回転によって、生成物出口室(115)へ送られる。ここで、反応生成物は重力によって出口室の底部へ落下し、シュート(140)を通して貯蔵領域へ排出される。ガス状の反応生成物は、ポート(145)を通じて出口室(115)から引き出され、その他手段(図示せず)へ送られ、貯蔵又はさらなる処理又は廃棄される。
【0042】
図2に示す反応器は、石膏を、凝集性と拡散抵抗性を有するガスの形態の元素イオウと反応させて、石灰及び二酸化イオウへの還元を行なうのに特に適している。なお、凝集性と拡散抵抗性を有するガスは、米国特許第4520002号に記載された要領にて調製することができる。
【0043】
図6は、本発明に係る反応器システム(150)を示しており、炉ハウジング(85)の燃焼室(90)の中に、スクリュー駆動される複数の反応管(10)が間隔をあけて配置されている。多数の管の配列は、ランク配列、ファイル配列、ランク−ファイル配列、又は千鳥形配列であってよい。炉ハウジング(85)及びこれに関連する要素のその他特徴については、図2の反応器で説明したものと同様である。なお、図6では、図示の明瞭化のために、その他添加剤を1又は2以上の反応管へ供給するための導管(105)が示されていないが、反応器システムにそのような供給導管を設けてもよいことは理解されるであろう。また、図6には、バーナその他の熱源からの高温ガスを導入するポート(95)と、消費されたガスが燃焼室(90)から出て行くポート(100)も図示されていない。
【0044】
図6に示す反応器システム(150)を用いて石灰石から石灰を製造するプロセスの概要を、図7に示している。このプロセスでは、バーナ(155)は、2150°Fの燃焼ガスを、ライン(95)を通じて反応器システム(150)の燃焼室へ供給する。高温の生成物ガス(CO2)がライン(145)を経て採取され、相互に連通する一連の乾燥器及び供給用ホッパー(ブロックAで示される)へ送られるようになっており、石灰石はこの高温ガスと接触して乾燥と予熱が行われ、800°Fの温度で反応器システム(150)の供給室へ供給される。各管のスクリューコンベヤーの回転により、石灰石は供給室から各管の中を運ばれる。消費されたガスは、反応器システムからライン(100)を経て、コージェネレーション発電設備(ブロックBで示される)へ送られる。この発電設備は、蒸気ボイラー、蒸気駆動発生器、凝縮器、凝縮液再循環ポンプ及び導管を具えている。固体の石灰生成物は反応器システム(150)から排出され、排出用シュート(140)を通じて石灰冷却器(160)へ送られる。常温空気がライン(165)を経て、石灰冷却器(160)の中へ供給され、高温の石灰生成物を冷却する。加熱された空気は石灰冷却器(160)からライン(170)を経て送られる。冷却された石灰生成物は、ライン(185)を経て石灰貯蔵容器へ運ばれる。
【0045】
800°Fに予熱された石灰石が、反応器のスクリュー供給トラフの中へ供給される。石灰石は、図2と同様な反応器の中を、速度可変スクリューコンベヤーにより運ばれる。ブロワーにより、水柱約30インチの吐出し圧力で雰囲気空気が供給され、バーナへ入る前に、出口燃焼ガスと熱交換されて予熱される。天然ガスは、所望の入口ガス温度に設定された温度支持制御器(Temperature Indicating Controller; TIC)によって制御される。外殻の側部を6セクションに分割するレンガ隔壁により、燃焼ガスは管を横切って前後方向に通過し、燃焼空気予熱器を通じて大気へ吐き出される。反応器の生成物出口では、固体生成物は、アルミ箔の案内板(shroud)を通じて、スケールに載せられた容器の中へ落下する。管の副産物ガスは、動力流体として水酸化カリウムを用いて、ジェットエダクタを通して抜き出され、次に、充填カラムの二次スクラバの中でKOHで再び洗浄された後、大気へ放出される。
【0046】
スクリューコンベヤーは、厚さ1/4インチの成形性アルミナ(タイプAの成形可能耐火材シート;ジリカー・プロダクツ・インコーポレイテッド、フロリダ、ニューヨーク)で覆われている。スクリューコンベヤーは反応器の中へ配備され、約2min/revの速度で回転しながら、約1200°Fの温度に加熱される。スクリューは、次に、冷却され、ジルカー社のタイプALの硬質固化剤/硬化剤を数回塗布して塗り層が形成される。次に、反応器の中へ戻して、このサイクルをもう一度繰り返す。
【0047】
原料石灰石は20メッシュのスクリーンを通過させ、+20のもの(全体の約10〜20%)を廃棄する。但し、ふるいにかけられていない原料は、物理的又は化学的な違いが観察されたかどうかを調べるために、フェーズ5の最後の時間に供給される。
【0048】
試験1は、反応器内での温度と保持時間の曝露が比較的緩やかな条件下で、石灰石の解離(dissociation)を調べた。試験2は、反応器内で炭酸カルシウム(CaCO3)の解離が完全に起こる最も極端な条件の下で、石灰石の解離を調べた。試験1では、保持時間は4分/セクション(スクリューコンベヤーの1回転につき1分20秒)に設定し、この試験におけるフェーズ1−1については、入口温度を1950°に維持した。2時間の運転後、フェーズ1−2の入口温度を2060°に昇温した。これらの条件は、全ての石灰石の供給が終わるまで、約3時間以上維持し、これを試験1の終了とした。
【0049】
試験2のために、もっと大きなバッチの原料石灰石を調達した。試験2は、フェーズ2−1で始まり、試験1のフェーズ1−2で適用したものと略同じ条件で1時間運転した。スクリューコンベヤーの速度は、保持時間が6分/セクション(1回転につき2分)となるようにし、フェーズ2−2での入口温度は2050°に保持した。フェーズ2−3、2−4及び2−5の温度については、50°ずつ高くした。
【0050】
供給物及び生成物の試料全てについて、点火損失(Loss on Ignition;LOI)と、有効石灰%(Available Lime;A.L.)を調べた。
反応器管の長さに沿って試料を得ることはできなかったため、反応物質の時間変化を調べることができなかった。このため、アレニウスの式に基づく標準的な反応速度分析法は用いることができない。そこで、反応器内のCaCO3が全て分解するのに要した曝露時間及び温度を、他の種類の装置を用いたときに要した曝露時間及び温度と比較する比較法を用いた。
【0051】
この方法では、反応器の外殻面における燃焼ガスの温度プロフィールをプロットし、固体物質の温度はこの温度プロフィールに従うものと仮定している。また、固体物質が管内を通過する速度を設定してあるので、理論的解離温度である1648°を超えるのに要した時間を求めることができる。プロットすると三角形領域が形成され、底辺が1648°、高さが最高温度と1648°との差、斜辺がガス温度プロフィールである。三角形の面積は、「曝露ファクター(exposure factor)」として取り扱われ、生成物分析に関して、反応器内の曝露度を、得られた解離度と関連づけるのに用いられる。これは、温度プロフィールと保持時間の異なる組合せの比較、異なる原料間の比較等の基本となる。タイプが異なるキルンでの温度プロフィールと保持時間は、入手可能データから推定することができるので、この方法は、異なるタイプの装置を用いたときのプロセスでの比較にも用いることができる。
【0052】
両試験のデータは、他の実験室及び文献から推定される商業的解離についての比較曲線と共に、図8に示されている。本発明の反応器は、他のどの方法よりも遙かに少ない曝露条件下で、略完全な解離が達成されることを示している。この利点は、投資コストを低減できるだけでなく、最高品質の石灰生成物が確実に得られる点においても重要である。実験曲線が、約80%の解離を超えるところで崩れているのは、供給物質(下記を参照)中の不純物が非常に高いレベルになるためであり、その結果、高グレードの石灰石の完全解離は、より短い曝露条件で到達することになる。図9は、本発明の反応器が、石灰石の解離にかなり有効であることを示している。
【0053】
石灰産業では、石に含まれる不純物が生成物中の有効石灰成分を約4倍低下させるという経験則がある。CO2の損失は、固体相の不純物の割合の約2倍となり、不純物と石灰の反応により、利用できない形態のCaOも約2倍生成されるであろう。即ち、供給物に約12%の不純物が含まれている(試験1では8%、試験2では13%)と、解離した固体物質に約24%の不純物が含まれることになり、石灰−シリカの反応では、その約2倍の不純物が石灰生成物中に含まれ、供給原料から最大のものが得られるとき、約52%の有効石灰が残る。試験2のフェーズ2−5における生成物の平均有効石灰量は、51.3%であり、これは経験則と合理的な一致が認められる。
【0054】
本発明の望ましい実施例の説明により、当該分野の専門家であれば、前述の発明又は特許請求の範囲に規定された発明の範囲又は精神から逸脱することなく変形をなし得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体物質用スクリューコンベヤーが通る反応管の斜視図である。
【図2】 単一管がスクリュー駆動される反応器の側部断面図であって、反応管は添加剤供給用導管に連通している。
【図3】 剛性の中心駆動軸の上に、耐火材の螺旋羽根セクションを有するスクリューコンベヤーの斜視図である。
【図4】 中心駆動軸に配備された2つの耐火材製羽根セクションの拡大側面図である。
【図5】 耐火材の羽根セクションの端面図である。
【図6】 スクリュー駆動される多管反応器の横断面図である。
【図7】 石灰石から石灰を製造するのに用いられるスクリュー駆動される多管反応器の使用例を示す概略説明図である。
【図8】 実施例における石灰の解離度と曝露ファクターとの関係をプロットしたもので、従来のその他種類のキルンについて計算したものとの比較を示すグラフである。
これは1994年9月19日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/308658号の一部継続出願である。
この発明は、間接加熱式の高温化学反応器及びかかる装置と化学反応を行なう方法に関する。
【0002】
固体物質を高温に加熱して化学変化を生じさせる化学プロセスは多くの利点を有するが、所望の反応を行なうのに大量のエネルギーを入力する必要がある。反応に必要な温度が、炭素鋼やステンレス鋼のような通常の金属の使用可能限界を超えると、処理装置は使用困難な状況になるため、操業の可能性は利用可能な代替金属の特性による制約を受ける。ステンレス鋼の最高使用温度限界である1000〜1800°Fを超える高温での操業例として、ポートランドセメントの製造、石灰の製造、金属鉱石の焙焼及び/又は還元、そして米国特許第4520002号に記載されているように、蒸気状の元素イオウを用いた硫酸カルシウムの還元などがある。
【0003】
これらプロセスの中には、例えば、石灰石の熱分解による石灰の製造(CaCO3→CaO+CO2)のように、何世紀にも亘って実施されているものがある。
【0004】
Boynton(ボイントン), Chemistry and Technology of Lime and Limestone(石灰及び石灰石の化学及び技術), New York, Wiley-Interscience (1980)によれば、石灰石の熱分解により「生石灰(CaO)」を作ることは、最も古い産業プロセスの1つであり、これは少なくとも350B.C.にまで遡り、Zenophon(ゼノフォン)によるマルセーユ近くでの船の難破に関する記載の中で、船荷のリンネルとその漂白用としての石灰のことが述べている。この産業は今までに成熟しており、さらに改良する点があるとすれば、それは経済的な利点を勝ち取るだけと考えられている。しかし、そのような考えは正しくない。
ボイントンの記述を引用すると次の通りである:
「これはおそらく全ての化学反応の中で最も基本的でかつ単純であろう。理論的に平凡なものであるけれども(あまりにも基本的であるため、博学な化学者の多くは軽蔑さえしている)、この反応には多くの複雑なものが付随している。焼成を表す科学データは議論の余地がないにも拘わらず、このプロセスはそれでも、ある程度実績のある石灰バーナーだけが包含する技術が残されている。数多くの変動要因があるため、最適な性能を得るのに試行錯誤を必要とし、また、効率的な操業を行なうのに微妙な経験的(しばしば衝動的)な修正を必要とする」
そのような物理的及び科学的問題に加えて、石灰バーナは、単一の方式で全ての適用に有利なものは見あたらないため、プロセス用装置の選択において妥協せざるを得ない。
【0005】
石灰の製造及びその他固体物質の反応工程に用いられる装置には多くの工夫がなされてきたが、一種類の装置では、大部分の高温処理プロセスにおいてさえたいそう有利なものはなかった。種類の異なる装置の場合、各々が利点と欠点を有しており、現在の技術と各用途に関連する具体的な問題が考慮されねばならない。方法の中には、単一状況にのみ適合し、その状況では非常に効率的なものはいろいろある。その他に、広範囲の状況で有用なものはあるかもしれない。前述の硫酸カルシウムのイオウ還元のように非常に高温の場合には、従来の装置では十分に満足できない。
【0006】
高温処理装置は、一般的には、(a)固体床が存在する条件、(b)熱伝達機構、(c)気体−固体接触を達成させる方法、によって分類される。固体床の4つの条件は、「静止(固体粒子間で相対的な移動はおこらない)」、「移動(粒子は分離し、互いの上を流れる)「流動(固体と気体は混合されて単一相となり、沸騰流体として振る舞う)」及び「希釈(固体粒子は広く分散し、互いに殆んど影響を及ぼさない)」として定義される[McCormick, Lucas and Wells, 1963, Perry's Chemical Engineers' Hnadbook, Perry, Chilton and Kirkpatrick, New York, McGraw-Hill, 20-3]。熱伝達モードは、「直接的(火炎、放射、及び/又は燃焼ガスが直接固体に接触する)」と「間接的(その他の機構)」がある。気体−固体接触は、向流の気体、並行流の気体、及び/又は横流の気体の流れを用いることにより達成される。
【0007】
大規模で、高温の気体−固体反応工程は、一般的に、キルンと称される移動床容器の中で商業的に実行されるが、流動床及び/又は希釈固体相もまた場合によっては用いられる。プロセスによっては間接加熱を利用するものもあるが、大規模の高温処理は大部分が直接加熱を利用する。しかしながら、各方法には、利点と欠点がある。前述のボイントンの石灰製造の場合を再び参照すると、近年では、次の方式のキルンが全て石灰の製造用として使用に供されている。
縦型
1.伝統的なシャフト型
2.間接式ガス燃焼(発生器ガス)
3.大容量ガス燃焼式センターバーナー等
4.大容量混合供給
5.平行流再生
6.二重傾斜
7.環状(リング)
回転型
1.従来型
2.近年のもので、a.冷却器、b.予熱器、c.内部装置(熱交換器、ダム、リフター)を具えた修正型
その他
1.流動式(fluo-solids)
2.移動式火格子を具えたロータリーハース
3.点火式仮焼器(flash calciner)
4.水平リング(ホフマン)
【0008】
石灰の製造について、ボイントンは、その原理、利点、各型式の仮焼器についての問題を詳細に記載している。要約すると、縦型キルンはエネルギーにエッジがあり、ドイツの混合供給式縦型キルンでは、最高で、85%つまり3.03MMBTU/石灰1トンの効率が達成される。しかしながら、縦型キルンが使用されるのは比較的大きなサイズの石灰石のみであるから、仮焼時間が長くなり、及び/又は製品中に未反応石(コア(core))が残る。もう一つの問題は、市販サイズの石よりも小さなサイズの石(スポール(spall))が蓄積することである。縦型キルンは、特定の燃料の燃焼用として作られる傾向にあるため、使用できる燃料に関して融通性が乏しい。
ロータリーキルンは熱効率に劣るが(従来のキルンでは、約35%つまり8.50MMBTU/石灰1トンであり、復熱装置を具えたもので約50%つまり5.90MMBTU/石灰1トンである)、どんな燃料でも(切り換えて)使用することができるし、小さなサイズの石(0.2インチ〜約2.5インチ)を処理することができるので、滞留量(holdup)が少なく、より完全に解離させることができる。しかしながら、回転式の場合、キルンの供給にグラデーションをつけることが重要であり、段階区分をできるだけ小さくすることにより、よりすぐれた品質及び均一性が得られる。しかし、石の分級費用の増加を招くため、それとの均衡を図らねばならないことは勿論である。その他のカテゴリーにおけるキルンは、主として、あるサイズ及びグラデーションの石を処理するために開発されたものである。
フラーカンパニー(Fuller Company)の流動式キルンは非常に小さな粒子を効率良く仮焼する(約5.0MBTU/CaO1トン)ことができるが、供給物はNo.8乃至No.65メッシュ(2.38〜0.23mm)に細かく分級されなければならないため、最も硬い石灰石を使用せねばならない。この石は高価であるため、使用に制約を受ける。仮焼用キルン(calsimatic kiln)は、仮焼時間及び仮焼温度を厳密に制御することができるので、広範囲に亘って異なる種類の石を取り扱うことができるが、燃料消費量が多い(6.34MMBTU/トン)。点火式仮焼は、燃料の燃焼は分散された固体−液体相の中で行われるため、細かく粉砕された石灰石(4.0〜5.0MMBTU/CaO1トン)を効率良く解離するのに有用であるが、製品の品質に劣り、水和処理又はペレタイズ化が必要となる。ホフマンのトンネル型キルンは1865年に発明されたが、手間が非常にかかるため、約1925年以降使用頻度は減少している。
【0009】
縦型キルンは何百種類もの変形があり、世界中で最も広く使用されているが、米国では、ロータリーキルンが米国内で製造される商業用石灰の88%以上を占めている。これは、米国ではエネルギー費用が安いこと、及び、ロータリーキルンの場合、資本投資費用が他のものよりも遙かに高いという実状を反映しているのであろう。エネルギー費用の上昇や環境面の考慮の必要性等の状況変化により、次世代に亘って石灰産業を十分に再構築する必要性が生じている。
【0010】
前掲の間接加熱式(indirect-fired)の縦型キルンが間接加熱であるのは、高温の燃焼ガスがキルンの中へ導入される前に、燃料が外部チャンバーの中で燃焼されるという点にある。石灰製造について説明したどの間接加熱方法も、高温の燃焼ガスが石灰石と直接接触しないという意味ではない。それゆえ、現在の商業的方法は、どの方法についても程度の差こそあれ、ダストの問題がある。さらに、キルンの出口から出たガスから高温エネルギーを回収しようとしても、非常に複雑であり、たとえそうでない場合でも、経済的に実現不可能である。例えば、電力を発生させるために、ダストを含むガスをボイラーに用いると、運転中の時間が不足し、また熱伝達係数の低下(及び大きな変動)を招くため、投資費及び操業費が非常に高くなり、経済的に不利である。
【0011】
既存の装置では、潜在的に有用な幾つかの用途に対して十分に満足できるものはなく、それゆえ、各用途に特有の問題を解消させることのできる方法、材料又は技術を具え、代替となり得る装置の開発が要請されている。解消させるべき不都合の例として、リン酸石膏のイオウ還元に標準的な装置を用いたときの問題について分析する。
【0012】
リン酸石膏(硫酸カルシウムの半水化物又は二水化物)は、環境的に有害な廃棄副産物として生成されるもので、非常に大きく、ますます高価となるイオウの殆んど全てを含んでおり、このイオウはリン酸肥料の製造に用いられる。イオウが、酸や、未反応リン鉱及び該リン鉱に含まれる不純物で汚染されるのは、微細結晶の形態の場合である。
【0013】
このリン酸石膏の副産物を、キューネ法(Kuhne Process)に基づいて商業的規模で有用な産物に転換する試みがなされているが、これまで殆んど成功していない。このキューネ法は、カーボン(コーク又は石炭)を用いて、硫酸カルシウムの一部を硫化カルシウムに還元し、次に、生成した混合物を、クレイ、シリケート等の添加物と反応させて、ポートランドセメント及び二酸化イオウを生成するものである。イオウのリサイクル回路は、二酸化イオウから硫酸を作り、この硫酸を用いて原リン酸鉱を肥料製造工程の一部として分解するものである。
【0014】
キューネ法は技術的に難しく、操業費用が高い。このため、この方法が経済的観点から実行可能となるのは、イオウが非常に高価であるか、供給不足の状況にあるときのみである。リン酸塩肥料の費用は食材の価格の中に含まれること、及び環境的配慮の点から、より経済的な方法により、リン酸石膏の副産物の廃棄物質をリサイクルすることが望ましい。
【0015】
トラウツ(Trautz)のドイツ特許第356414号及びホーン(Horn)の米国特許第2425740号には、イオウはカーボンと同じように、次の反応シーケンスにより、硫酸カルシウムの還元に用いられることが記載されている。
(1) CaSO4+S2→CaS+2SO2
(2) 3CaSO4+CaS→4CaO+4SO2
これらの反応に基づく方法は、カーボンベースの還元工程によるキューネ法と比べると幾つかの利点がある。その1つとして、より強力なガスリッチ生成物(10%SO2以上)が生成され、これは標準的なイオウ燃焼式硫酸プラントで使用できることがある。その理由は、第1反応で生成したガスは、希釈廃棄物のCO2ではなく、望ましいSO2であることが挙げられる。CO2を除去するのにガス状廃棄物を処理する必要がないだけでなく、SO2を生成物ガスとして製造することは、CaSO4の所望の処理能力を得るための設備費を低減できるので、経済的にも大きな意義がある。その他にも、電力消費量を低減できる利点がある。
【0016】
トラウツの化学反応は70年以上前から知られており、ホーン特許は40年以上前に発行されたものであるけれど、硫酸カルシウムと元素イオウとの還元性反応に基づいて、リン酸石灰の廃棄副産物からイオウ価値を商業的規模で回収するプロセスについては知られていない。
【0017】
イオウは必要な反応温度では気体であり、一方硫酸カルシウムは固体であるため、キルンその他の容器内で反応が実用的速度で起こり、イオウと硫酸カルシウムとの有効接触状態を維持することの困難さが、トラウツが開示した研究室規模の反応に基づくイオウ価値回収プロセスの発展を妨げる主要因になっている。ホーンは、そのような反応を商業的規模で行なうことを試みたが、適当な反応速度を得るのに、少なくとも2400°F(1316℃)以上の温度と、過剰の空気が必要となる問題に遭遇した。トラウツの反応には高温条件が必要となることから、ホーンは、もっと低い温度で適当な転換を行なうことができない限り、トラウツの反応は商業的規模のプロセスには適用できないと述べている。
【0018】
ウイリス(Willis)の米国特許第4520002号は、高温で固体反応物質との完全な反応を行なうために、元素イオウを、凝集性と拡散抵抗性を有するガスとして調製する方法を開示している。この凝集性と拡散抵抗性を有するイオウガスは、回転キルン内で硫酸カルシウムと反応させるのに特に望ましい。この特許には、直接加熱式又は間接加熱式の標準型水平回転キルンの中で、トラウツの化学反応に基づいて約1832°F以上の温度にて、イオウとリン酸石膏を反応させるプロセスが記載されている。
【0019】
米国特許第4502002号に記載された方法は、経済的にも実行可能ではあるが、回転キルンの中でリン酸石膏を用いることによる問題がある。脱水したリン酸石膏は、暗赤色(約1201〜1382°F)以上の温度に加熱されると、キルンの壁に付着し、球体、リング状等の塊りとなる傾向がある。塊りの結合状態は弱い(キルンの外壁を軽く叩くと、内壁から剥がれ落ちる程度の結合)であるけれども、キルン内の流れ抵抗の増加を招き、固体物質を適当温度の反応ゾーンへ安定供給する妨げとなる。このため、イオウが前記特許に基づいて拡散抵抗性ガスの形態で供給されたとしても、固体物質とイオウとの反応効率は低下する結果となる。
【0020】
直接加熱式(diret-fired)の回転キルンの場合、特に高温で操業を行なうと、エネルギー効率がかなり低下する。これは主として、次の3つの要因が挙げられる。
(1) キルンを、回転ベアリングで軸承する必要があるため、重量を考慮して、断熱レンガの使用量が制限される。
(2) 燃焼ガスが反応生成物と混合されるため、次工程で処理するガス量が増加する。
(3) ダスト、酸、その他の汚染物質が生成物及び燃焼ガスに随伴し、これらがかなり高温でキルンから出ていくので、大量のガスからエネルギーを回収する際に妨げとなる。
また、回転キルンではシール構造を有するが、特に大型で負圧キルンの場合、反応ゾーンへの空気の進入を完全に防止することができない。漏れを最少に維持できない場合、イオウは供給管から出ていくときに燃焼し、イオウ付着物を崩壊して、気体相の中へ分散させる。燃焼による副反応の生成物はSO2であり、これは好ましい生成物ではあるが、余分のイオウが添加され、これが燃焼のために相殺されるから、イオウと固体物質の接触量が不足し、その反応効率は低下する。
【0021】
また、硫酸カルシウムをイオウで還元するプロセスは、標準の高温処理装置の種類が異なれば、それら装置への適用が容易でない。このプロセスは、固体−気体の接触(式1:CaSO4(固)+S2(気)→CaS(固)+2SO2(気))と同時に、固体−固体の接触(式2:3CaSO4(固)+CaS(固)→4CaO(固)+4SO2(気))を必要とするため、固定床(粒子が不動)や、流動床(粒子がガスによる接触から分離)だけでなく、希釈相(粒子がガスと空間による接触から分離)でさえも、その反応には適していない。
【0022】
装置の中には、イオウと硫酸カルシウムを反応させるのに用いられるものもあり、混合物は回転キルンの中へ落下させて最終処理が行われる。これは、結合強度の高いSO2が生成される点ですぐれている。しかしながら、間接加熱式キルン(燃焼ガスが固体物質と接触しない方式のもの)が用いずに、直接加熱式回転キルンを用いると、エネルギー効率はかなり低下する。また、高温でしかもこのプロセスに特有の腐食雰囲気下で操業可能な大型の間接加熱式回転キルンの構築に実用的な材料は見あたらなかった。このように好ましいことはわかっていても、リン酸石膏を、酸化カルシウム及び二酸化イオウへ還元するための手段として、信頼性が高く、効率の良い装置はこれまで開発されていない。
【0023】
高温で操業することができ、商業的規模の生産を効率的に行なうことのできる間接加熱式反応器が、以前から要請されている。また、反応生成物とガスが燃焼ガスによって汚染されない反応器が、以前から要請されている。また、かなり高温の反応ゾーンの中で、固体反応物質を移動させる装置を具えた反応器が、以前から要請されている。
【0024】
本発明は、間接加熱式の固定管を有し、気体/固体、又は固体/固体の高温処理を行なう炉の反応器であって、耐熱性コンベヤーを用いて、固体物質を固体管の中を移動させる反応器に関する。炉の鋼製外殻以外は、機械全体が非金属部品から作られている。反応器は、横流のガス流れと共に、又は横流のガス流れなしで、向流又は並行流のガスの流れを用いて、商業的適用に必要な規模の大型に構築することが可能であり、3000°Fを超える温度で操業することができる。固定管であるから、管の長さ方向の任意の位置にて、ガスを反応ゾーンの中へ都合良く正確に投入することができる。固定式炉の壁は、断熱材の厚さに重量制限を受けず、また清浄な出口ガスからエネルギーの回収が可能となるので、蒸気発生装置における全体エネルギー効率を高めることができる。
【0025】
本発明の高温処理炉の反応器を用いることにより、様々な固体反応物質の処理を、約1800°Fを超える温度にて、清浄かつ経済的に行なうことができる。このような固体反応物質の例として、鉱石(鋭錐石、ボーキサイト、硼砂、方解石、黄銅鉱、クロム鉄鉱、赤鉄鉱等)、金属ハロゲン化物(臭化カルシウム、塩化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、同様に、ハロゲン化第二鉄、ハロゲン化第一鉄、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化ナトリウム等)、金属炭化物及び金属炭酸塩(炭酸カルシウム等)、金属酸化物(亜クロム酸塩等)、金属リン酸塩(リン酸カルシウム等)、金属硫化物及び金属硫酸塩(硫酸カルシウム等)を挙げることができる。また、このような固体反応物質を、腐食性ガスその他の流体の媒体の存在下の1800°F以上の温度で処理することができる。固体物質と、腐食性ガス及び流体とが接触するところでは、これまでは、セラミック部品でしか耐えることができなかった。
【0026】
本発明の反応器はエネルギーの節約の他に構造上の利点を有するから、本発明を利用することにより、例えば石灰製造のように、現在、直接加熱式ロータリーキルン炉で行われている幾つかの高温処理操業は、より経済的に行なうことができる。また、リン酸石膏にイオウ還元のように、今まで不可能であったプロセスについても、商業的規模での操業が可能となる。
【0027】
本発明に係る反応器の一実施例において、熱伝導率の高い耐火材(例えば、グラファイト、純粋な重MgO、純粋な重アルミナを挙げることができるが、これらに限定されるものではない)から作られた管が反応器の容器内に配置される。固体反応物質は管の中へ送給され、スクリューコンベヤーにより管の中を移動する。このスクリューコンベヤーは、反応器容器内の温度に耐えることができ、管内で起こる反応の影響を受けない耐熱材料、例えば熱伝導率の低い耐火材から作られる。その他の固体反応物質又は流体反応物質を管の中へ導入するための投入装置が配備される。管内で起こる反応の生成物及び副産物を取り除くために、出口ポートが設けられる。スクリューコンベヤーは、モータその他の動力源によって回転する。管内の物質を間接的に加熱するための熱源が、管の外部の反応器容器の中に配備される。
【0028】
特定の一実施例に示す装置は、凝集性と拡散抵抗性を有する濃縮されたガス状物質(米国特許第4520002号参照)の形態である元素イオウによる石膏の還元に有用であり、石膏に存在するイオウ価をSO2として回収すると同時に、石灰が生成される。この実施例では、脱水石膏(CaSO4)が、反応器容器内のバーナの上に配備された管(望ましくは高純度のアルミナAl2O3から作られる)の中へ連続的に供給される。耐火材のスクリューコンベヤーは、反応器容器の外部にあるモータによって駆動され、石膏を管に沿って移動させる。抗拡散性のガス状元素イオウは、適当なポートを通じて管の中へ供給され、高温のCaSO4と接触して反応を起こし、固体の硫化カルシウムと二酸化イオウを生成する。固体物質は、スクリューの螺旋により管の中を運搬されるので、固体のCaSO4は、最初に元素イオウと接触し、二酸化イオウと固体の硫化カルシウムを生成する。硫化カルシウムは次に、硫酸カルシウムとの密な固体−固体接触により反応が起こり、石灰とさらなる量の二酸化イオウが生成される。生成物として得られた石灰(CaO)は、オーガによって運搬され、排出ポートへ送られる。生成物として得られたSO2は、不純物が少なく、適当な出口を介して容器から採取される。
【0029】
反応器において、熱伝導率が高い管の中の反応ゾーンを分離することにより、燃焼ガス及びそこに含まれる微細物質による生成物の汚染問題は解消される。管とスクリューコンベヤーについては、適当な材料を用いることにより、かなり高い熱効率を得ることが可能である。ガスが高速で反応ゾーンへ導入される従来の装置と比べると、本発明の新規な反応器は、相対的に非乱流雰囲気の下で反応物質に対して良好な接触時間をもたらす。
【0030】
反応器は、原料の固体サイズが約4インチから微細なものに到るまで、広範囲かつ広いグラデーションに亘って取り扱うことができるように寸法を決めることができる。反応器はプラグ流れの特性を有しており、固体物質の保持時間及び温度プロフィールを正確に制御することができるので、組成が異なる固体原料を最も効率良く処理するのに必要な条件にその作業条件を容易に適合させることができる。燃焼ガスは固体反応ゾーンの外部で維持されるので、反応器は、どんな種類の燃料に対しても効率良く操業することができ、清浄な燃焼ガスを作り出すので、反応器出口からエネルギーを回収することができる。
【0031】
本発明は、前述したように長い間求められていた要請を認識し、様々な実施例において、これら要請に十分応えるものである。
添付の図面に示した実施例を参照して、本発明を具体的に説明する。この説明によって、本発明の前記の特徴及び利点並びにその他の特徴及び利点は明らかなものとなり、詳細に理解されるであろう。
【0032】
図1を参照すると、本発明の反応器の本質的なコア要素は、反応管(10)と、該管内に配備されたスクリューコンベヤー(15)を具えており、固体反応物質はスクリューの回転によって反応管(10)の中を前進する。反応管(10)は熱伝導率の高い耐火材料から作られている。熱伝導率は、1832°Fの温度で約38BTU/hr・°F・ft2/インチ(1000℃で5.7ワット・M-1・°K -1)以上が望ましく、1832°Fの温度で約60BTU/hr・°F・ft2/インチ以上が最も望ましい。反応管(10)を構築するための適当な耐火材料として、グラファイト、純粋な重MgO、純粋な重アルミナ、シリコンカーバイド、ベリリア、シリコンナイトライド、ボロンカーバイドなどを挙げることができる。高耐食性、最高使用可能温度、高温強度の点から、反応管用材料として、例えば約99.5%もの高純度の重アルミナが望ましい。ドイツのW. Haldenwanger Technische Keramik GmbH & Co., KGが商標名「Alsint」で市販している高純度アルミナ(99.7%)が特に望ましい。
【0033】
技術的な理由から、用途によっては、十分に大きな一体構造の管を入手することができない場合もある。このような場合、耐火材料を所望の緻密な構造に形成する公知の方法、例えばアーク溶融鋳込み又はホットプレッシングにより、所望の直径及び長さを有する反応管を作ることができる。例えば、アルミナをスリップ鋳込みすることにより、内径1m、長さ1mで、先端に突縁、基端に該突縁を収容できるサイズの溝が形成された管状体を作製することができる。所望長さの反応管を作るには、必要な数の管状体を準備し、突縁を溝に嵌めて、耐火セメントで接合すればよい。反応管が炉内に配備されるとき、反応管の各ジョイントはレンガ積みによって支持されることが望ましく、レンガ積みされた支持体は、バッフル壁と一体化される。このバッフル壁により、炉内の燃焼ガスは反応管の外面を横切るように前後方向を通過する。
【0034】
スクリューコンベヤー(15)は、中心軸(36)を具えており、該軸には、熱伝導率の低い耐火材、望ましくは1832°Fの温度で約25BTU/hr・°F・ft2/インチよりも小さい耐火材で作られた螺旋又は羽根(45)が配備されている。軸(36)は、アルミナ製のロッド及び/又は管の部材で補強された耐熱コンクリートで形成されることが望ましい。
【0035】
スクリューコンベヤーの望ましい構造が図3乃至図5に示されている。図3のスクリューコンベヤーは、中心のコンクリート軸(20)の内部がアルミナロッドで補強されている。軸は断面正方形であるが、その両端には、標準のベアリングが嵌められるように、断面形状を円形に転換するアダプターが嵌められている。このアダプターは、例えばアロイ330のような金属から作ることができる。
【0036】
軸(20)の外部の周りには、耐火材で成形された羽根セグメントが設けられている。図4及び図5に示されるように、羽根セグメント(35)は中空の中心軸(40)を具えており、該中心軸からスクリュー羽根(45)が外側へ張り出している。中空の中心軸(40)は、軸(20)の外側形状に対応して断面正方形であり、軸(40)と、軸(20)の外側との間には環状空間が形成されるので、余分の断熱層を含めることもできる。各軸(40)の先端(55)には突縁(60)が形成され、基端(65)には、前記突縁に一致する溝(70)が形成されている。
【0037】
所望寸法のスクリューコンベヤーを作るには、所定個数の耐火材羽根セクション(35)を、先端(55)と基端(65)が突き合わさるように中心軸(20)に取り付ければよい。所望により、先端(55)の突縁(60)と、基端(65)の溝(70)を、夫々、係合可能に形成し、一方の突縁(60)を他方の溝(70)の位置に合わせて、当接するセグメントどうしを係合させる作業を、所定長さのスクリューコンベヤーが得られるまで繰り返すこともできる。セラミックセクション間の継ぎ目は、所望により、耐火材セメントを詰めることもできる。
【0038】
耐火材羽根セクションの材料は、熱伝導率の低いもの、例えば2400°Fの温度で約20BTU/hr・°F・ft2/インチ以下のものが望ましい。羽根セクションを形成するのに好適な材料として、ムライト、ジルコニア、Zircar(登録商標)の成形可能なアルミナのタイプAを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
図2を参照すると、内部にスクリューコンベヤー(15)が取り付けられた反応管(10)が炉(80)の中に配備されている。炉(80)は、耐火レンガで構築され、燃焼室(90)を構成するハウジング(85)と、燃焼ガスの入口ポート(95)及び出口ポート(100)を具えており、入口ポート(95)と出口ポート(100)は燃焼室(90)に連通している。燃焼室(90)には、図示はしないが、適当な管支持体とバッフル構造が設けられている。なお、当然のことながら、加熱用の高温ガスを装置の外部から入手できる場合には、燃焼室は必要でない。反応管(10)はその先端(11)と基端(12)にてハウジング(85)で支持されており、反応管(10)の中間部(13)は、燃焼室(90)の中で気密にシールされている。図2に示す反応器の実施例では、導管(105)がさらに設けられており、該導管は、反応管(10)の内部を炉ハウジングの外部に連通している。この導管は、その他の添加剤を必要とする場合に、添加剤を反応管の内部へ供給できるようにするためのものである。
【0040】
炉ハウジング(85)には、固体供給室(110)と、生成物出口室(115)がさらに形成されている。管(10)の先端(11)は固体供給室(110)に隣接する位置で該供給室に連通しており、基端(12)は生成物出口室(115)に隣接する位置で該出口室に連通している。スクリューコンベヤー(15)は管(10)の中を通っており、スクリューの1又は2螺旋以上の羽根(40)は供給室(110)と出口室(115)の中に位置している。スクリューコンベヤーの軸(20)の先端は、ハウジング(85)の先端壁(120)の軸受シールの開口を貫通し、軸を回転させる装置(125)に連結されている。スクリューコンベヤー(15)の長さ部は、供給室(110)の中を延びており、固体物質の管(10)への流れを制御するために、羽根がより短いピッチで形成されている。これにより、固体物質は、供給地点から管の長さに亘って正確に比例配分される。スクリューコンベヤーの下端を、管の床部の上方で支持したい場合には、図示の如く、軸(20)の基端を、ハウジング(85)の基部壁(130)の軸受シールの開口を通すようにすればよい。
【0041】
図2に示す反応器の使用方法を説明すると、固体反応物質は、スクリューコンベヤー(15)の羽根を被覆状態に維持できる割合で、供給室(110)へ供給される。バーナその他の熱源(図示せず)からの高温ガスが入口ポート(95)を通じて燃焼室(90)の中へ送給され、消費されたガスは、ポート(100)を経て燃焼室から出て行き、廃棄物の熱回収処理が施されて、従来の手段(図示せず)により、電力発生のために使用される。なお、熱回収処理の後、さらなる処理を施す必要性はない。回転装置(125)によってスクリューコンベヤー(15)が回転させられると、供給室(110)にある固体物質は前記コンベヤーの螺旋に沿って反応管(10)の中へ送られ、反応管(10)の中を進む。固体物質は、反応管の中を通り生成物出口室(115)へ進む間に反応が行なわれる。反応の性質によっては、固体反応物質に加えて、他の添加剤の存在を必要とすることがあり、この場合、添加剤は導管(105)を通じて、反応管(10)の内部へ供給される。反応生成物は、スクリューコンベヤー(15)の回転によって、生成物出口室(115)へ送られる。ここで、反応生成物は重力によって出口室の底部へ落下し、シュート(140)を通して貯蔵領域へ排出される。ガス状の反応生成物は、ポート(145)を通じて出口室(115)から引き出され、その他手段(図示せず)へ送られ、貯蔵又はさらなる処理又は廃棄される。
【0042】
図2に示す反応器は、石膏を、凝集性と拡散抵抗性を有するガスの形態の元素イオウと反応させて、石灰及び二酸化イオウへの還元を行なうのに特に適している。なお、凝集性と拡散抵抗性を有するガスは、米国特許第4520002号に記載された要領にて調製することができる。
【0043】
図6は、本発明に係る反応器システム(150)を示しており、炉ハウジング(85)の燃焼室(90)の中に、スクリュー駆動される複数の反応管(10)が間隔をあけて配置されている。多数の管の配列は、ランク配列、ファイル配列、ランク−ファイル配列、又は千鳥形配列であってよい。炉ハウジング(85)及びこれに関連する要素のその他特徴については、図2の反応器で説明したものと同様である。なお、図6では、図示の明瞭化のために、その他添加剤を1又は2以上の反応管へ供給するための導管(105)が示されていないが、反応器システムにそのような供給導管を設けてもよいことは理解されるであろう。また、図6には、バーナその他の熱源からの高温ガスを導入するポート(95)と、消費されたガスが燃焼室(90)から出て行くポート(100)も図示されていない。
【0044】
図6に示す反応器システム(150)を用いて石灰石から石灰を製造するプロセスの概要を、図7に示している。このプロセスでは、バーナ(155)は、2150°Fの燃焼ガスを、ライン(95)を通じて反応器システム(150)の燃焼室へ供給する。高温の生成物ガス(CO2)がライン(145)を経て採取され、相互に連通する一連の乾燥器及び供給用ホッパー(ブロックAで示される)へ送られるようになっており、石灰石はこの高温ガスと接触して乾燥と予熱が行われ、800°Fの温度で反応器システム(150)の供給室へ供給される。各管のスクリューコンベヤーの回転により、石灰石は供給室から各管の中を運ばれる。消費されたガスは、反応器システムからライン(100)を経て、コージェネレーション発電設備(ブロックBで示される)へ送られる。この発電設備は、蒸気ボイラー、蒸気駆動発生器、凝縮器、凝縮液再循環ポンプ及び導管を具えている。固体の石灰生成物は反応器システム(150)から排出され、排出用シュート(140)を通じて石灰冷却器(160)へ送られる。常温空気がライン(165)を経て、石灰冷却器(160)の中へ供給され、高温の石灰生成物を冷却する。加熱された空気は石灰冷却器(160)からライン(170)を経て送られる。冷却された石灰生成物は、ライン(185)を経て石灰貯蔵容器へ運ばれる。
【0045】
800°Fに予熱された石灰石が、反応器のスクリュー供給トラフの中へ供給される。石灰石は、図2と同様な反応器の中を、速度可変スクリューコンベヤーにより運ばれる。ブロワーにより、水柱約30インチの吐出し圧力で雰囲気空気が供給され、バーナへ入る前に、出口燃焼ガスと熱交換されて予熱される。天然ガスは、所望の入口ガス温度に設定された温度支持制御器(Temperature Indicating Controller; TIC)によって制御される。外殻の側部を6セクションに分割するレンガ隔壁により、燃焼ガスは管を横切って前後方向に通過し、燃焼空気予熱器を通じて大気へ吐き出される。反応器の生成物出口では、固体生成物は、アルミ箔の案内板(shroud)を通じて、スケールに載せられた容器の中へ落下する。管の副産物ガスは、動力流体として水酸化カリウムを用いて、ジェットエダクタを通して抜き出され、次に、充填カラムの二次スクラバの中でKOHで再び洗浄された後、大気へ放出される。
【0046】
スクリューコンベヤーは、厚さ1/4インチの成形性アルミナ(タイプAの成形可能耐火材シート;ジリカー・プロダクツ・インコーポレイテッド、フロリダ、ニューヨーク)で覆われている。スクリューコンベヤーは反応器の中へ配備され、約2min/revの速度で回転しながら、約1200°Fの温度に加熱される。スクリューは、次に、冷却され、ジルカー社のタイプALの硬質固化剤/硬化剤を数回塗布して塗り層が形成される。次に、反応器の中へ戻して、このサイクルをもう一度繰り返す。
【0047】
原料石灰石は20メッシュのスクリーンを通過させ、+20のもの(全体の約10〜20%)を廃棄する。但し、ふるいにかけられていない原料は、物理的又は化学的な違いが観察されたかどうかを調べるために、フェーズ5の最後の時間に供給される。
【0048】
試験1は、反応器内での温度と保持時間の曝露が比較的緩やかな条件下で、石灰石の解離(dissociation)を調べた。試験2は、反応器内で炭酸カルシウム(CaCO3)の解離が完全に起こる最も極端な条件の下で、石灰石の解離を調べた。試験1では、保持時間は4分/セクション(スクリューコンベヤーの1回転につき1分20秒)に設定し、この試験におけるフェーズ1−1については、入口温度を1950°に維持した。2時間の運転後、フェーズ1−2の入口温度を2060°に昇温した。これらの条件は、全ての石灰石の供給が終わるまで、約3時間以上維持し、これを試験1の終了とした。
【0049】
試験2のために、もっと大きなバッチの原料石灰石を調達した。試験2は、フェーズ2−1で始まり、試験1のフェーズ1−2で適用したものと略同じ条件で1時間運転した。スクリューコンベヤーの速度は、保持時間が6分/セクション(1回転につき2分)となるようにし、フェーズ2−2での入口温度は2050°に保持した。フェーズ2−3、2−4及び2−5の温度については、50°ずつ高くした。
【0050】
供給物及び生成物の試料全てについて、点火損失(Loss on Ignition;LOI)と、有効石灰%(Available Lime;A.L.)を調べた。
反応器管の長さに沿って試料を得ることはできなかったため、反応物質の時間変化を調べることができなかった。このため、アレニウスの式に基づく標準的な反応速度分析法は用いることができない。そこで、反応器内のCaCO3が全て分解するのに要した曝露時間及び温度を、他の種類の装置を用いたときに要した曝露時間及び温度と比較する比較法を用いた。
【0051】
この方法では、反応器の外殻面における燃焼ガスの温度プロフィールをプロットし、固体物質の温度はこの温度プロフィールに従うものと仮定している。また、固体物質が管内を通過する速度を設定してあるので、理論的解離温度である1648°を超えるのに要した時間を求めることができる。プロットすると三角形領域が形成され、底辺が1648°、高さが最高温度と1648°との差、斜辺がガス温度プロフィールである。三角形の面積は、「曝露ファクター(exposure factor)」として取り扱われ、生成物分析に関して、反応器内の曝露度を、得られた解離度と関連づけるのに用いられる。これは、温度プロフィールと保持時間の異なる組合せの比較、異なる原料間の比較等の基本となる。タイプが異なるキルンでの温度プロフィールと保持時間は、入手可能データから推定することができるので、この方法は、異なるタイプの装置を用いたときのプロセスでの比較にも用いることができる。
【0052】
両試験のデータは、他の実験室及び文献から推定される商業的解離についての比較曲線と共に、図8に示されている。本発明の反応器は、他のどの方法よりも遙かに少ない曝露条件下で、略完全な解離が達成されることを示している。この利点は、投資コストを低減できるだけでなく、最高品質の石灰生成物が確実に得られる点においても重要である。実験曲線が、約80%の解離を超えるところで崩れているのは、供給物質(下記を参照)中の不純物が非常に高いレベルになるためであり、その結果、高グレードの石灰石の完全解離は、より短い曝露条件で到達することになる。図9は、本発明の反応器が、石灰石の解離にかなり有効であることを示している。
【0053】
石灰産業では、石に含まれる不純物が生成物中の有効石灰成分を約4倍低下させるという経験則がある。CO2の損失は、固体相の不純物の割合の約2倍となり、不純物と石灰の反応により、利用できない形態のCaOも約2倍生成されるであろう。即ち、供給物に約12%の不純物が含まれている(試験1では8%、試験2では13%)と、解離した固体物質に約24%の不純物が含まれることになり、石灰−シリカの反応では、その約2倍の不純物が石灰生成物中に含まれ、供給原料から最大のものが得られるとき、約52%の有効石灰が残る。試験2のフェーズ2−5における生成物の平均有効石灰量は、51.3%であり、これは経験則と合理的な一致が認められる。
【0054】
本発明の望ましい実施例の説明により、当該分野の専門家であれば、前述の発明又は特許請求の範囲に規定された発明の範囲又は精神から逸脱することなく変形をなし得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体物質用スクリューコンベヤーが通る反応管の斜視図である。
【図2】 単一管がスクリュー駆動される反応器の側部断面図であって、反応管は添加剤供給用導管に連通している。
【図3】 剛性の中心駆動軸の上に、耐火材の螺旋羽根セクションを有するスクリューコンベヤーの斜視図である。
【図4】 中心駆動軸に配備された2つの耐火材製羽根セクションの拡大側面図である。
【図5】 耐火材の羽根セクションの端面図である。
【図6】 スクリュー駆動される多管反応器の横断面図である。
【図7】 石灰石から石灰を製造するのに用いられるスクリュー駆動される多管反応器の使用例を示す概略説明図である。
【図8】 実施例における石灰の解離度と曝露ファクターとの関係をプロットしたもので、従来のその他種類のキルンについて計算したものとの比較を示すグラフである。
Claims (24)
- 間接式加熱炉の反応器であって、
燃焼室、固体物質供給室及び生成物排出室を構成する炉ハウジングと、
燃焼室の中を通るように配備された反応管であって、先端は固体物質供給室に連通し、基端は生成物排出室に連通しており、燃焼室内の反応管を気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持され、セラミック耐火材から構築されている反応管と、
反応管の先端と基端との間を支持する少なくとも1つの反応管支持体と、
反応管の内部に外面を有するスクリューコンベヤーと、
スクリューコンベヤーを回転させる駆動装置と、
熱を燃焼室へ供給する熱源と、を具えている反応器。 - 間接式加熱炉の反応器であって、
燃焼室、固体物質供給室及び生成物排出室を構成する炉ハウジングと、
燃焼室の中を通るように配備された反応管であって、先端は固体物質供給室に連通し、基端は生成物排出室に連通しており、燃焼室内の反応管を気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持され、熱伝導率が1832°Fの温度で約38BTU/hr・°F・ft2/インチ以上の耐火材から構築されている反応管と、
反応管の先端と基端との間を支持する少なくとも1つの反応管支持体と、
反応管の内部に外面を有するスクリューコンベヤーと、
スクリューコンベヤーを回転させる駆動装置と、
熱を燃焼室へ供給する熱源と、を具えている反応器。 - スクリューコンベヤーの外面は、熱伝導率が1832°Fの温度で25BTU/hr・°F・ft2/インチよりも小さい第2耐熱材料から作られている請求項2の反応器。
- 反応管は、純度約99.5%以上のアルミナからなる請求項3の反応器。
- スクリューコンベヤーの外部はムライトからなる請求項4の反応器。
- 反応管の内部を、燃焼室の外部領域に連通する導管をさらに具えている請求項1の反応器。
- 間接式加熱炉の反応器であって、
燃焼室、固体物質供給室及び生成物排出室を構成する炉ハウジングと、
燃焼室の中を通るように配備された反応管であって、先端は固体物質供給室に連通し、基端は生成物排出室に連通しており、燃焼室内の反応管を気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持されている反応管と、
反応管の内部に外面を有するスクリューコンベヤーと、
スクリューコンベヤーを回転させる駆動装置と、
反応管の内部を、燃焼室の外部の領域に連通する導管と、
導管と連通し、凝集性と拡散抵抗性を有する元素イオウを生成する手段と、
熱を燃焼室へ供給する熱源と、を具えている反応器。 - 間接式加熱炉の反応器であって、
燃焼室、固体物質供給室及び生成物排出室を構成する炉ハウジングと、
燃焼室の中を通るように配備された反応管であって、先端は固体物質供給室に連通し、基端は生成物排出室に連通しており、燃焼室内の反応管を気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持されている反応管と、
反応管の内部に外面を有し、熱伝導率が1832°Fの温度で25BTU/hr・°F・ft2/インチよりも小さい耐熱材料から作られているスクリューコンベヤーと、
スクリューコンベヤーを回転させる駆動装置と、
反応管の内部を、燃焼室の外部の領域に連通する導管と、
導管に連通し、凝集性と拡散抵抗性を有する元素イオウを生成する手段と、
熱を燃焼室へ供給する熱源と、を具えている反応器。 - 反応管は、純度約99.7%以上のアルミナからなる請求項8の反応器。
- スクリューコンベヤーはムライトからなる請求項9の反応器。
- スクリューコンベヤーの少なくとも1螺旋の羽根は、固体物質供給室と生成物排出室の中に位置している請求項2の反応器。
- 固体反応物質から固体生成物を作る方法であって、
反応管は、耐火材から作られ、先端が固体物質供給室に隣接して該供給室に管の内部を連通し、基端が生成物排出室に隣接して該排出室に管の内部を連通しており、燃焼室内を管の外面に対して気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持されており、該反応管を配備し、
反応管の先端と基端との間を支持する少なくとも1つの反応管支持体を配備し、
管の内部の中で、鉱石、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属炭酸塩、金属酸化物、金属リン酸塩、金属硫化物及び金属硫酸塩からなる群から選択される固体反応物質を通過させ、
管の内部に配備されたスクリューコンベヤーを回転させることにより、管の内部の中で固体反応物質を移動させ、
管の外面を、固体反応物質の反応に必要な温度まで加熱し、固体反応物質が管の中を通過する間に、固体生成物を生成することを含んでいる方法。 - 固体反応物質は石灰石であり、固体生成物は石灰である請求項12の方法。
- 石膏から固体生成物を作る方法であって、
反応管は、先端が固体物質供給室に隣接して該供給室に管の内部を連通し、基端が生成物排出室に隣接して該排出室に管の内部を連通しており、燃焼室内を管の外面に対して気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持されており、該反応管の内部領域にCaSO4を通過させ、
管の内部に配備されたスクリューコンベヤーを回転させることにより、管の内部の中でCaSO4を移動させ、
反応管の外面を、約1832°F以上の温度まで加熱し、CaSO4が管の中を通過する間、凝集性と拡散抵抗性を有する元素イオウガスを、管の内部へ供給することを含んでいる方法。 - 管の外部は約2150°F以上の温度まで加熱される請求項13の方法。
- 耐火材の熱伝導率は、1832°Fの温度で約38BTU/hr・°F・ft2/インチ以上である請求項12の方法。
- 間接式加熱炉の反応器であって、
燃焼室、固体物質供給室及び生成物排出室を構成する炉ハウジングと、
互いに間隔をあけて配備され、各々が燃焼室の中を通るように配備された複数の反応管であって、先端は固体物質供給室に連通し、基端は生成物排出室に連通しており、燃焼室内の反応管を気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持され、セラミック耐火材から構築されている反応管と、
反応管の先端と基端との間で、各反応管を支持する少なくとも1つの反応管支持体と、
反応管の内部に外面を有し、反応管の各々に対するスクリューコンベヤーと、
反応管の各々に設けられ、スクリューコンベヤーを回転させる駆動装置と、
熱を燃焼室へ供給する熱源と、を具えている反応器。 - 間接加熱式で、全てがセラミックからなる炉の反応器であって、
燃焼室、固体物質供給室及び生成物排出室を構成する炉ハウジングと、
互いに間隔をあけて配備され、各々が燃焼室の中を通るように配備された複数の反応管であって、先端は固体物質供給室に連通し、基端は生成物排出室に連通しており、燃焼室内の反応管を気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持され、熱伝導率が1832°Fの温度で約38BTU/hr・°F・ft2/インチ以上の耐火材から構築されている反応管と、
反応管の先端と基端との間で、各反応管を支持する少なくとも1つの反応管支持体と、
反応管の内部に外面を有し、反応管の各々に対するスクリューコンベヤーと、
反応管の各々に設けられ、スクリューコンベヤーを回転させる駆動装置と、
熱を燃焼室へ供給する熱源と、を具えている反応器。 - スクリューコンベヤーの外部は、熱伝導率が1832°Fの温度で25BTU/hr・°F・ft2/インチよりも小さい第2耐熱材料から作られている請求項18の反応器
- 反応管はランク配列である請求項18の反応器。
- 反応管はファイル配列である請求項18の反応器。
- 反応管は、ランク配列とファイル配列の組合せである請求項18の反応器。
- 反応管は千鳥形配列である請求項18の反応器。
- 固体反応物質から固体生成物を作る方法であって、
反応管は、耐火セラミック材から作られ、先端は固体物質供給室に隣接して該供給室に管の内部を連通し、基端は生成物排出室に隣接して該排出室に管の内部を連通しており、燃焼室内を管の外面に対して気密にシールするために、先端と基端が炉ハウジングに支持されており、該反応管を互いに間隔をあけて配備し、
反応管の各々に対して、反応管の先端と基端との間を支持する少なくとも1つの反応管支持体を配備し、
反応管の内部の中で固体反応物質を通過させ、
反応管の内部に配備されたスクリューコンベヤーを回転させることにより、管の内部の中で固体反応物質を移動させ、
各反応管の外面を、固体反応物質の反応に必要な温度まで加熱し、固体反応物質が各管の中を通過する間に、固体生成物を生成することを含んでいる方法。
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