JP2014055097A - 金属硫化物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高純度な金属硫化物を、精製や溶媒の除去をすることなく製造する方法を提供する。
【解決手段】 水素および/または水蒸気の存在下、金属硫化物と硫化水素とを反応させる金属硫化物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池用イオン伝導性固体電解質、エンジニアリングプラスチックス、潤滑剤や化学薬品用の中間原料として有用な、高純度な金属硫化物の製造方法に関する。
近年、電池用イオン伝導性固体電解質、エンジニアリングプラスチックス、潤滑剤や化学薬品用の中間原料として、高純度の金属硫化物が求められている。中でも硫化リチウムは、特有の臭気のある白色粉末であり、ポリアリーレンスルフィド樹脂の重合用原料や、電池用イオン伝導性固体電解質の原料として用いられている。
硫化リチウムは、その潮解性により、天然鉱産物としては産出しないため、他のリチウム化合物から合成して得られる。従来は、硫酸リチウム、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムから製造する方法が知られている。
水酸化リチウムから硫化リチウムを製造する方法としては、固体の水酸化リチウムに硫化水素や硫黄蒸気といったガス状硫黄源を、130〜445℃以下の温度で反応させる方法(特許文献1)や、水酸化リチウムを水や有機溶媒に溶解し、硫化水素を吹き込んで反応させ水硫化リチウムを得た後、脱硫化水素する方法(特許文献2〜4)が知られている。
また、炭酸リチウムから硫化リチウムを製造する方法としては、炭酸リチウムと硫化水素とを450℃から700℃の温度で反応させる方法(特許文献5、6)が知られていた。
しかしながら、特許文献1、5、6のように固体の原料に硫化水素ガス等を反応させる方法では、電池材料で求められる高純度硫化リチウムは得られないという課題があった。
さらに、固体の平均粒子径が約10μm以下でないと十分に反応が完結しないことが多く、比較的細かい粒子の硫化リチウムしか得ることができなかった。粒子が細かいと取り扱いが困難で、また嵩密度が低くなるため装置に仕込める重量が相対的に低くなり、生産性が悪いという課題があった。また特許文献2、3のように有機溶媒で反応を行う場合は、有機溶媒由来の不純物が硫化リチウムに残存し、これを高純度化するために、大量の有機溶媒を用いて精製を行う必要があった。また、特許文献4のように、水中で反応を行う場合は、多大なエネルギーを使用して水を除去する必要があるなど必ずしも効率の良い方法ではなかった。
特開平09−278423号公報 特開平07−330312号公報 国際公開第2005/040039号パンフレット 特開2011−84438号公報 米国特許第4,126,666号明細書 特開2013−75816号公報
そこで、本発明の目的は、高純度な金属硫化物を、精製や溶媒の除去をすることなく効率良く製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するに当たり、鋭意検討の結果、水素および/または水蒸気の存在下、金属炭酸塩と硫化水素とを反応させることによって、精製や溶媒の除去をすることなく、効率良く高純度な金属硫化物が得られることを見出した。
本発明の金属硫化物の製造方法は、金属炭酸塩と硫化水素含有ガスとを気固反応させる方法において、水素および/または水蒸気を共存させる方法である。この方法により不純物の生成が抑制され、高純度の金属硫化物を得ることができる。すなわち、得られた金属硫化物に含まれる不純物である亜硫酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩の合計を1.0wt%以下に抑えることができる。高純度の金属硫化物が得られるため、特に精製等を必要とせず、経済的に有利である。特に、設備の腐蝕を軽減するため、雰囲気中の硫化水素濃度を低下させると、雰囲気の還元性が低下し、亜硫酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩等の不純物が増加することがあるが、水素および/または水蒸気を共存させることで、不純物の生成を抑制し、高純度な金属硫化物が得られる。
さらに、硫化水素中に炭酸ガス等の不純物が含まれていたとしても、水素および/または水蒸気を共存させることで、不純物の生成を抑制し、高純度な金属硫化物が得られるため、石油などの燃料油の水素化脱硫反応により得られる硫化水素を精製することなく使用することができ、経済的に有利である。
加えて、固定層反応では、固体成分が攪拌されないため、均一に反応が進行せず、反応条件がより過酷となりがちであり、結果不純物含量が増加することがあるが、雰囲気に水素および/または水蒸気を共存させることによって、不純物の生成が抑制され、高純度の金属硫化物が得られる。
水素および/または水蒸気を共存させることにより、反応速度が速くなる。短時間で反応が終了するため生産性が高くなる。また、低い温度で反応させることができ、エネルギーを節約することができる。さらに、装置の耐熱性を下げることができ、安価な装置で製造することができる。原料の平均粒子径が10μmを超える比較的大きな粒子であっても反応が完結するため、大きな粒子の金属硫化物が得られる。粒子の大きな金属硫化物は、飛散しづらく、静電気で装置の壁面に付着せず、取扱い易い。さらに、原料の金属炭酸塩が大きな粒子であると、嵩密度が高くなり、一定の容積の装置の中に、仕込める重量が多くなるため生産性が高くなる。
本発明の金属硫化物の製造方法では、固体の金属炭酸塩に気体を反応させる気固反応であり、溶媒を使用しないため、脱溶剤をする必要が無く、また、除いた溶媒等の廃液が発生しないため経済的に有利である。
本発明の金属硫化物の製造方法によれば、得られる金属硫化物は粉状で生成され、生成する金属硫化物が、原料の金属炭酸塩の形状をそのまま継承して反応容器から取り出せるので作業性が良い。
本発明の金属硫化物の製造方法を用いて得られた金属硫化物は、エンジニアリングプラスチックスの原料や、電池用のイオン伝導性固体電解質、潤滑剤、化学薬品の中間原料としても好適に用いることができる。
本発明の金属硫化物の製造方法を用いて得た金属硫化物は、高純度であるため、イオン伝導性固体電解質として用いた場合、イオン伝導度の高い固体電解質が得られるので好ましい。
以下に、本発明の金属硫化物の製造方法について詳細に記載する。
本発明の金属硫化物の製造方法では、水素および/または水蒸気の共存下、硫化水素と金属炭酸塩を反応させる。
本発明で用いられる硫化水素は、例えば、石油などの燃料油の水素化脱硫反応により得られる硫化水素を含むガスから分離・回収したものや、水素と硫黄蒸気とを加熱反応炉で反応させたもの、硫化鉄、硫化ナトリウムに無機酸を作用させたものなどが用いられる。
硫化水素は、ボンベから反応装置へ供給しても良いし、反応系内で発生させても良い。反応系内で発生させた発生期状態の硫化水素を用いると、反応が速やかに進行し好ましい。
硫化水素の分圧は、0.1%〜99%が好ましい。好ましくは、1%〜70%であり、さらに好ましくは3%〜40%である。0.1%以上であれば、短時間で反応が進行し、99%以下であれば、十分な分圧で水素や水蒸気を共存させることができ、反応速度向上、不純物低減といった所望の効果が得られる。
本発明で使用する硫化水素の純度は、80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。硫化水素の純度が80%以上であると、十分に反応が完結し、得られる金属硫化物中の不純物が少なく好ましい。
本発明において、金属炭酸塩に接触させる硫化水素の供給量は、金属炭酸塩の仕込量に対して0.5モル倍から8モル倍が好ましく、より好ましくは、0.8モル倍から6モル倍である。さらに好ましくは1.0モル倍〜4モル倍である。0.5モル倍以上であれば、高純度の金属硫化物が得られ、8モル倍以下であれば、反応時間が短く、かつ硫化水素のロスが少なくなり経済的である。
本発明において、硫化水素の供給速度は、金属炭酸塩1gに対して1分当たり4.0×10−6〜8.0×10−4モル(モル/分/金属炭酸塩1g)が好ましく、さらに好ましくは8.0×10−6〜4.0×10−4モル(モル/分/金属炭酸塩1g)である。硫化水素の供給速度が4.0×10−6以上であれば短時間で反応が完結し、8.0×10−4以下であれば、未反応のまま排気される硫化水素が少なくなり経済的である。
本発明で用いられる金属炭酸塩は、金属の炭酸塩である。具体的には、炭酸亜鉛、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸銀、炭酸コバルト(II)、炭酸水酸化ニッケル(II)、炭酸水素カリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸セシウム、炭酸セリウム(III)、炭酸銅(II)、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、炭酸ランタン、炭酸リチウムが挙げられる。なかでも、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、特に好ましくは、炭酸リチウム、炭酸ベリリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムが用いられ、更に好ましくは炭酸リチウムが用いられる。
金属炭酸塩の平均粒子径は、0.1μm〜1mmが好ましく、より好ましくは、1μm〜300μmである。さらに好ましくは20μm〜200μmである。平均粒子径が0.1μm以上であれば、表面積が大きいため反応速度が大きく好ましい。また、1mm以下であれば、飛散しづらく、静電気で装置の壁面に付着せず、取扱い易い。さらに、嵩密度が高くなり、一定の容積の装置の中に、仕込める重量が多くなるため生産性が高くなる。例えば、平均粒子径101μmの炭酸リチウムの嵩密度は0.85g/cmであるのに対し、平均粒子径2.4μmの炭酸リチウムの嵩密度は0.46g/cmである。同じ容積の反応装置に原料を仕込む場合、平均粒子径が101μmの炭酸リチウムは、平均粒子径2.4μmの炭酸リチウムに比べ約2倍量仕込むことができる。
本発明では、金属炭酸塩の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による体積頻度粒度分布測定により測定する。積算50%(D50)の粒径を平均粒子径とした。装置には例えば、マイクロトラックHRA(日機装(株)製)等を用いることができる。
金属炭酸塩は、硫化水素との反応に先立って乾燥を行っても良い。乾燥を行うと、得られる金属硫化物が塊状化することなく、また水硫化物の副生が抑制され好ましい。乾燥の終点は、雰囲気ガスの露天を計測することで行うことができる。
乾燥温度は100℃以上が好ましく、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは450℃から725℃である。温度が100℃以上であれば、十分に、水分が除去され好ましい。
乾燥時の雰囲気ガスは、水素や窒素または、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガスが好適に用いられる。中でも窒素、水素含有窒素は安価であり好ましい。乾燥時の雰囲気ガスは2種類以上用いても良い。
本発明では、水素および/または水蒸気が用いられ、水素単独、水蒸気単独であっても、水素および水蒸気の混合物であってもよい。本発明では、好ましくは、水素単独、あるいは、水素および水蒸気の混合物が用いられる。
本発明で用いられる水素は、例えば、水の電解、硫化水素の熱分解、メタン、ナフサ、メタノール、ジメチルエーテルおよび炭化水素などを原料にして、触媒上で水蒸気と反応させる水蒸気改質法、一酸化炭素と水を反応させ、生じた水素と二酸化炭素から、ガーボトール法により二酸化炭素を除去する水性ガスシフト反応等の方法で得たものを用いることができる。水素は、ボンベから反応装置へ供給しても良いし、硫化水素を熱分解させ反応系内で発生させても良い。反応系内で発生させた発生期状態の水素を用いると、反応が速やかに進行し、かつ不純物の生成が抑制され好ましい。
本発明で使用する水素の純度は、80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。水素の純度が80%以上であれば、十分に反応が完結し、得られる金属硫化物中に含まれる不純物が少なくなり好ましい。
本発明において、金属炭酸塩に接触させる水素の分圧は、0.1%から99%が好ましく、より好ましくは0.5%から90%である。0.1%以上であれば反応促進、不純物低減の効果が得られ、99%以下であれば十分な濃度で硫化水素ガスと共存させられる。
本発明における水蒸気は、例えば、水素や硫化水素、不活性ガスなどからなる雰囲気ガスを、水を通して供給することで、系内に導入することができる。水蒸気の分圧は、0.1%から反応温度の飽和水蒸気量が好ましい。0.1%以上であれば反応促進、不純物低減の効果が得られる。水蒸気は、金属炭酸塩と硫化水素とを反応させ、反応系内で発生させても良い。
水素および/または水蒸気は、適切な分圧になるように不活性ガスと混合し供給しても良い。
本発明では、不活性ガスは、好ましくは、窒素やヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の希ガスが用いられる。中でも窒素が、コストの面で好ましい。不活性ガスは2種類以上用いても良い。
水素を不活性ガスと混合して供給する場合、不活性ガス中に含まれる水素の分圧としては、0.1%〜99%が好ましく。より好ましくは、0.5%〜90%、さらに好ましくは1%〜80%である。0.1%以上であれば反応促進、不純物低減の効果が得られ、99%以下であれば十分な濃度で硫化水素ガスと共存させられる。
水蒸気を不活性ガスと混合して供給する場合、不活性ガス中に含まれる水蒸気の分圧としては、0.1%から反応温度の飽和水蒸気量までが好ましい。0.1%以上であれば反応促進、不純物低減の効果が得られる。
水素および/または水蒸気の存在下、金属炭酸塩と硫化水素とを反応させる際の温度は、450℃〜725℃が好ましい。より好ましくは475〜700℃である。さらに好ましくは500℃〜675℃である。温度が450℃以上であれば、十分に反応が進行し、725℃以下であれば、原料の金属炭酸塩が融解し、粒子が固着することが無く好ましい。
本発明では、精製や溶媒の除去をすることなく高純度な金属硫化物を得るという目的を達成しうる限り、その他のガスを共存させても良い。その他のガスには、還元性ガスを用いると金属硫化物中に含まれる不純物が低減し好ましい。例えば、一酸化炭素、メタン及び他の気体状アルカンが挙げられる。
本発明における金属硫化物の製造方法は、好ましくは、気固反応で行う。気固反応の反応装置は、好ましくは、固定層、移動層、転動層、流動層、気流層のいずれかを有する。
固定層は、原料の固体成分を反応装置に充填し、原料ガスを連続的に供給し反応させる装置である。固定層には、軸方向流式、ラジアルフロー式、パラレルフロー式などが用いられる。固定層反応器の伝熱方式としては、断熱式、多段断熱式、自己熱交換式、多管熱交換式が好適に用いられる。装置としては、固定炉、プッシャーキルン、メッシュベルトキルン、ローラーハースキルンなどが挙げられる。
移動層は、連続的に塔頂から金属炭酸塩粒子を供給し緩やかに降下させ、向流または並流で気体を接触させて反応する反応装置形態である。装置としては、立型移動層、十字流式縦型移動層などが挙げられる。立型移動層は、金属精錬、セメント製造、石炭ガス化などに、十字流式縦型移動層は排ガス処理にそれぞれ応用されている。
転動層は、金属炭酸塩粒子を充填した容器や格子を運動させることで、金属炭酸塩を転動させ、気体と接触させて反応する反応装置形態である。装置としては、摺動グレート、ロータリーキルンなどが挙げられる。摺動グレートおよびロータリーキルンは、セメント製造、金属精錬、熱分解などにそれぞれ応用されている。
流動層は、上向きに気体を噴出させることによって、金属炭酸塩粒子を気体中に懸濁浮遊させた状態で、気体と接触させて反応させる反応装置形態である。固体粒子に働く気体の力と重力とがつりあい、全体が均一な流体のように挙動する。反応装置としては、気泡流動層、噴流層、高速流動層などが挙げられる。気泡流動層は、石炭燃焼、ごみ処理、粒子合成、熱分解に、噴流層は、コーティング、粒子合成などに応用されている。
気流層は、比表面積を大きくした金属酸化物を、気体と均一に混合し、両者をほぼ同一速度で反応雰囲気を通過させる反応装置形態である。気流層は、微粉炭燃焼、気相合成、石炭ガス化などに応用されている。
本発明における気固反応の反応装置は、移動層、転動層、流動層、気流層が2種類以上複合させた形態としてもよい。
気固反応の反応装置は、固定層、転動層を有する反応装置が好ましい。気体の供給速度や金属炭酸塩粒子の運動状態を、金属炭酸塩粒子の比重や粒子径等に左右されること無く自由に設定することができ、かつ連続的に反応を行うことが可能で、さらには粒子が固着することが無く好ましい。本発明における気固反応の反応装置は、固定炉、プッシャーキルン、ローラーハースキルン、ロータリーキルンがさらに好適に用いられる。
本発明の金属硫化物の製造方法では、反応は大気圧下で行っても良いし、高圧下で行っても良い。
本発明の金属硫化物の製造方法により、得られた金属硫化物は、粒子を均一化させる目的で、破砕処理を行っても良い。破砕処理に用いる装置は、一般的な装置を用いることができる。具体的には、ビーズミル、ボールミル、高速回転式ミル、ジェットミル等である。破砕処理によって得られる粒子の平均粒子径は、0.1μm〜1mmが好ましく、より好ましくは、1μm〜300μmである。さらに好ましくは20μm〜200μmである。平均粒子径が0.1μm以上であれば、表面積が大きいため反応速度が大きく好ましい。また、1mm以下であれば、飛散しづらく、静電気で装置の壁面に付着せず、取扱い易い。さらに、嵩密度が高くなり、一定の容積の装置の中に、仕込める重量が多くなるため生産性が高くなる。
本発明の金属硫化物の製造方法により得られる金属硫化物のうち、硫化リチウムは、リチウムイオン二次電池の固体電解質の原料として好適に用いられる。
本発明の固体電解質の製造方法は、水素および/または水蒸気の存在下、金属炭酸塩と硫化水素とを反応させて金属硫化物を得、次いで、得られた金属硫化物と、硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種又は2種以上の硫化物とを反応させる固体電解質の製造方法である。本発明の固体電解質の製造方法では、好ましくは、金属硫化物は、硫化リチウムである。
本発明の金属硫化物の製造方法により得られる固体電解質は、LiS−P、LiS−SiS、LiS−GeS、LiS−Ga、LiS−B、LiS−Al等が挙げられる。
本発明の固体電解質の製造方法において、金属硫化物と、硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種又は2種以上の硫化物とを反応させる方法としては、例えば、金属硫化物と、硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種又は2種以上の硫化物とをメカニカルミリングによりガラス化した後、得られるガラスをガラス転移以上で加熱処理する方法が挙げられる。
ガラス化工程は、所定量の金属硫化物と、所定量の硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種又は2種以上の硫化物とを、遊星ボールミル等の機械的手段を用いて、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下でメカニカルミリングする。メカニカルミリングを行う機器としては、例えば、ビーズミル、遊星型ボールミル、振動ミル等の粉砕機器等が挙げられる。メカニカルミリングの回転速度及び回転時間をコントロールすることで、より微細で均質なガラス粉末を調製することができるが、装置の種類や原料の種類或いは使用用途に応じて適切な条件を適宜選択してメカニカルミリングを行うことが好ましい。
加熱処理工程では、得られたガラスをそのガラス転移温度以上で加熱処理する。この加熱処理により、ガラス化工程のみを行ったものに比べて、例えば、リチウムイオン伝導性を向上させることができる。加熱処理工程での加熱温度は、用いる原料の種類や配合量により異なるが、例えば、LiS−Pの組成の固体電解質を得る場合は、200℃以上、好ましくは230〜400℃である。また、加熱時間は、1時間以上、好ましくは3〜12時間である。また、固体電解質の酸化による、リチウムイオン伝導性の低下を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気又は真空下で加熱を行うことが好ましい。
前記固体電解質の製造方法において、目的とする固体電解質の組成に合わせて、金属硫化物と、硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種又は2種以上の硫化物との配合割合を適宜選択する。例えば、固体電解質として、硫化リチウムと五硫化リンからLiS−Pの組成のものを得る場合には、硫化リチウム1モルに対する五硫化リンの配合量は、0.1〜0.7モル、好ましくは0.25〜0.5モルである。
本発明の固体電解質の製造方法により固体電解質を得た後、必要により、固体電解質を粉砕して、或いはシート状に成形し、例えば、少なくとも正極と負極と固体電解質から構成される全固体リチウム電池の固体電解質、あるいは、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含有する非水の有機電解液からなるリチウム二次電池において、正極材或いは負極に使用するリチウム金属又はリチウム合金の被覆材として好適に使用することができる。
以下、実施例により具体的に説明する。なお、各例において得られる金属硫化物の分析値は、次の方法により測定した。
イオンクロマトグラフィー測定
装置:ICS−2000(日本ダイオネクス(株)製)
カラム:IonPac AG-11-HC / IonPac AS11-HC
溶離液:下記のKOHグラジエントを用いた。なお、カーブとはグラジエントの濃度変化のパターンであり、カーブ5は直線的に濃度が変化するパターンである。
Figure 2014055097
流量:1.25mL/min
サプレッサ:ASRS−300(130mA/リサイクル)
カラム温度:30℃
導入量:25μL
測定方法
37%ホルマリン液を超純水で1%に希釈後、超音波洗浄機とアスピレーターを用いて10分間脱気することで、1%ホルマリン水溶液を得た。サンプル約0.1gを精秤し、1%ホルマリン溶液で100mlにメスアップした。サンプルは調整後、直ちに測定した。
実施例、比較例に記載の転化率とは、イオンクロマトグラフィーにて生成物中の炭酸イオンを定量して、炭酸リチウム換算し、試料全体に対する重量割合を求め、100から引いた値を示す。
固体電解質の導電率測定
固体電解質の約80mgを集電体(SUS製)で挟んだ後、20MPaで5分間プレス成型した。当該成型体を測定サンプルとし、交流インピーダンス測定を行った。交流インピーダンス測定にはインピーダンスアナライザー(SI1260、Solartron製)を用い、1MHz〜0.01Hzまで測定した。
全固体電池の充放電特性測定
正極にはコバルト酸リチウム、負極にはインジウム箔を用いた。まず、コバルト酸リチウムとガラスセラミックスを7:3(重量比)で乳鉢に計りとり、乳棒で軽く混合することで正極合材を得た。固体電解質ガラスセラミックスを油圧ジャッキで成型し、片面に正極合材を加え、油圧ジャッキを用いて20MPa、5分間プレスした。正極合材を加えていない面に、インジウム箔を貼り付け、14MPa、2分間プレスすることで、全固体電池を得た。充放電特性は、25℃にて、電流密度0.064mAcm−2、電圧はインジウムに対して2.4/3.6Vとし、10回充放電することで、充放電容量とサイクル効率を評価した。
(実施例1)
内径21mm、長さ500mmの石英ガラス管の中央部に、直径2mmの孔を9箇所あけた目皿を取り付けた反応器に、ガラスウールを詰め、炭酸リチウム(高純度炭酸リチウム PLC−4N,パシフィックリチウム株式会社製、平均粒子径101μm)を2.03g充填した。反応器の上部と下部には、ガスの供給管・排気管が取り付けられており、また、熱電対が目皿付近まで到達するように保護管が取り付けられている。すなわち固定層反応である。反応器下部のガス供給管から、3%水素含有窒素ガス(ジャパンファインプロダクツ株式会社製)を50ml/min導入し、外部加熱により625℃まで加熱した。625℃になったことを確認した後、硫化水素ガス(ジャパンファインプロダクツ株式会社製)を供給速度2ml/minで、3%水素含有窒素ガスに同伴させて供給し、雰囲気ガスを流しながら5時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却することで、白色塊状の硫化リチウム1.59gを得た。X線回折を測定したところ、硫化リチウムのピークのみが得られ、生成物が硫化リチウムであることを確認した。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.4wt%、硫酸リチウム0.3wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.9wt%であった。
(実施例2)
実施例1において、反応温度を625℃から600℃に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.39gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は81%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.4wt%、硫酸リチウム0.2wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.7wt%であった。
(実施例3)
実施例1において、炭酸リチウムの仕込量を2.03gから3.96gに、反応時間を5時間から10時間に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム2.25gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.4wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.6wt%であった。
(実施例4)
実施例1において、炭酸リチウムの仕込量を2.03gから5.97gに、反応時間を5時間から15時間に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム3.59gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は91%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.3wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.5wt%であった。
(実施例5)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.05gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.3wt%、硫酸リチウム0.3wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.7wt%であった。
(実施例6)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に、雰囲気ガスの供給速度を50ml/minから25ml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.14gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は98%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.2wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.5wt%であった。
(実施例7)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に、雰囲気ガスの供給速度を50ml/minから25ml/minに、反応時間を5時間から7.5時間に、硫化水素供給量を1.0mol倍/炭酸リチウムから1.5mol倍/炭酸リチウムに変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.22gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.4wt%であった。
(実施例8)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に、雰囲気ガスの供給速度を50ml/minから25ml/minに、反応温度を625℃から650℃に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.07gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は94%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.0wt%で、合計0.3wt%であった。
(実施例9)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に、雰囲気ガスの供給速度を50ml/minから25ml/minに、反応温度を625℃から650℃に、さらに硫化水素供給量を1.0mol倍/炭酸リチウムから2.0mol倍/炭酸リチウムに、さらに反応時間を5時間から10時間に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.11gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は99%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.4wt%であった。
(実施例10)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に、雰囲気ガスの供給速度を50ml/minから25ml/minに、反応温度を625℃から650℃に、硫化水素供給量を1.0mol倍/炭酸リチウムから3.0mol倍/炭酸リチウムに、さらに反応時間を5時間から15時間に更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.12gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.4wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.7wt%であった。
(実施例11)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から5%水素含有窒素に、雰囲気ガスの供給速度を50ml/minから25ml/minに、反応温度を625℃から675℃に、硫化水素供給量を1.0mol倍/炭酸リチウムから2.0mol倍/炭酸リチウムに、さらに反応時間を5時間から10時間に更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.15gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は95%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.2wt%、硫酸リチウム0.2wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.5wt%であった。
(実施例12)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から10%水素含有窒素に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.65gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は72%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.1wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.3wt%であった。
(実施例13)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から10%水素含有窒素に、反応温度を625℃から650℃に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウ1.60gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は72%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.3wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.5wt%であった。
(実施例14)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から10%水素含有窒素に、硫化水素の供給量を1.0モル倍/炭酸リチウムから1.5モル倍/炭酸リチウムに、さらに反応時間を5時間から7.5時間に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.28gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は83%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.3wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.5wt%であった。
(実施例15)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から10%水素含有窒素に、反応温度を625℃から600℃に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウ1.43gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は80%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.3wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計0.5wt%であった。
(実施例16)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から4%水蒸気含有窒素に、反応温度を625℃から600℃に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.83gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は69%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.5wt%、硫酸リチウム0.3wt%、チオ硫酸リチウム0.2wt%で、合計1.0wt%であった。
(比較例1)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から窒素に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.29gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム1.5wt%、硫酸リチウム1.3wt%、チオ硫酸リチウム0.3wt%で、合計3.1wt%であった。
(比較例2)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から窒素に、反応温度を625℃から600℃変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.78gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は55%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム0.8wt%、硫酸リチウム0.1wt%、チオ硫酸リチウム0.3wt%で、合計1.2wt%であった。
(比較例3)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から窒素に、反応温度を625℃から650℃に変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.28gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム4.0wt%、硫酸リチウム1.2wt%、チオ硫酸リチウム0.7wt%で、合計5.9wt%であった。
(比較例4)
実施例1において、雰囲気ガスを3%水素含有窒素から窒素に、反応温度を625℃から650℃に、仕込み量を2gから3gに変更した以外は、実施例1と同様に反応させることにより、硫化リチウム1.99gを得た。得られた硫化リチウムの転化率は100%、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム2.6wt%、硫酸リチウム0.4wt%、チオ硫酸リチウム0.7wt%で、合計3.7wt%であった。
(比較例5)
当該製造方法以外の方法で製造された試薬(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)の硫化リチウムについて、イオンクロマトグラフィーで測定した不純物含量は、それぞれ亜硫酸リチウム1.2wt%、硫酸リチウム0.2wt%、チオ硫酸リチウム0.1wt%で、合計1.5wt%であった。
実施例、比較例の実験条件と、品質の一覧を表にまとめた。
Figure 2014055097
Figure 2014055097
Figure 2014055097
(実施例17)
実施例3において製造した硫化リチウム0.4526g(80mol%)と、五硫化二リン(Aldrich社製)0.5474g(20mol%)を容量45mlのジルコニア製ポットに秤量した。さらに4φのジルコニア製ボールを加え、遊星型ボールミルを用い500rpmにて、10時間処理し固体電解質を得た。得られた固体電解質を用いて導電率測定を行った結果、導電率は2.3×10−4(S/cm)であった。
(比較例6)
実施例1において製造した硫化リチウムに代えて、当該製造方法以外の方法で製造された試薬(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)の硫化リチウムを用いたこと以外は、実施例17と同じ方法を用いることにより、固体電解質を得た。得られた固体電解質を用いて導電率測定を行った結果、導電率は1.4×10−4(S/cm)であった。
固体電解質のイオン導電率を表5に示す。
Figure 2014055097
(参考例)
得られた固体電解質を用いて全固体電池を作製し、充放電特性を評価した。正極にはコバルト酸リチウム、負極にはインジウム箔を用いた。まず、コバルト酸リチウムとガラスセラミックスを7:3(重量比)で乳鉢に計りとり、乳棒で軽く混合することで正極合材を得た。実施例17で得られた固体電解質を245℃で1時間熱処理を行った。熱処理を行った固体電解質を集電体(SUS製)で挟み、20MPa、5分間プレスすることで成型した。片面に正極合材を加え、油圧ジャッキを用いて20MPa、5分間プレスした。正極合材を加えていない面に、インジウム箔を貼り付け、14MPa、2分間プレスすることで、全固体電池を得た。得られた全固体電池を用いて充放電特性を10サイクル測定した。1回目の充電容量は121mAhg−1、放電容量は約100mAhg−1であった。放電容量に対する充電容量の商の百分率であるサイクル効率は、10サイクル目で97.4%と充放電特性は良好であった。各サイクルの充放電容量とサイクル効率を表6に示す。
Figure 2014055097

Claims (5)

  1. 水素および/または水蒸気の存在下、金属炭酸塩と硫化水素とを反応させる金属硫化物の製造方法。
  2. 反応温度が450〜725℃である請求項1に記載の金属硫化物の製造方法。
  3. 金属炭酸塩が、炭酸リチウム、炭酸ベリリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムである請求項1または2に記載の金属硫化物の製造方法。
  4. 金属炭酸塩が、炭酸リチウムである請求項1または2に記載の金属硫化物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属硫化物の製造方法により、金属硫化物を得、次いで、得られた金属硫化物と、硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種または2種以上の硫化物とを反応させる固体電解質の製造方法
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