以下、図面を参照して、本発明による各実施形態のロールスクリーン1及び横型ブラインド101を説明する。尚、本願明細書中、図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーン4の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をロールスクリーン1の左側、及び、図示右方向をロールスクリーン1の右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とし、ロールスクリーン1の前後方向と称するときは、図1の正面図における図示面に対して垂直な方向を云う。
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1及び図2を参照して、本発明による第1実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の構成を説明する。図1は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の概略構成を示す正面図である。また、図2は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の概略構成を示す側面透視図である。
図1に示すように、本実施形態のロールスクリーン1は、電動式のロールスクリーンとして構成され、ブラケット8を介して取付フレーム2の上端を天井面等の取付面に固定して設置される。そして、取付フレーム2の左右両端に支持部材2a,2bが固定され、その支持部材2a,2bによって、支持部材2a,2b間に円筒状の巻取パイプ9が回転可能に支持される。
巻取パイプ9の右端側内部には、巻取パイプ9を回転駆動するためのモーター3が設けられている。また、モーター3に配線されるハーネス61は、取付フレーム2の右端部から外部へと導出され、制御装置6に接続される。
制御装置6は、図示しない操作スイッチ等により有線又は無線でスクリーン4の昇降操作に関する操作指示を受け付け、モーター3の回転量に基づき、スクリーン4の上限位置及び下限位置に対する現在位置を監視して駆動制御することにより、当該操作指示に対応する昇降操作を実行する装置である。
操作スイッチの一例として、操作者が操作可能な操作スイッチの最も基本的な構成は、スクリーン4の上昇動作を指示する「上昇ボタン」、スクリーン4の下降動作を指示する「下降ボタン」、及び、スクリーン4の昇降動作を停止させる「停止ボタン」が設けられ、これらの操作ボタンに応じた操作信号が制御装置6に出力される。
制御装置6は、図示を省略するが、コンピュータとして構成することができ、演算制御部(CPU)、制御プログラムや後述する各種データを記憶保持するメモリ、図示しない操作スイッチ等からの操作信号を受け付ける操作信号検出部、モーター3の回転駆動を行うモーター駆動部、及びモーター3の回転量を検出する回転検出部を備える。当該演算制御部の機能は、当該メモリ内の制御プログラムの実行により実現される。例えば、制御装置6は、当該演算制御部により、スクリーン4の上限位置及び下限位置に対応する回転量を当該メモリに保持しておき、当該操作信号検出部により図示しない操作スイッチ等からの操作信号を受け付けると、当該回転検出部によりモーター3の回転量を検出し監視しながら、スクリーン4の上限位置及び下限位置に対する現在位置を把握して当該モーター駆動部によりモーター3の回転駆動を行うよう制御する。
巻取パイプ9は、スクリーン4の一辺を取着して巻き取り可能に吊下支持しており、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4の他辺は、巻取パイプ9よりも上部に位置する取付フレーム2の室外側端面に設けられた固定部22(図2参照)に取着されている。固定部22は、図2に示すように、スクリーン4の長さを調整可能にして、スクリーン4の端部を着脱可能に係止することができる。そして、巻取パイプ9と固定部22との間で垂下されるスクリーン4の下端部には、ウェイトバー5の両端部で回転可能に支持されるローラー51が挿通されている。これにより、スクリーン4はウェイトバー5の重量に基づいて張設される。
従って、巻取パイプ9をスクリーン巻き取り方向へ回転させるとウェイトバー5が上昇し、巻取パイプ9をスクリーン巻き戻し方向へ回転させるとウェイトバー5が下降する。
尚、図2に示す例では、そのウェイトバー5に設けられるローラー51によって二重のスクリーンの下端部を折り返し円滑に移動させるよう構成し、ウェイトバー5の開口部5a近傍に当該スクリーン4と当接しその開口幅を調節可能とする案内部材5bが設けられているが、例えば、特許文献3に開示されるように、前後に二重のスクリーン4に対しその密着状態を維持するよう当該開口幅を狭くして図2で示すローラー51を複数のローラーで構成したものでもよい。
また、巻取パイプ9内において、スクリーン4の巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター、右端側にはスクリーン4の自重降下を防止するストッパー装置等を収容させた構成とすることもできる。
スクリーン4は、光を一部透過させる透過部4bと、光を遮る遮光部4aとが縞状に交互に形成され、このスクリーン4が二重に重ね合わされた状態で吊下支持されているため、前後のスクリーン4をほぼ上下方向に相対移動させて、透過部4bと遮光部4aとの重なり具合を調整することにより、採光量が調節可能となっている。尚、光を一部透過させる透過部4bと、光を遮る遮光部4aとが縞状に交互に形成するピッチは、任意に定めることができる。
ところで、第1実施形態のロールスクリーン1では、巻取パイプ9と取付フレーム2との間で生じる隙間からの外光を効果的に遮蔽する光漏れ防止機能を有する可動フィン7が設けられている。
可動フィン7は、全体として略板状の形状を有しており、取付フレーム2の左右方向(長手方向)のほぼ全長に亘って、可動フィン7の上端に位置する軸部7aが取付フレーム2の底面側に設けられた支持溝21に対して回動可能に軸支されている。そして、可動フィン7は、二重のスクリーン4における背面側のスクリーン4と巻取パイプ9との間に位置して吊下支持され、可動フィン7の下端は当該背面側のスクリーン4と当接している。また、可動フィン7には、巻取パイプ9と対向する面側にて突出する突起部7bが形成され、本例の突起部7bは、可動フィン7の左右方向(長手方向)のほぼ全長に亘って略C字断面により曲面状に一条で突出している。
(可動体駆動機構)
そして、巻取パイプ9の左端部と支持部材2bとの間に、可動体駆動機構として構成される回転部材10、支持補助部材12(第1及び第2支持補助部材12A,12B)、押し上げカム13、及び解放スプリング14が設けられている。この可動体駆動機構において、巻取パイプ9の回転に伴って所定の回転角度範囲内で回転する押し上げカム13のカム周面13bが、可動フィン7の突起部7bと当接している。可動フィン7にはその自重に加えて当該背面側のスクリーン4やウェイトバー5の自重による押圧力が働いているため、可動フィン7の突起部7bは、押し上げカム13のカム周面13bに対して常に当接する。本例のカム周面13bは、円周に対しその中心軸から略120度の範囲で凹部を有する周面として構成されている。
ここで、図3を参照しながら、可動体駆動機構と、可動フィン7についてより詳細に説明する。図3は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1における可動体駆動機構周辺の概略構成を示す分解斜視図である。
支持補助部材12は、第1及び第2支持補助部材12A,12Bと第3支持補助部材12Cからなり、支持部材2bに固定される。
より具体的に、第1支持補助部材12Aは、段状凸部12fを有する略丸板状の取付面部に対しその中心から右法線方向に円柱突起部(図示せず)が形成され、この円柱突起部に円筒状の回転部材10が相対回転可能に支持される。そして、第1支持補助部材12Aの当該略丸板状の取付面部が、ネジ等で支持部材2bに固定される。
第2支持補助部材12Bは、円弧状の内周壁12aを持ち一部が開口した略リング形状(即ち、略C字外形)を有し、その頂部側開口端部の左端面側には段状凹部12bが設けられ、尚且つ、その略リング形状の左端面側には、段差を有する上半面12cと下半面12dが形成されている。上半面12cは下半面12dに対し凹みを持たせている。このため、第2支持補助部材12Bは、その内周壁12aで支持部材2bの下端部を支持し、上半面12cで支持部材2bの右面に当接させた状態で、段状凹部12bを第1支持補助部材12Aの段状凸部12fと係合して取着できるようになっている。また、回転部材10は、円弧状の内周壁12aに対しても回転可能に支持される。ところで、第2支持補助部材12Bの略リング形状の左端面側には、後述する解放スプリング14の回転を略120度の所定の角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられている。
第3支持補助部材12Cは、略半円板状の形状を有し、第2支持補助部材12Bの下半面12dに対し固定される。これにより第2支持補助部材12B及び第3支持補助部材12Cは、第1支持補助部材12Aを固定している支持部材2bに対し固定される。本例では、組立性及び意匠性等を考慮して、支持補助部材12について、第1及び第2支持補助部材12A,12Bと第3支持補助部材12Cとして個別の部材として構成しているが、一体化した形状で構成することも可能である。
このようにして、支持補助部材12は、筒状の回転部材10を相対回転可能に支持しており、この回転部材10の右端部は巻取パイプ9の左端部に固定される。従って、巻取パイプ9の回転に伴って回転部材10も一体となって回転する。この回転部材10の周面には、弾性を有する環状に折り曲げた捩じりコイルスプリングよりなる解放スプリング14が締め付けられるよう取着され、所定の回転角度範囲内では回転部材10の回転に伴って解放スプリング14も回転する。解放スプリング14の両端部は解放スプリング14の内方に直角に折り曲げられた一対の係合端14aが形成されている。
押し上げカム13は、円周に対しその中心軸から略120度の範囲で凹部を有する周面として構成されたカム周面13bを有し、このカム周面13bが可動フィン7の突起部7bと当接するように配置される。そして、押し上げカム13には、支持補助部材12に対し回転可能に支持される回転部材10を貫通させるよう、回転部材10の外径に対し僅かに拡径させた貫通孔13aが設けられている。更に、押し上げカム13は、解放スプリング14を収容する収容部13cが形成された蓋状の周壁を有しており、支持補助部材12(第2支持補助部材12B)に対し相対回転可能に蓋着される。
押し上げカム13の収容部13cには突起部13dが形成されており、押し上げカム13が解放スプリング14を収容し支持補助部材12に対し相対回転可能に蓋着された状態で、当該突起部13dが解放スプリング14の一対の係合端14aの間に位置するよう配置される。また、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられている。すると、解放スプリング14は、解放スプリング14の一対の係合端14aの一方が当該突起部12eに当接するまでは回転部材10に対し締め付け力が維持されて回転部材10と同回転し、当該突起部12eに当接すると開放方向に向かう力が働き回転部材10に対し空転するように作用する。
従って、解放スプリング14は、所定の回転角度範囲内では巻取パイプ9に固定される回転部材10の回転に伴って回転するため、押し上げカム13の当該突起部13dが当該回転方向に対応する解放スプリング14の一対の係合端14aの一方と当接し、押し上げカム13を回転させる。ただし、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の回転角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられているため、これにより解放スプリング14の回転は制限され、併せて押し上げカム13の回転も制限される。そして、解放スプリング14の回転が制限された状態では、回転部材10に対する解放スプリング14の締め付け力が緩和されるため(開放されるため)、回転部材10の回転は制限されず、このため巻取パイプ9は回転を継続することができるようになっている。
図3に示すように、可動フィン7は、略板状の形状を有し、可動フィン7の上端には軸部7aが形成され、可動フィン7の略中央部には巻取パイプ9と対向する面側にて突出する一条の突起部7bが形成されており、これらの軸部7a及び突起部7bは、本例では取付フレーム2の左右方向(長手方向)のほぼ全長に亘って延在している。また、可動フィン7の左端側下方には、押し上げカム13におけるカム周面13bと突起部7bとの当接を確保するための切欠き7cが設けられている。可動フィン7の軸部7aは、取付フレーム2の底面側に設けられた支持溝21に対して回動可能に軸支されている。これにより、可動フィン7は、巻取パイプ9と取付フレーム2との間で生じる隙間からの外光を効果的に遮蔽する光漏れ防止機能を有する。
ただし、巻取パイプ9の回転に伴って可動体駆動機構により可動フィン7を押し上げた状態で巻取パイプ9の回転が停止されると、可動体駆動機構における押し上げカム13もその状態で停止するため、可動フィン7が押し上げられた状態で維持されてしまう。このため、本実施形態の制御装置6は、スクリーン4の上限位置及び下限位置に対する現在位置を監視して駆動制御することにより、当該操作指示に対応する昇降操作を実行した後、押し上げカム13を規定の停止位置へと戻すよう、当該昇降操作に係る回転方向とは逆方向に所定の回転量(本例では、規制される120度の回転角度範囲の半分となる60度)だけ逆回転させる戻し機能を有する。以下、この可動体駆動機構の動作及び制御装置6の制御フローについて、より詳細に説明する。
可動体駆動機構として構成される回転部材10、支持補助部材12、押し上げカム13、及び解放スプリング14における動作について、図4(a),(b),(c)に、それぞれ停止時、下降動作時、及び上昇動作時の状態を示している。
図4(a)に示す停止時とは、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻き取り又は巻き戻し動作が停止して非回転の状態を示しており、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d1は、ウェイトバー5が下限位置にある状態であるか否かに関わらず密着又は近接している(ただし、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻太りにより、その間隔d1はより密着又は近接した状態となる)。このとき、可動フィン7は、二重のスクリーン4における背面側のスクリーン4と巻取パイプ9との間に位置して吊下支持され、可動フィン7の下端は当該背面側のスクリーン4と当接している。また、可動フィン7の軸部7aは、取付フレーム2の底面側に設けられた支持溝21に対して回動可能に軸支されて、可動フィン7にはその自重に加えて当該背面側のスクリーン4やウェイトバー5の自重による押圧力が働いているため、可動フィン7の突起部7bは、押し上げカム13のカム周面13bに対して常に当接する。
本例のカム周面13bは、円周に対しその中心軸から略120度の範囲で凹部を有する周面として構成されている。そして、図4(a)に示す停止時において、押し上げカム13におけるカム周面13bの凹部の規定の停止位置(即ち、凹部の略中央位置)に可動フィン7の突起部7bが当接している状態を規定の停止状態としている。
押し上げカム13には突起部13dが形成されており、当該突起部13dが解放スプリング14の一対の係合端14aの間に位置するよう配置される。また、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられている。そして、解放スプリング14は、解放スプリング14の一対の係合端14aの一方が当該突起部12eに当接するまでは回転部材10に対し締め付け力が維持されて回転部材10と同回転し、当該突起部12eに当接すると開放方向に向かう力が働き回転部材10に対し空転するように作用するようになっている。
続いて、上昇動作時を説明する。図4(b)に示す上昇動作時とは、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻き取り動作が開始して回転する状態を示しており、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d2は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
即ち、巻取パイプ9による回転が継続していると、巻取パイプ9の左端部に固定される回転部材10が回転する。そして、回転部材10の回転に伴ってこれに締め付けられていた解放スプリング14も回転する。解放スプリング14が回転すると、押し上げカム13の当該突起部13dが当該回転方向に対応する解放スプリング14の一対の係合端14aの一方と当接し、押し上げカム13も回転する。ただし、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の回転角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられており、解放スプリング14の一対の係合端14aの他方が巻取パイプ9の回転方向に位置する突起部12eに当接すると、解放スプリング14の回転は制限され、併せて押し上げカム13の回転も制限される。そして、解放スプリング14の回転が制限された状態では、回転部材10に対する解放スプリング14の締め付け力が緩和されるため(開放されるため)、回転部材10の回転は制限されず、このため巻取パイプ9は回転を継続することができる。
そして、押し上げカム13の回転により、カム周面13bの凹部の規定の停止位置で当接していた可動フィン7の突起部7bが、その規定の停止位置からカム周面13bの凹部以外の位置へと押し上げカム13の回転に伴いカム周面13bに沿って押し上げられ、可動フィン7が回動する。これにより、前後の二重のスクリーン4の間隔d2は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
この上昇動作後に巻取パイプ9が停止保持されると、本実施形態の制御装置6は、スクリーン4の上限位置に対する現在位置を監視して駆動制御することにより、当該操作指示に対応する上昇操作を実行した後、押し上げカム13を規定の停止位置へと戻すよう、当該上昇操作に係る回転方向とは逆方向に所定の回転量(本例では、規制される120度の回転角度範囲の半分となる60度)だけ逆回転させる。これにより、カム周面13bの凹部の規定の停止位置で可動フィン7の突起部7bが当接していた状態(即ち、図4(a)に示す状態)に戻る。
続いて、下降動作時を説明する。図4(c)に示す下降動作時とは、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻き戻し動作が開始して回転する状態を示しており、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d3は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
即ち、この下降動作は、上述した上昇動作時と同様に、巻取パイプ9による回転が継続していると、巻取パイプ9の左端部に固定される回転部材10が回転する。そして、回転部材10の回転に伴ってこれに締め付けられていた解放スプリング14も回転する。解放スプリング14が回転すると、押し上げカム13の当該突起部13dが当該回転方向に対応する解放スプリング14の一対の係合端14aの一方と当接し、押し上げカム13も回転する。ただし、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の回転角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられており、解放スプリング14の一対の係合端14aの他方が巻取パイプ9の回転方向に位置する突起部12eに当接すると、解放スプリング14の回転は制限され、併せて押し上げカム13の回転も制限される。そして、解放スプリング14の回転が制限された状態では、回転部材10に対する解放スプリング14の締め付け力が緩和されるため(開放されるため)、回転部材10の回転は制限されず、このため巻取パイプ9は回転を継続することができる。
そして、押し上げカム13の回転により、カム周面13bの凹部の規定の停止位置で当接していた可動フィン7の突起部7bが、その規定の停止位置からカム周面13bの凹部以外の位置へと押し上げカム13の回転に伴いカム周面13bに沿って押し上げられ、可動フィン7が回動する。これにより、前後の二重のスクリーン4の間隔d3は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
この下降動作後に巻取パイプ9が停止保持されると、本実施形態の制御装置6は、スクリーン4の下限位置に対する現在位置を監視して駆動制御することにより、当該操作指示に対応する下降操作を実行した後、押し上げカム13を規定の停止位置へと戻すよう、当該下降操作に係る回転方向とは逆方向に所定の回転量(本例では、規制される120度の回転角度範囲の半分となる60度)だけ逆回転させる。これにより、カム周面13bの凹部の規定の停止位置で可動フィン7の突起部7bが当接していた状態(即ち、図4(a)に示す状態)に戻る。
続いて、図5を参照して、第1実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1における制御装置6の制御フローを説明する。図5は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1における制御装置6の制御フローを示すフローチャートである。
ここで、制御装置6は、スクリーン4におけるウェイトバー5の上限位置及び下限位置に対応するモーター3の回転量(以下、それぞれ「上限値」及び「下限値」と称する)、並びに、停止状態のスクリーン4におけるウェイトバー5の現在位置に対応するモーター3の回転量(以下、「現在値」と称する)の各データを当該メモリに保持している。尚、現在値のデータは、停止状態からの昇降動作に伴うモーター3の回転によって変化するため、昇降動作後に停止したモーター3の回転量に対応する現在値が当該メモリに更新される。そして、制御装置6は、当該現在値を把握し監視して、モーター3の回転駆動を行うよう制御する。また、昇降操作に関する操作指示として、任意の昇降位置へと指定されるスクリーン4におけるウェイトバー5の位置に対応するモーター3の回転量(以下、「指示値」と称する)についても、当該任意の昇降位置に対応するデータを当該メモリに保持している。
まず、制御装置6は、押し上げカム13のカム周面13bの凹部の規定の停止位置で可動フィン7の突起部7bが当接していた状態(即ち、図4(a)に示す状態)から、図示しない操作スイッチ等により有線又は無線でスクリーン4の昇降操作に関する操作指示の有無を監視している(ステップS1)。制御装置6は、昇降操作の入力が無いとき(ステップS1:No)、昇降操作の入力があるまで監視し、昇降操作の入力があるとき(ステップS1:Yes)、ステップS2に移行する。
続いて、制御装置6は、昇降操作の入力があるとき(ステップS1:Yes)、上昇駆動の操作指示であるか否かを判定する(ステップS2)。上昇駆動の操作指示であれば(ステップS2:Yes)、ステップS3に移行し、上昇駆動の操作指示でなく下降駆動の操作指示であれば(ステップS2:No)、ステップS8に移行する。
上昇駆動の操作指示のとき(ステップS2:Yes)、制御装置6は、当該メモリから現在値のデータを読み出して把握し、当該メモリに保持している上限値と一致しているか否かを判定する(ステップS3)。現在値と上限値が一致しているとき(ステップS3:No)、制御装置6は、当該上昇駆動の操作指示に対する制御を終了する。
上昇駆動の操作指示に対し現在値と上限値が不一致のとき(ステップS3:Yes)、制御装置6は、上昇制御に対応するモーター3の回転駆動を行う(ステップS4)。このとき、図4(b)に示すように、回転する押し上げカム13のカム周面13bに沿って可動フィン7の突起部7bが押し上げられ、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d2は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
また、制御装置6は、その上昇制御の間、上昇駆動中のモーター3の回転量に対応する現在値が、上限値になるか否か、当該メモリに保持している指示値になるか否か、及び、停止入力の操作指示があるか否かを監視しており(ステップS5)、現在値≠上限値、且つ、現在値≠指示値、且つ、停止入力の操作指示がないとき(ステップS5:No)、上昇制御に対応するモーター3の回転駆動を継続する(ステップS4)。一方、現在値=上限値、現在値=指示値、或いは停止入力の操作指示があるとき(ステップS5:Yes)、ステップS6に移行する。
上昇制御の間、現在値=上限値、現在値=指示値、或いは停止入力の操作指示があるとき(ステップS5:Yes)、制御装置6は、モーター3の回転駆動を停止する(ステップS6)。
続いて、制御装置6は、モーター3の回転駆動の停止後、現在値=上限値であるか否かを再確認し(ステップS7)、現在値=上限値であれば(ステップS7:Yes)、当該上昇駆動の操作指示に対する制御を終了し、現在値=上限値でなければ(ステップS7:No)、所定の移動量で下降制御を行い、即ち、当該上昇制御に係る回転方向とは逆方向に所定の回転量(本例では、規制される120度の回転角度範囲の半分となる60度)だけ逆回転させ、押し上げカム13のカム周面13bの凹部の規定の停止位置で可動フィン7の突起部7bが当接していた状態(即ち、図4(a)に示す状態)に復帰させる(ステップS8)。この時の現在値が当該メモリに更新される。
一方、下降駆動の操作指示のとき(ステップS2:No)、制御装置6は、当該メモリから現在値のデータを読み出して把握し、当該メモリに保持している下限値と一致しているか否かを判定する(ステップS9)。現在値と下限値が一致しているとき(ステップS9:No)、制御装置6は、当該下降駆動の操作指示に対する制御を終了する。
下降駆動の操作指示に対し現在値と下限値が不一致のとき(ステップS9:Yes)、制御装置6は、下降制御に対応するモーター3の回転駆動を行う(ステップS10)。このとき、図4(c)に示すように、回転する押し上げカム13のカム周面13bに沿って可動フィン7の突起部7bが押し上げられ、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d3は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
また、制御装置6は、その下降制御の間、下降駆動中のモーター3の回転量に対応する現在値が、下限値になるか否か、当該メモリに保持している指示値になるか否か、及び、停止入力の操作指示があるか否かを監視しており(ステップS11)、現在値≠下限値、且つ、現在値≠指示値、且つ、停止入力の操作指示がないとき(ステップS11:No)、下降制御に対応するモーター3の回転駆動を継続する(ステップS10)。一方、現在値=下限値、現在値=指示値、或いは停止入力の操作指示があるとき(ステップS11:Yes)、ステップS12に移行する。
下降制御の間、現在値=下限値、現在値=指示値、或いは停止入力の操作指示があるとき(ステップS11:Yes)、制御装置6は、モーター3の回転駆動を停止する(ステップS12)。
続いて、制御装置6は、モーター3の回転駆動の停止後、所定の移動量で上昇制御を行い、即ち、当該下降制御に係る回転方向とは逆方向に所定の回転量(本例では、規制される120度の回転角度範囲の半分となる60度)だけ逆回転させ、押し上げカム13のカム周面13bの凹部の規定の停止位置で可動フィン7の突起部7bが当接していた状態(即ち、図4(a)に示す状態)に復帰させる(ステップS13)。この時の現在値が当該メモリに更新される。
従って、本実施形態における可動体駆動機構として構成される回転部材10、支持補助部材12、押し上げカム13、及び解放スプリング14により、巻取パイプ9による下降又は上昇動作の開始に伴って、前後の二重のスクリーン4の間隔が大きくなるよう可動フィン7が回動する。そして、制御装置6による戻し制御により、巻取パイプ9による下降又は上昇動作の停止に伴って、可動フィン7が規定の停止状態に電気制御的に戻るようになる。
以上のように本実施形態の遮蔽装置として構成されたロールスクリーン1によれば、光漏れ防止機能を有する可動フィン7が移動するスクリーン4と接触し摩擦を生じさせることを低減するため、スクリーン4を傷めることや不快な接触音を生じさせることを軽減させることができる。
また、停止時には、前後に二重のスクリーン4に対しその密着状態を維持することができるため、当該二重のスクリーンの透過部と遮光部とを一致させて遮光状態としたときの高遮光性を維持することができる。
このように、昇降可能な遮蔽材を有するロールスクリーンにおいて、その機能を妨げることなく遮蔽材に関する移動性能又は品質向上を図ることができる。
〔第2実施形態〕
(全体構成)
図6を参照して、本発明による第2実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の構成を説明する。図6は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の概略構成を示す正面図である。
図6に示すように、本実施形態のロールスクリーン1は、電動式のロールスクリーンとして構成され、巻取パイプ9の回転軸に対し別軸で連動回転させていた第1実施形態における可動体駆動機構と対比して、第2実施形態における可動体駆動機構は、ソレノイド15によるアクチュエータで構成される点で相違しており、その他の構成要素はほぼ同様であり、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。尚、本実施形態における支持補助部材12は、単に巻取パイプ9を回転可能に支持するのに用いられ、可動体駆動機構の一部として機能するものではない。
第2実施形態のロールスクリーン1では、第1実施形態と同様に、スクリーン4は、光を一部透過させる透過部4bと、光を遮る遮光部4aとが縞状に交互に形成され、このスクリーン4が二重に重ね合わされた状態で吊下支持されているため、前後のスクリーン4をほぼ上下方向に相対移動させて、透過部4bと遮光部4aとの重なり具合を調整することにより、採光量が調節可能となっている。尚、光を一部透過させる透過部4bと、光を遮る遮光部4aとが縞状に交互に形成するピッチは、任意に定めることができる。
そして、第2実施形態のロールスクリーン1では、第1実施形態と同様に、巻取パイプ9と取付フレーム2との間で生じる隙間からの外光を効果的に遮蔽する光漏れ防止機能を有する可動フィン7が設けられている。ただし、第2実施形態のロールスクリーン1における可動フィン7の左端側下方には、切欠き7cが設けられていない。
以下では、第2実施形態における可動体駆動機構の構成及び動作について主に説明する。
(可動体駆動機構)
以下、図7を参照して、より詳細に、巻取パイプ9の回転軸に対し同軸状に連動回転させて動作させるよう第2実施形態の可動体駆動機構として構成されるソレノイド15について説明する。図7(a),(b)は、それぞれ停止時、上昇/下降動作時の本発明による第2実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1における可動体駆動機構の動作を示す側面透視図である。
図7(a)に示すように、可動フィン7は、略板状の形状を有し、可動フィン7の上端には軸部7aが形成され、可動フィン7の略中央部には巻取パイプ9と対向する面側にて突出する一条の突起部7bが形成されており、これらの軸部7a及び突起部7bは、本例では取付フレーム2の左右方向(長手方向)のほぼ全長に亘って延在している。可動フィン7の軸部7aは、取付フレーム2の底面側に設けられた支持溝21に対して回動可能に軸支されている。これにより、可動フィン7は、巻取パイプ9と取付フレーム2との間で生じる隙間からの外光を効果的に遮蔽する光漏れ防止機能を有する。
また、可動フィン7は、第1実施形態と同様に、二重のスクリーン4における背面側のスクリーン4と巻取パイプ9との間に位置して吊下支持され、可動フィン7の下端は当該背面側のスクリーン4と当接している。尚、二重のスクリーン4は、前述したように、巻取パイプ9と取付フレーム2の室外側端面に設けられた固定部22により吊下支持され、巻取パイプ9によりスクリーン4の巻き取り、又は巻き戻しを行って昇降させることができる。
ソレノイド15は、本体ケースに対し、略丸棒状のプランジャ15aが電気的な制御で前後方向に所定の移動量で相対移動可能に構成されている。尚、図示を省略しているが、ソレノイド15のプランジャ15aは、制御装置6によるON/OFF制御で、本体ケースから最長位置まで突出する状態と最短位置で突出する状態に制御されるよう所定の接続線で接続されている。プランジャ15aの先端は、可動フィン7に当接しており、本例では可動フィン7の突起部7bに当接している。
図7(a)に示す停止時とは、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻き取り又は巻き戻し動作が停止して非回転の状態を示しており、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d1は、ウェイトバー5が下限位置にある状態であるか否かに関わらず密着又は近接している(ただし、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻太りにより、その間隔d1はより密着又は近接した状態となる)。
この停止時では、ソレノイド15のプランジャ15aは、本体ケースから最短位置で突出する状態に配置されている。そして、可動フィン7にはその自重に加えて当該背面側のスクリーン4やウェイトバー5の自重による押圧力が働いている。このため、停止時に、プランジャ15aの先端が可動フィン7の突起部7bに当接していない状態で配置しても、二重のスクリーン4の間隔d1が密着又は近接している状態に設定することが可能であるが、プランジャ15aの動作時に接触音が生じるため、図7(a)に示すように、プランジャ15aの先端が可動フィン7の突起部7bにほぼ当接した状態とするのが好ましい。
続いて、上昇/下降動作時を説明する。図7(b)に示す上昇/下降動作時とは、巻取パイプ9によるスクリーン4の巻き取り、又は巻き戻し動作が開始して回転する状態を示しており、巻取パイプ9と取付フレーム2の固定部22により吊下支持される前後の二重のスクリーン4の間隔d2は、ソレノイド15によって、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。
即ち、巻取パイプ9による回転が継続しているとき、制御装置6による制御で、ソレノイド15のプランジャ15aは、本体ケースから最長位置(最大ストローク)まで突出する状態に制御され、プランジャ15aの先端が可動フィン7の突起部7bを押し上げることにより、可動フィン7が回動する。これにより、前後の二重のスクリーン4の間隔d2は、巻取パイプ9による回転が継続している限り停止時の間隔d1よりも大きくなるよう可動フィン7が動作する。ソレノイド15と巻取パイプ9は、機構的には分離している一方で、制御装置6により、それぞれ独立して制御することができるため、ソレノイド15のプランジャ15aの状態とは独立して、巻取パイプ9は回転を継続することができる。
この上昇/下降動作後に巻取パイプ9が停止保持されると、本実施形態の制御装置6は、スクリーン4の現在位置の状態に関わらず、ソレノイド15のプランジャ15aを、本体ケースから最短位置(最小ストローク)で突出する状態に復帰させる(即ち、図7(a)に示す停止時の状態)。これにより、巻取パイプ9による下降又は上昇動作の停止に伴って、可動フィン7が規定の停止状態に電気制御的に戻るようになる。
尚、本例では、可動体駆動機構を構成するアクチュエータとして、ソレノイドとする例を説明したが、電気的エネルギーを直線運動の機械的エネルギーに転換する機構を有するものであれば他の態様のアクチュエータでもよい。例えば、リニア又はロータリー式のモーターを利用してプランジャ15aを直接又は間接的に、前後方向へ相対移動可能とするスライダーとすることができる。
以上のように本実施形態の遮蔽装置として構成されたロールスクリーン1によれば、光漏れ防止機能を有する可動フィン7が移動するスクリーン4と接触し摩擦を生じさせることを低減するため、スクリーン4を傷めることや不快な接触音を生じさせることを軽減させることができる。
また、停止時には、前後に二重のスクリーン4に対しその密着状態を維持することができるため、当該二重のスクリーンの透過部と遮光部とを一致させて遮光状態としたときの高遮光性を維持することができる。
このように、昇降可能な遮蔽材を有するロールスクリーンにおいて、その機能を妨げることなく遮蔽材に関する移動性能又は品質向上を図ることができる。
〔第3実施形態〕
前述した各実施形態では、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4の他辺は、巻取パイプ9よりも上部に位置する取付フレーム2の室外側端面に設けられた固定部22に取着されている例を説明した。このように前後に二重のスクリーン4を構成する代わりに、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4の他辺を、可動フィン7に取着する構成とすることもできる。
図8は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の概略構成を部分的に示す側面透視図である。例えば、図8に示す第3実施形態のように、第1実施形態の変形例として、可動フィン7の下端部に設けられた固定部7eに、ウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4の他辺を取着する構成とすることもできる。前述した第2実施形態についても同様に、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5を介して折り返されたスクリーン4の他辺を、可動フィン7に取着する構成とすることができる。
そして、このように構成した場合でも、前述した各実施形態における作用・効果を生じさせることができる。
〔第4実施形態〕
また、前述した各実施形態では、前後に二重のスクリーン4を構成する際の可動フィン7に対し、移動するスクリーン4との接触や摩擦を低減させ、スクリーン4を傷めることや不快な接触音を生じさせることを軽減させる例を説明した。このように前後に二重のスクリーン4を構成する代わりに、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5にスクリーン4の他辺を取着する構成とすることもできる。
図9は、本発明による第4実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の概略構成を部分的に示す側面透視図である。例えば、図9に示す第4実施形態のように、第1実施形態の変形例として、巻取パイプ9から垂下し、錘部材として機能するウェイトバー5にスクリーン4の他辺を取着する構成とする場合でも、可動フィン7による移動するスクリーン4との接触や摩擦を低減させ、スクリーン4を傷めることや不快な接触音を生じさせることを軽減させることができる。前述した第2実施形態についても同様である。
〔第5実施形態〕
前述した各実施形態では、遮蔽装置としてロールスクリーン1を対象にして、主に可動フィンに関して巻取パイプ9の動作中に回動させる例を説明した。このように可動フィンの回動させる仕組みは、横型ブラインドに適用しても有効である。図10は、本発明による第5実施形態の遮蔽装置としての横型ブラインド101の概略構成を示す正面図である。また、図11(a),(b),(c)は、それぞれスラット水平停止時、スラット回動開始時、及びスラット回動停止時の本発明による第5実施形態の遮蔽装置としての横型ブラインド101における可動体駆動機構の動作を示す側面透視図である。
(横型ブラインドの構成)
図10に示す横型ブラインド101は、ヘッドボックス102の左端部側及び右端部側にそれぞれ配設されたコード支持装置103から室内側及び室外側に垂下する一対のラダーコード112を介して多数段のスラット104が吊下支持され、それぞれのラダーコード112の下端にボトムレール105が吊下支持されている。ヘッドボックス102は、ブラケット108を介して天井側の取付面に固定される。
また、コード支持装置103の各々から、ヘッドボックス102の下面における前後方向略中央部にて、それぞれ昇降コード111が垂下され、各昇降コード111の下端が各スラット104の前後方向略中央部に設けられた挿通孔(図示せず)を経てボトムレール105に取着されている。
ヘッドボックス102の右端側には、操作ユニット106が設けられている。操作ユニット106は、例えば、外部からの操作信号に基づいて回転動作し、駆動軸109を回転操作可能とする電動モーター及び制御装置を備える構成とすることができる。特に、横型ブラインドに適用される操作ユニット106の制御装置は、可動フィン107に対し、第1実施形態と同様の基底の停止位置へと戻すよう制御する戻し機能を有するよう構成されている。
そして、コード支持装置103は、駆動軸109の回転を利用して、ボトムレール105に取着された昇降コード111をヘッドボックス102内への引き込み及びヘッドボックス102からの引き出しを行うことによって、ボトムレール105を昇降させることによりスラット104を昇降させることができる。また、コード支持装置103は、駆動軸109の回転を利用して、室内側及び室外側に垂下する一対のラダーコード112を介して多数段のスラット104の角度を調節することができる。
ところで、本実施形態の横型ブラインド101では、光漏れ防止機能を有する可動フィン107がヘッドボックス102の背面の支持溝121から回動可能に軸支されており、駆動軸109の回転を利用して可動フィン107を回動可能とする可動体駆動機構110がヘッドボックス102の左端部に設けられている。
可動体駆動機構110は、前述した第1実施形態とほぼ同様の構成要素、即ち、回転部材10、支持補助部材12、押し上げカム13、及び解放スプリング14により構成される。尚、図11において、第1実施形態における支持補助部材12に関する図示を省略しているが、同様の機能を可動体駆動機構110の外壁を為すケース部に設けることができる。
より具体的には、可動フィン107は、略曲板状を有し、可動フィン107の上端に軸部107aが形成されヘッドボックス102の左右方向(長手方向)のほぼ全長に亘って延在しており、尚且つ、可動フィン107の長手方向における左端近傍には、その前側上下方向の略中央部にて、前方へ棒状に延び先端に丸軸が形成された棒片107bが形成されている。可動フィン107の軸部107aは、ヘッドボックス102の背面の支持溝121にて軸支され、軸部107aを軸に可動フィン107は回動可能となっている。これにより、可動フィン107は、最上段のスラット104とヘッドボックス102との間で生じる隙間からの外光を効果的に遮蔽する光漏れ防止機能を有する。
第1実施形態と同様な回転部材10は、その右端側が駆動軸109の左端側に固着される。従って、駆動軸109が回転すると、回転部材10も回転する。回転部材10は、第1実施形態における支持補助部材12に対し回転可能に支持される。
この回転部材10の周面には、弾性を有する環状に折り曲げた捩じりコイルスプリングよりなる解放スプリング14が締め付けられるよう取着され、所定の回転角度範囲内では回転部材10の回転に伴って解放スプリング14も回転する。解放スプリング14の両端部は解放スプリング14の内方に直角に折り曲げられた一対の係合端14aが形成されている。
押し上げカム13は、円周に対しその中心軸から略120度の範囲で凹部を有する周面として構成されたカム周面13bを有し、このカム周面13bが可動フィン7の棒片107bと当接するように配置される。そして、押し上げカム13には、支持補助部材12に対し回転可能に支持される回転部材10を貫通させ支持される貫通孔が設けられている。更に、押し上げカム13は、その収容部に解放スプリング14を収容し、支持補助部材12に対し相対回転可能に蓋着される。
押し上げカム13の収容部には突起部13dが形成されており、押し上げカム13が解放スプリング14を収容し支持補助部材12に対し相対回転可能に蓋着された状態で、当該突起部13dが解放スプリング14の一対の係合端14aの間に位置するよう配置される。また、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられている。すると、解放スプリング14は、解放スプリング14の一対の係合端14aの一方が当該突起部12eに当接するまでは回転部材10に対し締め付け力が維持されて回転部材10と同回転し、当該突起部12eに当接すると開放方向に向かう力が働き回転部材10に対し空転するように作用する。
従って、解放スプリング14は、所定の回転角度範囲内では回転軸109に固定される回転部材10の回転に伴って回転するため、押し上げカム13の当該突起部13dが当該回転方向に対応する解放スプリング14の一対の係合端14aの一方と当接し、押し上げカム13を回転させる。ただし、支持補助部材12には、解放スプリング14の回転を略120度の所定の回転角度範囲内に規制するための突起部12eが2箇所に設けられているため、これにより解放スプリング14の回転は制限され、併せて押し上げカム13の回転も制限される。そして、解放スプリング14の回転が制限された状態では、回転部材10に対する解放スプリング14の締め付け力が緩和されるため(開放されるため)、回転部材10の回転は制限されず、このため回転軸109は回転を継続することができるようになっている。
ここで、図11(a)に示すようにスラット104が水平状態で停止して一対のラダーコード112により吊下支持されている状態から、図11(b)に示すように駆動軸109の回転を利用して当該スラット104を回動させ遮光状態にする場合を考える。スラット104を遮光状態にしても、ヘッドボックス102と最上段のスラット104との間に隙間があるときには光漏れの原因となることから、図11(b)に示すように光漏れ防止機能を有する可動フィン107を設けることは有効である。
しかしながら、当該スラット104を遮光状態にするよう回動させるときに、可動フィン107と干渉する恐れがある。このため、本実施形態の横型ブラインド101では、図11(a)に示すようにスラット104が水平状態で停止して一対のラダーコード112により吊下支持されている状態から、図11(b)に示すように駆動軸109の回転を利用して当該スラット104を回動させ遮光状態にする際に、そのスラット104の回動の妨げとならぬよう可動体駆動機構110により可動フィン107を回動させることができる。
また、操作ユニット106の制御装置における戻し機能により、前述した第1実施形態と同様、図11(c)に示すように駆動軸109の回転が停止している状態でも、可動フィン107を規定の停止状態まで戻すことができる。尚、図11では、スラット4の角度調整を逆遮蔽とする方向へチルトさせる例を説明したが、正遮蔽とする方向へチルトさせる場合も同様に動作する。
第5実施形態の可動体駆動機構は、第1実施形態の可動体駆動機構に基づいて変形適用した例を説明したが、上述した第2実施形態の可動体駆動機構に基づいて変形適用した構成とすることもできる。そして、この場合の制御装置における戻し機能も、第2実施形態と同様に構成することができる。
従って、包括的には、本発明の遮蔽装置は、ロールスクリーン又は横型ブラインド等の回動又は昇降可能な遮蔽材を有する装置として構成され、遮蔽材の昇降又は回動を作用させる回転軸(巻取パイプ9又はスラット104用の駆動軸109)を回転可能に支持する支持手段(取付フレーム2又は支持部材2a,2b、或いはヘッドボックス102)と、当該支持手段により回動可能に軸支される可動フィン7と、当該遮蔽材の昇降又は回動時に当該可動体を機構的に又は電気制御的に規定の停止位置から応動させる可動体駆動機構と、当該可動体を当該規定の停止位置へ復帰させるよう電気的に制御する制御装置とを備える。これにより、当該可動体による応動により直接又は間接的に、当該遮蔽材の昇降又は回動に起因する所定の摩擦又は干渉を回避するようにした。
特に、本発明に係る制御装置は、当該回転軸による当該遮蔽材の昇降又は回動を作用させる回転方向に対し当該回転軸を逆回転させるか、又は当該可動体駆動機構により応動させる機構を逆作用させることにより、当該遮蔽材の昇降又は回動時に応動させた可動体を規定の停止位置へ復帰させるよう電気的に制御する。
また、本発明に係る可動体駆動機構は、当該遮蔽材の昇降又は回動を作用させる回転軸の回転力を当該可動体に対する駆動力に転換して伝達する機構よりなる。これにより、効率よく、駆動力を得て、当該所定の摩擦又は干渉を回避することができる。
また、当該可動体は光漏れ防止機能を有する可動フィンとして構成することで、当該所定の摩擦又は干渉を回避する機能と、光漏れ防止機能とを効率よく併用した構成とすることができる。
上記の所定の摩擦又は干渉を回避する機能や光漏れ防止機能等に関して装置性能をより向上させる観点から、当該可動体は、当該遮蔽材の昇降又は回動が停止時に、規定の停止位置での当該遮蔽材との接触を許容するよう構成するのがより好適である。特に、ロールスクリーンにおいて、二重のスクリーンであるか否かに関わらず、光漏れ防止機能を有する可動フィンが巻取パイプで巻き取られるスクリーンに対し、規定の停止位置で接触するよう構成することで、その遮光性能がより向上する。このような接触位置は、限定する必要はなく、例えば巻取パイプの上部でのみ接触する場合も含む。
また、本発明に係る可動体駆動機構は、当該遮蔽装置に対し、所定の摩擦又は干渉を回避することを目的としており、光漏れ防止機能に関しては、当該可動体とは別の部材として、回動・非回動を問わず所定の光漏れ防止部材を当該支持手段から垂下させた構成とすることができる。
従って、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、第1実施形態、並びに第3乃至第5実施形態において、可動体駆動機構における押し上げカム13の回転は、巻取パイプ9を回転軸とし同軸回転させる例を説明したが、ギヤ機構を介して異軸回転させるよう構成することもできる。また、上述した各実施形態において、可動フィン7を軸部7aにより回動させる例を説明したが、可動フィン7は直線運動するようスライドする形態でもよい。例えば、図4において、停止時と上昇/下降動作時との間で、背面上方から前面下方へと直線運動するようスライドする形態でも、同様に構成することができる。