JP6712300B2 - サブフレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるサブフレーム構造に関する。
例えば、特許文献1には、左右一対の縦メンバと、左右一対の縦メンバの間で車幅方向に沿って延在するクロスメンバと、クロスメンバと別体で構成された補強部材とにより構成されたリヤサブフレーム構造が開示されている。
特許文献1に開示されたリヤサブフレーム構造では、クロスメンバの車幅中央部の下面に対して補強部材を取り付けることで、縁石等の衝撃からクロスメンバを保護している。また、補強部材の下面の中央部には、牽引用フックが固着されている。
特許第6113703号公報
ところで、特許文献1に開示されたリヤサブフレーム構造では、クロスメンバとは別体で構成された補強部材をクロスメンバの下面に対して取り付けているため、補強部材の分だけ車両全体の重量や製造コストが増加する。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、車両全体の重量や製造コストを抑制することが可能なサブフレーム構造を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車両前後方向に延びる左右一対の縦メンバと、前記左右一対の縦メンバの間で車幅方向に沿って延びる後クロスメンバとを有するサブフレーム構造であって、前記後クロスメンバは、該後クロスメンバの底面よりも車両下方側に向かって延出する牽引フックと、前記牽引フックに対して車幅方向に離間した位置に配置され、前記後クロスメンバの底面から車両下方側に向かって突出するブラケットと、を備え、前記後クロスメンバの上面にパワーユニット用マウントが設けられ、前記牽引フックは、前記パワーユニット用マウントと上下方向で重畳する位置に配置されていることを特徴とする。
本発明では、車両全体の重量や製造コストを抑制することが可能なサブフレーム構造を得ることができる。
本発明の実施形態に係るリヤサブフレームが組み込まれた車両後部を斜め上方からみた斜視図である。 図1に示すリヤサブフレームの平面図である。 図2に示すリヤサブフレームを下方側からみた底面図である。 図3に示すリヤサブフレームを斜め下方側からみた斜視底面図である。 牽引フックの溶接部を示す拡大斜視底面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るリヤサブフレームが組み込まれた車両後部を斜め上方からみた斜視図、図2は、図1に示すリヤサブフレームの平面図である。なお、各図中において、「前後」は、車両前後方向、「左右」は、車幅方向(左右方向)、「上下」は、車両上下方向(鉛直上下方向)を、それぞれ示している。
図1に示されるように、車両の後方には、本発明の実施形態に係るリヤサブフレーム(サブフレーム)10が配置されている。このリヤサブフレーム10は、車両前後方向に沿って延びる左右一対のリヤサイドフレーム(図示せず)の下方側に取り付けられている。また、リヤサブフレーム10は、図示しない後輪用懸架装置を支持すると共に、後記する第1〜第3防振装置12、14、16を介してパワーユニット(モータやエンジン等の駆動源)P(図2参照)を支持している。
図2に示されるように、リヤサブフレーム10は、車両前後方向に沿って延びる左右一対の縦メンバ18、18と、前記左右一対の縦メンバ18、18の間で車幅方向に沿って延びるクロスメンバとを備えて構成されている。クロスメンバは、左右一対の縦メンバ18、18の車両前方側に固定される前クロスメンバ20と、左右一対の縦メンバ18、18の車両後方側に固定される後クロスメンバ22とを有する。
図1及び図2に示されるように、前クロスメンバ20の車幅方向に沿った左右両側には、所定間隔離間して第1防振装置12及び第2防振装置14がそれぞれ配置されている。また、後クロスメンバ22の車幅方向に沿った中央部には、第3防振装置16が配置されている。パワーユニットPは、前クロスメンバ20及び後クロスメンバ22にそれぞれ配置された第1〜第3防振装置12、14、16を介して、3点でフローティング可能に支持されている。
各防振装置12(14、16)は、複数の脚部(本実施形態では3つの脚部)によって構成されたマウント部(パワーユニット用マウント)24を有する。各防振装置12(14、16)は、このマウント部24に締結される図示しないボルト及びナットを介して、前クロスメンバ20及び後クロスメンバ22に対して取り付けられて固定される。
各防振装置12(14、16)は、それぞれ略同一構成からなり、図示しない駆動部で加振することによって、防振すべき振動対象に対して積極的又は相殺的な防振効果を発揮する能動型防振装置として構成されている。
前クロスメンバ20は、軸直断面が略コ字状に形成された上壁と、軸直断面が略コ字状に形成された下壁とを有し、上壁の左右下端部と下壁の左右上端部とがそれぞれ一体的に結合されて構成されている。上壁と下壁との間には、閉断面を有する閉断面部が設けられている。図1に示されるように、後クロスメンバ22は、前クロスメンバ20と同様に、軸直断面が略コ字状に形成された上壁22aと、軸直断面が略コ字状に形成された下壁22bとによって閉断面を有する図示しない閉断面部が設けられている。
図3は、図2に示すリヤサブフレームを下方側からみた底面図、図4は、図3に示すリヤサブフレームを斜め下方側からみた斜視底面図、図5は、牽引フックの溶接部を示す拡大斜視底面図である。
後クロスメンバ22は、該後クロスメンバ22の底面(下壁22bの外側下面)26よりも車両下方側に向かって延出する牽引フック28(図1参照)と、牽引フック28に対して車幅方向に離間した位置に配置され、後クロスメンバ22の底面26から車両下方側に向かって突出する左右一対のブラケット30、30(図3、図4参照)とを有する。
図3に示されるように、牽引フック28は、金属製の部材からなり、後クロスメンバ22の車幅方向中央部に配置されている。左右一対のブラケット30、30は、車幅方向において牽引フック28を間にして左右で挟む位置に一対配置されている。
図2に示されるように、後クロスメンバ22の上面32には、第3防振装置16のマウント部(パワーユニット用マウント)24が設けられている。牽引フック28は、マウント部24と上下方向で重畳する位置に配置されている。
図5に示されるように、牽引フック28は、棒状体が屈曲して形成された屈曲体34で構成されている。屈曲体34は、上方延出部34aと、湾曲部34bと、前方延出部34cとが連続して一体的に形成されている。上方延出部34aは、車両後方端部に位置し上方に向かって直線状に延出している。湾曲部34bは、上方延出部34aの下端から車両前方に向かって断面円弧状に湾曲するように形成されている。前方延出部34cは、湾曲部34bの車両前方端部から車両前方に向かって直線状に延出している。
なお、屈曲体34において、湾曲部34b、上方延出部34a及び前方延出部34cは、同一の外径を有し、上方延出部34aのみが潰し加工により扁平状の面を有するように構成されている。これは、上方延出部34aの車両後方側への突出量を小さくし、上方延出部34aの接触面積の増加による接合安定性を高め、且つ、牽引時に牽引フックが掛けられる湾曲部34bの剛性・強度を高めるためである。
屈曲体34の一端部である上方延出部34aは、後クロスメンバ22の車両後方に位置する側面36に接合・固定されている。屈曲体34の他端部である前方延出部34cは、後クロスメンバ22の底面26に形成された断面円弧状の長溝40内に接合・固定されている。
図5に示されるように、屈曲体34の上方延出部(一端部)34a及び前方延出部(他端部)34cは、それぞれ、周知のミグ溶接によって形成されたミグ溶接部42a、42b(図5の網点部分参照)によって後クロスメンバ22に対して強固に接合されている。
図5に示されるように、左右一対のブラケット30、30は、それぞれ同じ形状で構成されている。各ブラケット30は、平板状の底面部30aと、底面部30aの車幅方向の両側から上方に向かって屈曲する一対の脚部30b、30bとを有する。一対の脚部30b、30bの上方端部は、ミグ溶接によって形成されたミグ溶接部42cを介して、後クロスメンバ22の底面26に接合・固定されている。
本発明の実施形態に係るリヤサブフレームは、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
本実施形態では、後クロスメンバ22の底面26よりも車両下方側に向かって延出する牽引フック28と、後クロスメンバ22の底面26から車両下方側に向かって突出するブラケット30、30とを後クロスメンバ22に設けている。これにより、本実施形態では、従来技術のような補強部材が不要となり、車両全体の重量や製造コストを抑制することができる。また、仮に、リヤサブフレーム10を車体に対して前後一対の4点で支持した場合、リヤサブフレーム10自体の重量を抑制することが可能となることで、車体後部の剛性・強度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、牽引フック28を車体(例えば、リヤクロスフレーム等)に設けることが不要となり、車体側のレイアウトの自由度を向上させることができる。さらにまた、本実施形態では、牽引フック28とブラケット30、30とによって、パワーユニットPの保護機能を発揮させることができる。
また、本実施形態では、牽引フック28が、後クロスメンバ22の車幅方向中央部に配置されると共に、一対のブラケット30、30が、車幅方向において牽引フック28を間にして挟む位置に配置されている。これにより、本実施形態では、牽引フック28及び一対のブラケット30、30によって、後クロスメンバ22の車幅方向の広範囲にわたってパワーユニットPを保護することができる。
さらに、本実施形態では、後クロスメンバ22の上面32にマウント部24が設けられ、牽引フック28は、マウント部24と上下方向で重畳する位置に配置されている。これにより、本実施形態では、上下方向で重畳する位置に配置された牽引フック28及びマウント部24を介して、パワーユニットPを保護することができる。
さらにまた、本実施形態では、牽引フック28が、棒状体が屈曲して形成された屈曲体34からなり、この屈曲体34の上方延出部34a(一端部)が、後クロスメンバ22の車両後方に位置する側面36に溶接されていると共に、この屈曲体34の前方延出部34c(他端部)は、後クロスメンバ22の底面26に溶接されている。これにより、本実施形態では、後クロスメンバ22の側面36及び底面26に対する牽引フック28の溶接部位の周長を長くすることができ、後クロスメンバ22に対する牽引フック28の取付強度を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、屈曲体34の上方延出部34a(一端部)及び前方延出部34c(他端部)が、ミグ溶接されたミグ溶接部42a、42bによって接合されている。これにより、本実施形態では、ミグ溶接部42a、42bによって後クロスメンバ22に対して牽引フック28を強固に接合することができ、後クロスメンバ22に対する牽引フック28の取付強度を向上させることができる。
10 リヤサブフレーム(サブフレーム)
18 縦メンバ
22 後クロスメンバ
24 マウント部(パワーユニット用マウント)
26 (後クロスメンバの)底面
28 牽引フック
30 ブラケット
34 屈曲体
34a 上方延出部(屈曲体の一端部)
34c 前方延出部(屈曲体の他端部)
36 (後クロスメンバの)側面
42a、42b ミグ溶接部
P パワーユニット

Claims (4)

  1. 車両前後方向に延びる左右一対の縦メンバと、前記左右一対の縦メンバの間で車幅方向に沿って延びる後クロスメンバとを有するサブフレーム構造であって、
    前記後クロスメンバは、
    該後クロスメンバの底面よりも車両下方側に向かって延出する牽引フックと、
    前記牽引フックに対して車幅方向に離間した位置に配置され、前記後クロスメンバの底面から車両下方側に向かって突出するブラケットと、
    を備え
    前記後クロスメンバの上面にパワーユニット用マウントが設けられ、
    前記牽引フックは、前記パワーユニット用マウントと上下方向で重畳する位置に配置されていることを特徴とするサブフレーム構造。
  2. 請求項1記載のサブフレーム構造において、
    前記牽引フックは、前記後クロスメンバの車幅方向中央部に配置されると共に、前記ブラケットは、車幅方向において前記牽引フックを間にして挟む位置に複数配置されていることを特徴とするサブフレーム構造。
  3. 請求項1記載のサブフレーム構造において、
    前記牽引フックは、棒状体が屈曲して形成された屈曲体からなり、
    前記屈曲体の一端部は、前記後クロスメンバの車両後方に位置する側面に溶接されていると共に、前記屈曲体の他端部は、前記後クロスメンバの前記底面に溶接されていることを特徴とするサブフレーム構造。
  4. 請求項記載のサブフレーム構造において、
    前記一端部及び前記他端部は、ミグ溶接されたミグ溶接部によって接合されていることを特徴とするサブフレーム構造。
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