JP6714785B2 - 含フッ素ピラゾール誘導体の製造方法及びその中間体 - Google Patents

含フッ素ピラゾール誘導体の製造方法及びその中間体 Download PDF

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Description

本発明は、下記式(D)の化合物、すなわち含フッ素ピラゾール誘導体の製造方法及びその中間体に関する。
Figure 0006714785
(ここで、Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
ピラゾール誘導体は、医薬及び農薬の製造中間体として知られている(例えば、WO2005/105755 A1、WO2005/095352 A1及びWO2004/013106 A1を参照)。特開2007-031342(特許文献1)には、5−ヒドロキシ−1−アルキルピラゾール誘導体を製造する方法として、電子吸引性基を有するβ−ケトエステル化合物とアルキルヒドラジンとを、酸性条件下で反応させる方法が提案されている。しかしながら、特開2007-031342(特許文献1)で用いられる原料は高価である。加えて、流通量の観点から、その原料は入手性に比較的問題がある場合がある。
特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)には、アクリル酸誘導体を原料として用いて、1−メチル−5−ヒドロキシピラゾールを製造する方法が提案されている。特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)の方法は、アクリル酸誘導体と水和ヒドラジンとの付加反応、ホルムアルデヒドとの脱水縮合反応、及び塩基による環化反応(すなわち、閉環反応)を含んでいる。しかしながら、特開平6-166666(特許文献2)に具体的に開示されているアクリル酸誘導体は、無置換のアクリル酸エステルである。
特開2007-031342号公報 特開昭61-229852号公報 特開平6-166666号公報(特許文献2の分割出願)
本発明の目的は、入手が容易で安価な原料を用いて、式(D)の化合物(すなわち、含フッ素ピラゾール誘導体)を製造できる方法及びその中間体を提供することにある。
本発明者は、式(D)の化合物の製造方法について鋭意検討した。その結果、本発明者は意外にも、特定の化合物から新規化合物を経て目的の式(D)の化合物を製造できることを見出した。この知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
すなわち、一つの態様では、本発明は以下のとおりである。
[I−1] 式(D):
Figure 0006714785
(ここで、Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
の化合物の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
工程(i) 式(A)の化合物をヒドラジンと反応させて、式(B)の化合物を製造する、
Figure 0006714785
(ここで、Rは(C1−C6)アルキルであり、そしてRfは上記で定義した通りである。)
工程(ii) 式(B)の化合物をホルムアルデヒドと反応させて、式(C)の化合物を製造する、
Figure 0006714785
(ここで、R及びRfは上記で定義した通りである。)
工程(iii) 塩基の存在下で式(C)の化合物を反応させて、式(D)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(ここで、R及びRfは上記で定義した通りである。)
[I−2] [I−1]に記載の方法であって、
工程(i)のヒドラジンが、ヒドラジン一水和物、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、二ヒドラジン一硫酸塩、ヒドラジン一硫酸塩から選択される方法。
[I−3] [I−1]に記載の方法であって、
工程(i)のヒドラジンが、ヒドラジン一水和物である方法。
[I−4] [I−1]から[I−3]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)のヒドラジンの使用量が、式(A)の化合物1モルに対して1.0〜1.5モルである方法。
[I−5] [I−1]から[I−3]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)のヒドラジンの使用量が、式(A)の化合物1モルに対して1.0〜1.2モルである方法。
[I−6] [I−1]から[I−3]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)のヒドラジンの使用量が、式(A)の化合物1モルに対して1.0モル以上1.2モル未満である方法。
[I−7] [I−1]から[I−3]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)のヒドラジンの使用量が、式(A)の化合物1モルに対して1.0〜1.1モルである方法。
[I−8] [I−1]から[I−7]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、0℃〜50℃で行われる方法。
[I−9] [I−1]から[I−7]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、5℃〜35℃で行われる方法。
[I−10] [I−1]から[I−7]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、5℃〜25℃で行われる方法。
[I−11] [I−1]から[I−7]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、10℃〜30℃で行われる方法。
[I−12] [I−1]から[I−11]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール及びtert−ブチルアルコールから選択される1から5の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−13] [I−1]から[I−11]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、水、メタノール、エタノール及び2−プロパノールから選択される1から4の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−14] [I−1]から[I−11]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)の反応が、水とメタノールの混合溶媒の存在下で行われる方法。
[I−15] [I−1]から[I−14]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)のホルムアルデヒドが、35%〜50%ホルムアルデヒド水溶液及びパラホルムアルデヒドである方法。
[I−16] [I−1]から[I−14]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)のホルムアルデヒドが、35%〜50%ホルムアルデヒド水溶液である方法。
[I−17] [I−1]から[I−16]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、塩基の存在下で行われる方法。
[I−18] [I−17]に記載の方法であって、
工程(ii)の塩基が、酢酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムである方法。
[I−19] [I−1]から[I−16]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、塩基の非存在下で行われる方法。
[I−20] [I−1]から[I−19]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール及びtert−ブチルアルコールから選択される1から5の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−21] [I−1]から[I−19]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、水、メタノール、エタノール及び2−プロパノールから選択される1から4の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−22] [I−1]から[I−19]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、水とメタノールの混合溶媒の存在下で行われる方法。
[I−23] [I−1]から[I−22]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、5℃〜30℃で行われる方法。
[I−24] [I−1]から[I−22]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、0℃〜35℃で行われる方法。
[I−25] [I−1]から[I−22]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、5℃〜25℃で行われる方法。
[I−26] [I−1]から[I−22]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、10℃〜30℃で行われる方法。
[I−27] [I−1]から[I−26]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の塩基が、アルカリ金属アルコキシドである方法。
[I−28] [I−1]から[I−26]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の塩基が、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシドである方法。
[I−29] [I−1]から[I−26]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の塩基が、ナトリウムメトキシドである方法。
[I−30] [I−1]から[I−29]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール及びtert−ブチルアルコールから選択される1から5の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−31] [I−1]から[I−29]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、水、メタノール、エタノール及び2−プロパノールから選択される1から4の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−32] [I−1]から[I−29]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、水とメタノールの混合溶媒の存在下で行われる方法。
[I−33] [I−1]から[I−32]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、20℃〜100℃で行われる方法。
[I−34] [I−1]から[I−32]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、40℃〜90℃で行われる方法。
[I−35] [I−1]から[I−32]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、40℃〜80℃で行われる方法。
[I−36] [I−1]から[I−32]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の反応が、50℃〜70℃で行われる方法。
[I−37] [I−1]から[I−36]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)、工程(ii)及び工程(iii)の反応が、同一の反応容器中で行われる(すなわち、ワンポットプロセスで行われる)方法。
[I−38] [I−1]から[I−36]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)、工程(ii)及び工程(iii)の反応が、同一の溶媒の存在下で行われる方法。
[I−39] [I−1]から[I−38]のいずれかに記載の方法であって、
工程(iii)の後に、工程(iii)の生成物を還元剤と反応させることを含む方法。
[I−40] [I−39]に記載の方法であって、
還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである方法。
[I−41] [I−39]又は[I−40]に記載の方法であって、
還元剤との反応が、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール及びtert−ブチルアルコールから選択される1から5の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−42] [I−39]又は[I−40]に記載の方法であって、
還元剤との反応が、水、メタノール、エタノール及び2−プロパノールから選択される1から4の(好ましくは1から2の)溶媒の存在下で行われる方法。
[I−43] [I−39]又は[I−40]に記載の方法であって、
還元剤との反応が、水とメタノールの混合溶媒の存在下で行われる方法。
[I−44] [I−39]から[I−43]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)、工程(ii)及び工程(iii)の反応並びに還元剤との反応が、同一の反応容器中で行われる(すなわち、ワンポットプロセスで行われる)方法。
[I−45] [I−39]から[I−43]のいずれかに記載の方法であって、
工程(i)、工程(ii)及び工程(iii)の反応並びに還元剤との反応が、同一の溶媒の存在下で行われる方法。
[I−46] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルである方法。
[I−47] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル又はtert−ブチルである方法。
[I−48] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピルである方法。
[I−49] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがtert−ブチルである方法。
[I−50] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が下記式(A-E-a)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[I−51] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-Z-a)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[I−52] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[I−53] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[I−54] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-Z-d)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[I−55] [I−1]から[I−45]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[I−56] [I−1]から[I−55]のいずれかに記載の方法であって、
以下の工程(pre-i)を、前記工程(i)の前に含む方法:
工程(pre-i) パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、式(1)の化合物を一酸化炭素及び式(2)のアルコールと反応させて、式(A)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(ここで、Xは脱離基であり、そしてR及びRfは上記で定義した通りである。)
[I−57] [I−56]に記載の方法であって、
式(2)化合物の使用量が、(1)の化合物に対して、1〜30モルである方法。
[I−58] [I−56]に記載の方法であって、
式(2)化合物の使用量が、(1)の化合物に対して、5〜15モルである方法。
[I−59] [I−56]から[I−58]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物が、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びパラジウム(II)アセチルアセトネートから選択される方法。
[I−60] [I−56]から[I−59]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物が酢酸パラジウム(II)及び塩化パラジウム(II)から選択される方法。
[I−61] [I−56]から[I−60]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量が、式(1)の化合物1モルに対して、パラジウム原子として、0.01mol%〜10mol%である、方法。
[I−62] [I−56]から[I−60]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量が、式(1)の化合物1モルに対して、パラジウム原子として、0.05mol%〜10mol%である、方法。
[I−63] [I−56]から[I−60]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量が、式(1)の化合物1モルに対して、パラジウム原子として、0.05mol%〜2mol%である、方法。
[I−64] [I−56]から[I−60]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量が、式(1)の化合物1モルに対して、パラジウム原子として、0.1mol%〜10mol%である、方法。
[I−65] [I−56]から[I−60]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量が、式(1)の化合物1モルに対して、パラジウム原子として、0.1mol%〜1mol%である、方法。
[I−66] [I−56]から[I−65]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒が、配位子として式(4)の化合物又はその塩を含む方法。
Figure 0006714785
(ここで、Aは直鎖(C1−C6)アルキルである。)
[I−67] [I−56]から[I−65]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒が、配位子として式(4)の化合物又はそのハロゲン化水素酸塩を含む方法。
Figure 0006714785
(ここで、Aは直鎖(C1−C6)アルキルである。)
[I−68] [I−56]から[I−65]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒が、配位子として式(4)の化合物、又は臭化水素酸塩若しくはヨウ化水素酸塩を含む方法。
Figure 0006714785
(ここで、Aは直鎖(C1−C6)アルキルである。)
[I−69] [I−66]から[I−68]のいずれかに記載の方法であって、
Aが直鎖(C3−C5)アルキルである方法。
[I−70] [I−66]から[I−68]のいずれかに記載の方法であって、
Aがブチルである方法。
[I−71] [I−56]から[I−65]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒が、配位子としてトリフェニルホスフィンを含む方法。
[I−72] [I−56]から[I−71]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒中の配位子の使用量が、パラジウム触媒中のパラジウム原子1モルに対して、2〜10モルである方法。
[I−73] [I−56]から[I−71]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒中の配位子の使用量が、パラジウム触媒中のパラジウム原子1モルに対して、2〜6モルである方法。
[I−74] [I−56]から[I−71]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒中の配位子の使用量が、パラジウム触媒中のパラジウム原子1モルに対して、2.5〜6.0モルである方法。
[I−75] [I−56]から[I−71]のいずれかに記載の方法であって、
パラジウム触媒中の配位子の使用量が、パラジウム触媒中のパラジウム原子1モルに対して、2.5〜3.5モルである方法。
[I−76] [I−56]から[I−75]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)で用いられる塩基が、3級アミンである方法。
[I−77] [I−56]から[I−75]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)で用いられる塩基が、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンから選択される方法。
[I−78] [I−56]から[I−75]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)で用いられる塩基が、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンから選択される方法。
[I−79] [I−56]から[I−75]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)で用いられる塩基が、トリエチルアミンである方法。
[I−80] [I−56]から[I−79]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の塩基の使用量が、式(1)の化合物に対して、1当量〜5当量である方法。
[I−81] [I−56]から[I−79]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の塩基の使用量が、式(1)の化合物に対して、1当量〜3当量である方法。
[I−82] [I−56]から[I−81]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、0(ゼロ)〜100kgf/cmの一酸化炭素の圧力で行われる方法。
[I−83] [I−56]から[I−81]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、5〜50kgf/cmの一酸化炭素の圧力で行われる方法。
[I−84] [I−56]から[I−81]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、10〜50kgf/cmの一酸化炭素の圧力で行われる方法。
[I−85] [I−56]から[I−81]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、10〜30kgf/cmの一酸化炭素の圧力で行われる方法。
[I−86] [I−56]から[I−85]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、50℃〜200℃で行われる方法。
[I−87] [I−56]から[I−85]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、90℃〜190℃で行われる方法。
[I−88] [I−56]から[I−85]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、90℃〜150℃で行われる方法。
[I−89] [I−56]から[I−85]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、100℃〜150℃で行われる方法。
[I−90] [I−56]から[I−85]のいずれかに記載の方法であって、
工程(pre-i)の反応が、100℃〜120℃で行われ方法。
[I−91] [I−56]から[I−90]のいずれかに記載の方法であって、
Xが塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である方法。
[I−92] [I−56]から[I−90]のいずれかに記載の方法であって、
Xが塩素原子又は臭素原子である方法。
[I−93] [I−56]から[I−90]のいずれかに記載の方法であって、
Xが塩素原子である方法。
[I−94] [I−56]から[I−93]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルである方法。
[I−95] [I−56]から[I−93]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル又はtert−ブチルである方法。
[I−96] [I−56]から[I−93]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピルである方法。
[I−97][I−56]から[I−93]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがtert−ブチルである方法。
[I−98] [I−56]から[I−97]のいずれかに記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[I−99] I−56]から[I−97]のいずれかに記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-Z-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[I−100] I−56]から[I−97]のいずれかに記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物と式(1-Z-a)の化合物の混合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[I−101] [I−56]から[I−97]のいずれかに記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[I−102] [I−56]から[I−97]のいずれかに記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-Z-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[I−103] [I−56]から[I−97]のいずれかに記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物と式(1-Z-a)の化合物の混合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[I−104]下記式(C)の化合物。
Figure 0006714785
(ここで、Rは(C1−C6)アルキルであり、そして
Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
[I−105] [I−104]に記載の化合物であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルである化合物。
[I−106] [I−104]に記載の化合物であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル又はtert−ブチルである化合物。
[I−107] [I−104]に記載の化合物であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピルである化合物。
[I−108] [I−104]に記載の化合物であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがtert−ブチルである化合物。
別の態様では、本発明は以下のとおりである。
[II−1] 式(D):
Figure 0006714785
(ここで、Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
の化合物の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
工程(i) 式(A)の化合物をヒドラジンと反応させて、式(B)の化合物を製造する、
Figure 0006714785
(ここで、Rは(C1−C6)アルキルであり、そしてRfは上記で定義した通りである。)
工程(ii) 式(B)の化合物をホルムアルデヒドと反応させて、式(C)の化合物を製造する、
Figure 0006714785
(ここで、R及びRfは上記で定義した通りである。)
工程(iii) 塩基の存在下で式(C)の化合物を反応させて、式(D)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(ここで、R及びRfは上記で定義した通りである。)
[II−2] [II−1]に記載の方法であって、
工程(i)におけるヒドラジンの使用量が、式(A)の化合物1モルに対して1.0〜1.2モルである方法。
[II−3] [II−1]又は[II−2]に記載の方法であって、
工程(i)の反応が、5〜25℃で行われる方法。
[II−4] [II−1]から[II−3]のいずれかに記載の方法であって、
工程(ii)の反応が、5℃〜25℃で行われる方法
[II−5] [II−1]から[II−3]のいずれかに記載の方法であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルである方法。
[II−6] [II−1]から[II−4]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が下記式(A-E-a)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[II−7] [II−1]から[II−4]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-Z-a)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[II−8] [II−1]から[II−4]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[II−9] [II−1]から[II−4]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[II−10] [II−1]から[II−4]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が式(A-Z-d)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[II−11] [II−1]から[II−4]のいずれかに記載の方法であって、
式(A)の化合物が(A-E-d)の化合物と式(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[II−12] [II−1]から[II−11]のいずれかに記載の方法であって、
以下の工程(pre-i)を、前記工程(i)の前に含む方法:
工程(pre-i) パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、式(1)の化合物を一酸化炭素及び式(2)のアルコールと反応させて、式(A)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(ここで、Xは脱離基であり、そしてR及びRfは上記で定義した通りである。)
[II−13] [II−12]に記載の方法であって、
パラジウム触媒が、配位子としての式(4)の化合物又はその塩を含む方法。
Figure 0006714785
(ここで、Aは直鎖(C3−C5)アルキルである。)
[II−14] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
Xが塩素原子であり、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルである方法。
[II−15] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[II−16] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-Z-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[II−17] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物と式(1-Z-a)の化合物の混合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[II−18] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物である方法。
Figure 0006714785
[II−19] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-Z-a)の化合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[II−20] [II−12]又は[II−13]に記載の方法であって、
式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物と式(1-Z-a)の化合物の混合物であり、そして
式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
Figure 0006714785
[II−21] 下記式(C)の化合物。
Figure 0006714785
(ここで、Rは(C1−C6)アルキルであり、そして
Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
[II−22] [II−19]に記載の化合物であって、
Rfがトリフルオロメチルであり、そして
Rがイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルである化合物。
本発明によれば、入手が容易で安価な原料を用いて、式(D)の化合物(すなわち、含フッ素ピラゾール誘導体)を製造できる方法及びその中間体が提供される。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書において用いられる用語及び記号について、以下に説明する。
本明細書中、以下の略語及び接頭語が使用されることがあり、それらの意味は以下の通りである。
Et:エチル
Pr、n−Pr及びPr−n:プロピル(すなわち、ノルマルプロピル)
i−Pr及びPr−i:イソプロピル
Bu、n−Bu及びBu−n;ブチル(すなわち、ノルマルブチル)
s−Bu及びBu−s:sec−ブチル(すなわち、セカンダリーブチル)
i−Bu及びBu−i:イソブチル
t−Bu及びBu−t:tert−ブチル(すなわち、ターシャリーブチル)
Cy:シクロヘキシル
Ph:フェニル
Bn:ベンジル(CCH−)
n−:ノルマル
s−及びsec−:セカンダリー
i−及びiso−:イソ
t−及びtert−:ターシャリー
c−及びcyc−:シクロ
o−:オルソ
m−:メタ
p−:パラ
本明細書中、置換基(例えば、Rf、R等)に言及するときの用語「本明細書中に記載の通り」及び類似の用語は、置換基の全ての定義並びにもしあれば全ての例、好ましい例、より好ましい例、更に好ましい例及び特に好ましい例等を参照することにより取り込む。
(Ca−Cb)は、炭素原子数がa〜b個であることを意味する。例えば、「(C1−C4)アルキル」における「(C1−C4)」は、アルキルの炭素原子数が1〜4であることを意味する。
本明細書中、「アルキル」のような一般的用語は、ブチル及びtert−ブチルのような直鎖及び分枝鎖の両方を含むと解釈する。一方で、例えば、具体的用語「ブチル」は、直鎖の「ノルマルブチル」を意味し、分枝鎖の「tert−ブチル」を意味しない。そして「tert−ブチル」のような分枝鎖異性体は、意図した場合に具体的に言及される。
「アルキル」は、非置換アルキル及び置換アルキルを含む。置換アルキルは、1個以上の(好ましくは1個の)水素原子が任意の置換基により置換されている。置換基の例は、(C6−C10)アリール、ハロゲン原子、シアノ(−CN)、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルコキシカルボニル、好ましくはフェニルを含むが、これらに限定されない。
ハロゲン原子の例は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を含む。
(C1−C6)アルキルは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルを意味する。更に、(C1−C6)アルキルは環状の(C3−C6)アルキルを含む。
(C1−C6)アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等を含むが、これらに限定されない。環状の(C3−C6)アルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシルを含むが、これらに限定されない。
(C3−C5)アルキルは、3〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルを意味する。
(C3−C5)アルキルの例は、上記の(C1−C6)アルキルの例のうちの適切な例を含むが、これらに限定されない。
従って、(C3−C5)アルキルの例は、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル等を含むが、これらに限定されない。
(C1−C4)アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルを意味する。
(C1−C4)アルキルの例は、上記の(C1−C6)アルキルの例のうちの適切な例を含む。
従って、(C1−C4)アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルである。
(C1−C3)アルキルは、1〜3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルを意味する。
(C1−C3)アルキルの例は、上記の(C1−C6)アルキルの例のうちの適切な例を含む。
従って、(C1−C3)アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。
(C1−C4)パーフルオロアルキルは、全ての水素原子がフッ素原子により置換されている、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルを意味する。
(C1−C4)パーフルオロアルキルの例は、トリフルオロメチル(すなわち、−CF)、ペンタフルオロエチル(すなわち、−CFCF)、ヘプタフルオロプロピル(すなわち、−CFCFCF)、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(すなわち、−CF(CF))、ノナフルオロブチル、(すなわち、−CFCFCFCF)、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−トリフルオロメチルプロピル(すなわち、−CF(CF)CFCF)、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピル(すなわち、−CFCF(CF))及び2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチル(すなわち、−C(CF))である。
(C6−C10)アリールの例は、フェニル、1−ナフチル及び2−ナフチルである。
(C1−C6)アルコキシは、(C1−C6)アルキル−O−を意味する(ここで、(C1−C6)アルキル部分は上記の定義と同じ意味を有する。)。
(C1−C6)アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等を含むが、これらに限定されない。
(C1−C6)アルコキシカルボニルは、(C1−C6)アルキル−O−C(=O)−を意味する(ここで、(C1−C6)アルキル部分は上記の定義と同じ意味を有する。)。
C1〜C6アルコキシカルボニルの例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等を含むが、これらに限定されない。
本明細書中、化学式中の波線は、以下を意味する。
ある化合物に幾何異性体(cis−trans異性体、すなわちE/Z異性体)が存在する場合に、E−異性体(anti−異性体)、Z−異性体(syn−異性体)及び任意の割合のそれらの混合物が波線を有する化学式に含まれる。
本発明の式(D)の化合物、すなわち含フッ素ピラゾール誘導体の製造方法は、工程(i)、工程(ii)及び工程(iii)の3工程を含む。それぞれの工程について、詳細に説明する。
<工程(i)>
工程(i)では、式(A)の化合物をヒドラジンと反応させて、式(B)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(ここで、Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルであり、Rは(C1−C6)アルキルである。)
(工程(i)の原料:式(A)の化合物)
工程(i)においては、出発化合物(原料)として式(A)の化合物(すなわち、含フッ素不飽和カルボン酸エステル)を用いる。式(A)の化合物は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。加えて、式(A)の化合物は、後述する方法により製造してもよい。
本明細書中、Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。収率、反応性、入手性、価格、生成物の有用性等の観点から、Rfの好ましい例は、トリフルオロメチル及びペンタフルオロエチルを含み、より好ましくはトリフルオロメチルを含む。
本明細書中、Rは(C1−C6)アルキルである。収率、副生成物抑制、経済効率、生成物の有用性等の観点から、Rの好ましい例は、イソプロピル、sec−ブチル及びtert−ブチルを含み、より好ましくはイソプロピル及びtert−ブチルを含み、更に好ましくはイソプロピルを含む。
式(A)の化合物の具体的な例は、下記に示す化合物及び任意の割合のそれらのE/Z混合物を含むが、これらに限定されない;
Figure 0006714785
Figure 0006714785
Figure 0006714785
Figure 0006714785
収率、反応性、入手性、価格、生成物の有用性等の観点から、式(A)の化合物の好ましい具体的な例は、下記式(A−E−a)の化合物、下記式(A−Z−a)の化合物、下記式(A−E−a)の化合物と下記式(A−Z−a)の混合物、下記式(A−E−d)の化合物、下記式(A−Z−d)の化合物、下記式(A−E−d)の化合物と下記式(A−Z−d)の混合物を含む;
Figure 0006714785
上記と同様の観点から、式(A)の化合物のより好ましい具体的な例は、下記式(A−E−a)の化合物、下記式(A−Z−a)の化合物、下記式(A−E−a)の化合物と下記式(A−Z−a)の混合物を含む;
Figure 0006714785
(工程(i)のヒドラジン)
工程(i)で用いられるヒドラジンは、反応が進行する限りは、特に制限されない。ヒドラジンの例は、ヒドラジン一水和物、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、二ヒドラジン一硫酸塩、ヒドラジン一硫酸塩、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン酢酸塩、無水ヒドラジン、及びこれらの誘導体等を含むが、これらに限定されない。上記ヒドラジン類は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用することができる。
安全性、入手性、価格、経済効率等の観点から、ヒドラジンの好ましい例は、ヒドラジン一水和物、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、二ヒドラジン一硫酸塩、ヒドラジン一硫酸塩を含み、より好ましくはヒドラジン一水和物を含む。
上記ヒドラジン類の形態は、当業者が適切に選択することができる。上記ヒドラジン類の形態の例は、ヒドラジン類のみの固体、液体及びガス、並びに任意の濃度の水溶液等を含む。例えば、上記ヒドラジン類は、水溶液として用いてもよい。この場合、水溶液中におけるヒドラジンの濃度は、反応が進行する限り、いずれの濃度でもよい。水溶液の具体的な例は、「ヒドラジン一水和物 80%」を含み、「ヒドラジン一水和物 80%」は「51%ヒドラジン水溶液」に相当するが、これに限定されない。
(工程(i)のヒドラジンの使用量)
ヒドラジンの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。ヒドラジンの使用量は、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率、安全性等の観点から、ヒドラジンの使用量は、例えば、式(A)の化合物(原料)1モルに対して、1.0〜1.5モル、好ましくは1.0〜1.3モル、より好ましくは1.0〜1.2モル、更に好ましくは1.0モル以上1.2モル未満、更に好ましくは1.0〜1.1モルである。
(工程(i)の溶媒)
工程(i)の反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。溶媒を用いるか否かは、当業者が適宜決定することができる。溶媒を使用する場合は、反応が進行する限りは、溶媒はいずれの溶媒でもよい。その溶媒は、当業者が適切に選択することができる。
工程(i)の溶媒の例は、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール(すなわち、1−ブタノール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等)、及び任意の割合のそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
反応性及び経済効率等の観点から、工程(i)の溶媒の好ましい例は、水、アルコール類、及びそれらの組み合わせを含み、より好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、及びそれらの組み合わせを含み、更に好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、及びそれらの組み合わせを含み、更に好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、及びそれらの組み合わせを含み、更に好ましくは水、メタノール、及びそれらの組み合わせ、更に好ましくは水とメタノールの組み合わせ(すなわち、水とメタノールの混合溶媒)を含む。
工程(i)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(i)の溶媒の使用量は、例えば、式(A)の化合物(原料)1モルに対して、0(ゼロ)〜10L(リットル)、好ましくは0.1〜5L、より好ましくは0.3〜2Lである。2以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(i)の反応温度)
収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一つの態様では、工程(i)の反応温度は、例えば、0℃〜50℃、好ましくは0℃〜35℃、より好ましくは0℃〜30℃、更に好ましくは0℃〜25℃である。別の態様では、工程(i)の反応温度は、例えば、5℃〜50℃、好ましくは5℃〜35℃、より好ましくは5℃〜30℃、更に好ましくは5℃〜25℃である。更に別の態様では、工程(i)の反応温度は、例えば、10℃〜30℃である。
(工程(i)の反応時間)
工程(i)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(i)の反応時間は、例えば、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。しかしながら、反応時間は当業者が適切に調整することができる。
(工程(i)の生成物:式(B)の化合物)
工程(i)の生成物は、原料として用いた式(A)の化合物に相当する式(B)の化合物である。式(B)の化合物の具体的な例は、以下を含むが、これらに限定されない;
Figure 0006714785
Figure 0006714785
収率、反応性、入手性、価格、生成物の有用性等の観点から、式(B)の化合物の好ましい具体的な例は、以下を含む;
Figure 0006714785
上記と同様の観点から、式(B)の化合物のより好ましい具体的な例は、以下を含む;
Figure 0006714785
工程(i)で製造された式(B)の化合物は、工程(i)の原料として使用される。工程(i)で得られた式(B)の化合物は、単離して次工程に用いてもよく、更に精製して次工程に用いてもよい。あるいは、式(B)の化合物は、単離することなく次工程に用いてもよい。
<工程(ii)>
工程(ii)では、式(B)の化合物をホルムアルデヒドと反応させて、式(C)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(工程(ii)の原料:式(B)の化合物)
工程(ii)における出発化合物(原料)は、式(B)の化合物である。式(B)の化合物としては、前述の工程(i)の生成物が用いられる。式(B)の化合物は、公知化合物としても存在する。また、公知化合物から公知の方法に準じて製造することもできる。こうした化合物が、工程(ii)における原料の一部に含まれていてもよい。
式(B)の化合物の具体的な例、好ましい具体的な例及びより好ましい具体的な例は、上記の通りである。
(工程(ii)のホルムアルデヒド)
工程(ii)で用いられるホルムアルデヒドは、反応が進行する限りは、特に制限されない。ホルムアルデヒドの例は、10%〜50%ホルムアルデヒド水溶液、パラホルムアルデヒド及びトリオキサン等を含むが、これらに限定されない。ホルムアルデヒド水溶液はホルマリンとも言う。ホルムアルデヒド類は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用してもよい。
ホルムアルデヒドの形態は、当業者が適切に選択することができる。しかしながら、入手性、操作の容易さ、価格、経済効率等の観点から、一つの態様では、ホルムアルデヒドの好ましい例は、35%〜50%ホルムアルデヒド水溶液及びパラホルムアルデヒド、より好ましくは35%〜38%ホルムアルデヒド水溶液及びパラホルムアルデヒドを含む。別の態様では、ホルムアルデヒドの好ましい例は、35%〜50%ホルムアルデヒド水溶液、より好ましくは35%〜38%ホルムアルデヒド水溶液を含む。
(工程(ii)のホルムアルデヒドヒドの使用量)
ホルムアルデヒドの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。ホルムアルデヒドの使用量は、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、ホルムアルデヒドの使用量は、例えば、式(A)の化合物(原料)1モルに対して、1.0〜1.5モル、好ましくは1.0〜1.2モルである。
(工程(ii)の塩基)
工程(ii)の反応は、塩基の存在下又は非存在下で行うことができる。工程(ii)において塩基を用いるか否かは、当業者が適切に決定することができる。しかしながら、反応が満足に進行する限りは、塩基の非存在下での実施が経済的である。工程(ii)において塩基を用いるとき、反応が進行する限りは、塩基はいずれの塩基でもよい。工程(ii)の塩基の例は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を含むが、これらに限定されない。収率、反応性及び経済効率等の観点から、工程(ii)の塩基の好ましい例は、酢酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム、より好ましくは酢酸ナトリウムを含む。工程(ii)の塩基は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用することができる。工程(ii)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(ii)の塩基の形態は、当業者が適切に選択することができる。
(工程(ii)の塩基の使用量)
工程(ii)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。例えば、工程(ii)の塩基の使用量は、触媒量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一つの態様では、工程(ii)の塩基の使用量は、式(B)の化合物100モル%に対して、0(ゼロ)〜100モル%、好ましくは0(ゼロ)〜50モル%、より好ましくは0〜30モル%である。別の態様では、工程(ii)の塩基の使用量は、式(B)の化合物100モル%に対して、1〜30モル%好ましくは5〜30モル%である。
(工程(ii)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(ii)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(ii)で用いる溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(ii)の溶媒の例は、工程(i)の説明において列挙したものを含む。工程(ii)の溶媒の好ましい例、より好ましい例、及び更に好ましい例も、工程(i)のそれらと同様である。
工程(ii)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(ii)の溶媒の使用量は、例えば、式(B)の化合物(原料)1モルに対して、0(ゼロ)〜10L(リットル)、好ましくは0.1〜5L、より好ましくは0.3〜2Lである。2以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(ii)の反応温度)
収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一つの態様では、工程(ii)の反応温度は、例えば、0℃〜35℃、好ましくは5℃〜30℃、より好ましくは5℃〜25℃である。別の態様では、工程(ii)の反応温度は、例えば、10℃〜30℃である。
(工程(ii)の反応時間)
工程(ii)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(ii)の反応時間は、例えば、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。しかしながら、反応時間は当業者が適切に調整することができる。
(工程(ii)の生成物:式(C)の化合物)
工程(ii)の生成物は、原料として用いた式(B)の化合物に相当する式(C)の化合物である。式(C)の化合物は、新規な化合物である。
式(C)の化合物の具体的な例は、以下を含むが、これらに限定されない;
Figure 0006714785
Figure 0006714785
収率、反応性、入手性、価格、生成物の有用性等の観点から、式(C)の化合物の好ましい具体的な例は、以下を含む;
Figure 0006714785
上記と同様の観点から、式(C)の化合物のより好ましい具体的な例は、以下を含む;
Figure 0006714785
工程(ii)で製造された式(C)の化合物は、工程(iii)の原料として使用される。工程(ii)で得られた式(C)の化合物は、単離して次工程に用いてもよく、更に精製して次工程に用いてもよい。あるいは、式(C)の化合物は、単離することなく次工程に用いてもよい。
<工程(iii)>
工程(iii)では、塩基の存在下で式(C)の化合物を反応させて、式(D)の化合物を製造する。
Figure 0006714785
(工程(iii)の原料:式(C)の化合物)
工程(iii)における出発化合物(原料)は、式(C)の化合物である。式(C)の化合物は、上記工程(ii)で製造された新規な化合物である。式(C)の化合物が得られたことによって、本発明の製造方法が成立したといえる。
式(C)の化合物の具体的な例、好ましい具体的な例及びより好ましい具体的な例は、上記の通りである。
(工程(iii)の塩基)
工程(iii)で用いられる塩基は、反応が進行する限りは、いずれの塩基でもよい。工程(iii)の塩基の例は、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属カルボン酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカ−7−エン(DBU)、ピリジン等)等を含むが、これらに限定されない。
収率、反応性及び経済効率等の観点から、工程(iii)の塩基の好ましい例は、アルカリ金属アルコキシドを含む。上記と同様の観点から、工程(iii)の塩基の好ましい具体的な例は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシドを含み、より好ましくはナトリウムメトキシドを含む。
工程(iii)の塩基は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(iii)の塩基の形態は、当業者が適切に選択することができる。
(工程(iii)の塩基の使用量)
工程(iii)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。塩基の使用量は、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、塩基の使用量は、例えば、式(C)の化合物(原料)に対して、1.0〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量、より好ましくは1.0〜1.3当量である。
(工程(iii)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(iii)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(iii)で用いる溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(iii)の溶媒の例は、工程(i)の説明において列挙したものを含む。工程(iii)の溶媒の好ましい例、より好ましい例、及び更に好ましい例も、工程(i)のそれらと同様である。
工程(iii)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(iii)の溶媒の使用量は、例えば、式(C)の化合物(原料)1モルに対して、0(ゼロ)〜10L(リットル)、好ましくは0.1〜5L、より好ましくは0.3〜2Lである。2以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(iii)の反応温度)
収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一つの態様では、工程(iii)の反応温度は、例えば、20℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃、より好ましくは20℃〜100℃、更に好ましくは40℃〜90℃、更に好ましくは40℃〜80℃である。別の態様では、工程(iii)の反応温度は、例えば、50℃〜90℃、好ましくは50℃〜70℃である。
(工程(iii)の反応時間)
工程(iii)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(iii)の反応時間は、一つの態様では、例えば、通常0.05時間〜24時間、好ましくは0.1時間〜12時間である。別の態様では、例えば、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。しかしながら、反応時間は当業者が適切に調整することができる。
(工程(iii)の生成物:式(D)の化合物)
工程(iii)の生成物は、原料として用いた式(C)の化合物に相当する式(D)の化合物である。
収率、反応性、入手性、価格、生成物の有用性等の観点から、式(D)の化合物の好ましい具体的な例は、以下を含む;
Figure 0006714785
上記と同様の観点から、式(D)の化合物のより好ましい具体的な例は、以下を含む;
Figure 0006714785
工程(iii)の生成物である式(D)の化合物は、医薬又は農薬等の有用な製造中間体である。
工程(iii)の生成物中には、工程(ii)で用いたホルムアルデヒドに由来する不純物が含まれる場合がある。ホルムアルデヒド由来の不純物は、ホルムアルデヒドの重合物と推測される。不純物が含まれていても、工程(iii)の反応終了後、式(D)の化合物を単離又は精製せずにそのまま、医薬又は農薬等の製造中間体として用いることができる。
式(D)の化合物は、単離して医薬又は農薬等の製造中間体として用いてもよい。単離後に更に精製して、当該製造中間体として用いることもできる。
(D)工程(iii)の反応終了後、後述する還元処理を行ってもよい。工程(iii)の反応生成物は、単離して還元処理に供することができる。あるいは、単離することなく(例えば、工程(iii)の反応混合物のままで)還元処理に供してもよい。
<還元処理>
還元処理は後処理の一部である。還元処理では、工程(iii)の生成物を還元剤と反応させる。還元処理を行うことによって、工程(iii)の生成物である式(D)の化合物を高い純度で単離し易くなる。また、還元処理を経ることで、ホルムアルデヒド由来の不純物が、除去しやすい形態に変換されるものと推測される。
しかしながら、還元処理は、行ってもよく又は行わなくてもよい。還元処理を行うか否かは、目的と状況に応じて、当業者が適切に決定することができる。前述のように、還元処理を行わなくても、工程(iii)の生成物である式(D)の化合物を医薬又は農薬等の製造中間体として用いることができる。
(還元剤)
還元処理で用いられる還元剤は、反応が進行する限りは、いずれの還元剤でもよい。還元剤の例は、オキソ酸塩(例えば、亜ジチオン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等)、水素化ホウ素化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム、ボラン・テトラヒドロフラン錯体等)、水素化アルミニウム化合物(例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等)、水素化ケイ素化合物(例えば、トリエチルシラン、トリクロロシラン等)等を含むが、これらに限定されない。好ましい還元剤の例は、亜ジチオン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムを含み、さらに好ましい還元剤の例は、水素化ホウ素ナトリウムを含む。
収率、反応性、入手性、取り扱いの容易さ、価格、経済効率等の観点から、還元剤の好ましい例は、水素化ホウ素化合物を含む。上記と同様の観点から、還元剤の好ましい具体的な例は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カルシウムを含み、より好ましくは水素化ホウ素ナトリウムを含む。
還元剤は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用してもよい。還元剤の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。還元剤の形態は、当業者が適切に選択することができる。
(還元剤の使用量)
還元剤の使用量は、所望の効果が得られる限りは、いずれの量でもよい。還元剤の使用量は、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、効果、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、還元剤の使用量は、例えば、式(D)の化合物(原料)1モルに対して、0.1〜1.0モル、好ましくは0.3〜0.7モルである。
(還元処理の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、還元処理の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。還元処理で用いる溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。還元処理の溶媒の例は、工程(i)の説明において列挙したものを含む。還元処理の溶媒の好ましい例、より好ましい例、及び更に好ましい例も、還元処理のそれらと同様である。
還元処理の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、還元処理の溶媒の使用量は、例えば、式(D)の化合物(原料)1モルに対して、0(ゼロ)〜10L(リットル)、好ましくは0.1〜5L、より好ましくは0.3〜2Lである。2以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(還元処理の反応温度)
収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、還元処理の反応温度は、例えば、0℃〜50℃、好ましくは5℃〜35℃、より好ましくは5℃〜25℃である。
(還元処理の反応時間)
還元処理の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、還元処理の反応時間は、例えば、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間である。しかしながら、反応時間は当業者が適切に調整することができる。
<工程(pre-i)>
本発明の製造方法は、下記反応スキームで示される工程(pre-i)を工程(i)の前に含んでもよい。工程(pre-i)では、パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、式(1)の化合物を一酸化炭素及び式(2)のアルコールと反応させて、式(A)の化合物を製造する。工程(pre-i)では、工程(i)の原料になる式(A)の化合物が製造される。以下に、工程(pre-i)について詳細に説明する。
Figure 0006714785
(ここで、Xは脱離基であり、そしてR及びRfは本明細書中に記載の通りである)
(工程(pre-i)の原料:出発化合物:式(1)の化合物)
工程(pre-i)においては、出発化合物(原料)として式(1)の化合物を用いる。式(1)の化合物は、公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。
本明細書中、Xは脱離基である。Xは、反応の際に脱離基として機能する限りは、いずれの原子又は原子団でもよい。収率、反応性、入手性、価格等の観点から、Xの例は、フッ素原子を除くハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ等)、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ(例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基)、C1〜C4アルキルまたはハロゲン原子を有していてもよいベンゼンスルホニルオキシ(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、4−メチルベンゼンスルホニルオキシ、4−クロロベンゼンスルホニルオキシ等)を含み、好ましくは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を含み、より好ましくは臭素原子及び塩素原子を含み、更に好ましくは塩素原子を含む。
式(1)の化合物の具体的な例は、以下を含むが、これらに限定されない;(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、(E)−1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン、(E)−1−ヨード−3,3,3−トリフルオロプロペン、(E)−1−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタ−1−エン、(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、(Z)−1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン、(Z)−1−ヨード−3,3,3−トリフルオロプロペン及び(Z)−1−クロロ−3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタ−1−エン等、並びに任意の割合のそれらのE/Z混合物。
収率、反応性、入手性、価格、生成物の有用性等の観点から、式(1)の化合物の好ましい具体的な例は、以下を含む;(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、及び任意の割合のそれらの混合物。
「(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン」は、「HFO−1233zd(E)」とも称される。「(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン」は、「HFO−1233zd(Z)」とも称される。HFO−1233zd(E)とHFO−1233zd(Z)は、次世代の冷媒、発泡剤及び/又は溶剤として知られ、環境に優しい化合物である。(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは下記式(1−E−a)の化合物である。(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは下記式(1−Z−a)の化合物である。
Figure 0006714785
(工程(pre-i)の原料:アルコール:式(2)の化合物)
上述の出発化合物は、式(2)の化合物(アルコール)と反応させる。式(2)の化合物は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。
Figure 0006714785
(ここで、Rは本明細書中に記載の通りである)
式(2)の化合物の具体的な例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(2−プロパノールはイソプロピルアルコールとも称される)、ブチルアルコール(すなわち、1−ブタノール)、sec−ブチルアルコール(すなわち、2−ブタノール)、イソブチルアルコール(すなわち、2-メチルプロパン-1-オール)、tert−ブチルアルコール(すなわち、2−メチル−2−プロパノール)、ペンタノール、ヘキサノール等を含むが、これらに限定されない。
上記と同様の観点から、式(2)の化合物の好ましい具体的な例は、2−プロパノール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールを含み、より好ましくは2−プロパノール、tert−ブチルアルコールを含み、更に好ましくは2−プロパノールを含む。
式(2)の化合物の使用量は、反応が進行する限りはいずれの量でもよい。式(2)の化合物の使用量は、目的と状況に応じて、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、式(2)の化合物の使用量は、例えば、1〜30モル、好ましくは3〜20モル、より好ましくは5〜15モル、更に好ましくは10〜15モルである。
なお、式(2)の化合物(すなわち、アルコール)は溶媒を兼ねて使用してもよい。式(2)の化合物は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用することができる。
(工程(pre-i)のパラジウム触媒)
工程(pre-i)において、反応はパラジウム触媒の存在下で行われる。パラジウム触媒は、パラジウム源としてのパラジウム化合物と、配位子とを含む。こうした触媒は、後述のパラジウム化合物と指定の配位子とから、反応系内で(その場で(in situ))調製してもよく、反応系外で予め調製して反応系内へ投入してもよい。パラジウム触媒は、パラジウム化合物及び配位子以外の成分を含んでいてもよい。
(工程(pre-i)のパラジウム源としてのパラジウム化合物)
パラジウム触媒中のパラジウム源として、パラジウム化合物を用いる。反応が進行する限りは、任意のパラジウム化合物を用いることができる。パラジウム化合物は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。
パラジウム源としてのパラジウム化合物の例は、金属パラジウム、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(Pd(dba))、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))、パラジウム(II)アセチルアセトネート、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド及びビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、並びに他のパラジウム(0)錯体及びパラジウム(II)錯体、並びにパラジウム炭素、パラジウム担持アルミナ等を含むが、これらに限定されない。
収率、反応性、入手性、価格等の観点から、パラジウム源としてのパラジウム化合物の好ましい例は、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム(II)アセチルアセトネートを含み、より好ましい例は酢酸パラジウム(II)及び塩化パラジウム(II)を含む。
(工程(pre-i)のパラジウムの使用量)
パラジウム源としてのパラジウムの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量は、目的と状況に応じて、当業者が適宜調整することができる。収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一つの態様では、パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量は、例えば、式(1)の化合物(原料)1モル(すなわち、100mol%)に対して、パラジウム原子として(すなわち、金属パラジウム換算で)、0.01mol%〜10mol%、好ましくは0.01mol%〜5mol%、より好ましくは0.01mol%〜2mol%、更に好ましくは0.01mol%〜1mol%である。別の態様では、パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量は、例えば、式(1)の化合物(原料)1モル(すなわち、100mol%)に対して、パラジウム原子として(すなわち、金属パラジウム換算で)、0.05mol%〜10mol%、好ましくは0.05mol%〜5mol%、より好ましくは0.05mol%〜2mol%、更に好ましくは0.05mol%〜1mol%である。更に別の態様では、パラジウム源としてのパラジウム化合物の使用量は、例えば、式(1)の化合物(原料)1モル(すなわち、100mol%)に対して、パラジウム原子として(すなわち、金属パラジウム換算で)、0.1mol%〜10mol%、好ましくは0.1mol%〜5mol%、より好ましくは0.1mol%〜2mol%、更に好ましくは0.1mol%〜1mol%である。
パラジウム源としてのパラジウム化合物は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用してもよい。パラジウム源としてのパラジウム化合物の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。パラジウム化合物の形態は、当業者が適切に選択することができる。
(工程(pre-i)のパラジウム触媒中の配位子)
反応が進行する限りは、工程(pre-i)のパラジウム触媒中の配位子はいずれの配位子でもよい。配位子は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。配位子の例は、本明細書中に記載されたものを含むが、これらに限定されない。
パラジウム触媒中の配位子の好ましい例は、式(4)の化合物又はその塩を含む。式(4)の化合物は、2個のアダマンチル基を有する。式(4)の化合物は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。
Figure 0006714785
式(4)中のAは、(C1−C6)アルキルである。(C1−C6)アルキルにおける1個以上の(好ましくは1個の)水素原子は、任意の置換基により置換されていてもよい。置換基は、式(4)の化合物の配位子としての作用を妨げない限り、任意のものを用いることができる。置換基の具体例は、(C6−C10)アリール、ハロゲン原子、シアノ(−CN)、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルコキシカルボニル、好ましくはフェニルを含む。
収率、反応性、入手性、価格等の観点から、式(4)中のAの好ましい例は、直鎖(C3−C5)アルキル(すなわち、プロピル、ブチル及びペンチル)を含み、より好ましくはブチル(すなわち、n−ブチル)を含む。
式(4)の化合物の具体的な例は、以下を含むが、これらに限定されない;ジ(1−アダマンチル)−n−プロピルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−i−プロピルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(AdPBu)、ジ(1−アダマンチル)−t−ブチルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ペンチルホスフィン。
「ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン」は、「cataCXium A(登録商標、エボニック デグサ ゲーエムベーハー)」として知られている。
式(4)の化合物の塩の例は、ハロゲン化水素酸塩を含む。ハロゲン化水素酸塩の具体的な例は、塩酸塩、臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩、好ましくは臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩を含む。
上記と同様の観点から、式(4)の化合物又はその塩の好ましい具体的な例は以下を含む;ジ(1−アダマンチル)−n−プロピルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(AdPBu)、ジ(1−アダマンチル)−n−ペンチルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン臭化水素酸塩(AdPBu・HBr)、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィンヨウ化水素酸塩(AdPBu・HI)。より好ましい具体的な例は、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(AdPBu)、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン臭化水素酸塩(AdPBu・HBr)、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィンヨウ化水素酸塩(AdPBu・HI)を含む。
式(4)の化合物又はその塩の代表例を、以下に示す。
Figure 0006714785
Figure 0006714785
(工程(pre-i)の配位子の使用量)
収率、経済効率等の観点から、工程(pre-i)の配位子の使用量は、例えば、パラジウム原子1モルに対して、通常2モル以上、好ましくは2〜10モル、より好ましくは2〜6モル、更に好ましくは2.5〜6.0モルである。更に、配位子として式(4)の化合物又はその塩を用いるときは、配位子の使用量は、パラジウム原子1モルに対して、2.5〜3.5モルが特に好ましい。
言い換えれば、パラジウム原子と配位子とのモル比は、例えば、通常1:2以上、好ましくは1:2〜1:10、より好ましくは1:2〜1:6、更に好ましくは1.0:2.5〜1.0:6.0である。更に、配位子として式(4)の化合物又はその塩を用いるときは、パラジウム原子と配位子とのモル比は、1.0:2.5〜1.0:3.5が特に好ましい。
(工程(pre-i)の塩基)
工程(pre-i)における反応は、塩基の存在下で行われる。反応が進行する限りは、工程(pre-i)の塩基はいずれの塩基でもよい。工程(pre-i)の塩基の例は、無機塩基、有機塩基、金属アルコキシド、カルボン酸塩等を含むが、これらに限定されない。
無機塩基の例は、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素カルシウム等)、金属水素化物(例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等)、リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等)、リン酸水素塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム等)等を含むが、これらに限定されない。
有機塩基の例は、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等)、2級アミン(例えば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等)、1級アミン(例えば、ブチルアミン等)、環状アミン(例えば、ピペリジン、モルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等)、芳香族アミン(例えば、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等)、ピリジン類(例えば、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、2,6−ルチジン等)、キノリン類およびその異性体(例えば、キノリン、イソキノリン等)等を含むが、これらに限定されない。
金属アルコキシドの例は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等を含むが、これらに限定されない。
カルボン酸塩の例は、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム等を含むが、これらに限定されない。
収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(pre-i)の塩基の好ましい例は、3級アミンを含み、好ましくはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンを含み、より好ましくはトリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンを含み、更に好ましくはトリエチルアミンを含む。
工程(pre-i)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。工程(pre-i)の塩基の使用量は、目的と状況に応じて、当業者が適宜調整することができる。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(pre-i)の塩基の使用量は、例えば、式(1)の化合物(原料)に対して、1当量以上、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1〜3当量である。工程(pre-i)の塩基は、単独で又は任意の割合の2以上の組み合わせで使用してもよい。工程(pre-i)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(pre-i)の塩基の形態は、当業者が適切に選択することができる。
(工程(pre-i)の溶媒)
工程(pre-i)の反応は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒を用いるか否かは、当業者が適宜決定することができる。溶媒を使用する場合、反応が進行する限りは、溶媒はいずれの溶媒でもよい。その溶媒は、当業者が適切に選択することができる。
工程(pre-i)の溶媒の例は、芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)及び任意の割合のそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
上述したように、原料としての式(2)の化合物(すなわち、アルコール)を、溶媒を兼ねて使用してもよい。アルコールの具体的な例、好ましい具体的な例及びより好ましい具体的な例は、それぞれ前述した式(2)の化合物のそれらと同じである。実施例に示されるように、式(2)のアルコールを、溶媒を兼ねて使用したときでも、十分に反応が進行する。
溶媒の使用量は、反応系の撹拌が十分にできる限りは、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、溶媒の使用量は、例えば、式(1)の化合物(原料)1モルに対して、0〜10L、好ましくは0.1〜5L、より好ましくは0.5〜1Lである。2以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(一酸化炭素)
工程(pre-i)における反応では、一酸化炭素を用いる。工程(pre-i)の一酸化炭素の圧力は、反応が進行する限りは、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、工程(pre-i)の一酸化炭素の圧力は、例えば、0(ゼロ)〜100kgf/cm(ゲージ圧力)、好ましくは5〜100kgf/cm(ゲージ圧力)、より好ましくは5〜50kgf/cm(ゲージ圧力)、更に好ましくは10〜50kgf/cm(ゲージ圧力)、更に好ましくは10〜30kgf/cm(ゲージ圧力)である。
本明細書中、圧力はすべてゲージ圧力で表わされる。したがって、0(ゼロ)kgf/cmの圧力は大気圧である。
(工程(pre-i)の反応温度)
工程(pre-i)の反応温度は、特に制限されない。しかしながら、収率、副生成物抑制、経済効率等の観点から、一つの態様では、工程(pre-i)の反応温度は、例えば、50℃〜200℃、好ましくは90℃〜190℃、より好ましくは90℃〜180℃、より好ましくは90℃〜150℃、更に好ましくは90℃〜130℃である。別の態様では、工程(pre-i)の反応温度は、例えば、100℃〜200℃、好ましくは100℃〜190℃、より好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは100℃〜150℃、更に好ましくは100℃〜130℃、更に好ましくは100℃〜120℃である。
(工程(pre-i)の反応時間)
工程(pre-i)の反応時間は、特に制限されない。収率等の観点から、工程(pre-i)の反応時間は、例えば、通常1時間以上、好ましくは1時間〜10日間、より好ましくは1時間〜5日間である。反応時間は、目的と状況に応じて、当業者が適切に調整することができる。
(工程(pre-i)の生成物:式(A)の化合物)
工程(pre-i)で製造される生成物は、原料として用いた式(1)及び(2)の化合物に対応する式(A)の化合物である。式(A)の化合物の具体的な例、好ましい具体的な例及びより好ましい具体的な例は、工程(i)の原料として上記の通りである。
前述したが、工程(i)の原料として用いられる式(A)の化合物(含フッ素不飽和カルボン酸エステル)は、公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。
例えば、後述の参考例1に示されるように、四フッ化硫黄(SF)を用いて含フッ素不飽和カルボン酸エステルを製造できる。しかしながら、四フッ化硫黄を用いる方法では、収率が低くかった。更に、四フッ化硫黄は腐食性が高い。従って、改善が望まれていた。
上記の状況で、本発明者は、工程(i)の原料である式(A)の化合物の製造する方法を研究した。その結果、本発明者は、新規な式(A)の化合物の製造方法を見出した。すなわち、工程(pre-i)を含む方法により、式(A)の化合物を製造することに成功した。工程(pre-i)を含む方法は、環境への負荷を低減しつつ、式(A)の化合物を経済的に製造できるのである。
更に、工程(pre-i)においては、安価な配位子を用いても反応が満足に進行すること及び特定の配位子を用いて触媒の量(すなわち、パラジウム化合物の量及び配位子の量)を減少できることも判明した。
従って、この方法は、工業的な実施において、目的と状況に応じて、様々な好ましい選択肢と柔軟性(フレキシビリティ)を提供することもまた可能である。
その一方で、工程(i)の原料である式(A)の化合物のいずれの異性体もそれらの混合物も使用できることも判明した。加えて、予期せずして、工程(pre-i)の原料である式(1)の化合物のいずれの異性体もそれらの混合物も使用できることもまた判明した。これらの点からも、本発明では、工業的な実施における様々な好ましい選択肢と柔軟性(フレキシビリティ)が提供され、そして目的化合物を安価に製造できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されない。
製造される化合物の各物性の測定には、次の機器及び条件を用いた。
19F−NMR:19F核磁気共鳴スペクトル)
機器:JEOL JMN−ECS−300又はJEOL JMN−Lambda−400(株式会社JEOL RESONANCE製)
溶媒:CDCl
内部基準物質:ベンゾトリフルオリド(CCF
H−NMR:H核磁気共鳴スペクトル)
機器:JEOL JMN−ECS−300又はJEOL JMN−Lambda−400(株式会社JEOL RESONANCE製)
溶媒:CDCl
内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
(GC−MS:ガスクロマトグラフィー質量分析)
分析装置:6890N Network GC System(Agilent Technologies製)
質量検出器:5973N MSD(Agilent Technologies製)
(転化率(Conversion))
本発明における転化率は、出発化合物(原料)の仕込み量に対する、反応中に消費された出発化合物の量の百分率である。
すなわち、転化率は、以下の式で表される:
転化率(%)=(消費された出発化合物の量)/(仕込んだ出発化合物の量)×100
例えば、転化率は、反応混合物の19F−NMRにおけるピーク積分値の比(ピーク面積比)から算出した。
(収率)
本発明における収率は、出発化合物(原料)のモル数に対する、生成した目的化合物(生成物)のモル数から計算することができる。すなわち、収率は、以下の式により表される:
収率(%)=(生成した目的化合物(生成物)のmol数)/(出発化合物(原料)のmol数)×100
本明細書中、用語「室温」は、「10〜30℃」を意味する。
<実施例1>
(工程(pre-i))
配位子AdPBuを用いる4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
例えば、工程(i)の原料である式(A)の化合物は、下記スキームに示すように製造できる。
Figure 0006714785
ステンレス製耐圧容器(オートクレーブ)に、出発化合物としての(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−E−a)(0.65g、5mmol、100mol%)、触媒としての酢酸パラジウム(以下、Pd(OAc)と略記することがある)(11mg、0.05mmol、1mol%)及びAdPBu(36mg、0.1mmol、2mol%)、アルコールとしての2−プロパノール(3.8mL、比重:0.79、50mmol、1000mol%)、並びに塩基としてのトリエチルアミン(1.4mL、比重:0.73、10mmol、200mol%)を収容した。オートクレーブ内に10kgf/cm(160mol%)まで一酸化炭素を充填し、100℃で4日間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを氷冷して、残圧を開放した。反応混合物に、ベンゾトリフルオリド(CCF、0.37g、2.5mmol、50mol%)を内部標準として加えた。この反応混合物を19F NMRにより分析した。その結果、目的化合物としてのトリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)の収率は99%であった。
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -66.6 (dd, J = 2.0, 6.6 Hz, 3F).
実施例1では、配位子AdPBuを用いることにより、99%もの高い収率で、出発化合物(1−E−a)から目的化合物(A−E−a)を得ることができた。
出発化合物(1−E−a)は、容易に入手が可能で環境に優しい化合物である。環境に与える負荷は低減され、経済的に目的化合物を製造することができることが示された。
<実施例2〜20>
(工程(pre-i)における配位子の検討)
4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
下記表1に示すように配位子を変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。ただし、配位子の差による影響を検討するために、反応を18時間で停止した。
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
実施例で使用した配位子及び関連する配位子、並びにそれらの略語を以下に示す。
Figure 0006714785
Figure 0006714785
Figure 0006714785
Figure 0006714785
Figure 0006714785
Figure 0006714785
得られた反応混合物を、上述と同様にベンゾトリフルオリドを内部標準として用いる19F NMRにより分析して、収率を求めた。
結果を表1に示す。
Figure 0006714785
様々な配位子を用いることで、目的化合物を得ることができた。その中でも、配位子AdPBu及びその類縁体が安定して高い収率を与え、特に好ましかった。
<実施例21〜35>
(工程(pre-i)における配位子AdPBuを用いる反応条件の検討。)
4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
特に好ましかった配位子AdPBuを用いて、反応条件を検討した。
下記表2に示すように一酸化炭素の充填圧力、反応温度及び配位子AdPBuの量を変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。ただし、反応条件の差による影響を検討するために、出発化合物(1−E−a)に対して0.1mol%のPd(OAc)を使用し、反応を18時間で停止した。
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
得られた反応混合物を、上述と同様にベンゾトリフルオリドを内部標準として用いる19F NMRにより分析して、収率を求めた。
結果を表2に示す。
Figure 0006714785
広い範囲の温度、広い範囲のCO圧力及び広い範囲のパラジウム原子と配位子のモル比で、反応が良好に進行することが確認された。
実施例21〜24から、10〜50kgf/cmのCO圧力の広い範囲で反応が良好に進行することが理解される。加えて、10〜30kgf/cmのCO圧力がより好ましかった。
実施例21、25〜27から、100〜180℃の広い温度の範囲で反応が良好に進行することが理解される。加えて、100〜120℃がより好ましかった。
実施例28〜35から、1:2〜1:10のパラジウム原子と配位子のモル比で反応が良好に進行することが理解される。加えて、1.0:2.5〜1.0:6.0がより好ましかった。更に、配位子がAdPBuである場合は、1.0:2.5〜1.0:3.5が特に好ましいことも理解される。
<実施例36>
(工程(pre-i))
配位子AdPBuを用いる4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
反応時間を3日間に変更した以外は、実施例32と同様にして反応と分析を行った。0.1mol%との少量のパラジウムを触媒に使用したにもかかわらず、目的化合物が、ほぼ定量的に99%もの高い優れた収率で生成していた。
<実施例37>
(工程(pre-i))
配位子AdPBuを用いる4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
ステンレス製耐圧容器(オートクレーブ)に、出発化合物としての(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−E−a)(19.6g、0.15mol、100mol%)、触媒としてのPd(OAc)(34mg、0.00015mol、0.1mol%)及びAdPBu(161mg、0.00045mol、0.3mol%)、アルコールとしての2−プロパノール(114mL、比重:0.79、1.5mol、1000mol%)、並びに塩基としてのトリエチルアミン(42mL、比重:0.73、0.3mol、200mol%)を収容した。オートクレーブ内に一酸化炭素を充填し、120℃で5日間撹拌した。反応中、一酸化炭素を逐次的に供給し、内圧を25kgf/cmに保つようにした。
反応終了後、オートクレーブを氷冷し、残圧を開放した。反応混合物の19F NMR分析の結果、転化率は90%であった。
反応混合物にジエチルエーテル(100mL、0.66L/mol)を加えた後、混合物を室温で5分間撹拌した。析出した結晶を濾過し、ジエチルエーテル(50mL、0.33L/mol)で洗浄した。濾液を合わせて、目的化合物を含むジエチルエーテル溶液199.7gを得た。
得られたジエチルエーテル溶液を、上述と同様にベンゾトリフルオリドを内部標準として用いる19F NMRにより分析した。満足できる収率(77%)で目的化合物が得られた。
ジエチルエーテル溶液を分別蒸留した後、目的化合物をNMR分析により同定した。結果を以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ (ppm, TMS基準): 6.77 (dq, J = 6.6, 15.9 Hz, 1H), 6.48 (dq, J = 2.0, 15.9 Hz, 1H), 5.12 (sept, J = 6.1 Hz, 1H), 1.31 (d, J = 6.1 Hz, 6H).
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -66.6 (dd, J = 2.0, 6.6 Hz, 3F).
上記実施例に示す工程(pre-i)で得られた化合物(トリフルオロクロトン酸イソプロピル)は、工程(i)の原料に用いることができる。
<実施例38>
(工程(pre-i))
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのE−異性体(1−E−a)を原料として用いる方法
配位子AdPBuを用いる4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
ステンレス製耐圧容器(オートクレーブ)に、出発化合物としての(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−E−a)(2.6g、20mmol、100mol%)、触媒としてのPd(OAc)(45mg、0.2mmol、1mol%)及びAdPBu(143mg、0.4mmol、2mol%)、アルコールとしての2−プロパノール(15.2mL、比重:0.79、200mmol、1000mol%)、並びに塩基としてのトリエチルアミン(5.5mL、比重:0.73、40mmol、200mol%)を収容した。オートクレーブ内に20kgf/cmで一酸化炭素を充填し、120℃で8時間撹拌した。
得られた反応混合物を、上述と同様にベンゾトリフルオリドを内部標準として用いる19F NMRにより分析して、収率を求めた。その結果、目的化合物としてのトリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)の収率は97%であった。高い収率で且つ短い反応時間で目的化合物(A−E−a)を得ることができた。
<実施例39>
(工程(pre-i))
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのE−異性体(1−E−a)を原料として用いる方法
配位子PPhを用いる4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
触媒をPd(OAc)(5mol%)及びPPh(20mol%)に変更した以外は、実施例38と同様にして反応と分析を行った。その結果、目的化合物としてのトリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)の収率は90%であった。安価な配位子PPhを使用して、良好に反応が進行した。
<実施例40>
(工程(pre-i))
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ−異性体(1−Z−a)を原料として用いる方法
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
出発化合物を(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−E−a)から(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−Z−a)に変更した以外は、実施例38と同様にして反応と分析を行った。その結果、4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)と4,4,4−トリフルオロイソクロトン酸プロピル(A−Z−a)の混合物をE/Z比が42:58(約1:1)で且つ収率99%で生成していた。
常法により得られた粗製の化合物(A−E−a)と化合物(A−Z−a)のE/Z混合物は、後述の実施例49における工程(i)の原料として用いた。その結果、工程(pre-i)における出発化合物として、式(1)のE−異性体だけではなく、式(1)のZ−異性体も用いることができることが判明した。
<実施例41>
(工程(pre-i))
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのE/Z混合物を原料として用いる方法
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
出発化合物を(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−E−a)から(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−E−a)と(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1−Z−a)のE/Z比が50:50(1:1)のE/Z混合物に変更した以外は、実施例38と同様にして反応と分析を行った。その結果、4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)と4,4,4−トリフルオロイソクロトン酸プロピル(A−Z−a)の混合物がE/Z比が72:28(約2.6:1)で且つ収率97%で生成していた。
従って、工程(pre-i)における出発化合物として、式(1)の化合物のE/Z混合物を用いることができることも判明した。
<実施例42>
(工程(pre-i))
4,4,4−トリフルオロクロトン酸tert−ブチル(A−E−d)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
アルコールを2−プロパノールからtert−ブチルアルコールに変更した以外は、実施例38と同様にして反応と分析を行った。その結果、目的化合物としてのトリフルオロクロトン酸tert−ブチル(A−E−d)の収率は92%であった。アルコールとして2−プロパノールの代わりにtert−ブチルアルコールを用いても、良好に反応が進行した。
<実施例43>
4,4,4−トリフルオロクロトン酸エチル(A−E−b)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
2−プロパノールの代わりにエタノール(2.9mL、比重:0.79、50mmol、1000mol%)を用いた以外は、実施例36と同様にして反応と分析を行った。
目的化合物(A−E−b)が収率40%で生成し、副生成物として3−エトキシ−4,4,4−トリフルオロブタン酸エチルが収率46%で生成していた。11%の原料(出発化合物、1−E−a)が未反応で残存していた。
3−エトキシ−4,4,4−トリフルオロブタン酸エチル(副生成物)のスペクトルデータ:
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -78.6 (d, J = 6.7 Hz, 3F).
<実施例44>
4,4,4−トリフルオロクロトン酸メチル(A−E−c)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
2−プロパノールの代わりにメタノール(2.0mL、比重:0.79、50mmol、1000mol%)を用いた以外は、実施例36と同様にして反応と分析を行った。
目的化合物(A−E−c)が収率1%で生成し、副生成物として3−メトキシ−4,4,4−トリフルオロブタン酸メチルが収率84%で生成していた。
3−メトキシ−4,4,4−トリフルオロブタン酸メチル(副生成物)のスペクトルデータ:
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm, TMS基準): 4.13 (ddd, J = 3.4, 6.7, 9.8, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.56 (s, 3H), 2.68 (dd, J = 3.4, 16.6 Hz, 1H), 2.59 (dd, J = 9.8, 16.6 Hz, 1H).
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -78.6 (d, J = 6.7 Hz, 3F) ppm.
GC-MS (EI): m/z = 155 [M-OMe], 136 [M-OMe-F], 113 [M-CH2CO2Me], 89, 75, 63, 59 [CO2Me].
実施例43及び44では、目的化合物(A−E−b,A−E−c)に加えて、上記の副生成物が生成した。出発化合物(1−E−a)から目的化合物(A−E−b,A−E−c)への所望の反応が進行した。加えて、目的化合物中の二重結合へのアルコールの付加反応(過剰反応)も起きたことが推測される。この付加反応(過剰反応)により、副生成物が生成したと推定される。
過剰反応を抑制して、出発化合物から高い収率で目的化合物を得るためには、式(2)のアルコールとして2−プロパノール(すなわち、R=イソプロピル)、tert−ブチルアルコール(すなわち、R=tert−ブチル)等の2級アルコール及び3級アルコールが好ましいことが示された。従って、比較的嵩高いアルコールが好ましいことが判明した。
下記実施例45に示すように、工程(i)、工程(ii)、及び工程(iii)の3工程を行うことで、目的化合物(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール)を得た。
<実施例45>
(工程(i))
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドラジニルブタン酸イソプロピル(B−a)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
ヒドラジン一水和物(1.00g,20.0mmol,120mol%)をメタノール(17mL,1L/mol)に溶解した。内温を10℃前後に維持しながら、そこに原料としてのトリフルオロクロトン酸イソプロピル(B−a)(3.00g,16.5mmol,100mol%)を加え、室温で1時間撹拌した。
反応混合物に水(50mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出し、有機層を水(2×100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、40℃以下で減圧濃縮した。2.90gの無色液体が、生成物として得られた。この生成物をH NMR及び19F NMRにより分析し、4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドラジニルブタン酸イソプロピル(B−a)が同定された。純度:91.3wt%。収率:75%。
H NMR及び19F NMRのデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm): 5.06 (1H, sept, J = 6.2 Hz), 3.72-3.63 (1H, m), 3.22 (3H, br s), 2.57-2.68 (2H, m), 1.26 (6H, d, J = 6.2 Hz).
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -75.1 (d, J = 6.8 Hz).
特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)の実施例では、副生成物を抑制するために、2.0当量(200モル%)のヒドラジンを使用しており、かなりの量のヒドラジンが必要であると理解される。更に、特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)は、過剰のヒドラジンが回収再使用(リサイクル)できることを提案する。しかしながら、本発明では、1.2当量のヒドラジンで十分であることが判明した。本発明は、ヒドラジンのリサイクルが必要ない点で有利である。
(工程(ii))
4,4,4−トリフルオロ−3−(2−メチレンヒドラジニル)ブタン酸イソプロピル(C−a)の製造
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
上記工程(i)で得られた4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドラジニルブタン酸イソプロピル(B−a)(2.00g,純度:91.3wt%,8.52mmol,100mol%)を、メタノール(9mL,1L/mol)に溶解した。内温を10℃前後に維持しながら、そこに酢酸ナトリウム(0.21g,2.56mmol,30mol%)及び37%ホルマリン(0.69g,8.52mmol,100mol%)を加えて、10〜15℃で1時間撹拌した。
反応混合物に水(50mL)を加え、得られた混合物をジクロロメタン(100mL)で抽出し、有機層を水(2×100mL)及び飽和食塩水(100mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、30℃以下で減圧濃縮した。1.82gの無色液体が、生成物として得られた。この生成物をH NMR及び19F NMRにより分析し、4,4,4−トリフルオロ−3−(2−メチレンヒドラジニル)ブタン酸イソプロピル(C−a)が同定された。純度:92.4wt%。収率:87%。
H NMRデータ及び19F NMRのデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.67 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.19 (1H, dd, J = 1.0, 11.2 Hz), 5.74 (1H, br d, J = 5.8 Hz), 5.05 (1H, sept, J = 6.1 Hz), 4.30-4.20 (1H, m), 2.79 (1H, dd, J = 8.8, 16.1 Hz), 2.71 (1H, dd, J = 4.4, 16.1 Hz), 1.25 (6H, d, J = 6.1 Hz)..
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -75.8 (d, J = 6.8 Hz).
(工程(iii))
5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール(D−a)の製造。
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
上記工程(ii)で得られた4,4,4−トリフルオロ−3−(2−メチレンヒドラジニル)ブタン酸イソプロピル(C−a)(1.00g,純度:92.4wt%,4.08mmol)を、メタノール(4mL,1L/mol)に溶解した。60℃に加熱しながら、そこにカリウムtert−ブトキシド(0.60g,5.30mmol,130mol%)を一度に加えた。混合物は、自発的に発熱して短時間還流状態となり、直ちに黄色に変化した。混合物を同温で5分間撹拌し、氷浴で室温以下に冷却した。その後、pH試験紙でpHが1になるまで濃塩酸を加えて、反応を停止して、反応混合物を得た。反応混合物の定量19F NMRの結果、反応混合物中には目的の5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール(D−a)が含まれており、収率は89%であった。この化合物は公知化合物である。
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -64.0 (s).
<実施例46>
(工程(i)、(ii)及び(iii))
ワンポットで目的の5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール(D−a)を製造した。
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
(工程(i))
原料としてのトリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)(1.0g,5.5mmol)をメタノール(2.8mL)に溶解した。内温を10℃前後に維持しながら、そこにヒドラジン一水和物(0.33g,6.6mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。
(工程(ii))
次いで、内温を10℃前後に保ちながら、そこに37%ホルマリン(0.45g,5.5mmol)を加え、10〜15℃で更に1時間撹拌した。
(工程(iii))
次いで、ナトリウムメトキシド(1mol/Lメタノール溶液,6.9mL,7.2mmol)を加え、60℃で10分間加熱撹拌した。
(後処理)
室温まで冷却後、そこに水素化ホウ素ナトリウム(0.10g,2.8mmol)を固体で添加し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した後、氷冷しながらpHが1になるまで濃塩酸(約1mL)を滴下した。無機物を濾過で除去し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶媒を留去した。1.1gの粗生成物がペースト状の固体として得られた。粗生成物にトルエン(10mL)を加えて共沸脱水した後、得られた混合物を酢酸エチル(50mL)に溶解した。この溶液に飽和食塩水(5mL)及び濃塩酸(1mL)を加えて撹拌した後、有機層と水層を分離した。得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶媒を留去した。NMR上で純粋な固体として、0.80gの目的化合物(D−a)が得られた。収率は88%であった。
特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)は、工程(ii)において、副生成物の抑制と副生成物の除去の観点から、かなりの量のヒドラジンの使用(例えば、特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)の実施例で示される2.0当量、すなわち200mol%)及び/又は蒸留による精製を提案する。本発明は、その両方が必要ない点で有利である。
加えて、特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)は、工程(ii)において、副生成物の抑制と副生成物の除去の観点から、塩基の使用を提案する。更には、塩基の存在下での蒸留による精製も提案する。本発明によれば、工程(ii)において、そのような蒸留による精製は必要ではなく、より高い収率が得られることが判明した。
<比較例1>
下記反応スキームに示すように、目的の5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール(D−a)の製造を試みた。
Figure 0006714785
原料としてのトリフルオロクロトン酸エチル(A−E−b)(1.0g,6.0mmol)をエタノール(6mL)に溶解した。氷浴上でヒドラジン一水和物(0.36g,7.2mmol)を加えて、1時間撹拌した。
次いで、パラホルムアルデヒド(0.21g,7.2mmol)及び微量の炭酸水素ナトリウムを加え、40℃で1間撹拌した。
次いで、ナトリウムエトキシド(0.53g,7.8mmol)を加えて、混合物を加熱還流した。黒色の複雑な混合物が生成し、混合物中に目的化合物(D−a)は検出されなかった。
<比較例2>
下記反応スキームに示すように、5−ヒドロキシ−1−メチル−3−メチルピラゾールの製造を試みた。
Figure 0006714785
原料としてのクロトン酸tert−ブチル(0.50g,3.5mmol)をエタノール(3mL)に溶解した。ヒドラジン一水和物(0.36g,7.2mmol)を加えて、還流温度で1時間撹拌した。
次いで、パラホルムアルデヒド(0.13g,4.2mmol)及び炭酸水素ナトリウム(0.029g,0.35mmol)を加え、40℃で1時間撹拌した。
次いで、カリウムtert−ブトキシド(0.51g,4.6mmol)を加えて、混合物を加熱還流した。複雑な混合物が生成し、混合物中に目的化合物は検出されなかった。
<比較例3>
下記反応スキームに示すように、目的化合物(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリクロロメチルピラゾール)の製造を試みた。
Figure 0006714785
原料としてのトリクロロクロトン酸イソプロピル(1.0g,4.3mmol)をメタノール(4.3mL)に溶解した。内温を10℃前後に保ちながら、そこにヒドラジン一水和物(0.26g,5.2mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。
次いで、内温を10℃前後に保ちながら、37%ホルマリン(0.35g,4.3mmol)を加え、室温で更に1時間撹拌した。
次いで、ナトリウムメトキシド(1mol/Lメタノール溶液,5.6mL,5.6mmol)を加え、60℃で10分間加熱撹拌した。複雑な混合物が生成して、混合物中に目的化合物は検出されなかった。
<実施例47>
(工程(i)及び(ii))
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
(工程(i))
ヒドラジン一水和物(1.5g,30.6mmol)をエタノール(25mL)に溶解した。還流下、原料としてのトリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)(5.0g,25.5mmol)を滴下して、30分間撹拌した。反応混合物を40℃まで冷却した。
(工程(ii))
次いで、炭酸水素ナトリウム(0.21g,2.6mmol)及びパラホルムアルデヒド(0.92g,30.6mmol)を加えて、同温度で更に1時間撹拌した。
室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層と水層を分離して、得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧濃縮して、目的化合物(C−a)を含む5.8gの無色液体を得た(純度:42.6wt%、純分換算収率:40%)。
実施例47では、工程(i)と工程(ii)の反応を比較的高い温度で行った。一方で、前述の実施例46では、工程(i)と工程(ii)の反応を比較的低い温度で行った。その結果、実施例47では収率が比較的低く、46では収率が高かった。従って、工程(i)と工程(ii)の反応を比較的低い温度で行うのであれば、より高い収率で目的化合物が得られることが判明した。
<実施例48>
下記反応スキームに示すように、ワンポットで目的の5−ヒドロキシ−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール(D−a)を製造した。
Figure 0006714785
(工程(i))
原料としてのトリフルオロクロトン酸tert−ブチル(1.0g,5.1mmol)をメタノール(5mL)に溶解した。内温を10℃前後に保ちながら、そこにヒドラジン一水和物(0.31g,6.1mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。
(工程(ii))
次いで、内温を10℃前後に維持しながら、そこに37%ホルマリン(0.41g,5.1mmol)を加え、10〜15℃で更に1時間撹拌した。
(工程(iii))
次いで、ナトリウムメトキシド(1mol/Lメタノール溶液,6.4mL,6.6mmol)を加え、60℃で10分間加熱撹拌した。
(後処理)
室温まで冷却後、そこに水素化ホウ素ナトリウム(0.10g,2.6mmol)を固体で添加し、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水(20mL)と酢酸エチル(20mL)加えて撹拌した後、有機層と水層を分離した。得られた水層を氷冷しながらpHが1になるまで濃塩酸(約1mL)を滴下した。水層を酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶媒を留去した。NMR上で純粋な固体として0.72gの目的化合物が得られた。収率は85%であった。
特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)の実施例33では、本明細書の実施例48と同じエステル残基を用いて、類似の条件で反応を行っている。実施例48における収率は85%である一方で、特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)の実施例33における収率は66%である。特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)に記載の方法は、本発明の方法には及ばないことが確認される。すなわち、本発明の方法は特開昭61-229852号(特許文献2)及び特開平6-166666(特許文献3)の方法よりも優れている。
<実施例49>
(工程(i))
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドラジニルブタン酸イソプロピル(B−a)の製造
原料として式(A)のE/Z混合物を用いる方法
反応スキームを以下に示す。
Figure 0006714785
実施例49では、原料として、実施例40で得られた粗製の化合物(A−E−a)と化合物(A−Z−a)のE/Z混合物を用いた。
ヒドラジン一水和物(47mg,0.94mmol,120mol%)をメタノール(0.8mL,1L/mol)に溶解した。内温を5〜10℃に維持しながら、そこに原料としての粗製のトリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)とトリフルオロイソクロトン酸イソプロピル(A−Z−a)のE/Z混合物(純度70.7wt%,E:Z=42:58,200mg,0.78mmol,100mol%)を加え、同温で1時間攪拌した。
反応混合物に、ベンゾトリフルオリド(CCF,57mg,0.39mmol)を内部標準として加えた。この反応混合物を19F NMRにより分析した。その結果、4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドラジニルブタン酸イソプロピルの収率は87%であった。
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドラジニルブタン酸イソプロピルのスペクトルデータ:
19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ (ppm): -75.16 (d, J = 7.3 Hz, 3F).
工程(i)の原料である式(A)の化合物について、E−異性体、Z−異性体、それらの混合物のいずれもが使用できることが判明した。
加えて、工程(pre-i)の原料である式(1)の化合物についても、E−異性体、Z−異性体、それらの混合物のいずれもが使用できることが判明した。
<参考例1>
四フッ化硫黄(SF)を用いる4,4,4−トリフルオロクロトン酸プロピル(A−E−a)の製造
Figure 0006714785
ステンレス製耐圧容器(オートクレーブ)に、フマル酸イソプロピル(100mg、0.63mmol、100mol%)を加え、容器内を窒素置換した。そこに、液化四フッ化硫黄(SF、1mL、比重:1.95(−78℃)、18mmol、2850mol%)を加え、窒素雰囲気下で容器を密封し、100℃で108時間撹拌した。反応終了後、オートクレーブを氷冷し、残圧を開放した。反応混合物に、ベンゾトリフルオリド(CCF、47mg、0.32mmol、50mol%)を内部標準として加えた。この反応混合物を19F NMRにより分析した。
その結果、4,4,4−トリフルオロクロトン酸イソプロピル(目的化合物、A−E−a)の収率は33%であり、4,4,4−トリフルオロクロトン酸が収率13%で生成していた。
トリフルオロクロトン酸イソプロピル(A−E−a)のスペクトルデータ:
19F NMR (282 MHz, CDCl3) δ (ppm): -66.55 (dd, J = 2.3, 6.8 Hz, 3F).
トリフルオロクロトン酸のスペクトルデータ:
19F NMR (282 MHz, CDCl3) δ (ppm): -67.26 (dd, J = 2.3, 5.4 Hz, 3F).
なお、上記参考例1で用いられた四フッ化硫黄(SF)は、公知の化合物であり、公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる。例えば、下記製造例1〜3に示すように製造された。
二塩化硫黄(SCl)は、Inorganic laboratory preparations, New York: Chemical Pub. Co., pp. 120-121 (1962) に記載の方法に準じて製造することができる。例えば、二塩化硫黄は下記製造例1に示すように製造された。
<製造例1>
二塩化硫黄(SCl)の製造
Figure 0006714785
塩素吹込み口及び窒素吹込み口を備えた三ツ口フラスコに、一塩化硫黄(SCl,100g,0.74mol)及び鉄粉(0.2g)を加え、系内を窒素でパージした。窒素吹込み口を閉じ、攪拌しながら、塩素吹込み口より塩素ガス(Cl,70g,1.04mol,塩素ボンベを天秤に載せて秤量)を吹き込んだ。30〜40℃までの穏やかな発熱が観察された。吹き込み終了後、塩素雰囲気下、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に三塩化リン(PCl,1mL)を加え、上清をデカンテーションでVigreuxカラム(10cm)を備えた蒸留フラスコに移した。常圧蒸留により沸点53.0〜59.0℃の暗赤色液体を集めた。収量:96.9g(64%)。
四フッ化硫黄(SF)は、特開昭56-054209に記載の方法に準じて製造することができる。例えば、四フッ化硫黄は下記製造例2に示すように製造された。
<製造例2>
二塩化硫黄とフッ化水素ピリジンからの四フッ化硫黄の製造
Figure 0006714785
ドライアイス−アセトンバス中、窒素雰囲気下でPFA容器にフッ化水素ピリジン(HF含量:70%,HF濃度:38.5mol/L,42mL,HFとして1.6mol)を充填した。そこにピリジン(29mL)をゆっくり加えた。室温まで昇温後、二塩化硫黄(SCl,11.4mL,比重1.62,0.178mol)を一度に加えた。混合物を50℃で攪拌しながら、四フッ化硫黄ガス(SF)を発生させた。PFAチューブを使用して、別途ドライアイス−アセトンバスで冷却したPFA試験管に発生した四フッ化硫黄ガスを導入し、四フッ化硫黄を液化させた。2mLのわずかに薄い黄色の液体が得られた。(比重:1.95(−78℃),収率:60%)。
四フッ化硫黄(SF)は、特表2011‐524327に記載の方法に準じても製造することができる。例えば、四フッ化硫黄は下記製造例3に示すように製造された。
<製造例3>
硫黄とフッ化カリウムと臭素からの四フッ化硫黄の製造
Figure 0006714785
窒素雰囲気下のグローブボックス中、乳鉢に硫黄(8.0g,0.25mol)及びフッ化カリウム(スプレードライ,61g,1.05mol)を量り取り、擦り潰しながらよく混合した。この混合物を200mLのSUSオートクレーブに充填した。そこに臭素(120g,0.75mol)を一度に加え、密封した。この混合物をバス温80℃で15時間加熱した後、氷冷した。
別途、ガラス製のナスフラスコにスターラーバーと硫黄(2g)を加え、ドライアイス−アセトンバスで冷却した。オートクレーブとナスフラスコをPFAチューブでつなぎ、窒素雰囲気下、オートクレーブ中の四フッ化硫黄(SF)を主に含むガスをナスフラスコに導入して、液化させた。液化させた粗製の四フッ化硫黄を硫黄とともに−78℃で30分間撹拌した。
昇温して、四フッ化硫黄をクロロホルム(5mL,室温下)中にバブリングさせながら通し、硫黄(1g)を入れた100mLのバルブ付きSUSシリンダーにドライアイス−アセトンバスで冷却しながら充填した。19.1gの四フッ化硫黄(SF)を得た。収率:71%。

Claims (20)

  1. 式(D):
    Figure 0006714785
    (ここで、Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
    の化合物の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
    工程(i) 式(A)の化合物をヒドラジンと5〜25℃で反応させて、式(B)の化合物を製造する、
    Figure 0006714785
    (ここで、Rはイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、そしてRfは上記で定義した通りである。)
    工程(ii) 式(B)の化合物をホルムアルデヒドと5℃〜25℃で反応させて、式(C)の化合物を製造する、
    Figure 0006714785
    (ここで、R及びRfは上記で定義した通りである。)
    工程(iii) 塩基の存在下で式(C)の化合物を反応させて、式(D)の化合物を製造する。
    Figure 0006714785
    (ここで、R及びRfは上記で定義した通りである。)
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    工程(i)におけるヒドラジンの使用量が、式(A)の化合物1モルに対して1.0〜1.2モルである方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    Rfがトリフルオロメチルである方法。
  4. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    式(A)の化合物が下記式(A-E-a)の化合物である方法。
    Figure 0006714785
  5. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    式(A)の化合物が式(A-Z-a)の化合物である方法。
    Figure 0006714785
  6. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
    Figure 0006714785
  7. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物である方法。
    Figure 0006714785
  8. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    式(A)の化合物が式(A-Z-d)の化合物である方法。
    Figure 0006714785
  9. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    式(A)の化合物が(A-E-d)の化合物と式(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
    Figure 0006714785
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の方法であって、
    以下の工程(pre-i)を、前記工程(i)の前に含む方法:
    工程(pre-i) パラジウム触媒を用いて、塩基の存在下、式(1)の化合物を一酸化炭素及び式(2)のアルコールと反応させて、式(A)の化合物を製造する。
    Figure 0006714785
    (ここで、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子からなる脱離基であり、そしてR及びRfは上記で定義した通りである。)
  11. 請求項10に記載の方法であって、
    パラジウム触媒が、配位子としての式(4)の化合物又はその塩を含む方法。
    Figure 0006714785
    (ここで、Aは直鎖(C3−C5)アルキルである。)
  12. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    Xが塩素原子であり、
    Rfがトリフルオロメチルである方法。
  13. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物であり、そして
    式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物である方法。
    Figure 0006714785
  14. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    式(1)の化合物が式(1-Z-a)の化合物であり、そして
    式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
    Figure 0006714785
  15. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物と式(1-Z-a)の化合物の混合物であり、そして
    式(A)の化合物が式(A-E-a)の化合物と(A-Z-a)の化合物の混合物である方法。
    Figure 0006714785
  16. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物であり、そして
    式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物である方法。
    Figure 0006714785
  17. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    式(1)の化合物が式(1-Z-a)の化合物であり、そして
    式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
    Figure 0006714785
  18. 請求項10又は11に記載の方法であって、
    式(1)の化合物が式(1-E-a)の化合物と式(1-Z-a)の化合物の混合物であり、そして
    式(A)の化合物が式(A-E-d)の化合物と(A-Z-d)の化合物の混合物である方法。
    Figure 0006714785
  19. 下記式(C)の化合物。
    Figure 0006714785
    (ここで、Rはイソプロピル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、そして
    Rfは(C1−C4)パーフルオロアルキルである。)
  20. 請求項19に記載の化合物であって、
    Rfがトリフルオロメチルである化合物。
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