JP3800875B2 - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火内燃機関 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射式火花点火内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半に気筒内へ噴射した燃料を気化させて、点火時点において、着火性の良好な可燃混合気を点火プラグ近傍だけに形成することにより、気筒内全体としてリーンな混合気を燃焼可能な成層燃焼を実現するものである。
【0003】
成層燃焼は、圧縮行程後半において気筒内へ噴射された燃料が点火時点で気化していなければならず、そのためには、燃料噴射終了から点火までに、ある程度の時間を確保する必要がある。それにより、圧縮行程後半においては、それほど多くの燃料を噴射することはできず、少なくとも多量の燃料が必要とされる高回転高負荷時には、成層燃焼を断念し、多量の燃料を吸気行程で噴射することによって、点火時点において気筒内に均質混合気を形成する均質燃焼が実施されている(特開平10−299539号公報参照)。
【0004】
このような筒内噴射式火花点火内燃機関において、燃料噴射弁は、気筒上部に位置する吸排気ポート及び点火プラグを避けて気筒上部周囲に配置されている。一般的に、成層燃焼時において点火プラグ近傍に可燃混合気を形成するためには、燃料噴射弁から噴射された燃料を、ピストン頂面に形成されたキャビティを利用して点火プラグ近傍に偏向させるようになっている。それにより、燃料噴射弁の燃料噴射方向は、圧縮行程後半で噴射された燃料が、この時のピストン位置におけるキャビティ内へ向かうように、斜め下方向とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような燃料噴射弁によって、均質燃焼時に、比較的多量の燃料を吸気行程で噴射すると、必然的に燃料噴射が吸気行程後半でも行われ、この時に噴射された燃料は、ピストン頂面ではなくシリンダボアに衝突することとなる。シリンダボアに衝突した燃料の一部はシリンダボアに付着し、この付着燃料は、シリンダボア全体が冷却水によって冷却されているために、十分に気化せずにその場に留まり、燃焼に寄与しない。
【0006】
こうして、均質燃焼時においては、その分を見越して必要以上の燃料を噴射しなければならないために、燃料消費率が悪化したり、この付着燃料によってエンジンオイルが希釈する等の問題が発生する。
【0007】
従って、本発明の目的は、直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関において、吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボアに衝突して付着しても、この付着燃料を良好に気化させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、圧縮行程後半において気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射することを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施し、前記均質燃焼時には前記燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダボアに衝突する筒内噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却手段を具備し、前記冷却手段は冷却流体通路であり、前記シリンダボアの前記下側部分における少なくとも前記噴孔対向部近傍の前記冷却流体通路の通路断面積が、前記シリンダボアの上側部分近傍の前記冷却流体通路の通路断面積に比較して小さくされていることによって、前記シリンダボアの前記下側部分における少なくとも前記噴孔対向部近傍の前記冷却手段は、前記シリンダボアの前記上側部分近傍の前記冷却手段に比較して、冷却能力が低下されていることを特徴とする。
【0017】
本発明による請求項に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施し、前記均質燃焼時には前記燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダボアに衝突する筒内噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却流体通路を具備し、前記冷却流体通路は、少なくとも二つの前記シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第一通路と、前記二つのシリンダボアの前記燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第二通路とを有し、前記第二通路の一端側には冷却流体入口部が設けられ、前記第一通路の一端側には冷却流体出口部が設けられ、前記第一通路の他端側と前記第二通路の他端側とが互いに連通しており、前記二つのシリンダボアの間を通り前記第一通路と前記第二通路とを連絡する連絡通路が設けられ、前記連絡通路には制御弁が設けられ、前記均質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前記制御弁の開度を減少させて前記連絡通路を通過する冷却流体流量を減少させることを特徴とする。
【0018】
本発明による請求項に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、請求項に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁の噴孔は、圧縮行程後半において気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射することを可能とするように、前記シリンダボアの下側部分に指向しており、前記第一通路及び前記第二通路は、前記二つのシリンダボアの前記下側部分に延在しており、前記冷却流体通路は、さらに、前記二つのシリンダボアの上側部分における前記燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第三通路と、前記二つのシリンダボアの上側部分における前記燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第四通路とを有し、前記第三通路及び前記第四通路の一方の一端側には冷却流体入口部が設けられ、前記第三通路及び前記第四通路の他方の一端側には冷却流体出口部が設けられ、前記第三通路の他端側と前記第四通路の他端側とが互いに連通しており、前記二つのシリンダボアの間を通り前記第三通路と前記第四通路とを連絡する連絡通路が設けられていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図である。同図において、1は吸気ポート、2は排気ポートである。吸気ポート1は吸気弁3を介して、排気ポート2は排気弁4を介して、それぞれ気筒内へ通じている。5はピストンであり、その頂面には凹状のキャビティ5aが形成されている。6は燃焼室上部略中心に配置された点火プラグであり、7は気筒上部周囲から気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴射弁7は、燃料のベーパを防止するために、吸気流によって比較的低温度となる吸気弁側に配置されている。また、燃料噴射弁7は、スリット状の噴孔を有し、燃料を厚さの薄い横方向扇状に噴射するものである。しかしながら、これは、本発明を限定するものではなく、燃料噴射弁7は、燃料を円錐状又は柱状に噴射するものでも良い。
【0020】
機関低負荷時には、燃料噴射弁7によって圧縮行程後半に燃料を噴射して、燃料をピストン5の頂面に形成されたキャビティ5a内へ導入するようになっている。噴射直後の燃料は液状であるが、キャビティ5aの底面に沿って進行して側面によって点火プラグ6近傍へ導かれるまでに気化し、点火時点において、着火性の良好な可燃混合気となる。こうして、点火プラグ6近傍だけに可燃混合気を形成することにより、気筒内全体としてはリーンな混合気を燃焼可能とする成層燃焼が実現される。
【0021】
厚さの薄い横方向扇状の燃料噴霧は、キャビティ5aの底面に沿って進行する際に幅方向に拡がるために、キャビティ5aの底面の広範囲部分から良好に熱を吸収することができる。キャビティ5aの燃料噴射弁対向側壁は平面視において円弧形状を有するために、キャビティ5aの底面上を幅方向に拡がった燃料において、燃料中央部は、キャビティ5aの燃料噴射弁対向側面によって上方向へ向かう速度成分が付与され点火プラグ6近傍へ向かい、燃料両側部は、キャビティ5aの燃料噴射弁対向側面に対してそれぞれ鋭角に衝突して、上方向へ向かう速度成分が付与されると共に中央方向へ向かう速度成分も付与され、点火プラグ6近傍へ向かう。こうして、厚さの薄い扇状の燃料噴霧は、従来の円錐状の燃料噴霧に比較して、点火プラグ6近傍に気化程度の良好な可燃混合気を形成することができる。それにより、成層燃焼時の燃料噴射量を増加させることができ、燃料消費率の低い成層燃焼の運転領域を従来より高負荷側及び高回転側に拡大することが可能となる。
【0022】
しかしながら、必要燃料が多量となる機関高負荷時には、圧縮行程後半で全ての燃料を噴射することは困難であり、成層燃焼は断念されて均質燃焼が実施される。均質燃焼は、点火時点において気筒内に形成された均質混合気を着火燃焼させるものである。均質燃焼では、均質混合気を形成するために、吸気行程で燃料が噴射されるが、燃料噴射量が多量であるために、吸気行程前半から燃料噴射を開始しても吸気行程後半まで燃料噴射を持続しなければならない。
【0023】
燃料噴射弁7の燃料噴射方向は、前述の成層燃焼を実施するために、圧縮行程後半で噴射された燃料が、この時のピストン位置におけるキャビティ5a内へ向かうように、斜め下方向とされている。それにより、均質燃焼時において、吸気行程後半で噴射される燃料は、図1に一点鎖線で示すように、シリンダボア10の下側部分における燃料噴射弁噴孔対向部10aに衝突することとなる。
【0024】
シリンダボア10に衝突する燃料は、その一部がシリンダボアに付着する。シリンダボア10全体が冷却水で冷却されていると、この付着燃料は十分に気化せずにその場に留まり、燃焼に寄与しないこととなる。それにより、この付着燃料を見越して燃料噴射量を増加させる必要があり、燃料消費率が悪化したり、付着燃料によってエンジンオイルが希釈してシリンダボア10とピストン5との間の摩擦力が増加する等の問題が発生する。
【0025】
本発明は、この問題を解決することを意図しており、図1に示す第一実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却水通路の通路断面積が、シリンダボアの上側部分近傍の上側冷却水通路11A,11Bに比較してシリンダボアの下側部分近傍の下側冷却水通路12A,12Bにおいて小さくされている。
【0026】
図2は、本実施形態の冷却水通路の系統図であり、シリンダボア10の近くに図示されている冷却水通路は、上側冷却水通路11A,11Bであり、シリンダボア10から遠くに図示されている冷却水通路は、下側冷却水通路12A,12Bである。Pは冷却水ポンプである。冷却水ポンプPから吐出された冷却水は、シリンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向側と、シリンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側とに略等しく分配され、その後、燃料噴射弁噴孔対向側において、上側冷却水通路11Aと下側冷却水通路12Aとに分配され、また、燃料噴射弁側において、上側冷却水通路11Bと下側冷却水通路12Bとに分配される。以下に示す実施形態を含めて本実施形態は、燃料噴射弁7が気筒上部周囲に配置されているために、シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側を以下において燃料噴射弁側と呼するが、これは、燃料噴射弁7の位置を気筒上部周囲に限定するものではない。
【0027】
こうして、各冷却水通路を矢印で示すように冷却水が通過するが、前述したように、下側冷却水通路12A,12Bの通路断面積は、上側冷却水通路11A,11Bの通路断面積に比較して小さくされているために、各下側冷却水通路12A,12Bを通過する冷却水流量は、各上側冷却水通路11A,11Bを通過する冷却水流量に比較して少なくなる。
【0028】
それにより、本実施形態の機関冷却系によれば、シリンダボア10の下側部分に対する冷却能力が、シリンダボア10の上側部分に対する冷却能力に比較して低下され、シリンダボア10の下側部分は十分に冷却されずに高温度となり、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料を良好に気化させ、前述の燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することができる。
【0029】
図3は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図であり、図4は第二実施形態の冷却水通路の系統図である。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態では、燃料噴射弁側の上側冷却水通路と下側冷却水通路とが一体とされて、燃料噴射弁側冷却水路13が形成され、燃料噴射弁噴孔対向側において上側冷却水通路11Aの通路断面積に比較して下側冷却水通路12Aの通路断面積が小さくされている。
【0030】
このような構成により、燃料噴射弁噴孔対向側においてだけ、下側冷却水通路12Aを通過する冷却水流量は、上側冷却水通路11Aを通過する冷却水通路に比較して少なくなり、燃料噴射弁噴孔対向側におけるシリンダボア10の下側部分に対する冷却能力が低下されるために、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料を良好に気化させることができる。こうして、第一実施形態と同様に、燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することが可能となる。
【0031】
図5は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図であり、図6は第三実施形態の冷却水通路の系統図である。第二実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態では、燃料噴射弁噴孔対向側において下側冷却水通路は設けられていない。
【0032】
このような構成により、燃料噴射弁噴孔対向側において、シリンダボア10の下側部分は強制的に冷却されることがないために、さらに高温度に維持され、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料をさらに良好に気化させることができる。こうして、第二実施形態より確実に、燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することが可能となる。
【0033】
図7は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図であり、図8は第四実施形態の冷却水通路の系統図である。第三実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態では、燃料噴射弁噴孔対向側において下側冷却水通路が設けられていないだけでなく、シリンダボア10の下側部分近傍には、空気断熱層14が形成されている。
【0034】
一般的に、シリンダボア10が形成されるシリンダブロックは金属製であり、金属に比較して熱伝達率の低い空気層を設けることで、シリンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向部10aの温度をさらに高温度に維持することができる。それにより、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料をさらに良好に気化させることができる。こうして、第三実施形態より確実に、燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することが可能となる。本実施形態において、断熱層として空気層を形成したが、もちろん、シリンダブロックを形成する金属に比較して熱伝達率の小さな他の気体層、液体層、又は固体層を形成するようにしても良い。
【0035】
図9は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図であり、図10は第五実施形態の冷却水通路の系統図である。第四実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態では、燃料噴射弁噴孔対向側において、シリンダボア10の下側部分近傍には、断熱層に代えて、加熱手段として排気ガス通路15が形成され、図10に白抜き矢印で示すように、この排気ガス通路15を排気ガスが通過するようになっている。
【0036】
シリンダボア10の上側部分は、爆発行程初期の非常に高温度の燃焼ガスに晒されるために非常に高温度なるが、シリンダボア10の下側部分は、爆発行程後半の燃焼ガスにしか晒されず、それほど高温度となることはない。その後、排気行程を経て吸気行程となると、気筒内へ導入される吸気によってもシリンダボア10は冷却され、吸気行程後半においては、シリンダボア10の下側部分の温度は気筒から排出直後の排気ガス温度より低くなる。
【0037】
それにより、燃料噴射弁噴孔側においてシリンダボア10の下側部分近傍に排気ガス通路を形成すれば、気筒から排出直後の高温度の排気ガスによってシリンダボア10の下側部分における燃料噴射弁噴孔対向部10aを加熱することができ、燃料噴射弁噴孔対向部10aはさらに高温度となって付着燃料をほぼ瞬間的に気化させることが可能となるために、さらに確実に、燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することができる。
【0038】
排気ガス通路15を、機関の主排気ガス通路の一部として、常時、排気ガスを通過させるようにしても良いが、本実施形態では、図10に示すように、主排気ガス通路16から制御弁17を介して分岐する分岐排気ガス通路とされており、シリンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向部10aへの加熱が不必要な成層燃焼時には、制御弁17を閉弁して分岐排気ガス通路15には排気ガスを通過させないようになっている。こうして、成層燃焼時においては、シリンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向部10aは、空気断熱層が形成された第四実施形態とほぼ同様な温度に維持される。
【0039】
前述したように、成層燃焼及び均質燃焼にかかわらず、シリンダボア10の上側部分は、爆発行程初期の非常に高温度の燃焼ガスに晒されて非常に高温度なるために、これまで説明した第一実施形態から第五実施形態の機関冷却系では、シリンダボア10の上側部分に対する冷却能力は高く維持され、オーバーヒートを防止している。一方、シリンダボア10の下側部分は、爆発行程後半の燃焼ガスにしか晒されず、それほど高温度となることはない。それにより、第一及び第二実施形態のように冷却能力を低下させても、また、第三実施形態のように冷却しなくても、また、第四実施形態のように断熱層を形成しても、また、第五実施形態のように加熱手段を設けても、オーバーヒートが発生することはない。
【0040】
しかしながら、吸気充填効率を考えれば気筒内温度は低い方が好ましい。それにより、第五実施形態において、成層燃焼時は、シリンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向部10aの不必要な加熱を中止することは有効である。また、第二実施形態、第三実施形態、第四実施形態、及び第五実施形態において、燃料噴射弁側におけるシリンダボア10の下側部分の冷却能力は高く維持されており、成層燃焼及び均質燃焼にかかわらず吸気充填効率を高めるのには有効である。
【0041】
この一方で、シリンダボア10の下側部分における燃料噴射弁側と燃料噴射弁対向側との冷却能力が不均一となるために、ピストンリングの片減り等が発生する可能性がある。これを防止するためには、第三実施形態、第四実施形態、及び第五実施形態において、シリンダボア10の下側部分における燃料噴射弁側と燃料噴射弁対向側との冷却能力を均一とするために、燃料噴射弁側におけるシリンダボア10の下側部分近傍にも、燃料噴射弁対向側と同様に、冷却水通路の省略、断熱層の形成、及び排気ガス通路の形成を実施するようにしても良い。
【0042】
図11は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図であり、図12は第六実施形態の冷却水通路の系統図である。本実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却水通路として、通路断面積がほぼ等しい上側冷却水通路11A,11Bと下側冷却水通路18A,18Bとが設けられている。
【0043】
冷却水通路の系統図に示すように、冷却水ポンプPから吐出された冷却水は、上側冷却水通路11A,11Bと、制御弁19を介して下側冷却水通路18A,18Bとに略等しく分配され、その後、それぞれ、燃料噴射弁噴孔対向側と燃料噴射弁側とに分配される。こうして、成層燃焼時には、各冷却水通路11A,11B,18A,18Bを略等しい冷却水流量の冷却水が通過し、それにより、シリンダボア10の上側部分及び下側部分、すなわち、シリンダボア10の全体が良好に冷却され、気筒内温度が低下するために、吸気充填効率の高い成層燃焼を実現することができる。
【0044】
一方、均質燃焼時には、制御弁19の開度を減少させ、下側冷却水通路18A,18Bを通過する冷却水流量が減少させられる。それにより、シリンダボア10の下側部分に対する冷却能力が、シリンダボア10の上側部分に対する冷却能力に比較して低下させられ、シリンダボア10の下側部分は十分に冷却されずに高温度となり、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料を良好に気化させ、前述の燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することができる。
【0045】
図13は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第七実施形態を示す概略縦断面図であり、図12は第七実施形態の冷却水通路の系統図である。本実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却水通路として、通路断面積がほぼ等しい燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aと、燃料噴射弁側冷却水通路20Bとが設けられている。
【0046】
冷却水通路の系統図に示すように、冷却水ポンプPから吐出された冷却水は、燃料噴射弁側冷却水通路20Bと、制御弁21を介して燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aとに略等しく分配される。こうして、成層燃焼時には、各冷却水通路20A,20Bを略等しい冷却水流量の冷却水が通過し、それにより、シリンダボア10の燃料噴射弁対向側及び燃料噴射弁側、すなわち、シリンダボア10の全体が良好に冷却され、気筒内温度が低下するために、吸気充填効率の高い成層燃焼を実現することができる。
【0047】
一方、均質燃焼時には、制御弁21の開度を減少させ、燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aを通過する冷却水流量が減少させられる。それにより、シリンダボア10の燃料噴射弁対向側の冷却能力が燃料噴射弁側に比較して低下させられ、シリンダボア10の燃料噴射弁対向側は十分に冷却されずに高温度となり、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料を良好に気化させ、前述の燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決することができる。
【0048】
本実施形態において、均質燃焼時には、シリンダボア10の燃料噴射弁対向側における上側部分の冷却能力が低下させられることとなり、非常に高温度となるシリンダボア10の上側部分における冷却が不十分となるが、前述したように、成層燃焼時には十分な冷却が確保されており、常時、冷却が不十分となるわけではないために、オーバーヒートが発生することはない。
【0049】
図15は、本実施形態の具体的な構成を示すシリンダブロックの横断面図である。同図において、燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aと燃料噴射弁側冷却水通路20Bとは、一直線に整列された各シリンダボア10を取り囲む空間として一体に形成され、この空間の両端に冷却水の入口部22と出口部23とが形成されている。入口部22近傍には、この空間を燃料噴射弁対向側において閉鎖可能な制御弁としての縦長弁体21が配置されている。この縦長弁体21の作動軸21は、水密にシリンダブロック外へ貫通してアクチュエータとしてのダイヤフラム21bに接続される。こうして、図15に示すように、縦長弁体21によって燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aを閉鎖すれば、燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aにおいて冷却水が淀み、冷却能力をかなり低下させることができる。
【0050】
また、縦長弁体の高さを短くして空間の燃料噴射弁対向側における下側部分だけを閉鎖するようにすれば、燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aにおける下側部分だけにおいて、冷却水を淀ませることができ、均質燃焼時においてシリンダボア10の上側部分における十分な冷却を確保することができる。もちろん、均質燃焼時に、縦長弁体21によって燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aの全体又は下側部分を閉鎖させなくても、縦長弁体21を介しての通路断面積を減少させれば、シリンダボア10の燃料噴射弁対向側全体又は燃料噴射弁対向側における下側部分の冷却能力が低下し、付着燃料の気化を促進することができる。
【0051】
本実施形態では、冷却水通路の数が少なく全体構造を簡素化することができるが、もちろん、シリンダボア10の上側部分と下側部分との間に隔壁を設け、上側部分には燃料噴射弁対向側と燃料噴射弁側とを常に冷却水が通過するようにしてシリンダボア10の上側部分における十分な冷却を確保し、下側部分だけを図15に示すような構造として均質燃焼時に縦長弁体によって燃料噴射弁対向側冷却水通路を閉鎖又は通路断面積を減少させるようにすれば、均質燃焼時における付着燃料の良好な気化と共に、各シリンダボア10の上側部分は常に十分に冷却されるためにオーバーヒートをさらに確実に防止することができる。
【0052】
図16は、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第八実施形態を示す概略縦断面図であり、図12は第八実施形態の冷却水通路の系統図である。本実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却水通路として、通路断面積がほぼ等しい燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aと、燃料噴射弁側冷却水通路24Bとが設けられている。燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aと燃料噴射弁側冷却水通路24Bとは、隣接する二つのシリンダボアの間を通る連絡通路25によって互いに連絡されている。各連絡通路25には、均質燃焼時閉の制御弁26が配置されている。
【0053】
冷却水通路の系統図に示すように、冷却水ポンプPから吐出された冷却水は、燃料噴射弁側冷却水通路24Bを通過した後に燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aを通過するようになっている。こうして、均質燃焼時には、燃料噴射弁側冷却水通路24Bを通過して各シリンダボアの燃料噴射弁側を冷却した後の高温度の冷却水が、燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aを通過するために、各シリンダボア10の燃料噴射弁対向側は十分に冷却されず、付着燃料を良好に気化させることができる。
【0054】
一方、成層燃焼時には、各制御弁26が開弁され、冷却水は、点線で示すように、燃料噴射弁側冷却水通路24Bから燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aへ各連絡通路25を通過する。それにより、冷却水ポンプPに近いシリンダボア10ほど、少ない数のシリンダボア10の燃料噴射弁側しか冷却していない冷却水がシリンダボア10の燃料噴射弁対向側を冷却するために、十分な冷却が確保され、吸気充填効率の高い成層燃焼を実現することができる。
【0055】
ここで、冷却水ポンプPから最も遠いシリンダボア10では、燃料噴射弁対向側を冷却するための冷却水温度は均質燃焼時とほぼ等しいこととなるが、冷却水ポンプPに最も近いシリンダボア10では、均質燃焼時において、全てのシリンダボア10の燃料噴射弁側を冷却すると共に残り全てのシリンダボア10の燃料噴射弁対向側を冷却したかなり高温度の冷却水が燃料噴射弁対向側近傍を通過するために、不十分な冷却によって、均質燃焼時における良好な付着燃料の気化が可能となる。また、成層燃焼時においては、このシリンダボアの燃料噴射弁側だけしか冷却していない低温度の冷却水が燃料噴射弁対向側近傍を通過することとなり、シリンダボアの良好な冷却が実現される。このように、冷却水ポンプPに近いシリンダボア10ほど、成層燃焼時における良好な冷却と、均質燃焼時における良好な付着燃料の気化とを実現することができる。
【0056】
図18は、本実施形態の具体的な構成を示すシリンダブロックの横断面図である。同図において、燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aと燃料噴射弁側冷却水通路24Bとは、一直線に整列された各シリンダボア10を取り囲む空間として一体に形成され、燃料噴射弁側冷却水通路24Bの一端部に冷却水の入口部27が形成されている。この入口部27近傍において、燃料噴射弁側冷却水通路24Bと燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aとを分離する分離壁28が設けられ、燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aにおける分離壁28近傍には冷却水の出口部29が形成されている。燃料噴射弁側冷却水通路24Bと燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aとの間の各連絡通路25には、蝶弁式の制御弁26が設けられている。この制御弁のアクチュエータとしてはステップモータ等が使用可能である。
【0057】
こうして、図18に示すように、制御弁26を閉弁すれば、各シリンダボア10の燃料噴射弁対向側を通過する冷却水温度は高くなり、不十分な冷却によって各シリンダボア10における燃料噴射弁噴孔対向部に付着する燃料を良好に気化させることができる。また、制御弁26を開弁すれば、冷却水の入口部27に近いシリンダボア10ほど燃料噴射弁対向側を低温度の冷却水によって冷却することができ、気筒内温度を低下させることができる。
【0058】
また、本実施形態において、成層燃焼時に気筒内温度を確実に低下させるために、隣接する二つのシリンダボアの間に形成する連絡通路25及び制御弁26は、高さ方向に複数形成することが好ましい。
【0059】
本実施形態では、冷却水通路の数が少なく全体構造を簡素化することができるが、もちろん、シリンダボア10の上側部分と下側部分との間に隔壁を設け、上側部分には、制御弁を設けることなく、隣接する二つのシリンダボアの間を通る連絡通路によって燃料噴射弁対向側冷却水通路と燃料噴射弁側冷却水通路とを常に連絡させてシリンダボア10の上側部分における十分な冷却を確保し、下側部分だけを図18に示すような構造として均質燃焼時には各制御弁26を閉弁させるようにすれば、均質燃焼時における付着燃料の良好な気化と共に、各シリンダボア10の上側部分は常に十分に冷却されるために、オーバーヒートをさらに確実に防止することが可能となる。
【0060】
第七実施形態及び第八実施形態は、均質燃焼時において、シリンダボア10の燃料噴射弁側の冷却能力を全体的に低下させるものであるために、使用される燃料噴射弁の噴孔は、特に、シリンダボア10の下側部分を指向している必要はなく、例えば、成層燃焼時に、ピストン頂面のキャビティを使用することなく、点火プラグ近傍に直接的に可燃混合気を形成するために、燃料噴射弁の噴孔がシリンダボアの上側部分を指向していても良い。
【0061】
前述した全ての実施形態において、機関冷却手段は、冷却水を使用するものとしたが、これは本発明を限定するものではなく、例えば、油などの他の冷却流体を使用しても良い。また、第一実施形態から第五実施形態においては、成層燃焼時と均質燃焼時とにおいて、機関冷却手段の冷却能力を変化させるものではないために、機関冷却手段として冷却フィンを使用しても良く、冷却フィンの大きさ及び数によって前述したように冷却能力差を形成しても良い。
【0062】
【発明の効果】
このように、本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関によれば、圧縮行程後半において気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射することを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施し、均質燃焼時には燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダボアに衝突する筒内噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却手段を具備し、冷却手段は冷却流体通路であり、シリンダボアの下側部分における少なくとも噴孔対向部近傍の冷却流体通路の通路断面積が、シリンダボアの上側部分近傍の冷却流体通路の通路断面積に比較して小さくされていることによって、シリンダボアの下側部分における少なくとも噴孔対向部近傍の冷却手段は、シリンダボアの上側部分近傍の冷却手段に比較して、冷却能力が低下されているために、シリンダボアの上側部分の十分な冷却によってオーバーヒートを発生させることなく、均質燃焼時において吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボアの噴孔対向部に衝突して付着しても、この付着燃料を良好に気化させることができる。
【0066】
また、本発明によるもう一つの筒内噴射式火花点火内燃機関によれば、直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施し、均質燃焼時には燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダボアに衝突する筒内噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却流体通路を具備し、冷却流体通路は、少なくとも二つのシリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第一通路と、二つのシリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第二通路とを有し、第二通路の一端側には冷却流体入口部が設けられ、第一通路の一端側には冷却流体出口部が設けられ、第一通路の他端側と第二通路の他端側とが互いに連通しており、二つのシリンダボアの間を通り第一通路と第二通路とを連絡する連絡通路が設けられ、連絡通路には制御弁が設けられ、均質燃焼時には、成層燃焼時に比較して前記制御弁の開度を減少させて連絡通路を通過する冷却流体流量を減少させるために、均質燃焼時には第二通路を通過して各シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側を冷却した後の高温度の冷却水が第一通路を通過することとなり、各シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側の冷却が不十分となり、吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側に衝突して付着しても、この付着燃料を良好に気化させることができる。また、成層燃焼時には、冷却水が各連絡通路を通過することにより、低温度の冷却水が第一通路へ供給されて各シリンダボアの燃料噴射弁対向側を十分に冷却するために、常に冷却が不十分となるわけではなく、オーバーヒートが発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図2】第一実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図3】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図である。
【図4】第二実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図5】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図である。
【図6】第三実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図7】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図である。
【図8】第四実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図9】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図である。
【図10】第五実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図11】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図である。
【図12】第六実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図13】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第七実施形態を示す概略縦断面図である。
【図14】第七実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図15】第七実施形態におけるシリンダブロックの横断面図である。
【図16】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第八実施形態を示す概略縦断面図である。
【図17】第八実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図18】第八実施形態におけるシリンダブロックの横断面図である。
【符号の説明】
1…吸気ポート
2…排気ポート
3…吸気弁
4…排気弁
5…ピストン
5a…キャビティ
6…点火プラグ
7…燃料噴射弁
10…シリンダボア
10a…燃料噴射弁噴孔対向部
11A,11B…上側冷却水通路
12A,12B,18A,18B…下側冷却水通路
13…燃料噴射弁側冷却水通路
14…空気断熱層
15…排気ガス通路
20A,24A…燃料噴射弁対向側冷却水通路
20B,24B…燃料噴射弁側冷却水通路

Claims (3)

  1. 圧縮行程後半において気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射することを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施し、前記均質燃焼時には前記燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダボアに衝突する筒内噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却手段を具備し、前記冷却手段は冷却流体通路であり、前記シリンダボアの前記下側部分における少なくとも前記噴孔対向部近傍の前記冷却流体通路の通路断面積が、前記シリンダボアの上側部分近傍の前記冷却流体通路の通路断面積に比較して小さくされていることによって、前記シリンダボアの前記下側部分における少なくとも前記噴孔対向部近傍の前記冷却手段は、前記シリンダボアの前記上側部分近傍の前記冷却手段に比較して、冷却能力が低下されていることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
  2. 直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施し、前記均質燃焼時には前記燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダボアに衝突する筒内噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却流体通路を具備し、前記冷却流体通路は、少なくとも二つの前記シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第一通路と、前記二つのシリンダボアの前記燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第二通路とを有し、前記第二通路の一端側には冷却流体入口部が設けられ、前記第一通路の一端側には冷却流体出口部が設けられ、前記第一通路の他端側と前記第二通路の他端側とが互いに連通しており、前記二つのシリンダボアの間を通り前記第一通路と前記第二通路とを連絡する連絡通路が設けられ、前記連絡通路には制御弁が設けられ、前記均質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前記制御弁の開度を減少させて前記連絡通路を通過する冷却流体流量を減少させることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
  3. 前記燃料噴射弁の噴孔は、圧縮行程後半において気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射することを可能とするように、前記シリンダボアの下側部分に指向しており、前記第一通路及び前記第二通路は、前記二つのシリンダボアの前記下側部分に延在しており、前記冷却流体通路は、さらに、前記二つのシリンダボアの上側部分における前記燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第三通路と、前記二つのシリンダボアの上側部分における前記燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第四通路とを有し、前記第三通路及び前記第四通路の一方の一端側には冷却流体入口部が設けられ、前記第三通路及び前記第四通路の他方の一端側には冷却流体出口部が設けられ、前記第三通路の他端側と前記第四通路の他端側とが互いに連通しており、前記二つのシリンダボアの間を通り前記第三通路と前記第四通路とを連絡する連絡通路が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
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