JP2004245204A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストン頂面への燃料付着及びS/V比の増加に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止した上で、内燃機関の運転状態に関わらず適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送し、もって、確実な成層燃焼を実現できる内燃機関の燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁から点火プラグ5に向けて断面逆V字状の燃料噴霧Fを噴射して、燃焼室4内に生起された順タンブル流により燃料噴霧Fを点火プラグ近傍に移送すると共に、エンジン回転速度及びスロットル開度に応じて、吸気ポート6に設けたタンブル制御弁17により順タンブル流の強さを調整し、これによりエンジン回転速度やスロットル開度に起因する吸気流速の変動を補償する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料噴射弁から点火プラグ5に向けて断面逆V字状の燃料噴霧Fを噴射して、燃焼室4内に生起された順タンブル流により燃料噴霧Fを点火プラグ近傍に移送すると共に、エンジン回転速度及びスロットル開度に応じて、吸気ポート6に設けたタンブル制御弁17により順タンブル流の強さを調整し、これによりエンジン回転速度やスロットル開度に起因する吸気流速の変動を補償する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射型火花点火内燃機関(以下、単にエンジンという)の燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射型のエンジンでは、筒内での燃焼状態に燃料の噴霧形状が大きく関与することから、適切な燃料噴霧を形成するために種々の提案がなされており、例えば燃料噴射弁として、燃料噴霧を円錐状に拡散させるスワールインジェクタを用いたものがある(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
これらの特許文献に記載された技術では、ピストン頂面に深皿キャビティを形成すると共に、吸気ポートを略直立して形成し、圧縮行程において吸気ポートから流入した吸気をキャビティにより上方に反転させ、これにより生起された逆タンブル流を利用してスワールインジェクタからの燃料噴霧を点火プラグ近傍まで移送し、点火プラグの周囲に点火可能な混合気を形成した上で、その周囲を燃料希薄とした成層燃焼を可能としている。
【0004】
しかしながら、吸気流動を利用して燃料噴霧をピストンのキャビティ上で反転させるため、燃料がピストン頂面に付着して溜まり易く、局所的なオーバーリッチ化により熱効率の低下やHC、スート、スモーク等(以下、まとめてエミッションという)の増大を招いてしまう問題があった。又、深皿キャビティは燃焼室のS/V比を増加させる要因となり、熱損失増大を引き起こしたり、抗ノック性の悪化に伴って熱効率の低下やHC増大を引き起こすという問題もあった。
【0005】
一方、スワールインジェクタでは円錐状噴霧の中心部が空気と混合し難いことに着目し、断面逆V字状の燃料噴霧を形成するようにノズル構造を設定して、均一な混合を図った燃料噴射弁が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3087309号明細書
【特許文献2】
特開平10−288039号公報
【特許文献3】
特許第3343672号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献3には燃料噴射弁自体の構成は開示されているものの、当該燃料噴射弁を利用して、圧縮行程で噴射した燃料噴霧を点火プラグ近傍に移送する構成については記載されていない。この種の成層燃焼を行う燃料噴射装置では、点火時期において点火プラグの周囲に適切な混合気が形成されていないと正常な点火が望めない一方、燃料噴霧の移送状況はエンジンの運転状態、具体的には回転速度やスロットル開度等の影響を受ける。よって、成層燃焼を実現するには、点火プラグへの燃料噴霧の到達タイミングをエンジンの運転状況に応じて緻密に制御する必要があるが、上記特許文献3の技術では、この要求を満足させることはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、ピストン頂面への燃料付着及びS/V比の増加に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止した上で、内燃機関の運転状態に関わらず適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送し、もって、確実な成層燃焼を実現することができる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の燃焼室の略中央に点火プラグを配設すると共に、燃焼室の吸気側の一側に、点火プラグの軸線に対して所定角度をもって交差する燃料噴霧を噴射するように燃料噴射弁を配設し、内燃機関の吸気行程において吸気ポートから流入した吸気により、燃焼室内に排気側で下降して吸気側で上昇する縦渦流を生起し、続く圧縮行程において燃料噴射弁から燃焼室内に直接燃料を噴射して縦渦流により点火プラグ近傍に移送して成層燃焼を行う内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射弁の噴孔は、点火プラグ側に凸状で、且つピストン側に凹状をなす断面形状の燃料噴霧をなすように形成され、燃焼室内での縦渦流の強さを調整する縦渦流調整機構と、内燃機関の運転状態に応じて縦渦流調整機構を制御する制御手段とを備えたものである。
【0010】
従って、燃料噴射弁からは点火プラグの軸線に対して所定角度をもって交差するように燃料噴霧が噴射され、燃料噴霧の断面形状が点火プラグ側に凸状で、且つピストン側に凹状をなすため、広い面積をもって吸気と接触して良好に混合されると共に、燃料噴霧とピストン頂面との空間距離が確保されて、燃料噴霧のピストン頂面への衝突が防止される。又、ピストン頂面に深皿状のキャビティを形成することなく縦渦流を生起するため、燃焼室のS/V比が小さな値に抑制される。
【0011】
一方、吸気行程において生起された縦渦流により、燃料噴霧は点火プラグ近傍に移送されて所定のタイミングで点火されるが、このときの縦渦流の強さは、制御手段に制御された縦渦流調整機構により内燃機関の運転状態に応じて調整される。
内燃機関の運転状態としては、例えば、機関回転速度やスロットル開度等のように吸気流速を変動させる要素が適用され、機関回転速度が低くてスロットル開度が小さいほど、吸気流速の低下に伴って縦渦流は生起され難くなるが、これらの変動要素を考慮することで吸気流速の変動が補償されて、所期の適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送可能となる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1において、燃料噴射弁の噴孔が、逆V字状或いは逆U字状をなすように形成されたものである。
従って、燃料噴射弁の噴孔と対応して逆V字状或いは逆U字状の断面形状をなすように燃料噴霧が噴射され、これらの燃料噴霧は広い面積をもって吸気と接触して良好に混合されると共に、ピストン頂面との空間距離を確保可能となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2において、燃料噴霧の上端が点火プラグの下方近傍を通過するように、燃料噴射弁の取付角度または燃料噴霧角が設定されたものである。
従って、燃料噴霧の上端は点火プラグの下方近傍を通過し、ピストン側のみならず点火プラグへの燃料噴霧の衝突も防止される。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1において、縦渦流調整機構が、内燃機関の吸気ポート内を吸気側及び排気側の一対の通路に区画する仕切壁と、区画された吸気側の通路の開度を調整可能な開閉手段とから構成され、制御手段が開閉手段の開度を制御するものである。
従って、吸気ポート内は仕切壁により吸気側及び排気側の一対の通路に区画され、その吸気側の通路の開度が開閉手段により調整される。吸気ポートから燃焼室内に流入される吸気は、吸気弁の傘部に衝突しながら吸気側と排気側とに分流されるが、吸気側の通路の開度が調整されると、それに応じて吸気の分流状態が変化するため、結果として燃焼室内で生起される縦渦流の強さを良好な制御性をもって調整可能となる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1において、ピストンの頂面に、縦渦流の流れ方向に沿って浅皿状のキャビティが形成されたものである。
従って、吸気行程において、吸気ポートから燃焼室内に流入した吸気がピストン頂面のキャビティに案内されながら円滑に縦渦流を生起する。
請求項6の発明は、請求項1において、燃焼室に、それぞれ吸気弁により開閉される一対の吸気ポートが開口形成され、両吸気ポートの間に燃料噴射弁が配設されたものである。
【0016】
従って、吸気行程において両吸気ポートから流入する吸気がそれぞれ縦渦流を生起し、双方の縦渦流は内燃機関が圧縮行程に移行しても完全には混合せずに、両縦渦流の間に燃料噴射弁から燃料噴霧が噴射される。よって、燃料噴霧は双方の縦渦流に挟まれて噴射方向と直交する方向への拡散を抑制されながら、点火プラグ近傍に移送される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したエンジンの燃料噴射装置の一実施形態を説明する。本実施形態のエンジンは気筒当たり4弁を備えた直列4気筒ガソリンエンジンとして構成されている。図1は当該エンジンの特定気筒におけるヘッド部分の構成を示す断面図、図2は図1のA矢視から見た側断面図であり、図1中の上段には平断面が、下段には側断面が相互に関連付けて表されている。以下、同図に従って特定気筒のヘッド部分の構成を説明するが、他の気筒も全く同一構成となっている。
【0018】
シリンダブロック1のシリンダ1a内には摺動自在にピストン2が嵌挿され、これらのシリンダ1a内及びピストン2の頂面とシリンダヘッド3の下面との間には燃焼室4が形成されている。
シリンダヘッド3には燃焼室4内の略中央に臨むように点火プラグ5が配設され、この点火プラグ5を中心として、図中の左方には一対の吸気ポート6(一方のみ図示)の一端側が開口し、図中の右方には同じく一対の排気ポート7(一方のみ図示)の一端が開口している。各吸気ポート6には吸気弁6aが、各排気ポート7には排気弁7aがそれぞれ配設され、これらの吸排気弁6a,7aは、図示しないカム軸によりクランク軸の回転に同期して対応するポート6,7を開閉する。
【0019】
吸気ポート6及び排気ポート7は一般的なエンジンと同様の形状をなしており、図示はしないが、吸気ポート6の他端側はシリンダヘッド3の一側面に開口して、スロットル弁等が備えられた吸気通路と連通し、一方、排気ポート7の他端側はシリンダヘッド3の他側面に開口して、触媒や消音器が備えられた排気通路と連通している。吸気通路からの吸気はスロットル弁で流量調整された後に吸気弁6aの開弁に伴って吸気ポート6から燃焼室4内に流入される一方、燃焼室4内で燃焼後の排ガスは排気弁7aの開弁に伴って排気ポート7から排気通路に案内されて、触媒及び消音器を経て外部に排出される。
【0020】
上記ピストン2の頂面はペントルーフ型をベースとしており、その頂面の中央には燃料噴射方向(換言すれば、後述する順タンブル流の流れ方向)に沿って浅皿状のキャビティ10が形成されている。即ち、周知のようにペントルーフ型は最上部の平坦面11を挟んで吸気弁側及び排気弁側にそれぞれ傾斜する傾斜面12が形成されているが、キャビティ10により抉られることでペントルーフ型の周囲が残され、この残存部分をスキッシュ生起部13としている。
【0021】
シリンダヘッド3の両吸気ポート6の間には、燃焼室4の外周側に位置するように燃料噴射弁8が設けられ、燃料噴射弁8は水平より若干先端側を下方に傾斜させた姿勢に保持されて、その先端を点火プラグ5に向けて指向させている。その結果、燃料噴射弁8からは、側面視において点火プラグ5の軸線Lに対して所定角度をもって交差し、且つ、平面視においては点火プラグ5の軸線Lに向けて燃料噴霧Fが噴射される。
【0022】
図3は燃料噴射弁8のノズル構造を示す図1の上段に対応する平断面図、図4は同じくノズル構造を示す図3のB矢視図、図5は図3のB矢視から見た燃料噴霧Fの断面形状を示す図である。燃料噴射弁8の先端にはスリット状をなす噴孔8aが形成され(所謂シングルスリットタイプ)、図4に示すように、噴孔8aは逆V字状をなしている。このノズル構造により、噴孔8aからは噴射方向と直交する方向の断面形状が逆V字状をなす扁平な燃料噴霧F(点火プラグ5側に凸状で、且つピストン2側に凹状の噴霧)が噴射される。
【0023】
又、噴射後の燃料噴霧Fは次第に拡散するが、図1の上段に示すように、燃料噴霧Fの拡散角度ψは50〜80°の範囲となるように、図1の下段に示すように、水平(例えば、シリンダヘッド3の下面)を基準とした燃料噴霧Fの下端の稜線角度θ1は30〜45°の範囲となるように、同じく水平を基準とした燃料噴霧Fの上端の稜線角度θ2は20〜−15°(負の場合は燃料噴霧Fが水平より上方に拡散することを意味する)の範囲となるように、燃料噴射弁8の取付角度や噴孔8aの形状等が設定されている。
【0024】
ここで、稜線角度θ1は、ピストン頂面への燃料噴霧Fの衝突を防止可能な値として設定されたものであり、所定の燃料噴射時期(換言すれば、ピストン位置)において、燃料噴霧Fの下端とピストン頂面との間にある程度の空間距離が確保されるように設定されている。又、稜線角度θ2は、燃料噴霧Fの上端が点火プラグ5の直下を通過するように設定されている。
【0025】
又、双方の稜線角度の差(θ1−θ2)が燃料噴霧Fの上下方向の拡散角度θ0となるが(稜線角度θ1,θ2及び拡散角度θ0を燃料噴霧角と総称する)、当該拡散角度θ0は上記した稜線角度θ1,θ2の設定の結果、例えば一般的な筒内噴射型エンジンに用いられるスワールインジェクタ等と比較して狭く設定されている。尚、最適な稜線角度θ1は、燃料噴射弁8の取付角度や燃料噴射時期等に応じて異なり、同じく最適な稜線角度θ2は、燃料噴射弁8と点火プラグ5との位置関係等に応じて異なる。よって、稜線角度θ1,θ2は必ずしも上記範囲内に限ることはなく、エンジンの仕様に応じて任意に設定できる。
【0026】
又、燃料噴射弁8に供給される燃料圧は、上記スワールインジェクタ等に適用される燃料圧(5〜8MPa程度)に比較して高く設定され、例えば12〜20MPaに設定されている。
一方、両吸気ポート6内には、吸気の流れ方向に沿って所定長さの仕切壁15(縦渦流調整機構)がそれぞれ配設され、仕切壁15により吸気ポート6内は吸気側(図1において下側)及び排気側(図1において上側)の一対の通路9a,9bに区画されている。両仕切壁15の上流側端部には共通の駆動軸16によりタンブル制御弁17(縦渦流調整機構、開閉手段)がそれぞれ支持され、駆動軸16にはステップモータ等のアクチュエータ18が連結されている。両タンブル制御弁17は駆動軸16を介してアクチュエータ18により一斉に駆動され、吸気ポート6の吸気側の通路9aを任意の開度に調整する。尚、タンブル制御弁17の配置は上流側端部に限定されない。
【0027】
図1に破線の矢印で示すように、吸気ポート6から燃焼室4内に流入される際の吸気は、吸気弁6aの傘部に衝突しながら吸気側と排気側とに分流されるが、ポート形状等の要因により排気側の吸気流の方が強いため、この吸気の流れとピストン上のキャビティ10とが協調して、実線の矢印で示すように燃焼室4内には、排気側のシリンダ壁に沿って下降した後にピストン頂面上を経て吸気側のシリンダ壁に沿って上昇する順タンブル流が生起される。
【0028】
そして、このときの順タンブル流の強さはタンブル制御弁17の開度に応じて変化し、タンブル制御弁17により吸気ポート6の吸気側の通路9aが閉鎖されるほど、吸気側に分流される吸気流が減少する一方、排気側に分流される吸気流が増加することから、強い順タンブル流が生起される。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU21(電子制御ユニット)が設置されている。ECU21の入力側には、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ22、スロットル弁の開度θthを検出するスロットルセンサ23等のセンサ類が接続され、出力側には、上記アクチュエータ18等のデバイス類が接続されている。
【0029】
ECU21はエンジンを総合的に制御し、燃料噴射制御については、運転領域(例えば、エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷)に応じて燃料噴射を圧縮行程で行う圧縮行程噴射と吸気行程で行う吸気行程噴射とを選択的に実行する。例えば、エンジン回転速度Neやエンジン負荷が比較的低い領域では圧縮行程噴射に切換えて、上記した順タンブル流により燃料噴霧Fを点火プラグ近傍に移送する成層燃焼を行う一方、エンジン回転速度Neやエンジン負荷の増加に伴って吸気行程噴射に切換えて、燃料噴霧と吸気とを均一に混合させる均一燃焼を行う。そして、圧縮行程噴射では、タンブル制御弁17の開度制御により点火プラグ5への燃料噴霧の到達タイミングを調整しており、以下、圧縮行程噴射での燃料噴霧の移送状況、及びタンブル制御弁17の制御状況を説明する。
【0030】
図6は噴射中の燃料噴霧Fを示す図、図7は噴射後の燃料噴霧Fを示す図、図8は点火直前の燃料噴霧Fを示す図であり、図1と同じく各図中の上段には平断面が、下段には側断面が表されている。又、図9は図6のC矢視から見た側断面図、図10は図7のD矢視から見た側断面図、図11は図8のE矢視から見た側断面図である。
【0031】
まず、吸気行程において、吸気弁6aの開弁に伴って両吸気ポート6から燃焼室4内に吸気が流入され、これらの吸気により燃焼室4内には吸気ポート6に対応して一対の順タンブル流が生起される。吸気弁6aが閉弁されて圧縮行程に移行すると、キャビティ10内で順タンブル流を上下に圧縮させながらピストン2が上昇し、図6,9に示すように、所定のクランク角で燃料噴射弁8から燃料が噴射される。
【0032】
噴射された燃料噴霧Fは断面逆V字状をなすため、広い面積をもって吸気と接触して良好に混合され、且つ、稜線角度θ1の設定に基づいてピストン頂面との空間距離が確保されてピストン頂面への衝突が防止されると共に、稜線角度θ2に基づいて点火プラグ5への衝突が防止される。又、図9に矢印で示すように、この時点でも双方の順タンブル流は保存されており、燃料噴霧Fは双方の順タンブル流の間に挟まれて噴射方向と直交する方向への拡散が抑制される。更にこの際、順タンブル流によって燃料噴霧Fが点火プラグ5側へ押し上げるように輸送されるため、ピストン頂面への付着が防止される。
【0033】
図7,10に示すように燃料噴射が終了すると、燃料噴霧Fはピストン2と共に上昇してきた順タンブル流に押し上げられる。このとき、燃料噴霧Fとピストン頂面との間には順タンブル流の吸気が介在するため、ピストン頂面への燃料噴霧Fの接触が防止される。そして、この順タンブル流により燃料噴霧Fは押し上げられながら点火プラグ近傍に移送される。
【0034】
その後、ピストン2が圧縮上死点に接近して点火時期の直前に至ると、図8,11に示すように、キャビティ周囲のスキッシュ生起部13が燃焼室4の内壁に接近して、矢印で示す燃焼室中央に向かうスキッシュ流Sが生起される。このスキッシュ流Sにより燃料噴霧Fの拡散、特に噴射方向と直交する方向への拡散が防止され、点火プラグ5の周囲に点火可能な混合気が形成された上で、その周囲は燃料希薄に保持される。よって、その後の点火プラグ5の点火により混合気が点火されて、成層燃焼が実現される。
【0035】
そして、以上のようにピストン頂面には浅皿のキャビティ10が形成されるだけのため、燃焼室4のS/V比を小さな値に抑制でき、S/V比の増大による熱損失増大や抗ノック性の悪化が防止される。又、燃料噴霧Fの移送時には、順タンブル流の吸気により燃料噴霧Fのピストン頂面への接触が防止されるため、スワールインジェクタを用いた場合のようなピストン頂面に溜まった燃料による局所的なオーバーリッチが回避される。よって、これらの要因に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止することができる。
【0036】
一方、以上の圧縮行程噴射において、ECU21はタンブル制御弁17の開度θBを図12に示すマップに基づいて制御する。即ち、エンジン回転速度Ne及びスロットル開度θthから開度θBの目標値が求められ、実際のタンブル制御弁17の開度θBが目標値となるように制御が行われる。エンジン回転速度Neが低くてスロットル開度θthが小さいほど開度θBが小さな値に設定されて、タンブル制御弁17により吸気ポート6の吸気側の通路9aが閉鎖されるため、吸気弁6aの傘部に衝突したときに吸気側に分流される吸気流が減少する一方、排気側に分流される吸気流が増加して、順タンブル流が強められる。
【0037】
ここで、エンジン回転速度Neが低いほど、且つ、スロットル開度θthが小さいほど、吸気ポート6内での吸気流速の低下に伴って順タンブル流は生起され難くなるため、噴射後の燃料噴霧が点火プラグ5に到達するまでの所要時間が長引く傾向となる。上記のようにエンジン回転速度Neの低下及びスロットル開度θthの減少に伴って順タンブル流が強められることで、エンジン回転速度Neやスロットル開度θthに起因する吸気流速の変動が補償されるため、これらの変動要素の変化に関わらず、所期の適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグ5に移送できる。よって、点火時期において点火プラグ5の周囲に適切な混合気を形成でき、もって、確実な成層燃焼を実現することができる。
【0038】
尚、タンブル制御弁17の開度制御には必ずしもエンジン回転速度Ne及びスロットル開度θthを共に反映させる必要はなく、何れか一方のみでもよいし、又、吸気圧等の他の要件を用いてもよい。例えば、エンジン回転速度Neが低くなるほど、又は吸気圧が低くなるほど、タンブル制御弁17の開度θBを小さな値に設定してもよい。
【0039】
一方、本実施形態では、特許文献1,2の技術のように逆タンブル流を生起するための直立吸気ポートを必要としない。特許文献1,2の技術では、直立吸気ポート専用の生産設備、エンジン全高に起因するカーデザインの制約、構造複雑なスワールインジェクタによるコストアップ等の問題を有するが、本実施形態では吸気ポート6のレイアウトを自由に設計できるため、生産設備やカーデザイン上の制約がない上に、噴孔形状を変更しただけのシンプルな燃料噴射弁8を採用することでコスト低減を達成できるという利点もある。
【0040】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、4弁式の直列4気筒ガソリンエンジンの燃料噴射装置として具体化したが、エンジンの動弁機構を吸排気2弁に変更したり、或いはエンジンの気筒配列を変更したりしてもよい。
又、上記実施形態では、ペントルーフ型のピストン頂面をベースとして浅皿状のキャビティ10を形成したが、ピストン頂面の形状はこれに限ることはなく、例えば、頂面が平坦なピストンに浅皿状のキャビティを形成したり、或いは頂面が平坦なピストンをそのまま用いてもよい。
【0041】
更に、上記実施形態では、吸気ポート6内を仕切壁15により区画し、区画した吸気側の通路9aをタンブル制御弁17により開閉して順タンブル流の強さを変化させたが、縦渦流調整機構の構成はこれに限ることはなく、例えば吸気ポート6内の吸気側(下側)にフラップを設けて、このフラップの角度に応じて吸気弁6aへの吸気の衝突状態を変化させ、これにより順タンブル流の強さを変化させてもよい。
【0042】
一方、上記実施形態では、燃料噴射弁8にスリット状をなす逆V字状の噴孔8aを形成し、それと対応する断面形状の燃料噴霧Fを噴射したが、噴孔8aの形状はこれに限ることはなく種々に変更可能である。例えば、図13に示すように逆U字状の噴孔31を形成したり、図14に示すように略ハ字状の噴孔32(所謂マルチスリットタイプ)を形成したりしてもよい。
【0043】
又、図15に示すように逆V字状の噴孔33を併設してもよく、このように構成した場合には、併設した噴孔33から噴射された燃料噴霧Fが衝突しながら合流するため、より扁平な燃料噴霧が形成され、接触面積の増大に伴って吸気との混合を一層促進できる。
又、図16,17に示すように、複数の噴孔34a,35aからなる噴孔群34,35として形成してもよい(所謂マルチホールタイプ)。図16の噴孔群34は、図4のスリット状の噴孔8aと同様の機能を奏し、図17の噴孔群17は、図15のスリット状の噴孔33と同様の機能を奏するが、これらのスリット状の噴孔8a,33に比較して各噴孔34a,35aの径が縮小されるため、燃料噴霧Fを微粒化して吸気との混合を一層促進できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1,2の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、ピストン頂面への燃料付着及びS/V比の増加に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止した上で、内燃機関の運転状態に関わらず適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送し、もって、確実な成層燃焼を実現することができる。
【0045】
請求項3の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、点火プラグへの燃料噴霧の衝突を防止して、更なる熱効率の改善とエミッションの低減を達成することができる。
請求項4の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、良好な制御性で縦渦流の強さを調整でき、一層確実な成層燃焼を実現することができる。
【0046】
請求項5の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、ピストン頂面のキャビティの案内で円滑に縦渦流を生起でき、一層確実な成層燃焼を実現することができる。
請求項6の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、噴射方向と直交する方向への燃料噴霧の拡散を抑制して、一層確実な成層燃焼を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエンジンのヘッド部分の構成を示す断面図である。
【図2】同じくヘッド部分の構成を示す図1のA矢視から見た側断面図である。
【図3】燃料噴射弁のノズル構造を示す図1の上段に対応する平断面図である。
【図4】同じくノズル構造を示す図3のB矢視図である。
【図5】図3のB矢視から見た燃料噴霧の断面形状を示す図である。
【図6】噴射中の燃料噴霧を示す図である。
【図7】噴射後の燃料噴霧を示す図である。
【図8】点火直前の燃料噴霧を示す図である。
【図9】図6のC矢視から見た側断面図である。
【図10】図7のD矢視から見た側断面図である。
【図11】図8のE矢視から見た側断面図である。
【図12】タンブル制御弁の開度を設定するためのマップを示す図である。
【図13】噴孔を逆U字状に形成した別例を示す図である。
【図14】噴孔を略ハ字状に形成した別例を示す図である。
【図15】逆V字状の噴孔を併設した別例を示す図である。
【図16】噴孔を噴孔群として形成した別例を示す図である。
【図17】噴孔を噴孔群として形成した別例を示す図である。
【符号の説明】
2 ピストン
4 燃焼室
5 点火プラグ
6 吸気ポート
6a 吸気弁
8 燃料噴射弁
9a 吸気側の通路
9b 排気側の通路
10 キャビティ
15 仕切壁(縦渦流調整機構)
17 タンブル制御弁(開閉手段、縦渦流調整機構)
21 ECU(制御手段)
F 燃料噴霧
8a,31〜33,34a,35a 噴孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射型火花点火内燃機関(以下、単にエンジンという)の燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射型のエンジンでは、筒内での燃焼状態に燃料の噴霧形状が大きく関与することから、適切な燃料噴霧を形成するために種々の提案がなされており、例えば燃料噴射弁として、燃料噴霧を円錐状に拡散させるスワールインジェクタを用いたものがある(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
これらの特許文献に記載された技術では、ピストン頂面に深皿キャビティを形成すると共に、吸気ポートを略直立して形成し、圧縮行程において吸気ポートから流入した吸気をキャビティにより上方に反転させ、これにより生起された逆タンブル流を利用してスワールインジェクタからの燃料噴霧を点火プラグ近傍まで移送し、点火プラグの周囲に点火可能な混合気を形成した上で、その周囲を燃料希薄とした成層燃焼を可能としている。
【0004】
しかしながら、吸気流動を利用して燃料噴霧をピストンのキャビティ上で反転させるため、燃料がピストン頂面に付着して溜まり易く、局所的なオーバーリッチ化により熱効率の低下やHC、スート、スモーク等(以下、まとめてエミッションという)の増大を招いてしまう問題があった。又、深皿キャビティは燃焼室のS/V比を増加させる要因となり、熱損失増大を引き起こしたり、抗ノック性の悪化に伴って熱効率の低下やHC増大を引き起こすという問題もあった。
【0005】
一方、スワールインジェクタでは円錐状噴霧の中心部が空気と混合し難いことに着目し、断面逆V字状の燃料噴霧を形成するようにノズル構造を設定して、均一な混合を図った燃料噴射弁が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3087309号明細書
【特許文献2】
特開平10−288039号公報
【特許文献3】
特許第3343672号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献3には燃料噴射弁自体の構成は開示されているものの、当該燃料噴射弁を利用して、圧縮行程で噴射した燃料噴霧を点火プラグ近傍に移送する構成については記載されていない。この種の成層燃焼を行う燃料噴射装置では、点火時期において点火プラグの周囲に適切な混合気が形成されていないと正常な点火が望めない一方、燃料噴霧の移送状況はエンジンの運転状態、具体的には回転速度やスロットル開度等の影響を受ける。よって、成層燃焼を実現するには、点火プラグへの燃料噴霧の到達タイミングをエンジンの運転状況に応じて緻密に制御する必要があるが、上記特許文献3の技術では、この要求を満足させることはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、ピストン頂面への燃料付着及びS/V比の増加に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止した上で、内燃機関の運転状態に関わらず適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送し、もって、確実な成層燃焼を実現することができる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の燃焼室の略中央に点火プラグを配設すると共に、燃焼室の吸気側の一側に、点火プラグの軸線に対して所定角度をもって交差する燃料噴霧を噴射するように燃料噴射弁を配設し、内燃機関の吸気行程において吸気ポートから流入した吸気により、燃焼室内に排気側で下降して吸気側で上昇する縦渦流を生起し、続く圧縮行程において燃料噴射弁から燃焼室内に直接燃料を噴射して縦渦流により点火プラグ近傍に移送して成層燃焼を行う内燃機関の燃料噴射装置において、燃料噴射弁の噴孔は、点火プラグ側に凸状で、且つピストン側に凹状をなす断面形状の燃料噴霧をなすように形成され、燃焼室内での縦渦流の強さを調整する縦渦流調整機構と、内燃機関の運転状態に応じて縦渦流調整機構を制御する制御手段とを備えたものである。
【0010】
従って、燃料噴射弁からは点火プラグの軸線に対して所定角度をもって交差するように燃料噴霧が噴射され、燃料噴霧の断面形状が点火プラグ側に凸状で、且つピストン側に凹状をなすため、広い面積をもって吸気と接触して良好に混合されると共に、燃料噴霧とピストン頂面との空間距離が確保されて、燃料噴霧のピストン頂面への衝突が防止される。又、ピストン頂面に深皿状のキャビティを形成することなく縦渦流を生起するため、燃焼室のS/V比が小さな値に抑制される。
【0011】
一方、吸気行程において生起された縦渦流により、燃料噴霧は点火プラグ近傍に移送されて所定のタイミングで点火されるが、このときの縦渦流の強さは、制御手段に制御された縦渦流調整機構により内燃機関の運転状態に応じて調整される。
内燃機関の運転状態としては、例えば、機関回転速度やスロットル開度等のように吸気流速を変動させる要素が適用され、機関回転速度が低くてスロットル開度が小さいほど、吸気流速の低下に伴って縦渦流は生起され難くなるが、これらの変動要素を考慮することで吸気流速の変動が補償されて、所期の適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送可能となる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1において、燃料噴射弁の噴孔が、逆V字状或いは逆U字状をなすように形成されたものである。
従って、燃料噴射弁の噴孔と対応して逆V字状或いは逆U字状の断面形状をなすように燃料噴霧が噴射され、これらの燃料噴霧は広い面積をもって吸気と接触して良好に混合されると共に、ピストン頂面との空間距離を確保可能となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2において、燃料噴霧の上端が点火プラグの下方近傍を通過するように、燃料噴射弁の取付角度または燃料噴霧角が設定されたものである。
従って、燃料噴霧の上端は点火プラグの下方近傍を通過し、ピストン側のみならず点火プラグへの燃料噴霧の衝突も防止される。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1において、縦渦流調整機構が、内燃機関の吸気ポート内を吸気側及び排気側の一対の通路に区画する仕切壁と、区画された吸気側の通路の開度を調整可能な開閉手段とから構成され、制御手段が開閉手段の開度を制御するものである。
従って、吸気ポート内は仕切壁により吸気側及び排気側の一対の通路に区画され、その吸気側の通路の開度が開閉手段により調整される。吸気ポートから燃焼室内に流入される吸気は、吸気弁の傘部に衝突しながら吸気側と排気側とに分流されるが、吸気側の通路の開度が調整されると、それに応じて吸気の分流状態が変化するため、結果として燃焼室内で生起される縦渦流の強さを良好な制御性をもって調整可能となる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1において、ピストンの頂面に、縦渦流の流れ方向に沿って浅皿状のキャビティが形成されたものである。
従って、吸気行程において、吸気ポートから燃焼室内に流入した吸気がピストン頂面のキャビティに案内されながら円滑に縦渦流を生起する。
請求項6の発明は、請求項1において、燃焼室に、それぞれ吸気弁により開閉される一対の吸気ポートが開口形成され、両吸気ポートの間に燃料噴射弁が配設されたものである。
【0016】
従って、吸気行程において両吸気ポートから流入する吸気がそれぞれ縦渦流を生起し、双方の縦渦流は内燃機関が圧縮行程に移行しても完全には混合せずに、両縦渦流の間に燃料噴射弁から燃料噴霧が噴射される。よって、燃料噴霧は双方の縦渦流に挟まれて噴射方向と直交する方向への拡散を抑制されながら、点火プラグ近傍に移送される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したエンジンの燃料噴射装置の一実施形態を説明する。本実施形態のエンジンは気筒当たり4弁を備えた直列4気筒ガソリンエンジンとして構成されている。図1は当該エンジンの特定気筒におけるヘッド部分の構成を示す断面図、図2は図1のA矢視から見た側断面図であり、図1中の上段には平断面が、下段には側断面が相互に関連付けて表されている。以下、同図に従って特定気筒のヘッド部分の構成を説明するが、他の気筒も全く同一構成となっている。
【0018】
シリンダブロック1のシリンダ1a内には摺動自在にピストン2が嵌挿され、これらのシリンダ1a内及びピストン2の頂面とシリンダヘッド3の下面との間には燃焼室4が形成されている。
シリンダヘッド3には燃焼室4内の略中央に臨むように点火プラグ5が配設され、この点火プラグ5を中心として、図中の左方には一対の吸気ポート6(一方のみ図示)の一端側が開口し、図中の右方には同じく一対の排気ポート7(一方のみ図示)の一端が開口している。各吸気ポート6には吸気弁6aが、各排気ポート7には排気弁7aがそれぞれ配設され、これらの吸排気弁6a,7aは、図示しないカム軸によりクランク軸の回転に同期して対応するポート6,7を開閉する。
【0019】
吸気ポート6及び排気ポート7は一般的なエンジンと同様の形状をなしており、図示はしないが、吸気ポート6の他端側はシリンダヘッド3の一側面に開口して、スロットル弁等が備えられた吸気通路と連通し、一方、排気ポート7の他端側はシリンダヘッド3の他側面に開口して、触媒や消音器が備えられた排気通路と連通している。吸気通路からの吸気はスロットル弁で流量調整された後に吸気弁6aの開弁に伴って吸気ポート6から燃焼室4内に流入される一方、燃焼室4内で燃焼後の排ガスは排気弁7aの開弁に伴って排気ポート7から排気通路に案内されて、触媒及び消音器を経て外部に排出される。
【0020】
上記ピストン2の頂面はペントルーフ型をベースとしており、その頂面の中央には燃料噴射方向(換言すれば、後述する順タンブル流の流れ方向)に沿って浅皿状のキャビティ10が形成されている。即ち、周知のようにペントルーフ型は最上部の平坦面11を挟んで吸気弁側及び排気弁側にそれぞれ傾斜する傾斜面12が形成されているが、キャビティ10により抉られることでペントルーフ型の周囲が残され、この残存部分をスキッシュ生起部13としている。
【0021】
シリンダヘッド3の両吸気ポート6の間には、燃焼室4の外周側に位置するように燃料噴射弁8が設けられ、燃料噴射弁8は水平より若干先端側を下方に傾斜させた姿勢に保持されて、その先端を点火プラグ5に向けて指向させている。その結果、燃料噴射弁8からは、側面視において点火プラグ5の軸線Lに対して所定角度をもって交差し、且つ、平面視においては点火プラグ5の軸線Lに向けて燃料噴霧Fが噴射される。
【0022】
図3は燃料噴射弁8のノズル構造を示す図1の上段に対応する平断面図、図4は同じくノズル構造を示す図3のB矢視図、図5は図3のB矢視から見た燃料噴霧Fの断面形状を示す図である。燃料噴射弁8の先端にはスリット状をなす噴孔8aが形成され(所謂シングルスリットタイプ)、図4に示すように、噴孔8aは逆V字状をなしている。このノズル構造により、噴孔8aからは噴射方向と直交する方向の断面形状が逆V字状をなす扁平な燃料噴霧F(点火プラグ5側に凸状で、且つピストン2側に凹状の噴霧)が噴射される。
【0023】
又、噴射後の燃料噴霧Fは次第に拡散するが、図1の上段に示すように、燃料噴霧Fの拡散角度ψは50〜80°の範囲となるように、図1の下段に示すように、水平(例えば、シリンダヘッド3の下面)を基準とした燃料噴霧Fの下端の稜線角度θ1は30〜45°の範囲となるように、同じく水平を基準とした燃料噴霧Fの上端の稜線角度θ2は20〜−15°(負の場合は燃料噴霧Fが水平より上方に拡散することを意味する)の範囲となるように、燃料噴射弁8の取付角度や噴孔8aの形状等が設定されている。
【0024】
ここで、稜線角度θ1は、ピストン頂面への燃料噴霧Fの衝突を防止可能な値として設定されたものであり、所定の燃料噴射時期(換言すれば、ピストン位置)において、燃料噴霧Fの下端とピストン頂面との間にある程度の空間距離が確保されるように設定されている。又、稜線角度θ2は、燃料噴霧Fの上端が点火プラグ5の直下を通過するように設定されている。
【0025】
又、双方の稜線角度の差(θ1−θ2)が燃料噴霧Fの上下方向の拡散角度θ0となるが(稜線角度θ1,θ2及び拡散角度θ0を燃料噴霧角と総称する)、当該拡散角度θ0は上記した稜線角度θ1,θ2の設定の結果、例えば一般的な筒内噴射型エンジンに用いられるスワールインジェクタ等と比較して狭く設定されている。尚、最適な稜線角度θ1は、燃料噴射弁8の取付角度や燃料噴射時期等に応じて異なり、同じく最適な稜線角度θ2は、燃料噴射弁8と点火プラグ5との位置関係等に応じて異なる。よって、稜線角度θ1,θ2は必ずしも上記範囲内に限ることはなく、エンジンの仕様に応じて任意に設定できる。
【0026】
又、燃料噴射弁8に供給される燃料圧は、上記スワールインジェクタ等に適用される燃料圧(5〜8MPa程度)に比較して高く設定され、例えば12〜20MPaに設定されている。
一方、両吸気ポート6内には、吸気の流れ方向に沿って所定長さの仕切壁15(縦渦流調整機構)がそれぞれ配設され、仕切壁15により吸気ポート6内は吸気側(図1において下側)及び排気側(図1において上側)の一対の通路9a,9bに区画されている。両仕切壁15の上流側端部には共通の駆動軸16によりタンブル制御弁17(縦渦流調整機構、開閉手段)がそれぞれ支持され、駆動軸16にはステップモータ等のアクチュエータ18が連結されている。両タンブル制御弁17は駆動軸16を介してアクチュエータ18により一斉に駆動され、吸気ポート6の吸気側の通路9aを任意の開度に調整する。尚、タンブル制御弁17の配置は上流側端部に限定されない。
【0027】
図1に破線の矢印で示すように、吸気ポート6から燃焼室4内に流入される際の吸気は、吸気弁6aの傘部に衝突しながら吸気側と排気側とに分流されるが、ポート形状等の要因により排気側の吸気流の方が強いため、この吸気の流れとピストン上のキャビティ10とが協調して、実線の矢印で示すように燃焼室4内には、排気側のシリンダ壁に沿って下降した後にピストン頂面上を経て吸気側のシリンダ壁に沿って上昇する順タンブル流が生起される。
【0028】
そして、このときの順タンブル流の強さはタンブル制御弁17の開度に応じて変化し、タンブル制御弁17により吸気ポート6の吸気側の通路9aが閉鎖されるほど、吸気側に分流される吸気流が減少する一方、排気側に分流される吸気流が増加することから、強い順タンブル流が生起される。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU21(電子制御ユニット)が設置されている。ECU21の入力側には、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ22、スロットル弁の開度θthを検出するスロットルセンサ23等のセンサ類が接続され、出力側には、上記アクチュエータ18等のデバイス類が接続されている。
【0029】
ECU21はエンジンを総合的に制御し、燃料噴射制御については、運転領域(例えば、エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷)に応じて燃料噴射を圧縮行程で行う圧縮行程噴射と吸気行程で行う吸気行程噴射とを選択的に実行する。例えば、エンジン回転速度Neやエンジン負荷が比較的低い領域では圧縮行程噴射に切換えて、上記した順タンブル流により燃料噴霧Fを点火プラグ近傍に移送する成層燃焼を行う一方、エンジン回転速度Neやエンジン負荷の増加に伴って吸気行程噴射に切換えて、燃料噴霧と吸気とを均一に混合させる均一燃焼を行う。そして、圧縮行程噴射では、タンブル制御弁17の開度制御により点火プラグ5への燃料噴霧の到達タイミングを調整しており、以下、圧縮行程噴射での燃料噴霧の移送状況、及びタンブル制御弁17の制御状況を説明する。
【0030】
図6は噴射中の燃料噴霧Fを示す図、図7は噴射後の燃料噴霧Fを示す図、図8は点火直前の燃料噴霧Fを示す図であり、図1と同じく各図中の上段には平断面が、下段には側断面が表されている。又、図9は図6のC矢視から見た側断面図、図10は図7のD矢視から見た側断面図、図11は図8のE矢視から見た側断面図である。
【0031】
まず、吸気行程において、吸気弁6aの開弁に伴って両吸気ポート6から燃焼室4内に吸気が流入され、これらの吸気により燃焼室4内には吸気ポート6に対応して一対の順タンブル流が生起される。吸気弁6aが閉弁されて圧縮行程に移行すると、キャビティ10内で順タンブル流を上下に圧縮させながらピストン2が上昇し、図6,9に示すように、所定のクランク角で燃料噴射弁8から燃料が噴射される。
【0032】
噴射された燃料噴霧Fは断面逆V字状をなすため、広い面積をもって吸気と接触して良好に混合され、且つ、稜線角度θ1の設定に基づいてピストン頂面との空間距離が確保されてピストン頂面への衝突が防止されると共に、稜線角度θ2に基づいて点火プラグ5への衝突が防止される。又、図9に矢印で示すように、この時点でも双方の順タンブル流は保存されており、燃料噴霧Fは双方の順タンブル流の間に挟まれて噴射方向と直交する方向への拡散が抑制される。更にこの際、順タンブル流によって燃料噴霧Fが点火プラグ5側へ押し上げるように輸送されるため、ピストン頂面への付着が防止される。
【0033】
図7,10に示すように燃料噴射が終了すると、燃料噴霧Fはピストン2と共に上昇してきた順タンブル流に押し上げられる。このとき、燃料噴霧Fとピストン頂面との間には順タンブル流の吸気が介在するため、ピストン頂面への燃料噴霧Fの接触が防止される。そして、この順タンブル流により燃料噴霧Fは押し上げられながら点火プラグ近傍に移送される。
【0034】
その後、ピストン2が圧縮上死点に接近して点火時期の直前に至ると、図8,11に示すように、キャビティ周囲のスキッシュ生起部13が燃焼室4の内壁に接近して、矢印で示す燃焼室中央に向かうスキッシュ流Sが生起される。このスキッシュ流Sにより燃料噴霧Fの拡散、特に噴射方向と直交する方向への拡散が防止され、点火プラグ5の周囲に点火可能な混合気が形成された上で、その周囲は燃料希薄に保持される。よって、その後の点火プラグ5の点火により混合気が点火されて、成層燃焼が実現される。
【0035】
そして、以上のようにピストン頂面には浅皿のキャビティ10が形成されるだけのため、燃焼室4のS/V比を小さな値に抑制でき、S/V比の増大による熱損失増大や抗ノック性の悪化が防止される。又、燃料噴霧Fの移送時には、順タンブル流の吸気により燃料噴霧Fのピストン頂面への接触が防止されるため、スワールインジェクタを用いた場合のようなピストン頂面に溜まった燃料による局所的なオーバーリッチが回避される。よって、これらの要因に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止することができる。
【0036】
一方、以上の圧縮行程噴射において、ECU21はタンブル制御弁17の開度θBを図12に示すマップに基づいて制御する。即ち、エンジン回転速度Ne及びスロットル開度θthから開度θBの目標値が求められ、実際のタンブル制御弁17の開度θBが目標値となるように制御が行われる。エンジン回転速度Neが低くてスロットル開度θthが小さいほど開度θBが小さな値に設定されて、タンブル制御弁17により吸気ポート6の吸気側の通路9aが閉鎖されるため、吸気弁6aの傘部に衝突したときに吸気側に分流される吸気流が減少する一方、排気側に分流される吸気流が増加して、順タンブル流が強められる。
【0037】
ここで、エンジン回転速度Neが低いほど、且つ、スロットル開度θthが小さいほど、吸気ポート6内での吸気流速の低下に伴って順タンブル流は生起され難くなるため、噴射後の燃料噴霧が点火プラグ5に到達するまでの所要時間が長引く傾向となる。上記のようにエンジン回転速度Neの低下及びスロットル開度θthの減少に伴って順タンブル流が強められることで、エンジン回転速度Neやスロットル開度θthに起因する吸気流速の変動が補償されるため、これらの変動要素の変化に関わらず、所期の適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグ5に移送できる。よって、点火時期において点火プラグ5の周囲に適切な混合気を形成でき、もって、確実な成層燃焼を実現することができる。
【0038】
尚、タンブル制御弁17の開度制御には必ずしもエンジン回転速度Ne及びスロットル開度θthを共に反映させる必要はなく、何れか一方のみでもよいし、又、吸気圧等の他の要件を用いてもよい。例えば、エンジン回転速度Neが低くなるほど、又は吸気圧が低くなるほど、タンブル制御弁17の開度θBを小さな値に設定してもよい。
【0039】
一方、本実施形態では、特許文献1,2の技術のように逆タンブル流を生起するための直立吸気ポートを必要としない。特許文献1,2の技術では、直立吸気ポート専用の生産設備、エンジン全高に起因するカーデザインの制約、構造複雑なスワールインジェクタによるコストアップ等の問題を有するが、本実施形態では吸気ポート6のレイアウトを自由に設計できるため、生産設備やカーデザイン上の制約がない上に、噴孔形状を変更しただけのシンプルな燃料噴射弁8を採用することでコスト低減を達成できるという利点もある。
【0040】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、4弁式の直列4気筒ガソリンエンジンの燃料噴射装置として具体化したが、エンジンの動弁機構を吸排気2弁に変更したり、或いはエンジンの気筒配列を変更したりしてもよい。
又、上記実施形態では、ペントルーフ型のピストン頂面をベースとして浅皿状のキャビティ10を形成したが、ピストン頂面の形状はこれに限ることはなく、例えば、頂面が平坦なピストンに浅皿状のキャビティを形成したり、或いは頂面が平坦なピストンをそのまま用いてもよい。
【0041】
更に、上記実施形態では、吸気ポート6内を仕切壁15により区画し、区画した吸気側の通路9aをタンブル制御弁17により開閉して順タンブル流の強さを変化させたが、縦渦流調整機構の構成はこれに限ることはなく、例えば吸気ポート6内の吸気側(下側)にフラップを設けて、このフラップの角度に応じて吸気弁6aへの吸気の衝突状態を変化させ、これにより順タンブル流の強さを変化させてもよい。
【0042】
一方、上記実施形態では、燃料噴射弁8にスリット状をなす逆V字状の噴孔8aを形成し、それと対応する断面形状の燃料噴霧Fを噴射したが、噴孔8aの形状はこれに限ることはなく種々に変更可能である。例えば、図13に示すように逆U字状の噴孔31を形成したり、図14に示すように略ハ字状の噴孔32(所謂マルチスリットタイプ)を形成したりしてもよい。
【0043】
又、図15に示すように逆V字状の噴孔33を併設してもよく、このように構成した場合には、併設した噴孔33から噴射された燃料噴霧Fが衝突しながら合流するため、より扁平な燃料噴霧が形成され、接触面積の増大に伴って吸気との混合を一層促進できる。
又、図16,17に示すように、複数の噴孔34a,35aからなる噴孔群34,35として形成してもよい(所謂マルチホールタイプ)。図16の噴孔群34は、図4のスリット状の噴孔8aと同様の機能を奏し、図17の噴孔群17は、図15のスリット状の噴孔33と同様の機能を奏するが、これらのスリット状の噴孔8a,33に比較して各噴孔34a,35aの径が縮小されるため、燃料噴霧Fを微粒化して吸気との混合を一層促進できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1,2の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、ピストン頂面への燃料付着及びS/V比の増加に起因する熱効率の低下やエミッションの増大を未然に防止した上で、内燃機関の運転状態に関わらず適切なタイミングで燃料噴霧を点火プラグに移送し、もって、確実な成層燃焼を実現することができる。
【0045】
請求項3の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、点火プラグへの燃料噴霧の衝突を防止して、更なる熱効率の改善とエミッションの低減を達成することができる。
請求項4の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、良好な制御性で縦渦流の強さを調整でき、一層確実な成層燃焼を実現することができる。
【0046】
請求項5の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、ピストン頂面のキャビティの案内で円滑に縦渦流を生起でき、一層確実な成層燃焼を実現することができる。
請求項6の発明の内燃機関の燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、噴射方向と直交する方向への燃料噴霧の拡散を抑制して、一層確実な成層燃焼を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエンジンのヘッド部分の構成を示す断面図である。
【図2】同じくヘッド部分の構成を示す図1のA矢視から見た側断面図である。
【図3】燃料噴射弁のノズル構造を示す図1の上段に対応する平断面図である。
【図4】同じくノズル構造を示す図3のB矢視図である。
【図5】図3のB矢視から見た燃料噴霧の断面形状を示す図である。
【図6】噴射中の燃料噴霧を示す図である。
【図7】噴射後の燃料噴霧を示す図である。
【図8】点火直前の燃料噴霧を示す図である。
【図9】図6のC矢視から見た側断面図である。
【図10】図7のD矢視から見た側断面図である。
【図11】図8のE矢視から見た側断面図である。
【図12】タンブル制御弁の開度を設定するためのマップを示す図である。
【図13】噴孔を逆U字状に形成した別例を示す図である。
【図14】噴孔を略ハ字状に形成した別例を示す図である。
【図15】逆V字状の噴孔を併設した別例を示す図である。
【図16】噴孔を噴孔群として形成した別例を示す図である。
【図17】噴孔を噴孔群として形成した別例を示す図である。
【符号の説明】
2 ピストン
4 燃焼室
5 点火プラグ
6 吸気ポート
6a 吸気弁
8 燃料噴射弁
9a 吸気側の通路
9b 排気側の通路
10 キャビティ
15 仕切壁(縦渦流調整機構)
17 タンブル制御弁(開閉手段、縦渦流調整機構)
21 ECU(制御手段)
F 燃料噴霧
8a,31〜33,34a,35a 噴孔
Claims (6)
- 内燃機関の燃焼室の略中央に点火プラグを配設すると共に、該燃焼室の吸気側の一側に、点火プラグの軸線に対して所定角度をもって交差する燃料噴霧を噴射するように燃料噴射弁を配設し、上記内燃機関の吸気行程において吸気ポートから流入した吸気により、上記燃焼室内に排気側で下降して吸気側で上昇する縦渦流を生起し、続く圧縮行程において上記燃料噴射弁から燃焼室内に直接燃料を噴射して上記縦渦流により上記点火プラグ近傍に移送して成層燃焼を行う内燃機関の燃料噴射装置において、
上記燃料噴射弁の噴孔は、上記点火プラグ側に凸状で、且つ上記ピストン側に凹状をなす断面形状の燃料噴霧をなすように形成され、
上記燃焼室内での縦渦流の強さを調整する縦渦流調整機構と、
上記内燃機関の運転状態に応じて上記縦渦流調整機構を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。 - 上記燃料噴射弁の噴孔は、逆V字状或いは逆U字状をなすように形成されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記燃料噴射弁は、上記燃料噴霧の上端が上記点火プラグの下方近傍を通過するように、取付角度または燃料噴霧角が設定されたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記縦渦流調整機構は、上記内燃機関の吸気ポート内を吸気側及び排気側の一対の通路に区画する仕切壁と、該区画された吸気側の通路の開度を調整可能な開閉手段とから構成され、上記制御手段は、上記開閉手段の開度を制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記ピストンの頂面には、上記縦渦流の流れ方向に沿って浅皿状のキャビティが形成されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記燃焼室には、それぞれ吸気弁により開閉される一対の吸気ポートが開口形成され、両吸気ポートの間に上記燃料噴射弁が配設されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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