JP6713890B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック基板本体の表面上に比較的発熱量の大きな電子部品を搭載するための配線基板、およびその製造方法に関する。
例えば、搭載すべき発光ダイオード(以下、LEDと称する)が発する熱を効果的に放熱するため、絶縁層において、該絶縁層の表面に一対の表面導体が面一に露出し、且つ電気的に独立した金属基体を上記絶縁層の裏面に面一に露出するように埋設すると共に、上記表面導体の厚みと、該表面導体と上記金属基体との間を絶縁する上記絶縁層の厚みと、が所定の関係を満たすようにした発光ダイオード用基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、放熱性を高め且つ絶縁基体を構成するクラック等の発生を抑制するため、前記絶縁基体における一方の主面側に、搭載すべき半導体素子の電極に個別に接続される一対の板状体の接続電極をそれらの表面が一方の主面に面一に露出するように埋設し、且つ上記絶縁基体内で対向する一対の接続電極における一対の側面同士の間隔を、上記絶縁基体の一方の主面側よりも他方の主面側の方が大きくしてなる半導体素子搭載用基板が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、搭載すべき発光素子からの熱を効率的に放熱させるため、高温同時焼成セラミックからなる絶縁基体において、発光素子が搭載される表面とこれに対向する裏面との間を貫通する貫通孔を形成し、かかる貫通孔の内壁面に沿って、W等とからなるメタライズ膜と銅メッキ皮膜との2層からなるサーマルビアを形成した発光素子収納用パッケージが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、以上のような3つの従来の技術では、高輝度LEDやパワー半導体などのパワーデバイスのチップを搭載した場合、これらのチップ自体からの大きな発熱により、発光量が低下したり、外部と封止するための封止材が劣化すると共に、発生した多くの熱を効率良く放熱し難いため、上記チップの過度な昇温を抑制できない、という問題があった。更に、特許文献1の前記発光ダイオード用基板では、比較的複雑な構造となり且つ煩雑な製造工程を要する、という問題もあった。
国際公開2014/073039号公報(図1,4) 特開2015−50259号公報(第1〜11頁、図1〜3) 特開2009−260179号公報(第1〜8頁、図1,2)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、例えば、高輝度LEDやパワー半導体などの発熱量の比較的大きな素子(電子部品)を搭載しても、かかる素子の熱を効率良く外部に放熱して、該素子ごとの本来の性能を確保し得ると共に、前記素子を精度良く確実に搭載でき、且つ物理的強度の高いセラミック基板本体を有する配線基板、およびその製造方法を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、比較的発熱量の大きい素子を搭載するための素子搭載用パッドおよびマザーボードと電気的に接続するための接続端子を、セラミック基板本体の表面および裏面に、表面が外側に突出し且つ外周に拡がるよう個別に埋設し、上記パッドと上記接続端子との間をこれらの銅層とは異なる銀ロウからなるビア導体により導通する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有するセラミック基板本体と、該セラミック基板本体の表面側に形成された銅からなる複数の素子搭載用パッドと、上記セラミック基板本体の裏面側に形成された銅からなる複数の接続端子と、上記複数の素子搭載用パッドと複数の接続端子との間を個別に接続するビア導体と、を備えた配線基板であって、上記セラミック基板本体の表面または裏面と垂直な断面視において、上記素子搭載用パッドの上記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅は、上記ビア導体の上記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅よりも大きいと共に、上記素子搭載用パッドの底部側は、上記セラミック基板本体の表面に開口する表面側凹部に埋設され、且つ当該素子搭載用パッドの表面は、上記セラミック基板本体の表面よりも外方に突出しており、上記素子搭載用パッドと接続端子とは、銅層であり、上記ビア導体は、銀ロウである、ことを特徴とする。
これによれば、以下の効果(1)〜(3)を奏することが可能である。
(1)前記素子搭載用パッドと接続端子とは、銅層であり、前記ビア導体は、銀ロウであるので、上記素子搭載用パッドと接続端子とを、例えば、銅メッキ層により形成しても、前記ビア導体を、任意の断面形状および断面サイズを有する銀ロウによって自在に形成することができる。従って、追って、複数の上記素子搭載用パッドの上方に高輝度LEDのような比較的発熱量が大きな素子を搭載しても、該素子から発せられる多量の熱をビア導体を介して、前記セラミック基板本体の裏面側の設けた各接続端子から外部に効果的に放熱することが可能となる。
(2)前記断面視において、前記素子搭載用パッドの上記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅が、前記ビア導体の上記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅よりも大きいので、上記素子搭載用パッドの上方に前記素子を精度良く確実に搭載できると共に、該素子から発せられる多量の熱を上記素子搭載用パッド側に効率良く抜熱することが可能となる。
(3)前記素子搭載用パッドの底部側は、セラミック基板本体の表面に形成された表面側凹部に埋設されているので、外部から各種の物理的な力を受けても、当該素子搭載用パッドの変形や脱落などの事態を容易に防ぐことが可能となる。
尚、前記セラミック基板本体を構成するセラミックは、アルミナ、窒化アルミニウム(AlN)、ムライトなどを主成分とする高温焼成セラミックである。
また、前記素子搭載用パッドと接続端子とは、例えば、電解銅メッキによる銅メッキ層により形成され、前記銀ロウは、例えば、Ag−Cu系合金からなる。
更に、前記ビア導体が貫通するセラミック基板本体のセラミック層の厚みは、少なくとも50μm以上であり、上限の厚みは、おおよそ300μm程度である。上記セラミック基板本体のセラミック層の厚みが50μm未満になると、かかる基板本体が薄くなり過ぎるので、該基板本体の強度を確保することが困難となる。一方、上記セラミック基板本体のセラミック層の厚みが300μmを超えると、かかる基板本体が厚くなり過ぎて、該基板本体に熱がこもるため、効果的な放熱が困難となる。これらのため、上記厚みの範囲が推奨される。
また、前記ビア導体の断面は、円形、長円形状、楕円形状、あるいは、四角形以上の正多角形あるいは変形多角形を呈する。
更に、前記素子搭載用パッド、接続端子、および両者の間を接続するビア導体の組は、少なくとも2組以上配置され、3組あるいは4組以上配置しても良い。
また、前記複数組の素子搭載用パッド、接続端子、および両者の間を接続するビア導体は、追って搭載する素子からの熱を放熱し且つ該素子と接続端子との間を通電可能とするが、このうち少なくとも1組は、上記熱の放熱のみに用いる受熱用パッド、サーマルビア、および放熱部材を構成するものであっても良い。
加えて、前記複数の素子搭載用パッドの上方に追って搭載される素子は、比較的発熱量が大きな高輝度LEDやパワー半導体などであるが、これらに限らない。
また、本発明には、前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な平面視における前記ビア導体の重心を通り、且つ該ビア導体の外周における2点の間を結ぶ複数の仮想直線のうち、最長の仮想直線の長さが、上記セラミック基板本体の表面または裏面と垂直な断面視において、前記素子搭載用パッドの厚みの2倍以上である、配線基板(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記素子搭載用パッドと接続端子とを、例えば、銅メッキ層により形成しても、前記ビア導体の直径または幅を、前記素子搭載用パッドの厚みの2倍以上とし且つ任意の断面形状を有する銀ロウによって自在に形成することができる。即ち、前記素子搭載用パッドや接続端子の大きさに拘わらず、前記ビア導体の大きさ(太さ)を大きくして形成できる。そのため、該ビア導体の大きさ(ひいては伝熱できる体積)を大きく設定でき、追って搭載される発熱量の大きな高輝度LEDなどの素子から発生する熱を、素子搭載用パッドを介して上記ビア導体が効率的に伝熱することができる。従って、前記効果(1)を一層顕著に奏することが可能となる。
尚、前記ビア導体の重心を通り、且つ該ビア導体の外周における2点の間を結ぶ複数の仮想直線のうち、最長の仮想直線とは、ビア導体の断面が円形の場合では、最長の仮想直線は全て同じ直径となり、ビア導体の断面が矩形(正方形または長方形)状、楕円形状、あるいは長円形状の場合には、最長の仮想直線は対角線あるいは長軸に沿った仮想線である。
、前記表面側凹部は、平面視で矩形(正方形または長方形)状、円形、長円形状、楕円形状、五角形以上の正多角形あるいは変形多角形の何れかを呈する。
また、前記素子搭載用パッドは、前記基板本体の表面から約10〜数10μm程度の厚みで外方に突出している。
更に、前記表面側凹部の深さは、約30〜100μm程度である。
また、本発明には、前記セラミック基板本体の表面または裏面と垂直な断面視において、前記接続端子の前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向に沿った幅は、前記ビア導体の前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅よりも大きいと共に、上記接続端子の底部側は、上記セラミック基板本体の裏面に開口する裏面側凹部に埋設され、且つ該接続端子の表面は、上記セラミック基板本体の裏面よりも外方に突出している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、以下の効果(4),(5)を奏することが可能となる。
(4)前記断面視において、前記接続端子の前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向に沿った幅が、前記ビア導体の前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅よりも大きいので、前記素子からの熱を上記ビア導体から接続端子側に効果的に伝熱し且つ放熱できると共に、複数の接続端子を介して、本配線基板をマザーボードの電極に対して、比較的広い面積を介して容易且つ確実に実装することもできる。
(5)前記接続端子の底部側は、セラミック基板本体の裏面に形成された裏面側凹部に埋設されているので、外部から各種の物理的な力を受けても、当該接続端子の変形や脱落などの事態を容易に防ぐことが可能となる。
尚、前記接続端子は、平面視で前記素子搭載パッドと同様な形状を呈し、且つ素子搭載パッドと同様な深さであると共に、前記セラミック基板本体の裏面から約10〜数10μmの厚みで外側に突出している。
更に、本発明には、前記接続端子の底部側は、前記セラミック基板本体の裏面に開口する裏面側凹部に埋設されており、前記表面側凹部の底面と前記素子搭載用パッドとの間、前記裏面側凹部の底面と前記接続端子との間、および、前記ビア導体とセラミック基板本体との間には、メタライズ層とニッケル層とが配設されている、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、セラミックからなる表面側凹部および裏面側凹部の底面と、前記ビア導体が形成されるビアホールの内周面とに対し、予めメタライズ層およびニッケル層(金属被覆層)が形成されているので、上記ビアホール内に銀ロウを密着させて充填できると共に、上記ニッケル層による良好な導電性によって、銅からなる前記素子搭載用パッドと接続端子とを後述する電解銅メッキにより、均一な銅メッキ層(銅層)に形成されている(効果(6))。
尚、前記メタライズ層は、タングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)、これらの何れか一方をベースとする合金からなる。
また、本発明には、少なくとも前記ビア導体とセラミック基板本体との間には、メタライズ層と金属被覆層とが配設されており、該金属被覆層は、ニッケル層と銅層とを含んでいる、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記効果(6)に加えて、該金属被覆層が、ニッケル層と銅層とを含んでいるので、前記ビアホール内に銀ロウを密着させて充填する際に、前記セラミック基板本体を構成するセラミックに対する応力が緩和される。従って、上記セラミック基板本体のセラミック内におけるクラックの発生が抑制ないし低減された配線基板となっている(効果(7))。
尚、前記金属被覆層は、例えば、下層側の第1ニッケル層、中層の銅層、および上層側の第2ニッケル層からなる3層の形態が例示される。
更に、本発明には、前記表面側凹部の底面は、平面視で該表面側凹部の開口部よりも広く、前記裏面側凹部の底面は、平面視で該裏面側凹部の開口部よりも広い、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、表面側凹部および裏面側凹部の底面が、それぞれの開口部よりも広いため、前記効果(3),(5)を一層顕著に奏することができる。
また、本発明には、前記素子搭載用パッドの表面は、平面視において、該素子搭載用パッドの表面の少なくとも一部が前記表面側凹部の開口部よりも外周側に位置している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記素子搭載用パッドの表面の少なくとも一部が前記表面側凹部の開口部よりも前記セラミック基板本体の外周側に位置しているので、該外周側に位置する素子搭載用パッドの一部が、追って搭載される発熱量の大きな高輝度LEDなどの素子の中央部まで延在し、該素子が発する熱を容易且つ迅速に吸収できる。従って、前記効果(2)を一層顕著に奏することができる。
加えて、本発明には、前記接続端子の表面は、平面視において、該接続端子の表面の少なくとも一部が前記裏面側凹部の開口部よりも外周側に位置している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記接続端子の表面の少なくとも一部が前記裏面側凹部の開口部よりも前記セラミック基板本体の外周側に位置していることにより、追って搭載される発熱量の大きな高輝度LEDなどの素子から発生する熱を放熱するための面積をより一層大きくできるので、容易且つ迅速に放熱することができる。従って、前記効果(4)を一層顕著に奏することができる。
一方、本発明による配線基板の製造方法(請求項)は、表面および裏面を有するセラミック基板本体と、該セラミック基板本体の表面側に形成された銅からなる複数の素子搭載用パッドと、上記セラミック基板本体の裏面側に形成された銅からなる複数の接続端子と、上記複数の素子搭載用パッドと複数の接続端子との間を個別に接続するビア導体とを備えた配線基板の製造方法であって、
複数のセラミックグリーンシートのうち、少なくとも1つのグリーンシートに対し複数のビアホールを形成し、少なくとも2つのグリーンシートに対し前記ビアホールよりも大きな複数の貫通孔を形成するグリーンシート打ち抜き工程と、上記ビアホールが形成されたグリーンシートの表面および裏面の少なくとも一方であって、少なくとも上記貫通孔が形成されたグリーンシートを積層した際に、該貫通孔から露出する箇所と、上記ビアホールの内壁面とに対し、導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記ビアホールが形成されたグリーンシートの両面に対し、上記貫通孔が形成されたグリーンシートを積層し且つ圧着して、グリーンシート積層体を形成する積層体形成工程と、前記グリーンシート積層体を焼成して、表面および裏面に上記貫通孔に対応する表面側凹部と裏面側凹部と、かかる2つの凹部間を連通するビアホールとを有するセラミック基板本体にする焼成工程と、かかる焼成工程によって上記セラミック基板本体と共に、上記導電性ペーストから得られたメタライズ層の表面に、少なくともニッケル層を含む金属被覆層を形成する金属被覆層形成工程と、前記金属被覆層が形成された上記ビアホールの内側にAgロウを充填するロウ材充填工程と、上記セラミック基板本体における複数の表面側凹部内および複数の裏面側凹部内とに対し、銅層を形成する銅層形成工程と、を含む、ことを特徴とする。



これによれば、前記効果(1)〜(7)を奏する配線基板を確実に製造することが可能となる(効果(8))。
尚、前記ビアホールが形成されるグリーンシートにおける少なくも一方の表面には、前記メタライズ層と外部のメッキ用電極との間を電気的に接続するメッキ用配線が形成されている。
また、開口部よりも底面が広い前記表面がおよび裏面側凹部は、例えば、これらの凹部となる貫通孔をグリーンシートを打ち抜き加工により形成する際に、ポンチの先端部と該先端部を受け入れるダイ側の貫通孔との隙間(クリアランス)を若干大きめにして形成されたものである。
更に、前記ビアホールが形成されるグリーンシートにおける少なくも一方の表面には、前記メタライズ層と外周部のメッキ用電極との間を電気的に接続するメッキ用配線が形成されている。
また、前記金属被覆層には、単層のニッケル層のみからなる形態の他、下層側の第1ニッケル層、中層の銅層、および上層側の第2ニッケル層からなる3層の形態も含まれる。
加えて、前記製造方法は、多数個取りの形態により行っても良い。
本発明による一形態の配線基板を示す平面図。 図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図およびその部分拡大図。 上記配線基板に用いられたビア導体の模試的な断面図。 異なる形態のビア導体を模試的に示す断面図。 更に異なる形態のビア導体を模試的に示す断面図。 異なる形態の配線基板を示す図2と同様な垂直断面図。 (A)〜(D)はセラミック基板本体の表面における複数の素子搭載用パッドの互いに異なる形態を示す平面図。 (A)〜(D)は図6の配線基板を得るための製造工程を示す概略図。 (A)〜(D)は図8(D)に続く製造工程を示す概略図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の配線基板1aを示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図である。
かかる配線基板1aは、図1,図2に示すように、互いに平行状に対向する表面3および裏面4を有するセラミック基板本体2と、該基板本体2の表面3側において互いに離間して形成された2個(複数)の素子搭載用パッド16と、上記基板本体2の裏面4側において互いに離間して形成された2個(複数)の接続端子17と、該接続端子17と上記素子搭載用パッド16との間を個別に接続する2個(複数)のビア導体18とを備えている。隣接する2個の上記素子搭載用パッド16同士の間隔は、200μm以下(例えば、約100μm)である。
前記セラミック基板本体2は、平面視が略正方形(略矩形)状で且つ板形状のセラミック層C1〜C3を一体に積層してなり、最上層のセラミック層C3の表面3上には平面視が矩形枠状のセラミック層C4,C5が更に一体に積層されている。
上記セラミックC1〜C5は、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどの高温焼成セラミックを主成分とする。また、上記枠状のセラミック層C4,C5は、平面視が矩形枠状の頂面6を有していると共に、これらと前記セラミック基板本体2の表面3とにより、直方体状のキャビティ7を形成している。
尚、前記ビア導体18が貫通するセラミック層C2の厚みは、50〜300μmの範囲内にあり、例えば、約50〜100μmの厚みが推奨される。
また、前記素子搭載用パッド16は、銅からなり、図1,図2に示すように、平面視が略長方形(略矩形)状を呈し、前記セラミック基板本体2の表面3または裏面4と垂直な方向に沿った断面視において、該表面3または裏面4と平行な方向に沿った幅w1が、上記表面3または裏面4と平行な方向に沿ったビア導体18の幅(直径)Lよりも大である。尚、該ビア導体18の幅(直径)Lは、上記素子搭載用パッド16の厚みt1の2倍以上であることが好ましいが、2倍未満であっても良い。ここで、上記幅w1は、図2の断面視において上記表面3または裏面4と平行な方向における最も長い部分を言い、上記厚みt1は、図2の断面視において上記表面3または裏面4と垂直な方向の長さを言う。
上記素子搭載用パッド16の底部側(該パッド表面16aの反対側)は、前記セラミック基板本体2の表面3に開口する表面側凹部8ごとに個別に埋設されている。該表面側凹部8は、平面視が長方形(矩形)状を呈する底面9と、該底面9の四辺から斜め内側向きに立設する4つの側面10とからなり、上記底面9は、平面視で該表面側凹部8の開口部8aよりも広い。即ち、かかる表面側凹部8は、全体が略四角錐体の底面側に相当する底広形状の凹部である。
上記素子搭載用パッド16の表面16aは、前記セラミック基板本体2の表面3よりも上方(外方)に約10〜数10μm程度突出していると共に、平面視の全周において、表面側凹部8の開口部8aよりも上記セラミック基板本体2の外周側に延在している。ここで、便宜上、図2中の上側を上方(外方)という。
更に、前記接続素子17も銅からなり、平面視が前記同様の略長方形(略矩形)状を呈し、図2に示すように、前記セラミック基板本体2の表面3または裏面4と垂直な方向に沿った断面視において、該表面3または裏面4と平行な方向に沿った幅w2が、上記表面3または裏面4と平行な方向に沿ったビア導体18の幅(直径)Lよりも大である。尚、該ビア導体18の幅(直径)Lは、上記接続素子17の厚みt2の2倍以上が推奨されるが、2倍未満であっても良い。ここで、上記幅w2は、図2の断面視において、前記表面3または裏面4と平行な方向における最も長い部分を言い、上記厚みt2は、図2の断面視において、上記表面3または裏面4と垂直な方向の長さを言う。
上記接続素子17の底部側は、前記セラミック基板本体2の裏面4に開口する裏面側凹部11ごとに個別に埋設されている。該裏面側凹部11も、平面視が長方形(矩形)状を呈する底面12と、該底面12の四辺から斜め内側きに立設する4つの側面13とからなり、上記底面12は、平面視で該表面側凹部11の開口部11aよりも広い。即ち、かかる裏面側凹部11も、全体が略四角錐体の底面側に相当する底広形状の凹部である。
上記接続端子17の表面17aは、前記セラミック基板本体2の裏面4よりも下方(外方)に前記と同程度に突出していると共に、平面視の全周において、裏面側凹部11の開口部11aよりも上記セラミック基板本体2の外周側に延在している。ここで、便宜上、図2中の下側を下方(外方)という。
加えて、前記ビア導体18は、銀ロウ(例えば、Ag−Cu系合金)からなり、断面が円形状で且つ全体が円柱形状を呈し、図1,図2に示すように、平面視で前記素子搭載用パッド16の中央部と前記接続端子17の中央部との間を個別に接続している。該ビア導体18は、上端および下端に表面側凹部8の底面9と裏面側凹部11の底面12とに製造時に濡れ拡がった円環状の鍔19を有している。
尚、前記ビア導体18は、上下方向で互いに向かい合う一対の前記素子搭載用パッド16と接続端子17との間に複数個(2個以上)を併設した形態としても良い。
また、図2中で左側の部分拡大断面図で示すように、前記表面側凹部8の底面9と前記素子搭載用パッド16との間、前記裏面側凹部11の底面12と前記接続端子17との間、およびビア導体18と前記セラミック基板本体2のセラミックとの間ごとには、メタライズ層14とニッケル層15aのみからなる金属被覆層15とが配設されている。該メタライズ層14は、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)からなる塗布層であり、上記ニッケル層15aはニッケルメッキ層からなる。また、上記金属被覆層15は、図2中の一点鎖線部分Vの部分拡大図に示すように、下層側の第1ニッケル層15a、中層の銅層15c、および上層側の第2ニッケル層15bの3層からなる形態としても良い。かかる3層の形態からなる金属被覆層15は、少なくとも、前記ビア導体18とセラミック基板本体2を構成するセラミックとの間に配設される。
即ち、前記金属被覆層15は、前記ビア導体18とセラミック基板本体2のセラミックとの間のみに配設される形態と、前記表面側凹部8の底面9と素子搭載用パッド16との間、前記裏面側凹部11の底面12と接続端子17との間、およびビア導体18と前記セラミック基板本体2のセラミックとの間ごとに配設される形態との2つの形態を含んでいる。
また、中層である前記銅層15cの厚みは、1μm以上で且つ15μm以下の範囲が好ましい。該銅層15cが1μm以上の厚みで形成されていれば、前記ビア導体18となる銀ロウを充填する際に、セラミック基板本体2のセラミックに加わる応力を緩和することができる。一方、上記銅層15cが15μm超の厚みで形成した場合、当該銅層15c自体が、セラミック基板本体2のセラミックに対し、過度の応力をかけるおそれがあるので、かかる範囲を除外している。
図3の模式図で示すように、断面が円形の前記ビア導体18の場合、かかる断面の重心Cを通り、且つ該ビア導体18の外周における2点を結ぶ2つ(複数)の仮想直線L1,L2は、全て前記幅(直径)Lと一致する。そのため、該ビア導体18の直径Lが、前記素子搭載用パッド16の厚みt1の2倍以上、あるいは2倍近傍となるように形成することで、追って複数の前記素子搭載用パッド16に搭載される素子からの熱を該ビア導体18を介して、前記接続端子17側に効率良く迅速に熱伝達することができる。
一方、図4の模式図で示すように、断面がほぼ正方形(矩形)状のビア導体18aの場合、その重心Cを通り、且つ該ビア導体18の外周における2点を結ぶ2つ(複数)の仮想直線L1,L2のうち、対角線に沿った仮想直線L1が最長となる。そのため、該仮想直線L1の長さが、前記素子搭載用パッド16の厚みt1の2倍以上、あるいは2倍近傍となるように形成することで、上記と同様の効果が得られる。上記ビア導体18bの断面が長方形状でも、上記と同様である。
更に、図5の模式図で示すように、断面が楕円形のビア導体18bの場合、その重心Cを通り、且つ該ビア導体18の外周における2点を結ぶ2つ(複数)の仮想直線L1,L2のうち、上記楕円形の長軸に沿った仮想直線L1が最長となる。そのため、かかる仮想直線L1の長さを前記素子搭載用パッド16の厚みt1の2倍以上、あるいは2倍近傍となるように形成することで、上記と同様の効果が得られる。上記ビア導体18bの断面が長円形状でも、上記と同様である。
更に、図2中における右側の丸い部分拡大断面図で示すように、前記素子搭載用パッド16ごとの表面16aおよび前記接続端子17ごとの表面17aには、ニッケル層20および金層21が被覆されている。該ニッケル層20および金層21も、それぞれニッケルメッキ層と金メッキ層である。
尚、図2中で破線で示す素子22は、例えば、追って搭載される高輝度LEDまたはパワー半導体などの素子であり、互いに異極である2個の前記素子搭載用パッド16に対し、該素子のプラス(+)側電極とマイナス(−)側電極とがハンダなど(何れも図示せず)を介して電気的に接続される。更に、かかる搭載後では、前記キャビティ7の内側に封止材(図示せず)が充填される。
図6は、前記配線基板1aとは異なる形態の配線基板1bを示す前記同様の垂直断面図である。
かかる配線基板1bは、図6に示すように、前記同様のセラミック基板本体2、複数の素子搭載用パッド16、複数の接続端子17、および前記パッド16と接続端子17との間を個別に接続する複数のビア導体18を備えている。該配線基板1bが前記配線基板1aと異なるのは、前記枠形状のセラミック層C4,C5を欠き且つ前記キャビティ7を有していない点である。かかる配線基板1bにおいて、追って搭載すべき素子22には、例えば、パワー半導体が推奨される。
以上のような構成の配線基板1a,1bによれば、何れであっても、前記効果(1)〜(7)を奏することが可能である。
図7(A),(B)は、前記セラミック基板本体2の表面3側に、異なる形態の素子搭載用パッド16Sを4個(複数)配置した前記配線基板1aを示す平面図である。上記素子搭載用パッド16Sは、何れも平面視が正方形(矩形)状を呈し、例えば、図示で左右ごとに同じ極(プラスまたはマイナス)のものが2個ずつ配置されている。各素子搭載用パッド16Sは、ビア導体18を介して、セラミック基板本体2の裏面4側に同数で且つ平面視が相似形に形成された4個(複数)の接続端子(図示せず)と個別に接続されている。
例えば、図7(A)に示すように、単一の素子22を4個の素子搭載用パッド16Sの上方に跨らせて搭載したり、あるいは、図7(B)に示すように、2個の素子22を、左右の互いに異極である2個の素子搭載用パッド16Sごとの上方に個別に跨らせて搭載しても良い。
図7(C)は、前記セラミック基板本体2の表面3側において、前記素子搭載用パッド16を左側に、一対(複数)の素子搭載用パッド16Sを右側に配置した形態を示す。図7(C)に示すように、単一の素子22を3個の素子搭載用パッド16,16Sの上方に跨らせて搭載することができる。尚、平面視が長方形状の素子搭載用パッド16には、2個以上のビア導体18を接続しても良い。
図7(D)は、前記セラミック基板本体2の表面3側において、平面視が比較的大きな1個の素子搭載用パッド16Lを左側に、平面視が比較的小さな一対(複数)の素子搭載用パッド16sを右側に配置した形態を示す。
上記比較的大きな素子搭載用パッド16Lの表面16aには、1つの素子22全体がハンダ(図示せず)などを介して搭載され、該素子22における一対の電極22aと比較的小さな2個の素子搭載用パッド16sとの間は、ボンディングワイヤ24を介して導通可能とされている。かかる形態では、素子搭載用パッド16Lと、これに接続するビア導体18および裏面4側の接続端子には電流は流れず、これら3者は専ら素子22からの熱の放熱用に利用される。即ち、上記ビア導体18はサーマルビアであり、上記接続端子は放熱部材として機能する。尚、上記素子搭載用パッド16Lにも、2個以上のビア導体18を接続しても良い。
また、図7(A)〜(D)の各形態には、前記セラミック層C4,C5を有しない前記配線基板1bと同様なセラミック基板本体2を適用しても良い。
以下において、前記配線基板1bの製造方法について説明する。
予め、アルミナ粉末、バインダ樹脂、溶剤、可塑剤などを適量ずつ配合してセラミックスラリを作成し、該スラリをドクターブレード法によりシート状に成形して、図8(A)に示すように、所要の厚みを有する3層(複数)のグリーンシートg1〜g3を用意した。該グリーンシートg1〜g3は、平面視が多数個取り用のサイズであり、追って個々の前記セラミック層C1〜C3に仕切る仮想の切断予定面25が平面視で格子状に予め設定されている。
追って前記セラミック層C2となるグリーンシートg2における所定の位置に対し、ポンチと該ポンチの先端部を受け入れる受入孔を有するダイとを用いる打ち抜き加工を行って、図8(B)中に示すように、複数のビアホール28を形成した。一方、追って前記セラミック層C1,C3となるグリーンシートg1,g3における所定の位置に対し、ポンチと該ポンチの先端部を比較的大きなクリアランスを介して受け入れる受入孔を有するダイとを用いる打ち抜き加工を行った。その結果、図8(B)の上方と下方とに示すように、上記ダイ側であった表面の開口径が広く且つ上記ポンチの進入側であった表面の開口径が狭くなるように傾斜した内壁面を有し、且つ平面視で上記ビアホール28よりもサイズが大きな複数の貫通孔26,27を形成した(グリーンシートの打ち抜き工程)。
次いで、図8(C)中に示すように、前記グリーンシートg2に形成された複数のビアホール28ごとの内壁面と、該ビアホール28の開口部ごとに隣接する表面および裏面における所定の位置に対し、タングステン(W)粉末を含む導電性ペーストを印刷および塗布して、未焼成のメタライズ層14を形成した。この際、該グリーンシートg2の裏面側には、隣接するメタライズ層14同士の間を接続する未焼成のメッキ用配線31と、前記切断予定面25と交差するメッキ用配線32とを併せて形成した。尚、上記導電性ペーストには、W粉末に替え、モリブデン(Mo)粉末を含むものを用いても良い。
一方、図8(C)の上方と下方とに示すように、前記グリーンシートg1,g3の傾斜した内壁面ごとに対し、上記と同じ導電性ペーストを印刷および塗布して、未焼成のメタライズ層14を形成した(塗布工程)。
次に、平面視で前記切断予定面25が互いに一致するように、前記ビアホール28、メタライズ層14、およびメッキ用配線31,32が形成されたグリーンシートg2の両面に対し、前記貫通孔26,27およびメタライズ層14が形成された前記グリーンシートg1,g3を積層し且つ圧着した(積層体形成工程)。
その結果、図8(D)に示すように、グリーンシートg1〜g3を積層してなり、互いに平行状に対向する表面3および裏面4を有し、該表面3に開口し且つ底広形状である複数の表面側凹部8、上記裏面4に開口し且つ底広形状である複数の裏面側凹部11、および、上記表面3と裏面4とに直交する断面視で上記表面側凹部8の底面9と裏面側凹部11の底面12との間ごとを貫通するビアホール28を有するグリーンシート積層体30を得た。
尚、該グリーンシート積層体30の平面視における外周側に位置する耳部には、前記メッキ用配線32に通電可能な複数のメッキ用電極(何れも図示せず)が形成されている。
更に、前記グリーンシート積層体30を焼成炉(図示せず)で焼成した(焼成工程)。
その結果、図9(A)に示すように、一体に積層されたセラミック層C1〜C3からなり、前記表面3および裏面4を有し、前記複数の表面側凹部8、複数の裏面側凹部11、およびこれらの底面9,12間ごとを連通するビアホール28と、これらの内部に同時焼成されたメタライズ層14とを有するセラミック基板本体2を、平面視で縦横に複数個併有するセラミック積層体40を得た。この際、セラミック層C2の厚みは、少なくとも50μm以上であった。
次いで、上記セラミック積層体40を電解ニッケルメッキ浴に浸漬し、前記複数のメッキ用電極およびメッキ用配線31,32を介して、当該セラミック積層体40における複数のセラミック基板本体2ごとの前記メタライズ14の表面に対して、電解ニッケルメッキを施した。
その結果、図9(A)中の一点鎖線部分Yの部分拡大断面図で示すように、前記メタライズ14ごとの表面に対し、所要厚みのニッケル層15aのみからなる金属被覆層15を形成した(金属被覆層形成工程)。
尚、図9(A)中の一点鎖線部分Zの部分拡大断面図で示すように、上記金属被覆層15は、前記メタライズ14ごとの表面に対し、下層側の第1ニッケル層15a、中層で厚みが約5μmの銅層15c、および上層側の第2ニッケル層15bの3層からなる形態としても良い。かかる形態は、少なくとも前記ビア導体18とセラミック基板本体2を構成するセラミック層C2との間に形成される。
また、図9(A)中の一点鎖線部分Zの部分拡大断面図の示すように、前記金属被覆層15を3層構造の形態とするには、前記メタライズ14ごとの表面に対し、電解ニッケルメッキを施して第1ニッケル層15aを被覆し、該第1ニッケル層15aの表面に対し電解銅メッキを施して銅層15cを被覆した後、該銅層15cの表面に対し、再度電解ニッケルメッキを施して第2ニッケル層15bを被覆することにより形成することができる。
次いで、前記メタライズ層14および金属被覆層15が被覆された前記ビアホール28ごとの内側に、所定の充填治具を用いて、Ag−Cu系合金からなる銀ロウを充填した(ロウ材充填工程)。
その結果、図9(B)に示すように、上記ビアホール28ごとの内側に、上記銀ロウからなる円柱形状のビア導体18が形成された。かかるビア導体18ごとの上端および下端には、上記充填工程において、上記銀ロウの一部が表面側凹部8および裏面側凹部11の底面9,12の金属被覆層15上に濡れ拡がった平面視が円環(リング)状の鍔19が形成されていた。
次に、前記メッキ用電極、メッキ用配線31,32、および上記ニッケルメッキ層15を介して、前記セラミック積層体40における複数のセラミック基板本体2ごとの表面側凹部8の底面9および側面10と、裏面側凹部11の底面12および側面13とに対し、電解銅メッキを施した。
その結果、図9(C)に示すように、前記表面側凹部8ごとの内側に銅層からなる素子搭載用パッド16が形成されると共に、裏面側凹部11ごとの内側に銅メッキ層(銅層)からなる接続端子17が形成された(銅層形成工程)。
この際、上記素子搭載用パッド16の表面16aと、接続端子17の表面17aとは、表面側凹部8または裏面側凹部11の開口部よりも外側に突出しており、かかる突出部を含めた厚みは、少なくとも30μm以上であった。しかも、上記素子搭載用パッド16の表面16aの全周辺と、接続端子17の表面17aの全周辺とは、表面側凹部8または裏面側凹部11の開口部よりも外周側に張り出していた。そして、上記セラミック積層体40の表面3または裏面4に垂直な断面視において、該表面3または裏面4に沿った素子搭載用パッド16の幅w1と接続端子17の幅w2とは、何れもビア導体18の直径Lよりも大となっていた。
尚、前記電解銅メッキは、前記素子搭載用パッド16と接続端子17の厚みt1,t2が、ビア導体18の直径Lの半分以下となるように行うことが望ましい。
更に、前記メッキ用電極、メッキ用配線31,32、およびニッケルメッキ層15を介して、前記素子搭載用パッド16ごとの表面16aと、接続端子17ごとの表面17aとに対し、電解ニッケルメッキおよび電解金メッキを順次施した。
その結果、前記図2中の丸い部分拡大断面図で示したように、上記表面16aと表面17aごとにニッケル(メッキ)層20および金(メッキ)層21が順次被覆された。
そして、前記セラミック積層体40の前記切断予定面25に沿って、該セラミック積層体40の厚み方向に沿って、高速で回転する円盤形ブレードを移動させる切断(個片化)工程を行った。その結果、図9(D)に示すように、前記配線基板1bを複数個得ることができた。
尚、前記配線基板1aを製造するには、前記グリーンシート積層体30を得る積層体形成工程で、平面視が矩形状の貫通孔を有し、追って前記セラミック層C4,C5となる2層のグリーンシート(g4,g5)を前記グリーンシートg3の上方に更に積層し、これ以降は前記同様の各工程を行うことで可能となる。
以上のような配線基板1b(1a)の製造方法によれば、前記効果(8)を奏することが裏付けられた。
また、前記図7(A)〜(D)に示した素子搭載用パッド16S、16s、16Lの何れかを含む形態も、前記製造方法の各工程を経ることで容易に製造することが可能である。
本発明は、以上において説明した各実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記セラミック基板本体を構成するセラミックは、前記アルミナに限らず、窒化アルミニウムやムライトなどを主成分とするものでも良い。
また、前記セラミック基板本体2を構成するセラミック層は、前記セラミック層C1〜C3からなる3層、あるいは前記セラミック層C1〜C5からなる5層に限らず、任意の層数としても良い。
更に、前記ビア導体は、前記各形態に限らず、断面が非円形の長円形状、五角形以上の正多角形または変形多角形を呈するものであっても良い。
また、前記セラミック基板本体2やその表面3上に積層されるセラミック層C4,C5は、平面視の外形が長方形状を呈するものであっても良い。かかる形態の場合、セラミック基板本体2の表面3には、平面視が正方形状である一対の素子搭載用パッドを形成することができる。
更に、前記セラミック層C2に形成するビアホール28は、全体が円柱形状や四角柱形状などに限らず、何れ一方の開口径が大きく且つ他方の開口径が小さくなるような円錐形状や四角錐形状などを呈するものであっても良い。
また、前記表面側凹部8および裏面側凹部11は、前記底広形状に限らず、それらの開口部8a,11aに底面9,12の全体が露出する形態としても良い。
更に、前記素子搭載用パッド16の表面16aや接続端子17の表面17aは、平面視でそれらの周辺の一部のみが前記表面側凹部8の開口部8aあるいは裏面側凹部11の開口部11aよりも外周側に位置していても良い。
また、前記ビア導体18などには、前記Ag−Cu系合金以外の銀ロウを用いても良い。
更に、前記表面側凹部8や裏面側凹部11の貫通孔26,27や、ビアホール28は、グリーンシートに対するレーザ照射により形成することも可能である。
加えて、前記配線基板1a,1bは、個別に製造することも可能である。
本発明によれば、例えば、高輝度LEDなどの比較的発熱量の大きな素子を搭載しても、かかる素子の熱を効率良く外部に放熱して、該素子ごとの本来の性能を確保できると共に、前記素子を精度良く確実に搭載でき、且つ物理的強度の高いセラミック基板本体を有する配線基板を確実に提供することができる。
1a,1b…………………………配線基板
2……………………………………セラミック基板本体
3……………………………………表面
4……………………………………裏面
8……………………………………表面側凹部
8a…………………………………表面側凹部の開口部
9……………………………………表面側凹部の底面
11…………………………………裏面側凹部
11a………………………………裏面側凹部の開口部
12…………………………………裏面側凹部の底面
14…………………………………メタライズ層
15…………………………………金属被覆層
15a,15b……………………ニッケル層
15c………………………………銅層
16,16L,16S,16s…素子搭載用パッド/銅(メッキ)層
16a………………………………素子搭載用パッドの表面
17…………………………………接続端子/銅(メッキ)層
17a………………………………接続端子の表面
18,18a,18b……………ビア導体/銀ロウ
26,27…………………………貫通孔
28…………………………………ビアホール
30…………………………………グリーンシート積層体
C……………………………………重心
L……………………………………幅/直径
L1,L2…………………………仮想直線
t1,t2…………………………厚み
w1,w2…………………………幅
g1〜g3…………………………グリーンシート

Claims (9)

  1. 表面および裏面を有するセラミック基板本体と、
    上記セラミック基板本体の表面側に形成された銅からなる複数の素子搭載用パッドと、
    上記セラミック基板本体の裏面側に形成された銅からなる複数の接続端子と、
    上記複数の素子搭載用パッドと複数の接続端子との間を個別に接続するビア導体と、を備えた配線基板であって、
    上記セラミック基板本体の表面または裏面と垂直な断面視において、上記素子搭載用パッドの上記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅は、上記ビア導体の上記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅よりも大きいと共に、
    上記素子搭載用パッドの底部側は、上記セラミック基板本体の表面に開口する表面側凹部に埋設され、且つ当該素子搭載用パッドの表面は、上記セラミック基板本体の表面よりも外方に突出しており、
    上記素子搭載用パッドと接続端子とは、銅層であり、
    上記ビア導体は、銀ロウである、
    ことを特徴とする配線基板。
  2. 前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な平面視における前記ビア導体の重心を通り、且つ該ビア導体の外周における2点の間を結ぶ複数の仮想直線のうち、最長の仮想直線の長さが、上記セラミック基板本体の表面または裏面と垂直な断面視において、前記素子搭載用パッドの厚みの2倍以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記セラミック基板本体の表面または裏面と垂直な断面視において、前記接続端子の前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向に沿った幅は、前記ビア導体の前記セラミック基板本体の表面または裏面と平行な方向の幅よりも大きいと共に、
    上記接続端子の底部側は、上記セラミック基板本体の裏面に開口する裏面側凹部に埋設され、且つ該接続端子の表面は、上記セラミック基板本体の裏面よりも外方に突出している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記接続端子の底部側は、前記セラミック基板本体の裏面に開口する裏面側凹部に埋設されており、
    前記表面側凹部の底面と前記素子搭載用パッドとの間、前記裏面側凹部の底面と前記接続端子との間、および、前記ビア導体とセラミック基板本体との間には、メタライズ層とニッケル層とが配設されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  5. 少なくとも前記ビア導体とセラミック基板本体との間には、メタライズ層と金属被覆層とが配設されており、該金属被覆層は、ニッケル層と銅層とを含んでいる、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  6. 前記表面側凹部の底面は、平面視で該表面側凹部の開口部よりも広く、前記裏面側凹部の底面は、平面視で該裏面側凹部の開口部よりも広い、
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の配線基板。
  7. 前記素子搭載用パッドの表面は、平面視において、該素子搭載用パッドの表面の少なくとも一部が前記表面側凹部の開口部よりも外周側に位置している、
    ことを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の配線基板。
  8. 前記接続端子の表面は、平面視において、該接続端子の表面の少なくとも一部が前記裏面側凹部の開口部よりも外周側に位置している、
    ことを特徴とする請求項3,4,または6に記載の配線基板。
  9. 表面および裏面を有するセラミック基板本体と、該セラミック基板本体の表面側に形成された銅からなる複数の素子搭載用パッドと、上記セラミック基板本体の裏面側に形成された銅からなる複数の接続端子と、上記複数の素子搭載用パッドと複数の接続端子との間を個別に接続するビア導体とを備えた配線基板の製造方法であって、
    複数のセラミックグリーンシートのうち、少なくとも1つのグリーンシートに対し複数のビアホールを形成し、少なくとも2つのグリーンシートに対し前記ビアホールよりも大きな複数の貫通孔を形成するグリーンシート打ち抜き工程と、
    上記ビアホールが形成されたグリーンシートの表面および裏面の少なくとも一方であって、少なくとも上記貫通孔が形成されたグリーンシートを積層した際に、該貫通孔から露出する箇所と、上記ビアホールの内壁面とに対し、導電性ペーストを塗布する塗布工程と、
    上記ビアホールが形成されたグリーンシートの両面に対し、上記貫通孔が形成されたグリーンシートを積層し且つ圧着して、グリーンシート積層体を形成する積層体形成工程と、
    上記グリーンシート積層体を焼成して、表面および裏面に上記貫通孔に対応する表面側凹部と裏面側凹部と、かかる2つの凹部間を連通するビアホールとを有するセラミック基板本体にする焼成工程と、
    上記焼成工程によって上記セラミック基板本体と共に、上記導電性ペーストから得られたメタライズ層の表面に、少なくともニッケル層を含む金属被覆層を形成する金属被覆層形成工程と、
    上記金属被覆層が形成された上記ビアホールの内側にAgロウを充填するロウ材充填工程と、
    上記セラミック基板本体における複数の表面側凹部内および複数の裏面側凹部内とに対し、銅層を形成する銅層形成工程と、を含む、
    ことを特徴とする配線基板の製造方法。
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