JP2022056392A - コバルト回収方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業効率を向上させることができると共に、環境に優しいコバルト回収方法を提供する。【解決手段】リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、該リチウムイオン電池から分離されたグラファイトとを混合した混合材料Sに対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料Sを加熱してなる。そして、混合材料Sを加熱するにあたって、混合材料Sに対し、空気雰囲気下でマイクロ波を照射し、さらに、電気炉よりも短い時間、混合材料Sに対し、マイクロ波を照射してなる。そしてさらに、混合材料Sを加熱するにあたって、混合材料Sに対し、空気雰囲気下でマイクロ波を照射し、さらに、電気炉よりも低い温度で、混合材料Sに対し、マイクロ波を照射してなる。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、リチウムイオン電池からコバルトを回収することができるコバルト回収方法及びその装置に関する。
リチウムイオン電池は、近年、小型化あるいは軽量化が進むモバイルコンピュータや携帯電話等の電子機器用の電池として注目され、その需要および消費は飛躍的に増加している。このため、市場で流通された使用済みのリチウムイオン電池(廃リチウムイオン電池)や電池製造メーカにおける製造不良品に含まれる正極活物質から、有価金属であるコバルトを回収することは、資源の有効利用の観点から極めて重要である。なお、リチウムイオン電池は、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用い、負極活物質としてグラファイト(炭素)を用い、それぞれの極板を何層かに積み重ねた構造を有している。
ところで、上記のようなリチウムイオン電池からコバルトを回収するにあたっては、例えば、特許文献1に記載のようなものが知られている。この特許文献1に記載のコバルト回収方法は、コバルト酸リチウムを硝酸などの溶液によって溶解し、所望の成分を沈殿ろ過することによりコバルトを回収するというものである。
特開平11-054159号公報
しかしながら、上記のようなコバルト回収方法は、浸出と回収の2つの工程を踏むため、作業が複雑化し、さらには、作業に時間がかかってしまうことから、作業が煩雑になるという問題があった。そしてさらには、上記のようなコバルト回収方法は、硝酸などの溶液を大量に使用するため、環境汚染の問題が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、作業効率を向上させることができると共に、環境に優しいコバルト回収方法及びその装置を提供することを目的としている。
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に係るコバルト回収方法は、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とを混合した混合材料(S)に対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料(S)を加熱してなることを特徴としている。
また、請求項2に係るコバルト回収方法は、上記請求項1に記載のコバルト回収方法において、前記混合材料(S)を加熱するにあたって、前記混合材料(S)に対し、空気雰囲気下でマイクロ波を照射し、さらに、電気炉による加熱時間よりも短い時間、前記混合材料(S)に対し、マイクロ波を照射してなることを特徴としている。
さらに、請求項3に係るコバルト回収方法は、上記請求項1又は2に記載のコバルト回収方法において、前記混合材料(S)を加熱するにあたって、前記混合材料(S)に対し、空気雰囲気下でマイクロ波を照射し、さらに、電気炉による加熱よりも低い温度になるように、前記混合材料(S)に対し、マイクロ波を照射してなることを特徴としている。
またさらに、請求項4に係るコバルト回収方法は、上記請求項1~3の何れか1項に記載のコバルト回収方法において、前記炭素は、前記リチウムイオン電池から分離されたグラファイトであることを特徴としている。
一方、請求項5に係るコバルト回収装置は、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とが混合された混合材料(S)を収容可能な収容部(タンマン管3)と、
前記収容部(タンマン管3)に対して、マイクロ波を所定時間照射可能なマイクロ波照射手段(マイクロ波発振器6)と、を有してなることを特徴としている。
また、請求項6に係るコバルト回収装置は、上記請求項5に記載のコバルト回収装置において、前記炭素は、前記リチウムイオン電池から分離されたグラファイトであることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素を混合し、その混合した混合材料(S)に対して、マイクロ波を照射するだけで良いため、従来に比べ、明らかに、作業効率が向上することとなる。また、請求項1に係る発明によれば、リチウムイオン電池に含まれるコバルト酸リチウムと、炭素とを利用していることから、従来のように、硝酸などの溶液を大量に使用することがないため、環境に優しいコバルト回収方法を提供することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、電気炉を用いた加熱に比べ、短時間で、しかも、空気雰囲気下で、コバルトを生成することができる。そのため、マイクロ波による加熱であれば、アルゴン雰囲気下等、空気雰囲気にしないための追加装置が不要となり、もって、作業効率をより向上させることができると共に、環境により優しいコバルト回収方法を提供することができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、電気炉を用いた加熱に比べ、低温で、しかも、空気雰囲気下で、コバルトを生成できることができる。そのため、マイクロ波による加熱であれば、コバルトブルー(CoAl)の生成を回避できることとなり、もって、コバルトを安定して回収することができる。
またさらに、請求項4に係る発明によれば、炭素が、リチウムイオン電池から分離されたグラファイトであるから、新たな炭素材料が不要となり、もって、環境により優しいコバルト回収方法を提供することができる。
一方、請求項5に係る発明によれば、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とを混合し、その混合した混合材料(S)が収容されている収容部(タンマン管3)に対して、マイクロ波照射手段(マイクロ波発振器6)を用いてマイクロ波を照射するだけで良いため、従来に比べ、明らかに、作業効率が向上することとなる。また、請求項5に係る発明によれば、リチウムイオン電池に含まれるコバルト酸リチウムと、炭素とを利用していることから、従来のように、硝酸などの溶液を大量に使用することがないため、環境に優しいコバルト回収装置を提供することができる。
また、請求項6に係る発明によれば、炭素が、リチウムイオン電池から分離されたグラファイトであるから、新たな炭素材料が不要となり、もって、環境により優しいコバルト回収装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るコバルト回収装置を示す一部断面正面図である。 リチウムイオン電池における組成でのマイクロ波加熱によるXRD測定結果を示す図である。 リチウムイオン電池における組成での電気炉加熱によるXRD測定結果を示す図である。 リチウムイオン電池における組成での電気炉加熱によるXRD測定結果を示す図である。 コバルトブルー(CoAl)が生成された状態を示す写真図である。
以下、本発明に係るコバルト回収方法を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
本実施形態に係るコバルト回収方法は、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とを混合した混合材料に対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料を加熱するというものである。これにより、作業効率を向上させることができると共に、環境に優しいコバルト回収方法を提供するようにしている。なお、この炭素は、リチウムイオン電池から分離されたグラファイトに限らず、カーボンブラックなど、共有結合を有しマイクロ波によって加熱することができるものである。
より具体的に説明すると、リチウムイオン電池は、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用い、負極活物質としてグラファイトを用い、それぞれの極板を何層かに積み重ねた構造を有している。
そして、このようなリチウムイオン電池から、コバルトを回収するにあたっては、次のような前処理が行われる。まず、安全性を確保するため、リチウムイオン電池から、残留電荷を効率よく強制放電させる。そしてその後、シェル破壊装置を使用して、リチウムイオン電池を、プラスチック、金属シェル、正極板、負極板、セパレーターに分解する。次いで、周知の機械的方法を用いて、リチウムイオン電池の正極活物質であるコバルト酸リチウムと、リチウムイオン電池の負極活物質であるグラファイトとを、アルミニウム板と銅板から分離する。より詳しく説明すると、機械的方法は、粉砕と分離という2つの段階を踏んでいる。しかして、シェル破壊装置を使用して分解された電極材が適当な粒度に切断され粉砕されると、さまざまな材料が互いに遊離される。その後、材料は粒子サイズ、形状、導電率、磁性などの特性の違いにより互いに分離される。これにより、リチウムイオン電池からコバルト酸リチウムと、グラファイトとを分離することができる。
かくして、上記のような前処理が行われることにより、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムから、コバルトを回収することとなる。この際、従来においては、コバルト酸リチウムを硝酸などの溶液によって溶解し、所望の成分を沈殿ろ過することによりコバルトを回収するようにしていた。しかしながら、この方法は、浸出と回収の2つの工程を踏むため、作業が複雑化し、さらには、作業に時間がかかってしまうことから、作業が煩雑になるという問題があった。そしてさらには、硝酸などの溶液を大量に使用するため、環境汚染の問題が発生するという問題があった。
そこで、本実施形態においては、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とを混合した混合材料に対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料を加熱するようにしている。このようにすれば、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とを混合し、その混合した混合材料に対して、マイクロ波を照射するだけで良いため、従来に比べ、明らかに、作業効率が向上することとなる。また、リチウムイオン電池に含まれるコバルト酸リチウムと、炭素とを利用していることから、従来のように、硝酸などの溶液を大量に使用することがないため、環境に優しいコバルト回収方法を提供することができる。また、この炭素として、リチウムイオン電池から分離されたグラファイトを用いるようにすれば、新たな炭素材料が不要となり、もって、環境により優しいコバルト回収方法を提供することができる。
ここで、本発明者らは、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素(リチウムイオン電池から分離されたグラファイトを含む)とを混合した混合材料に対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料を加熱することによって、コバルトを回収できることを証明するため、以下の実験を行った。
<実験装置>
図1に示すように、実験装置であるコバルト回収装置1は、球形のチャンバにて形成されているマイクロ波炉2内に、混合材料Sが設けられている。この混合材料Sは、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、該リチウムイオン電池から分離されたグラファイト(炭素)とを混合した混合材料である。具体的には、リチウムイオン電池における組成に基づき、コバルト酸リチウムとグラファイトとが、4:18.3のモル比となるように、1.0gのコバルト酸リチウムと、0.561gのグラファイトとを混合しているものである。
しかして、このような混合材料Sは、図1に示すように、タンマン管3内に収容され、そして、そのタンマン管3は、特殊耐火レンガ4にて支持されている。この特殊耐火レンガ4は、図1に示すように、矩形状に形成され、底面4aが、マイクロ波炉2内に密接することによって、マイクロ波炉2内に載置される。そして、この特殊耐火レンガ4の上面4bには、略中央部に凹孔4cが設けられており、この凹孔4c内に、混合材料Sが収容されたタンマン管3が挿入される。これにより、タンマン管3は、特殊耐火レンガ4にて支持されることとなり、もって、マイクロ波炉2内に、混合材料Sが設けられることとなる。
かくして、このように混合材料Sが設けられたマイクロ波炉2内には、マイクロ波が照射されることとなる。具体的に説明すると、図1に示すように、マイクロ波炉2の右側面中央部側には略L字状の導波管5の一端部5aが接続されており、この導波管5の他端部5bには、マイクロ波発振器6が接続されている。しかして、このマイクロ波発振器6よりマイクロ波が発振されると、この発振されたマイクロ波が、導波管5を通って、マイクロ波炉2内に照射されることとなる。なお、このマイクロ波発振器6は、図1に示す制御装置7にて制御されることとなる。
かくして、本発明者らは、このように構成されるコバルト回収装置1を用いて、以下の実験を行った。
<実験>
本発明者らは、マイクロ波炉2内を空気雰囲気下にし、制御装置7にてマイクロ波発振器6を制御し、5.0kWのマイクロ波を発振させた。これにより、マイクロ波発振器6より発振された5.0kWのマイクロ波が、導波管5を通って、マイクロ波炉2内に照射され、もって、混合材料Sが加熱される。そして、このように加熱された混合材料Sを、X線回析装置XRD(X-Ray diffraction)Rigaku Ultimate-IVを用いて解析を行った。この解析結果が、図2に示すものである。
この図2によれば、加熱開始から30秒でコバルト(Co)が生成され、2分でコバルト酸リチウム(LiCoO)のピークが見られなくなり、グラファイト(C)とコバルト(Co)のみが確認され、もって、コバルト(Co)を回収することができた。
しかして、この実験結果から、リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、該リチウムイオン電池から分離されたグラファイト(炭素)とを混合した混合材料に対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料を加熱することによって、短時間でコバルトを回収できることが証明された。
また、上記の方法を用いれば、コバルト酸リチウム(LiCoO)から、不純物(例えば、リチウムLi等)を有さないコバルト(Co)を回収できることが証明された。
ところで、コバルト回収装置1は、マイクロ波炉2内の温度を、計測装置(図示せず)を用いて計測できるようになっている。この計測装置(図示せず)を用いて計測した加熱開始から30秒、1分、2分のマイクロ波炉2内の最高温度は、以下の表1に示すものである。また、加熱開始から30秒、1分、2分におけるコバルト(Co)の回収率は、以下の表1に示すものである。
Figure 2022056392000002
ところで、コバルト(Co)の回収率は、以下のように算出することができる。すなわち、まず、コバルト酸リチウム(LiCoO)に含まれるコバルト(Co)の重量含有率は、以下の式で求めることができる。
Figure 2022056392000003
以上のことから、1.0gのコバルト酸リチウム(LiCoO)には、コバルト(Co)が、0.602g含まれていることが分かる。そこで、以下の数式のように加熱後に回収できたコバルト(Co)の質量をこの値で割ることで回収率を求めることができる。
Figure 2022056392000004
しかして、このようにして、表1に示す加熱開始から30秒、1分、2分におけるコバルト(Co)の回収率が求められることとなる。
<比較実験>
次に、本発明者らは、上記の特性がマイクロ波特有のものなのか否かを調べるべく、電気炉を用いた実験を行った。電気炉を用いたのは、「J. Li, G. Wang and Z. Xu, ”Environmentally-friendly oxygen-free roasting/wetmagnetic separation technology for in situ recycling cobalt, lithium carbonate and graphite from spent LiCoO2/graphite lithium batteries,” Journal of Hazardous Materials,Vol. 302, pp. 97-104, 2016.」という論文に、窒素雰囲気下で、コバルト(Co)とリチウム(Li)を乾式に回収したという報告がなされていたためである。
本発明者らは、上記マイクロ波加熱の実験と同一の混合材料Sをアルミナるつぼ(SSA-H B1,φ46×36mm,株式会社ニッカトー)に収容し、そのアルミナるつぼを電気炉内に載置した。そして、その電気炉内の温度を、空気雰囲気下において、700℃,800℃に到達させ、到達させてから10分間その温度を保持し、混合材料Sの加熱を行った。そして、このように加熱された混合材料Sを、X線回析装置XRD(X-Ray diffraction)Rigaku Ultimate-IVを用いて解析を行った。この解析結果が、図3に示すものである。
図3によれば、700℃,800℃の何れの温度帯でも、コバルト(Co)が生成されることはなかった。これは、グラファイト(C)が空気中の酸素(O)と積極的に反応し、コバルト酸リチウム(LiCoO)と反応する前にグラファイト(C)が消耗してしまったため、このような結果になったのではないかと考えられる。
そこで、発明者らは、空気雰囲気下から、アルゴン雰囲気下に変更し、電気炉内の温度を、さらに上げ、900℃,950℃,1000℃,1050℃に到達させ、到達させてから10分間その温度を保持し、混合材料Sの加熱を行った。そして、このように加熱された混合材料Sを、X線回析装置XRD(X-Ray diffraction)Rigaku Ultimate-IVを用いて解析を行った。この解析結果が、図4に示すものである。
図4によれば、グラファイト(C)とコバルト(Co)のみが確認され、コバルト(Co)を回収することができた。この回収されたコバルト(Co)の900℃,950℃,1000℃,1050℃における回収率は、以下の表2に示すものである。
Figure 2022056392000005
表2に示すように、950℃でのコバルトの回収率は、上記に示したマイクロ波の2分加熱におけるコバルトの回収率を上回っているが、それ以外の温度でのコバルトの回収率は、上記に示したマイクロ波の2分加熱におけるコバルトの回収率を下回っている。これは、図5に示すようなコバルトブルーが生成されたことが原因と考えられる。すなわち、コバルトブルー(CoAl)はCoOと、Alを800℃以上で加熱した際に生成されるものである。この際、コバルト酸リチウム(LiCoO)の熱分解によって生成されたCoOが、アルミナるつぼの主成分であるAlと反応した結果、コバルトブルー(CoAl)が生成されたと考えられる。そのため、コバルトブルーとなったCoOは、コバルト単体として還元されず回収されなかったため、950℃以外の回収率が著しく低下したと考えられる。それゆえ、電気炉においても、コバルトを回収することができるものの、上記の理由から、コバルトの回収率が非常に不安定である。
<考察>
しかして、以上の実験結果によれば、マイクロ波による加熱の方が、電気炉を用いた加熱に比べ、短時間で、しかも、空気雰囲気下で、コバルトを生成できることが分かった。そのため、マイクロ波による加熱であれば、アルゴン雰囲気下等、空気雰囲気にしないための追加装置が不要となり、もって、作業効率をより向上させることができると共に、環境により優しいコバルト回収方法を提供することができる。
さらに、マイクロ波による加熱の方が、電気炉を用いた加熱に比べ、低温で、しかも、空気雰囲気下で、コバルトを生成できることが分かった。そのため、マイクロ波による加熱であれば、コバルトブルー(CoAl)の生成を回避できることとなり、もって、コバルトを安定して回収することができる。
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、混合材料Sをタンマン管3内に収容する例を示したが、それに限らず、混合材料Sを収容できれば、管でも容器でもどのようなものでも良い。
また、混合材料Sにマイクロ波を照射する方法として、図1に示すようなマイクロ波炉2、導波管5、マイクロ波発振器6、制御装置7を用いずとも、混合材料Sにマイクロ波を照射できれば、家庭用電子レンジ等、どのようなものでも良い。
また、本実施形態においては、混合材料Sとして、リチウムイオン電池から分離されたグラファイトを用いた例を示したが、それに限らず、カーボンブラックなど、共有結合を有しマイクロ波によって加熱することができる炭素であれば、上記説明した実施例と同様の結果となることは自明の理であることから、マイクロ波によって加熱することができる炭素であれば、どのような炭素の形態でも良い。ただし、リチウムイオン電池から分離されたグラファイトを用いた方が、新たな炭素材料が不要となるため、好ましい。
1 コバルト回収装置
2 マイクロ波炉
3 タンマン管(収容部)
6 マイクロ波発振器(マイクロ波照射手段)
S 混合材料

Claims (6)

  1. リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とを混合した混合材料に対し、マイクロ波を所定時間照射し、該混合材料を加熱してなるコバルト回収方法。
  2. 前記混合材料を加熱するにあたって、前記混合材料に対し、空気雰囲気下でマイクロ波を照射し、さらに、電気炉による加熱時間よりも短い時間、前記混合材料に対し、マイクロ波を照射してなる請求項1に記載のコバルト回収方法。
  3. 前記混合材料を加熱するにあたって、前記混合材料に対し、空気雰囲気下でマイクロ波を照射し、さらに、電気炉による加熱よりも低い温度になるように、前記混合材料に対し、マイクロ波を照射してなる請求項1又は2に記載のコバルト回収方法。
  4. 前記炭素は、前記リチウムイオン電池から分離されたグラファイトである請求項1~3の何れか1項に記載のコバルト回収方法。
  5. リチウムイオン電池から分離されたコバルト酸リチウムと、炭素とが混合された混合材料を収容可能な収容部と、
    前記収容部に対して、マイクロ波を所定時間照射可能なマイクロ波照射手段と、を有してなるコバルト回収装置。
  6. 前記炭素は、前記リチウムイオン電池から分離されたグラファイトである請求項5に記載のコバルト回収装置。
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