JP5774761B1 - 容器詰果汁含有飲料及びその製造方法 - Google Patents
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既に、アントシアニンを含有するブルーベリー等を配合した飲料・食品が年代・性別を問わず広く受け入れられてきている。「アントシアニン含有飲料」は 果汁飲料中における果汁の配合量を増加させることで、摂飲時に果汁本来の果汁感等を強く感じることのできる果汁飲料とすることが可能であるが、一方で、果汁の配合量を多くすると、果汁飲料自体の香味等を調整するのが困難となり、更に経時によるアントシアニンの減少が顕著になってしまうという問題を有していた。また、果汁原料由来の苦味、渋味、酸味が目立ち、飲料としてほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスを楽しむには不向きなものであるという別途の問題も有していた。従ってこれらを解決し、かかる消費者ニーズを満たす好適なアントシアニン含有飲料が求められていた。
特に、飲料が酸性飲料である場合には、これら苦味や渋味が、より強調され易い傾向にあることから、風味及び呈味性の調製には非常に困難が伴うという問題があった。
アントシアニンの含有量を増やすことによる酸味の増加は、前記の通りポリフェノールが含有されている飲料に共通する特徴と同じく、プロシアニジン(多量体カテキン)の他、クロロゲン酸、ケルセチン等の苦味、渋味保有成分の作用により、酸度が高まることによって、その酸味が更に強調されることが呈味調整の難しさの一因であると考えられる。
また、アントシアニンは一般的に強酸性下では安定であるが、弱酸性領域〜中性領域〜塩基性領域となるほど不安定となり分解し易い。果汁量を多くしてpHが低くなるとアントシアニンは安定性が増すが、酸味や苦味が目立ってしまう。呈味調整のためにpHを高めに調整すると、アントシアニンが不安定となり、経時と共にアントシアニンが減少するという問題もあった。
より具体的には、本発明は以下のとおりである。
(2)ヤシ科植物がアサイーであることを特徴とする、(1)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(3)ブドウ、ザクロ、カシス、エルダーベリー及びアロニアからなる群から選ばれる1種又は2種以上のアントシアニン含有果汁を含むことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(4)飲料全体に対するアントシアニン含有果汁量がストレート換算した値で10.0〜140.0質量%であることを特徴とする(1)〜(3)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(5)アントシアニン量が、100ppm〜2000ppmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(6)ポリフェノールをさらに含有し、且つポリフェノール量に対するアントシアニン量の比率(アントシアニン量/ポリフェノール量)が、0.01〜0.50であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(7)ポリフェノール量が、400ppm〜6000ppmであることを特徴とする(6)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(8)ポリフェノール量が、500ppm〜5000ppmであることを特徴とする(7)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(9)アントシアニンを含有する飲料の呈味調整方法であって、ヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物を配合する工程と、糖度を6.0〜21.0に調整する工程と、糖酸比を15.0〜53.0に調整する工程と、pHを2.0〜4.0に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰果汁含有飲料の製造方法。
(10)アントシアニンを含有する飲料の呈味調整方法であって、ヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物と、ブドウ、ザクロ、カシス、エルダーベリー及びアロニアからなる群から選ばれる1種又は2種以上の果実の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物を配合する工程と、糖度を6.0〜21.0に調整する工程と、糖酸比を15.0〜53.0に調整する工程と、pHを2.0〜4.0に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰果汁含有飲料における甘味と酸味のバランスを調整する方法。
(11)アントシアニンを含有する飲料の呈味調整方法であって、ヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物と、ブドウ、ザクロ、カシス、エルダーベリー及びアロニアからなる群から選ばれる1種又は2種以上の果実の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物を配合する工程と、糖度を6.0〜21.0に調整する工程と、糖酸比を15.0〜53.0に調整する工程と、pHを2.0〜4.0に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰果汁含有飲料におけるアントシアニン量の減少を抑制する方法。
本発明において、容器詰果汁含有飲料とは、好ましくは容器詰清涼飲料であり、風味や香味が付与された飲料が容器に充填された製品のことをいう。本発明の清涼飲料は、アントシアニン、好ましくはアントシアニン含有果汁を含有する飲料製品のことであり、アントシアニン含有果汁とは、アントシアニンを含む果実の果汁、果実抽出物あるいはそれらを濃縮したエキス等の加工物のことをいうが、好ましくは果汁及び/又は濃縮果汁である。果汁及び/又は濃縮果汁を配合することによって、より自然な甘味と酸味のバランス及び色調が得られるからである。製品の種類は特に限定されないが、非炭酸の清涼飲料では、果汁入り清涼飲料、果粒入り果実ジュースなど、果汁の使用割合が10%以上の「果実飲料」が代表的なものであり、日本農林規格(JAS)及び果実飲料等の表示に関する公正競争規約によって、濃縮果汁、果実ジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料に区分されている。その他の非炭酸の清涼飲料としては、スポーツ飲料、栄養ドリンクなどが挙げられる。一方、炭酸入りの清涼飲料では、果汁入りのフレーバー系炭酸飲料などが挙げられる。更に、アントシアニンを含有する果汁入り酎ハイなどの果実酒類、リキュール類などのアルコール飲料も、本発明のアントシアニン含有飲料として挙げられる。また、希釈飲料(家庭飲用用の希釈飲料、自動販売機内の希釈飲料など)も本発明のアントシアニン含有飲料の一つとして挙げられる。
本発明の容器詰アントシアニン含有飲料は、好ましくは非アルコール性飲料であり、更に好ましくは非炭酸飲料であり、特に好ましくは原材料に由来する以外の水素が添加されていないものである。
本発明の容器詰果汁含有飲料は、アントシアニンを100〜2000ppm含有することを特徴とする。アントシアニン量が100ppmを下回る場合、アントシアニンを含有する果汁が本来有する自然な果実感、色調が損なわれた印象になり、2000ppmを上回る場合、アントシアニンを含有する果汁原料由来の酸味が強くなり、果汁含有飲料で求められているほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスが欠ける傾向にあり、更には、経時劣化によるアントシアニン量の減少が顕著になる。好ましくは150〜1900ppm、さらに好ましくは250〜1800ppm、最も好ましくは300〜1700ppmである。
アントシアニンは、ポリフェノールの一種である一群の化合物群であって、アントシアニジンをアグリコンとする配糖体の総称である。アントシアニンとしては、デルフィニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、ペチュニジン−3−グルコシド、ペオニジン−3−グルコシド及びマルビジン−3−グルコシド等が挙げられる。アントシアニンは、ブドウ、カシス、ベリー類などの果実や野菜に豊富に含まれており、抗酸化作用等の生理活性を有する。本発明における容器詰果汁含有飲料においては、アントシアニン化合物単体を配合しても良く、又はアントシアニンを含有する組成物(例えば、アントシアニン色素や、アントシアニンを含有する果汁及び/又は野菜汁等)を配合しても良い。
アントシアニン含有果汁のための果実は、ブドウ、ザクロ、カシス、エルダーベリー、アロニア及びブルーベリー等であって、これらの果汁を2種以上配合することが好ましい。2種以上の果汁を配合することで、甘味と酸味のバランス、アントシアニン量、ポリフェノール量及び最終製品の色調等を調整しやすくなるからである。これら果実は発明の容器詰果汁含有飲料が演出しようとする「甘味と酸味のバランス」及び「アントシアニン含有量」が最も理想的である。
なお、本発明において、濃縮エキス又は抽出物を使用した場合は、ストレート換算した値を含有量とする。また、上記果汁としては、果実の搾汁液(ストレート果汁)、搾汁液を濃縮した濃縮果汁、濃縮果汁を更に希釈した還元果汁、搾汁液に酵素処理等を施すことで清澄化した透明果汁、エキス、ピューレ等が挙げられる。
本発明の容器詰果汁含有飲料は、ヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物を含有する。抽出液とは、ヤシ科植物を抽出又は搾汁して得られるものであって、エキス或いは、ピューレなどを含むものであり、市販品を使用しても良い。ヤシ科植物はアントシアニン、ポリフェノールを豊富に含有し、且つ果汁成分との呈味の相性が良いからである。本発明の容器詰果汁含有飲料は、飲料全体に対するヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物の含有量及びヤシ科植物の種類は本発明の効果が発揮される限りにおいて特に限定されることはないが、好ましくは0.001〜30.0質量%であり、さらに好ましくは0.001〜20.0質量%であり、特に好ましくは0.002〜10.0質量%、最も好ましくは0.003〜5.0質量%である。使用する、ヤシ科植物の種類は1つ又は複数の混合でもよく、例えばアサイー、ココヤシ、ナツメヤシ、サゴヤシ、アブラヤシ、サラク、チュンタドゥーロ及びシュロ等が挙げられるが、好ましくは、アサイーである。アサイーは「アントシアニン」を高濃度で含み、「ポリフェノール含有量」が最も理想的であるからである。
なお、本発明において、濃縮物を使用した場合は、ストレート換算した値を含有量とする。また、上記植物の抽出液としては、植物、果実の搾汁液(ストレート汁)、搾汁液を濃縮した濃縮汁、濃縮汁を更に希釈した還元汁、搾汁液に酵素処理等を施すことで清澄化した透明汁等が挙げられる。
糖度(Brix、Bx)は、溶液中の可溶性固形分濃度を意味するものである。本発明の容器詰果汁含有飲料は、Bx6.0〜21.0に調整される。糖度が21.0を超えると甘味が強くなり、果汁飲料で求められているほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスに欠け、自然な味わいが損なわれる。糖度が6.0を下回るとアントシアニンを含有する果汁が本来有する、果実感が不十分であり物足りない印象となるためである。よりほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスを楽しむには、糖度は好ましくは7.0〜20.0、より好ましくは8.0〜19.0、更に好ましくは9.0〜17.0、最も好ましくは9.5〜16.0に調整される。糖度は、当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。固形分濃度の調整は、原料の選択、原料の配合や水分の添加量など、種々の方法で可能であるが、好ましくは糖及び/又は糖度の高い果実を添加することにより調整する。本発明の清涼飲料に配合し得る糖類としては、例えばショ糖、ブドウ糖、果糖、はちみつ、水飴、黒糖、黒糖蜜等の糖質系甘味料、D−プシコースなどの希少糖を含む希少糖シロップ、例えばステビア、グリチルリチン、アスパルテーム、グリチルリチン酸ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース等の非糖質系甘味料(天然甘味料及び合成甘味料を含む)が挙げられる。これらの糖類は、目的に応じて単独で又は複数を組み合わせて使用することが出来る。なお、本明細書において、Brix値とは、溶液100g中に含まれる可溶性固形分(糖類など)のグラム量を計測する単位である。糖度の測定方法としては、市販の屈折率計又は糖度計を用いて測定することができる。
更に、本発明の容器詰果汁含有飲料は、糖酸比が15.0〜53.0に調整されていることが好ましい。糖酸比が15.0を下回る場合、アントシアニンを含有する果汁が本来有するほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスが不十分であり、自然な果実感が損なわれた印象になり、53.0を上回る場合、アントシアニンを含有する果汁原料由来の酸味が強くなり、果汁含有飲料で求められているほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスが欠ける傾向にある。好ましくは17.0〜51.0、より好ましくは19.0〜40.0、特に好ましくは20.0〜32.0、最も好ましくは24.0〜30.0である。ここで、本明細書において、糖酸比とは、酸度に対する糖度の比率、即ち[糖度/酸度]を意味する。
本発明の容器詰果汁含有飲料の酸度は0.1〜3.0に調整される。酸度が0.1以上であれば、爽快感を感じることができ、3.0以下であれば、酸味が強すぎて刺激が強いと感じることなく飲用することができる。かかる観点から、本発明の容器詰果汁含有飲料における酸度は0.1〜3.0であるのが好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0、特に好ましくは0.2〜1.0、最も好ましくは0.3〜0.7である。酸度は、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を用いた電位差滴定法により算出される、クエン酸換算での濃度(%)を意味するものであり、主に果汁の種類と含有量、酸味料の種類と添加量等によって調整することができる。なお、酸度の測定方法としては、市販の自動滴定装置を用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を使用した電位差滴定法に基づいて、クエン酸換算で算出した。
本発明の容器詰果汁含有飲料において、最終製品のpHは、2.0〜4.0とする。この範囲に調整することにより、酸味や、それに伴う刺激が強すぎると感じることなく、爽快感を感じることができ、本来の風味を維持することが可能となる。好ましくは2.2〜3.9、より好ましくは2.3〜3.8、特に好ましくは2.4〜3.7に調整することにより、品質を安定し、本発明の容器詰果汁含有飲料を安定的に保持することができる。pHの調整は、重曹を添加する等の一般的な方法に基づいて行うことができる。
本発明の容器詰果汁含有飲料は、アントシアニン含有果汁以外の果実成分を含有してもよい。果実成分とは、好ましくは透明果汁であり、これら成熟した果実を搾汁して得られる果汁、エキスあるいは、ピューレなどを含むものであり、市販品を使用しても良い。本発明の容器詰果汁含有飲料は、飲料全体に対する果汁量がストレート換算で10.0〜140.0質量%であることを特徴とする。このような範囲であれば、果汁感が強すぎず、爽快感を感じることができる。なお、本発明においての果汁含有量はアントシアニン含有果汁を含めた量を意味する。好ましくは、20.0〜138.0質量%、更に好ましくは25.0〜135.0質量%、特に好ましくは28.0〜95.0%、最も好ましくは30.0〜90.0質量%とする。本発明で使用する果汁の種類は1つ又は複数の混合でもよく、果汁の原料となる果実の種類としては、本発明の効果が発揮される限りにおいて特に限定されることなく、例えば、イチゴ、キウイフルーツ、リンゴ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、ビワ、カムカム、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ナシ、ライチ、メロン、西洋ナシ、ウメ、ベリー類(マキベリー、ビルベリー)及び柑橘類果実類(オレンジ、温州ミカン、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、シークワーサー、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)等が挙げられる。
本発明の容器詰果汁含有飲料は、ポリフェノールを400〜6000ppm含有することを特徴とする。好ましくは500〜5000ppm、更に好ましくは1000〜4800ppmとすることにより、酸味と甘味のバランスや後味のキレを向上させることが可能となる。
本発明においてポリフェノールとは、植物に由来する物質(フィトケミカル:phytochemical)の1種であり、1分子中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の総称である。ポリフェノールには、大別して分子量が1,000以下の単量体ポリフェノールと、単量体ポリフェノールが2つ以上結合した重合ポリフェノールが存在する。重合ポリフェノールは一般にタンニンとも称される。代表的な単量体ポリフェノールとしては、フラボノイド類(フラボノイド類には、フラボン、フラバノール、アントシアニジン、イソフラボノイド、ネオフラボノイド等を基本骨格とする化合物が含まれる)、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸などがある。一方、重合ポリフェノールは単量体ポリフェノールが2個以上結合した化合物であり、ポリフェノール同士が炭素−炭素結合により重合した縮合型タンニンと、糖等由来の水酸基とのエステル結合により重合した加水分解型タンニンとに大別され、それぞれ代表的なポリフェノールとして縮合型タンニンとしてはプロアントシアニジン類、加水分解型タンニンとしてはガロタンニン、エラグタンニンが挙げられる。各ポリフェノールは単体以外にも、当該ポリフェノールの生理活性機能を失わない範囲であれば、例えば、重合体、配糖体等の所定の化合物状態であっても良い。ポリフェノールは重合度や結合位置で様々な種類のものが存在するが、極めて強い抗酸化作用を示す。
更に、本発明の容器詰果汁含有飲料は、ポリフェノールの総含有量に対するアントシアニン含有量の割合(アントシアニン量/ポリフェノール量)が0.01〜0.50に調整されていることが好ましい。アントシアニン量/ポリフェノール量が0.01を下回る場合、アントシアニンを含有する果汁が本来有する自然な果実感、色調が損なわれた印象になり、0.50を上回る場合、アントシアニンを含有する果汁原料由来の酸味が強くなり、清涼飲料で求められているほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスが欠ける傾向にあり、更には、経時劣化によるアントシアニン量の減少が顕著になる。また、(アントシアニン量/ポリフェノール量)は好ましくは0.1〜0.45、特に好ましくは0.20〜0.40である。ここで、本明細書において、アントシアニン量とポリフェノール量との含有比率とは、即ち[アントシアニン量/ポリフェノール量]を意味する。
これらの糖類又は甘味料は、目的に応じて単独で、又は複数を組み合わせて使用することが出来る。
上記飲用に適した水としては、例えば、市水、井水、イオン交換水、脱気水等が挙げられるが、これらのうちイオン交換水又は脱気水を用いるのが好ましく、特に脱気水を用いるのが好ましい。脱気水を用いることで、果汁含有飲料の加温による品質の劣化や液色の褐変等の色調変化をより効果的に抑制することができる。なお、脱気水を用いる場合、飲用に適した水の一部又は全てを脱気水とすることができる。
なお、表中の「アントシアニン含有果汁(質量%)」、「うち果汁量(質量%)」はストレート換算値である。
<糖度>
光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α−Bev)を用いて、糖度を測定した。
<酸度>
自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1750)を用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を使用した電位差滴定法に基づいて、クエン酸換算で算出した。
サンプルを塩酸−メタノール溶液で抽出し、高速液体クロマトグラフ法にて測定した値をアントシアニンの含有量(ppm)として用いた。また、アントシアニン含有量の測定は5℃で1週間保管後のサンプルを用いた。
タンニン酸を標準物質としてフォリン−デニス法を用いて求められる量をポリフェノール量とした。また、ポリフェノール量の測定は5℃で1週間保管後のサンプルを用いた。
堀場製作所F−52型・卓上pHメーターにて品温20度にて測定した。
アントシアニン残存率は45℃で2週間保管後のサンプルについてのアントシアニン含有量を測定し、前記した5℃で1週間保管後のサンプルのアントシアニン量を100%として残存率を算出した。
官能評価は5℃で1週間保管後のサンプルについて、8人のパネラーが以下の評価方法に基づいて実施し、最も多かった評価を採用した。
酸味と甘味のバランス:
◎:ほのかな甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスを有し、極めて良好
○:甘味と酸味のバランスが適度に取れており、良好
△:甘味と酸味のどちらかが若干強く感じられ、バランスがあまりよくない
×:甘味と酸味のどちらかが強すぎ、バランスに問題あり
アサイーとベース果汁との相性:
◎:アサイーとベース果汁との相性が絶妙なバランスを有し、極めて良好
○:アサイーとベース果汁との相性が適度であり、良好
△:アサイーとベース果汁との相性があまりよくない
×:アサイーとベース果汁との相性に問題あり
Claims (2)
- ヤシ科植物の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物と、ブドウ、ザクロ、カシス、エルダーベリー及びアロニアからなる群から選ばれる1種又は2種以上の果実の抽出液及び/又は該抽出液の濃縮物を配合する工程と、糖度を6.0〜21.0に調整する工程と、糖酸比を15.0〜53.0に調整する工程と、pHを2.0〜4.0に調整する工程とを含むことを特徴とする100ppm〜2000ppmアントシアニンを含有する容器詰果汁含有飲料におけるアントシアニン量の減少を抑制する方法。
- ヤシ科植物がアサイーであることを特徴とする、請求項1に記載の容器詰果汁含有飲料におけるアントシアニン量の減少を抑制する方法。
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