JP6714367B2 - アサイー含有飲料、及び、渋味低減方法 - Google Patents

アサイー含有飲料、及び、渋味低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、アサイー含有飲料、及び、渋味低減方法に関する。
近年、健康志向が高まる中で、栄養成分が豊富なヤシ科の植物の果実であるアサイーへの注目が高まり、アサイーを含有する飲料について研究開発が進んでいる。
例えば、特許文献1には、ヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物と、所定の果実の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物を配合する工程と、糖度、糖酸比、pHを調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰果汁含有飲料におけるアントシアニン量の減少を抑制する方法が開示されている。
また、特許文献2には、アサイー透明果汁及び/又はアサイーエキスと果実ピューレを含有するアサイー入り飲料が開示されている。
特許第5774761号公報 特開2015−156812号公報
特許文献1には、この技術によると、アントシアニンを含有する容器詰飲料における風味や呈味を改善し、アントシアニンの経時的な減少を抑制することができる、と記載されている。
また、特許文献2には、この技術によると、アサイー透明果汁やアサイーエキスを使用しても、アサイーパルプと同程度のアサイー風味を有することができる、と記載されている。
このようなアサイー含有飲料の呈味に関して、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、アサイーに由来する渋味が飲料を飲み難くさせてしまっており、飲料の評価を低下させる原因の一つとなっていることがわかった。
なお、特許文献1、2に係る技術をはじめ、従来技術では、アサイー含有飲料の渋味に関して、十分には検討されていなかった。
そこで、本発明は、渋味が低減されたアサイー含有飲料、及び、渋味低減方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)アサイーとキサンタンガムとを含有し、前記キサンタンガムの含有量が0.005w/w%以上0.050w/w%未満であり、前記アサイーの含有量が2.0〜67.5w/w%であり、前記アサイーの含有量をXw/w%とし、前記キサンタンガムの含有量をYw/w%とした場合、Y/Xの値が、0.0003〜0.0200であるアサイー含有飲料。
(2)果汁を含有する前記1に記載のアサイー含有飲料。
(3)前記果汁がアントシアニンを含有する前記2に記載のアサイー含有飲料。
)前記アサイーの含有量をXw/w%とし、前記果汁の含有量をZw/w%とした場合、X/Zの値が、0.020〜2.025である前記2又は前記3に記載のアサイー含有飲料。
)アサイー含有飲料の渋味低減方法であって、前記アサイー含有飲料に、キサンタンガムを含有させ、前記キサンタンガムの含有量0.005〜0.050w/w%とし、前記アサイーの含有量を2.0〜67.5w/w%とし、前記アサイーの含有量をXw/w%とし、前記キサンタンガムの含有量をYw/w%とした場合、Y/Xの値を、0.0003〜0.0200とする渋味低減方法。
本発明に係るアサイー含有飲料によると、所定量のキサンタンガムを含有していることから、アサイーに由来する渋味を低減させることができる。
また、本発明に係るアサイー含有飲料の渋味低減方法によると、アサイー含有飲料に所定量のキサンタンガムを含有させることから、アサイー含有飲料の渋味を低減させることができる。
本発明の実施形態に係るアサイー含有飲料の製造方法の内容を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係るアサイー含有飲料、及び、渋味低減方法を実施するための形態(実施形態)について説明する。
[アサイー含有飲料]
本実施形態に係るアサイー含有飲料は、アサイーと、キサンタンガムとを含有し、さらに、果汁を含有していてもよい。
(アサイー)
アサイーの原料となるアサイー果実は、ヤシ科の植物であるアサイーパームの果実であり、果実全体のうち種が大半(約90%以上)を占める。
なお、本明細書において「アサイー」とは、アサイーを果実そのものと明示して説明している箇所以外、「アサイー果実の種以外の部分を含む物質」を指し、パルプ、エキス、ジュース、ピューレ、濃縮液などの液体状(半液体状も含む)であっても、前記液体を乾燥させた乾燥粉末などの固体状であってもよい。なお、パルプとは、水を加えてアサイーの実をすりつぶし、種を取り除いたものをいう。
本実施形態に係るアサイー含有飲料のアサイーの含有量は、2.0w/w%以上であるのが好ましく、2.3w/w%以上であるのがより好ましく、2.5w/w%以上であるのがさらに好ましい。アサイーの含有量が所定量以上であることにより、アサイーに由来する渋味がより明確に感じられるようになり、解決すべき課題(渋味の低減)がより明確に現れることとなる。
また、アサイーの含有量は、67.5w/w%以下であるのが好ましく、35.0w/w%以下であるのがより好ましく、10.0w/w%以下であるのがさらに好ましい。アサイーの含有量が所定量以下であることにより、後記するキサンタンガムによって好適に渋味を低減させることができる。
なお、前記のアサイーの含有量は、厳密には、Brix(以下、適宜「Bx」という)が1.5%の液体状のアサイーの含有量である。よって、BxがA%のアサイーを含有させる場合、前記のアサイーの含有量の値に「1.5/A」(=1.5%/A%)を乗じた値の含有量とすればよい。なお、乾燥粉末のアサイーを溶媒に溶解して使用する場合、乾燥粉末を溶解した溶液のBxの値を用いればよい。
このBxは糖度とも呼ばれ、飲料中の可溶性固形分の濃度を示す値である。糖度は、果実飲料の日本農林規格(平成27年3月27日農林水産省告示第714号)に従って測定される値であり、20℃における糖用屈折計の示度である。
(キサンタンガム)
キサンタンガムとは、多糖類の1種であり、飲食品分野においては増粘安定剤(増粘剤、安定剤)として一般的に知られている。そして、本発明においては、このキサンタンガムが、アサイーに由来する渋味や後記する果汁に由来する渋味を低減させる効果を発揮する。
キサンタンガムの含有量は、0.005w/w%以上であり、0.008w/w%以上であるのが好ましく、0.010w/w%以上であるのがより好ましい。キサンタンガムの含有量が所定量以上であることにより、アサイー含有飲料の渋味を低減させることができる。
また、キサンタンガムの含有量は、0.050w/w%以下であり、0.040w/w%以下であるのが好ましく、0.030w/w%以下であるのがより好ましい。キサンタンガムの含有量が所定量以下であることにより、アサイー含有飲料の呈味が糊っぽい味になるのを回避することができる。また、キサンタンガムの含有量が所定量を超えると渋味の低減効果が飽和してしまう。
(果汁)
本実施形態に係るアサイー含有飲料は、アサイーだけでなく、様々な果汁を含有させることによって、よりフルーティな呈味とすることができる。
本明細書において、「果汁」とは、果実の搾汁であり、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁だけでなく、これらの希釈液、濃縮液、混合液等も含まれる。さらに、果汁は、1種類の果実を原料としてもよいし、2種類以上の果実を原料としてもよい。
なお、「果汁」とは、「果実の搾汁:果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、皮、種子等を除去したもの」(果実飲料品質表示基準(平成23年9月30日消費者庁告示第10号))であることから、後記のとおり、アサイー果実に水や湯を加えながら搾汁する工程を経て製造されるアサイーは、本明細書の「果汁」に該当しない。
果汁は、アントシアニンを含有するものが好ましい。アントシアニンを含有する果汁を使用することにより、果汁に由来する渋味がより明確に感じられるようになり、解決すべき課題(渋味の低減)がより明確に現れることとなる。
果汁の原料となる果実としては、特に限定されないものの、前記のとおりアントシアニンを含有する果実が好ましい。
例えば、好ましい果実としては、ブドウ、ベリー類(ストロベリー、ブルーベリー、エルダーベリー、クランベリー、アロニア、マキベリー、ラズベリー、セイヨウスグリ、ブラックベリーなど)、カシス(ブラックカラント)、ザクロなどが挙げられる。これらの果実を1種または2種以上を組み合わせてもよく、本発明の効果が発揮できる範囲内でレモンなどのかんきつ類やリンゴ、モモ、ウメ、バナナなどを更に組み合わせてもよい。
本実施形態に係るアサイー含有飲料(100g)が、果汁を含有する場合、果汁の含有量(果汁率換算)は、「果汁の含有量(果汁率換算 w/w%)」=(「果汁配合量(g)」×「濃縮倍率」)/(100g)×100により算出できる。ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)は、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)の果実飲料品質表示基準(平成23年9月30日消費者庁告示第10号)に示される、糖用屈折計示度の基準(Bx)又は酸度の基準(%)に基づいて換算できる。
具体的には、果実飲料品質表示基準(平成23年9月30日消費者庁告示第10号)の別表3によるとブドウの糖用屈折計表示度(Bx)は11であるから、糖用屈折計表示度(Bx)が22のブドウ果汁は、2倍濃縮のブドウ果汁となる。
(各物質の含有比率)
アサイーの含有量をXw/w%とし、キサンタンガムの含有量をYw/w%とした場合、Y/Xの値は、0.0003以上であるのが好ましく、0.0006以上であるのがより好ましく、0.0020以上であるのがさらに好ましい。Y/Xの値が所定値以上であることにより、アサイーに由来する渋味をキサンタンガムによって更に好適に低減させることができる。
また、Y/Xの値は、0.0200以下であるのが好ましく、0.0150以下であるのが好ましく、0.0120以下であるのがより好ましい。Y/Xの値が所定値以下であることにより、アサイー含有飲料の呈味が糊っぽい味になるのを回避することができる。
アサイーの含有量をXw/w%とし、果汁の含有量をZw/w%とした場合、X/Zの値は、0.020以上であるのが好ましく、0.023以上であるのがより好ましく、0.025以上であるのがさらに好ましい。X/Zの値が所定値以上であることにより、アサイーの特徴的な風味が感じられ、アサイー含有飲料としてより好ましい呈味となる。
また、X/Zの値は、2.025以下であるのが好ましく、1.000以下であるのがより好ましく、0.600以下であるのがさらに好ましい。X/Zの値が所定値を超えると、アサイーの風味が強く感じられ過ぎてしまい、アサイー含有飲料として嗜好性に欠ける呈味となってしまうからである。
(粘度)
本実施形態に係るアサイー含有飲料は、粘度が15mPa・s以下であることが好ましく、13mPa・s以下であることがより好ましく、10mPa・s以下であることがさらに好ましい。
アサイー含有飲料の粘度が所定値以下であることにより、喉の通りがスムーズとなり、飲み易い飲料となる。
なお、粘度は、20℃の状態のアサイー含有飲料について市販の粘度計を用いて計測することができる。
(その他)
本実施形態に係るアサイー含有飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される着色料、甘味料、高甘味度甘味料、栄養補助剤、ポリフェノール類、アミノ酸類、酸化防止剤、安定剤、香料など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、マリーゴールド色素、カロテン色素、アントシアニン色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。甘味料としては、例えば、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、希少糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ステビアなどを用いることができる。栄養補助剤としては、例えば、ビタミン類、ミネラル類などを用いることができる。ポリフェノール類としては、例えば、エリオシトリン、カテキンなどを用いることができる。アミノ酸類としては、例えば、バリン、ロイシン、イソシロシンなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどを用いることができる。
また、その他配合可能な原料としては、牛乳、乳製品、豆乳、コーヒー、ココア、茶類なども用いることができる。
さらに、本実施形態に係るアサイー含有飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲でアルコール(蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカなどの各種スピリッツ、原料用アルコールなどを1種又は2種以上を組み合わせたもの)を添加して、アルコール入りアサイー含有飲料としてもよい。
そして、前記したアサイー、キサンタンガム、果汁、添加剤、原料、アルコールは、製造したものを使用してもよいし、一般に市販されているものを使用してもよい。
本実施形態に係るアサイー含有飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することができる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアサイー含有飲料によれば、所定量のキサンタンガムを含有していることから、アサイーに由来する渋味を低減させることができる。また、本実施形態に係るアサイー含有飲料によれば、所定量のキサンタンガムを含有していることから、果汁を含有していても、当該果汁に由来する渋味も低減させることができる。
[アサイー含有飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るアサイー含有飲料の製造方法について説明する。
本実施形態に係るアサイー含有飲料の製造方法は、混合工程S1と、後処理工程S2と、を含む。
(混合工程)
混合工程S1では、混合タンクに、アサイー、キサンタンガム、水を添加するとともに、必要に応じて、果汁、添加剤などを添加し、溶解・混合して混合後液を製造する。
なお、この混合工程S1では、各物質を前記のような含有量、及び、含有比率となるように混合する。
(後処理工程)
そして、後処理工程S2では、混合後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、混合後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、容器への充填、加熱殺菌、冷却などの処理を必要に応じて選択的に行う。なお、殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件で行うことができる。その代表例として、レトルト殺菌、超高温短時間殺菌(UHT殺菌)が挙げられる。また、充填する容器が、例えば、金属缶の場合、混合後液を容器に充填後、加熱殺菌することができる。一方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度に冷却して容器に充填する等の方法を採用できる。
なお、混合工程S1及び後処理工程S2にて行われる各処理は、Ready To Drink(RTD)飲料などを製造するために一般的に用いられている設備にて行うことができる。
[アサイーの製造方法]
アサイーについては、市販されているものを使用すればよいが、例えば、以下のように製造することもできる。
まず、アサイー果実を洗浄した後、水又は湯を加えて果実の皮を軟らかくし、擂り潰しながら種や夾雑物を取り除く。その後、適宜、加熱等による殺菌処理、冷却処理を施し、アサイー(液体原料)を製造することができる。その後、アサイーを凍結乾燥したり噴霧乾燥したりすることで乾燥粉末としてもよい。
[渋味低減方法]
次に、本実施形態に係る渋味低減方法について説明する。
本実施形態に係る渋味低減方法は、アサイー含有飲料に、キサンタンガムを含有させ、キサンタンガムの含有量を0.005〜0.050w/w%とすることを特徴とする方法である。
キサンタンガムの含有量は、0.005w/w%以上であり、0.008w/w%以上であるのが好ましく、0.010w/w%以上であるのがより好ましい。キサンタンガムの含有量を所定量以上とすることにより、アサイー含有飲料の渋味を低減させることができる。
また、キサンタンガムの含有量は、0.050w/w%以下であり、0.040w/w%以下であるのが好ましく、0.030w/w%以下であるのがより好ましい。キサンタンガムの含有量を所定量以下とすることにより、アサイー含有飲料の呈味が糊っぽい味になるのを回避することができる。また、キサンタンガムの含有量が所定量を超えると渋味の低減効果が飽和してしまう。
本実施形態に係る渋味低減方法の対象となるアサイー含有飲料のアサイーの含有量は、2.0w/w%以上であるのが好ましく、2.3w/w%以上であるのがより好ましく、2.5w/w%以上であるのがさらに好ましい。
また、アサイーの含有量は、67.5w/w%以下であるのが好ましく、35.0w/w以上であるのがより好ましく、10.0w/w%以下であるのがさらに好ましい。
本実施形態に係る渋味低減方法の対象となるアサイー含有飲料のアサイーの含有量をXw/w%とし、キサンタンガムの含有量をYw/w%とした場合、Y/Xの値は、0.0003以上であるのが好ましく、0.0006以上であるのがより好ましく、0.0020以上であるのがさらに好ましい。
また、Y/Xの値は、0.0200以下であるのが好ましく、0.0150以下であるのがより好ましく、0.0120以下であるのがさらに好ましい。
本実施形態に係る渋味低減方法の対象となるアサイー含有飲料のアサイーの含有量をXw/w%とし、果汁の含有量をZw/w%とした場合、X/Zの値は、0.020以上であるのが好ましくり、0.023以上であるのがより好ましく、0.025以上であるのがさらに好ましい。
また、X/Zの値は、2.025以下であるのが好ましく、1.000以下であるのが好ましく、0.600以下であるのがより好ましい。
本実施形態に係る渋味低減方法の対象となるアサイー含有飲料の粘度は15mPa・s以下であることが好ましく、13mPa・s以下であることがより好ましく、10mPa・s以下であることがさらに好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る渋味低減方法によれば、アサイー含有飲料に所定量のキサンタンガムを含有させることから、アサイーに由来する渋味を低減させることができる。また、本実施形態に係る渋味低減方法によれば、所定量のキサンタンガムを含有させることから、果汁を含有していても、当該果汁に由来する渋味も低減させることができる。
なお、本発明の実施形態に係るアサイー含有飲料、及び、渋味低減方法において、明示していない特性や条件については、従来公知のものであればよく、前記特性や条件によって得られる効果を奏する限りにおいて、限定されないことは言うまでもない。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明に係るアサイー含有飲料、及び、渋味低減方法について説明する。
[サンプルの準備]
各表に示す配合量となるように、アサイー(アサイークリアエキス、Bx1.5%、サンバゾン社製)、キサンタンガム(市販品)、カラギナン(イオタタイプ、市販品)、ペクチン(市販品)、クランベリー果汁、グレープ果汁、ミックスベリーフレーバー(市販品)、イオン交換水を混合し、サンプル(アサイー含有飲料)を準備した。
なお、キサンタンガム、カラギナン、ペクチンは、少量の湯(80℃以上)に溶解させた後に使用した。
表6に示すサンプルについてのみ、前記のように混合した溶液を93℃まで加熱した後、200mLのペットボトルにホットパック充填し、転倒殺菌処理(30秒)を行い、水道水にて20℃程度まで冷却したものをサンプルとした。
[各状態量の測定]
サンプルの粘度は、20℃のサンプルについて粘度計(BII形粘度計、東機産業社製)を用いて測定した(MロータNo.1使用、回転数60rpm)。
サンプルの酸度(クエン酸換算の酸度)は、中和滴定法(果実飲料の日本農林規格第25条)に準拠して測定した。なお、酸度の測定には、電位差自動滴定装置(AUTOTITRATOR COM-555、平沼産業社製)を用いた。
サンプルのBxは、デジタル屈折計(RX-5000α、アタゴ社製)を用いて測定した。
サンプルのpHは、pH計(LAQUA WATER QUALITY METER pH/ION METER F-72、堀場製作所社製)を用いて測定した。
[試験内容]
前記の方法により準備した各サンプルについて、訓練された専門のパネル複数名(表1のサンプル:パネル2名、表2〜表5のサンプル:パネル3名、表6のサンプル:パネル6名)が下記評価基準に則って◎、○、△、×の4段階で各々評価を行い、最終的な評価を各パネルがディスカッションして決定した。
(渋味:評価基準)
◎:渋味がほとんど感じられない。
○:渋味がやや感じられる。
△:渋味が感じられる。
×:渋味が強く感じられる。
(糊っぽい味:評価基準)
◎:糊っぽい味が感じられない。
○:糊っぽい味がやや感じられる。
△:糊っぽい味が感じられる。
×:糊っぽい味が強く感じられる。
(総合評価:算出基準)
各サンプルの「渋味」、「糊っぽい味」の評価について、「◎」を3点、「〇」を2点、「△」を1点、「×」を0点とした場合の合計点数で評価した。
◎:合計点数が6点
○:合計点数が5点
△:合計点数が4点
×:合計点数が4点未満
以下、表には、各サンプルの構成、評価結果を示す。
なお、各果汁の含有量は、果汁率換算の値を示している。また、前記のとおり本明細書においてアサイーは果汁に分類されないため、表中の果汁総量にはアサイーの含有量は含まれていない。
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[評価結果の検討:表1]
表1の評価結果は、アサイーの含有量を2.5w/w%、果汁の含有量を5w/w%に固定した場合において、キサンタンガムの含有量が渋味を低減する効果に与える影響を確認するものである。
サンプル1−1は、キサンタンガムを含有していなかったことから、渋味が感じられた。
一方、サンプル1−2〜1−5は、キサンタンガムの含有量が所定範囲内であったことから、渋味が低減していた。これらの中でも、特に、サンプル1−3、1−4は、渋味がほとんど感じられないだけでなく、糊っぽい味もせず、総合評価が「◎」となった。なお、サンプル1−5は、渋味は低減していたものの、糊っぽい味が感じられた。
以上、表1の評価結果より、アサイー含有飲料に所定量のキサンタンガムを含有させることによって、渋味を低減できることが確認できた。
[評価結果の検討:表2]
表2の評価結果は、果汁の含有量を変えた場合において、キサンタンガムによる渋味を低減する効果を確認するものである。
サンプル2−1、2−2は、果汁の含有量が100w/w%の場合であるが、両者を比較すると、キサンタンガムを含有させることにより渋味が低減(「2−1:△」→「2−2:◎」)していた。
また、サンプル2−3、2−4は、果汁の含有量が0w/w%の場合であるが、両者を比較すると、キサンタンガムを含有させることにより渋味が低減(「2−3:×」→「2−4:△」)していた。
なお、サンプル2−5は、果汁の含有量が95w/w%の場合であるが、キサンタンガムを含有させることにより、渋味がほとんど感じられなかった。
以上、表2の評価結果より、アサイー含有飲料の果汁の含有量が少ない場合(0w/w%)であっても多い場合であっても、キサンタンガムは渋味を低減する効果を発揮できることが確認できた。そして、果汁を多く含む場合の方が、渋味を低減する効果がより強いことが確認できた。
[評価結果の検討:表3]
表3の評価結果は、アサイーの含有量を2.5w/w%、果汁の含有量を100w/w%に固定した場合において、キサンタンガムの含有量が渋味を低減する効果に与える影響を確認するものである。
サンプル3−1、3−2は、キサンタンガムの含有量が所定量未満であったことから、渋味が感じられる、又は、渋味が強く感じられるという結果となった。
一方、サンプル3−3〜3−7は、キサンタンガムの含有量が所定範囲内であったことから、渋味が低減していた。これらの中でも、特に、サンプル3−4〜3−6は、渋味がほとんど感じられないだけでなく、糊っぽい味もせず、総合評価が「◎」となった。なお、サンプル3−7は、渋味は低減していたものの、糊っぽい味がやや感じられた。
サンプル3−8は、キサンタンガムの含有量が所定量を超えていたことから、渋味は低減していたものの、糊っぽい味が強く感じられてしまい、総合評価が「×」となった。
以上、表3の評価結果より、アサイー含有飲料に所定量のキサンタンガムを含有させることによって、渋味を低減できることが確認できた。
[評価結果の検討:表4]
表4の評価結果は、渋味の低減効果は、粘度に基づくものではなく、増粘安定剤の中でもキサンタンガムに特有のものであることを確認するものである。
サンプル4−1は、キサンタンガムの含有量が所定範囲内であったことから、渋味が低減していた。
一方、サンプル4−2〜4−5は、キサンタンガム以外の増粘安定剤(カラギナン又はペクチン)を使用して、サンプル4−1と同程度又は大きく超える粘度としたが、渋味の低減効果は感じることができなかった。
以上、表4の評価結果より、アサイーに由来する渋味や果汁に由来する渋味の低減効果は、キサンタンガムに特有のものであり、粘度に基づく効果ではないことが確認できた。
[評価結果の検討:表5]
表5の評価結果は、渋味の低減効果が得られるアサイーの含有量を確認するものである。
サンプル5−2、5−3は、アサイーの含有量が35.0w/w%と多かったが、キサンタンガムを含有させることにより渋味が低減(「5−3:×」→「5−2:〇」)していた。
また、サンプル5−4、5−5は、アサイーの含有量が67.5w/w%と非常に多かったが、キサンタンガムを含有させることにより渋味が低減(「5−5:×」→「5−4:△」)していた。
なお、サンプル5−1、5−2、5−4を比較すると、いずれも渋味の低減効果を確認できるものの、アサイーの含有量が低い方が渋味の低減効果が強かった。
以上、表5の評価結果より、アサイーの含有量が所定範囲内であれば、より確実に渋味の低減効果を得られることが確認できた。
[評価結果の検討:表6]
表6の評価結果は、殺菌処理を施した状態、つまり、商品により近い状態であっても、渋味の低減効果が得られることを確認するものである。
サンプル6−1は、キサンタンガムを含有していなかったことから、渋味が感じられた。
一方、サンプル6−2〜6−5は、キサンタンガムの含有量が所定範囲内であったことから、渋味が低減していた。これらの中でも、特に、サンプル6−3、6−4は、渋味がほとんど感じられないだけでなく、糊っぽい味もせず、総合評価が「◎」となった。
以上、表6の評価結果より、殺菌処理を施した後であっても、アサイー含有飲料に所定量のキサンタンガムを含有させることによって、渋味を低減できることが確認できた。
S1 混合工程
S2 後処理工程

Claims (5)

  1. アサイーとキサンタンガムとを含有し、
    前記キサンタンガムの含有量が0.005w/w%以上0.050w/w%未満であり、
    前記アサイーの含有量が2.0〜67.5w/w%であり、
    前記アサイーの含有量をXw/w%とし、前記キサンタンガムの含有量をYw/w%とした場合、Y/Xの値が、0.0003〜0.0200であるアサイー含有飲料。
  2. 果汁を含有する請求項1に記載のアサイー含有飲料。
  3. 前記果汁がアントシアニンを含有する請求項2に記載のアサイー含有飲料。
  4. 前記アサイーの含有量をXw/w%とし、前記果汁の含有量をZw/w%とした場合、X/Zの値が、0.020〜2.025である請求項2又は請求項3に記載のアサイー含有飲料。
  5. アサイー含有飲料の渋味低減方法であって、
    前記アサイー含有飲料に、キサンタンガムを含有させ、
    前記キサンタンガムの含有量0.005〜0.050w/w%とし、
    前記アサイーの含有量を2.0〜67.5w/w%とし、
    前記アサイーの含有量をXw/w%とし、前記キサンタンガムの含有量をYw/w%とした場合、Y/Xの値を、0.0003〜0.0200とする渋味低減方法。
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