JP6709255B2 - 内燃機関の冷却構造 - Google Patents
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Description
自動二輪車の前輪と後輪の間で車体の左右車幅方向の中央に内燃機関が搭載され、
内燃機関は、クランクケースの上にシリンダブロックとシリンダヘッドを順次重ねて締結して機関本体が構成され、
前記シリンダブロックは、シリンダボアの周囲を冷却液が通るシリンダブロック内液路を有し、
前記シリンダヘッドは、燃焼室の周囲を冷却液が通るシリンダヘッド内液路を有し、
冷却液ポンプにより冷却液を前記シリンダブロック内液路と前記シリンダヘッド内液路に循環させる冷却液循環経路に、冷却液を空冷するラジエータを経由するラジエータ経由通路と前記ラジエータを迂回するバイパス通路が介装され、
前記ラジエータ経由通路による循環と前記バイパス通路による循環を切替えるサーモスタットが設けられた内燃機関の冷却構造において、
前記シリンダブロック内液路は、隔壁によって前記シリンダボア(24b)の中心軸線であるシリンダ軸線の軸線方向の上下に区画されてシリンダブロック内上側液路とシリンダブロック内下側液路とからなり、
前記シリンダブロック内下側液路が前記バイパス通路を構成している内燃機関の冷却構造を提供する。
前記シリンダブロック内下側液路は、前記シリンダブロックのシリンダボアの外周囲を囲うように環状に形成される。
前記ラジエータは、ラジエータコアを挟んで左右にラジエータタンクを有して、前記内燃機関の前方に配置され、
前記サーモスタットと前記冷却液ポンプが、前記機関本体の左右車幅方向の左右に振り分けて配置され、
前記機関本体の左右一方の側の前記サーモスタットと左右同じ側のラジエータタンクとが冷却液配管で接続され、
前記機関本体の左右他方の側の前記冷却液ポンプと左右同じ側のラジエータタンクとが冷却液配管で接続される。
前記シリンダブロック内液路を区画する前記隔壁は、前記シリンダブロックのシリンダボア内をシリンダ軸線の軸線方向に摺動するピストンの頂面が移動するピストン頂面移動範囲のうち中間よりクランクケース側に偏っている。
前記シリンダブロック内上側液路と前記シリンダヘッド内液路は、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドの間に挟まれるガスケットの連通孔を介して連通し、
前記サーモスタットは、そのサーモスタットケースが前記シリンダヘッド内液路の流出部において前記シリンダヘッドに一体に形成される。
前記サーモスタットは、前記シリンダヘッド内液路から流出した冷却液を前記ラジエータ経由通路と前記バイパス通路のいずれかに選択的に流すとともに、
前記シリンダヘッド内液路から流出した冷却液の一部を常時前記バイパス通路に漏出する漏出通路を備える。
前記バイパス通路の一部をなす前記シリンダブロック内下側液路における下側液路流入口は、前記シリンダブロックの前側壁または後側壁に形成される。
前記シリンダブロック内下側液路における下側液路流出口と前記シリンダブロック内上側液路における上側液路流入口が、互いに隣接して前記シリンダブロックの前側壁に形成され、
前記下側液路流出口に接続される下側液路流出接続管と前記上側液路流入口に接続される上側液路流入接続管が、一体に形成される。
前記ラジエータから流出する冷却液を導くラジエータ流出配管と前記冷却液ポンプに冷却液を戻すポンプ流入配管とを接続する分岐接続管が、その分岐管部として前記下側水路流出接続管を一体に有している。
前記クランクケースに前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドを順次重ねてスタッドボルトにより締結して前記機関本体が構成され、
前記バイパス通路の一部をなす前記シリンダブロック内下側液路は、前記スタッドボルトに対して前記シリンダボアとは反対側である前記スタッドボルトの外側を通る。
また、シリンダブロックのシリンダボアの周囲に形成されるシリンダブロック内下側液路をバイパス通路として使用するので、内燃機関の始動時にバイパス通路を通る冷却液が早く温まり、早期に内燃機関を暖機することができる。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る鞍乗型車両である自動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
また、ヘッドパイプ3から後方斜め下向きにダウンフレーム5,5が延出している。
メインフレーム4,4のセンターフレーム部4c,4cの上部屈曲部より前寄りから後方斜め上方にシートレール6が延設されている。
リアフォーク11の下側縁とセンターフレーム部4cの下端部との間にはリンク機構13が設けられ、リンク機構13の一部とセンターフレーム部4cの上部との間にリヤクッション14が介装されている。
パワーユニット20の上方には燃料タンク15がメインフレーム4に架設され、燃料タンク15の後方にシート16がシートレール6に支持されて設けられている。
図2は、内燃機関21の左側面を、図3は内燃機関21の右側面を示しており、図4は内燃機関21の前面図である。
シリンダブロック24とシリンダヘッド25との間にはガスケット25cが挟まれる。
クランクケース23の下方をオイルパン27が覆っている。
また、シリンダヘッド25から前方に延出し下方へ延びる4本の排気管55は、後方に曲がった処で集合して、触媒装置56を介してクランクケース23の下方を後方へ延びて後輪12の右側面に沿って配置されたマフラー57に接続されている(図1参照)。
ラジエータ100は、ラジエータコア100Cを挟んで左右に上流側ラジエータタンク100Uと下流側ラジエータタンク100Lを有している。
シリンダボア24b内をピストン28がシリンダ軸線方向に往復摺動する(図12参照)。
シリンダブロック24における左右に4本並ぶシリンダボア24bの外周囲を囲うように環状にシリンダブロック内水路(シリンダブロックウォータジャケット)24Wがクランクケース23より上部に形成されている。
図11に示されるように、シリンダブロック内下側水路24Wbのシリンダ軸線Lc方向の幅dは、シリンダブロック内水路24Wのシリンダ軸線Lc方向の幅Dの約1/3程度である。
なお、隣合うシリンダボア24b,24bの双方の外周囲が重なる部分には、共通のボルト孔24sがシリンダボア24b,24bの間に若干食い込む位置に形成されて、前後2本のスタッドボルト40が貫通する。
したがって、図7および図8に示されるように、シリンダブロック24の前壁と後壁に、それぞれ5つのボルト孔24sが左右に配列され、各ボルト孔24sを貫通する都合10本のスタッドボルト40によりクランクケース23にシリンダブロック24とシリンダヘッド25が締結される。
なお、シリンダブロック内上側水路24Waは、油路24oに対してもシリンダボア24bと同じ側である油路24oの内側を通っている。
また、シリンダブロック内下側水路24Wbの膨出通路部24Wbfは、油路24oに対してもシリンダボア24bと反対側であるスタッドボルト40の外側を通っている。
また、燃焼室25bから斜め上前方に排気ポート25eが延出しており、排気ポート25eに前記排気管55が接続される。
シリンダヘッド内水路(シリンダヘッドウォータジャケット)25Wは、吸気ポート25iおよび排気ポート25eの周囲にも形成されている。
一方のシリンダブロック24のシリンダヘッド内水路25Wのうちのシリンダブロック内上側水路24Waは、シリンダヘッド25との合せ面に部分的に開口している(図9参照)。
シリンダブロック24とシリンダヘッド25の互いの合せ面の開口は、互いに対向しており、ガスケット25cを挟んで重ね合わせ締結すると、シリンダブロック内上側水路24Waとシリンダヘッド内水路25Wはガスケット25cの連通孔25chを介して連通する(図12参照)。
ウォータポンプ60は、クランクケース23の右側壁に形成されたポンプボディにインペラ60aが収納され、同インペラ60aがポンプカバー61により外側から覆われて構成されている。
また、インペラ60aの外周に湾曲して前方に延出する排出接続管63が形成され、同排出接続管63に接続されたポンプ流出ホース66がクランクケース23の右側に沿って前方に延出し、シリンダブロック24の前側壁24Fの前面に廻り込んでいる。
図5および図6に示されるように、サーモスタット70は、サーモスタットケース71がシリンダヘッド25の後側壁に一体に形成されており、左方に開放した開口を蓋部材72が覆い、内部に第1バルブ73と第2バルブ74の2つのバルブが収納されている。
リテイナ部77bは、バルブシート77の環状シート部77aから左方の蓋部材72の内部空間に突出している。
ばね受支持部材78は、バルブシート77から右方に延びた一対の支持片78a,78aの右端に環状のばね受部78bが形成されている。
第1バルブ73は、ばね受支持部材78のばね受部78bに一端を支持されたコイルばね81に付勢されてバルブシート77の環状シート部77aに当接する。
サーモエレメント75は、感温部75tがばね受支持部材38の環状のばね受部78bに摺動自在に支持されており、一方、サーモエレメント75の左端部からはプランジャ76が左方の蓋部材72内に突出し、プランジャ76の先端が、バルブシート77に一体に形成されたリテイナ部77bの屈曲受け部77bbに当接保持されている。
支持棒75aに係合した止め輪79により移動を規制された第2バルブ74は、感温部75tとの間に介装された円錐状コイルばね82により右方に付勢されている。
第2バルブ74は、円筒本体部71aと小径円筒端部71bの間の段部71cに当接して閉弁することで、円筒本体部71aの内部空間と小径円筒端部71bの内部空間を仕切ることができる。
したがって、第1バルブ73は開弁してサーモスタットケース71の内部空間と蓋部材72の内部空間が連通し、同時に円錐状コイルばね82により付勢された第2バルブ74は段部71cに当接して閉弁して円筒本体部71aの内部空間と小径円筒端部71bの内部空間を仕切ることになる。
また、サーモスタット70のサーモスタットケース71は、シリンダヘッド25の後側壁25Bに一体に形成されており、サーモスタットケース71の円筒本体部71aの内部空間に、シリンダヘッド25のシリンダヘッド内水路25Wから延出した幅広の流出通路84が開口している(図5,図12参照)。
すなわち、サーモスタットケース71は、シリンダヘッド25の後側壁25Bの流出通路84が形成される流出部において一体に形成される。
なお、小径円筒端部71bには、シリンダヘッド内水路25Wから延出する狭小の漏出通路85が開口しており、第2バルブ74が閉弁時にもシリンダヘッド内水路25Wから冷却水の一部が小径円筒端部71b内に漏出してバイパス連通路86に流れるように構成されている。
シリンダブロック内下側水路24Wbへの下側水路流入口24Wbaは、シリンダブロック24の後側壁24Bに形成される。
シリンダブロック内下側水路24Wbは、バイパス通路の一部をなす。
なお、第2バルブ74が閉弁時にもシリンダヘッド内水路25Wから冷却水の一部が狭小の漏出通路85から小径円筒端部71b内に漏出してバイパス連通路86に流れる。
なお、漏出通路85は、段部71cのうち第2バルブ74と当接する部分を一部切り欠いた溝として形成してもよい。
また、図8を参照して、シリンダブロック24のシリンダブロック内下側水路24Wbが形成される下側外周壁24Lの前側壁24Fの右側部位には、シリンダブロック内下側水路24Wbから冷却水を流出する下側水路流出口24Wbbが形成されている。
上側水路流入口24Waaに接続される上側水路流入接続管91と下側水路流出口24Wbbに接続される下側水路流出接続管92とが、共通の取付座板部93を有して、シリンダブロック24の前側壁24Fに取付座板部93をボルト で螺着することで、上側水路流入接続管91と下側水路流出接続管92が一体にシリンダブロック24の前側壁24Fに取り付けられる。
また、前記ウォータポンプ60から前方に延出しシリンダブロック24の前側壁24Fの前面に廻り込んだ別のポンプ流入ホース65は、ラジエータ100の下流側ラジエータタンク100Lから流出する冷却水を導くラジエータ流出ホース102と分岐接続管94により接続されている。
すなわち、分岐接続管94の分岐管部が下側水路流出接続管92となっている。
したがって、上側水路流入接続管91と下側水路流出接続管92と分岐接続管94が、一体に形成された接続管構成体90が構成されている。
サーモスタット70とウォータポンプ60は、機関本体21Hの左右に振り分けられて配置されおり、機関本体21Hの左側のサーモスタット70とラジエータ100の同じ左側の上流側ラジエータタンク100Uとが、ラジエータ流入ホース101により接続されている。
また、機関本体21Hの右側のウォータポンプ60とラジエータ100の同じ右側の下流側ラジエータタンク100Lとがラジエータ流出ホース102およびポンプ流入ホース65により接続されている。
したがって、バイパス通路Pbの一部がシリンダブロック24のシリンダブロック内下側水路24Wbにより構成されるので、バイパス通路の形成が容易となり、バイパス通路Pbの外部配管が削減されて、部品点数が少なく構造を簡素化してコストの低減および内燃機関の軽量化が図られるとともに、機関本体の周辺を簡素化して外観を良好に保つことができる。
なお、内燃機関21の暖機運転後の通常運転時に、サーモスタット70の第2バルブ74が閉弁しても狭小の漏出通路85によりバイパス連通路86に冷却水が漏出してバイパス通路を少量でも流れるようにしてシリンダブロック内下側水路24Wb内に冷却水が停滞することを防止している。
図11および図12に示されるように、シリンダブロック24内のシリンダボア24bの周囲を冷却水が通るシリンダブロック内水路24Wは、隔壁24Pによってシリンダ軸線Lcの軸線方向の上下に区画されてシリンダブロック内上側水路24Waとシリンダブロック内下側水路24Wbが形成され、シリンダブロック24のシリンダボア24bの周囲を冷却水が通るシリンダブロック内水路24Wのうちシリンダブロック内下側水路24Wbをバイパス通路Pbの一部として使用することで、内燃機関の大型化を招くことなく、バイパス通路Pbの大部分をシリンダブロック24の壁内に構成でき、省スペース化および外観性の向上に寄与する。
また、サーモスタットがシリンダヘッドとは別体に配置され、冷却ホースで連結された内燃機関の冷却構造等の態様も含む。
20…パワーユニット、21…内燃機関、21H…機関本体、22…クランク軸、23…クランクケース、
24…シリンダブロック、24F…前側壁、24B…後側壁、24U…上側外周壁、24L…下側外周壁、24b…シリンダボア、24W…シリンダブロック内水路(シリンダブロックウォータジャケット)、24Wa…シリンダブロック内上側水路、24Waa…上側水路流入口、24Wb…シリンダブロック内下側水路、24Wba…下側水路流入口、24Wbb…下側水路流出口、24P…隔壁、24o…油路、
25…シリンダヘッド、25B…後側壁、25W…シリンダヘッド内水路(シリンダヘッドウォータジャケット)、25c…ガスケット、25ch…連通孔、
26…シリンダヘッドカバー、27…オイルパン、28…ピストン、29…、
31…変速機、32…メイン軸、33…カウンタ軸(出力軸)、34…出力スプロケット、35…従動スプロケット、36…駆動チェーン、40…スタッドボルト、
50…吸気管、51…スロットルボディ、52…エアクリーナ、55…排気管、56…触媒装置、57…マフラー、
60…ウォータポンプ、61…ポンプカバー、62…吸入接続管、63…排出接続管、65…ポンプ流入ホース、66…ポンプ流出ホース、
70…サーモスタット、71…サーモスタットケース、71a…円筒本体部、71b…小径円筒端部、71c…段部、72…蓋部材、73…第1バルブ、74…第2バルブ、75…サーモエレメント、75t…感温部、76…プランジャ、77…バルブシート、78…ばね受支持部材、79…止め輪、
81…コイルばね、82…円錐状コイルばね、84…流出通路、85…漏出通路、86…バイパス連通路、87…バイパス連通路、
90…接続管構成体、91…上側水路流入接続管、92…下側水路流出接続管、93…取付座板部、94…分岐接続管、
100…ラジエータ、100C…ラジエータコア、100U…上流側ラジエータタンク、100L…下流側ラジエータタンク、101…ラジエータ流入ホース(冷却液配管)、102…ラジエータ流出ホース(冷却液配管)。
Claims (11)
- 自動二輪車(1)の前輪(9)と後輪(12)の間で車体の左右車幅方向の中央に内燃機関(21)が搭載され、
内燃機関(21)は、クランクケース(23)の上にシリンダブロック(24)とシリンダヘッド(25)を順次重ねて締結して機関本体(21H)が構成され、
前記シリンダブロック(24)は、シリンダボア(24b)の周囲を冷却液が通るシリンダブロック内液路(24W)を有し、
前記シリンダヘッド(25)は、燃焼室の周囲を冷却液が通るシリンダヘッド内液路(25W)を有し、
冷却液ポンプ(60)により冷却液を前記シリンダブロック内液路(24W)と前記シリンダヘッド内液路(25W)に循環させる冷却液循環経路に、冷却液を空冷するラジエータ(100)を経由するラジエータ経由通路(Pr)と前記ラジエータ(100)を迂回するバイパス通路(Pb)が介装され、
前記ラジエータ経由通路(Pr)による循環と前記バイパス通路(Pb)による循環を切替えるサーモスタット(70)が設けられた内燃機関の冷却構造において、
前記シリンダブロック内液路(24W)は、隔壁(24P)によって前記シリンダボア(24b)の中心軸線であるシリンダ軸線(Lc)の軸線方向の上下に区画されてシリンダブロック内上側液路(24Wa)とシリンダブロック内下側液路(24Wb)とからなり、
前記シリンダブロック内下側液路(24Wb)が前記バイパス通路(Pb)を構成していることを特徴とする内燃機関の冷却構造。 - 前記シリンダブロック内下側液路(24Wb)は、前記シリンダブロック(24)のシリンダボア(24b)の外周囲を囲うように環状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記ラジエータ(100)は、ラジエータコア(100C)を挟んで左右にラジエータタンク(100U,100L)を有して、前記内燃機関(21)の前方に配置され、
前記サーモスタット(70)と前記冷却液ポンプ(60)が、前記機関本体(21H)の左右車幅方向の左右に振り分けて配置され、
前記機関本体(21H)の左右一方の側の前記サーモスタット(70)と左右同じ側のラジエータタンク(100U)とが冷却液配管(101)で接続され、
前記機関本体(21H)の左右他方の側の前記冷却液ポンプ(60)と左右同じ側のラジエータタンク(100L)とが冷却液配管(102)で接続されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記シリンダブロック内液路(24W)を区画する前記隔壁(24P)は、前記シリンダブロック(24)のシリンダボア(24b)内をシリンダ軸線(Lc)の軸線方向に摺動するピストン(28)の頂面(28t)が移動するピストン頂面移動範囲(Dp)のうち中間よりクランクケース(23)側に偏っていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記シリンダブロック内上側液路(24Wa)と前記シリンダヘッド内液路(25W)は、前記シリンダブロック(24)と前記シリンダヘッド(25)の間に挟まれるガスケット(25c)の連通孔(25ch)を介して連通し、
前記サーモスタット(70)は、そのサーモスタットケース(71)が前記シリンダヘッド内液路(25W)の流出部において前記シリンダヘッド(25)に一体に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記シリンダブロック内上側液路(24Wa)と前記シリンダヘッド内液路(25W)と前記ラジエータ経由通路(Pr)のうち少なくとも1つと前記バイパス通路(Pb)の間には前記サーモスタット(70)とは別に互いの通路を連通する連通路(85)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記サーモスタット(70)は、前記シリンダヘッド内液路(25W)から流出した冷却液を前記ラジエータ経由通路(Pr)と前記バイパス通路(Pb)のいずれかに選択的に流し、
前記連通路(85)は、前記シリンダヘッド内液路(25W)から流出した冷却液の一部を常時前記バイパス通路(Pb)に漏出する漏出通路(85)であることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記バイパス通路(Pb)の一部をなす前記シリンダブロック内下側液路(24Wb)における下側液路流入口(24Wba)は、前記シリンダブロック(24)の前側壁(24F)または後側壁(24B)に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記シリンダブロック内下側液路(24Wb)における下側液路流出口(24Wbb)と前記シリンダブロック内上側液路(24Wa)における上側液路流入口(24Waa)が、互いに隣接して前記シリンダブロック(24)の前側壁(24F)に形成され、
前記下側液路流出口(24Wbb)に接続される下側液路流出接続管(92)と前記上側液路流入口(24Waa)に接続される上側液路流入接続管(91)が、一体に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却構造。 - 前記ラジエータ(100)から流出する冷却液を導くラジエータ流出配管(102)と前記冷却液ポンプ(60)に冷却液を戻すポンプ流入配管(65)とを接続する分岐接続管(94)が、その分岐管部として前記下側液路流出接続管(92)を一体に有していることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記クランクケース(23)に前記シリンダブロック(24)と前記シリンダヘッド(25)を順次重ねてスタッドボルト(40)により締結して前記機関本体(21H)が構成され、
前記バイパス通路(Pb)の一部をなす前記シリンダブロック内下側液路(24Wb)は、前記スタッドボルト(40)に対して前記シリンダボア(24b)とは反対側である前記スタッドボルト(40)の外側を通ることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却構造。
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