JP6709701B2 - シリマリンの球状顆粒 - Google Patents

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本発明は、シリマリンの顆粒に関する。
近年、フラボノイドやカテキン、植物性色素のようなポリフェノール化合物の機能性に着目して、これらを含有する組成物が多く開発されている。
シリマリンは、このようなポリフェノール化合物をふくむ天然抽出物のひとつであり、マリアアザミ(学名:Silybum marianum(L.)Gaertn)と呼ばれる植物の種子から抽出されたエキスである。シリマリンは、その構成成分としてフラボノリグナンに分類されるシリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンを含むことが知られている。
シリマリンは肝臓機能強化や老化防止に有用であり、さらには紅斑、火傷、皮膚又は粘膜のジストロフィー状態、皮膚炎等の治療における治癒を促進し、外部環境からの刺激(放射線、風、太陽等)から皮膚を保護するのに有用であることが知られている(特許文献1)。また、シリマリンの皮脂分泌抑制効果(特許文献2)、表皮透過バリア強化効果(特許文献3)、乾癬及びアトピー性皮膚炎の治療効果(特許文献4)、表皮の扁平化改善効果(特許文献5)が知られている。
シリマリンは、賦形剤を添加して錠剤とすることが通常ではあるが、シリマリンを打錠用組成物に10%以上配合した場合、打錠に際して、キャッピング等の打錠トラブルが頻発したり、適切な錠剤物性(硬度や崩壊時間)が得られないことから、シリマリンを高配合した錠剤の製造は困難であった。このため、シリマリンを高配合した経口剤を製造する場合、ハードカプセルに充填したカプセル剤とすることが一般的に行われている。しかしながら、カプセル剤としても、シリマリンの配合量を40%以上とすることは、実質的に困難であった。その理由としては、シリマリンは極めて流動性の悪い粉末であるため、カプセル充填に適した充填末とするためには、賦形剤が多く必要とされた。
流動性を改善するためにシリマリンを造粒物とすることが考えられるが、シリマリンは水不溶性であり、シリマリンを単独で造粒した場合、かさ密度の低い造粒物となり、充填量が低くなってしまう事から、造粒の際にも多くの賦形剤が必要とされた。
前述した方法のほか、シリマリンの粉末そのものの流動性を向上させる方法も考えられる。流動性の良い顆粒とするためには、顆粒の表面の凹凸を極力減らすとともに、顆粒の形状を真円に近づけ球状とする。球状とすることで摩擦係数が減り、流動性の良い顆粒となる。しかしながら、シリマリンの顆粒でこのような物性を有するものは知られていない。
特開平01−100132号公報 特開2000−169332号公報 特開2000−169328号公報 特開平05−286864号公報 特開2004−091397号公報
本発明は、シリマリン高含有の球状顆粒を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
1.シリマリンのみで形成された球状の顆粒。
2.顆粒の円形度が0.90以上である1に記載の顆粒。
3.顆粒の平均粒子径が0.20〜0.40mmである1又は2に記載の顆粒。
4.顆粒が、シリマリンの微小粒子の凝集体から構成されており、構成する微小粒子の定方向最大径が0.3〜4.0μmである、1〜3のいずれかに記載の顆粒。
5.顆粒の安息角が40度以下である、1〜4のいずれかに記載の顆粒。
6.シリマリンがフラボノリグナンをシリビン換算で80質量%以上含有する1〜5のいずれかに記載の顆粒。
7.1〜6のいずれかに記載の顆粒からなるシリマリン含有顆粒剤。
8.1〜6のいずれかに記載の顆粒を充填したシリマリン含有カプセル剤。
本発明により、シリマリンを高含有する球状の顆粒が提供される。この顆粒は、球状を呈しているため通常の賦形剤を配合して造粒されたシリマリン球状顆粒や一般的な顆粒剤と比較して流動性に富み、さらに圧縮成型性に適しており、少量の賦形剤を配合して成型することが可能である。
また打錠に際し、キャッピングやスティッキングを起こしにくい特性を有している。
顆粒の流動性が高いため、この球状の顆粒単独で、あるいはその他の薬効成分を含む顆粒と混合して、3方シールを施した顆粒剤とすることができる。また、ハードカプセルに充填してカプセル剤とすることが可能となる。
さらに、このシリマリンの球状顆粒は、賦形剤を含まないため、シリマリン含量が80〜100質量%という極めて高含有の顆粒剤となる。したがって必要量を投与するための1包当たりの配合量やカプセルのサイズを低減できるため服用性に優れた顆粒剤、あるいはカプセル剤とすることが可能となる。
本発明のシリマリン球状顆粒は、フラボノリグナンの溶解性が改善されており、溶出試験を行うと、原料であるシリマリン抽出物の3倍以上の溶出速度でフラボノリグナンが溶出される。
さらに、本発明のシリマリン球状顆粒は、かさ密度が0.4〜0.6g/mL、安息角が25〜40度、平均粒子径0.20〜0.40mm、であり、また円形度は0.90〜0.99と、ほぼ真球であるため、極めて流動性に優れた粉体として挙動するため、マリアアザミ抽出物に比して取り扱いが容易な顆粒である。
比較例の粉末の肉眼観察の画像である。 実施例1の球状顆粒の肉眼観察の画像である。 比較例の粉末の顕微鏡観察画像である。 実施例1の球状顆粒の顕微鏡観察画像である。 比較例の粉末の走査型電子顕微鏡観察画像である。 実施例1のシリマリン球状顆粒の走査型電子顕微鏡観察画像である。 シリマリン球状顆粒の走査型電子顕微鏡観察画像をさらに拡大した画像である。 比較例と実施例1の顆粒を用いた溶出試験の結果を示すグラフである。
本発明は、シリマリンのみで形成された球状の顆粒に関する発明である。
シリマリン(Silymarin;CAS No.65666−07−1)は、キク科マリアアザミ(学名シリバム・マリアナムSilybum marianum Gaertn、別名オオアザミ、オオヒレアザミ、ミルクアザミ;CAS No.84604−20−6)から抽出されるフラボノリグナンの総称であり、分子式C252210で表される、シリビン(Silybin;CAS No.22888−70−6)、シリジアニン(Silydianin;CAS No.29782−68−1)、シリクリスチン(Silychristin;CAS No.33889−69−9)、イソシリビン(Isosilybin;CAS No.72581−71−6)などを含有している組成物である(天然薬物事典、奥田拓男編、廣川書店、昭和61年3月3日発行参照)。
本発明においては、シリマリンを含む植物体から抽出した抽出物に含有されるこれらのフラボノリグナンを含有している組成物を従来技術と同様、シリマリンと呼ぶ。例えば、シリマリンを含む植物体から抽出した抽出物としては、マリアアザミ抽出物がある。シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンなどの成分を、本発明においてはシリマリン類と総称する。
またシリマリンは前記の通りフラボノリグナンの混合物であり、シリマリンとしての植物抽出物や植物中の含有量は、分光光度計による測定に基づいた方法(Wagner,H.,etal.,Arzneim.Forsch,18,696,1968.)、薄層クロマトグラフィーによる方法(Wagner,H.,etal.,Arzneim.Forsch,24,466,1974.)、高速液体クロマトグラフィーによる方法(Tittel,G.,etal.,J.Chromatogr.,135,499,1977.、Tittel,G.,etal.,J.Chromatogr.,153,227,1978.、Quercia,V.,etal.,Chromatography in Biochemistry,Medicine and Enviromental Research,Frigerio A.(Ed).,Elsevier Scientific Publishing Company,Amsterdam,1983,p1.)により測定可能である。これらの測定法の中でも、分光光度計による測定に基づいた方法の一つである2,4−ジニトロヒドラジン分析は、ドイツ薬局方(Silybum marianumの果実に関するモノグラフ)に報告されており、広く用いられている。
シリマリンをマリアアザミの果実から高純度で単離する方法として、70〜80%の純度で単離する方法や、90〜96%の純度で単離する方法(特公昭63−41396号公報)が既に報告されている。シリマリンは通常マリアアザミの種実からエタノール、酢酸エチル、アセトンなどにより抽出し、スプレードライにより乾燥粉末として得ることのできる抽出物として市販されている。本発明に使用するシリマリンはこのようにして調製されて、市販されているシリマリンをそのまま用いることができる。また、マリアアザミからシリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンなどのシリマリンの構成成分を濃縮した抽出物及びそれらを単離、精製して用いることができる。
本発明におけるシリマリンを含む植物体は、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部などの地上部、根、塊茎などの地下部、種子、樹脂などのすべての部位が使用可能である。
本発明におけるシリマリン及びそれを含む植物体は、乾燥させた乾燥物を、各種溶媒を用いて抽出する。例えば、水又はエタノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、エーテル、アセトン、酢酸エチルなどの有機溶媒を用いて抽出し、これを各種方法で溶剤を除去した後、乾燥させた粉末を本発明のシリマリンの原料として使用できる。
本発明におけるシリマリンは、天然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥させたり、醗酵させたりしたものから常法により抽出する。さらに常法に従って、再抽出、濃縮、粉末化などの処理を行って粉末として得ることができる。本発明にはこれらの粉末を使用することができる。また市販されているシリマリン粉末としては、「シリマリンET」や「シリマリンETG」など(いずれもインデナ社製)を例示できる。シリマリン中には、前記のシリビンなどのシリマリン類が50質量%以上含有するものが好ましく、特に好ましくは、フラボノリグナンであるシリマリン類をシリビン換算で80%以上含有するものである。
本発明では、このようなフラボノリグナンを含むマリアアザミ抽出物であって、シリマリン類を50質量%以上含有する組成物を以下「シリマリン」と呼ぶ。本発明のシリマリンのみで形成された球状の顆粒を原料として打錠成型する場合は、錠剤中に10〜70質量%配合する。
以下本発明においては、シリマリンのみで形成された球状顆粒を「シリマリン球状顆粒」と呼ぶ。
本発明のシリマリン球状顆粒は、上記したシリマリンを圧縮、剪断、衝撃の力を繰り返し作用させて、シリマリンを微細化し、さらに、この操作を繰り返すことによって微小粒子化し、微小粒子を複合化させ、さらに球状化する。シリマリン球状顆粒は、必要に応じて篩い分けして粒子の大きさをそろえることができる。圧縮、せん断、衝撃の繰り返しによって微小粒子を調製しながら同時に複合化する手段として、乾式複合化装置を利用することができる。この手段としての乾式複合化装置は、ホソカワミクロン株式会社製の「ノビルタNOB(製品名)」を利用することができる。ノビルタNOBは、混合容器内でロータが高速回転しながら、原料に衝撃、圧縮、せん断の力を作用させ、原料を微細化し、この微細化粒子の表面形状を加工しながら自動的に複合粒子を製造する装置である(特開2010−180099号公報参照)。
また、個々に微粉砕機能、圧縮機能、せん断機能、衝撃機能を有する個別装置を用いて、微粉砕したシリマリンに繰り返し、せん断、衝撃、圧縮操作を繰り返すことでシリマリン粒子を複合化し、さらに運転を継続することで本発明のシリマリン球状顆粒とする。
シリマリン球状顆粒は、シリマリンのみで形成された球状顆粒であって、顆粒が、微小粒子の凝集体である構造を有している。凝集体は、定方向最大径が0.3〜4.0μmの粒子が強く結合している。凝集体の表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、この構造を良く理解することができる。
シリマリン球状顆粒は、上記した乾式複合化装置により調製されたさまざまな形状と大きさの粒子の結合体(複合化物)であって、装置内で回転しながら球状となる。球状化した顆粒は、篩い分けすることによって所望とする粒径を有するシリマリン球状顆粒として得ることができる。このようにして得られたシリマリン球状顆粒は、かさ密度が0.4〜0.6g/mL、安息角が25〜40度、平均粒子径0.2〜0.4mm、である。また円形度は0.90〜0.99と、ほぼ真球であるため極めて流動性のある粉体として挙動する。
シリマリン球状顆粒は、顆粒剤またはハードカプセルに充填したカプセル剤とすることができる。カプセル剤は、シリマリン球状顆粒をカプセル充填することで容易に加工剤とすることができる。さらにシリマリン球状顆粒は、賦形剤を添加して打錠成型することでシリマリンを高濃度に含有する錠剤を得ることができる。
また、本発明のシリマリン球状顆粒を含む錠剤には、必要に応じてセルロースやステアリン酸カルシウムなどの賦形剤や滑沢剤、その他の有効成分(生理活性成分)を添加することもできる。
以下、本発明を試験例、実施例、比較例により更に具体的に説明する。
<シリマリン球状顆粒の製造例>
<実施例1>
シリマリンとして市販のシリマリン原末である「シリマリンETG」(インデナ社製、フラボノリグナン65%含有)を用いてシリマリン球状顆粒を調製した。
またシリマリン球状顆粒を製造装置としてホソカワミクロン株式会社製乾式複合化装置「ノビルタNOB−130」を使用した。「ノビルタNOB−130」は、水平円筒状の混合容器内でロータが周速10m/s以上の高速で回転して、圧縮、せん断、衝撃の力が粒子個々に均一に作用するように設計されている。回転数と運転時間の調節により、微粒子化と複合化を同時に進行させることが可能な装置である。本体ケーシングは水冷ジャケット構造になっており、高いエネルギーを加えても品温の上昇を抑制できる。この装置に「シリマリンETG」300gを投入し、装置の使用マニュアルにしたがって、冷媒温度20℃で1kWの条件で10分間運転し、衝撃、圧縮、せん断を繰り返し、275gのシリマリン球状顆粒を回収した。
<実施例2>
実施例1と同様にシリマリンとして市販のシリマリン原末である「シリマリンETG」を用いてシリマリン球状顆粒を調製した。
「ノビルタNOB−130」に「シリマリンETG」300gを投入し、装置の使用マニュアルにしたがって、冷媒温度20℃で1kWの条件で20分間運転し、衝撃、圧縮、せん断を繰り返し、271gのシリマリン球状顆粒を回収した。
<比較例>
比較例として、上記の「シリマリンETG」の粉末を試料として以下の試験を行った。
<粉体特性>
実施例1及び実施例2のシリマリン球状顆粒、及び比較例の粉末の外観、かさ密度、安息角を測定した。またレーザー回折式粒度分布装置(Malvern社製、マスターサイザー2000)により、頻度粒子径(10%頻度粒子径d10、50%頻度粒子径d50(平均粒子径)、90%頻度粒子径d90)を測定した。顆粒の円形度は、画像解析式粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル株式会社製)を用いて測定した。円形度は「粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長/粒子投影図の周囲長」により求められ、顆粒が真球のとき、円形度は最大値1になり、細長くなるほど、0に近づく。すなわち1に近いほど真球の形状であるということができる。顆粒のシャープネスは「[d50/d10+d90/d50]/2」により求められ、1に近いほど粒度の揃った顆粒であるということができる。
1.肉眼観察結果
比較例の粉末の肉眼観察の画像を図1、実施例1の球状顆粒の肉眼観察画像を図2に示す。比較例は、種々の大きさの粒子が混合した状態であり、実施例1は、ノビルタNOB−130の処理によりシリマリンの持つ黄色が薄くなっていた。
2.粉体特性
比較例の粉末、実施例1、2の球状顆粒のかさ密度及び安息角、頻度粒子径(10%頻度粒子径d10、50%頻度粒子径d50(平均粒子径)、90%頻度粒子径d90)、粒子のシャープネス、円形度の測定結果を下記の表1に示す。
かさ密度は、比較例が高く、実施例1、2はほぼ同等であった。また安息角は、測定した実施例1は、小さな値を示したがこれは、粒子の流動性が高いことを示している。また円形度の測定値は、実施例1、2の粒子は円形度が高くほぼ真球に近い値を示した。
10%頻度粒子径d(10)、50%頻度粒子径d(50)、90%頻度粒子径d(90)の値およびこの数値から求めたシャープネスは、実施例1,2の顆粒が極めて粒子サイズのそろったものであることがわかった。
<粒子の形状観察(顕微鏡観察)>
比較例及び実施例1の顆粒の顕微鏡観察画像を図3、図4に示す。実施例1の粒子は極めて大きさの揃った球状の形状を呈していることがわかる。
<粒子の構造観察(走査型電子顕微鏡観察)>
比較例の観察画像を図5、実施例1の観察画像を図6に示した。各粒子の微細構造を、走査型電子顕微鏡による観察によって確認した。
比較例は粒子表面が滑らかな構造をしているのに対し、実施例1は粒子の表面が極めて微細な粒子構造を有していることが確認された。
<実施例1の球状顆粒の微細構造観察>
上記の観察結果に基づいて、実施例1のシリマリン球状顆粒の観察画像をさらに拡大した画像を図7に示す。この画像から、実施例1のシリマリン球状顆粒は、極めて微細な粒子が凝集した構造を有していることがわかる。この凝集体を構成する粒子の大きさを定方向最大径として測定した。測定は、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S−3400)より得られた画像中の粒子200個について、画像解析・計測ソフトウエア(三谷商事株式会社製、Win ROOF)により求めた。測定結果を下記の表2に示す。
実施例1のシリマリン球状顆粒は、定方向最大径が平均0.9μmの微小粒子からなる凝集体であることが判明した。
<溶出試験>
比較例、実施例1の顆粒を用いて溶出試験を行った。
溶出試験は、第十六改正日本薬局方に記載の溶出試験法(パドル法)に基づき、恒温水槽式溶出試験器(NTR−6400、富山産業株式会社)を用いて試験を行った。
試験液として溶出試験第2液を使用し、1つのベッセルに試料100mgを投入して回転数100rpm、試験溶液温度37℃にて実施した。
試験液を一定時間ごとにサンプリングを行った。サンプリング液は孔径0.45μmのメンブランフィルターを通過させた後、0.1Mの炭酸ナトリウムを等量加え、試料溶液とした。試料溶液中のフラボノリグナン量を紫外可視分光光度計(波長319nm、UV−2450、株式会社島津製作所)で測定し、顆粒中のフラボノリグナンの溶出率を算出した。
結果を図8に示す。図から明らかなように比較例粉末は120分経過後の溶出率10.40%、360分経過後の溶出率13.38%であるのに対して実施例1の球状顆粒の120分経過後の溶出率は36.20%、360分経過後の溶出率は46.94%と3倍以上の高い溶出率を示した。
<カプセル製剤の製造>
実施例1の球状顆粒を、卓上型カプセル充填機(カプスゲル・ジャパン株式会社製)を使用して、ハードカプセル(サイズ2号、重量63mg)の分離したハードカプセルボディ部の端面まで充填し、嵌合を行った。その結果、平均総重量319mg、平均充填量256mgのシリマリン顆粒を充填したハードカプセル剤を得た。

Claims (7)

  1. シリマリンのみで形成された球状の顆粒であって、顆粒が、シリマリンの微小粒子の凝集体から構成されており、構成する微小粒子の定方向最大径が0.3〜4.0μmである球状顆粒
  2. 顆粒の円形度が0.90以上である請求項1に記載の顆粒。
  3. 顆粒の平均粒子径が0.20〜0.40mmである請求項1又は2に記載の顆粒。
  4. 顆粒の安息角が40度以下である、請求項1〜のいずれかに記載の顆粒。
  5. シリマリンがフラボノリグナンをシリビン換算で80質量%以上含有する請求項1〜のいずれかに記載の顆粒。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の顆粒からなるシリマリン含有顆粒剤。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の顆粒を充填したシリマリン含有カプセル剤。
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