JP2001050101A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火内燃機関

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁
を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、
吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に
応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関
において、吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボ
アに衝突して付着しても、この付着燃料を良好に気化さ
せることである。 【解決手段】 圧縮行程後半において気筒上部からピス
トン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射するこ
とを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分
における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁7を具備
し、シリンダボア10の下側部分における少なくとも噴
孔対向部近傍の冷却手段12Aは、シリンダボアの上側
部分近傍の冷却手段11Aに比較して、冷却能力が低下
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射式火花点
火内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内
へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、
圧縮行程後半に気筒内へ噴射した燃料を気化させて、点
火時点において、着火性の良好な可燃混合気を点火プラ
グ近傍だけに形成することにより、気筒内全体としてリ
ーンな混合気を燃焼可能な成層燃焼を実現するものであ
る。
【0003】成層燃焼は、圧縮行程後半において気筒内
へ噴射された燃料が点火時点で気化していなければなら
ず、そのためには、燃料噴射終了から点火までに、ある
程度の時間を確保する必要がある。それにより、圧縮行
程後半においては、それほど多くの燃料を噴射すること
はできず、少なくとも多量の燃料が必要とされる高回転
高負荷時には、成層燃焼を断念し、多量の燃料を吸気行
程で噴射することによって、点火時点において気筒内に
均質混合気を形成する均質燃焼が実施されている(特開
平10−299539号公報参照)。
【0004】このような筒内噴射式火花点火内燃機関に
おいて、燃料噴射弁は、気筒上部に位置する吸排気ポー
ト及び点火プラグを避けて気筒上部周囲に配置されてい
る。一般的に、成層燃焼時において点火プラグ近傍に可
燃混合気を形成するためには、燃料噴射弁から噴射され
た燃料を、ピストン頂面に形成されたキャビティを利用
して点火プラグ近傍に偏向させるようになっている。そ
れにより、燃料噴射弁の燃料噴射方向は、圧縮行程後半
で噴射された燃料が、この時のピストン位置におけるキ
ャビティ内へ向かうように、斜め下方向とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような燃料噴射弁
によって、均質燃焼時に、比較的多量の燃料を吸気行程
で噴射すると、必然的に燃料噴射が吸気行程後半でも行
われ、この時に噴射された燃料は、ピストン頂面ではな
くシリンダボアに衝突することとなる。シリンダボアに
衝突した燃料の一部はシリンダボアに付着し、この付着
燃料は、シリンダボア全体が冷却水によって冷却されて
いるために、十分に気化せずにその場に留まり、燃焼に
寄与しない。
【0006】こうして、均質燃焼時においては、その分
を見越して必要以上の燃料を噴射しなければならないた
めに、燃料消費率が悪化したり、この付着燃料によって
エンジンオイルが希釈する等の問題が発生する。
【0007】従って、本発明の目的は、直接的に気筒内
へ燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の
燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による
均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施する
筒内噴射式火花点火内燃機関において、吸気行程後半に
噴射された燃料がシリンダボアに衝突して付着しても、
この付着燃料を良好に気化させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1に
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、圧縮行程後半に
おいて気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビテ
ィ内へ燃料を噴射することを可能とするように、噴孔を
シリンダボアの下側部分における噴孔対向部へ指向させ
た燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による
成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機
関運転状態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花
点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための
冷却手段を具備し、前記シリンダボアの前記下側部分に
おける少なくとも前記噴孔対向部近傍の前記冷却手段
は、前記シリンダボアの上側部分近傍の前記冷却手段に
比較して、冷却能力が低下されていることを特徴とす
る。
【0009】本発明による請求項2に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、請求項1に記載の筒内噴射式火花
点火内燃機関において、前記冷却手段は冷却流体通路で
あり、前記噴孔対向部近傍の前記冷却流体通路の通路断
面積が、前記上側部分近傍の前記冷却流体通路の通路断
面積に比較して小さくされていることによって、前記シ
リンダボアの前記下側部分における少なくとも前記噴孔
対向部近傍の前記冷却手段は、前記シリンダボアの前記
上側部分近傍の前記冷却手段に比較して、冷却能力が低
下されていることを特徴とする。
【0010】本発明による請求項3に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、圧縮行程後半において気筒上部か
らピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射
することを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下
側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具
備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気
行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じ
て切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関にお
いて、シリンダボアを冷却するための冷却手段を具備
し、前記シリンダボアの上側部分近傍には前記冷却手段
が設けられているが、前記シリンダボアの前記下側部分
における少なくとも前記噴孔対向部近傍には前記冷却手
段が設けられていないことを特徴とする。
【0011】本発明による請求項4に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、請求項3に記載の筒内噴射式火花
点火内燃機関において、前記シリンダボアの前記下側部
分における少なくとも前記噴孔対向部近傍には、断熱手
段が設けられていることを特徴とする。
【0012】本発明による請求項5に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、請求項3に記載の筒内噴射式火花
点火内燃機関において、前記シリンダボアの前記下側部
分における少なくとも前記噴孔対向部近傍には、加熱手
段が設けられていることを特徴とする。
【0013】本発明による請求項6に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、請求項5に記載の筒内噴射式火花
点火内燃機関において、前記加熱手段は排気ガス通路で
あることを特徴とする。
【0014】本発明による請求項7に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、請求項6に記載の筒内噴射式火花
点火内燃機関において、前記排気ガス通路は、主排気ガ
ス通路から分岐する分岐排気ガス通路であり、前記分岐
排気ガス通路には制御弁が配置され、前記成層燃焼時に
は、前記均質燃焼時に比較して前記制御弁の開度を減少
させて前記分岐排気ガス通路を通過する排気ガス流量を
減少させることを特徴とする。
【0015】本発明による請求項8に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、圧縮行程後半において気筒上部か
らピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射
することを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下
側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具
備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気
行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じ
て切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関にお
いて、シリンダボアを冷却するための冷却流体通路を具
備し、前記冷却流体通路は、前記シリンダボアの前記下
側部分における少なくとも前記噴孔対向部近傍の第一通
路と、少なくとも前記シリンダボアの上側部分近傍の第
二通路とを有し、前記第一通路には制御弁が配置され、
前記第一通路は前記第二通路から独立しており、前記均
質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前記制御弁の
開度を減少させて前記第一通路を通過する冷却流体流量
を減少させることを特徴とする。
【0016】本発明による請求項9に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関は、直接的に気筒内へ燃料を噴射する
燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成
層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関
運転状態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点
火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷
却流体通路を具備し、前記冷却流体通路は、前記シリン
ダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍の第一通路と、前記
シリンダボアの前記燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近
傍の第二通路とを有し、前記第一通路には制御弁が配置
され、前記第一通路は前記第二通路から独立しており、
前記均質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前記制
御弁の開度を減少させて前記第一通路を通過する冷却流
体流量を減少させることを特徴とする。
【0017】本発明による請求項10に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関は、直接的に気筒内へ燃料を噴射す
る燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による
成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機
関運転状態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花
点火内燃機関において、シリンダボアを冷却するための
冷却流体通路を具備し、前記冷却流体通路は、少なくと
も二つの前記シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍
を延在する第一通路と、前記二つのシリンダボアの前記
燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第二通
路とを有し、前記第二通路の一端側には冷却流体入口部
が設けられ、前記第一通路の一端側には冷却流体出口部
が設けられ、前記第一通路の他端側と前記第二通路の他
端側とが互いに連通しており、前記二つのシリンダボア
の間を通り前記第一通路と前記第二通路とを連絡する連
絡通路が設けられ、前記連絡通路には制御弁が設けら
れ、前記均質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前
記制御弁の開度を減少させて前記連絡通路を通過する冷
却流体流量を減少させることを特徴とする。
【0018】本発明による請求項11に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関は、請求項10に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁の噴孔は、
圧縮行程後半において気筒上部からピストン頂面に形成
されたキャビティ内へ燃料を噴射することを可能とする
ように、前記シリンダボアの下側部分に指向しており、
前記第一通路及び前記第二通路は、前記二つのシリンダ
ボアの前記下側部分に延在しており、前記冷却流体通路
は、さらに、前記二つのシリンダボアの上側部分におけ
る前記燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第三通路
と、前記二つのシリンダボアの上側部分における前記燃
料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第四通路
とを有し、前記第三通路及び前記第四通路の一方の一端
側には冷却流体入口部が設けられ、前記第三通路及び前
記第四通路の他方の一端側には冷却流体出口部が設けら
れ、前記第三通路の他端側と前記第四通路の他端側とが
互いに連通しており、前記二つのシリンダボアの間を通
り前記第三通路と前記第四通路とを連絡する連絡通路が
設けられていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による筒内噴射式
火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図で
ある。同図において、1は吸気ポート、2は排気ポート
である。吸気ポート1は吸気弁3を介して、排気ポート
2は排気弁4を介して、それぞれ気筒内へ通じている。
5はピストンであり、その頂面には凹状のキャビティ5
aが形成されている。6は燃焼室上部略中心に配置され
た点火プラグであり、7は気筒上部周囲から気筒内へ直
接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴
射弁7は、燃料のベーパを防止するために、吸気流によ
って比較的低温度となる吸気弁側に配置されている。ま
た、燃料噴射弁7は、スリット状の噴孔を有し、燃料を
厚さの薄い横方向扇状に噴射するものである。しかしな
がら、これは、本発明を限定するものではなく、燃料噴
射弁7は、燃料を円錐状又は柱状に噴射するものでも良
い。
【0020】機関低負荷時には、燃料噴射弁7によって
圧縮行程後半に燃料を噴射して、燃料をピストン5の頂
面に形成されたキャビティ5a内へ導入するようになっ
ている。噴射直後の燃料は液状であるが、キャビティ5
aの底面に沿って進行して側面によって点火プラグ6近
傍へ導かれるまでに気化し、点火時点において、着火性
の良好な可燃混合気となる。こうして、点火プラグ6近
傍だけに可燃混合気を形成することにより、気筒内全体
としてはリーンな混合気を燃焼可能とする成層燃焼が実
現される。
【0021】厚さの薄い横方向扇状の燃料噴霧は、キャ
ビティ5aの底面に沿って進行する際に幅方向に拡がる
ために、キャビティ5aの底面の広範囲部分から良好に
熱を吸収することができる。キャビティ5aの燃料噴射
弁対向側壁は平面視において円弧形状を有するために、
キャビティ5aの底面上を幅方向に拡がった燃料におい
て、燃料中央部は、キャビティ5aの燃料噴射弁対向側
面によって上方向へ向かう速度成分が付与され点火プラ
グ6近傍へ向かい、燃料両側部は、キャビティ5aの燃
料噴射弁対向側面に対してそれぞれ鋭角に衝突して、上
方向へ向かう速度成分が付与されると共に中央方向へ向
かう速度成分も付与され、点火プラグ6近傍へ向かう。
こうして、厚さの薄い扇状の燃料噴霧は、従来の円錐状
の燃料噴霧に比較して、点火プラグ6近傍に気化程度の
良好な可燃混合気を形成することができる。それによ
り、成層燃焼時の燃料噴射量を増加させることができ、
燃料消費率の低い成層燃焼の運転領域を従来より高負荷
側及び高回転側に拡大することが可能となる。
【0022】しかしながら、必要燃料が多量となる機関
高負荷時には、圧縮行程後半で全ての燃料を噴射するこ
とは困難であり、成層燃焼は断念されて均質燃焼が実施
される。均質燃焼は、点火時点において気筒内に形成さ
れた均質混合気を着火燃焼させるものである。均質燃焼
では、均質混合気を形成するために、吸気行程で燃料が
噴射されるが、燃料噴射量が多量であるために、吸気行
程前半から燃料噴射を開始しても吸気行程後半まで燃料
噴射を持続しなければならない。
【0023】燃料噴射弁7の燃料噴射方向は、前述の成
層燃焼を実施するために、圧縮行程後半で噴射された燃
料が、この時のピストン位置におけるキャビティ5a内
へ向かうように、斜め下方向とされている。それによ
り、均質燃焼時において、吸気行程後半で噴射される燃
料は、図1に一点鎖線で示すように、シリンダボア10
の下側部分における燃料噴射弁噴孔対向部10aに衝突
することとなる。
【0024】シリンダボア10に衝突する燃料は、その
一部がシリンダボアに付着する。シリンダボア10全体
が冷却水で冷却されていると、この付着燃料は十分に気
化せずにその場に留まり、燃焼に寄与しないこととな
る。それにより、この付着燃料を見越して燃料噴射量を
増加させる必要があり、燃料消費率が悪化したり、付着
燃料によってエンジンオイルが希釈してシリンダボア1
0とピストン5との間の摩擦力が増加する等の問題が発
生する。
【0025】本発明は、この問題を解決することを意図
しており、図1に示す第一実施形態では、シリンダボア
10を冷却するための冷却水通路の通路断面積が、シリ
ンダボアの上側部分近傍の上側冷却水通路11A,11
Bに比較してシリンダボアの下側部分近傍の下側冷却水
通路12A,12Bにおいて小さくされている。
【0026】図2は、本実施形態の冷却水通路の系統図
であり、シリンダボア10の近くに図示されている冷却
水通路は、上側冷却水通路11A,11Bであり、シリ
ンダボア10から遠くに図示されている冷却水通路は、
下側冷却水通路12A,12Bである。Pは冷却水ポン
プである。冷却水ポンプPから吐出された冷却水は、シ
リンダボア10の燃料噴射弁噴孔対向側と、シリンダボ
ア10の燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側とに略等しく
分配され、その後、燃料噴射弁噴孔対向側において、上
側冷却水通路11Aと下側冷却水通路12Aとに分配さ
れ、また、燃料噴射弁側において、上側冷却水通路11
Bと下側冷却水通路12Bとに分配される。以下に示す
実施形態を含めて本実施形態は、燃料噴射弁7が気筒上
部周囲に配置されているために、シリンダボアの燃料噴
射弁噴孔対向側とは反対側を以下において燃料噴射弁側
と呼するが、これは、燃料噴射弁7の位置を気筒上部周
囲に限定するものではない。
【0027】こうして、各冷却水通路を矢印で示すよう
に冷却水が通過するが、前述したように、下側冷却水通
路12A,12Bの通路断面積は、上側冷却水通路11
A,11Bの通路断面積に比較して小さくされているた
めに、各下側冷却水通路12A,12Bを通過する冷却
水流量は、各上側冷却水通路11A,11Bを通過する
冷却水流量に比較して少なくなる。
【0028】それにより、本実施形態の機関冷却系によ
れば、シリンダボア10の下側部分に対する冷却能力
が、シリンダボア10の上側部分に対する冷却能力に比
較して低下され、シリンダボア10の下側部分は十分に
冷却されずに高温度となり、吸気行程後半に噴射されて
燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料を良好に気
化させ、前述の燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの
希釈の問題を解決することができる。
【0029】図3は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図であり、図
4は第二実施形態の冷却水通路の系統図である。第一実
施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形
態では、燃料噴射弁側の上側冷却水通路と下側冷却水通
路とが一体とされて、燃料噴射弁側冷却水路13が形成
され、燃料噴射弁噴孔対向側において上側冷却水通路1
1Aの通路断面積に比較して下側冷却水通路12Aの通
路断面積が小さくされている。
【0030】このような構成により、燃料噴射弁噴孔対
向側においてだけ、下側冷却水通路12Aを通過する冷
却水流量は、上側冷却水通路11Aを通過する冷却水通
路に比較して少なくなり、燃料噴射弁噴孔対向側におけ
るシリンダボア10の下側部分に対する冷却能力が低下
されるために、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴
孔対向部10aに付着する燃料を良好に気化させること
ができる。こうして、第一実施形態と同様に、燃料消費
率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決するこ
とが可能となる。
【0031】図5は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図であり、図
6は第三実施形態の冷却水通路の系統図である。第二実
施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形
態では、燃料噴射弁噴孔対向側において下側冷却水通路
は設けられていない。
【0032】このような構成により、燃料噴射弁噴孔対
向側において、シリンダボア10の下側部分は強制的に
冷却されることがないために、さらに高温度に維持さ
れ、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部1
0aに付着する燃料をさらに良好に気化させることがで
きる。こうして、第二実施形態より確実に、燃料消費率
の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決すること
が可能となる。
【0033】図7は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第四実施形態を示す概略縦断面図であり、図
8は第四実施形態の冷却水通路の系統図である。第三実
施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形
態では、燃料噴射弁噴孔対向側において下側冷却水通路
が設けられていないだけでなく、シリンダボア10の下
側部分近傍には、空気断熱層14が形成されている。
【0034】一般的に、シリンダボア10が形成される
シリンダブロックは金属製であり、金属に比較して熱伝
達率の低い空気層を設けることで、シリンダボア10の
燃料噴射弁噴孔対向部10aの温度をさらに高温度に維
持することができる。それにより、吸気行程後半に噴射
されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着する燃料をさ
らに良好に気化させることができる。こうして、第三実
施形態より確実に、燃料消費率の悪化及びエンジンオイ
ルの希釈の問題を解決することが可能となる。本実施形
態において、断熱層として空気層を形成したが、もちろ
ん、シリンダブロックを形成する金属に比較して熱伝達
率の小さな他の気体層、液体層、又は固体層を形成する
ようにしても良い。
【0035】図9は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第五実施形態を示す概略縦断面図であり、図
10は第五実施形態の冷却水通路の系統図である。第四
実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施
形態では、燃料噴射弁噴孔対向側において、シリンダボ
ア10の下側部分近傍には、断熱層に代えて、加熱手段
として排気ガス通路15が形成され、図10に白抜き矢
印で示すように、この排気ガス通路15を排気ガスが通
過するようになっている。
【0036】シリンダボア10の上側部分は、爆発行程
初期の非常に高温度の燃焼ガスに晒されるために非常に
高温度なるが、シリンダボア10の下側部分は、爆発行
程後半の燃焼ガスにしか晒されず、それほど高温度とな
ることはない。その後、排気行程を経て吸気行程となる
と、気筒内へ導入される吸気によってもシリンダボア1
0は冷却され、吸気行程後半においては、シリンダボア
10の下側部分の温度は気筒から排出直後の排気ガス温
度より低くなる。
【0037】それにより、燃料噴射弁噴孔側においてシ
リンダボア10の下側部分近傍に排気ガス通路を形成す
れば、気筒から排出直後の高温度の排気ガスによってシ
リンダボア10の下側部分における燃料噴射弁噴孔対向
部10aを加熱することができ、燃料噴射弁噴孔対向部
10aはさらに高温度となって付着燃料をほぼ瞬間的に
気化させることが可能となるために、さらに確実に、燃
料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を解決
することができる。
【0038】排気ガス通路15を、機関の主排気ガス通
路の一部として、常時、排気ガスを通過させるようにし
ても良いが、本実施形態では、図10に示すように、主
排気ガス通路16から制御弁17を介して分岐する分岐
排気ガス通路とされており、シリンダボア10の燃料噴
射弁噴孔対向部10aへの加熱が不必要な成層燃焼時に
は、制御弁17を閉弁して分岐排気ガス通路15には排
気ガスを通過させないようになっている。こうして、成
層燃焼時においては、シリンダボア10の燃料噴射弁噴
孔対向部10aは、空気断熱層が形成された第四実施形
態とほぼ同様な温度に維持される。
【0039】前述したように、成層燃焼及び均質燃焼に
かかわらず、シリンダボア10の上側部分は、爆発行程
初期の非常に高温度の燃焼ガスに晒されて非常に高温度
なるために、これまで説明した第一実施形態から第五実
施形態の機関冷却系では、シリンダボア10の上側部分
に対する冷却能力は高く維持され、オーバーヒートを防
止している。一方、シリンダボア10の下側部分は、爆
発行程後半の燃焼ガスにしか晒されず、それほど高温度
となることはない。それにより、第一及び第二実施形態
のように冷却能力を低下させても、また、第三実施形態
のように冷却しなくても、また、第四実施形態のように
断熱層を形成しても、また、第五実施形態のように加熱
手段を設けても、オーバーヒートが発生することはな
い。
【0040】しかしながら、吸気充填効率を考えれば気
筒内温度は低い方が好ましい。それにより、第五実施形
態において、成層燃焼時は、シリンダボア10の燃料噴
射弁噴孔対向部10aの不必要な加熱を中止することは
有効である。また、第二実施形態、第三実施形態、第四
実施形態、及び第五実施形態において、燃料噴射弁側に
おけるシリンダボア10の下側部分の冷却能力は高く維
持されており、成層燃焼及び均質燃焼にかかわらず吸気
充填効率を高めるのには有効である。
【0041】この一方で、シリンダボア10の下側部分
における燃料噴射弁側と燃料噴射弁対向側との冷却能力
が不均一となるために、ピストンリングの片減り等が発
生する可能性がある。これを防止するためには、第三実
施形態、第四実施形態、及び第五実施形態において、シ
リンダボア10の下側部分における燃料噴射弁側と燃料
噴射弁対向側との冷却能力を均一とするために、燃料噴
射弁側におけるシリンダボア10の下側部分近傍にも、
燃料噴射弁対向側と同様に、冷却水通路の省略、断熱層
の形成、及び排気ガス通路の形成を実施するようにして
も良い。
【0042】図11は、本発明による筒内噴射式火花点
火内燃機関の第六実施形態を示す概略縦断面図であり、
図12は第六実施形態の冷却水通路の系統図である。本
実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却
水通路として、通路断面積がほぼ等しい上側冷却水通路
11A,11Bと下側冷却水通路18A,18Bとが設
けられている。
【0043】冷却水通路の系統図に示すように、冷却水
ポンプPから吐出された冷却水は、上側冷却水通路11
A,11Bと、制御弁19を介して下側冷却水通路18
A,18Bとに略等しく分配され、その後、それぞれ、
燃料噴射弁噴孔対向側と燃料噴射弁側とに分配される。
こうして、成層燃焼時には、各冷却水通路11A,11
B,18A,18Bを略等しい冷却水流量の冷却水が通
過し、それにより、シリンダボア10の上側部分及び下
側部分、すなわち、シリンダボア10の全体が良好に冷
却され、気筒内温度が低下するために、吸気充填効率の
高い成層燃焼を実現することができる。
【0044】一方、均質燃焼時には、制御弁19の開度
を減少させ、下側冷却水通路18A,18Bを通過する
冷却水流量が減少させられる。それにより、シリンダボ
ア10の下側部分に対する冷却能力が、シリンダボア1
0の上側部分に対する冷却能力に比較して低下させら
れ、シリンダボア10の下側部分は十分に冷却されずに
高温度となり、吸気行程後半に噴射されて燃料噴射弁噴
孔対向部10aに付着する燃料を良好に気化させ、前述
の燃料消費率の悪化及びエンジンオイルの希釈の問題を
解決することができる。
【0045】図13は、本発明による筒内噴射式火花点
火内燃機関の第七実施形態を示す概略縦断面図であり、
図12は第七実施形態の冷却水通路の系統図である。本
実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却
水通路として、通路断面積がほぼ等しい燃料噴射弁対向
側冷却水通路20Aと、燃料噴射弁側冷却水通路20B
とが設けられている。
【0046】冷却水通路の系統図に示すように、冷却水
ポンプPから吐出された冷却水は、燃料噴射弁側冷却水
通路20Bと、制御弁21を介して燃料噴射弁対向側冷
却水通路20Aとに略等しく分配される。こうして、成
層燃焼時には、各冷却水通路20A,20Bを略等しい
冷却水流量の冷却水が通過し、それにより、シリンダボ
ア10の燃料噴射弁対向側及び燃料噴射弁側、すなわ
ち、シリンダボア10の全体が良好に冷却され、気筒内
温度が低下するために、吸気充填効率の高い成層燃焼を
実現することができる。
【0047】一方、均質燃焼時には、制御弁21の開度
を減少させ、燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aを通過
する冷却水流量が減少させられる。それにより、シリン
ダボア10の燃料噴射弁対向側の冷却能力が燃料噴射弁
側に比較して低下させられ、シリンダボア10の燃料噴
射弁対向側は十分に冷却されずに高温度となり、吸気行
程後半に噴射されて燃料噴射弁噴孔対向部10aに付着
する燃料を良好に気化させ、前述の燃料消費率の悪化及
びエンジンオイルの希釈の問題を解決することができ
る。
【0048】本実施形態において、均質燃焼時には、シ
リンダボア10の燃料噴射弁対向側における上側部分の
冷却能力が低下させられることとなり、非常に高温度と
なるシリンダボア10の上側部分における冷却が不十分
となるが、前述したように、成層燃焼時には十分な冷却
が確保されており、常時、冷却が不十分となるわけでは
ないために、オーバーヒートが発生することはない。
【0049】図15は、本実施形態の具体的な構成を示
すシリンダブロックの横断面図である。同図において、
燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aと燃料噴射弁側冷却
水通路20Bとは、一直線に整列された各シリンダボア
10を取り囲む空間として一体に形成され、この空間の
両端に冷却水の入口部22と出口部23とが形成されて
いる。入口部22近傍には、この空間を燃料噴射弁対向
側において閉鎖可能な制御弁としての縦長弁体21が配
置されている。この縦長弁体21の作動軸21は、水密
にシリンダブロック外へ貫通してアクチュエータとして
のダイヤフラム21bに接続される。こうして、図15
に示すように、縦長弁体21によって燃料噴射弁対向側
冷却水通路20Aを閉鎖すれば、燃料噴射弁対向側冷却
水通路20Aにおいて冷却水が淀み、冷却能力をかなり
低下させることができる。
【0050】また、縦長弁体の高さを短くして空間の燃
料噴射弁対向側における下側部分だけを閉鎖するように
すれば、燃料噴射弁対向側冷却水通路20Aにおける下
側部分だけにおいて、冷却水を淀ませることができ、均
質燃焼時においてシリンダボア10の上側部分における
十分な冷却を確保することができる。もちろん、均質燃
焼時に、縦長弁体21によって燃料噴射弁対向側冷却水
通路20Aの全体又は下側部分を閉鎖させなくても、縦
長弁体21を介しての通路断面積を減少させれば、シリ
ンダボア10の燃料噴射弁対向側全体又は燃料噴射弁対
向側における下側部分の冷却能力が低下し、付着燃料の
気化を促進することができる。
【0051】本実施形態では、冷却水通路の数が少なく
全体構造を簡素化することができるが、もちろん、シリ
ンダボア10の上側部分と下側部分との間に隔壁を設
け、上側部分には燃料噴射弁対向側と燃料噴射弁側とを
常に冷却水が通過するようにしてシリンダボア10の上
側部分における十分な冷却を確保し、下側部分だけを図
15に示すような構造として均質燃焼時に縦長弁体によ
って燃料噴射弁対向側冷却水通路を閉鎖又は通路断面積
を減少させるようにすれば、均質燃焼時における付着燃
料の良好な気化と共に、各シリンダボア10の上側部分
は常に十分に冷却されるためにオーバーヒートをさらに
確実に防止することができる。
【0052】図16は、本発明による筒内噴射式火花点
火内燃機関の第八実施形態を示す概略縦断面図であり、
図12は第八実施形態の冷却水通路の系統図である。本
実施形態では、シリンダボア10を冷却するための冷却
水通路として、通路断面積がほぼ等しい燃料噴射弁対向
側冷却水通路24Aと、燃料噴射弁側冷却水通路24B
とが設けられている。燃料噴射弁対向側冷却水通路24
Aと燃料噴射弁側冷却水通路24Bとは、隣接する二つ
のシリンダボアの間を通る連絡通路25によって互いに
連絡されている。各連絡通路25には、均質燃焼時閉の
制御弁26が配置されている。
【0053】冷却水通路の系統図に示すように、冷却水
ポンプPから吐出された冷却水は、燃料噴射弁側冷却水
通路24Bを通過した後に燃料噴射弁対向側冷却水通路
24Aを通過するようになっている。こうして、均質燃
焼時には、燃料噴射弁側冷却水通路24Bを通過して各
シリンダボアの燃料噴射弁側を冷却した後の高温度の冷
却水が、燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aを通過する
ために、各シリンダボア10の燃料噴射弁対向側は十分
に冷却されず、付着燃料を良好に気化させることができ
る。
【0054】一方、成層燃焼時には、各制御弁26が開
弁され、冷却水は、点線で示すように、燃料噴射弁側冷
却水通路24Bから燃料噴射弁対向側冷却水通路24A
へ各連絡通路25を通過する。それにより、冷却水ポン
プPに近いシリンダボア10ほど、少ない数のシリンダ
ボア10の燃料噴射弁側しか冷却していない冷却水がシ
リンダボア10の燃料噴射弁対向側を冷却するために、
十分な冷却が確保され、吸気充填効率の高い成層燃焼を
実現することができる。
【0055】ここで、冷却水ポンプPから最も遠いシリ
ンダボア10では、燃料噴射弁対向側を冷却するための
冷却水温度は均質燃焼時とほぼ等しいこととなるが、冷
却水ポンプPに最も近いシリンダボア10では、均質燃
焼時において、全てのシリンダボア10の燃料噴射弁側
を冷却すると共に残り全てのシリンダボア10の燃料噴
射弁対向側を冷却したかなり高温度の冷却水が燃料噴射
弁対向側近傍を通過するために、不十分な冷却によっ
て、均質燃焼時における良好な付着燃料の気化が可能と
なる。また、成層燃焼時においては、このシリンダボア
の燃料噴射弁側だけしか冷却していない低温度の冷却水
が燃料噴射弁対向側近傍を通過することとなり、シリン
ダボアの良好な冷却が実現される。このように、冷却水
ポンプPに近いシリンダボア10ほど、成層燃焼時にお
ける良好な冷却と、均質燃焼時における良好な付着燃料
の気化とを実現することができる。
【0056】図18は、本実施形態の具体的な構成を示
すシリンダブロックの横断面図である。同図において、
燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aと燃料噴射弁側冷却
水通路24Bとは、一直線に整列された各シリンダボア
10を取り囲む空間として一体に形成され、燃料噴射弁
側冷却水通路24Bの一端部に冷却水の入口部27が形
成されている。この入口部27近傍において、燃料噴射
弁側冷却水通路24Bと燃料噴射弁対向側冷却水通路2
4Aとを分離する分離壁28が設けられ、燃料噴射弁対
向側冷却水通路24Aにおける分離壁28近傍には冷却
水の出口部29が形成されている。燃料噴射弁側冷却水
通路24Bと燃料噴射弁対向側冷却水通路24Aとの間
の各連絡通路25には、蝶弁式の制御弁26が設けられ
ている。この制御弁のアクチュエータとしてはステップ
モータ等が使用可能である。
【0057】こうして、図18に示すように、制御弁2
6を閉弁すれば、各シリンダボア10の燃料噴射弁対向
側を通過する冷却水温度は高くなり、不十分な冷却によ
って各シリンダボア10における燃料噴射弁噴孔対向部
に付着する燃料を良好に気化させることができる。ま
た、制御弁26を開弁すれば、冷却水の入口部27に近
いシリンダボア10ほど燃料噴射弁対向側を低温度の冷
却水によって冷却することができ、気筒内温度を低下さ
せることができる。
【0058】また、本実施形態において、成層燃焼時に
気筒内温度を確実に低下させるために、隣接する二つの
シリンダボアの間に形成する連絡通路25及び制御弁2
6は、高さ方向に複数形成することが好ましい。
【0059】本実施形態では、冷却水通路の数が少なく
全体構造を簡素化することができるが、もちろん、シリ
ンダボア10の上側部分と下側部分との間に隔壁を設
け、上側部分には、制御弁を設けることなく、隣接する
二つのシリンダボアの間を通る連絡通路によって燃料噴
射弁対向側冷却水通路と燃料噴射弁側冷却水通路とを常
に連絡させてシリンダボア10の上側部分における十分
な冷却を確保し、下側部分だけを図18に示すような構
造として均質燃焼時には各制御弁26を閉弁させるよう
にすれば、均質燃焼時における付着燃料の良好な気化と
共に、各シリンダボア10の上側部分は常に十分に冷却
されるために、オーバーヒートをさらに確実に防止する
ことが可能となる。
【0060】第七実施形態及び第八実施形態は、均質燃
焼時において、シリンダボア10の燃料噴射弁側の冷却
能力を全体的に低下させるものであるために、使用され
る燃料噴射弁の噴孔は、特に、シリンダボア10の下側
部分を指向している必要はなく、例えば、成層燃焼時
に、ピストン頂面のキャビティを使用することなく、点
火プラグ近傍に直接的に可燃混合気を形成するために、
燃料噴射弁の噴孔がシリンダボアの上側部分を指向して
いても良い。
【0061】前述した全ての実施形態において、機関冷
却手段は、冷却水を使用するものとしたが、これは本発
明を限定するものではなく、例えば、油などの他の冷却
流体を使用しても良い。また、第一実施形態から第五実
施形態においては、成層燃焼時と均質燃焼時とにおい
て、機関冷却手段の冷却能力を変化させるものではない
ために、機関冷却手段として冷却フィンを使用しても良
く、冷却フィンの大きさ及び数によって前述したように
冷却能力差を形成しても良い。
【0062】
【発明の効果】このように、本発明による筒内噴射式火
花点火内燃機関によれば、圧縮行程後半において気筒上
部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を
噴射することを可能とするように、噴孔をシリンダボア
の下側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁
を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、
吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に
応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関
において、シリンダボアを冷却するための冷却手段を具
備し、シリンダボアの下側部分における少なくとも噴孔
対向部近傍の冷却手段は、シリンダボアの上側部分近傍
の冷却手段に比較して、冷却能力が低下されているため
に、シリンダボアの上側部分の十分な冷却によってオー
バーヒートを発生させることなく、均質燃焼時において
吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボアの噴孔対
向部に衝突して付着しても、この付着燃料を良好に気化
させることができる。
【0063】また、本発明によるもう一つの筒内噴射式
火花点火内燃機関によれば、圧縮行程後半において気筒
上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料
を噴射することを可能とするように、噴孔をシリンダボ
アの下側部分における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射
弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼
と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状
態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃
機関において、シリンダボアを冷却するための冷却手段
を具備し、シリンダボアの上側部分近傍には冷却手段が
設けられているが、シリンダボアの下側部分における少
なくとも噴孔対向部近傍には冷却手段が設けられていな
いために、シリンダボアの上側部分の十分な冷却によっ
てオーバーヒートを発生させることなく、均質燃焼時に
おいて吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボアの
噴孔対向部に衝突して付着しても、この付着燃料を良好
に気化させることができる。
【0064】また、本発明によるさらにもう一つの筒内
噴射式火花点火内燃機関によれば、圧縮行程後半におい
て気筒上部からピストン頂面に形成されたキャビティ内
へ燃料を噴射することを可能とするように、噴孔をシリ
ンダボアの下側部分における噴孔対向部へ指向させた燃
料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層
燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運
転状態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火
内燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却
流体通路を具備し、冷却流体通路は、シリンダボアの下
側部分における少なくとも噴孔対向部近傍の第一通路
と、少なくともシリンダボアの上側部分近傍の第二通路
とを有し、第一通路には制御弁が配置され、第一通路は
第二通路から独立しており、均質燃焼時には、成層燃焼
時に比較して制御弁の開度を減少させて第一通路を通過
する冷却流体流量を減少させるために、シリンダボアの
上側部分の十分な冷却によってオーバーヒートを発生さ
せることなく、均質燃焼時において吸気行程後半に噴射
された燃料がシリンダボアの噴孔対向部に衝突して付着
しても、この付着燃料を良好に気化させることができ
る。
【0065】また、本発明によるさらにもう一つの筒内
噴射式火花点火内燃機関によれば、直接的に気筒内へ燃
料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料
噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質
燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施する筒内
噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却
するための冷却流体通路を具備し、冷却流体通路は、シ
リンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍の第一通路と、
シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍の
第二通路とを有し、第一通路には制御弁が配置され、第
一通路は第二通路から独立しており、均質燃焼時には、
成層燃焼時に比較して制御弁の開度を減少させて第一通
路を通過する冷却流体流量を減少させるために、均質燃
焼時にはシリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側における
上側部分の冷却が不十分となるが、常に冷却が不十分で
はなく、成層燃焼時には十分な冷却が実施されるため
に、オーバーヒートが発生することはなく、均質燃焼時
において吸気行程後半に噴射された燃料がシリンダボア
の燃料噴射弁噴孔対向側に衝突して付着しても、この付
着燃料を良好に気化させることができる。
【0066】また、本発明によるさらにもう一つの筒内
噴射式火花点火内燃機関によれば、直接的に気筒内へ燃
料を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料
噴射による成層燃焼と、吸気行程の燃料噴射による均質
燃焼とを機関運転状態に応じて切り換えて実施する筒内
噴射式火花点火内燃機関において、シリンダボアを冷却
するための冷却流体通路を具備し、冷却流体通路は、少
なくとも二つのシリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近
傍を延在する第一通路と、二つのシリンダボアの燃料噴
射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第二通路とを
有し、第二通路の一端側には冷却流体入口部が設けら
れ、第一通路の一端側には冷却流体出口部が設けられ、
第一通路の他端側と第二通路の他端側とが互いに連通し
ており、二つのシリンダボアの間を通り第一通路と第二
通路とを連絡する連絡通路が設けられ、連絡通路には制
御弁が設けられ、均質燃焼時には、成層燃焼時に比較し
て前記制御弁の開度を減少させて連絡通路を通過する冷
却流体流量を減少させるために、均質燃焼時には第二通
路を通過して各シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側と
は反対側を冷却した後の高温度の冷却水が第一通路を通
過することとなり、各シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対
向側の冷却が不十分となり、吸気行程後半に噴射された
燃料がシリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側に衝突して
付着しても、この付着燃料を良好に気化させることがで
きる。また、成層燃焼時には、冷却水が各連絡通路を通
過することにより、低温度の冷却水が第一通路へ供給さ
れて各シリンダボアの燃料噴射弁対向側を十分に冷却す
るために、常に冷却が不十分となるわけではなく、オー
バーヒートが発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図2】第一実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図3】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
二実施形態を示す概略縦断面図である。
【図4】第二実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図5】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
三実施形態を示す概略縦断面図である。
【図6】第三実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図7】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
四実施形態を示す概略縦断面図である。
【図8】第四実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図9】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
五実施形態を示す概略縦断面図である。
【図10】第五実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図11】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の
第六実施形態を示す概略縦断面図である。
【図12】第六実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図13】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の
第七実施形態を示す概略縦断面図である。
【図14】第七実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図15】第七実施形態におけるシリンダブロックの横
断面図である。
【図16】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の
第八実施形態を示す概略縦断面図である。
【図17】第八実施形態の冷却水通路の系統図である。
【図18】第八実施形態におけるシリンダブロックの横
断面図である。
【符号の説明】
1…吸気ポート 2…排気ポート 3…吸気弁 4…排気弁 5…ピストン 5a…キャビティ 6…点火プラグ 7…燃料噴射弁 10…シリンダボア 10a…燃料噴射弁噴孔対向部 11A,11B…上側冷却水通路 12A,12B,18A,18B…下側冷却水通路 13…燃料噴射弁側冷却水通路 14…空気断熱層 15…排気ガス通路 20A,24A…燃料噴射弁対向側冷却水通路 20B,24B…燃料噴射弁側冷却水通路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02B 17/00 F02B 17/00 F F02D 41/02 301 F02D 41/02 301A 41/04 335 41/04 335C Fターム(参考) 3G004 AA01 BA03 DA01 DA24 EA06 GA03 3G023 AA01 AA18 AB01 AC05 AD09 AD10 AD11 AG01 3G024 AA29 AA32 AA38 BA14 CA05 CA26 DA01 DA08 DA18 FA00 FA11 3G301 HA04 HA16 JA00 JA02 JA32 LB04 MA19 MA29

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮行程後半において気筒上部からピス
    トン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射するこ
    とを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分
    における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具備し、
    圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の
    燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り
    換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関において、
    シリンダボアを冷却するための冷却手段を具備し、前記
    シリンダボアの前記下側部分における少なくとも前記噴
    孔対向部近傍の前記冷却手段は、前記シリンダボアの上
    側部分近傍の前記冷却手段に比較して、冷却能力が低下
    されていることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機
    関。
  2. 【請求項2】 前記冷却手段は冷却流体通路であり、前
    記噴孔対向部近傍の前記冷却流体通路の通路断面積が、
    前記上側部分近傍の前記冷却流体通路の通路断面積に比
    較して小さくされていることによって、前記シリンダボ
    アの前記下側部分における少なくとも前記噴孔対向部近
    傍の前記冷却手段は、前記シリンダボアの前記上側部分
    近傍の前記冷却手段に比較して、冷却能力が低下されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式火花
    点火内燃機関。
  3. 【請求項3】 圧縮行程後半において気筒上部からピス
    トン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射するこ
    とを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分
    における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具備し、
    圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の
    燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り
    換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関において、
    シリンダボアを冷却するための冷却手段を具備し、前記
    シリンダボアの上側部分近傍には前記冷却手段が設けら
    れているが、前記シリンダボアの前記下側部分における
    少なくとも前記噴孔対向部近傍には前記冷却手段が設け
    られていないことを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃
    機関。
  4. 【請求項4】 前記シリンダボアの前記下側部分におけ
    る少なくとも前記噴孔対向部近傍には、断熱手段が設け
    られていることを特徴とする請求項3に記載の筒内噴射
    式火花点火内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記シリンダボアの前記下側部分におけ
    る少なくとも前記噴孔対向部近傍には、加熱手段が設け
    られていることを特徴とする請求項3に記載の筒内噴射
    式火花点火内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記加熱手段は排気ガス通路であること
    を特徴とする請求項5に記載の筒内噴射式火花点火内燃
    機関。
  7. 【請求項7】 前記排気ガス通路は、主排気ガス通路か
    ら分岐する分岐排気ガス通路であり、前記分岐排気ガス
    通路には制御弁が配置され、前記成層燃焼時には、前記
    均質燃焼時に比較して前記制御弁の開度を減少させて前
    記分岐排気ガス通路を通過する排気ガス流量を減少させ
    ることを特徴とする請求項6に記載の筒内噴射式火花点
    火内燃機関。
  8. 【請求項8】 圧縮行程後半において気筒上部からピス
    トン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料を噴射するこ
    とを可能とするように、噴孔をシリンダボアの下側部分
    における噴孔対向部へ指向させた燃料噴射弁を具備し、
    圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼と、吸気行程の
    燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状態に応じて切り
    換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃機関において、
    シリンダボアを冷却するための冷却流体通路を具備し、
    前記冷却流体通路は、前記シリンダボアの前記下側部分
    における少なくとも前記噴孔対向部近傍の第一通路と、
    少なくとも前記シリンダボアの上側部分近傍の第二通路
    とを有し、前記第一通路には制御弁が配置され、前記第
    一通路は前記第二通路から独立しており、前記均質燃焼
    時には、前記成層燃焼時に比較して前記制御弁の開度を
    減少させて前記第一通路を通過する冷却流体流量を減少
    させることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
  9. 【請求項9】 直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料噴
    射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃焼
    と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転状
    態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内燃
    機関において、シリンダボアを冷却するための冷却流体
    通路を具備し、前記冷却流体通路は、前記シリンダボア
    の燃料噴射弁噴孔対向側近傍の第一通路と、前記シリン
    ダボアの前記燃料噴射弁噴孔対向側とは反対側近傍の第
    二通路とを有し、前記第一通路には制御弁が配置され、
    前記第一通路は前記第二通路から独立しており、前記均
    質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前記制御弁の
    開度を減少させて前記第一通路を通過する冷却流体流量
    を減少させることを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃
    機関。
  10. 【請求項10】 直接的に気筒内へ燃料を噴射する燃料
    噴射弁を具備し、圧縮行程後半の燃料噴射による成層燃
    焼と、吸気行程の燃料噴射による均質燃焼とを機関運転
    状態に応じて切り換えて実施する筒内噴射式火花点火内
    燃機関において、シリンダボアを冷却するための冷却流
    体通路を具備し、前記冷却流体通路は、少なくとも二つ
    の前記シリンダボアの燃料噴射弁噴孔対向側近傍を延在
    する第一通路と、前記二つのシリンダボアの前記燃料噴
    射弁噴孔対向側とは反対側近傍を延在する第二通路とを
    有し、前記第二通路の一端側には冷却流体入口部が設け
    られ、前記第一通路の一端側には冷却流体出口部が設け
    られ、前記第一通路の他端側と前記第二通路の他端側と
    が互いに連通しており、前記二つのシリンダボアの間を
    通り前記第一通路と前記第二通路とを連絡する連絡通路
    が設けられ、前記連絡通路には制御弁が設けられ、前記
    均質燃焼時には、前記成層燃焼時に比較して前記制御弁
    の開度を減少させて前記連絡通路を通過する冷却流体流
    量を減少させることを特徴とする筒内噴射式火花点火内
    燃機関。
  11. 【請求項11】 前記燃料噴射弁の噴孔は、圧縮行程後
    半において気筒上部からピストン頂面に形成されたキャ
    ビティ内へ燃料を噴射することを可能とするように、前
    記シリンダボアの下側部分に指向しており、前記第一通
    路及び前記第二通路は、前記二つのシリンダボアの前記
    下側部分に延在しており、前記冷却流体通路は、さら
    に、前記二つのシリンダボアの上側部分における前記燃
    料噴射弁噴孔対向側近傍を延在する第三通路と、前記二
    つのシリンダボアの上側部分における前記燃料噴射弁噴
    孔対向側とは反対側近傍を延在する第四通路とを有し、
    前記第三通路及び前記第四通路の一方の一端側には冷却
    流体入口部が設けられ、前記第三通路及び前記第四通路
    の他方の一端側には冷却流体出口部が設けられ、前記第
    三通路の他端側と前記第四通路の他端側とが互いに連通
    しており、前記二つのシリンダボアの間を通り前記第三
    通路と前記第四通路とを連絡する連絡通路が設けられて
    いることを特徴とする請求項10に記載の筒内噴射式火
    花点火内燃機関。
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