JP6710107B2 - 樹脂封止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に実装された電子素子を樹脂で封止する樹脂封止装置であって、特に、封止する樹脂の厚みが異なりうる場合にも対応できる樹脂封止装置に関する。
多くの電子機器、測定機器、電気機器、輸送機器は、電気信号を処理する電子基板を備えている。これらの電子基板には、半導体素子や集積回路などの多くの電子素子が、実装されている。単体の半導体素子であったり、マイクロプロセッサなどの半導体集積素子であったり、高電圧を利用するパワー素子などが、電子素子として電子基板上に実装されている。
電子素子を実装した電子基板は、電子機器や測定機器などに格納されて動作を行う。このとき、実装されている電子素子の中には、電子基板でむき出しの状態では好ましくないものもある。耐久性や耐衝撃等への対応性を高めるために、電子素子が樹脂で封止されることが必要である場合もある。
このように電子基板に実装された電子素子(単数であったり複数であったりする)を、樹脂で封止する樹脂封止装置が、様々な場面で使用されている。通常の樹脂封止装置は、電子基板に実装されている電子素子を、樹脂で封止する。この樹脂による電子素子の封止においては、電子素子の大きさや形状に合わせた型枠を備える樹脂封止装置が用いられる。
このような樹脂封止装置では、大まかに次のような処理動作が行われる。
まず、電子素子が実装された電子基板が、型枠のある所定の位置に設置される。次に、設置された位置において、電子基板に実装された電子素子に型枠がセットされる。型枠は、電子素子を封止するための樹脂空間である。この型枠に溶融樹脂が流し込まれる。流し込まれた溶融樹脂が固化すると、樹脂封止が完了する。
このように、電子基板に実装された電子素子の樹脂封止は、型枠によって行われる。このため、型枠の大きさや形状に応じた樹脂封止が行われる。言い換えれば、電子素子に対して樹脂で封止したい形状や大きさに対応した型枠が用いられて、樹脂封止が実行される。
通常においては、樹脂封止装置で使用される型枠は、樹脂封止される電子素子に対応する。すなわち、ある電子基板に実装されている電子素子の種類に応じて用意された型枠によって樹脂封止がされる。電子基板や電子素子は、同一種類のものが大量に製造されて電子機器などに使用される。同一種類の電子基板に実装された電子素子には、ある型枠が樹脂封止において使用される。別の種類の電子基板に実装された電子素子には、別の種類の型枠が使用される。
このように、通常は、電子素子の種類によって異なる種類の型枠が使用されればよい。
しかしながら、近年は、電子基板や電子素子の多様化(これを使用する電子機器の多様化)に伴い、多くの種類の電子素子の樹脂封止をする必要が生じている。特に、電子素子の種類によって、樹脂封止の厚みを変える必要が多くなっている。例えば、電子素子の外寸は同じでも耐久性などにより、必要となる樹脂封止の厚みが異なったりすることがある。あるいは、電子素子の半導体パッケージの厚みが異なるために、必要となる樹脂封止の厚みが異なったりすることがある。
このような状況で、電子素子の種類や電子素子のパッケージの種類などに応じて、多くの種類の型枠を有することは、コストの面でデメリットが多い。型枠の製造コストに加えて、保管コストも非常に高額となりうるからである。
このような状況で、電子素子の種類やパッケージの種類の違いや、製造ばらつきに対応して、樹脂封止の厚みにフレキシブルに対応できる、可動型枠を用いる樹脂封止装置が提供されるようになっている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開2008−277470号公報 特開2006−315184号公報 特開2011−11426号公報
特許文献1は、リードフレームまたはサブストレートに半導体素子及び接続ワイヤが配設された配線基板を対向する2つの金型のパーティング面に狭持し、配線基板を樹脂封止する半導体パッケージの製造方法において、2つの金型のうち少なくとも上金型には、該金型のキャビティ凹部底面が上下方向に移動可能となるように可動キャビティを設け、該半導体パッケージを成形する前に予め樹脂封止層の厚さを決定し、該配線基板と該キャビティ凹部底面との間隔が樹脂封止層の厚さよりも広くなるような位置に該可動キャビティを配置した後、該樹脂を2つの金型のキャビティ内に注入し、該樹脂が硬化する前に、該可動キャビティを該配線基板に接近する方向に移動させて樹脂封止層の厚さの位置にして該半導体パッケージを成形し、可動キャビティを所定の加圧力により所定の速度で移動させ、樹脂封止層の厚さ及び樹脂の種類と、樹脂封止層の厚さ及び樹脂の種類に適した可動キャビティの速度及び加圧力とを対応させたテーブルを予め記録媒体に格納しておき、テーブルを用いて、樹脂封止層の厚さ及び樹脂の種類に適した可動キャビティの速度及び加圧力が決定されることを特徴とする、半導体パッケージの製造方法を開示する。
特許文献1は、可動キャビティによって異なる厚みの樹脂封止を実現できる。このとき、樹脂封止空間を形成する可動キャビティの加圧力と速度を、封止の厚みと樹脂の種類に基づいて決定する。
しかしながら、特許文献1は、予め記録媒体に記憶された樹脂封止の厚みと樹脂の種類に基づいて、可動キャビティの加圧力と速度を決定する。すなわち、予め計算的に決定された関係テーブルに基づいて、可動キャビティの加圧力と速度が決定されるに過ぎない。実際には、製造上のばらつきなどで、電子素子や電子基板、あるいはパッケージの厚みがばらついていることがある。このばらつきを無視して、予め計算的に決定された加圧力と速度で可動キャビティが動作することは、好ましくない。
ばらつきによっては、可動キャビティの加圧力と速度が過剰であったり、不足したりするからである。このような過剰や不足の場合には、樹脂封止が不適切になってしまう問題がある。
特許文献2は、被成形品の供給部と、被成形品に搭載されている半導体チップの厚さを計測する被成形品の計測部と、樹脂封止に用いる液状樹脂を被成形品に供給する樹脂供給部と、液状樹脂が供給された被成形品を封止金型を用いて樹脂成形する樹脂成形部と、樹脂成形された成形品の樹脂封止部の厚さを計測する成形品の計測部と、成形品の収納部と、これら各部の動作を制御する制御部とを備える樹脂封止装置において、被成形品は、基板に複数の半導体チップが搭載されたものであり、被成形品の計測部は、基板に搭載された半導体チップの厚さを測定するセンサ部として、被成形品を厚さ方向に挟む配置に対向させて一対設けられ、被成形品にレーザ光を照射しその反射光から半導体チップの厚さを測定するセンサと、被成形品を支持し、センサの測定位置に半導体チップが位置するよう被成形品を移動させるXYテーブルとを備え、成形品の計測部は、基板に搭載された半導体チップの樹脂封止部の厚さを測定するセンサ部として、成形品を厚さ方向に挟む配置に上下に対向して一対設けられ、成形品にレーザ光を照射しその反射光から樹脂封止部の厚さを測定するセンサと、成形品を支持し、センサの測定位置に樹脂封止部が位置するよう成形品を移動させるX−Yテーブルとを備え、制御部は、被成形品の計測部による半導体チップの厚さの計測結果に基づいて樹脂供給部において被成形品に供給する樹脂量を調節する調節手段と、成形品の計測部による樹脂封止部の厚さの計測結果に基づいて、樹脂供給部において被成形品に供給する樹脂量を調節する調節手段とを備えていることを特徴とする樹脂封止装置を開示する。
特許文献2は、成型品の厚さの計測結果に基づいて、樹脂封止空間となる空間へ供給する樹脂量を調節する。
しかしながら、樹脂量が調節されるだけでは、適切な樹脂封止が実現できない問題がある。樹脂量のみで、樹脂封止の密度や硬化時間が最適化できないからである。また、半導体チップの厚さおよび成型品の厚さの計測結果に基づくだけでは、作業効率が下がり、作業時間が延びる問題もある。更には、成型品の厚みの計測結果が得られる毎に樹脂量を調整することは、論理的にあるべき樹脂量を考慮しておらず、樹脂封止の最適化が図れない問題がある。
特許文献3は、被成形品の供給部と、被成形品の厚さ計測部と、プレス部と、成形品の収納部と、制御部とを備え、前記計測部に、前記被成形品の基板の厚さと、前記被成形品の搭載部品の厚さとを計測する計測装置が配置され、前記プレス部に、被成形品をクランプして樹脂モールドする第1の金型と第2の金型と
を備える樹脂モールド金型が装着されたプレス装置が設けられ、前記第1の金型に、前記被成形品に搭載された搭載部品に端面を対向させ、型開閉方向に摺動する第1のインサート部材と、該第1のインサート部材を型開閉方向に押動して型
開閉方向の位置を調節する押動部材が装着され、前記第2の金型に、前記被成形品を支持し、型開閉方向に摺動する第2のインサート部材と、該第2のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着され、前記制御部は、前記計測装置による前記搭載部品の厚さの計測結果に基づき、前記第1の金型に装着された押動部材を制御して前記第1のインサート部材の型開閉方向の位置を設定し、前記計測装置による前記基板の厚さの計測結果に基づき、前記第2の金型に装着された押動部材を制御して前記第2のインサート部材の型開閉方向の位置を設定して樹脂モールドすることを特徴とする樹脂モールド装置を開示する。
しかしながら、特許文献3は、特許文献2と同じ問題を有している。
以上のように、特許文献1〜3を始めとした従来技術は次のような問題を有している。
(問題1)電子素子や電子基板などの製造ばらつきに対応した樹脂封止を最適に行うことが難しい。
(問題2)理論的な樹脂封止の条件と、実際の封止結果に基づく樹脂封止の条件との両方を加味した最適な樹脂封止を行うことが難しい。
(問題3)封止された樹脂による電子素子や電子基板の耐久性向上が不十分となりうる。
本発明は、これらの問題に鑑み、より最適かつ精度の高い樹脂封止条件を検出して樹脂封止を行うことのできる、樹脂封止装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の電子素子の樹脂封止装置は、封止対象物の第1方向から取り付けられる第1型枠と、
第1方向と逆の第2方向から取り付けられる、第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、
第1型枠と第2型枠との組み合わせによって、封止対象物の周囲に形成される封止空間と、
第1型枠および第2型枠の少なくとも一方に設けられる、封止空間内部で上下に移動可能な可動キャビティと、
可動キャビティの動作である動作条件を決定する決定部と、
決定部で決定された動作条件で可動キャビティの動作を制御する制御部と、
封止空間に、封止対象物に樹脂封止層を形成する樹脂を注入する樹脂注入部と、を、備え、
可動キャビティは、封止空間の内周に合致して上下移動可能であり、
決定部は、
理論要素に基づいて、可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、理論関係式と、
樹脂封止層の形成が完了した成型品の実測結果に基づいて、可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、実測関係式と、
の両方に基づいて、最終的な動作条件を決定し、
制御部は、最終的に決定された動作条件で、可動キャビティを上下移動させ、
可動キャビティは、制御部による上下移動によって、封止空間内部の樹脂に圧力を付与して、樹脂封止層の厚みと充填率を調整できる。
本発明の樹脂封止装置は、異なる種類の電子基板や電子素子においても、その樹脂封止すべき厚みの違いに対応して、必要となる厚みでの正確な樹脂封止ができる。更には、電子基板や電子素子の製造や実装でのばらつきにも対応して、より適切な厚みでの樹脂封止を行うことができる。
また、理論的に最適な厚みおよび実際に樹脂封止された実測を反映した最適な厚みの両方を考慮した条件によって、樹脂封止処理が行われる。
これらの結果、電子素子の保護を目的とした樹脂封止が、確実かつ最適な成型状態で実現できる。
また、樹脂封止装置の実行工程での作業効率を向上させることも可能であり、樹脂封止の精度向上に加えた処理速度向上も実現できる。結果として、歩留まりを上げると共に、コストを低減できる。
本発明の実施の形態1における樹脂封止装置の正面図である。 本発明の実施の形態1における樹脂封止装置の正面図である。 本発明の実施の形態1における実測部とその周辺の模式図である。 本発明の実施の形態1における樹脂封止装置であって軸合わせを示す模式図である。 本発明の実施の形態1における他の態様での移動軸を合わせる状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2における樹脂封止装置の正面図である。 本発明の実施の形態2における樹脂封止装置の正面図である。 本発明の実施の形態3における樹脂封止装置の正面図である。 本発明の実施の形態3における樹脂封止層が形成された後の樹脂封止装置の正面図である。
本発明の第1の発明に係る樹脂封止装置は、封止対象物の第1方向から取り付けられる第1型枠と、
第1方向と逆の第2方向から取り付けられる、第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、
第1型枠と第2型枠との組み合わせによって、封止対象物の周囲に形成される封止空間と、
第1型枠および第2型枠の少なくとも一方に設けられる、封止空間内部で上下に移動可能な可動キャビティと、
可動キャビティの動作である動作条件を決定する決定部と、
決定部で決定された動作条件で可動キャビティの動作を制御する制御部と、
封止空間に、封止対象物に樹脂封止層を形成する樹脂を注入する樹脂注入部と、を、備え、
可動キャビティは、封止空間の内周に合致して上下移動可能であり、
決定部は、
理論要素に基づいて、可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、理論関係式と、
樹脂封止層の形成が完了した成型品の実測結果に基づいて、可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、実測関係式と、
の両方に基づいて、最終的な動作条件を決定し、
制御部は、最終的に決定された動作条件で、可動キャビティを上下移動させ、
可動キャビティは、制御部による上下移動によって、封止空間内部の樹脂に圧力を付与して、樹脂封止層の厚みと充填率を調整でき、
前記可動キャビティの位置を検出する位置検出部と、
前記可動キャビティの位置を初期位置に戻す修正部をさらに備え、
前記修正部は、弾性体機構、電子的機構および機械的機構のいずれかにより構成され、
前記可動キャビティの位置が、前記樹脂封止層の形成後において初期位置に戻らない場合であって、前記可動キャビティの上下移動を制御する前記制御部が、前記可動キャビティを前記初期位置に戻すことができない場合には、
前記位置検出部が、前記可動キャビティの位置が前記初期位置に戻らないことを検出して前記修正部に通知し、
前記制御部と異なる要素である前記修正部は、前記樹脂封止層の形成後に前記初期位置に戻っていない前記可動キャビティの位置を、前記初期位置に戻す


この構成により、実際の成形品での結果も考慮して、最適な厚みおよび充填率での樹脂封止層を形成できる。
本発明の第2の発明に係る樹脂封止装置では、第1の発明に加えて、理論要素は、樹脂封止層の厚みと樹脂の種類を含み、実測結果は、成型品の樹脂封止層の厚みの実測値を含む。
この構成により、実際に製造された成形品の樹脂封止層の厚みを考慮して、決定部は動作条件を決定できる。結果として、実際の製造結果をより反映した動作条件で、可動キャビティが動作して、樹脂封止層を形成できる。
本発明の第3の発明に係る樹脂封止装置では、第2の発明に加えて、理論要素は、樹脂の温度、封止空間の温度、樹脂注入部からの樹脂の注入速度および封止空間の体積の少なくとも一つを更に含む。
この構成により、樹脂封止層を形成するのに必要な要素に基づいて、動作条件が決定できる。
本発明の第4の発明に係る樹脂封止装置では、第2または第3の発明に加えて、実測結果は、成型品の樹脂封止層の位置による厚みの差分および樹脂封止層の充填率の少なくとも一つを更に含む。
この構成により、成型品に基づいて、動作条件を決定できる。
本発明の第5の発明に係る樹脂封止装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、実測結果を得る成型品の実測部を更に備え、実測部は、樹脂封止層の単数箇所もしくは複数個所での厚みを実測する。
この構成により、実際の成形品の樹脂封止層の厚みのばらつきなどを考慮して、動作条件を決定できる。
本発明の第6の発明に係る樹脂封止装置では、第5の発明に加えて、実測部は、信号発生部と信号受信部とを、複数個所のそれぞれに対応して備え、信号発生部から出力されて封止対象物の複数個所のそれぞれからの信号を、信号受信部が受信し、信号受信部が受信する信号の変位量に基づいて、複数個所でのそれぞれの厚み要素を実測する。
この構成により、様々な個所の厚みを、容易に測定できる。
本発明の第7の発明に係る樹脂封止装置では、第4の発明に加えて、実測結果での樹脂封止層の厚みが、理論要素での樹脂封止層の厚みと差分を有する場合には、決定部は、差分を解消できる動作条件を決定する。
この構成により、目標とする厚みに成型できるように、動作条件が決定できる。
本発明の第8の発明に係る樹脂封止装置では、第1から第7の発明に加えて、動作条件は、可動キャビティの移動速度、加圧力、封止空間への樹脂注入後から移動開始までの待機時間、封止対象物の温度、封止対象物の予熱時間、第1型枠の温度、第1型枠の予熱時間、第2型枠の温度、第2型枠の予熱時間、樹脂の予熱時間、および制御部の移動軸の座標の少なくとも一つを含む。
この構成により、樹脂封止層の厚みおよび充填率を目標に合せるように、可動キャビティが動作できる。
本発明の第9の発明に係る樹脂封止装置では、第8の発明に加えて、制御部の移動軸の座標は、封止対象物の中心に合わせられる。
この構成により、可動キャビティは、樹脂および封止対象物に適切に圧力を加えることができる。
本発明の第10の発明に係る樹脂封止装置では、第9の発明に加えて、移動速度は、移動中の速度変化を含む。
この構成により、適切な速度変化での圧力付与を実現できる。
本発明の第11の発明に係る樹脂封止装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、樹脂注入口から封止空間に、樹脂が注入され、制御部は、可動キャビティを、注入された樹脂が硬化する前に、封止対象物に近接させるように、動作条件に基づいて移動させる。
この構成により、樹脂への加圧による樹脂封止層の形成が適切に行える。
本発明の第12の発明に係る樹脂封止装置では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、可動キャビティの位置を検出する位置検出部を更に備え、可動キャビティの位置が、樹脂封止層の形成後においても初期位置と異なる場合には、可動キャビティの位置を修正する。
この構成により、連続的な樹脂封止処理を可能とする。
本発明の第13の発明に係る樹脂封止装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、封止対象物は、電子基板に実装された電子素子である。
この構成により、樹脂封止が必要な電子素子への樹脂封止が可能となる。
本発明の第14の発明に係る樹脂封止装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、封止空間内において、樹脂として樹脂シートが設置され、
決定部は、封止対象物の種類、外形、厚みおよび樹脂シートの特性に基づき、封止空間内に実際に設置される樹脂シートの外形サイズを決定する。
この構成により、注入ではなく、樹脂シートによって効率よく樹脂封止層を形成できる。
本発明の第15の発明に係る樹脂封止装置では、第14の発明に加えて、決定部で決定される外形サイズは、封止空間の断面積以下となる。
この構成により、不要な樹脂を発生させない。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(全体概要)
まず、実施の形態1における樹脂封止装置の全体概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における樹脂封止装置の正面図である。図2は、本発明の実施の形態1における樹脂封止装置の正面図である。図1は、後述する可動キャビティが初期位置(移動前の位置)にある状態を示しており、図2は、可動キャビティが封止空間4に合わせて降りてきている状態を示している。
樹脂封止装置1は、第1型枠2、第2型枠3、封止空間4、可動キャビティ5、決定部6、制御部7、樹脂注入部8を、備える。また、樹脂封止装置1は、封止対象物10を樹脂によって封止する。封止対象物10の一例として、図1、図2では、電子基板12に半導体素子11が実装されているものが、封止対象物10である。この半導体素子11を含んだ範囲が、封止対象物10として樹脂によって封止される。
第1型枠2は、封止対象物10の第1方向から取り付けられる型である。第2型枠3は、封止対象物10の第2方向から取り付けられる型である。第2方向は、第1方向と逆方向である。
第1型枠2と第2型枠3とが組み合わさって、封止対象物10を挟む。第1型枠2と第2型枠3との組み合わせによって、封止対象物10の周囲に封止空間4が形成される。この封止空間4は、樹脂が注入された上で、可動キャビティ5の移動と圧力によって実際の樹脂封止が行われる領域が形成される。
可動キャビティ5は、第1型枠2および第2型枠3の少なくとも一方に設けられる。可動キャビティ5は、封止空間4内部で上下に移動可能である。上下移動によって、封止空間4に注入された樹脂に圧力を付与できる(封止空間4に注入された樹脂の厚みを調整できる)。
決定部6は、可動キャビティ5が動作する際に用いる動作条件を決定する。
制御部7は、決定部6で決定された動作条件で、可動キャビティ5の動作を制御する。すなわち、制御部7は、決定された動作条件に基づいて、可動キャビティ5を動作させる。
樹脂注入部8は、封止空間4に樹脂を注入する。封止対象物10に樹脂封止層41を形成するための樹脂である。樹脂注入部8により封止空間4に樹脂が注入され、可動キャビティ5の移動によって形成される空間で樹脂が固化して、樹脂封止層41が、形成される。
可動キャビティ5は、封止空間4の内周に合致して上下移動が可能である。図1、図2に示されるように、可動キャビティ5は、封止空間4の内周に合致した構成を有している。この構成によって、内周に沿った状態で、封止空間4において上下移動できる。制御部7は、決定部6で決定された動作条件で、この可動キャビティ5を上下移動させる。
決定部6は、(1)理論要素に基づいて、可動キャビティ5の動作条件を決定する相関関係を示す理論関係式と、(2)樹脂封止層41の形成が完了した成型品の実測結果に基づいて、可動キャビティ5の動作条件を決定する相関関係を示す実測関係式と、の両方に基づいて、最終的な動作条件を決定する。決定部6は、最終的に決定したこの動作条件を、制御部7に出力する。この最終的に決定された動作条件(以下、「決定動作条件」という)に基づいて、制御部7は、可動キャビティの上下移動を行う。
可動キャビティ5は、制御部6による上下移動によって、封止空間4内部に注入された樹脂に圧力を付与する。この圧力の付与により、封止対象物10に形成される樹脂封止層41の厚みと充填率を調整できる。
図2は、可動キャビティ5が下方に移動して、樹脂封止層41の厚みと充填率を調整した後の状態を示している。
従来技術においては、理論要素による理論関係式のみで決まる動作条件で可動キャビティ5の上下移動が行われていた。実施の形態1における樹脂封止装置1は、理論関係式に加えて、実際に樹脂封止が終わった成型品から得られる結果も用いて得られる決定動作条件で、可動キャビティ5を上下移動させる。
このような実際の結果をも考慮した決定動作条件で可動キャビティ5が動作することで、樹脂封止層41を、より適切な厚みと充填率にして形成することができる。この結果、実際の成形を考慮しない理論値のみによる樹脂封止層41に生じる種々の問題(厚み不足、厚みが過多、充填率の過不足、厚みの平坦性の悪さなど)を、解消することができる。
次に各部の詳細について説明する。
(決定部における動作条件の決定)
理論要素は、樹脂封止層41の厚みと樹脂の種類を含む。樹脂封止層41を形成する樹脂は、製造会社や種類などの違いがあり、これらの種類によって、樹脂封止層41を形成する際の動作条件について理論的な要素が存在する。この理論的な要素は、いわゆる工程レシピのようなものであり、理論要素は、この工程レシピを含んでいると考えればよい。
この理論要素は、関係表、関係テーブルなどの種々の形態での理論関係式として、決定部6で用いられれば良い。例えば、決定部6は、半導体メモリ、磁気メモリなどの記憶部を有しており、この記憶部が、理論関係式を記憶しておけばよい。決定部6は、この記憶部から理論関係式を読み出して、実測関係式と合わせて決定動作条件を決定する。
理論要素は、例として、樹脂の温度、封止空間4の温度、樹脂注入部8からの樹脂の注入速度および封止空間4の体積の少なくとも一つを更に含むことも好適である。これらの要素は、可動キャビティ5の動作条件を決定するのに必要であるからである。これらの要素における内容に応じて、可動キャビティ5の上下移動に種々の調整が入る。この調整が、理論関係式として、記憶される。
実測関係式の要素である実測結果は、実際に樹脂封止層41の成形が完了した成型品の樹脂封止層41の実際の厚みの実測値を含む。理論要素が、樹脂の種類やこれに関連する各要素(上述の樹脂の温度、封止空間4の体積など)を含むのに対して、実測関係式の要素は、実際の実測値を含む。
例えば、樹脂封止装置1は、複数の封止対象物10を、連続的に樹脂封止する。すなわち、順次処理で封止対象物10の樹脂封止を実行する。このため、ある封止対象物10の樹脂封止を行っている最中には、その前に樹脂封止の完了した成型品が存在している。この樹脂封止の完了した成型品での樹脂封止層41の厚みの実測値が、現在の封止対象物10の樹脂封止作業にフィードバックされることになる。
この完了した成型品の実際の実測結果が、新たな封止対象物10の樹脂封止での可動キャビティ5の上下移動の動作条件に活用される。可動キャビティ5の上下移動は、樹脂封止層41を形成する際に、もっとも重要な要素である。樹脂封止層41の厚みと充填率を決定し、封止対象物10への樹脂封止をより適切に行えるからである。
樹脂封止層41の厚みの実測値は、新しい封止対象物10の樹脂封止における決定動作条件において好適な要素である。例えば、理論関係式で想定している樹脂封止層41の厚みと、実際の成形品での樹脂封止層41の厚みに差分があることがある。これは、樹脂が注入された後で可動キャビティ5によって加圧される際に、種々の状況によって、理論関係式で想定している厚みにならないことによる。例えば、温度の違いなどである。
成形品の樹脂封止層41の厚みの実測値が、実測関係式としてフィードバックされて決定動作条件が決まる。これにより、厚みの想定と実測値が差分を有する場合でも、可動キャビティ5が、この差分を低減するような動作を行える。決定動作条件を用いて動作するからである。
このように、実測結果が、成型品の樹脂封止層41の厚みの実測値を含むことで、決定動作条件は、想定と結果との差分を埋めるように、可動キャビティ5を動作させる。
実測結果は、成型品の樹脂封止層41の位置による厚みの差分および樹脂封止層41の充填率の少なくとも一つを更に含むことも好適である。単なる樹脂封止層41の厚みだけでなく、位置による厚みの差分を含むことで、決定部6における動作条件の決定において、位置による厚みの差分が反映できる。
例えば、成型品での樹脂封止層41の全体としての厚みが目的とする厚みと異なるだけでなく、位置によって厚みにばらつきが生じていることがある。樹脂封止層41の左側の厚みに比べて、右側の厚みが小さい(あるいは大きい)といったことがあり得る。
封止対象物10の種類や特性にも依存するが、樹脂封止層41の厚みは、全体として一定であるか一定の差分に入っていることが好ましいことが多い。この厚みは、可動キャビティ5の上下移動による加圧によって定まる。この加圧において、樹脂や封止対象物10などの状況や態様によって、厚みに差分が生じることがある。
このような位置による厚みのばらつきが、実測結果として決定動作条件にフィードバックされる。このフィードバックに基づいて新たな決定動作条件が決定されるので、次の封止対象物10での樹脂封止においては、位置による厚みの差分の発生を低減できる。
例えば、樹脂封止層41の左側の厚みが右側の厚みより、小さい状態となっており、これは好ましくないとする。この厚みの差分が実測結果として、決定部6にフィードバックされる。決定部6は、この差分を想定して決定動作条件を決定して制御部7に出力する。例えば、制御部7は、可動キャビティ5の右側の加圧を左側の加圧よりも大きくするなどの動作条件である。
この動作条件によって、樹脂封止層41の厚みのばらつきが生じにくくなる。
以上のように、決定部6では、理論関係式と実測関係式の両方に基づいて、動作条件を決定する。
(実測部)
成形品の実測結果を得るための実測部を更に備えることも好適である。実測部は、樹脂封止が完了した成型品の封止対象物10において形成された樹脂封止層41の厚みを測定する。このとき、実測部は、樹脂封止層41の一か所のみの厚みを測定してもよいし、複数個所の厚みを測定してもよい。また、複数個所の厚みに基づいた厚みの平均値を測定してもよい。あるいは、複数個所の厚みの差分を測定してもよい。
図3は、本発明の実施の形態1における実測部とその周辺の模式図である。実測部9は、成型品100の封止対象物10に形成された樹脂封止層41の厚みを実際に測定する。図3では、樹脂封止層41において2か所の厚みを測定する態様が示されている。
ここで、実測部9は、信号発生部92および信号受信部93を備える。2か所の厚みを測定するのに合わせて、樹脂封止層41の表面に2か所、裏面に2か所の信号発生部92と信号受信部93とを備えている。なお、信号発生部92と信号受信部93とは、図3のように一体でもよいし、別体でもよい。
信号発生部92と信号受信部93とは、光学的処理に対応する信号を実測に用いてもよいし、電波、接触センサーなどの他の電気的、機械的な信号やこれに相当するものを用いてもよい。
ここで、信号発生部92と信号受信部93が、光学的信号、電波信号を用いる場合を例として、図3を用いて説明する。
信号発生部92は、信号を生成して、樹脂封止層41の測定位置に信号を照射する。照射された信号は、樹脂封止層41で反射して、信号受信部93が、この反射した信号を受信する。このとき、出力した信号と反射して受信した信号との変位量を、演算部91が演算する。
演算部91は、この演算結果に基づいて、測定箇所の厚みを演算する。この演算した厚みを、決定部6に出力する。例えば、図3の場合では、2カ所の厚みの実測結果を出力する。決定部6は、この測定された2カ所の厚みを実測関係式の一つとして用い、最終的な決定動作条件を決定する。
このように、信号処理を利用する厚みの実測で、成型品の樹脂封止層41の単数箇所もしくは複数個所の厚みが簡単に計測できる。結果として、成型品の実際の厚みを考慮して、可動キャビティ5の決定動作条件が決定できる。
ここで、実測結果での樹脂封止層41の厚みが、理論要素(理論関係式に含まれる)での樹脂封止層41の厚みと差分を有する場合には、決定部6は、この差分を解消できる動作条件を決定する。このように、実測結果に基づいて、想定している理論要素での樹脂封止層41の成形結果となるように、決定部6は、可動キャビティ5の動作条件を決定できる。
(動作条件と可動キャビティの動作)
決定部6は、上述の通り、想定で定まる理論関係式に加えて、製造の終わった成型品の実測に基づく実測関係式とに基づいて、可動キャビティの決定動作条件を決定する。決定部6は、この決定動作条件を制御部7に出力する。制御部7は、受け取ったこの決定動作条件に基づいて、可動キャビティ5を動作させる。
ここで、決定動作条件は、可動キャビティ5の移動速度、加圧力、封止空間4への樹脂注入後から移動開始までの待機時間、および制御部7の移動軸の座標の少なくとも一つを含む。
(移動速度)
可動キャビティ5は、封止空間4において上下移動する。なお、上下とは、ある直線方向での移動を示し、第1型枠2、第2型枠3の組み合わせの状態が、斜めや横である場合(封止空間4が斜めや横に沿っている場合)には、この斜めや横の方向に沿って移動することを含む。すなわち、可動キャビティ5は、直線方向に沿って往復移動する。
可動キャビティ5は、この上下移動によって封止空間4において、封止対象物10に近づくように移動する。この近づくような移動によって、封止空間4に注入された樹脂に圧力を加えて、樹脂封止層41を形成できる。
可動キャビティ5は、上下移動においては、このように樹脂封止層41を形成するので、移動速度によってその形成状態が変わる。移動速度は、樹脂の硬化速度と関連したり、樹脂封止層41の厚みと関連したりするからである。樹脂の種類、樹脂の温度、封止空間4の温度、樹脂の注入速度、樹脂の硬化度合(樹脂の注入後の経過時間)、封止空間4の体積、樹脂封止層41の厚みなどの、様々な条件によって、目標とする樹脂封止層41の形成が変わってくる。
これらの条件は、理論関係式と実測関係式とが結合されて、可動キャビティ5の移動速度を決定している。この結果、動作条件に含まれる移動速度に基づいて、可動キャビティ5が上下移動することで、これらの条件を考慮した樹脂封止層41の形成を行える。
例えば、樹脂の種類や樹脂封止層41の厚みによっては、移動速度が速い方が良かったり遅い方が良かったりする。動作条件で決定されている移動速度は、このような状況を考慮している。
なお、一定速度として移動速度が制御されてもよいし、変化する速度として移動速度が制御されてもよい。動作条件が含む移動速度は、一定速度、変化速度など、様々なバリエーションで定義されればよい。すなわち、移動速度は、移動中の速度変化を含む。
(加圧力)
可動キャビティ5は、上下移動において樹脂に圧力を加える。このとき、樹脂に対する圧力の度合いである加圧力をもって、樹脂に圧力を加える。可動キャビティ5は、樹脂へ圧力を付与して、樹脂封止層41を形成する。このとき、樹脂封止層41の厚みと充填率を、可動キャビティ5が調整する。
この厚みおよび充填率は、可動キャビティ5からの加圧力によって調整される。特に、樹脂の種類、樹脂の温度、封止空間4の温度など、上述した条件によって、加圧力が高いことが好ましい場合と、加圧力が低いことが好ましい場合とがある。
例えば、樹脂の種類や温度、樹脂封止層41の厚みによっては、樹脂封止層41の充填率が悪くなることがある。この場合には、可動キャビティ5による加圧力が高いことが好ましい。逆に、充填率がよくなりやすい場合には、可動キャビティ5による加圧力が低くでも大丈夫である。
このように、種々の条件に合わせて、可動キャビティ5の加圧力は制御されることが好ましい。
上述したように、理論関係式と実測結果に基づく実測関係式の両方に基づいて、動作条件の一つである加圧力が決定されている。このため、可動キャビティ5は、種々の条件を考慮した加圧力で動作する。この決定された加圧力をもって動作することで、可動キャビティ5は、最適な圧力を樹脂に付与できる。結果として、目標とする厚みと充填率での樹脂封止層41を、形成できる。
なお、加圧力は、一定の圧力値で定義されてもよいし、変化する圧力値で定義されてもよい。決定部6は、一定値、変化値など、様々なバリエーションで、加圧力を決定すればよい。
(待機時間)
決定部6は、封止空間4への樹脂注入後から可動キャビティ5の移動動作開始までの待機時間を決定する。動作条件は、この待機時間を含む。
待機時間は、封止空間4に注入された樹脂の硬化状態を示す指針となる。樹脂の種類、樹脂の量、封止空間4の温度などによって、注入された樹脂の硬化開始までの時間や硬化進行速度は変化する。
可動キャビティ5による加圧では、樹脂の硬化度合によって、樹脂の厚みや充填率が変わりうる。このため、待機時間によって、可動キャビティ5による樹脂封止層41の形成状態や結果が変化しうる。このため、樹脂の硬化度合や硬化進行を考慮した待機時間に基づいて、可動キャビティ5が動作を開始することが好ましい。
決定部6は、この待機時間を決定している。
決定部6が決定したこの待機時間に基づいて、制御部7は、可動キャビティ5を動作させる。すなわち、決定された待機時間を経過したところで、制御部7は、可動キャビティ5の移動(封止対象物10への近接動作)を開始する。
このような待機時間を経過したところで可動キャビティ5が、封止対象物10へ近接する移動を開始することで、注入された樹脂の硬化との関係が最適な状態で、樹脂への圧力が行われる。結果として、目標とする樹脂封止層41の厚みと充填率を実現できる。樹脂封止層41の厚みと充填率は、可動キャビティ5による加圧に加えて、樹脂の硬化の進み具合にも関連し、この硬化の進み具合は、待機時間によって変わりうるからである。
また、封止空間4に樹脂が注入されてから可動キャビティ5が樹脂に圧力を付与する移動までの待機時間だけでなく、可動キャビティ5の加圧を終了するまでの時間が、制御部7によって制御されてもよい。この場合も、決定部6で、終了までの時間が決定されておけばよい。
なお、樹脂注入口8から封止空間4に樹脂が注入されると、制御部7は、この樹脂が硬化する前に、可動キャビティ5の封止対象物10への近接移動を開始する。硬化前に移動を開始することで、目標とする厚みと充填率の樹脂封止層41を形成できる。
(制御部の移動軸の座標の制御)
決定部6は、制御部7の移動軸の座標も、動作条件として決定する。制御部7は、図1などに示されるように、可動キャビティ5を上下移動させる。例えば、可動キャビティ5が、下方に移動することで、封止対象物10を覆う樹脂に圧力を加える。この圧力付与により、封止対象物10に樹脂封止層41を形成する。制御部7は、可動キャビティ5を押し下げることで、この圧力付与を実行する。
ここで、制御部7は、可動キャビティ5を押し下げるので、その移動の中心軸がそれぞれ揃っていることが好ましい。可動キャビティ5は、封止空間4に収容されており、封止空間4には、封止対象物10も設置されている。すなわち、封止空間4において、封止対象物10と可動キャビティ5の中心軸は揃うように構成されている。
これに対して、制御部7は封止空間4の外部に設けられるので、封止対象物10から可動キャビティ5に繋がる中心軸と、制御部7の移動軸とが揃わないことがある。例えば、樹脂封止装置1が、2列になる場合には、左右の位置関係によって、制御部7の移動軸と可動キャビティ5の中心軸が揃わないことがある。
このような場合には、制御部7の水平面での位置を変化させて、制御部7の移動軸を、可動キャビティ5の中心軸に合わせることが必要である。
図4は、本発明の実施の形態1における樹脂封止装置であって軸合わせを示す模式図である。図4では、樹脂封止装置1の樹脂封止に必要な要素が2列で構成されている。このように2列になっている場合には、制御部7の初期の位置では、可動キャビティ5の中心軸と制御部7の移動軸がずれていることがある。
図4の矢印A1、A2に示されるように、制御部7を水平面で移動させて、制御部7の移動軸を可動キャビティ5の中心軸に合わせる。可動キャビティ5の中心軸は、封止対象物10の中心軸と合わせられている。これらが合うように、封止空間4が形成されて、封止対象物10と可動キャビティ5が設置されるからである。
制御部7は、これら中心軸に、その移動軸を合わせるように水平面で移動する。この移動によって、制御部7の移動軸が中心軸に揃う。図4は、そろった後の状態を示している。この結果、制御部7は、可動キャビティ5の中心軸を押し下げる。中心軸に沿って押し下げることで、封止対象物10へ片寄った負荷を与えない。また樹脂封止層41を適切に形成できる。例えば、樹脂封止層41が斜めになることもない。
言い換えれば、制御部7の移動軸は、封止対象物10の中心軸に合わせられる。
図5は、本発明の実施の形態1における他の態様での移動軸を合わせる状態を示す模式図である。図4と異なり、封止対象物10と可動キャビティ5の中心軸に制御部7の移動軸を合わせるために、矢印B1、B2のように移動する。制御部7は、制御部7の移動軸を、矢印B1、B2の方向に移動させる制御を行う。
図5の場合も、図4と同じく、決定部6で決定された動作条件に基づいて、制御部7の移動軸の座標が、封止対象物10と可動キャビティ5の中心軸に合わされる。
また、これら以外に、封止対象物10の温度、封止対象物10の予熱時間、第1型枠2の温度、第1型枠2の予熱時間、第2型枠3の温度、第2型枠3の予熱時間、樹脂の予熱時間のそれぞれが、動作条件として決定されもよい。
例えば、封止対象物10は樹脂封止前に加熱されることも好適である。この加熱によって目標とされる温度が、動作条件として決定されてもよい。
また、封止対象物10を目標とする温度にするまでの予熱時間(加熱時間)が、動作条件として決定されてもよい。この予熱時間が条件として決定されることで、樹脂封止の精度や結果が変わりうるからである。
第1型枠2の温度、第1型枠2の予熱時間が、動作条件として決定されてもよい。第1型枠2の温度や予熱時間によって、やはり樹脂封止の精度や結果が変わりうるからである。同じように、第2型枠3の温度、第2型枠3の予熱時間が、動作条件として決定されてもよい。
同様に、樹脂の予熱時間(加熱時間)が、動作条件の一つとして決定されてもよい。
(第1型枠、第2型枠)
第1型枠2と、第2型枠3は、封止対象物10を対となる方向から組み合わされて封止空間4を形成する。封止空間4の水平面方向の面積は、封止対象物10に形成される樹脂封止層41に合されている。このため、第1型枠2と第2型枠3とは、封止対象物10の種類(形成される樹脂封止層41の種類)によって、その形状、大きさなどが定まる。
第1型枠2と第2型枠3とは、封止空間4を形成して、そこに可動キャビティ5を備える。すなわち、樹脂封止装置1は、第1型枠2、第2型枠3および可動キャビティ5が一つの組み合わせとして、封止対象物10を挟んで構築される。この構築によって、封止対象物10を封止空間4に含んだ、樹脂封止作業を可能とする構成が実現できる。
第1型枠2と第2型枠3の組み合わせによって、封止空間4が形成される。封止対象物10は、封止空間4が形成されてから、この内部に挿入されて設置されてもよいし、封止対象物10が設置されてから第1型枠2と第2型枠3が組み合わされてもよい。いずれの場合でも、封止空間4に、封止対象物10が設置された状態となる。
(可動キャビティ)
可動キャビティ5は、封止空間4内部に収容されて、上下移動する。可動キャビティ5の断面は、封止空間4の断面と合致する形態を有していることが好ましい。可動キャビティ5が、封止空間4の封止対象物10と逆側の蓋の役割を果たし、封止空間4内部に注入された樹脂が外部に漏れ出ないようになる。特に、可動キャビティ5が下方に移動することで、樹脂に圧力を加えて樹脂封止層41を形成する場合には、可動キャビティ5が上方から樹脂に圧力を加える。このとき、可動キャビティ5の断面が封止空間4の断面と合致していることで、樹脂が上側から抜け出てしまったり漏れ出てしまったりすることを防止できる。
また、可動キャビティ5は、樹脂に圧力を加えることで、封止空間4に注入された樹脂を、封止対象物10の所定の領域に集めて層を形成できる。これが、樹脂封止層41として形成される。このため、可動キャビティ5は、先端が平面であって、封止空間の断面に沿って全体的に圧力を付与できることが好ましい。
可動キャビティ5は、樹脂封止層41を形成した後は、初期位置に戻ることが好ましい。例えば、図1、図2に示される場合には、下方に移動することで樹脂に圧力を加えることができる。この圧力付与で樹脂封止層41が形成される。その後、可動キャビティ5は、上方に戻る。この結果、次の封止対象物10が設置されると、同じように下方に移動して圧力を付与できる態勢が整う。
可動キャビティ5が、このように加圧のための移動と、初期位置に戻る移動を繰り返すことで、連続的に封止対象物10の樹脂封止を行うことができる。
なお、封止対象物10が下方にあるのか上方にあるのかで、可動キャビティ5の上下移動の方向は、逆になる。
(封止対象物)
封止対象物10は、図1などで示されるように、電子基板12に実装された半導体素子11や電子素子である。例えば、半導体集積回路や、パワー素子などである。
以上、実施の形態1における樹脂封止装置1は、可動キャビティ5によって樹脂封止が行える。更にこのとき、理論要素からの理論関係式に加えて、実際の成形品からの実測関係式に基づいた動作条件で可動キャビティ5が動作するので、より確実に目標とする厚みと充填率での樹脂封止層41を形成することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、可動キャビティ5の位置修正について説明する。
(可動キャビティの位置修正)
可動キャビティ5は、実施の形態1で説明したように、樹脂への圧力を加える移動の後、元の位置(初期位置)に戻る。初期位置に戻ることで、次の封止対象物10への樹脂封止処理を連続的に行うことができる。例えば、図2は、可動キャビティ5が下方に移動している状態を示している。図1は、可動キャビティ5が下方に移動する前の初期位置にある状態を示している。このため、図1の状態は、図2での下方移動による加圧が終わってから、可動キャビティ5が初期位置に戻った状態も示している。
ここで、可動キャビティ5が、加圧後に初期位置に戻らずに、加圧で移動した後の位置や初期位置以外の位置に留まったままになることがありうる。あるいは、戻ったとしても、あるべき初期位置に戻りきれないこともありうる。このように、初期位置と異なる位置のままになってしまうことがありうる。このような位置になっていると、次の封止対象物10の樹脂封止ができなくなったり、不十分な封止になったりする問題がある。
図6は、本発明の実施の形態2における樹脂封止装置の正面図である。図6に示される樹脂封止装置1は、位置検出部20を備える。位置検出部20は、可動キャビティ5の位置を検出する。可動キャビティ5は、上下移動可能であり、加圧であったり、加圧の後での戻りであったりで位置を変える。位置検出部20は、この可動キャビティ5の位置を検出する。
ここで、上述の通り、可動キャビティ5は加圧後に初期位置に戻ることが必要である。しかしながら、何らかの理由で初期位置に戻らないことがある。この場合には、位置検出部20は、可動キャビティ5が、初期位置と異なる位置にあることを検出する。
位置検出部20が、この位置の相違を検出した場合には、この検出結果を制御部7に出力する。制御部7は、可動キャビティ5の位置を修正する。例えば、制御部7は、可動キャビティ5を初期位置に近づけるあるいは初期位置に合せるように移動させる。この移動によって、可動キャビティ5は、初期位置に近い位置もしくは初期位置に戻る。その後、次の封止対象物10の樹脂封止処理を、適切に行うことができる。
図7は、本発明の実施の形態2における樹脂封止装置の正面図である。図7に示される樹脂封止装置1は、位置検出部20と修正部30を備える。図7に示される樹脂封止装置1は、初期位置と異なる位置にある可動キャビティ5を、修正部30が修正する。
図6の場合には、可動キャビティ5の上下移動を行う制御部7が、初期位置とのずれ(加圧中ではなく、加圧後などの本来は、初期位置になければならない場合でのずれ)を修正する。しかしながら、初期位置とのずれが生じるのは、制御部7による初期位置への戻し機構に何らかの不具合がある可能性がある。この場合に、制御部7によって初期位置への復帰動作が不十分となる可能性がある。
このような状況に対応するために、初期位置と異なることを検出する場合には、制御部7と別要素である修正部30が、可動キャビティ5を初期位置に戻すように修正する。別要素であることで、制御部7の機能と別に、強制的に可動キャビティ5を初期位置に戻すことができる。あるいは、初期位置に近い位置に戻すことができる。
図7の場合には、制御部7による修正を待たずして可動キャビティ5の位置を復帰させることができるので、種々の不具合がある場合でも、可動キャビティ5を初期位置に近づけることができる。
なお、修正部30は、弾性体などの機構を利用して初期位置に戻す(近づける)処理を行ってもよい。他の電子的機構や機械的機構によって実現してもよい。
以上、実施の形態2における樹脂封止装置1は、可動キャビティ5が、連続して樹脂封止を行えるようにできる。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。実施の形態3では、樹脂封止層41を形成する樹脂として、樹脂シートが用いられる場合について説明する。実施の形態1,2では、樹脂注入口8から封止空間4に樹脂が注入された。この注入された樹脂に対して、可動キャビティ5の加圧によって樹脂封止層41が形成された。
実施の形態3の樹脂封止装置1では、樹脂注入口8から樹脂が注入されるのではなく、樹脂シートが封止対象物10の上に設置される。この設置された樹脂シートに可動キャビティ5の圧力が加わり、樹脂封止層41が形成される。
図8は、本発明の実施の形態3における樹脂封止装置の正面図である。
図8の樹脂封止装置1では、封止空間4に樹脂シート40が設置されている。このとき、可動キャビティ5が上方から下方に向けて移動して圧力を加える構成であって、封止対象物10が可動キャビティ5の下方にある構成であるので、樹脂シート40は、封止対象物10の上に設置されている。
樹脂封止装置1は、別要素である第1型枠2、第2型枠3、可動キャビティ5が組み合わされて使用される。このため、可動キャビティ5が封止空間4に挿入される前に、樹脂シート40が樹脂封止装置10の上に設置されればよい。
図8のように封止対象物10の上に樹脂シート40が設置された状態で、加圧キャビティ5が下方に移動して圧力を加える。この圧力の付与によって、樹脂シート40が、封止対象物の上に適切な形状、厚みとなって、樹脂封止層41を形成できる。
ここで、樹脂シート40の外形サイズによって、樹脂封止層41の厚みが変化する。封止対象物10によって、形成される樹脂封止層41の厚みは、目標とする厚みがあり、この厚みに合う樹脂シート40が使用されることが好ましい。
決定部6は、封止対象物10の種類、外形、厚みおよび樹脂シート40の特性に基づいて、樹脂シート40の外形サイズを決定する。樹脂シート40は、加圧によって樹脂封止層41を形成する。このとき、決定部6が、上述のような基準に基づいて樹脂シート40の外形を決定しておくことで、加圧によって目的とする厚みの樹脂封止層41を形成できる。
このように決定された外形サイズに合致する樹脂シート40が、封止対象物10に設置されればよい。その後、実施の形態1、2で説明した動作条件に基づいて、可動キャビティ5が動作することで、樹脂シート40に加わる圧力によって目標とする樹脂封止層41が形成できる。
図9は、本発明の実施の形態3における樹脂封止層が形成された後の樹脂封止装置の正面図である。図8に続いて可動キャビティ5が加圧することで、図9のように、樹脂封止層41が形成できる。
なお、決定部6が決定する外形サイズは、封止空間4の断面積以下となる。断面積以下となることで、樹脂シート40が、封止空間4に挿入できるからである。
以上のように、実施の形態3における樹脂封止装置1は、注入ではなく樹脂シート40によって樹脂封止層41を形成できる。樹脂シート40を用いることで、樹脂注入の手間が省け、作業効率が向上する。加えて、封止対象物10の特性などを考慮して、決定部6が樹脂シート40の外形サイズを決定する。これらによって、樹脂シート40を用いた最適な樹脂封止層41の形成ができる。
なお、実施の形態1〜3で説明した樹脂封止装置1を用いた樹脂封止方法も、本発明の範囲である。すなわち、次のようなプロセスを有する樹脂封止方法である。
封止対象物10の第1方向から取り付けられる第1型枠2と、
第1方向と逆の第2方向から取り付けられる、第1型枠2と対になって組み合わされる第2型枠3と、
第1型枠2と第2型枠3との組み合わせによって、封止対象物10の周囲に形成される封止空間4と、
第1型枠2および第2型枠3の少なくとも一方に設けられる、封止空間4内部で上下に移動可能な可動キャビティ5と、
可動キャビティ5の動作である動作条件を決定する決定部6と、
決定部6で決定された動作条件で可動キャビティ5の動作を制御する制御部7と、
封止空間4に、封止対象物10に樹脂封止層41を形成する樹脂を注入する樹脂注入部8と、を、備え、
可動キャビティ5は、封止空間4の内周に合致して上下移動可能であり、
決定部6は、
理論要素に基づいて、可動キャビティ5の動作条件を決定する相関関係を示す、理論関係式と、
樹脂封止層41の形成が完了した成型品の実測結果に基づいて、可動キャビティ5の動作条件を決定する相関関係を示す、実測関係式と、
の両方に基づいて、最終的な動作条件を決定し、
制御部7は、最終的に決定された動作条件で、可動キャビティを上下移動させ、
可動キャビティ5は、制御部7による上下移動によって、封止空間4内部の樹脂に圧力を付与して、樹脂封止層41の厚みと充填率を調整できる。
このようなプロセスを含んだ方法で、樹脂封止層41を形成できる。
なお、実施の形態1〜3で説明された樹脂封止装置、樹脂封止方法は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 樹脂封止装置
2 第1型枠
3 第2型枠
4 封止空間
5 可動キャビティ
6 決定部
7 制御部
8 樹脂注入部
9 実測部
10 封止対象物
11 半導体素子
12 電子基板
40 樹脂シート
41 樹脂封止層

Claims (6)

  1. 封止対象物の第1方向から取り付けられる第1型枠と、
    前記第1方向と逆の第2方向から取り付けられる、前記第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、
    前記第1型枠と前記第2型枠との組み合わせによって、前記封止対象物の周囲に形成される封止空間と、
    前記第1型枠および前記第2型枠の少なくとも一方に設けられる、前記封止空間内部で上下に移動可能な可動キャビティと、
    前記可動キャビティの動作である動作条件を決定する決定部と、
    前記決定部で決定された動作条件で前記可動キャビティの動作を制御する制御部と、
    前記封止空間に、前記封止対象物に樹脂封止層を形成する樹脂を注入する樹脂注入部と、を、備え、
    前記可動キャビティは、前記封止空間の内周に合致して上下移動可能であり、
    前記決定部は、
    理論要素に基づいて、前記可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、理論関係式と、
    樹脂封止層の形成が完了した成型品の実測結果に基づいて、前記可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、実測関係式と、
    の両方に基づいて、最終的な動作条件を決定し、
    前記制御部は、最終的に決定された前記動作条件で、前記可動キャビティを上下移動させ、
    前記可動キャビティは、前記制御部による上下移動によって、前記封止空間内部の前記樹脂に圧力を付与して、前記樹脂封止層の厚みと充填率を調整でき、
    前記可動キャビティの位置を検出する位置検出部と、
    前記可動キャビティの位置を初期位置に戻す修正部をさらに備え、
    前記修正部は、弾性体機構、電子的機構および機械的機構のいずれかにより構成され、
    前記可動キャビティの位置が、前記樹脂封止層の形成後において初期位置に戻らない場合であって、前記可動キャビティの上下移動を制御する前記制御部が、前記可動キャビティを前記初期位置に戻すことができない場合には、
    前記位置検出部が、前記可動キャビティの位置が前記初期位置に戻らないことを検出して前記修正部に通知し、
    前記制御部と異なる要素である前記修正部は、前記樹脂封止層の形成後に前記初期位置に戻っていない前記可動キャビティの位置を、前記初期位置に戻す、樹脂封止装置。
  2. 前記理論要素は、前記樹脂封止層の厚みと樹脂の種類、前記樹脂の温度、前記封止空間の温度、前記樹脂注入部からの樹脂の注入速度および前記封止空間の体積の少なくとも一つを含み、
    前記実測結果は、前記成型品の前記樹脂封止層の厚みの実測値を含む、請求項記載の樹脂封止装置。
  3. 前記動作条件は、前記可動キャビティの移動速度、加圧力、前記封止空間への樹脂注入後から移動開始までの待機時間、前記封止対象物の温度、前記封止対象物の予熱時間、前記第1型枠の温度、前記第1型枠の予熱時間、前記第2型枠の温度、前記第2型枠の予熱時間、前記樹脂の予熱時間、および前記制御部の移動軸の座標の少なくとも一つを含む、請求項1または2記載の樹脂封止装置。
  4. 前記制御部の移動軸の座標は、水平方向の移動によって、前記封止対象物の中心に合わせられる、請求項記載の樹脂封止装置。
  5. 前記封止対象物は、電子基板に実装された電子素子である、請求項1から4のいずれか記載の樹脂封止装置。
  6. 封止対象物の第1方向から取り付けられる第1型枠と、
    前記第1方向と逆の第2方向から取り付けられる、前記第1型枠と対になって組み合わされる第2型枠と、
    前記第1型枠と前記第2型枠との組み合わせによって、前記封止対象物の周囲に形成される封止空間と、
    前記第1型枠および前記第2型枠の少なくとも一方に設けられる、前記封止空間内部で上下に移動可能な可動キャビティと、
    前記可動キャビティの動作である動作条件を決定する決定部と、
    前記決定部で決定された動作条件で前記可動キャビティの動作を制御する制御部と、
    前記封止空間に、前記封止対象物に樹脂封止層を形成する樹脂を注入する樹脂注入部と、を、備え、
    前記可動キャビティは、前記封止空間の内周に合致して上下移動可能であり、
    前記決定部は、
    理論要素に基づいて、前記可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、理論関係式と、
    樹脂封止層の形成が完了した成型品の実測結果に基づいて、前記可動キャビティの動作条件を決定する相関関係を示す、実測関係式と、
    の両方に基づいて、最終的な動作条件を決定し、
    前記制御部は、最終的に決定された前記動作条件で、前記可動キャビティを上下移動させ、
    前記可動キャビティは、前記制御部による上下移動によって、前記封止空間内部の前記樹脂に圧力を付与して、前記樹脂封止層の厚みと充填率を調整でき、
    前記可動キャビティの位置を検出する位置検出部と、
    前記可動キャビティの位置を初期位置の戻す修正部をさらに備え、
    前記修正部は、弾性体機構、電子的機構および機械的機構のいずれかにより構成され、
    前記可動キャビティの位置が、前記樹脂封止層の形成後において初期位置に戻らない場合であって、前記可動キャビティの上下移動を制御する前記制御部が、前記可動キャビティを前記初期位置に戻すことができない場合には、
    前記位置検出部が、前記可動キャビティの位置が前記初期位置に戻らないことを検出して前記修正部に通知し、
    前記制御部と異なる要素である前記修正部は、前記樹脂封止層の形成後に前記初期位置に戻っていない前記可動キャビティの位置を、前記初期位置に戻す、樹脂封止方法。
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