以下、図面を参照して、本発明による各実施形態のロールスクリーンを説明する。尚、本願明細書中、図1に示すロールスクリーンの正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーンの吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をロールスクリーンの左側、及び、図示右方向をロールスクリーンの右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示すロールスクリーンの正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
〔第1実施形態〕
(ロールスクリーンの構成)
まず、本発明による第1実施形態のロールスクリーンを図面に従って説明する。図1及び図2に示す第1実施形態のロールスクリーンは、取付ブラケット1を介して窓枠等の取付面に取着されるフレーム2の両端に支持ブラケット3が取着され、その支持ブラケット3に2本の巻取軸4a,4bが回転可能に支持されている。
巻取軸4a,4bは、支持ブラケット3に上下方向に所定の間隔を隔てて支持されるとともに、前後方向に僅かにオフセットした状態で支持されている。
巻取軸4aには室外側の第1スクリーン5aの上端部が取着され、巻取軸4bには室内側の第2スクリーン5bの上端部が取着されている。そして、第1及び第2スクリーン5a,5bは巻取軸4a,4bから近接して重ね合わされるように垂下されている。
本例では、特に、図2に示すように、巻取軸4a,4bでは、それぞれその室外側から第1及び第2スクリーン5a,5bを支持する構成としている。
巻取軸4a,4b内には、それぞれ第1及び第2スクリーン5a,5bの巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター41、及び各巻取軸4a,4bの回転トルクに所定の制動力を付与するブレーキユニット42等が収容されている。
ウェイトバー7は、主として、巻取軸4a,4bと略平行に延びるボトムフレーム7a及びボトムパイプ7bにより構成され、ボトムフレーム7a及びボトムパイプ7bの左右両端は、それぞれサイドキャップ7cに上下方向に所定の間隔を隔てて支持されている。
そして、第1スクリーン5aの下端部はウェイトバー7の一部を構成するボトムフレーム7aに取着され、第2スクリーン5bの下端部は、ウェイトバー7の一部を構成する予備保持可能なボトムパイプ7bに取着されている。本例では、ボトムパイプ7bは、ボトムフレーム7aに上下方向で隣接配置されている。
ボトムフレーム7aは、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転不能に固定されている。
一方、ボトムパイプ7bは、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転可能に支持されている。ボトムパイプ7bの内部には、スプリングモーター71が収容されており、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bにたわみが生じないよう、このスプリングモーター71により、常に、第2スクリーン5bの下端部を予備保持(本例では予備巻き)している。従って、ボトムパイプ7bは、ウェイトバー7の観点から、第2スクリーン5bの下端部を出し入れ可能に予備保持する回転部材として構成されている。
第1及び第2スクリーン5a,5bは、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。そして、第1及び第2スクリーン5a,5bの透光部8が重なる状態では、その透光部8から外光を採り入れ可能であり、第1及び第2スクリーン5a,5bの透光部8と遮光部9が重なる状態では、外光を遮断可能となっている。
尚、第1及び第2スクリーン5a,5bに設けられる透光部8は高通気性とし、遮光部9は低通気性を持つよう構成することができる。従って、透光部8に対する遮光部9の重なり幅を調整することで、その通気性を調節することもできる。
図1に示す右方の支持ブラケット3には操作装置10が取着され、その操作装置10から無端状のボールチェーン11が垂下されている。そして、ボールチェーン11の操作により、巻取軸4a,4bを同方向に同一速度で回転させて、第1及び第2スクリーン5a,5bを一括して昇降可能となっている。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bを昇降操作した後に、ボールチェーン11を逆方向に引くと、下方の巻取軸4bのみを所定角度に限り回転させて、第1及び第2スクリーン5a,5bを上下方向に相対移動操作可能となっている。
ボールチェーン11は、コネクタ12で連結されて無端状に形成されるとともに、第1及び第2スクリーン5a,5bの昇降範囲を規制する規制部材13a,13bが取着されている。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bが上限まで引き上げられたとき、規制部材13aは操作装置10のケース14の背面側に当接して、ボールチェーン11の同方向へのそれ以上の操作が阻止される。また、第1及び第2スクリーン5a,5bが下限まで下降したとき、規制部材13bはケース14の前面側に当接して、ボールチェーン11の同方向へのそれ以上の操作が阻止される。
コネクタ12は、ボールチェーン11のボールを係止するボール係止部と、そのボール係止部を連結する連結部とで構成され、あらかじめ設定された引張り力以上の力で引っ張られると、ボール係止部が連結部から外れるようになっている。
次に、操作装置10の具体的構成を示す。図1に示すように、操作装置10のケース14内にはプーリー15が回転可能に支持され、そのプーリー15にボールチェーン11が掛装されている。そして、ボールチェーン11の操作によりプーリー15が正逆方向に回転される。
そして、操作装置10は、図3(a)に示す構造により、第1及び第2スクリーン5a,5bの昇降操作時の透光部8と遮光部9の重なり具合を調整する機能を有している。
図3(a)に示すように、プーリー15には駆動歯車16が一体に形成され、その駆動歯車16に噛み合う伝達歯車17がケース14に回転可能に支持されている。
また、ケース14内の上方において、伝達歯車17に噛み合う被動歯車31がケース14に回転可能に支持されている。駆動歯車16と被動歯車31の歯数は同数であり、駆動歯車16の回転に基づいて被動歯車31は駆動歯車16と同方向に同一速度で回転される。
ケース14内に回転可能に支持される被動歯車31には、ボールチェーン11の操作に基づいて回転される駆動歯車16から伝達歯車17を介して回転力が付与され、駆動歯車16と被動歯車31は同一速度で同方向に回転される。
駆動歯車16の中心軸は、巻取軸4bの中心軸と同軸上にあり、駆動歯車16は、巻取軸4bの右端部側に位置して相対回転不能に係合している。また、被動歯車31の中心軸は、巻取軸4aの中心軸と同軸上にあり、被動歯車31は、図3(b)に示すように、歯車部32と伝達軸部33とで構成され、歯車部32が伝達軸部33に回転可能に支持されている。そして、伝達軸部33の中心部に形成された係合孔34が巻取軸4aの右端部に係合して、伝達軸部33と巻取軸4aとが一体に回転するようになっている。
歯車部32には径方向に扇状に突出する伝達片35が形成され、伝達軸部33には径方向に扇状に突出する伝達片36が伝達片35の回動軌跡上に設けられている。伝達片35,36は、それぞれ中心に対し60度の範囲で形成される。従って、歯車部32は伝達軸部33に対し最大で240度の範囲で空回り可能である。この角度は、透光部8の上下幅と、巻取軸4a,4bの径によって決まる角度である。
歯車部32の一端にはネジ孔37が形成され、そのネジ孔37にはネジ軸38が螺合されている。ネジ軸38の先端には六角孔39が形成され、六角レンチを嵌合可能となっている。そして、六角レンチでネジ軸38を回動操作することにより、ネジ孔37からのネジ軸38の突出長さを調節可能となっている。
ネジ軸38は歯車部32の回転に基づいてその先端が伝達片36に当接する。従って、ネジ軸38の突出長さを調整すると、歯車部32の伝達片35が伝達軸部33の伝達片36に当接するまでの空回り角度を調整することができる。
ケース14の外側面には、図3(a)に示すように、歯車部32の伝達片35の回動位置を外部から確認するための目視孔40が形成されている。また、ケース14の後方側面には六角レンチを挿通可能とした操作孔41が形成され、伝達片35が目視孔40で目視できる位置に達すると、操作孔41から挿入した六角レンチを六角孔39に容易に嵌合可能となっており、これによりネジ孔37からのネジ軸38の突出長さを調節可能とし、駆動歯車16の回転に対して伝達歯車17を介して回転する被動歯車31の空回り角度を容易に調整できるようにしている。
従って、駆動歯車16の回転に基づいて巻取軸4bが回転され、駆動歯車16の回転に基づいて、伝達歯車17を介して当該空回り角度を有して被動歯車31が回転すると、巻取軸4aが同一速度で同方向に回転するようになっている。
即ち、図2に示すように、巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印A方向に回転するとき、伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されず、伝達片36が伝達片35に当接すると巻取軸4aが矢印A方向に回転するよう伝達される。
同様に、図2に示すように、巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印B方向に回転するとき、伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されず、伝達片36が伝達片35に当接すると巻取軸4aが矢印B方向に回転するよう伝達される。
このような動作により、前記スクリーン5a,5bを一括して昇降操作した後に、ボールチェーン11を逆方向に操作して、駆動歯車16を逆方向に回転させたとき、被動歯車31がほぼ240度回転するまでは、巻取軸4aは回転されず、巻取軸4bのみが回転される。
ここで、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ウェイトバー7を下限位置まで下降させたとき、巻取軸4a,4bに対し所定回転分(例えば1回転分)の余巻が残るように取着されている。このように、巻取軸4a,4bは、前後二重のスクリーンにおける第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bの各上端を所定の相対移動範囲を持つよう空回りさせて巻き取り、或いは巻戻し可能とするよう構成されている。
尚、上述した操作装置10の構成は単なる一例を示したものであり、例えば特許文献2に開示される各種の操作装置10の構成と同様のものとすることができる。
(ウェイトバーの一実施例)
次に、本発明に係る一実施例のウェイトバー7の具体的構成について説明する。図1に示すように、ウェイトバー7は、主として、巻取軸4a,4bと略平行に延びるボトムフレーム7a及びボトムパイプ7bにより構成され、ボトムフレーム7a及びボトムパイプ7bの左右両端は、それぞれサイドキャップ7cに上下方向に所定の間隔を隔てて支持されている。
より具体的に図4(a),(b)に示すように、本実施例のウェイトバー7では、第1スクリーン5aの下端部はウェイトバー7の一部を構成するボトムフレーム7aに取着され、第2スクリーン5bの下端部は、ウェイトバー7の一部を構成する予備保持可能なボトムパイプ7bに取着されている。従って、ボトムパイプ7bは、ウェイトバー7の観点から、第2スクリーン5bの下端部を出し入れ可能に予備保持する回転部材として構成されている。
ボトムフレーム7aは、本例ではパイプ状に構成され、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転不能に固定されている。特に、意匠性の観点から、ボトムフレーム7aの表面が露出しないよう、ボトムフレーム7aには第2スクリーン5bの下端部が巻き付けられて固定されている。
一方、ボトムパイプ7bも同様にパイプ状に構成されるが、本例のパイプ状のボトムフレーム7aよりも拡径した断面径を有し、尚且つ、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転可能に支持されている。尚、ボトムパイプ7bの断面径は、第2スクリーン5bの透光部8及び遮光部9の1ピッチ分を少なくとも予備保持するのに十分な径とする。
ボトムパイプ7bの内部には、スプリングモーター71が収容されており、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bにたわみが生じないよう、このスプリングモーター71により、常に、第2スクリーン5bの下端部を予備保持する付勢力(図4(b)に示す破線矢印)が働いている。
即ち、上述したように、図2に示す巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印A方向に回転するとき、被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されないため、巻取軸4bのみが回転し巻取軸4aは回転しない。
このとき、ウェイトバー7では、図4(b)に示すように、巻取軸4aから垂下される第1スクリーン5aは移動せず、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bは図4(b)に示す上方向に移動する。すると、スプリングモーター71の付勢力に抗してボトムパイプ7bはA方向に回転し、ボトムパイプ7bにより予備保持している第2スクリーン5bの下端部がウェイトバー7から引き出される(ボトムパイプ7bにより予備巻きしている第2スクリーン5bの下端部が巻き戻される)。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9との重なり具合を調整することができ、採光量を調節することができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ウェイトバー7の自重により張設されているから、第2スクリーン5bにおける上方向の移動では、第2スクリーン5bにたわみは生じない。
第2スクリーン5bを上方向へ移動の後に、再び、図1に示す巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印B方向に回転するとき、伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されないため、巻取軸4bのみが回転し巻取軸4aは回転しない。
このとき、ウェイトバー7では、図4(b)に示すように、巻取軸4aから垂下される第1スクリーン5aは移動せず、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bは図4(b)に示す下方向に移動する。すると、スプリングモーター71の付勢力によってボトムパイプ7bはB方向に回転し、ボトムパイプ7bにより予備保持するよう第2スクリーン5bの下端部がウェイトバー7に引き入れられる(ボトムパイプ7bにより予備巻きするよう第2スクリーン5bの下端部が巻き取られる)。これにより、再び、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9との重なり具合を調整することができ、採光量を調節することができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ウェイトバー7の自重により張設されているとともに、スプリングモーター71の付勢力によってボトムパイプ7bにて予備保持されるよう動作するから、第2スクリーン5bにおける下方向の移動においても、第2スクリーン5bにたわみは生じない。
更に、このような被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲での採光量の調節動作を繰り返しても、第1スクリーン5aに対する第2スクリーン5bの相対移動量は、ボトムパイプ7bにおける予備保持量(本例では、予備巻き量)で調節できるようになっているから、ウェイトバー7を上下動させることなく採光量の調節動作を行うことができる。
例えば、図5(a)に示す被動歯車31における伝達片36と伝達片35との相対角度位置で、図5(b)に示すように高さhの位置にあるウェイトバー7にて、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で重なる状態にあるとする。この状態で、図5(c)に示すように歯車部32を伝達軸部33に対し約240度の範囲で空回りさせ、被動歯車31における伝達片36を伝達片35の他方の端部へと相対回転させることで、ウェイトバー7を上下動させることなく高さhの位置にあるウェイトバー7にて、図5(d)に示すように第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で略平行となる状態にすることができる。
このように、前後二重のスクリーンを構成する第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bが、それぞれ透光部8及び遮光部9を有するよう構成することで、当該前後二重のスクリーンにおける透光状態と遮光状態の切り替えが可能となる。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動で、採光量を調節することができる。また、透光部8は高通気性とし、遮光部9は低通気性を持つよう構成することができる。従って、透光部8に対する遮光部9の重なり幅を調整することで、その通気性を調節することもできる。
この第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動動作は、ウェイトバー7が下限位置であるか否かに関わらず同様に動作する。特に、当該相対移動動作による相対移動範囲は、当該前後二重のスクリーンにおける透光状態と遮光状態の切り替えを可能とする範囲以上に設定されている。従って、ウェイトバー7の任意位置で設定自由度の高い調光機能、或いは通気調整機能を持たせたロールスクリーンを実現できる。
特に、ウェイトバー7が下限位置にあるときに、採光量を調節可能な態様でウェイトバー7の下方からの光漏れを防止することや、通気量を調節可能な態様でウェイトバー7の下方からの気密性を高めることができる。
そして、ボールチェーン11を操作して、被動歯車31における伝達片36と伝達片35とが当接する方向に採光量を調節した状態から、更に同方向に回転させることで、巻取軸4a,4bが同一速度で回転し、第1及び第2スクリーン5a,5bの巻き取り、或いは巻き戻しにより、第1及び第2スクリーン5a,5bを昇降させることができる。
また、巻取軸4a,4bは、前後二重のスクリーンにおける第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bの各上端を所定の相対移動範囲を持つよう空回りさせて巻き取り、或いは巻戻し可能としている一方で、ボトムパイプ7bは、当該相対移動範囲に対応する長さを予備保持可能とするスプリングモーター71を備えている。
このため、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動で調節する余剰分は、ボトムパイプ7bにより巻き取られるため、ウェイトバー7の小型化にも寄与することとなる。
(ウェイトバーの第1変形例)
次に、図6(a),(b)を参照して、本発明に係る第1変形例のウェイトバー7の具体的構成について説明する。尚、図4にて上述したウェイトバー7と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。図6(a),(b)に示すように、本変形例のウェイトバー7においても、第1スクリーン5aの下端部はウェイトバー7の一部を構成するボトムフレーム7aに取着され、第2スクリーン5bの下端部は、ウェイトバー7の一部を構成する予備保持可能なボトムパイプ7bに取着されている。従って、ボトムパイプ7bは、ウェイトバー7の観点から、第2スクリーン5bの下端部を出し入れ可能に予備保持する回転部材として構成されている。
ただし、本変形例のウェイトバー7では、ボトムフレーム7aについて巻取軸4a,4bと略平行に延びるボトムパイプ7bを相対回転可能に収容する形状となっており、ボトムフレーム7a及びボトムパイプ7bの左右両端は、それぞれサイドキャップ7cに支持されている。
より具体的に図6(a),(b)に示すように、ボトムフレーム7aは、上方を開口した、ボトムパイプ7bを収容するボトムカバーとして構成され、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転不能に固定されている。そして、第1スクリーン5aの下端部は、図6(b)に示すように、ボトムフレーム7aの取付部72(本例ではボトムフレーム7aの内壁)に面ファスナー等を利用して取着されて固定されている。
一方、ボトムパイプ7bは、図4にて上述した実施例と同様にパイプ状の錘部材として構成され、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転可能に支持されている。尚、ボトムパイプ7bの断面径は、第2スクリーン5bの透光部8及び遮光部9の1ピッチ分を少なくとも予備保持するのに十分な径とする。
ボトムパイプ7bの内部には、図4にて上述した実施例と同様にスプリングモーター71が収容されており、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bにたわみが生じないよう、このスプリングモーター71により、常に、第2スクリーン5bの下端部を予備保持する付勢力(図6(b)に示す破線矢印)が働いている。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ボトムカバーとして構成されるボトムフレーム7aの上方の開口部を経て上方へ案内されている。
このように構成した図6に示す変形例のウェイトバー7は、図4にて上述した実施例のウェイトバー7の利点を全て包含する。
即ち、上述したように、図2に示す巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印A方向に回転するとき、被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されないため、巻取軸4bのみが回転し巻取軸4aは回転しない。
このとき、ウェイトバー7では、図6(b)に示すように、巻取軸4aから垂下される第1スクリーン5aは移動せず、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bは図6(b)に示す上方向に移動する。すると、スプリングモーター71の付勢力に抗してボトムパイプ7bはA方向に回転し、ボトムパイプ7bにて予備保持している第2スクリーン5bの下端部が巻き戻される。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9との重なり具合を調整することができ、採光量を調節することができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ウェイトバー7の自重により張設されているとともに、スプリングモーター71の付勢力によってボトムパイプ7bにて予備巻きするよう動作するから、ボトムパイプ7bがB方向に回転し第2スクリーン5bが下方へ移動する場合も同様に採光量を調節することができる。従って、第2スクリーン5bにおける上下いずれの方向の移動においても、第2スクリーン5bにたわみは生じない。
更に、このような採光量の調節動作を繰り返しても、第1スクリーン5aに対する第2スクリーン5bの相対移動量は、ボトムパイプ7bにおける予備保持量(本例では予備巻き量)で調節できるようになっているから、ウェイトバー7を上下動させることなく採光量の調節動作を行うことができる。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動動作は、ウェイトバー7が下限位置であるか否かに関わらず同様に動作するため、ウェイトバー7の任意位置での調光機能、或いは通気調整機能を持たせたロールスクリーンを実現できる。
特に、ウェイトバー7が下限位置にあるときに、採光量を調節可能な態様でウェイトバー7の下方からの光漏れを防止することや、通気量を調節可能な態様でウェイトバー7の下方からの気密性を高めることができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動で調節する余剰分は、ボトムパイプ7bにより巻き取られるため、ウェイトバー7の小型化にも寄与することとなる。
加えて、図6に示す第1変形例のウェイトバー7は、以下の利点がある。
まず、ボトムフレーム7aをボトムパイプ7bに対するボトムカバーとして構成しているため、ウェイトバー7の小型化により一層寄与するものとなる。
更に、第1及び第2スクリーン5a,5bをボトムカバーとして構成しているボトムフレーム7aの上方の開口部を経て上方へ案内するようにしているため、この開口部の前後方向幅を狭めることで、前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5bをより近接、或いは密着させることができ、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で重なる状態としたときに、その遮光性能をより高めることができる。
(ウェイトバーの第2変形例)
次に、図7(a),(b)を参照して、本発明に係る第2変形例のウェイトバー7の具体的構成について説明する。尚、図4にて上述したウェイトバー7と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。図7(a),(b)に示すように、本変形例のウェイトバー7においては、第1スクリーン5aの下端部はウェイトバー7の一部を構成するボトムフレーム7aに取着されるが、第2スクリーン5bの下端部は、ウェイトバー7の一部を構成する予備保持可能な板状のボトムバー7dに取着されている。従って、ボトムバー7dは、ウェイトバー7の観点から、第2スクリーン5bの下端部を出し入れ可能に予備保持する回転部材として構成されている。
より具体的に図7(a),(b)に示すように、ボトムフレーム7aは、上方を開口した、ボトムバー7dを収容するボトムカバーとして構成され、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転不能に固定されている。そして、第1スクリーン5aの下端部は、図7(b)に示すように、ボトムフレーム7aの取付部72(本例ではボトムフレーム7aの内壁)に面ファスナー等を利用して取着されて固定されている。
一方、ボトムバー7dは、板状の錘部材として構成され、その一辺が左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転可能に支持され、他辺が第2スクリーン5bの下端部を取着している。尚、ボトムバー7dの回転範囲は、第2スクリーン5bの透光部8及び遮光部9の1ピッチ分を少なくとも予備巻きするのに十分な径とする。特に、本変形例のウェイトバー7では、その長手方向にガイド部材7eが設けられている。ガイド部材7eは、第2スクリーン5bの下端部が円状に予備保持されるように湾曲板状に形成され、左右両側のサイドキャップ7cに支持されている。ガイド部材7eの形状は図示する例に限定するものではないが、このような湾曲板状のガイド部材7eをウェイトバー7に設けることにより、第2スクリーン5bの下端部を予備保持するのに必要な移動距離を稼ぐことが可能となる。
ボトムバー7dの一辺(又は両辺)には、図4にて上述した実施例と同様にスプリングモーター71の代わりに、ぜんまい71aが収容されており、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bにたわみが生じないよう、このぜんまい71aにより、常に、第2スクリーン5bの下端部を予備保持する付勢力(図7(b)に示す破線矢印)が働いている。ただし、本例では小型化することを意図してぜんまい71aを利用する例としているが、ボトムバー7dの回転軸を付勢するようスプリングモーターを配置する構成とすることも可能である。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ボトムカバーとして構成されるボトムフレーム7aの上方の開口部を経て上方へ案内されている。
このように構成した図7に示す変形例のウェイトバー7は、図4にて上述した実施例のウェイトバー7の利点を全て包含する。
即ち、上述したように、図2に示す巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印A方向に回転するとき、被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されないため、巻取軸4bのみが回転し巻取軸4aは回転しない。
このとき、ウェイトバー7では、図7(b)に示すように、巻取軸4aから垂下される第1スクリーン5aは移動せず、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bは図7(b)に示す上方向に移動する。すると、ぜんまい71aの付勢力に抗してボトムバー7dはA方向に回転し、ボトムバー7dにて予備保持している第2スクリーン5bの下端部が吐出される。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9との重なり具合を調整することができ、採光量を調節することができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ウェイトバー7の自重により張設されているとともに、ぜんまい71aの付勢力によってボトムバー7dにて予備保持するよう動作するから、ボトムバー7dがB方向に回転し第2スクリーン5bが下方へ移動する場合も同様に採光量を調節することができる。従って、第2スクリーン5bにおける上下いずれの方向の移動においても、第2スクリーン5bにたわみは生じない。
更に、このような採光量の調節動作を繰り返しても、第1スクリーン5aに対する第2スクリーン5bの相対移動量は、ボトムバー7dにおける予備保持量で調節できるようになっているから、ウェイトバー7を上下動させることなく採光量の調節動作を行うことができる。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動動作は、ウェイトバー7が下限位置であるか否かに関わらず同様に動作するため、ウェイトバー7の任意位置での調光機能、或いは通気調整機能を持たせたロールスクリーンを実現できる。
そして、図7に示す第2変形例のウェイトバー7は、図6に示した第1変形例のウェイトバー7の利点を全て包含するものとなる。
〔第2実施形態〕
次に、図8を参照して、第2実施形態のロールスクリーンについて説明する。尚、上述した第1実施形態のロールスクリーンと同様な構成要素には同一の参照番号を付している。第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で重なる状態としたときに、その遮光性能を高めるよりも、前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5b間に積極的に空気層を設けており、断熱作用を働かせるようにしている。ただし、透光部8と遮光部9は、断熱作用を働かせるために、いずれも低通気性とするのが望ましい。
即ち、図8(a)に示すように、本実施形態では、巻取軸4aではその室外側から第1スクリーン5aを支持し、巻取軸4bではその室内側から第2スクリーン5bを支持する構成とし、第1及び第2スクリーン5a,5bをそれぞれほぼ鉛直方方向へ垂下するようにしている。
ただし、本実施形態では、巻取軸4a,4bが逆方向に同一速度で回転可能に構成される。このため、例えば図8(b)に示すように、操作装置10のケース14内にて、駆動歯車16と被動歯車31との間に、2つの伝達歯車17が設けられる。この2つの伝達歯車17の歯数は同数であり、駆動歯車16と被動歯車31の歯数は、図3に示すものと同様に同数である。
尚、駆動歯車16と被動歯車31の構造は、それぞれ図3に示すものと同様であり、駆動歯車16の中心軸は巻取軸4bの中心軸と同軸上にあり、駆動歯車16は巻取軸4bの右端部側に位置して相対回転不能に係合している。また、被動歯車31の中心軸は巻取軸4aの中心軸と同軸上にあり、被動歯車31は、図3(b)に示すものと同様に、歯車部32と伝達軸部33とで構成され、歯車部32が伝達軸部33に回転可能に支持されている。そして、伝達軸部33の中心部に形成された係合孔34が巻取軸4aの右端部に係合して、伝達軸部33と巻取軸4aとが一体に回転するようになっている。
従って、本実施形態では、駆動歯車16の回転に基づいて巻取軸4bが回転され、駆動歯車16の回転に基づいて、2つの伝達歯車17を介して所定の空回り角度を有して被動歯車31が回転すると、巻取軸4aが同一速度で逆方向に回転するようになっている。
一方、ウェイトバー7は、ボトムフレーム7aについて巻取軸4a,4bと略平行に延びるボトムパイプ7bを相対回転可能に収容する例えば箱状形状となっており、ボトムフレーム7a及びボトムパイプ7bの左右両端は、それぞれサイドキャップ7cに支持されている。
より具体的に図8(a)に示すように、ボトムフレーム7aは、上方を開口したボトムパイプ7bを収容する例えば箱状形状のボトムカバーとして構成され、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転不能に固定されている。そして、第1スクリーン5aの下端部は、ボトムフレーム7aの取付部72(本例ではボトムフレーム7aの内壁)に面ファスナー等を利用して取着されて固定されている。
一方、ボトムパイプ7bは、図4にて上述した実施例と同様にパイプ状に構成され、左右両側のサイドキャップ7cに対し相対回転可能に支持されている。尚、ボトムパイプ7bの断面径は、第1実施形態の例と同様に、第2スクリーン5bの透光部8及び遮光部9の1ピッチ分を少なくとも予備保持するのに十分な径とする。
ボトムパイプ7bの内部には、図4にて上述した第1実施形態の例と同様にスプリングモーター71が収容されており、巻取軸4bから垂下される第2スクリーン5bにたわみが生じないよう、このスプリングモーター71により、常に、第2スクリーン5bの下端部を予備保持する付勢力が働いている。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bは、例えば箱状形状のボトムカバーとして構成されるボトムフレーム7aの上方の開口部を経て上方へ案内されている。
尚、図8にて例示する実施形態では、その基本構造の理解を高めるために、巻取軸4a,4bによりそれぞれ第1及び第2スクリーン5a,5bをほぼ鉛直方方向へ垂下し、ウェイトバー7におけるボトムフレーム7aについては、上方を開口した箱状形状のボトムカバーとして構成する例を説明している。
しかしながら、実用上では、巻取軸4bの下方で前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5bをより近接させるよう、支持ブラケット3の下方に開口部を有する部材を設け、この開口部で前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5bの垂下を案内するように構成する。更に、ウェイトバー7の構造は図6又は図7に示すように構成して、第1及び第2スクリーン5a,5bをボトムカバーとして構成しているボトムフレーム7aの上方の開口部を経て上方へ案内するよう構成するのが好適である。
従って、前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5b間に積極的に空気層を設ける際に、その第1及び第2スクリーン5a,5b間の距離は、随意、設定することができる。
図8に示す実施形態におけるウェイトバー7においては、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で重なる状態としたときに、前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5b間に積極的に空気層を設けていることから、その遮光性能を高めるよりむしろ断熱作用を働かせるようにしているが、その他については上述した第1実施形態にて例示したウェイトバー7の利点を包含する。
即ち、上述したように、図8に示す巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印A方向に回転するとき、図3を参照して上述したように被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されないため、巻取軸4bのみが回転し巻取軸4aは回転しない。巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印A方向に回転し、伝達片36が伝達片35に当接すると巻取軸4aが矢印A方向に回転するよう伝達される。
同様に、図1に示す巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印B方向に回転するとき、図3を参照して上述したように被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲では、被動歯車31の回転が巻取軸4aに伝達されないため、巻取軸4bのみが回転し巻取軸4aは回転しない。巻取軸4bを回転させる駆動歯車16が矢印B方向に回転し、伝達片36が伝達片35に当接すると巻取軸4aが矢印B方向に回転するよう伝達される。
このため、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9との重なり具合を調整することができ、採光量を調節することができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bは、ウェイトバー7の自重により張設されているとともに、スプリングモーター71の付勢力によってボトムパイプ7bにて予備保持するよう動作するから、第2スクリーン5bにおける上下いずれの方向の移動においても、第2スクリーン5bにたわみは生じない。
更に、このような被動歯車31における伝達片36が伝達片35に当接するまでの角度範囲での採光量の調節動作を繰り返しても、第1スクリーン5aに対する第2スクリーン5bの相対移動量は、ボトムパイプ7bにおける予備保持量で調節できるようになっているから、ウェイトバー7を上下動させることなく採光量の調節動作を行うことができる。
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動動作は、ウェイトバー7が下限位置であるか否かに関わらず同様に動作するため、ウェイトバー7の任意位置での調光機能を持たせたロールスクリーンを実現できる。
特に、ウェイトバー7が下限位置にあるときに、採光量を調節可能な態様でウェイトバー7の下方からの光漏れを防止することができる。
また、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動で調節する余剰分は、ボトムパイプ7bにより巻き取られるため、ウェイトバー7の小型化にも寄与することとなる。
加えて、図8に例示する本実施形態のウェイトバー7では、第1及び第2スクリーン5a,5b間に積極的に空気層を設けるよう構成しているため、断熱作用を働かせるロールスクリーンを構成することができる。
(巻取軸4a,4bの変形例)
次に、図9を参照して、巻取軸4a,4bの変形例について説明する。上述した第1及び第2実施形態のロールスクリーンでは、2枚の第1及び第2スクリーン5a,5bを重ね合わせ、それぞれの第1及び第2スクリーン5a,5bの上端部をそれぞれ上下に設けられた巻取軸4a,4bにより巻き取り、或いは巻き戻して第1及び第2スクリーン5a,5bを昇降可能とする例を説明した。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動動作としてウェイトバー7が下限位置であるか否かに関わらず同様に動作するため、ウェイトバー7の任意位置での調光機能を持たせたロールスクリーンを実現できる。
一方、実用上の観点から、ウェイトバー7が下限位置であるときのみ調光機能を持たせるのみでよい場合には、図9(a)に示すような二重構造の巻取軸4a,4bとすることができる。即ち、二重構造の巻取軸4a,4bにより、2枚の第1及び第2スクリーン5a,5bを重ね合わせ、それぞれの第1及び第2スクリーン5a,5bの上端部を巻き取り、或いは巻き戻して第1及び第2スクリーン5a,5bを昇降可能とするよう構成することができる。
より具体的に図9(a)に示すように、巻取軸4a,4bの回転中心軸を同一軸上とした、巻取軸4aが巻取軸4bを収容する二重構造とする。巻取軸4aには軸方向に延在する開口部47が設けられ、巻取軸4bの外表面と巻取軸4aの内表面には、空間部48が設けられる。空間部48は、尚、巻取軸4bにより、第2スクリーン5bの透光部8及び遮光部9の1ピッチ分を少なくとも予備保持するのに十分な領域とする。
また、巻取軸4aの一端部には径方向に扇状に突出する伝達片45が形成され、巻取軸4bの同方向の端部には径方向に扇状に突出する伝達片46が伝達片45の回動軌跡上に設けられている。
尚、図示を省略するが、巻取軸4aの他端部には、巻取軸4aに対する相対回転として調光動作を妨げない範囲内で一定のブレーキ力を生じさせる摩擦材が設けられ、巻取軸4b内には、図示を省略するが、第1及び第2スクリーン5a,5bの巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター、及び各巻取軸4a,4bの回転トルクに所定の制動力を付与するブレーキユニット等が収容されている。
本例における伝達片45,46は、それぞれ中心に対し60度の範囲で形成される。従って、巻取軸4bは巻取軸4aに対し最大で240度の範囲で空回り可能となっている。この角度は、透光部8の上下幅と、巻取軸4a,4bの径によって決まる角度である。
これにより、ボールチェーンの操作に基づいて回転されるプーリーを巻取軸4bに対し一体に回転可能に係着させることで、巻取軸4bの回転が操作可能となる。そして、巻取軸4bが回転すると、巻取軸4aが所定の空回り角度を有して同一速度で同方向に回転するようになっている。
特に、図9(a)に示す例では、巻取軸4a,4b自体が、当該前後二重のスクリーンにおける当該相対移動範囲を持つよう空回りさせる空回り機構を有するよう構成される。これにより、第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bの調光操作(通気調整操作を含む)及び昇降操作について、ボールチェーン等の操作で一括した操作が可能となる。また、巻取軸4a,4bの回転操作を行う操作装置の小型化にも寄与する。
図9(a)に示す二重構造を有する巻取軸4a,4bの動作について説明する。尚、ウェイトバー7の構造は、上述した第1及び第2実施形態で説明したいずれの実施例及び変形例にも適用できる。
まず、図9(b)は、ウェイトバー7が下限位置にあるときの巻取軸4a,4bの断面図を概略図示している。
図9(b)に示すように、巻取軸4aからは第1スクリーン5aが垂下され、巻取軸4bからは巻取軸4aの開口部47を介して第2スクリーン5bが垂下される。伝達片45の一端が伝達片46の一端に当接している状態で、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で略平行となる状態にあるとする。
続いて図9(c)に示すように、ボールチェーンの操作に基づいて巻取軸4bを回転させ、伝達片46の他端が伝達片45の他端に当接するまで、巻取軸4bを巻取軸4aに対し空回りさせる。この状態では、第1及び第2スクリーン5a,5bにおける透光部8と遮光部9とが前後方向で重なる状態にする。
また、図9(d)に示すように、ボールチェーンの操作に基づいて、伝達片46の他端が伝達片45の他端に当接した状態で、更に同方向に巻取軸4bを回転させることで、第1及び第2スクリーン5a,5bが同時に巻き取られる。或いは、伝達片45の一端が伝達片46の一端に当接した状態で、更に同方向に巻取軸4bを回転させることで、第1及び第2スクリーン5a,5bが同時に巻き戻される。
これにより、ウェイトバー7が下限位置にあるときであれば、上述した第1及び第2実施形態で説明した各実施例及び変形例におけるウェイトバー7を適用したロールスクリーンを構成することで、第1及び第2スクリーン5a,5bを昇降可能とし、尚且つウェイトバー7を上下動させることなく採光量の調節動作を行うことができ、各実施例及び変形例におけるウェイトバー7による上述した利点を実現させることができる。
(スクリーンの変形例)
上述した実施形態の例では、第1及び第2スクリーン5a,5bが、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている例を説明したが、これに限定する必要はない。
例えば、図1に示すロールスクリーンにおける第1及び第2スクリーン5a,5bの変形例として、図10(a)に例示するように、第1及び第2スクリーン5a,5bが、ウェイトバー7が下限位置にあるときに第1及び第2スクリーン5a,5bの上下端部の所定領域のみ透光部8とし、その他の領域が遮光部9となるようにして採光量を調節可能とするロールスクリーンとすることができる。
また、図10(b)に例示するように、透光部8と遮光部9を市松状(或いは千鳥状)とした第1及び第2スクリーン5a,5bとすることができる。
また、図10(c)に例示するように、透光部8と遮光部9を斜平行に縞状とした第1及び第2スクリーン5a,5bとすることができる。
総括するに、本発明に係るロールスクリーンは、前後二重のスクリーンにおける第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bの各上端を所定の相対移動範囲を持つよう空回りさせて巻き取り、或いは巻戻し可能とする巻取手段(図2及び図8に示す例では巻取軸4a,4b及び操作装置10、図9に示す例では巻取軸4a,4b自体)と、当該前後二重のスクリーンを張設するためのウェイトバー7とを備えるよう構成される。そして、ウェイトバー7は、第1スクリーン5aの下端部を固定するボトムフレーム7aと、第2スクリーン5bの下端部を出し入れ可能に予備保持する回転部材(ボトムパイプ7b又はボトムバー7d)とを備えるよう構成される。これにより、前後二重のスクリーンを相対移動させる際に、ウェイトバーの上下動を防止することができる。
また、本発明に係るロールスクリーンでは、ウェイトバー7は、回転部材(ボトムパイプ7b又はボトムバー7d)に対し、当該相対移動範囲に対応する長さで第2スクリーン5bの下端部を予備保持可能とするスプリングモーター71やぜんまい71a等の付勢手段を有するよう構成される。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動で調節する余剰分は、当該回転部材により予備保持されるため、第1及び第2スクリーン5a,5bにたわみが生じることが無くなり、尚且つウェイトバー7の小型化にも寄与することとなる。
また、本発明に係るロールスクリーンでは、回転部材(ボトムパイプ7b又はボトムバー7d)をボトムフレーム7aに隣接配置するよう構成することで、小型化に寄与する。より好適には回転部材(ボトムパイプ7b又はボトムバー7d)をボトムフレーム7aに収容するよう構成することで、より一層小型化に寄与するとともに、前後二重のスクリーンを構成する第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bをより近接させ、採光量の調節性能が向上させることができる。
また、本発明に係るロールスクリーンでは、前後二重のスクリーンを構成する第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bは、それぞれ透光部8及び遮光部9を有しており、当該前後二重のスクリーンにおける透光状態と遮光状態の切り替えを可能とするよう構成される。これにより、第1及び第2スクリーン5a,5bの相対移動で、採光量を調節することができる。
また、本発明に係るロールスクリーンでは、当該相対移動範囲は、当該前後二重のスクリーンにおける透光状態と遮光状態の切り替えを可能とする範囲以上に設定されている。これにより、設定自由度の高い調光機能(通気調整機能を含む)を持たせたロールスクリーンを実現できる。
また、本発明に係るロールスクリーンでは、巻取軸4a,4bは、第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bをそれぞれ吊下するよう構成され、操作装置10又は巻取軸4a,4b自体が当該前後二重のスクリーンに当該相対移動範囲を持たせるよう空回りさせる空回り機構を有するよう構成される。これにより、第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bの調光操作(通気調整操作を含む)及び昇降操作について、ボールチェーン等の操作で一括した操作が可能となる。
また、本発明に係るロールスクリーンでは、第1スクリーン5a及び第2スクリーン5bは、同一ピッチで透光部8及び遮光部9が交互に繰り返される平行模様、斜平行模様、又は市松模様を含む千鳥模様、或いはウェイトバー7が下限位置にあるときに所定の上端近傍領域と下端近傍領域のいずれか一方又は双方が透光状態や遮光状態の切り替えを可能とする複数の領域を持つ複数領域模様を有するよう構成される。これにより、多様な生地種でロールスクリーンを調光可能に構成することができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した実施形態の例では、巻取軸4a,4bの回転操作のためにボールチェーンによる操作を例に説明したが、紐状の操作コードよる回転操作としてもよいし、巻取軸4a,4bを電動で回転操作するロールスクリーンでもよい。
また、上述した実施形態の例では、ウェイトバー7におけるボトムパイプ7b内にスプリングモーター71を設けて構成する例を説明したが、スプリングモーター71とする代わりにぜんまいとすることもでき、即ち第2スクリーン5bの下端部を予備保持可能な付勢手段であればよい。
また、上述した実施形態の例では、ウェイトバー7におけるボトムフレーム7aについて、パイプ状とするか、又はボトムカバーを構成する特定の例を説明したが、ボトムフレーム7aは、第1スクリーン5aの下端部を取着して固定可能とする形態であれば任意の形状・構造とすることができる。